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2017年6月8日(木)
加計問題と『政と官』 安倍一強『忖度』研究

ゲスト

河野太郎
自由民主党行政改革推進本部長 衆議院議員
江田憲司
民進党代表代行 衆議院議員
山田惠資
時事通信社解説委員長
石川和男
政策アナリスト NPO法人社会保障経済研究所代表

安倍一強時代の『政と官』 加計問題で『忖度』は?
秋元キャスター
「官僚による安倍総理や政権への忖度の可能性が指摘されている、森友学園への国有地払い下げ問題と、加計学園の獣医学部新設をめぐる問題。元TBS記者への逮捕状執行停止についても、警察官僚の忖度があったのではないのかと一部で報道されています。与野党の論客と専門家を迎えて、政と官のあるべき姿について考えます。まずは問題の概要をまとめました。加計学園問題では、安倍総理の腹心の友とされる加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人の獣医学部新設計画について、内閣府が安倍総理を忖度し、文部科学省に対し国家戦略特区の条件や事業者選定のプロセスで特別な配慮を求める圧力をかけ、その圧力に屈して、文部科学省は獣医学部新設の事業者に加計学園を選定したのではないかという疑惑が持たれています」
反町キャスター
「民進党が手に入れたとして公表している文書の、これはいくつかあるうちの1つですけれども。藤原内閣府審議官との打ち合わせ概要。この藤原審議官というのは特区担当の内閣府に出向している、経産省から出向している審議官で、この中でポイントになっているのは『官邸の最高レベルが言っていること』。だから、山本大臣もきちんとやりたいと言っているのだと、こういう話ですけれども。江田さん、この文書に総理の意向が示されていると、こういう理解?」
江田議員
「いや、正確に言うと、役人はこういう、しかも、内部文書ですから、噓は書きませんから、メモしたやつをこう書き下すわけですよね。そのへんについてこう言っている以上は、本当に総理がそう言っているかどうかはわかりません」
反町キャスター
「わからない?」
江田議員
「要は、いろいろなケースがあって、この藤原審議官が虎の威を借りて、総理の意を借りて言っていることもあるんですよ」
反町キャスター
「それはありますよね」
江田議員
「だから、そういうことも含めて、藤原さんを何で呼ばないの、国会で。証人喚問すれば嘘つくと偽証罪ですから。そういう場で、ありません、と言えばいいですよ」
河野議員
「官邸の最高レベルがしっかりと岩盤規制を崩せと言っているわけですから、それは当然のことだと思うんですね。文科省はずっとこの規制を守ってきた、それを戦略特区でやるぞと、そうすると、決められたら次は先延ばしにしようと、それは、先延ばしはダメよと、やるのだからキチッと決められた通りにやれというのがやりとりの本筋ですから。これは別にいちいち国会を呼んでやったのか、やらないのか、岩盤規制を崩す時には上から落とすわけですから。問題はその岩盤規制を崩し、きちんと獣医学部をつくって、それがいい方向へ向かっているのか、いや、その程度では足らないのか、その政策の効果が良かったか悪かったかというのを議論すべきであって。岩盤規制を崩す時に、誰がどう言ったか、ああ言ったかなんていう話を、国会でいちいちそんなことをやるのですかと。それは違うのだと思いますね。今回の森友学園も、97兆4547億円という史上最高の予算を予算委員会に出して、ほとんどの時間は森友学園の8億円、しかも、予算でなくて決算、そればかりをやって97億4547億円の大半については、ほとんど予算委員会で触れずに終わっているわけで。それは少し政治のやり方として私は違うのだろうと。政治というのは、国民にとってどうだったのかという、その成果をきちんと検証するのが大事なのであって、この文言がどうだったか、こうだったか、そのために人を呼んで何時間かそこで費やしてというのは、それはちょっと違うのではないのかと。もう少し国会の時間、あるいはお金を、ちゃんと国民のためになることに使うべきなのではないかと思いますね」
反町キャスター
「江田さん、今の河野さんの指摘はいかがですか?」
江田議員
「そのあとが出ていまして、何も岩盤規制を早くやれと言っているのではないですよ。具体的にこの今治市の問題を早くやれと。あと出ていませんけれど、こう言っているんですね。今治市構想について、獣医師会から文科省、農水省に最高戦略を満たしていない、要は、40億円を満たしていないと指摘する資料が届いていると、簡単でないよ、これはと、いうような件があってね。それで藤原審議官からは、できないという選択肢はなく事務的にやることを早くやらないと責任をとることになる。これは何も岩盤規制一般を早くやれなんて言っている文書ではなくて、少なくともこれに書いてあることは、今治市に早く落とせということを言っている文書なので。それが本当かどうかということを、何で確かめないのか、確かめないということは本当だからですよ」
反町キャスター
「石川さん、この紙をどう見ていますか?」
石川氏
「私は単なるメモだと思っていて、少なくともここで書かれているのは加計問題で、こういう官邸の最高レベルといった、そこに赤線、囲みでわかりやすく引いている、これだけ見ると、この問題だけ特に忖度みたいなことが行われて、まさに歪んで、恣意的に行われているのではないかと、おそらく一般の方は思うのですけれども。まず、ただのメモであるということと。このメモに書いてあるような類のことというのは、少なくとも私の経験で言いますと、たとえば、予算で大蔵省、財務省、主計局に行って何かやります、主税局に行って税制改革の要望をやりますと、あるいは総務省に行って定員を要求するんですね、人数をどうするか。そういう何か省庁が獲得したい予算であるだとか、あるいは規制を緩和するでも、強化するでもいいですが、たとえば、法案審議の前に国会議員の先生方に根回し、事前説明です、根回しという言葉はよくないけれど、やるわけですよ。そういう時に使うセリフには、頻繁にこの類に言葉というのは出てくるので。まず私は、こういうことは日常茶飯事でありますということと、それとこの文書の性格というのは、これは公文書ではなくて私文書。本当の公文書というのを議事録に公式に残すとなったら、たとえば、藤原審議官、佐藤参事官、浅野専門教育課長、いろいろな方がいらっしゃる、全員の了解をとらないと対抗力はないと思います。要するに、話し言葉のメモで、都合のいいところだけつまみ食いしているのが、私もやりました昔、メモなんです。だから、これで何か責め立てるというのは、私は非常に違和感があります」
反町キャスター
「野党の要求に対して文科省は調査したけれども、なかったというのは、公式の文書としては文科省の中にはなかったという趣旨の言葉であって、今の言葉で言うならば、メモ、覚書みたいなものというのはあったかもしれないけれども、それを文書としてあったと認めてしまうことはこれまでの非公式の省庁内、ないしは省庁間のやりとりを全部晒すことになる、これは政治の混乱をきたす、そういう意味ですか?」
石川氏
「だから、なぜ文科省の方が公式にこれがないとおっしゃったのか、その気持ちはわかりません。これが捏造ではないと思います。こんなもの捏造できないです。だから、この場合にはこういう非公式の私文書と公文書と全部同時に出す、どうせやるなら。そのぐらいやらないと今回の問題は決着がつかないような気がしますが。ただし、書いてあることについては、少なくとも行政内部でいろいろなものを、河野先生、まさに岩盤規制とおっしゃったけれども、大変ですよ規制緩和というのは本当に。このぐらい激しいことやらなかったら、改革なんかできません。それは、江田さんが経験された橋本行革というのはその何万倍の大きさですから。江田さんが経験されていると思いますけれども。改革はそのくらいパワーがないと進まないものなので、よくやったなと思っています、これは」
秋元キャスター
「獣医学部新設の事業者選定のプロセスについて見ていきます。実際に行われたのは、こういった流れでした。2007年11月から2014年にかけて、愛媛県と今治市は計15回、当時の構造改革特区での獣医学部新設を提案してきたのですが、却下されてきました。安倍総理の発言にもありますけれども、2010年鳩山政権で『特区での獣医学部設置を速やかに検討』とされ、菅政権、野田政権でも引き継がれています。そうした中、2013年、第2次安倍内閣のもとで国家戦略特区法が成立し、2015年6月、愛媛県と今治市が国家戦略特区での獣医学部新設を提案。その3週間後に閣議決定された日本再興戦略には『全国的見地から獣医学部新設を検討』と盛り込まれました。2016年1月、今治市が特区指定を受けます。3月には京都府と京都産業大学が同じ特区制度での獣医学部新設を提案します。11月には、特区の規制メニューに『獣医学部を広域的に存在しない地域に限り新設』という新たな条件が追加されました。今年1月に、加計学園が事業主に応募し認定を受けたと、こういう流れだったのですけれども。河野さん、この事業者選定のプロセスというのをどう見ていますか?」
河野議員
「四国には獣医学部がありませんから、愛媛県はそれまでも県庁で獣医師採用しようとしてできなかったということをいろいろな方がおっしゃって、なんとか獣医学部をつくりたいと言って、提案をされ、岩盤規制に跳ね返されてきた、というところで最高戦略の中で獣医学部をつくろうではないかということを検討して、それを見て、京都も手を挙げたけれども、もともと四国という何もない地域につくろうと言って手を挙げてきた今治になりましたと。その理由として、京都は近くに近畿に獣医学部があるよねと、だったら、つくるのだったら、何もないところを優先しようというと言って、四国に初めてつくろうではないかというふうになったというプロセスは、見ていて普通のプロセスなのだろうと思います。獣医師会が反対して、それを押し切ってつくるわけで、ではポコポコいくつもつくらせるかと言うと、そこは獣医師会も反対をしているので、何もなかった地域にまず戦略特区でつくろうよということで。獣医師会には、これまでずっと反対してきたのを、申し訳ないけれども、つくりますよと、ただし、それはニーズの高いところを優先してつくるのだよという話をしているのだろうと思います。特にそれでどうこうということではないのではないかなと思いますね」
秋元キャスター
「江田さん、いかがですか?どう見ていますか?」
江田氏
「この一連のプロセスで事実かどうか確認したい2件があるんですよね。1つは、この藤原審議官、彼がキーパーソンなのですが、彼が2月に今治に来た時に、今治関係者の話によると最初は消極だったと、需給について本当に大丈夫なのかという発言をして帰ったということだったのに、昨年の参院選後、急激に進んだというんですよね。参院選後、何が行われたかと言うと内閣改造ですよ。安倍さんのお友達の山本幸三特区担当大臣が、石破さんから代わったと。そこから急激に変わったと。だから、そこで何か力学が働いたのだろうなというのが1つ。2つ目、11月8日と9日というのは非常にキーですけれども」
反町キャスター
「昨年の11月ということですよね?広域条件が入った時」
江田議員
「そうです。11月9日に事実上、加計学園のみを対象となる、広域的に獣医学部の存在しない地域に限り、という文言が初めて入ったんですよ。ただ、その前日に文科省はまったく逆のことを言っていたのは、要は、文科大臣と局長の指示で、松野文科大臣もこれはなかなか難しいから加計学園に懸念を伝えろと言って、その懸念がまさに4条件、安倍政権が自ら決めた4条件に合致するのが困難なので、それを加計学園に指示しろと、強い指示が大臣と局長からあったというメールがこう出ているわけですよね。その4条件というのは、需要ですよね」
反町キャスター
「それ石破さんの時の4条件ですね?」
江田議員
「そう。それで4条件が、松野文科大臣も担当局長も、これはちょっと満たしきれないところがあるから、加計学園にちゃんと懸念を伝えろと言って。言っているのは、まさに四国に置いた時に、他の大学の獣医学部は入学率も悪い、定員も充足していない、本当に四国に需要があるのか、という話とか、たとえば、他の大学ではできない具体的な構想があるのかとかですね。ライフサイエンスとか、新しい分野に具体的な需要があるのかと言った時に、たとえば、160名ですよ、定員も。ムチャクチャ最大規模の定員に具体的需要が説明されてないとか、そういうことも指摘されていて。そういった懸念を伝えろと言った翌日に、途端に内閣府の特区の会議の方でいきなり加計を対象として京都産業大学が弾かれるような基準が入っていると。だから、この一連の過程においては非常に不可解なことが多いので、まさにこれは官邸主導ではないかと推測されるんですよ」
反町キャスター
「江田さんはその時に民主党にいなかったのだけれども、民主党政権の時にも今治、加計に対して検討をするべきだという指示が、遡ると、福田さんの時、麻生さんの時にバツが出ていて、菅政権になってからマルがつきだしていますよね。あの時はどういう意思決定だったのですか?」
江田議員
「正確に言いますよ。正確に言ってください。あの当時、確かに民主党政権時代、それをやったのは戦略特区ではなくて現在問題となっている…」
反町キャスター
「構造改革特区」
江田議員
「そういう別の制度だったんですね」
反町キャスター
「特区の検討をしましょう、とマルを落としているのは、加計学園に落としているのではなくて、今治市に落としているんですよね?」
江田議員
「それがどうしたのですか?だけど、それは具体的に加計学園、具体的に貸付するということをやったわけではないでしょう。だから、ちゃんとしっかり検討するということで、一応、対象になったということで。だけど、聞いていると、私は民主党政権にいなかったけれども、民主党の人に聞いたら、そうは言っても、これはもう困難だと」
反町キャスター
「マルは出しておきながら、もう困難だと思っていた?」
江田議員
「マルと言うか、要は、対象としては…、それは今治だけではなく、他の京都だってそうですよ、全部あるんです。だから、そういう一応、適格者だという指定はしたけれど、そのうえで絞り込む、その絞り込む条件が安倍政権で4条件が決められて。現在、1番問題になっているのは、条件を満たしていないのに落としたのではないかということが言われているのだから、いや、満たしていると言うのだったら、ちゃんとそれを説明してくださいと。ただ、農林水産省に聞いても、厚生労働省に聞いても、需要見通しについて一切、官邸から資料を求められたことはないと。前川次官の証言で、農水省や厚生省から需要見通しが出てきたこともないと言っているのだから。少なくとも誰がどこでこの4条件の1つの需給見通しをしっかりしろよというのを返答したのですかということですよ」
反町キャスター
「山田さん、最終的に加計というか、この場合、今治に話が落ちていく過程、どう見ていますか?」
山田氏
「4条件のままで告示が行われたとしたら、当然、京都産業大学はエントリーしたでしょうし、これは今治の加計学園もエントリーはしましたかね。ただ、ここに書いてある内容により的確に、より即したものということで言うと、たとえば、ライフサイエンスの問題でも、たとえば、京都は、大阪は薬品会社が多いですから化学的な施設も多いということで、そういう利便性があるということもあれば、本当に厳密に審査すれば、科学的なことはもっと他に出てくるかもしれません。四国は四国で、その1つのいろいろな、そこだけで完結する研究ができるのだというので、他の県とつながってるみたいなことも聞いたこともありますけれども。この問題だけ、この4条件だけを1つ1つ当てはめていくと、京都産業大学の方が有利になるかなということはあったかもしれないですが。ただ、私はこの告示が1月に行われた段階で加計学園しかエントリーが結局できなかったと。これはそこに不自然さが残るので、仮に、加計学園に落としたいと思ったとしても、あまりにもちょっと見え見えだなということは、思いますね」
反町キャスター
「明らかにこの広域条件が入った時点で、そこに何らかの政治的な意図が働いているのではないかと見える?」
山田氏
「そう疑われてもしょうがないという部分がここに出てしまったということで。政府の、ちょっと政府に寄って言えば、やり方が下手だったなと思えるし、何かあったのかなと見えるという、そういうところですね」
反町キャスター
「石川さん、このプロセス、どう見ていますか?」
石川氏
「たとえば、4条件を示しました。その善し悪しというのは本当に政策が終わったあとでなければ検証ができないのですが。その4条件だと非常に厳しいものがあるという中で、それを少し緩和というか、緩めるというか、大目に見るというか、いろんなものの言い方ありますけれども、それを少し変更することによって獣医学部の新設がうまくいくというような政治判断が働くということ自体は、それはおそらく官僚の手を離れちゃって、まさに官邸、政治主導という姿なのだろうな。私は政治家ではなくて官僚でしかなかったもので、その立場でしかわからないですけれども。そうすると、官僚サイドとしてはそれに従わざるを得ないし、積極的だろうと、消極的だろうと従わざるを得ないし。それに合致した条件に、たとえば、解釈しろとか、ルールをつくれとなれば、それは当然やるということになると思います。ただ、本件はあまりにもこうやって大きくメディアでも取り上げられて、すごく政治的に大きくなっちゃったのですけれども。この獣医学部の新設云々について現在はまだ効果というのは見えませんよね、つくっていないわけですから。だから、つくって、5年、10年経ってみて、本当に獣医学部がどう運営されて、獣医師さんがどうなって、ペット含め、その世界がどうなっているかというところを検証するのはおそらくその頃には皆ひょっとしたら忘れちゃっているかもしれないけれども。政策はそのぐらいロングタームで見ていくべきものなのではないのか、と言うのは、ちょっと論点がズレているかもしれませんが。ここの事前のプロセス、現在あるゴタゴタのところというのは、コメントがありましたけれども、確かに上手ではないと言えば、上手でなかったところは否めないと思います」
反町キャスター
「河野さん、ここで広域条件というのが加わることによって、明らかに片方が有利不利という情勢が動く可能性、動いたことが結果的に生まれていること。これはどう見ていますか?」
河野議員
「岩盤規制ですから、検討しようと言ったけれど、難しいよねと言って潰れてきたという、だから、岩盤が残っているわけで。検討するならきちんとやろうよと言って岩盤をまず壊した、しかし、岩盤は壊したけれども、獣医師会がずっと反対してきている中で、それはやるけれども、なるべく獣医師会との、ムチャクチャ、押し倒す、敵対的にやるわけではないということならば、それは獣医師会と1番、摩擦の少ないようなやり方をしようというのは、それは政治的な判断でもあるのだと思います。たくさんあるところにさらにつくって、そこで喧嘩しますというよりも、何もないところへまずつくってみて、摩擦が1番少ないやり方でやるよと。岩盤は壊すけれど、1番摩擦を少なく壊しますというやり方があっても、それはいいのではないのかなという気がしますね」

逮捕状『執行停止』に何が?
秋元キャスター
「ここからは、元TBS記者への逮捕状執行停止をめぐる問題について聞いていきたいと思います。まず問題の構図から見ていきますが、安倍総理に近いとされる元TBS記者に対し、いったん逮捕状が出ていたものの、逮捕直前に、菅官房長官の秘書官を務めたことのある警視庁の刑事部長が所轄に対し逮捕状の執行停止を命じました。その後、所轄に代わって警視庁が捜査を担当、元TBS記者は書類送検されたのですが、不起訴になったという流れです。江田さん、この問題どう見ていますか?」
江田議員
「このポイントは1つ。要は、高輪署の所轄の案件ですね、準強姦罪。警視庁管内で所轄が扱っている事件・逮捕状、何百・何千ある中で、なぜ警視庁刑事部長が事前にそれを知り得たのかと、この1点です。それは誰か官邸サイドから、山口さんがお願いして、ここに書いてあるように安倍さんと山口さんがもう昵懇だということで、私ですら知っていることですから。安倍さんとは言いませんが、官邸の中の誰かから刑事部長に一報がいって、それで成田空港でもう逮捕を執行する、待ち伏せしている直前で止められたという、それは証言が正しいとすれば、そういうことですよ。それで、私は警察庁長官OBを含めて、警視庁・警察OB、何人か聞きました。こういうことはあるのかと。そうしたら、皆さんが言っていたことは、あり得ないと。所轄の準強姦罪の案件が警視庁刑事部長まで上がって、しかも、刑事部長が証言していますよね。自分が裁可した、決裁した。あり得ないと。もしあり得るとしたら、この方が著名人とは言いませんが、そういう政治家とか、政治家と親しい方であれば、事後的に所轄からこういうことがありましたよという報告を受けることはあるかもしれない。しかし、こうやって事前に知り得て刑事部長が決裁することはあり得ないというのが、私は何人かの人に聞いた。しかも、そのうちの1人は警察庁長官OBですから」
反町キャスター
「どうして刑事部長は知り得たのかという、どう見ているのですか?」
江田議員
「いや、それはわかりませんから、それは究明せないかんでしょう。だから、推測されるのは、申し上げたではないですか。要は、この山口さんという人は、安倍総理と昵懇ですよ。それは反町さんもご存知の通りです。だから、山口さんがこういうことで察知し、自分が調べられていると当然、察知しますよね。それでちょっと頼むよと言って、官邸の誰かに言ったのか、その人からこの刑事部長にきたのか。これは申し訳ないけれど、普通のノーマルなメカニズムで所轄の準強姦案件を事前に…、警視庁刑事部長は、皆さん、ムチャクチャ偉いんです、今やっているではないですかドラマで。だから、そこが不可解なので。そうだと言っているのではないですよ、あくまでも。これもそうですよ、これも官邸のどこかから刑事部長に連絡がいって、それで逮捕状を差し止めたのではないのかという推測も、今度は推定と言いません、推測ぐらいはあるので、そこはちょっとおかしいよねということですよね」
河野議員
「警察の取り調べを全面的に可視化しようではないかということで現在動いています。それは何かと言うと、冤罪を防がなければいけない。こういう準強姦罪のような性犯罪のケースというのは、要するに、2人の言い分が違っている中で、何が真実なのかというのをこれ見極めなければいけないということで、かなり冤罪になる可能性があり得るわけです。ですから、この準強姦罪で送検を、警察から検察に送検をする時に、私の記憶が間違っていなければ、3分の1ぐらいは逮捕されずに任意で取り調べをして送検をするんですね。送検されて、起訴になる割合というのはおそらく、これは準強姦・強姦合わせた数字でおそらく3分の1ぐらいが起訴される、3分の2ぐらいは起訴されない。それは告訴した側が告訴を取り下げるということもありますから、ずっと争っているケースだとそれはもっと高くなるのだと思いますが。要するに、そういう感じですね。その所轄の捜査がある時に、警視庁もそうですし、県警本部もそうですけれども、指導官という立場の人がいて、特に性犯罪の場合はかなり綿密に情報のやり取りをして、どうなのだということをやりながら捜査をやります。それは、一方的に冤罪をつくってはいかん、しかし、犯罪はキチッと取り締まらなければいかん、捕まえなければいかんという中で、かなりきちんと捜査が行われているかということを県警・警視庁もそれはしっかり見るというのは、冤罪をつくるなというところからもあるんだと思います。たとえば、成田空港でということは、要するに、海外から帰ってくるということはおそらくその人にまだ話を聞いていないわけですよね。そうすると、この人の言い分と、この人の言い分が明らかに違うような事件の時に、片方の話だけを聞いて逮捕をするということは、一方的にこの人が悪いということを決めつけることにもなりますから。少なくとも、逮捕状を執行する場合でも、おそらく両サイドの話を聞いたうえで、逮捕状を執行するなら逮捕状を執行する、あるいは逮捕状を執行せずに送検をするということになるだろうと思います。だから、私は、このケースは司法がきちんとやるべき話で、検察に送検をして、検察が起訴しませんでした、審査会へかかりますと、すると審査会が結論を出します、そのプロセスできちんと物事を決めるべき話であって。現在どちらがいい、どちらが悪いというのがまったくわからない中で、一方的にこういう取り上げ方をするというのは、極めてメディアとしても相当重い責任を持ってもらわなければいけないことなのだと思いますし。全面的に、取り調べの可視化をやろうと言っている中で、たとえば、官房長官の元秘書官だったではないかみたいな、要するに、それだけの話ですよね。少なくともこういう話題をつくるというのは、ちょっと怖いなという気がしているんです」
山田氏
「私は、検察審査会はこれもともと選挙民の方から選ばれた11人で構成するわけですね。そこでは捜査記録とか、いろいろ検察官から意見を聞いたりして、そこで明らかにしてほしいことは恣意的なものがなかったか、あったかということをしっかりと調べてほしいです、時間をかけて」
反町キャスター
「それは、要するに、逮捕状執行停止のところにおいて?」
山田氏
「はい、かつ不起訴になった経緯も含めてね。先ほど、河野さんがおっしゃったところというのは、推定無罪というのはこうあるべしであるということを、極めてそれをある意味では完璧に、教科書的におっしゃったと思うのですけれども。今回イレギュラーなことは、これは週刊誌だけではなくて、ご本人も会見や、あるいはラジオ番組などでも、女性がおっしゃっていますけれども、突然、上からの指示で逮捕ができなかったと言っているという、ここのところがちょっともう1つ非常に重要なところで」
反町キャスター
「現場の刑事が、女性に電話してこう言うということ、それの是非論というのはここでは議論されるべきなのですか?」
山田氏
「是非論はあるけれども、本質的には、上からという、その上とは何ぞやということですよ。その上の人というのが、先ほどから出ている警視庁の刑事部長ですね。刑事部長は、週刊誌とは言っても、週刊誌に答えているわけです。聞かれているわけですね、何か理由があったのかということに対して、捜査の指揮として当然だと思うと言っているのですけれども。なぜ当然なのかと、これは答えていないわけで。ここは是非、聞きたいということがある。それから、この記者が、我々も同僚と言いますか、同じ職場、職業の記者、私個人的には知りませんけれど、非常に優秀な記者である、安倍さんに食い込んでいる記者。これ自体は記者として非常に大事なことですね。つまり、食い込んで常に安倍さんの肉声を伝えることができる。しかし、今回の、一連の過程の中で、もし検察審査会の調べの中で、仮に、恣意的なものが出てきた場合に、今度は逆の心配があるわけです。その恣意性は、今回は令状を執行しないとか、不起訴ということに機能したけれど、逆に、極めて安倍さんに批判的な記事を書いている人の場合ではどうなるのかというところまで広がっていく話なので。ですから、検察審査会での審査と言いますか、調査と言いますか、これは、私、相当キチッと時間をかけてやってもらいたいと思いますね。ちなみに、起訴相当は11人中8人であると。実際にそれがどうなのか、これはちょっとまだわかりません。だけど、そこで出てくる、開示される、いろいろな証拠と言いますか、調べられた対象がどういうものであるかというのは、これはしっかりと共有したいと思いますね」

『強すぎる官邸』の功罪
秋元キャスター
「さて、官僚の忖度が取りざたされる背景には、強い官邸の存在があると言われています。その力の源泉の1つ言われているのが、それまで省庁ごとに行われていた高級官僚の人事を官邸に一元化するために、2014年に総理大臣、官房長官の直下に置かれた内閣人事局です。およそ600人の人事を決定する権限を持っているのですけれども。まず山田さん、なぜここに一元化しようということになったのでしょうか?」
山田氏
「これは官邸として、権力の源泉というのは、党を把握することと、それから、霞が関を押さえるという2つを安倍政権は実現したわけです。党の方は前回もありましたけれども、小選挙区制がありますから。官僚は政治がいろいろなことを進めていくうえで、いろいろな議論はあっても、官邸が強く主張と言いますか、指示を出して行うシステムであると。ですから、おそらく官邸にとっては大変心地の良いシステムだと思うのですけど。ただ、官僚の、それぞれの省の人達も、それはそれで自分達の考えを持ってやっていますから、あまり強くやり過ぎてしまうとこれは問題があると。匙加減がどこまでいっているのかと。私はある程度、機能しているのかなと思いましたけれど、今回の前川さんの発言を聞いていると、必ずしもそうではないのだなということも見えてきた面があってですね。権力というのはある程度、抑制…、いざという時に使うということにすればいいけれども、人事というのは相当、官僚の方々にとっては肝の部分ですから。ですから、人事を握った以上は、他の面ではある程度、少し余裕、ゆとりを持たせるところがなくてはいけないのですけども。現在の官邸はかなりこう前のめりと言いますか、権力に対して強気、強気にしていくという傾向がありますから。このシステムは官邸からすれば鬼に金棒かもしれないけれども、ちょっと前のめり過ぎる面があるなとは思います」
秋元キャスター
「官邸に権限が集中しているという、メリット、どう見ていますか?」
河野議員
「以前はそれこそ各省庁が人事をやりますと、どこを見るのかと言うと、事務次官みたいなところがあって、物事が進みません、だから、岩盤規制がずっと残ってきたというところがあるのだと思いますが、これは少なくとも官邸できちんと意思決定をして、それを各省庁がしっかりと実行していこう、そのためには官邸が予算だけではなく、人事もしっかり握っていくということをやらなければいけないのだろうと。そういうことからこの内閣人事局をつくって、そこへ、すったもんだがありましたけれど、総務省から権限を持ってこようとか、何を持ってこようということをやって、つくって。それが少しずつ狙った効果が出始めているということなのだと思いますね」
秋元キャスター
「江田さん、権限の集中していることのメリット、デメリットを、どう見ていますか?」
江田議員
「これは役所にしろ、民間会社であれ、組織管理の要諦というのはあるんですよ。組織管理の要諦、それは人事と金を握ることですね。それで実は、橋本内閣の時に、橋本行革、中央省庁再編があった時に、政治主導と言うか、官邸主導、正確に言うと総理大臣主導ですけれども、そういった体制を組もうとした時に、官邸に人事と金を握る部署は要るだろうということで、実は内閣予算局という構想もあったんですね。内閣人事局の構想ももちろん、ありました。しかし、内閣予算局、金を握るところは経済財政諮問会議ということで、財政という2文字、これも大変だったのですけれども、入れて、一応、予算の骨格というか、基本方針は官邸で握ったと、1つ。2つ目はちょっと手がまわらなくて、橋本内閣からなのですけれども、内閣人事検討会議というのを設けまして。これは人事局の前身です。これは、メンバーは官房長官と、それから、政務と事務の副長官、ここで…、実際それまでは追認でした、役所が上げてきた人事案を閣議で追認した。それを政治主導にするということで、人事を握るという意味で、人事検討会議でやっていたと。やっと、これはいつでしたか、のちに人事局ということで結実した。それ自体はいいですよ。それ自体は当然、組織管理の要諦ですからいいのですが、ただ、問題は運用においてちょっといろいろな政策とか、決定が、先ほど、言ったように歪められたりすることもあるので、政治主導というのはあまりに強くなると。そこは、しかし、その弊害は国会で、我々、野党なりなんなり、あとメディアの批判とか、いろいろなところでしっかり正していくという前提で。ただ、この制度自体は、民主主義国家ですから、結局、官僚組織に民主的正当性はありません。唯一あるのは、要は、我々が選んだ政治家、その代表者である総理大臣が官僚組織を握っているから、初めて民主的正当性が出るのであって。そこから任命された大臣が来るから、正当性があるんですね。だから、そこの政治主導、正確に言うと、内閣総理大臣主導、そういう意味では。そういう組織管理の要諦として人事局を設けているということは、私は、これは正しいことだと。その運用に問題があると、こういう理解です」
反町キャスター
「石川さん、いかがですか?」
石川氏
「お二人の議論ありましたように、これは官僚から言わば、人事の各省の権限を取り上げるわけですね。でも、嫌ですよ、官僚って。私は経産省から行っていましたけど、経産省出身だったので。だけど、そういうふうにやれ、つくれと言われたら、それに邁進するんですよ。どうすれば政治主導の内閣人事局というか、あれができるのかと、事務的には本当にそれをやるんですね。その時に実はある意味では懸念されていたこと、嫌だな、こんなふうになるのではないかなというようなことというのが、江田さんがおっしゃったこと、そのままその時、議論されていたんですよ。強過ぎたら、ものすごく霞が関の行政庁が持っている普通の行政のルールが、すごくこっちにこういっちゃうのではないか、引っ張られちゃうのではないかと。江田さんがおっしゃった通りのことが本当にあの頃、2007~2008年の頃に、実際に事務的には議論されていて、ひょっとすると、安倍内閣ではそれが出ているのかなと」
反町キャスター
「それは良くないことなのですか?」
石川氏
「いや、ただ、これは、私はその時に事務方にいたので。事務方の政策をつくり上げるという、国家公務員制度改革の議論、その延長ということであるなら、政策は結果です、良ければマル、悪ければバツですが、少なくとも政策決定プロセスで、官邸、総理や官房長官の意向がグーッと入るということは、政策論としては正しかったと思います。ただし、問題は結果なので。先ほどの加計もそうだけれども、獣医学部もそうだけれども。結果においてダメだったら、それはその時に何らかの政治ないしは行政の責任を取るべき、これはそうですよね。ただ、内閣人事局をつくるという純粋な政策構想からすると、私は現在ある動きというのは、実はそれが開花している姿に見えます」
反町キャスター
「山田さん、どうですか?」
山田氏
「私はちょっと斜に構えたことを言いますと、本来ならこの内閣人事局が、本来なくても機能する政府でなくてはいかんと思うんです。つまり、各省庁の大臣は総理から任命されている、総理は国民が選んだものであるというシステムさえしっかりしていれば、それは、各省庁は総理の全ての指示は総理のもとにあるということになるのだけれども。各省の省益というものがぶつかり合う状況が激しくなると、ここだけで上からトップダウン、現在の形だけでは、各省に任せていただけでは、省庁間の争いがまた始まるので、非常に非効率になると。そこで強い権限が官邸に必要だというところもあるかなという気もするんですね」
反町キャスター
「江田さん、政治主導とか、官邸主導というのはいき過ぎだと思います?」
江田議員
「いや、いき過ぎの意味が、先ほども申し上げたように、制度的にはこれでいいですよ」
反町キャスター
「政治的にはこれでいいですよね?」
江田議員
「だから、運用が問題だと言っているんです。ただ、運用は、霞が関が人事を決めるにしても、官邸が決めるにしても弊害はあるんです。たとえば、昔であれば、役所は、上にいけばいくほど予算をぶんどってきたとか、天下り先をつくったとか、そこに補助金をぶっこんで天下り官僚の給料を浮かせた、注入したとか、そういうことで評価される人がドンドン偉くなっていくということもありました。現在どうか知りませんが。だから、そういう人事、歪んだ人事を正すという意味で、これはプラスに働くし。一方で、今回の事案、たとえば、そういう政策的な問題よりも、総理のお友達やなんかのことで甘い汁、利権のために、それに反対する官僚を代えるというようなことがあるのであれば、そこは弊害だと思うんですよね。だけど、そこのところは、もしそういうことがあるのであれば、先ほど、言ったように、国会なり、メディアなり、国民がしっかりウォッチ、監視をしていかなければいかんと」
反町キャスター
「河野さん、昔、政治が決められないとか、遅いとか、そういうような世論に対し、その解答としてこういうのが出てきたようにも見えるのですけれども。これはこれでちゃんと多少のチェック&バランスは必要だとしても、現状この制度…」
河野議員
「チェック&バランスということであれば、おそらくそれは最初にやるべきは大臣なのだと思います。文科省の事務次官の話がありましたけれど、本来、本当に文科省がこの政策がおかしいと言うならば、これは次官が総理と喧嘩はできませんけれど、大臣が総理ときちんと議論をして、それはいかがなものですかということをやるわけですね。たとえば、この内閣人事局についても、大臣がいろいろなことを言うことはできる。たとえば、具体的な例で言うと、消費者庁の長官の人事。これは、たとえば、消費者庁、徳島に移転しよういう話が進んでいる最中でしたから、ちょっと待ってくださいと、メドが立つまでは、長官を代えてまた一からやるわけにはいかないのでというようなことを申し上げて、だいぶ引っ張るということはありましたし、それは人事局で、恣意的に何かをやろうとした時に、いや、それは困ります、それはおかしいですと言うのは、まず一義的には大臣だと思うんですね。だから、そういう意味で、内閣の一員である大臣が、きちんと内閣の中で議論をして物事を決めていく、それを内閣人事局がきちんと実行するということができるのだろうと思いますので。そこはこれで私はいいのではないかと」

河野太郎 自由民主党行政改革推進本部長の提言 『まず国会改革』
河野議員
「政と官と言うならば、国会はきちんと、官僚の皆さんが定時に帰れるような、そういうまともな国会運営をやるというのが第一歩だと思います」

江田憲司 民進党代表代行の提言 『官僚を使いこなす』
江田議員
「政と官で言えば、民主的正当性があるのは政ですから、官僚を使いこなすということが大事なので。ただ、問題は使いこなされている、官僚に、政治家が多いという、この現状はあります」

山田惠資 時事通信社解説委員長の提言 『国民主導』
山田氏
「国民主導。政治主導の言葉で実は足りるのですけれども、しばしば政治が国民の主導になっているか不安になるものですから。敢えてここは確認する意味で、国民主という言葉にしました」

政策アナリスト 石川和男氏の提言 『官:説明 政:説得』
石川氏
「官僚というのは、説明能力はありますけれども、人を説得するのは政治の方でお願いします。以上です」