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2017年6月1日(木)
論戦!幼児教育無償化 小泉進次郎氏会見詳報

ゲスト

後藤茂之
自由民主党政務調査会副会長兼事務局長
玉木雄一郎
民進党幹事長代理
矢嶋康次
ニッセイ基礎研究所経済研究部研究理事・チーフエコノミスト

『こども保険』か『こども国債』か
秋元キャスター
「経済・財政運営の指針として政府が来週、閣議決定する見込みの骨太の方針に幼児教育・保育の早期無償化を盛り込むことが明らかになりました。厳しい財政状況の中、子育て世代、将来世代を支える財源はどこから捻出すべきか。与野党の担当者と、専門家と一緒に検証していきます。まずは政府が来週、閣議決定する骨太の方針ですけれども。こちらの中には『幼児教育・保育の早期無償化と待機児童解消を目指し、安定財源について年内に結論を得る』としていて『歳出削減、税制、新たな社会保険の活用が財源の選択肢』といった内容が盛り込まれる見通しです。後藤さん、29日に、無償化に向けた財源確保策を検討するとした中間報告を安倍総理に提出されましたけれど、幼児教育無償化に向けた総理の意気込み、どう感じましたか?」
後藤議員
「総理は世代を超えた貧困の連鎖を断ち切っていく、子供達誰もが家庭の経済事情にかかわらず未来に希望を持って、夢に向かってがんばれる社会をつくるため、全ての国民にチャンスを保証すべきだと、そういう強い想いを共有していると、我々とも共有していると思います。それから、総理としても人材投資の抜本強化というのは今後の政策の最重要課題の1つだと位置づけておられると思います。サミット後の忙しい中でしたが、特命委員会の報告を官邸にご説明しに行った時に、総理は幼児教育・保育の早期無償化と待機児童解消について、税か、あるいは歳出の合理化か、あるいは新しい社会保険の方式、そういったもので年内に安定財源についてメドをつけて結論を得るとした特命委員会の報告に対して、しっかりやってほしいと。また、合わせて人材投資を抜本強化するための改革のあり方についても早急に検討を進めていくという、そういう強い決意でありました」
反町キャスター
「イメージとすると来年度予算に何らかの盛り込みをしたいということなのですか?まだそこまでの話ではないですか?」
後藤議員
「第1歩としては、年内に結論を得るということは、少なくとも、幼児教育・保育の早期無償化や待機児童の解消について言えば、特に待機児童の解消については昨日、総理は新しいいわゆる保育の受け皿プランについて発表をされているわけですから」
反町キャスター
「3年ちょっと先送りみたいなのが1部出ていますけれども」
後藤議員
「その代わり5年で32万人分の保育の枠を増やすという話で。これは5年分で言えば、ざっと計算すれば公費2000億円から3000億円かかる大きな事業ですから。そういうことも含め、今年末、来年の予算の時にはそれなりの事業の決定と、それを安定財源でしっかり賄っていくということについてはまず動くということは確実です」

『こども保険』の現実味
反町キャスター
「いきなり無償化という話がドーンと今回、いろんなところに出ているのだけれども、無償化は本当にいいのですかと。たとえば、無償化するにしてもなぜ幼児教育なのかとか。高等教育の無償化ということも下村さんなんかは言っているわけではないですか。幼児教育に限って無償化というのが、たとえば、問題になっている社会の分断とか、諸々の日本の将来不安に対する特効薬となり得るのかどうか。そもそも論です。この件について玉木さんと後藤さんに聞きたいのですけど。後藤さん、どう思っているのですか?」
後藤議員
「私は教育というのは、基本的には将来への投資だと思いますから。これは高等教育も含めて、勉強したくて経済的にチャンスがないような人達にしっかりとあと押しをするということは、これは高等教育でも必要だとは思います。ただ、高等教育というのは、たとえば、大学に行っている人と行っていない人がいると、その時に無償化なのか。あるいは現在の大学のままにそのまま無償化をして、より多くの人に行ってもらえさえすればいいのか。そういう全体としての政策も合わせて考えていく」
反町キャスター
「投資効率が高いとか、低いとか、こういうこと言ってはいけないか、とは言え、金を使うのだから効率ですよね。たとえば、同じ1兆円を、幼児教育にぶち込むのと高等教育にぶち込むのとでは幼児教育にぶち込んだ方が国にとって得だとはっきりわかっているのですか?」
後藤議員
「いや、それは検討する。要するに、政策の内容を、国の形も含めてどういう政策をするかということは、よほど理念をきっちりとしていく必要が…」
反町キャスター
「ここはまだはっきりしていない?わからない?」
後藤議員
「そうですね。そのへんはもう少しきっちりと議論をした方がいいと思います。ただ、もう1つ、幼児教育だとか、少子化対策と言って、そう言っているのは、子育てをする環境をしっかりと応援していかないと、女性は働くことができないというような問題もあります。そういう子育てができる環境を整備していくということの中で、たとえば、保育所をしっかりと受け皿としてつくること、あるいは幼児期の教育・保育について応援をするということで。要は、より元気な社会、子供の出生率も上がって、そういうことも含め、幼児教育・保育、保育の受け皿ということをまず足元と考えているということです」
反町キャスター
「玉木さん、いかがですか?」
玉木議員
「先ほど、投資効率みたいな話が少し出ましたけれども。これはいろんな内外の調査、数量分析みたいなことも出ていますけれども、たとえば、一言で言うと幼児教育というのは非常に効果があると。たとえば、投資乗数的な経済的なものも、3.9から6.8倍ぐらい修学前教育にはあると、高等教育が2.4倍ぐらいなのに対して」
反町キャスター
「若いうちに、教育無償化するのだったら、幼児教育を無償化した方が社会に対するキックバックというか、リターンが大きいということになるわけですね?」
玉木議員
「そうですね。そういうのもありますし。あと経済的だけではなく、社会的な影響からすると、有名な1960年代に行われているペリーの就学前プログラム、ペリー実験というのがあって、これをやって、当時、黒人の貧困層を無作為に集めて、優れた就学前教育を施した側とそうではない人を40年にわたって追跡すると、収入であるとか、犯罪率であるとか、持ち家比率であるとか、生活保護受給比率とか、そういったものに非常に顕著な差が出てきたと。そういった投資乗数的な観点と、あと社会全体に対するプラスの効果というのは幼児教育、人生において初期段階でどういうことを、やる気とか、そういうことも含めて形成するという意味では、非常にある意味、効率的だし、効果が高いということがあるので。幼児教育・保育に注目してやっていくのは政策的に意味があると思いますね」
秋元キャスター
「さて、政府が骨太の方針に盛り込む幼児教育・保育の早期無償化ですけれども、自民党の政務調査会が中間報告で具体的に示した施策とその経費。まず施策として『児童手当の増額による現金給付』『幼児教育・保育負担軽減、段階的無償化の推進』『待機児童解消のための保育の受け皿拡大』『保育士の処遇改善など、保育の質の充実』というこの4つですけれど。これらの経費、1つ1つ見ていきますと。児童手当の増額による現金給付ということについては、仮に児童手当を月額5000円増額した場合に、およそ3900億円程度。月額2万5000円増額した場合に、およそ1兆9500億円程度が必要になる。幼児教育・保育の負担軽減、段階的無償化の推進ということについては幼児教育・保育無償化、0歳から2歳児がおよそ4400億円、3歳から5歳児がおよそ7300億円、合わせておよそ1.2兆円ということです。待機児童解消のための保育の受け皿拡大ということについては、今年度は前年度予算に1000億円程度プラスしたものを計上すると。この保育の質の充実ということについては、2012年から2017年度で既に実施済みだということですけれども。後藤さん、さまざまな施策を挙げられていますけれど、優先順位、どのような順番で取り組んでいくですか?」
後藤議員
「これはどういうことかと言うと、要は、未就学児に対する対策をまずやってみようということが前提で、4つの政策を検討対象としたと。4つの政策を検討対象にしたのですけれども。その中でもちろん、どれも皆、重要な政策であるという認識があるわけですが、しかし、財源等の制約もあり、どれだけ安定財源を一緒にセットできるかということを議論していくために、議論して。幼児教育・保育の負担軽減と待機児童解消のための保育の受け皿拡大、この2つを第1歩としてまず重点としてやっていこうかということで報告をまとめています」
反町キャスター
「なるほど。そうすると、4項目あるのですけれども、保育の質の充実はこれまでやることはやってきたからということで。そうすると、児童手当の増額よりも、この2つを重点的に進めていこうと、優先順位としてはそういうことになるわけですね?」
後藤議員
「そうですね」
反町キャスター
「つまり、児童手当という現金給付をするよりは、待機児童の受け皿の拡大だとか、段階的な無償化。現金給付よりも制度の拡充、ないしは制度の間口を広げることの方が優先されている、これはどういう意味?」
後藤議員
「現金給付というのは、サービス利用や供給体制に左右されずに少子化対策を実感してもらえるという、そういうメリットもあります。政策目的で給付を所得に応じて、あるいは対象に応じて変えるということもできて、非常に柔軟な政策であるということについてはメリットもあると思うのですけれども。一方で、実際に子供対策に使われるのかどうかとか、貯蓄にまわらないかとか、そういうこともあって、現金給付という形よりは現物給付に近いようなもの。ただ、もちろん、幼児教育・保育の無償化というのを、児童手当の引き上げで充てていくという考え方もいろいろあるので。我々としては、この4つ、どれも重要ではあるけれども、手順から言うと、本年末に向けて安定財源を確保しながら、その進め方を決めて結論を出してやっていくというのは、この2つを中心に考えていくということを決めたということで…」
秋元キャスター
「この幼児教育とか、保育についてというのは、家庭によってお子さんが、たとえば、通っているところによってもかなり額が違ってくると思うのですけれども。どういう基準で試算を出しているのですか?」
後藤議員
「現在の所得階層を前提にして、だいたいわかっているわけです。幼児保育も幼稚園も保育園もいわゆる保育料、共通の保育料は所得ごとに保育料は違っていますから、それの所得階層別の分布状況等がわかっているので、それでざっと計算したということです。だから、個々人の方にとって見ると、所得に応じて幼児教育の幼稚園と保育園の保育料というのは所得階層別に違うので、そういうものを一定額きちんと見ていくということ…」
反町キャスター
「そうすると、段階的無償化、段階はあるにせよ、無償化というのは、お金のかかる保育園に通っている人も、もっと安いところの保育園に通っている人も、皆、タダになるのですか?それともある程度、線を引いて一律、たとえば、2万円みたいな感じになって。そうすると、現金給付にだんだん似てくるのですけれども」
後藤議員
「だから、やり方によっては非常に現金給付に近い形に。その頭打ちで、定額頭打ちにすれば、現金給付に近い形の政策効果になると思います」
反町キャスター
「なるほど。どちらを目指しているのですか、自民党の場合には。家庭、家庭、地域、地域によっての幼児教育のコストにきめ細かく対応するのか、それも行政コストもかかるので、一律であとはどうぞと、そういう感じか。どちらなのですか?」
後藤議員
「現在、そういうことも含めて、私にもそれなりの意見はありますけれども、いずれにしても…」
反町キャスター
「現在、微妙な時期だから言いずらい?」
後藤議員
「いやいや、微妙な時期というか…。党としてはそういうことも含め、進め方と安定財源をセットにしてどういう政策ターゲットにしていくのか。たとえば、いろんな子供対策をやる時に所得制限を入れるのかとか、あるいは所得に応じて保険料ないし事業主負担だとか、そういうものを変えていくのかとか、税制ももちろん、応能負担ですから、負担能力に応じて税制もかかっているものが多いわけだし。だから、そういうことの組み合わせを今後、本年末までにしっかりと結論を得ていくというのが党の方針です」
反町キャスター
「この4つの項目のうちで、現金給付ではなく、真ん中の、段階的ではあるけれども、無償化の推進と受け皿拡大というものを軸に進めていくぞという、現在の後藤さんの話、どう感じますか?」
矢嶋氏
「どの政策もメリット・デメリットが必ずあって、だから、そこは政治の大事なところだと思うのですけれど。現在、待機児童の問題を考えると東京都、そういうところが非常に大きいと考えると、受け皿がほとんどだということを考えれば、現金給付よりも現物給付とか、今回、自民党さんが出されているバウチャーみたいな方が、政策で、足元が困っている問題に対する即効的な解決策という意味ではいいと思います。ただ、これは、考えなければいけないのは現在、自民党さんがもう1つ、後藤先生もやられている働き方改革の方で、女性がさらにもっと働くようになると、待機児童の、考えている想定の潜在の数が増えるはずです。だから、そうすると現在、想定しているもので対策として本当にいいのかという議論は合わせてやらないといけなくて。今回、安倍総理が先送りにしたというのも実はそういう話なのだと思うんですよね。その時に大元を考えると、これも後藤先生が昨年、税調でいろいろとやられていたと思うのですけれども、所得税で働き方に応じての中立的な働き方になるような税制改革というものをやっていたと思うのですけれど働いた時に中立的にいろいろなことになるような仕組みづくりというのを、今回の財源の問題だけではなく、いろいろなところでやらないと、3年後ぐらいにまた同じ問題を議論することになってしまうので」
反町キャスター
「それはなぜ3年後?」
矢嶋氏
「3年後というか、また待機児童がたぶん増えることになるので、お金が足りないという形で、では何をしようかというたぶん議論になってしまうので。もう少し待機児童が増えてもいいような枠組みをどうやって設計するかということも合わせて考えないと。ちょっと議論としては、そこが無償化というので、何か前面に出てきているのですけれど、ちょっと裏にそういう議論をしないといけないのではないかなと思いますね」
玉木議員
「自分の反省も含めて言うと、お金ができた分やりましょうとか、何年かけてやりましょうと、この財源の逐次投入というのをそろそろやめるべきではないか。困っている人がいて、足りないのだったら、やればいいんです。本当にこれが最も大切な国家戦略だと思うんですよ。人が生まれ育つことができなかったら、国家として衰退していきます。だから、他のことを放って置いてでもここにお金を入れると。すぐに入れるということを考えないと。結局これから高齢化が進む、年金料・介護の自然増がドンドン増えていくという中で、さらに追加に見つけていくなんていうのは。しかも、消費税、先延ばしにしているわけでしょう。どうやって見つけていくのですか。先ほど、おっしゃったように3年後にまた同じ議論をしていて、また3年延ばしましたということになってしまうわけですね。今回もなぜ3年延ばすのですか。1年ぐらいちょっと、もう1年だけ延ばして、でも、その代わりに来年度予算で大胆に対策を打ちますとなぜ言えないのかと。3年後も安倍総理、さすがにもう総理が終わっているか、それぐらいでしょう」
反町キャスター
「3年後だったら、やっています…」
玉木議員
「まだギリギリやっていますかね。だから、そういうところに、延ばさずに、これは問題だと与野党で共有したわけですから。やるならやる、必要財源をまわしていく」
反町キャスター
「たとえば、先ほどの、自民党の施策の中で現金給付よりもまず受け皿の拡大とか、無償化の推進だという、ここのやり方、優先順位については異論はない?」
玉木議員
「現物給付を私も優先した方がいいと思いますが、ただ、こども保険と言って、小泉さんが提唱されているのは2万5000円ぐらいですね。満額いくと月々、就学前児童、就学前の子供がいるところに渡すわけですよね。それは先ほど、後藤さんがおっしゃったような、それこそパチンコ台に使われるかもしれないし、いわゆる我々が非難された子供手当であったような問題が同じく生じるわけ。ただ、ここは、私は必要があればやるべきだと思います。多少それが別のものに使われる可能性があるかもしれないけれども、ただ、日本の親は子供を育てようと思って一生懸命、子供のためにお金を使うと信じていますし。かつ、いたずらに所得制限も入れなくてユニバーサルにやればいい。もし取りたいのだったら、現在の所得税の累進税率を、ちょっとカーブをきつくするとか、税金をいただく側で調整すればいい。たとえば、義務教育の教科書代は別にすごいお金持ちの子供から取って、貧しい子だけ無償にしているかと言うと、義務教育課程における教科書ということでこれユニバーサルに全て無償にしているわけです。ただ、高額の家庭からはちょっと所得税を高くいただいたり、そういうことで調整をしていけばいいのであって。変な所得制限を入れることによってかえって事務負担が増え、1番の問題は子供に貧困の告白を求めることになるんです。つまり、ウチは貧乏だから、これを申請しなければいけませんとか、そういうことをまた隣の子が見て、お前のところは、変な話、俺達が養ってやるのだみたいなイジメに使われたりもするわけで。だから、教育とか、子育てに関してはできるだけユニバーサルにする。でも、負担もユニバーサルで、全世帯で皆が応じる。その能力に応じて負担していく形で、財源を調達することが適切かなと思いますね」
秋元キャスター
「ここまで幼児教育無償化、保育無償化のための具体的な施策について聞いてきましたけれども、問題はこれらの施策を実現するために必要な財源をどのように確保するのかということなのですが。自民党の提言では、その財源を誰がどのように負担するのか、3つに分類をしています。各種控除等の見直しも含む、税という形、これは世代を問わず国民全体が負担者となります。こども保険などの形で年金など現行の保険料と合わせて徴収をします社会保険料という形、この場合は勤労者と企業が負担者ということになります。児童手当など、既存の事業を拡大する拠出金という形、これは事業主と個人が負担者となるわけなのですが。この中でも特に新たな社会保障として小泉進次郎氏ら自民党若手議員が提言をして注目されています『こども保険』ですが、どういうものなのかと言いますと、使い道としては幼児教育・保育の実質無償化に充てると。負担するのは事業主と勤労者、保険料率がそれぞれ0.5%の場合に、およそ1.7兆円を捻出することを目標にしているということなのですけれども。後藤さん、自民党の提言の中でこども保険、どう位置づけられていて、どんな利点があると捉えられているのでしょう?」
後藤議員
「こども保険に対しては、これを党が決めているということではないです。税と、新しい社会保険の仕組み、拠出金、こういうのも合わせて検討課題だと。その中で、こども保険というのも1つの考え方として、保険料を使う案として1案としてあるという意味です。若手の先生方、小泉事務局長をはじめとして、こども保険という提案をされたわけですけれども。それについて言えば、たとえば、国債でドーンとやってしまえばいいというような議論に対して、安定財源を探しながらしっかりと財源を見つけていくということについて言えば、これは対策を少し大きく前進させたいということについて、これは政策議論の中に新しい風を起こしたと非常に評価をして。それ故に特命委員会、茂木政調会長の下で政調会長自身が特命委員会の委員長になって、こういう議論をしていこうということになりました。ですから、そういう意味で言えば、こども保険は税と新しい社会保険の方式、それと拠出金。この拠出金というのも実を言うと、非常に重要な財源の選択肢でありまして。新しい子育ての、いわゆる新制度から言うと、現状の児童手当だとか、企業主導保育園、託児所みたいなものについて言えば、厚生年金に一定額を付加して、それを事業主拠出金という形で3800億円ぐらいそういうものに充てている制度もあります。ですから、そういうようなことも考えられるし。それから、たとえば、3党合意やその前の中期プログラム前の頃には相当議論がありましたけれども、たとえば、医療保険だとか、年金の保険だとか、そういう保険から、子供のための基金みたいなところに、保険料上乗せで拠出金を出してもらって、それで全世代で賄うという。同じ新しい制度を考えるというのだったら、そういう…」
反町キャスター
「真ん中の部分ですね?」
後藤議員
「それもあり得ると。拠出金の方になりますけれど。同じ新しい制度を考えると言うのであれば、そのことも可能性としてはあると」
反町キャスター
「真ん中の社会保険料のところで現行の保険料と合わせて徴収となっていますけれども、現在言われたまさにその保険料と言うと、医療保険なのか、年金の積立金のことなのか。どちらから取るというようなビジョンで現在、こども保険を考えている人達は考えているのですか?」
後藤議員
「こども保険の、いわゆる固有名詞としてのこども保険ということで言えば、これは年金の保険料に上乗せをする」
反町キャスター
「そうすると、現役世代の負担ということになるわけですか?」
後藤議員
「そうです。ですから、そういう意味で言うと、厚生年金は比例報酬で、国民年金は定額なので、それに対して、定額の給付をするのかという点に対して制度上の問題があるなということは党内の議論でも出たりしていますが。いずれにしても、こども保険は、独自に徴収の仕組みをつくったら、それはあまりに大変なので。それは行政コストの点を考えても、年金とか、医療だとかという、既存の、保険制度の徴収の仕組みや税という形にして、税の仕組みにすると。そういうことを合わせて考えると」
反町キャスター
「玉木さん、いかがですか?この社会保険料、医療保険に乗っけるのか、年金に乗っけるのか、どちらがいいと思います?敢えてこの土俵に乗るとすればですよ。自身の意見は別のところにあるのは聞いていますけれども」
玉木議員
「どちらも反対ですね」
反町キャスター
「そうですか…」
玉木議員
「医療保険料は医療に使うべきです。年金保険料は年金に使うべきです。それが保険制度の原則であって、マッサージチェアには使わないものの、本来の趣旨じゃないものに使っているのだったら、それは形を変えた、たとえば、年金保険料の流用ですよね。ちょっと…苦しい中でいろいろな議論があったことは、私は素晴らしい議論だと思います。ただし、なぜ複雑怪奇になってしまったかと言うと。1つは、消費税を上げることを先延ばしして、それで財源を全世帯でといくら言ったって、ちょっと私はどうかなと。それで若手の人達が言うべきは、官邸に行って総理に予定通りきちんと消費税上げましょうと言うことですよ。それで本当に全世代負担で、消費税というもので安定的な社会全体で支えるべきものをきちんとやっていくというのが私は大原則だと思います。これを聞いた時に思い出したのは、原発事故の賠償や廃炉の費用を電気料金に乗っけて、それで徴収したようにすごく見えて。本来、国家責任でやっていた原発事業の負担は、もしやるのだったら、国が税金できちんと負担をお願いして、それでやるべきところを、省令改正で済むような、薄く電気料金に乗っけて取りやすいところから取るというようなことに、言葉は悪いけれども、似ているのではないかなと。それと1番、理念的に課題があるなと思ったのは国民統合的な制度にしなければいけないとか、全世代型にしなければいけないという中で、負担が若い人、働いている人だけですね。受益はどうかと言うと、受益は働いている人にいくのならまだしも、この就学前教育とか、保育に限定していますから、小学校にあがる前の子供がいる家庭にだけいく。しかも、現金給付ですね。だから、たぶん理論的に整理すれば厚生年金なり、国民年金の就学前の子供がいる家庭に限定した年金の前払いです、整理すれば。だから、ちょっと…、もちろん、いろいろな財源を考えるのは大事だけれども、ちょっとあまりにも消費税ということを置きながら、他のことになんとかかんとかやる中で、私は理念とも違ったものになっているし、先ほど言ったような形を変えた年金の保険料の流用になっていて。年金、厚生年金の保険料とかを上げるのだったら、年金給付増やせばいいんですよ。現在すごく額が減って、苦しい苦しいと言っているわけですからね」
後藤議員
「保険料を流用するのではないです。保険料徴収システムを使って、つまり、事業主拠出金をいただくので。これは事事業主拠出金をもらうためには、事業主拠出金をきちんと位置づける制度をつくるということなので。保険料の流用と言うことではない。もちろん、税でやれたらいいという議論は、私も、たとえば、消費税も。ただ、問題は消費税も10%に上がるまでは、上がって上がった10%までは全て税の使い道はもう決まっていて、子供、子育てについて言えば、0.7兆円分を充てることになっていて。実際は既に平成29年度の段階で全部使っている。前倒しして0.7兆円分は、10%入ってきていないけれども、前倒しして優先的に使っているわけです。だから、そうすると、消費税の議論というのは10%より上の増税を行う時に4経費の中の子育て分を増やすかということなので。ただ、あくまでそこまで消費税を待っているということではなく、こども保険を提案した皆さんはもう足元、もう少し大きな財源をこういう形で工夫できないか。それは保険料から流用するのではなくて、保険の徴収システムを使って拠出金を徴収すると。それは何をベースにして行うかという時に、たとえば、復興増税だって、税を前提にして所得税に付加税を加えたわけだし。だけど、それは基本的に言えば、流用しているわけではなくて、別の…」
反町キャスター
「後藤さん、そこにトコトンこだわるというのは、後ろめたさがあるのですか?」
後藤議員
「いや、そういうわけではなく、なぜ、たとえば、今の保険の話でも、私はどれであるかはわからないと申し上げているし、これから検討するわけですけれども。少なくとも国の社会的保険は、必ずしも貰うか、貰えないかという均等の原則が成り立っていなくてもいいと。それは、たとえば、育児にしても、出産の手当にしても、保険料…、そんなこと言ったら現在の制度だって、いろいろなものがありますから。問題は社会的な、要するに、公的な社会保険が成立するかどうかというのはリスク分散で説明ができるのかどうかということだろうと思うので。だから、我々が検討した段階で、こども保険の保険制度としての成り立ちがどうかという議論から言うと、収支相償だとか、反対給付均等の原則とか、そういう非常に細かいというか、厳密な保険原理が成り立っているとは言えなくても、少なくとも最低限のリスク分散、ということはクリアしていると言えるのではないかということを検討しています」
玉木議員
「私が提案したこども国債…、使途を、まず子育てや教育に限定した形で使うということで発行される国債と。建設国債は現在、財政法上認められていますけれども、公共事業・施設費に使途を限定して発行される国債ということですから、それを子供向けのものに限定して発行する国債として提案していると。それも1つのメニューとして党内で検討されている」
反町キャスター
「税ということで、皆で負担をするということで、ユニバーサルな負担感という意味だと思うのですけれど。そういうものが必定ではないかということに対して国債ですよね」
玉木議員
「税負担を求めていくところは、現在の世代のユニバーサルで負担するのですけれど。私は誤解があると思うんです。こども国債は完全な利用者負担です、受益者負担です。と言うのは、まずメリットを現在は納税者でもない、あるいは成人していない人に、まず徹底的に与えるわけですね。彼らが20年、30年経って、納税者になった時に、受けた受益を、まさに受益を受けた者に負担してもらうと。確かに負担は後世代に先送りです。国債ですから。ただ、その前に受益を受けたうえで、その受益を受けた人が負担をする。私が現在、問題にしているのは、高齢者福祉に使われている費用の多くが赤字国債の発行によって賄われているんですね。これはまさに受益は高齢者、負担だけ残して、次の将来世代が負担だけ負うというので私はやめろと。だから、ある種リターンのないような支出に対して、それはそうですよ、高齢者ですから。それはある意味。そういうものはちゃんと税税源と保険料と、まさに安定財源をきちんと充てろと。ただ、将来世代に対しては、私は国債を発行する形で調達することでも構わないし。なぜかと言うと、とにかく急ぐんですよ。さあ、安定財源をどうしようと議論してきて、安定財源を見つけようとやって、なぜ1000兆円も借金ができているのですか。そんな中で高齢化がさらに進んでいく、2042年までは65歳人口が増え続けます。本当に十分な安定財源を子供、子育てに見つけられるのかというところを、私もずっと20年間政策に関わってきて、ここはもう大胆に踏み込むべきだと」
反町キャスター
「後藤さん、こども国債、どうですか?」
後藤議員
「一口で言えば、たとえば、将来の若い世代から見てとか。いろいろ非常に…。玉木先生は論客で、いろいろなことをうまく、制度の説明もされるし、優秀だなと思って見ているわけですけれど。ただ、いろいろ説明してみても、基本的に言うと、将来世代に負担を負わせるものだと思いますし。たとえば、現在、教育をあるいは子供に対してお金を使うことによって、将来の税収が増えてくるというようなこともきっと背後にはあって、おっしゃっていることなのだろうと思うのですけれども。しかし、将来の納税額が増えて賄えるというほどには…、増えるとは思えないから。つまり、将来の若者に税負担だけを負わせることに、今度は将来の若者にですよ、ということになりかねないと。たとえば、建設国債や、あるいはこども国債だとか、科学技術もそうでしたか。そうではないのか、科学技術とか、そういう経費に対し、いわゆる国債を出せるようにする、建設国債並みに資産性のある国債として出せるようにするということは経費が膨らむことのチェックにはなっていかないと思うので。たとえば、赤字国債を出さないという赤字国債の財源をちゃんと税で賄うと言うのだったら、いずれにせよ、増税は要るわけだから。現在の政策がちゃんと責任を持ってやれるためには、いずれにせよ、3国債が出せる代わりに赤字国債をやめる分について、財政的には何かきちんと責任のある対応をしなければいけなくて。その部分は実を言うと、責任ある安定財源をつくっていくということと、あまり本質的には変わらないことなのではないかと」
秋元キャスター
「後藤さん、これの年内取りまとめに向けて、政治としての責任として、どういう議論が今後必要だと考えていますか?」
後藤議員
「給付と負担とバランスをするという議論から言うと、行政のムダとか、歳出の効率化をはかるとか、そういう観点を忘れると政治的には議論は成り立たないというのが第1点。それから、制度設計上の視点としては、世代内、世代間の公平があるかどうかとか、あるいは能力に応じた負担、逆進的でないかどうかとか、あるいは全世代型の社会保障になっているかどうかとか、そういう視点から制度設計を見ていくと。受益と負担を合わせてセットで議論して、年末までにしっかりと議論していきたいと思います」
反町キャスター
「消費税という言葉を、どこか皆さん頭にずっと置きながら、こういう議論をすることになるのですか?それとも、これは自分達が触るものではなく、最終的に政権がやるかどうか決める、政権と言うともちろん、与党なのだけれども、官邸が決めることなのだから、ということで、それ以外のところで考えるべきなのか?」
後藤議員
「消費税はこの中に書いてあります。ですから、税の中の選択肢です。ただ、少なくともまだ10%に上がっていないわけで、10%になっても使える財源は全て3党合意で決めてあるわけだから、すると、その後の段階になると。その時にどうするかというのは経済の状況を見ながら、財政再建のために、あるいは必要な社会保障のために、増税を避けていくべきではないということははっきり申し上げたいと思いますが。しかし、それを待っていていいのかと。あるいはこういう形で安定財源が検討できないかということも含めて、税、保険料、拠出金という議論をやっていると」
秋元キャスター
「玉木さんはいかがですか?政治の責任」
玉木議員
「とにかく安心して生んで、育てる、大丈夫だと政治が言ってあげることなのですよ。私も後藤先生と一緒で、ずっと財源のことをやる仕事をしていたので、いろんなことを、財源がどうだこうだと、これも十分わかる。でも、それを20年、30年やってきて、現在のこの日本になっているのだったら、もちろん、安定財源を見つけることや、収支のバランスを取ることも大事なのだけれども、何が必要なのだ、現在どれだけ必要なのだということをまず定義して、それをとにかく何としてもすぐやる。それが国債だろうが、増税だろうが全部ありとあらゆる知恵を集めて、すぐにやらないと。教育、子育ては時間かかるんです。時間かかるからこそ今すぐ始めないと取り返しがつかないです。そこまで日本は来ているんですよ。それを政治の覚悟でやり切るしかないと。あらゆる手段を使う、その覚悟だと思いますね」
秋元キャスター
「矢嶋さん、いかがですか?」
矢嶋氏
「今の議論の他だと、ちょっと今回と毛色が違うかもしれないですけれど。給付は金額ありきとか、金額が出ているのですけれども、私自身、待機児童であったり、教育だったりというのの、本当の実証、科学的根拠というのが世の中にはほとんどないと思うんですね。だから、どれだけお金をかけたら、どういうリターンが出てくるかということを、ちゃんと研究を科学的にやったうえでの議論というのを急いで、材料を用意すべきだと思うんです」
反町キャスター
「たとえば、よその国ではそういうデータがあるのですか?」
矢嶋氏
「結構、ありますね」
反町キャスター
「要するに、幼児教育に10兆…要するに、弾性値みたいな話ですよ」
矢嶋氏
「そうです。これから先、たぶん高等教育とか、いろいろなところになってくるので、教育に対してどれだけかけたら、どういう効果がこれまで出てきたのかということを、科学的にちゃんと研究をしておく必要というのがあると思います」

後藤茂之 自由民主党政務調査会副会長兼事務局長の提言 『すべての子供にチャンスを』
後藤議員
「世代を超えた貧困の連鎖を断ち切って、全ての子供にチャンスをと私は申し上げたいと思います」

玉木雄一郎 民進党幹事長代理の提言 『政治の覚悟』
玉木議員
「問題は明らかになっていますし、やることもある程度整理されていますから、それをどれだけ速やかにやるのか。それは国債も、税負担もいろんなことを組み合わせて、とにかく政治家が覚悟を決めてやり切るということに尽きると思いますね」

矢嶋康次 ニッセイ基礎研究所経済研究部研究理事の提言 『社会全体で支える合意』
矢嶋氏
「結局、国民で広く薄くということを考えると、皆がちゃんと合意していれば、物事は動くと思います」