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2017年5月26日(金)
論戦『女性宮家創設』 公務負担と皇統の継続

ゲスト

衛藤晟一
日本会議皇室制度プロジェクト座長 自由民主党参議院議員
長浜博行
民進党皇位検討委員会委員長 参議院議員
所功
モラロジー研究所教授 京都産業大学名誉教授
百地章
国士舘大学特任教授 日本大学名誉教授

『公務負担』と『皇統の継続』
松村キャスター
「秋篠宮家の長女・眞子様が近くご婚約されることとなりました。日本にとって明るいニュースとなりましたが、結婚すると皇籍を離脱するため、皇族の減少が深刻さを増す事態とも言えます。そうした中、女性宮家の創設が取り沙汰されています。与野党議員と専門家を招き、皇室が直面している課題について議論していきます。皇室が直面している深刻な問題は大きく2つあります。それが皇族の人数の減少によるご公務への影響、皇位の安定的な継承です。現在の皇室は天皇陛下を含め、19人いらっしゃいますが、このうち7人が未婚の女性です、女性皇族です。女性皇族は結婚しますと、皇室典範により皇籍から離脱することになります。そうしますと、悠仁様が即位される際に、公務を支える皇族が1人もいないという可能性が出てくるんです。また、皇位継承は皇室典範により皇統に属する男系の男子と定められていますので、男性が少ない現在の皇室では皇位継承が懸念される、このような事態となっています。まず衛藤さんに聞きますが、皇室の現状、どう見ているのでしょうか?」
衛藤議員
「女性皇族の方はたくさんいらっしゃいますが、男系は悠仁親王殿下までですね。だから、まず女性皇族は減っていきますけれども、皇室活動をどういう格好でお手伝いできるかということが1つ、それから、悠仁様のところまでちゃんと続いていってもらって、皇太子、秋篠宮様、悠仁親王様まで続いていってもらって、その時に絶えないように現在から準備をしておかなければいけないと思いますね。時間が相当ありますから、いろいろな形での準備は可能だと思うんですね」
反町キャスター
「準備というのは、たとえば、今日これから議題になる女性宮家の検討も準備に入る、そういう意味なのですか?」
衛藤議員
「それはおそらく最後でしょうね」
反町キャスター
「いろいろ検討していくという段階、まだ現在は検討課題を探す段階であると」
衛藤議員
「ええ」
松村キャスター
「長浜さんは現在の皇室、どう見ていますか?」
長浜議員
「悠仁親王殿下が天皇陛下になられる頃まで、時間があるという認識か、時間がない認識かで、だいぶやることが違ってくると思うんですね。私は平成24年の時に内閣官房にいまして女性宮家の創設等を含む有識者会議をやっていました。所先生にも、百地先生にもその時においでになっていただいて、ご意見を拝聴したところです。ただ、非常に、後ほど出てくるかもしれませんが、微妙な問題が絡みますので。皇位継承問題とは絡めることなく、いわゆる摂政就任資格を持たれる、あるいは国事代行、臨時代行なされる資格のある、つまり、前の画面で出ていました女性皇族の方々が、大変おめでたい話ですけれども、ご結婚された場合にはそういう有資格者の方々がいなくなってしまうという。こういう状況の中においては女性の皇族にとどまっていただくためにはどのようにしたらいいかという観点から、あのことをやらせていただきました。あっという間に5年が経過をするわけでありますし、政府の有識者会議で思い出すのは、小泉内閣の時の平成17年がありますが、12年、干支がひとまわりしてしまいましたので。この問題というのは本格的に取り組まないと、あっという間に月日は経ってしまうということだと思います」
松村キャスター
「皇室の課題を解決する方策として挙げられているのが女性宮家の創設、旧宮家の復活です。女性宮家の創設というのは女性皇族が結婚しても皇室にとどまることができるというもの。旧宮家の復活は、1度皇籍を離脱した旧宮家の血を受け継いだ方に再び皇族になっていただくというものです。まず女性宮家の創設について聞いていきますが、民進党は19日に閣議決定した天皇陛下の退位を可能とする天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の付帯決議に『政府は法成立後、速やかに女性宮家の創設等について検討を加え、1年を目途としてそのための方策を国会に報告すること』と、このような案を24日、自民党に提示しました。ところが、自民党は今日、女性宮家創設の文言を明記しない決議案を提示し、この溝は埋まっていません。長浜さん、民進党が女性宮家創設を付帯決議に盛り込みたいという1番の理由は何なのでしょうか?」
長浜議員
「1番の理由は衆議院・参議院両院の正副議長のもとで全党、全会派と言ったらいいのでしょうか、参加をして1月からずっと議論をやってきました。その時に、基本的に天皇陛下のこの法案などは、できれば議員立法でやらせていただきたいということを申し上げていましたのですが、話し合いの中において閣法でやるということでありまして。ですから、政府に対して申し上げる文書の中に、民進党ではありませんよ、全党でまとめた文書の中において女性宮家という文言を入れて。女性宮家を創設するということではないです、女性宮家の創設を含め、この皇位の安定的継承のための議論をしなければいけないということを提示したから、申し上げているわけです」
反町キャスター
「先ほどの衛藤さんの話でも、皇室の問題に対応する手段としてはいろいろなものがあると。衛藤さんの言葉で言うならば、女性宮家の創設というのは、最後のプライオリティではないかというのが衛藤さんの考えではありました。その意味で言うと、女性宮家の創設等と、まずこれを頭に置いてきたところ。ここには明らかに民進党としての、最初に扱った民主党としての、その気持ちがそこに現れていると思うのですけれども。そこの心を教えてください」
長浜議員
「ですから、申し上げた通り、平成24年、民主党の政府の時も女性宮家のことを考えていましたし、今回申し上げたように、民進党というよりは、国会、全会派の共通意見の中において女性宮家という言葉を入れたわけでありますから。現在のままにおいては、皇位継承の問題等々を含めて、さまざまな問題がありますが、女性宮家の問題をまず。衛藤先生は最後だというお話でありましたけれど、言葉が出ている通り、女性宮家の問題を国会で検討していくということを始めなければならないと思います」
衛藤議員
「女性宮家というのは例示として出したのでしょうけれど、実際は本当に皇位の安定的な継承というということを考えると、2つあるでしょうし。あるいはまた第3の案もあるかもしれません。この折衷案もあるかもしれません。いろいろな案もあるわけですから。ここで女性宮家の創設ということを特出ししてやるということは、原理もちゃんとしてないのに、やるということは時期尚早過ぎると。だから、女性宮家というのは、将来は女性天皇までいいですよ、あるいは女系天皇までいいですよという意味で言われているのか、いわゆる皇室の人数が少なくなったから、ご公務に対して、と言われているのか。ご公務に対してと言われているのなら、別に女性宮家をつくらなくてもちゃんといろんな方法が、別の形でいろいろなものが検討できると。皇位の安定的な継承と言えば、それはこれだけ特出しを、女性宮家というものを特出しするということは、方法はいくつもあるわけですから、現実に。それから、歴史や伝統を重んじなければいけない。そういう意味では、女性天皇はかつていらっしゃいますが、女系天皇はいらっしゃらない、それが長い間ずっと我が国の伝統であり歴史ですから。理由は何かと言ってもなかなか説明できないかもしれませんけれども、しかし、ある意味では、そういう長い歴史や伝統の中に一種の合理性があるのではないかという具合にして、謙虚に歴史を眺めようとするのがだいたい我々、保守の人間の謙虚さを歴史に対して失わないということは、大事な要素だと思っていますので。だから、いろいろな方法は検討できるという具合に思いますね」
松村キャスター
「所さんは女性宮家の創設をどのように思っていますか?」
所教授
「まずその前に、この問題を考える、ある意味で考え方というのをしっかりしておかなければいけませんのは、これは今、今の問題ではなくて、平成17年に紀宮清子内親王が結婚された時のことを、その当時から真剣に考えるべき問題であったと思います。それよりも10年以上が経っているわけですね。それから、とりわけ6年前ですが、元侍従長をされた方が書物の中ではっきりと言っておられるので非常に驚きました。これは民主党が有識者会議を立ち上げる前ですよ、前に。『急いで検討しなければならない課題があります』ということで説明され『たとえば、内親王様が結婚されても、新しい宮家を建てて皇室に残られることが可能になるように、皇室典範の手直しをする必要があると思います』と。私は元侍従長の方がここまで言われるのは問題だという意見もあると思います、けれど、同時にそこまで切羽詰まった想いを既に6年以上前から持っておられた、それは推測ですけれど、おそらく両陛下を含む皇室の方々の切なる想いであったと思います。それがもう5年も6年も経ちまして、今回の眞子内親王の話が出てきましたから、事態はもっと切迫しているわけですね。与党だの、野党だの、ということではなくて、あらゆる可能性を現在しっかりと議論して踏み出さないと、あとで後悔をすることになると思います。そういう意味で、私は女性宮家の創設と言いますけれども、女性、皇族女子が皇室に残られるという可能性を探る。同時に、旧宮家のご子孫が本当に皇室に残られるということが可能であれば、それも検討すると。あらゆることをしっかりと検討をして、3年も5年も経つのではなくて、本当にもう御代替わりまでにはそういうことが可能になるようなスピード感をもって検討するという意気込みと言いますか、問題認識が非常に大事だと思います」
反町キャスター
「所さん、現在の話を聞いていると、女性宮家の創設が最重要、No.1、プライオリティの話ではなくて、ここにも挙がっているような旧宮家の復活も含め、さまざまなものをとりあえずテーブルに上げて検討しなくてはいけないよという、その危機感を強く持っている。けれども、女性宮家の創設が最重要案件であるというような立場でもないのですか?」
所教授
「いや、結局、問題は、今回の陛下のご譲位についても、皇室典範そのものではなく、付帯決議に根拠を置いた特別法にするということで、皇室典範を変えることに非常にある意味で慎重と言うか躊躇しておられるのですが。結局、皇室典範そのものを全体的に見直さないと、72年前にできた当時と事情が変わってきているということをリアルに考えれば、改正すべき問題がいくつかある。その中の1つが、この第12条の皇族女子の結婚問題であり、第9条の皇室の養子問題、いろいろあります。だから、それは全て一挙に解決できませんけれど、まず皇室典範は見直すのだと、できるところから解決していくのだという、まずそういう問題意識が前提にあって、その中で何を優先すべきなのかというのは議論が分かれると思います。また、あり方についての議論があっていいのですが、まず皇室典範を改正するのだという前提に立って、それでどこから手をつけるのか、どうしたらいいのかという議論をしてほしい。その場合、私は、いわゆる女性宮家の創設ではありません。それどころか現在ある宮家が、このまま男子でないと継承できなければ、三笠宮家も高円宮家も秋篠宮家もなくなるわけですね。つまり、宮家がなくなってしまうのを、皇位継承ではなくて、宮家を継承するために、女子しかおらなければ女子も可能にするという意味での、皇族女子の宮家の継承という問題として捉えるべきだと思います」
衛藤議員
「そうしますと、男系でやりましょうというのはそのままにしておけば…」
反町キャスター
「皇統の話ですね?」
衛藤議員
「皇統の話です。それでその中での、たとえば、検討としては、2つ出た、宮家の創設や旧宮家の復活以外にも、現在の12条による、変更すれば、たとえば、宮家を継ぐための養子制度だってとれるわけですね。だから、方策はいろいろとあるわけです。ただ、私どもが言っているのは、男系で続いてきたのは長い歴史ですから、それは法律にも書いているけれども、そこのところは根幹として守りながらできるのではないのかと。それができなければ、女性宮家という検討までしなくてはいけない。しかし、それはいきなり女性宮家ということを特出しで最初に出てくるというのは、これはちょっとおかしい。現在の段階で、女性宮家=女性天皇という、女系天皇ということになってきますと、もしそれを決めたら、それは本来、愛子様にいくべきですから。秋篠宮様や悠仁親王を原理的に否定することになるのですから。そういう具合に思われている方はいないのではないかと思うんですね」
所教授
「だから、その点は明確にしておきたいと思います。要するに、現在の皇室典範のもとでお生まれになった方が、現に皇位継承者としておられるわけですね。男系男子はどんなに少なく見積もっても30年先までは続くんですよ。これは絶対変えないということをしっかり前提にして、皇位継承問題は男系男子でいけるのだ、いくのだということを変えないでおいて、その30年余りの間に、皇族一族が全部おられなくなってもいいのですかという、別の問題として、時間差を考えて議論すべきだと思います」
衛藤議員
「それはその通りですね。先生は危機感を持っておられるのでしょうけれども、少なくとも我々はいろいろ喋れないけれども、真剣に安倍総理はじめ、検討していると思います。皇族の人数の減少による公務の影響については今度、天皇陛下のお言葉の中にも、とか、あるいはその前後の中にもありましたけれど、代われないものもたくさんあるのだとか、公務の軽減をしようと言ったら、それはなかなかできないのだとか、言われているんです。だから、しかし、それでも減少していますから皇室活動をお手伝いできるところは、それは内親王とか、に限ってやれば、なかなかいろんな解釈としては女王(にょおう)様まで女王(じょおう)様までいったらいいのかとか、あるいは内親王だけでいいのかとかいう議論があるのでしょうけれど。それは具体的な、どんな皇室活動をどうお手伝いをするのかというその範囲を決めればいい話であって、ありがたいことに現在でもそういう可能性のある内親王様は、愛子様に眞子様、佳子様と3人もいらっしゃいますから。今度、天皇様が言われたお言葉の中で、言われたことは祈りを一生懸命やってきたと、これは代われない。それから、国が決めた国事行為、これは国政に関与できる権限はここまでと決められている。しかし、それだけでなくて、象徴天皇として国民に寄り添うことが非常に必要だと思って、そのために一生懸命がんばってきたと。だから、これも、現実には代われないことは代われないですね。でも、ある程度の代行をすることはできる。たとえば、天皇様が被災地にお見舞いに行く、そうしたら内親王様も一緒に行かれるとか、いろいろしていますから、補足することはできるんですね。強化することはできる。だから、そういう意味で、この皇室の人数の減少による公務の問題についてはちゃんと考えればいいし、それはもう可能になってきたと思うんですね、そういうのは。それは相当、真剣に総理は考えていると言っていいと思います。まったくそういう何十年も延ばそうなんていうことは考えていないと、私は推察をいたしています」

『女性宮家』か『旧宮家』か
松村キャスター
「ここから女性宮家を創出するにあたって具体的な例を挙げて議論していきます。3つのポイントを挙げました。配偶者、子供、家計費、の扱いです。まず配偶者の扱いですが、所さん、女性宮家創設となりますと、配偶者は民間人のままか、それとも皇族とするのか、どう考えますか?」
所教授
「これは平成24年の民主党、野田内閣時代の検討結果としては、皇族女子のみを皇族に残して、夫たる方も、お子様も皇族としないという案で、私はその時のヒアリングでは、それはおかしいと。1つの家で、たとえば、当主である皇族女子だけが…、あとの方は身分が違うということは家族構成として誠におかしいと言いました。言いましたけれど、そういうことでしか認めないということが多数を占めれば、その1つのバージョンもアリだと思います。つまり、私は理想形というのを研究者だから言いますけど、現実は多くの方々がそれしか道がないとか、それが良いとお考えであれば、そういうことも考えながら、少なくとも皇族女子が皇室にとどまり得ることにしなければ、先が行き詰まってしまうと考えれば、そういう不十分なあり方であれ、そうでなくしてしまうよりは良いと思います」
百地特任教授
「私も女性宮家なるものについては、制度として極めて不合理と言うか、問題あるものだということで、いろいろ議論したんですね。反対したのですが、所先生がおっしゃったのは、女性だけが皇族に残って、あと配偶者は民間人だということ、これはまさに夫婦間は別籍であるという…」
反町キャスター
「戸籍はどうなるのですか?」
百地特任教授
「民間人は戸籍に残るわけでしょう。一方は皇統で、皇族は皇統譜がありますからね。まさに夫婦別籍です」
長浜議員
「野田内閣の時には先生からご説明がありましたように、そういうパターンと、ご結婚をしていただいて、お子様までも含めて、皇族になるパターンとか、衛藤さんがご説明をされていた、ご結婚をされて、民間にいかれた場合、奥様が、旧皇族として何か仕事ができるかという、こういうバリエーションを、女性宮家をどう考えるかということで提示をしました。これしかないという形の提示の仕方はしていません」
百地特任教授
「その通りですね」
反町キャスター
「今回、付帯決議に盛り込まれた、女性宮家等の検討というのは、様々なバリエーションを全部包含しているのですか?」
長浜議員
「ですから、この議論に出ていますけれど、所先生のお言葉を借りれば、全てをテーブルに出してどういうことが考えられるのかと。たとえば、旧宮家の復帰に関しては賛成のご意見もありましょうし、反対のご意見もありますから、女性宮家と同じような形で。こういったことを先延ばしにするのではなく、議論する時間がないのではないかという意味合いにおいて、あの議長のところで取りまとめた付帯決議にこの文言を書くようにという問題は、確かに女性宮家の決めうちということだけではなく、議論をしなければいけないということだと思います。つまり、仮に、今上天皇陛下の退位が法案として成立して、あ、これで終わり、ということではなく、大変大きな問題がこのあとに控えているのだという共通認識を自民党も、各党が全部、持ったということです」
百地特任教授
「野田内閣としては一代宮家という意見が強かったのではないかと思うんですね。しかし、それが本当に解決になるのかということです。つまり、皇族がドンドン減ってしまうと。皇族の減るのを防ぐために女性宮家とおっしゃるわけでしょう。でも、それは一代限りで、終わってしまうわけでしょう。抜本的な解決にならないわけではないですか。そこで出てくるのはお子様まで含め、皇族にという議論です。そうすれば永続性は出てくる。永続性を考えればそれしかないですよね。しかし、その途端に女系の皇族が誕生してしまうわけです」
反町キャスター
「女系天皇に直結するか、次のハードルですよね?」
百地特任教授
「でも、女系皇族が何人かできたとするでしょう。一方で、直系の男子が少ないとなれば、当然、皇位継承権だって順位が上がってきますから」
反町キャスター
「えっ、現在の皇室典範がある限り、皇位継承権のリストには上がってこないですよね?」
所教授
「それをはっきりしておかないと。現在の皇室典範の第1条、第2条を変えないという前提であれば、30年先までは男系男子でいくんですよ」
百地特任教授
「その先は変える可能性があるわけでしょう」
反町キャスター
「女系皇族から生まれた子供がたくさんいて、男系の皇統にあたる人が1人、ないしは0人の状況になった時に、世論が皇室典範を変えたらどうだという、そこを懸念されている?」
百地特任教授
「そういうことです。女性宮家の問題点とか、女性天皇と女系天皇の区別だって、よくおわかりでない国民がたくさんいるわけですよ」
所教授
「そんな失礼なことを言うべきではないですよ。皆、わかっています。わかっているからこそ、このままでは困るということで現在考えようとしているんですよ」
百地特任教授
「私は法学部で教えていますが、法学部の先生も話がはっきりしていない、学生達もわかっていない、そういう現状がありますから」
衛藤議員
「女性宮家を、女系天皇まで結びつけるのかどうかということ、原理的なことをはっきりしないと皆、言っていることが違うんですね。先生と他の方が考えていることも違うし、だから、この問題を議論しようと思ったら、女性宮家ということをどこまでにするのかとしないと、単に数が減るからというだけでは…。数が減るのだったらちゃんとして皇室活動ができるようにすればいい。それは法改正してもいいし、法改正しなくてもできる中身だと思います。だから、これに早く結論を出せばいい。ちゃんとしていけば、変な議論にならなければ、安倍内閣としてはおそらく出せると思うんですよ」
松村キャスター
「ここからはもう1つの案、皇籍を離脱した旧宮家の血を受け継いだ方に皇族になっていただく、旧宮家の復活について聞いていきます。旧宮家とは1947年にGHQの占領政策により皇籍を離脱した旧宮家の血を受け継いだ人達に皇族になっていただくという案ですが、百地さんは2014年の有識者ヒアリングで旧宮家の復活について提案されていますが、どういう意図が?」
百地特任教授
「正確に言いますと、旧宮家の復活ではありません。つまり、11の旧宮家がありましたけれども、中には断絶したところもあれば、男子の後継者がいないところもありますし、そういったものを一括して復活するということは国民感情としてもたぶん許されないと思いますから。たとえば、旧宮家が戦後、民間人になられて経済的に苦しいと、大変な生活をされる、その中で正直なところスキャンダルに巻き込まれるとか、そういうケースもあるわけです。旧宮家というだけで反感を持つ人もいますし、後ろ向きの議論ではなくて、私は前向きな議論をしたいというのが第1。そのためには旧宮家の中で将来性というものを考えて、お若い方、できれば未婚の方の中で相応しい方をお選びし、もちろん、当事者の意向もあるし、皇室のご意向もありますけれども、そういったものに配慮して、個別に相応しい方を皇族としてお迎えすると、若くして皇族に入られたら、いずれは成長して、成人なられたら宮家を…」
反町キャスター
「旧宮家の血を引きながら、適齢の方はたくさんいるのですか?」
百地特任教授
「個人的に調べたものですが、従いまして必ずしも正しいかわかりませんができるだけの努力をしました。これは平成24年に私が先ほど来のヒアリングで呼ばれた時に作成したものに加筆し、年齢を加えて、書き換えたものです。いくつかのルートからこういった情報を集めていますけれど、一方で、プライバシーの壁がありましてなかなか入り込めないところもあります。そういう留保付で申し上げますと、私はできれば、まだ結婚していない、お若い方が望ましいのではないかと」
反町キャスター
「そういう人達をどうするのですか?本人の意向も確認するのですか?」
百地特任教授
「ですから、ご本人が未成年であれば、ご両親の了解も必要でしょうし、ご本人の意思も必要、最終的には皇族会議で、国民世論を踏まえて決めるしかないですから、当然、慎重にやりますけれども、しかし、私どもはその人物まで知りませんから、とりあえず年齢だけで…。もう1つは、伏見宮家の系譜の方ですが、これも非常に誤解がありまして、600年前につくられた伏見宮家の方が突然皇族になるかのような、印象操作をする人がいるのですけれども、実は伏見宮家は600年ぐらい前につくられ、男系でずっと継承されてきた世界でも名家中の名家ですよ。伏見宮家からは後花園天皇、天皇まで輩出しているんです。しかも、時々の天皇がいらっしゃいますよね、天皇の親王に任ぜられた、代々。だから、世襲親王と呼んでいるのですけれども、そういう皇室とは密接な関係を持ってきた方です。しかも、現在の憲法のもとでも昭和22年10月14日までは皇族であり、皇位継承権を持っておられたんです。そういう方々ということをまず知ってもらいたい」
所教授
「私は、よくお考えになっていると思っていると同時に、大きな欠陥があります、議論として。なぜか、600年続いた伏見宮家がなくなったではないですか。つまり、それは男系男子のみが宮家を継承できるとしてきたから結果的に11(旧)宮家のうち半分ぐらいがもうないですよ。そこにお示しされていませんけれども、現在でも男子の継承者がないところはなくなってしまうんです。だからこそ一夫一婦制のもとで宮家を維持するというのは非常に難しい。しかも、男系男子だけで宮家を継承するのは難しいと現実をしっかり見なければいけないというのが1つ。もう1つは、旧、伏見宮家を含めてですが、全てが天皇の養子になることによって親王になれたわけです。昔は養子制度を認めておったわけです。我々は旧宮家のことを考える時は典範第9条の皇族は養子ができないとなっているのを、皇族間の養子を認めると。そうすると、私は旧宮家のご子孫でも、要するに、現在皇族になるためには結婚という方法しかありませんけれど、養子によって旧宮家のご子孫の中で、たとえば、仮に申し上げて恐縮ですけれど、東久邇宮家の関係の方が養子として皇族に戻られるという道を、第9条を開いて可能にすれば、これは1つの道だと思います」
百地特任教授
「ですから、私が言っているのは、旧宮家の復活ではなくて、あくまでも相応しい方をお迎えする。お迎えする方法としては、養子も含めてですね。だから、1つは養子だけだと個人間のいろんな合意ですとか、さらに厳しい問題も一方では考えられますから、従いまして相応しい方を何人か、4人か5人、いらっしゃれば、そういう方々を特別措置法という形で、一時的なものですが、こういうことが何回もあってはいけませんから、従って特別措置法をつくることによって、何人かの方に皇族になっていただいて、宮家をつくっていく、支えていく。この皇統は4つ支柱の世襲親王で、室町時代で言いますと、イメージで言えば、皇室が柱だとすれば、4つの柱があって支えてきたわけですね。ですから、それと同じ知恵を働かせれば、現在支柱はなくなっているわけですから、まず支柱を考えようと。ちなみに江戸幕府、徳川将軍家ですけれど、約300年ですが、あれを支えるために御三家、御三卿の6つの家を支える支柱をつくって300年もってきたわけでしょう。ですから、支柱がないことが問題なのですから、その支柱をつくるために旧宮家から男子をお迎えするしかない。お迎えの仕方は養子みたいな形もあるでしょうし、それから、特別措置法で入っていただく、いろいろな方法があるだろうと」
松村キャスター
「女性宮家を実施するとなりますと、皇室典範の改正が必要になります。第12条が『皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる』というものがあります。所さん、皇室典範にどのような考えを持っていますか?」
所教授
「第12条は、男系男子を維持するためには、女子に早く出て行ってほしいという、全体構造の中でできている条文です。男系男子を確保する、女子はその役を中におられる間はしたけれども、結婚したら結構ですと。明治以来、男系男子がたくさんおられましたから、現在から72年前でも同じように男系男子がおられるであろうと前提があったのかもしれません」
反町キャスター
「所さんの考え、1条、9条、12条。1条はどういう問題があって変えるべきだと」
所教授
「要するに、1条、2条を変えない。30年以上変えない。つまり、皇位継承は男系男子によると。該当者がおられるわけですから。その間に皇族が少なくなってしまうことを防ぐためには、優先すべきは第12条だと思います。要するに、結婚後も皇族の身分で、皇族にとどまっていただくと同時に、9条で天皇・皇族は養子ができないとなっているのをできるとすることによって、現在結婚を契機としてしか皇室に入れない一般国民の中で、旧皇族のご子孫で、先ほど、百地さんがおっしゃった方々が養子として宮家に入られる、あるいは宮家を継承できるという道を開くことによって、12条は女子の問題ですが、9条は男子の問題として絶対数が減っている皇族を確保できるのではないか。現状より少しは安心できる状況をつくれるのではないかと、その問題と、1条の話を切り離して当面、解決すべきだと」
衛藤議員
「皇位継承は皇統に属する男系の男子で、3代先まで不変とか言うことはないので、本当にそういう時がきたら女系だってあるかもしれない。その時にすればいい話であって、現在いじる必要はないと。上位にある原則を崩すことはないと。養子についても可能だと思いますが、けれども、基本的に旧皇族やある意味での皇位継承資格を持つ人達ですよ。宮家の養子ということは。そういう人達であればOK。その人達はたくさんいらっしゃるんです、実は。結婚している人を全部と言うとなかなか大変でしょうから。それらを除いても若い方が7、8人いらっしゃるんです。もっといらっしゃる。しかし、ご両親も、ご本人もそのことを了解してくれなければ、それは三顧の礼を尽くしても、戻ってくれませんかという形がたぶん必要だと思います。それから、12条の皇族の身分でおられるということは、宮家というのは皇位継承者を基本的にキープしておく方法です、だから、女性も活躍できるとなれば、どういう形で法的な身分を与えるのか、それとも、そうでなく、活動がちゃんとできるという形でできるのかという、方法がいろいろあると思います」
長浜議員
「臣籍降下された方が、また皇室に戻る等々も含めて、現在皇室のシステムとして議論をしていますけれど、皇族お一人お一人の人生、それから、現在の皇室典範で決められた、特に女性の場合、自分がどういう形になるという形、その姿を国民が見ているわけですから、国民の皆様にとって、今日行われた議論が、いわゆる養子の制度等々で男性を軸にして皇族というシステムを補充していくのがいいのか、あるいは現実に生まれ育ってずっといる、ただ女性であるという状況の中で、ある意味では、議論から外れている部分を議論するのかどうか。先ほど来、申し上げているように突飛な議論ではなくて、平成15年にはしていた議論ですから、こういった問題も含めて。今回の慶事のことも言い方を間違えると政治利用と言って怒られますが、自由に恋愛をされて、ご結婚をされたわけでありますから、現在の世の中と70年間と言ったらいいのでしょうか、戦後、今上天皇陛下で言えば、30年近く象徴天皇制という、システムをつくってこられたわけですから、そこでの議論ということも大事ではないかなと思います。時間のない状況の中で、大変普通の方々に皇位の問題をお話するのは難しいということを実感しています。憲法も第1条から第8条まで天皇ですが、あれ、日本国憲法は第9条からスタートするのではなかったっけ、と言われてしまうぐらいですから、一丁目一番地の天皇という問題について国民の皆様にまずご理解をいただいてからでないと、この議論は大変難しいと思います」

衛藤晟一 日本会議皇室制度プロジェクト座長の提言 『幅広い男系による安定的な皇位継承を』
衛藤議員
「女性宮家の話も出ましたけれど、原理的に1回整理した方が言いと思います。今日、整理していただいたのは、皇族の数が少なくなることによって皇室活動をどうするのかということと、それから、安定的な皇室継承をどうするのか、2つをちゃんと整理していただいたので、これはすばらしかったと思いますね。そういう中で、幅広い男系による安定的な皇位継承を検討するということは十分可能ですし、所先生からお話がありましたように今すぐからでもやらなければいけないと。その時に女性宮家とか、意味のはっきりしないことをするよりは、こういう形で全体の検討をした方がいいと思います」

長浜博行 民進党皇位検討委員会委員長の提言 『信頼と敬愛』
長浜議員
「天皇、あるいは皇族の皆様と、国民の皆様との間の深い信頼と敬愛の醸成。これが1番大事なところではないかなと思っています」

所功 モラロジー研究所教授の提言 『可能性を広げ 皇室の永続を』
所教授
「あらゆる可能性を広げて、そして我々は現在の憲法にちゃんと第1章に書いてある、この皇室制度を維持する、皇室が永続することに全力を傾けてと思っています」

百地章 国士舘大学特任教授の提言 『皇室の伝統を振り返り 将来の展望を!』
百地特任教授
「考える際にはまず皇室の伝統というものをきちんと明らかにする。1つは2000年の皇室を論ずるのに、現代の我々のファミリー感覚だけでやってはいけないということ。もう1つは、男系で続いてきた世界で唯一の皇室です。これを現在の我々の時代で簡単に途絶えさせてしまっていいのかと、そういうことを、まず伝統を振り返って、将来を考えることが必要であると思っています」