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2017年5月12日(金)
論議『安倍改憲私案』 『9条に加憲』の真意

ゲスト

下村博文
自由民主党幹事長代行
大串博志
民進党政務調査会長
斉藤鉄夫
公明党幹事長代行
馬場伸幸
日本維新の会幹事長

論戦『安倍改革思案』 自民党草案は『廃棄』か
松村キャスター
「憲法記念日に安倍総理が憲法改正の具体案を表明し、施行の目標を2020年にすることや、9 条、教育無償化についても言及しました。今後、憲法改正への論議は加速化していくのでしょうか。今夜は与野党の幹部を迎えて、憲法改正の行方と安倍総理の真意を探ります。安倍総理は3日、憲法記念日に行われた改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで憲法改正の具体案を語りました。その発言の主な内容ですが、『9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』『高等教育の無償化』『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と、このような内容がありました。まず下村さん、これらの安倍総理の発言をどう受け止めていますか?」
下村議員
「当日は私もビックリしました。しかし、それから10日近く経った中で、安倍総理のこのビデオメッセージというのは本当にインパクトあるなと思いますね。自民党は平成24年に、野党の時ですけれど、憲法改正草案というのをつくっているんです。しかし、これは野党の時ですから相当エッジがかかっていたことも事実で、それは1つの自民党としてのより良い憲法改正に向けた案だとは思うのですけれども、しかし、残念ながら国会で3分の2を得られるかというと、得られないです。中山太郎さんが現在の憲法調査会、その前の審査会の生みの親ですけども、『憲法改正は大いなる、偉大なる妥協』と言ったんですね。3分の2ということを考えると、自民党の憲法草案を固執しても、なかなか難しい。ということの中で実際に憲法審査会でそれがなかなか議論される状況ではないので、これは公式文書としては残すけれども、自民党の憲法草案を叩き台で議論するということを、我が党は憲法審査会では提案していないですね。という中で、憲法9条、自衛隊を明文で書き込む。高等教育の無償化、これについては他党も結構コンセンサスが得られるような議論ができるのではないかという意味で、土俵に乗るという意味で、相当一歩腹を括って進めるという意味では、インパクトがあると思いますね」
松村キャスター
「大串さんはいかがですか?」
大串議員
「憲法9条のことに関して言うと、自衛隊の皆様が大変活躍していただいて、私達の平和な暮らしを守ってくれている、災害の時に命がけでがんばっていただいている、これに大変敬意を表し、私達も支えていきたいという思いがあります。一方で、9条1項、2項をそのままにしながら、3項的なところに自衛隊を位置づけるというところに関して言うと、現在でも憲法上、自衛隊は合憲ですね。これは定着した考え方であり、解釈で、その中で敢えてこれを憲法に位置づけるどれだけ緊急のニーズがあるのかというところは疑問ですね。それに該当するような幅広い緊急性の認識はいまだにないのではないかと、どこがどれだけどう変わるのだろうというような機運ではないかと思います。教育の無償化に関して言うと、これは憲法に書くまでもなく、本当にやろうと思うのであれば、予算を用意し、制度をつくってやっていけば私はできると思います。だって義務教育を超えて現在、高校の無償化、私達民主党政権の時に行いました、これもやっているではないですか。本当にやる意思があれば、教育の無償化は憲法を改正しなくてもできると思います。さらに言えば、総理がこうやって憲法を変えようと、しゃにむに突き進まれる姿には、私は違和感を覚えます。なぜなら憲法は国民のものです。権力を持っている人が、こっちだ、こっちだ、こっちだと言って引っ張る、まさに権力者が走ることを、国民がドライバーズシートに座っている主権者だということで、このグリップを握るということが憲法の立憲主義であって、これに総理の現在のスタンスは大きくかけ離れているのではないかという感じがします」
松村キャスター
「馬場さんはこの安倍総理の発言をどう受け止めていますか?」
馬場議員
「我々は憲法改正というテーマについて考えた場合、憲法事実があるかどうかと。どういうことかと言いますと、国民の目から見て、なぜ憲法を変えないといけないのか、何をどう変えるのかということがはっきりとわかる項目について憲法の改正を進めていくというのが我々の考え方ですね。ですから、私達は昨年春に、この憲法改正については3本柱、教育の無償化、また、道州制等を含む統治機構改革、憲法裁判所の設置という、3本柱を提案させていただいています。これは、いずれも国民生活の基盤に大きな影響を与えるという考えに立っていますので、是非、各政党も憲法審査会という、目的が憲法改正の項目を審査するということが国会法にも書いてありますので。是非自民党さんも、民進党さんも、公明党さんも、その他の政党も憲法改正するならば、どの項目をどのように変えるかを各党、各党内で早急に議論していただいて、できれば来年の通常国会ぐらいには提出をしていただかないと、先ほど、大串さんが国民の声を幅広く受け止めてというようなことをおっしゃいましたが、憲法審査会でそういう実際の議論を行わないと、国民は憲法改正、何をいったいどのように変えるのかという理解は深まらないと思いますので。是非各政党がそういう時期的な目標のもとに作業を進めていただければと思いますね」
反町キャスター
「馬場さん、1点確認ですが、憲法審査会に具体的に改憲項目を提出しているのは、維新だけですか?」
馬場議員
「そうですね。具体的な項目は出ていません」
松村キャスター
「斉藤さん、いかがでしょうか?」
斉藤議員
「私は、中山太郎先生が憲法調査会、衆議院に憲法調査会をつくられてから、現在の憲法審査会に至るまで、ずっと委員をさせていただいてきました。その中で、中山太郎先生が築かれてきた憲法議論の原則と言いますか、これは現在、各党のコンセンサスになっていると思いますが、そういうものがあります。それは各党が平等の立場で意見を言い合い、合意をはかっていく。憲法改正ですから幅広い合意、全党が、というのはなかなか現実的には無理かもしれませんが、少なくとも野党第1党も加わるような形で国民の合意をつくっていく。その議論をするところが、憲法調査会であり、国民投票法ができてからは憲法審査会という形になりました。その憲法審査会では、どういうことを優先的に議論していこうかという議論が現在、始まったところですね。ですから、ここまではまだ合意事項、コンセンサスにはなっていませんが、たとえば、現在、憲法改正しなければ、守られるべき人権が守られない、たとえば、大災害時の民主的な機構をどう残しておくかというようなことは、まさに大災害時に私達の人権がどうなるかということと直結します。そういう緊急性を要するもの、それから、改正した方がいいけれども、当面は現行憲法の解釈で対応できるもの、そういうふうに仕分けをしていって、まず緊急性の高いものから憲法改正の議論をしましょうという緩やかな合意ができつつあるところです、現在、憲法審査会で。そういう段階なので、あくまでも憲法審査会での各党の議論というのがベースになると思います。今回の安倍総理の提言は、私は自民党の中で、そういう議論を活性化しましょうということですので、我々としては自民党の中の議論を見守っていきたいと、このように思っています」

自民党内『ガバナンス』
松村キャスター
「この私案については自民党内では異論が出ています。石破さんは今朝、記者団のインタビューに対し『憲法改正草案を党議決定して、Q&Aまでつくって、それをもとに選挙区で説明してきた。あの憲法改正草案はなしということが安倍総裁の発言1つで決まるなら誰もやらなくなる』と今日、発言しました。岸田外務大臣は昨日、『憲法9条をすぐに改正することは考えない』と発言しています。まず石破さんの発言ですけれども、下村さん、いかがですか、どう受け止めますか?」
下村議員
「実際に自民党、自公政権で与党になってから自民党の憲法改正草案については国会でまったく議論の対象にはしていないですね、そもそも論として。ですから、ある意味で封印してきたわけです。封印してきたのをおかしいのではないかと言うのだったら、これまでずっと議論すべきところを、そもそも封印してきたのは何ですか、ということを考えた時に、いざ参議院でも3分の2いっている中で現実的な対処をすることが必要ですねということの中での、総理の発言というのはインパクトがあるけれども、本来は自民党の中で、石破さんもそうですけれど、憲法改正推進本部の中で、それを自分達が議論してこなかったっていうこともしっかりとこう受け止めてもらう必要があるのではないかと思いますね」
反町キャスター
「たとえば、憲法改正草案、先ほど、下村さんも、野党時代につくったもので、エッジが立っているという言い方をされました。つまり、それならそれできちんと棚上げをしておいた方がよかったのではないのという。我々には草案があるという立場もとりながら、いや、これはちょっとエッジが立ち過ぎていて公の場には出せませんよと、両方使い分けをしてきた結果、たとえば、石破さんにしても、岸田さんにしても、今回のことでいろいろ発言をされていますけれども、2人は自民党の憲法改正草案をこれが本当にすばらしい草案だと思っているのか、これはたぶん別の話ですよ。手続き論で、このやり方はおかしいのではないかと異を唱えているというのは、皆さん、たぶん理解されている部分だと思いますよ」
下村議員
「それは、安倍総裁は問題提起をしたんですよ。つまり、これで決まりということではなくて、自民党の中で議論してくださいと。自衛隊の明文化をどんなふうにするか議論してくださいということだから、総裁の発言1つで決まったのではなくて、総裁の発言で問題提起をしたわけだから。あとは今日も自民党の憲法改正推進本部の保岡本部長、それから、上川事務局長が安倍総裁と会って、今後の党内議論について協議をしているんですね。しかし、これまでの憲法改正推進本部だけではちょっと十分ではないのではないかと、起草委員会等で、石破さんもこれまで入っていたのですけれども、それはちょっと、私、幹事長室としても協力しながら党内的な議論をしていって、衆参の自民党の国会議員が議論の末に納得をするようなものをつくるという意味で、安倍総理がこれで決まったというのではなくて、自衛隊と教育の無償化について議論をしてくださいと言っているわけですから、決定したわけではないですね」
反町キャスター
「今回の安倍さんの発言というのは、野党に対し、よく9条とか、教育ということで、公明党と維新に球を投げたのではないか、あとでこういう話が出るのですけれども、そう見る人が多いです。実際に新聞もそういう論説が多かったのだけれども。現在の下村さんの話を聞いていると、今回の安倍さんの話はあくまでも党内に向けての話で、これまで憲法草案があるからと言って、議論が止まっていたところに刺激を与えて、具体的にどんな球を出せるのか検討しなさいよと、党内に対する問いかけがほとんど?」
下村議員
「いや、党内でまずつくらなかったら、先ほどの議論のように、憲法審査会の中で自民党は最大政党なのだから、最大政党として憲法審査会で、自民党は9条について自衛隊を明記するために、こういう改正案を考えていますと、教育無償化についてはこういうことをやると、そういうことをそろそろ本当に問題提起、発議案を出すべきだと思いますよ。ですから当然、これは自民党の中で議論して、それでおしまいというわけでなく、出したら当然、国会ですぐ議論してくださいというのが前提です、もちろん」
反町キャスター
「でも、9条に関して言えば、憲法改正草案における自民党の9条の姿勢に比べると、すごくハードルが下がっていますよね。それは各党からの意見、賛否も含め、賛成が得られ易いものを狙っているという、憲法を改正するのではなく、憲法改正をすることが自己目的化し、自らわざとハードルを下げている。お試し改憲とよく言われましたけれども、その時には96条の手続き論の話ではあったのですけれども、今回、9条を舞台にお試し改憲をやろうとしているのではないかという見方も出ています。いかがですか?」
下村議員
「1つの理念ですから、それぞれの政党がそのためにできているわけですから、主義主張があると。しかし、憲法改正というのは、先ほど申し上げたように、残念ながら自民党単独で、衆参で3分の2以上あるわけではないわけですから、いつまでも自民党の理念と言いますか、憲法改正草案に固執していても改正できないですよ、現実問題として。特に今年は日本国憲法が改正して70年という節目の中、これからの将来の70年を考えた時に、この時期に議論している時ではなく、具体的な発議案を出すという現実論から見た時に、残念ながら自民党の憲法改正草案、9条の改正案がありますけれど、それでは3分の2は難しいですね、ということの中で現実的に判断した時に、安倍総裁が自衛隊をまず明記するということについては、私は非常に現実的な判断だと思います。ただ、これは党内で今後、議論しますよね。まだ総裁もどう書き込むと言っているわけではない、それは党で議論してくださいということですから」
反町キャスター
「今回の安倍さんの提案というのは形の上では1項、2項を残して3項に自衛隊を明文化するということで、形式的には加憲ということになるという見方が大勢ではないですか。加憲という言葉、加憲は公明党さんのキャッチコピーなのだから、公明党さん、これで乗れるのではないのという非常に安易な僕らの発想です。これで公明党さん乗れませんかという形のうえの親和性ということについては何かあるのですか?形のうえでの親和性があるからと言っても、中身は全然違うのだから、乗れないよという話なのか?少なくとも加憲という形を出してきた安倍さんに対しての、ご苦労されたんですねという感謝の気持ちがあるのか、ないのか、そういうのはあるのですか?」
斉藤議員
「今回はまず自民党の中でその議論をしましょうということだと思いますので、その議論を見守りたいという、そのことに尽きると思います」
反町キャスター
「なるほど。でも、公明党が本来、言われていた加憲というのは、別に憲法9条で第3項に自衛隊を明文化するという、そういうレベルの加憲ではなくて、国際なんとか活動とか、ないしはここの部分ではなく、別のところで、環境のこととか、別のところで加えるという意味の加憲であって、9条の3項に自衛隊を明文化する、いわば法律的な違憲論議に終止符を打つための加憲というものというのは公明党が従来言われていた加憲のコンセプトと同じものではないでしょう?」
斉藤議員
「はい、本質とは違うと思います。我々の、加憲の議論の本質は、現行憲法は優れた憲法である、基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義、この3本柱は決して崩してはいけない。そのうえに、この70年間、人類や日本社会が獲得してきた価値観をつけ加えていく、というもので、恒久平和主義そのものはこれからも堅持していくというのが基本的な姿勢です。また、第1項、第2項と、この70年間、議論の積み重ねがあります。その議論の積み重ねのうえで現在、自衛隊は合憲というのが国民のコンセンサスになっている、ほぼ多くの方のコンセンサスになっている。この積み重ね、現実も我々は十分考慮していかなければいけないのではないかなと思います」
大串議員
「私はこの9条1、2項をそのままにしながら、新たに自衛隊を根拠規定と置くというのは、自衛隊の活動には本当に敬意を表しながらも、簡単ではないと思うんですね。なぜかと言うと、1項、2項を残す、よって戦争放棄や戦力不保持、日本の平和主義は維持するのだと言いながら、新たに自衛隊を位置づけた時に必ずその場で出てくる問いは、1項、2項を前提としながら、その自衛隊は集団的自衛権を行使する自衛隊ですかという問いは、昨年、一昨年の話ですから、安保法制がすぐ出てきます。おそらく現在の政府与党の立場だったら、当然1項、2項を前提として集団的自衛権を行使する自衛隊と位置づけるということになる。それは2年前の議論を前提とすると、国民が広く、これだったらいいなという状況に機が熟しているのかというと、まだまだ多くの難しい論点を含んでいるのではないかなと思うので。私は、総理がひょっとして自衛隊の皆さんに、国民の皆さんに多くの支持があるから、自衛隊を位置づけるだけだったらなんとかなるのではないかと、そう思われているとすると、なかなかそうではないのではないかなという感じはします」
反町キャスター
「馬場さん、自民党の中に、安倍さんが投げた球によって波紋が起きていること。これをどう見ていますか?」
馬場議員
「平成24年の自民党草案の作成に関わった皆さんは、そういう意味でプライド持っておられると思いますので、その問題は他党のことで口幅ったいですけれど、そこの問題はやはり先にキチッと片づけるということが必要ですよ」
反町キャスター
「維新の党として、たとえば、改正草案をポンと自民党が出してきて、これが我が党の叩き台です、やってくださいと言われたら、入口で拒否なのですか?」
馬場議員
「そうですね。現状的に憲法改正は全文改正というのはできませんので」
反町キャスター
「改正草案でいうところのこちらの部分ですね、こういう部分がポロッと出てきたら、これではとても話にならないのですか?」
馬場議員
「これは我々、冒頭に申し上げたように、憲法事実という視線でこの改正案を見ていますので、国防軍であるとか、そういう表現になれば、国民は何か危ないことが起こるのではないかと、そういう不安を持つと思いますので、なかなか受け入れられにくいのではないかなと思います」
反町キャスター
「そうすると、9条を巡る憲法改正論議を国会においてキチッとやるためには、スムースに立ち上げるためには、これは自民党内の話なのだけれど、この改正草案なるものをきれいに棚上げし、ちゃんと封印し、カギ締めて、それから話にきてくださいと、そういうことでよろしいのですか?」
馬場議員
「いや、やり方については…。たとえば、自民党改正草案の中から、優先順位を決めて憲法審査会に出すというやり方もあると思うんですね」
反町キャスター
「なるほど、9条ではないところから引っ張ってくると」
馬場議員
「ええ」
反町キャスター
「少なくとも、これでは話にならないという意味ですね?」
馬場議員
「そういうことですね」
下村議員
「9条1項と2項ですね。2項の『前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』で憲法学者の7割近くが自衛隊というのは違憲であるというふうに。これだけの文章を読んだら実際にそう素直にとる方が、学者としては文章を読んでいると正しいのだけれども。しかし、実際、政府も、あるいは国民の多くも自衛隊というのは違憲ということではなくて、自衛として自衛隊の存在を合憲として、大かたの方は認めてくれているのではないかと思います。それを総裁は、この1項、2項は変えないで自衛隊を明文化することについてしっかり党内議論をしながら、憲法審査会に対して発議するということを積極的にやってもらいたいという提案をされたわけですね。これについて1項、2項をそのままで、3項というよりは、私はこれを、9条ですけれども、9条の2として、別枠、別の条項でつくって…」
反町キャスター
「これが9条の1になるわけですね?」
下村議員
「9条だけでもいいのですけれどね」
反町キャスター
「9条の2というのをつくって…」
下村議員
「3項ではなくて、9条の2というふうに、『前条の規定は自衛隊を設けることを妨げるものではない』とした方がいいのだろうと。なぜかと言うと、たとえば、言葉は大して変わらないようでいても『前条の規定に関わらず自衛隊を設けることができる』というと、自衛隊の位置づけがフルスペックの集団的自衛権があるかのような解釈論がそこでさらに沸騰する可能性というのがあるわけです。安倍総裁はそういうことを考えているわけではなくて、総裁は、自衛隊を現在の形で位置づけるという意味で、新たに解釈拡大にならないような、加憲を考えるという意味では、この3項にするよりは9の2項にすることによって、これまでと同じ、ですから、名前も、自民党の本来、使っている憲法改正草案の中に入っているような自衛軍とか、国防軍と言わないで、自衛隊という言葉をそのまま使って、自衛隊の解釈はこれまでとまったく同じだと。解釈拡大をされるような憲法改正、加憲ではないという位置づけをしていくことが、私は必要だと思います」
反町キャスター
「その形でいったとしても、そのうえに2つは残るわけですよね?」
下村議員
「そのままね」
反町キャスター
「その交戦権とか、戦力とかいうものに、自衛隊があたるのかどうかという、その矛盾が解決された形になるのですか?」
下村議員
「現在は自衛隊というのは戦力ではない、実力組織という解釈をしているわけですね。その解釈変更の余地が生まれないような加憲をした方がいいと思います」

高等教育の無償化
松村キャスター
「安倍総理は今回、高等教育の無償化についてもビデオメッセージの中で触れていました。下村さん、自民党の憲法改正原案というのは、9条と教育無償化、これをセットにして進めていくということでしょうか?」
下村議員
「そうですね。総裁が自衛隊の明文化と、高等教育の無償化、実はもう1つ、緊急事態条項。先ほど、大串さん言っていましたが、私は憲法というのは緊急事態、緊急性のあるものについてはもちろん、必要だけれども、一方で、この国の理想をつくるものだから、あるべき形という意味で、そのものも必要だと思う。自衛隊もそうだけれども、誰でもが解釈するのではなくて、誰が読んでもその通りにしか理解しないという意味での、より正確な、そういう意味での改正というのは何通りもあると思うんです。その中で緊急事態条項の、国会議員の何か災害が起きた時の任期を延長する、たぶんコンセンサスが現在の審査会でも議論されていますから、得られると思うけれども。この1、2も含めて、一緒に党内でしっかりと憲法改正の具体的な提案として出してもらいたいと言われているわけですから、是非これは特化して党内で議論していくべきだと思います」
反町キャスター
「緊急事態条項というのは、下村さん、衆議院の、緊急時の任期の延長と、選挙が当たったらそれをしないで続けるという意味だと。でも、先ほど、斉藤さんが言われた衆議院の憲法審査会で行われている議論の中には、その緊急時の主権制限みたいなところの話がある程度までまとまりそうになっていた、こういう意味の話だったのですよね?」
斉藤議員
「いえ、主権制限は議論の対象になっていません」
反町キャスター
「憲法審査会における緊急時の議論は何を対象にまとまりつつあったのですか?」
斉藤議員
「衆議院の解散時の任期です」
反町キャスター
「同じなのですか?そうすると、安倍さんの投げた球というのは、衆議院における憲法審査会である程度芽生えつつあった議論というのをちゃんと拾って、それも含め、議論しなさいよという、そういう球だったという理解でよろしいですか?」
下村議員
「そうですね」
反町キャスター
「ここは公明党としても悪くはない?」
斉藤議員
「ええ。これは確かに災害時こそ、ある意味で、民主的なプロセスというのは、民意を汲み上げていくためには必要であって、現在憲法で参議院の緊急集会が規定されているのですけれど。たとえば、この間の東日本大震災では県会議員選挙が半年できなかったということもありました。たとえば、半年、1年間。県会議員選挙の場合は、それを法律で延長する、選挙の延長ができましたけれども、国会議員の場合は憲法に規定されていますので憲法改正しか方法がありません。たとえば、衆議院が半年とか、1年間ない状態というのが、果たして民主的なプロセスが整ったシステムと言えるのかどうか、そういう議論をしているところです」
反町キャスター
「その意味で言うと下村さんから話が出た、9条と教育無償化と緊急事態条項、この3つでやっていったらいいのではないかという話がありましたけれども。憲法改正は3つ一緒に出せるわけでなくて、まず1つ目はどれということになった時、自民党が緊急事態条項でやりませんか、と言われたら、公明党は断りにくいのではないですか?」
斉藤議員
「いや、ですから、これは、民進党も含め、各政党がこれをやらなければいけないねという合意がでたら、それはやるべきだと思いますね」
反町キャスター
「だって、ほぼほぼ、要するに、そういう雰囲気がまとまりつつあったと言ったではないですか?」
斉藤議員
「まとまりつつあった…」
大串議員
「もうちょっと議論を、審査会の中の議論では、まさに参政権、参政権の議論というので審査会でやられて、非常にいい議論だったと私も思います。ただ、現在の憲法の中にも、解散した時のあとに参議院の緊急集会というのが位置づけられていて、そこで結構仕組みがキチッと書かれていて、衆議院がない場合には参議院の緊急集会を呼んで、そこで案件を処理して、衆議院に選挙があって、また復活した時は、一定期間内にそこで衆議院の決をとらなければいけないと、それができなかった場合には無効になると、こういったきちんとした手続きもあるので、これでもう十分ではないのかという議論があったことは伝えたい」
反町キャスター
「民進党も、そういう立場なのですか?」
大串議員
「その意見を言う人は私達の党の中でももちろん、います」
反町キャスター
「ただ、選挙区を考えると、参議院は全県1区ですよ。衆議院の小選挙区は小さいのがボコボコぼこぼこあるわけで、たとえば、東京でとは言いませんけれども、大都市で起きた時に、小選挙区の衆議院議員がいてくれて、小まめに話を聞いてくれた方が、任期は切れているけれど、緊急事態条項で任期延長の方が我々のニーズは届くだろうと、それは思わないのですか?」
大串議員
「そういうことを言われた方もいらっしゃいました。しかし、憲法の中に緊急集会は明確に位置づけられているんですよ。かつもう1つ言っておくと、憲法、現行憲法をつくる時に議論したんですね。1946年だったと思いますけれども、議論している時に、当時の憲法担当の大臣が、まさに緊急事態条項は要らないのかという問いを受けて、当時終戦直後ですから、戦後ですよ、戦後でかつ関東大震災からもそんなに遠くないと、その大臣が、緊急事態条項は必要ないと判断しています、という明確な答弁をしているんです」
反町キャスター
「70年前ですよね?」
大串議員
「そうです。それだけの、たとえば、戦争があった、関東大震災があったあとですよ。だから、そういったことも含めて、考えると緊急集会というものの参議院の緊急集会があることの効果もしっかり見極めて、議論したうえでやらなければいかんと、結論にすぐジャンプして飛びつくようなものではないと私は思います」
斉藤議員
「我が党の中にもそういう意見があります。ですから、そこらへんは議論して詰めていかなければいけないと思いますが、憲法審査会の中の議論としては、もし第1に憲法改正をやらなければいけないとしたら、この緊急事態だねと。もちろん、その時に、たとえば、総理に特別な権限を与えるとか、主権を制限するとか、そういうことは絶対にダメよと。しかし…」
反町キャスター
「誰もそこまでは言っていませんよね?」
下村議員
「そうですね、国会議員の任期の問題」
斉藤議員
「国会議員の任期の問題、これだけはやらなければいけないという…、各党がいろいろと、衆議院の憲法審査会では意見表明をした時に、各党ともそれはやらなければいけないという意見表明があった」
反町キャスター
「もしかして参議院の憲法審査会だと衆参の両院の力関係もあるから、なかなか衆議院の議論のようにならないのではないかという見立てではないですか?」
斉藤議員
「いや、それはあの…」
反町キャスター
「自然発生的に参議院も、何なのだ俺達は、という議論になりますよね?」
斉藤議員
「はい」
反町キャスター
「馬場さん、いかがですか?この緊急事態条項を入口論とは言いませんけれど、緊急事態条項を、この3つ、自衛隊の明文化、教育の無償化、緊急事態条項かと言った時に、緊急事態条項の優先度、ないしはスムースさ、何か感じるものはありますか?」
馬場議員
「憲法事実という観点から見れば、国会議員の制度を精密にするということと思うんです、今の議論は。ですから、自分達のことを自分達できっちり決めたらええんと違うかと、国民はそういう見方していると思うんですね。個人的には、一院になった方が物事の決定するスピードとかが早くなって、より国民に対する行政サービスが向上するのではないかな…という思いもありますけれども。そこはキチッと整理はしておかないといけないと思いますが、我が党としては、それほど緊急性が高いかと言われれば、ハテナという議員が多いと思いますね」
反町キャスター
「その意味で言うと、教育の無償化というのも、安倍さんの提案の中にあったのですけれど、維新とすれば、教育の無償化の方が、緊急性が高い、重要性があると感じになるわけですか?」
馬場議員
「これは、国民の間で経済的な格差というのが広がってきています。いろいろな調査をしますと、低学歴なほど、収入が低い、年収が上がらないという結果が出ているんですね。そういう家庭で生まれた子供達は、また、低学歴になっていく。従って、この貧困の連鎖というのが現在、かなり問題視されています。そのためには教育を受ける機会を均等化するというのは、これは政治の役目だと思うんですね。ですから、これを憲法に位置づけて、やる気のある、教育を受けたいけれど、経済的な理由で受けられない、そういう子供達を1人でも出さないという固い決意を、この憲法に込めるということですね」
反町キャスター
「具体的には26条の方でよろしいのですか?」
馬場議員
「そうですね、26条」
反町キャスター
「26条をここに用意しました。具体的にどこの文言を、どう変えたいと維新は考えているのですか?」
馬場議員
「この文章を変えるとすれば『法律に定める学校における教育は』というふうに変え、幼児教育から高等教育まで無償とすると。それを補完する意味で『すべて国民は経済的な理由によって教育を受ける機会を奪われない』ということを明文化すればいい」
反町キャスター
「経済的な理由によって教育を受ける機会を奪われないと。下村さんの専門のところです。26条をいじることについてはいかがですか?」
下村議員
「賛成です。これまで日本は、教育というのは、国、地方自治体ではなくて、家計、親が負担すると。ですから、世界の中でも対GDP(国内総生産)比に対し、教育の割合というのはすごく低い、OECD(経済協力開発機構)諸国の中では最低です。しかし、先ほどのお話のように、ますます格差が残念ながら進んでいて、貧困の連鎖、それを解決するためには教育しかないと思います。しかし、教育が、親の経済力が残念ながら子供の学力とか、学歴に正比例しているところがあるから、特にヨーロッパとか、北欧は、教育は基本的には大学まで無償ですね。だから、無償にすることによって意欲・やる気のある人達に対してチャンスを提供するということは、これからは国が果たすべき役割だと。これは非常に緊急性があると思います」
反町キャスター
「いかがですか?この26条、経済的事情により教育機会を奪われないとしたいという維新の提案というのはどうなのですか?」
斉藤議員
「これは決して否定するものではありません。すばらしい事案です。そういうふうに憲法改正を将来できればいいとこのように思います。ただ、最初に申し上げましたように、馬場さんがおっしゃったようにしたいということはこの26条の解釈で十分できるわけですね。この26条の解釈で、財源を用意しながら徐々に拡大してきたわけです。今年は、いわゆる返す必要がない奨学金というところまできました。また、実質は民主党政権の時にされたのですけれど、公立高校については授業料無償化というところまできました。これは憲法の解釈をしながら、この憲法下で財源を用意して現実にやってきたということです。元に戻りますが、緊急性という意味では、憲法26条があって、解釈を使ってできるということより、たとえば、先ほどの緊急事態は明日にでも大災害が起きるかわからないし、その時に民主的な体制、大災害が起きた時に我々の民衆の声を国政に届ける体制が整っていないということこそ、まさに憲法改正しなければできないことであって、そちらの方に緊急性があるのではないかなと。もちろん、これ(教育の無償化)は将来、是非やりたい問題ですけれども、緊急性のあるものからやっていくべきではないかと」

『2020年施行』の是非
松村キャスター
「安倍総理ですが、2020年までに改正憲法の施行を目指しているということですが。下村さん、この2020年、時間で区切ったことについてはいかがですか?」
下村議員
「我が国が憲法改正、70年の中で、もともと自民党も六十数年前から、結党の時から自主憲法制定、しかし、いまだにできていないわけですね。しかし、他の国では、アメリカは6回、ヨーロッパ諸国は20回、40回、憲法改正・修正・加憲も含め、やっているわけです。その意味では、ある程度、期限を設けて、その中でやれるものからやっていくということの中で、自衛隊の明記と高等教育の無償化、それから、緊急事態条項の、国会議員のその時における災害等が起きた時の任期の延長、これはやろうと思ったら私はできる話ではないかと思います。そのためにはまず自民党内で、年内にはコンセンサスをつくって、来年の通常国会には、自民党の方から発議案を出せるというような準備をしていければベストですね」
松村キャスター
「大串さんはいかがですか?」
大串議員
「あれだけはっきり2020年と言われたことは、国民に対して期限を区切って、憲法を議論すべしと言っているようで、普通に行われるべき憲法議論、憲法審査会で熟議を尽くしたうえで国民投票にかけられるべきということからすると非常に強権的な感じが否めないですね。しかも、実際、国会の憲法審査会の場では、自民党の幹事さんも2020年ということは前提としないとはっきりおっしゃっているわけで、総裁としての指示も今のところそうなってない。憲法審査会では国民の代表の場として期限を区切るというようなことではなくて、しっかりコンセンサスが得られるところをきちんと議論していくという態度で臨むべきだと私は思います」
反町キャスター
「自身のところから、我々としてはここを改正したいというような提案を出すというのは、いつになるのですか?」
大串議員
「だから、私達は繰り返し、9条を1つの項目として出してこられるのだと思います、私達も1つの項目として既に、先ほど、言っていた解散権のことは繰り返し言っていますから、地方自治のことも言っていますので、こういったことも是非、俎上に上げていただきたいなと思います」
松村キャスター
「斉藤さん、この2020年改正憲法施行、いかがですか?」
斉藤議員
「最初に申し上げました通り、憲法調査会、憲法審査会の歴史の中で、本当に徐々にではありますが、コンセンサスができつつある、そのベクトルは変わらないと思うんです。国民投票法も10年かかりました、紆余曲折ありましたが、10年かけて民進党さんも最終的には賛成をして…」
大串議員
「最後はね…」
斉藤議員
「最後はちょっとアレしましたけれども、基本的には国民投票法もできあがりました。急がば回れだと思います。各党合意を大事にしながら進んでいくというのが大事。2020年というのは憲法議論を活性化しましょうという趣旨なのではないかと。また、自民党さんの中でしっかり議論を活性化すべきだというご趣旨だと我々は理解しています」
松村キャスター
「馬場さん、2020年まであと3年ですけれども」
馬場議員
「是非申し上げたいのは、国会は立法府と言われて、普段は法律をつくったり、改正したりしていますけれど、この憲法改正に限っては、国民投票に提供する材料を選択するというのが国会の役目です。普段のように我々が法律をつくったり、改善したりするのではないんです。最後は国民が憲法改正するかどうか決める、その材料を提供するのが国会の役目ということですので。ちょっと憲法審査会の議論を聞いていても結構そういう立場で発言される方が多いですね、自分達が憲法改正するのだというようなね。是非国会議員全員が、国民の皆様方にご判断いただく材料を提供するのだというスタンスで、次のステージへ移っていく時がやってきていると思います」
反町キャスター
「下村さん、来年の通常国会に自民党としての案を憲法審査会に出すという前提でスケジュール感を見ると、自民党の総裁選が来年の9月にあります。総裁選のテーマ、憲法改正になりますか?」
下村議員
「いや、2020年に憲法改正をしようとしたら、来年の通常国会に出すぐらいのスケジュール感でないと、なかなか来年9月の総裁選挙でそれからと言ったら、日程的には厳しいと思います」
反町キャスター
「遅い?総裁選の時には、自民党案は既に出し終わっていて、総裁選において何を出すかという議論、どうするかという議論にはならない?」
下村議員
「いや、ただし、これは総裁がとりあえず2項目、まずメインは2項目でしたよね、自衛隊の明記と高等教育の無償化、これはキチッとまとめると。でも、それ以外においても、自民党ももともと憲法改正草案もあるわけですが、先ほどのように国会で2つか、3つですから、発議は。だから、他にどんな発議があるのかとか、さらにどう深堀するかというのは総裁選挙の中でも大きなテーマになることは間違いないと思います」

下村博文 自由民主党幹事長代行の提言 『憲法改正は未来志向で!!』
下村議員
「憲法というのはこの国のあるべき理想を形づくるという、最も基本的なものだと思います。そういう発想で是非、これからやっていきたいと思います」

大串博志 民進党政務調査会長の提言 『国民が決める』
大串議員
「憲法は国民のもの。権力者が旗を振って決めるというものではありません。ですから、国会、憲法審査会の場で熟議を尽くし、国民が主権者として決めていくということを大事にしていくべきだと思います」

斉藤鉄夫 公明党幹事長代行の提言 『憲法審査会の議論の活性化』
斉藤議員
「その国民の議論の活性化をするためにも、憲法審査会で我々が本当に議論を深めていかなければいけない。それがニュースになって、毎日のように報道されて、国民の皆さんにも関心を持っていただく、そうしなくてはいけないと思っています」

馬場伸幸 日本維新の会幹事長の提言 『国民の国民による国民の為の改正』
馬場議員
「珍しく大串さんと意見が一致しました。国民の国民による国民のための改正。憲法改正は国民の目線で、国民のためになることをやっていくことが肝要だと思います」