プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2017年5月9日(火)
韓国大統領選…選択は 出口調査&開票を速報

ゲスト

山本一太
自由民主党参議院議員
黒田勝弘
産経新聞ソウル駐在客員論説委員
沈揆先
東亜日報顧問

速報!韓国大統領選挙 出口調査は『文在寅氏』優勢
秋元キャスター
「今夜8時、韓国大統領選挙の投票が締め切られまして、先ほど、出口調査の結果が出ました。共に民主党の文在寅氏が41.4%、国民の党・安哲秀氏が21.8%、自由韓国党・洪準杓氏が23.3%ということになっています。直近の世論調査では共に民主党の文在寅候補がリードしていまして、出口調査の結果も同じく文氏が最も高い得票率となっています。果たしてこの後行われます開票の結果どうなるのか、開票状況を速報で伝ながら、日韓関係の今後の行方などについて話を聞いていきます」
秋元キャスター
「黒田さん、まず今回の大統領選挙をどう受け止められていますか?」
黒田氏
「サプライズがなかったなって。僕は保守なのでちょっと残念だな。ただ、予想とすれば、40、20、25というのが僕の予想ですね。だいたいそういう感じですけれども、流れと言えば非常に順当な流れであったということですね。有権者、国民がある種の変化志向があったということです。これまで李明博さん、それから朴槿恵さんという保守政権が10年近く続いたので、10年続けば皆さん、変化を求めると言いますか、飽きますからね。そういう変化志向と朴槿恵スキャンダルが重なって、これは非常に順当だと僕は思いますね、それは文在寅さんの政策の問題とは別にしてね」
秋元キャスター
「沈さん、いかがですか?どう見ていますか?」
沈氏
「韓国国民は大統領を選ぶ時、ちょっと早めに決める、そういうことが多いですよ。だから、私が政治部長だった時調べてみたら、ずっと同じ候補を支持していて、不祥事があっても変えることがないという、そういうことが多い。だから、41.4%ということは、文在寅さんを支持している人は前から心を決めて変わらなかったという。たぶん保守系は、安哲秀さんと洪準杓さんの間で揺れ動いたと私は見ます。もともと傾いたグラウンドから始まったそういう選挙なので、奇跡はなかったということになりますね。文在寅さんの41%、彼らは内部としては45%とか、できれば50%以上を目指したわけですね。その理由は50%が大事ということではなくて、50%を超えれば、5年の自分の政権に、過半数を獲った政権なのだから反対があっても正当性があるという、それがアピールできるのだから、それで50%ぐらいを目指したわけですけれども、50%を超えた大統領は、朴槿恵さんしかいないんですよ、これまで。これまで19代目まで来たのですけれども、50%を超えたのは朴槿恵さんがたった1人だった。それでその彼女が罷免されて、結局、こういうことになったのですけれども。文在寅さんの票というものを拡大性と韓国では言うのですけど、拡大性があまりないということになります。だから、保守系が彼の政策を見て彼を大統領にしてもいいのではないかと思う、そういう人はあまりいなかったということになります」
反町キャスター
「韓国の選挙戦の中で、このままいくと文在寅さんが勝っちゃうぞと思った時に、この2つの陣営が危機感を共有して、はっきり言ってしまえば、候補の統一化とか、1本化とか、アメリカの大統領選挙だってそうではないですか、自分は下りて自分の支持者に対して誰それさんを応援してくださいという可能性、この2人の間での1本化というのはなかったのですか?」
沈氏
「その可能性が取り沙汰されたんです。でも、今回のように5人が最後までやったのはこれが初めてです。だから、昔は全部1本化されたんですよ。でも、今回初めて、沈相?さんという正義党の、彼女も昔だったら文在寅さんが手を挙げて、自らは撤退するという、前回そうだったんですね、今回はそうではなかったと。安哲秀さんと洪準杓さんと、劉承?さんも、3人で何かやれるのではないかというような予想があったのですけれど、結局、そういうことはなかったんですね、だから、これが初めてです」
反町キャスター
「どうしてなのですか?」
沈氏
「たぶんですね…」
反町キャスター
「この2人にしてみたら、1本化すれば、足せばどう考えても勝ちそうではないですか?」
沈氏
「安哲秀さんは文在寅さんと非常に一騎打ちしたいという気持ちが強かったのですが、前回、自分が譲歩したでしょう。だから、彼は昔から最後までやりたいということ。洪準杓さん、劉承?さんは分かれたでしょう、劉承?さんが洪準杓さんと一緒になる可能性が高かったのですけれど、それもできなかったという。そういうことになって結局5人が最後までやるという、昔にないような事態になったというように思います」
山本議員
「1つ今回の選挙見て思ったのは北風。普通、北朝鮮情勢がすごく悪化して危機をあおるとだいたい保守の方に票が流れるはずなんですよ。今回は有力な保守の候補、潘基文さんがいなくなったということがあったにせよ、これだけ朝鮮半島の危機が叫ばれ、トランプ大統領がシリアに攻撃をし、なおかつ空母カール・ビンソンと、原子力潜水艦のミシガンを送り、なおかつ急にアフガニスタンで1度も使ったことのない大型爆風爆弾を破裂させ、ありとあらゆる、こういう言い方はともかくとし、初めて本気で恫喝したわけですね。にもかかわらず、北風効果というのがあまりなかったと思うのは、反町さん、ご存知の通り韓国の総合株価指数が過去最高です、その理由を今日エコノミストに聞いてみたら、2人ぐらい聞いてみたら、それはもちろん、新政権に対する期待だと。つまり、朴槿恵大統領は経済政策であまり効果を上げられなかったので、財源全然示してないのですけれども、文在寅候補は公共部門で81万人雇用をつくると言い、安哲秀候補は中小企業とベンチャーを支援することによって民間主導で雇用をつくると。どちらかと言うと、トランプ大統領がドル安を望んでいるということもウォンにとっては良いことだっていうことで。でも、その背景には韓国国民があまりこの危機を深刻に見ていないということなのだと思いますよ、そういうことももちろん、相場の中に入っているので、どういうわけか、今日2人に是非このことをお聞きしようと思ったのですけれども。いずれにせよアメリカが、韓国にいるアメリカ人とか、日本にいるアメリカ人を避難させてないから、普通で考えればすぐにないと思いつつも、これだけアメリカがプレッシャーをかけたということは近代ないのに、これだけ危機のシナリオが叫ばれているにもかかわらず、韓国の有権者が実は北風に対して、北の脅威に対してこんなに無関心だということに今度の選挙を見ながら驚いたと」

文在寅氏と北朝鮮政策
秋元キャスター
「さて、韓国大統領選挙、出口調査でリードしています文在寅氏ですが、革新系最大野党・共に民主党の前代表で2003年から2008年まで廬武鉉元大統領のもとで最側近にあたる秘書室長を務めていました。その後、2012年に大統領選挙に出馬し、48%の票を獲得しながら朴槿恵氏に敗れています。北朝鮮に対しては融和的で対決よりも対話と交渉というスタンスです。THAADの配備については次期政権で再協議すべきだと見直しを主張していて、慰安婦問題を巡る日韓合意については再交渉、また財閥改革を推進することを公約に掲げています。こういった人物ですが、沈さん、北朝鮮情勢が緊迫している中でなぜ北に融和的な文在寅氏に支持が集まっているか、この背景をどう見ていますか?」
沈氏
「日本から見てみたら北朝鮮のことがすごく大きく見えるのでしょう。でも、韓国ではそれは1つの、いろいろな課題の1つです。だから、現在、今回の大統領選挙で1番大事だったのは朴槿恵さんの負の遺産をどう清算するかということ、その票が文在寅さんを支持した人は北朝鮮の対策ではなくて、朴槿恵さんが見せたそういう負の遺産、それをどう清算するかを期待したわけです。彼もそれに応えたわけですから、だから、昔からの悪かったもの、そういうことをキチッと掃除しますということが、彼の1番の公約だったわけです」
反町キャスター
「韓国国民は今回の大統領ディベートにおいてはまさに沈さん言われたみたいに、朴槿恵政権の時の悪いものを、あなたはどう今後、変えていくのですかというところが最大の関心事だったのですか?」
沈氏
「そうです、それが1つ。もう1つは、日本が、日本の方がわからないのは北朝鮮の問題、北朝鮮の政策、北朝鮮の課題というのは、大統領選挙戦ではなくても普通の生活にもそれが話題になっているのだから、普段も。だから、それが非常にデリケートなものなんですよ、韓国では。1人1人が全部、北朝鮮の対策に関しては自分の考えを持っています、普段も。だから、大統領が革新系なのですから北朝鮮に融和的でしょう、彼を支持している人は全部融和的ですよ」
秋元キャスター
「それは情勢がちょっと変わっても関係ないのですか?」
沈氏
「文在寅さんを支持しているのに、北朝鮮対策は保守系が好きだという人はあまりないという」
黒田氏
「山本さんがおっしゃった北風。かなり一般論的になるのですけれど、北が何か事を起こすと保守派が有利である、つまり、安保重視だということになるという、それは過去にはあったのだけれども、近年は必ずしもそうではなく、むしろ逆になる場合も過去あったんですよ。つまり、北が軍事挑発したりして緊張しますと、安定という平和志向になるんですよ、平和志向に。だから、今回も必ずしもアメリカの軍事行動が大変だということが話題にはなったのだけれど、そういう場合は戦争を起こしていけないとか、平和の方がいいのだということで、逆に対話とか、平和を主張している連中にいくという場合が結構あって、過去の選挙でもむしろあって。端的なのは、たとえば、地方選挙と国会議員選挙ではむしろ南北境界線の前線に近い地域ほど野党、つまり、対話論の方が勝つという傾向があるんですよ、近年は」
反町キャスター
「軍事的な緊張が高まると、韓国の中には融和的な考えを志向する人が増えるかもしれないという話ですよね。そうすると、今回アメリカがやったこと、カール・ビンソンをまわしました、原子潜ミシガンつけました、B-1とか、B-2、ステルスの爆撃機も飛ばしたりしました。逆にあれをやることによって文在寅候補に有利になってしまった。アメリカが文在寅を求めてないという前提に立ってしまった質問になるとまずいのだけど、結果的に文在寅候補にとってはフォローの風になったという可能性はあるのですか?」
黒田氏
「そういう可能性はありますね。この問題は両面があって、やはり安保が重要だということで、それで洪準杓さんという今回、普通3位だったのが今回2位になりましたよね。だから、安哲秀さんを上回ったというのは安保が重要だという、これはある意味でプラスの影響。マイナスの影響は文在寅さんの方があったと思いますよ、票としては。平和だと、これからは対決、あるいは戦争ではなくて、話し合いで北朝鮮問題を解決しなければいけないな、そうしたら文在寅さんの方がいいのだという意見は当然あるんですよ」
反町キャスター
「山本さんの感覚からした時に、この3候補のうち、アメリカが望んでいたと言うか、文在寅さんを1番望んでいたと思いますか?」
山本議員
「大統領になられる人なのでちょっと発言に気をつけないといけない…。ただ、トランプ政権が誰を望んでいたか、文在寅候補に是非なってほしいと思っていたとは思いません。たとえば、一昨日のワシントンポスト、ウォールストリートジャーナルだったか、まだ保守系が逆転できる可能性があるという記事。その中で、つまり、トランプ大統領がやってきたことが全部裏目になっていて、例のTHAADの10億ドル払えということも全部、実は文在寅候補への追い風になっているというような趣旨の記事です。先ほど、黒田さんの方から北風の傾向がちょっと変わっているというお話があったのですが、そうだとすると、たとえば、廬武鉉大統領が誕生した時ももしかしたらそうだったのかもしれないと。つまり、あの時も決して北朝鮮情勢が良かったわけではないので。日本にミサイル飛ばし、いろいろなことをやって、北朝鮮はいろいろな挑発をやってきたわけであって、ただ、私が非常に心配しているのはこういう状況で誕生した廬武鉉政権は結局うまくいかなかったわけですよね。いろいろな意味で、アメリカ、韓米同盟というのはこの時、文在寅さんは選挙戦の時に、むしろ韓米同盟が強化されたと言っているのですけれども、逆であって、ワシントンは廬武鉉政権、非常に異端児だと思っていたし、だから、ああいう形で韓米の関係が良くない、あるいは今度、慰安婦の問題、これについても日韓が非常に難しい状況になるのは間違いないということで。現在全体の構図からいけば、日米韓が中心になって、昨今は中国まで巻き込んで、圧力を加えながら、交渉のテーブルに引っ張り出そうという構図の中で、北に対して融和政策、1つの政策オプションなのかもしれませんが、こういう政権が誕生するということは特に積極的にトランプ政権が望んでいたとは思えないです」
反町キャスター
「黒田さん、アメリカは失敗したのですか、外交的に?」
黒田氏
「そこまで一生懸命考えているかどうかはわからないですけれど。よく言われるではないですか、まだ、トランプさんの方はスタッフも十分に、特に東アジア政策などのスタッフが十分整っていないとあるではないですか。だから、THAADの配置で10億ドル出せと言うのも、あとで参謀達がその話をトーンダウンさせ、米韓の問題ではそれは合意済みの話だからと言って、彼らはなくてもいいみたいなことを言ったりして、非常にブレがある、まだ。だから、その1コマとして10億ドルが出たのだけれども、結果的には良くなかった、だから、トランプさんのミスだと思いますよ」
反町キャスター
「なるほど。沈さんもアメリカが失敗したと思いますか?」
沈氏
「それはちょっと韓国に対して、無礼なことに…」
反町キャスター
「それはアメリカが望んでいるかという意味です」
沈氏
「望んでいないと思いますけれども、現在の韓国は、アメリカからこうしろ、ああしろと言われて、それを言われたまま、大統領を選ぶという国ではないですから。自分が言いたいこと、それから、違いがありますから。それをどうテーブルにきちんとついて話し合う、合える、そういうことがこれから求められているのだと私は思いますけれども。文在寅さんは、あとで話す機会があると思いますけれども、非常に厳しい船出を余儀なくされる、そういうことですよ。だから、これからどうすればいいのかということは、これから話したいと思います」

『韓国の選択』と日韓関係
秋元キャスター
「引き続き、韓国大統領選挙について話を聞いていきます。現在リードしている文在寅氏ですけれども、黒田さん、文在寅氏の北朝鮮に対する政策、どう見たらいいのでしょう?私達は心配した方がいいのか?」
黒田氏
「うん、我々保守派は心配ですけれど、新大統領というのは過去の政権とは違う、過去の大統領と違うという、その差別化のイメージづけが非常に強迫観念としてあるので、1番良いテーマで、ある意味、やりやすい、アピールしやすいのは北問題という、つまり、融和策です。彼が前に言った話で、何はさておいてもまず平壌に行きたいと言ったというのだけれども、これはそれほどリアリティがある問題ではないと思いますけれども、彼の信条としては、それだと思いますけれど。要するに、この対北問題というのは現在、国際問題になっているので、たとえば、いろいろな制裁措置も、日本も強力にやっているし、アメリカもやっていますから、アメリカとか、日本、国際情勢、国際関係を無視して、一方的にはなかなかやれないことだと思いますよ。だけども、そこを彼はなんとかしたいと思う。そうすると、たとえば、南北の民間交流を活発にやろう、民間レベルの話し合いとか、会談をやろうとか、とりあえず対話というのか、北とつながっているということを見せたいというのは絶対あると思いますね。首脳会談は、それはわからないですよ、すぐやるかもわからないのだけれども。これは環境もあるし、対外関係も国際情勢もありますから難しいのですけれど、だけど、歴代の左派革新政権からすれば、金大中さん、廬武鉉さん、全部やってきましたから、彼がやらない手はないし、絶対やると思います、いつかは」
反町キャスター
「歴代左派政権は、北朝鮮との首脳会談をやることが1つのセオリーになっている?」
黒田氏
「アイデンティティだと思いますよ。韓国についてよく左とか、右とか言うではないですか、右翼とか、左翼政権と言うのだけれども、その右左を分ける基準は何かっちゅうと、北に対する姿勢、北に対する考え方ですよ。北に対して融和的で、あるいは同じ民族であるとか、対話して仲良くしないといけないとか、支援すべきだ、これが左翼。そういうことしちゃいかん、安保を重視だというのが右ですよ。こう分かれているので、文在寅さん対北朝鮮で融和政策であります、それが1番、彼にとっては簡単だと」

半島情勢と安全保障政策
秋元キャスター
「山本さん、文在寅氏の北朝鮮政策どう見ていますか?」
山本議員
「韓国を最もよく知ってらっしゃる、今日2人の識者を前にして言うのもなんですけれども。まず事実関係として言うと、5月2日のワシントンポストのインタビュー、これが、おそらく文在寅さんが最近外に向かって発信した最新のレコードだと思うのですが、この中で、ワシントンポストではっきり言っているのは、あなたは大統領になったら北朝鮮に最初に行くのかという質問に対して、いや、それは誤解をされて報道されたと、自分はまずアメリカとしっかり相談をすると。だから、ワシントンポストのインタビューに限って言えば、5月2日の。アメリカに先に行くと言っている。北朝鮮に行くというのは、黒田さんがおっしゃっていたようにいつかは行きたいという気持ちがあるかもしれませんが、北朝鮮と会談する時は、その会談によって核問題がちゃんと進むという十分な状況が整ったうえでやると。しかも、トランプ大統領とも十分相談のうえやると言っているので、少なくとも5月2日のインタビューから考えれば、アメリカに最初に行くのだろうと思います。私がこの件、黒田さんのお話で、北に融和的なのが左で、むしろ北に対して厳しくやらなければいけないというのが右だというお話があったのですが、そういう観点から、すごく私が心配しているのは、金正恩委員長は昨今侮れないという見方があって、ご存知だと思うのですけれども、4月末のNBCのインタビューでトランプ大統領が侮れないと、スマートクッキーと英語で言うのですけれども、賢い人物ではないかと。少なくともあの若さで魑魅魍魎の世界であれだけの権力志向の多い人達の中で、ここまでやってきたら、只者ではなく、ちょっと言葉のあやかもしれませんが、会えたら光栄だみたいな話をして。そのあと次の日の、ブルームバーグのインタビューで、いや、それは、会談はニュースになるかもしれないけれど、環境が整えば会談すると、しかしながら適切な環境が整わない限りダメだと言っているので。私は、トランプ大統領のプラグマティックなアプローチと、それから、これを言うとちょっと沈さんにいろいろとお叱りを受けるかもしれませんが、黒田さんがおっしゃったように、国際的な問題なんですよ、北朝鮮の核問題は。これについて国連安保理で制裁をやり、日米韓で制裁圧力をかけ、かつ昨今は中国まで引き込んで2月と3月の石炭の輸出量が160分の1ぐらいになったわけではないですか、北朝鮮は。こういう中で、侮れないかもしれない、非常に危険で予測不能なのですが、トランプ大統領の言葉を借りれば、スマートクッキーがどこを狙うか、それは文在寅政権だと思うんですね。北に対して、先ほど、黒田さんもおっしゃっていたように、融和的な政策をとる、開城の工業団地も再開するかもしれない。インタビューの中で言っている1番印象的なのは、トランプ大統領は巷で言われているよりも、もっと良識のある人だと言っているんですよ、文在寅さんから見ると。トランプ大統領が圧力をかけているのが、あくまでも交渉の場に引っ張り出す戦術であって、これを支援するとまで言っているんです。それはいいのですが、その中で常に一貫して同じことを言っているのは、この韓半島、朝鮮半島の問題は韓国が主導権を握らなければいけないと。そういう中で1番、北に対して先ほど、おっしゃった融和策をとる可能性があるのは文在寅さんですよね、だから、そのスマートクッキーが、この包囲網を突破するために、1番外交攻勢をかけてくるのは文在寅大統領にではないかなと思います、そこを十分、日本は気をつけないと。今日、予算委員会で安倍総理もちょっと北朝鮮問題について答えて、正確な発言をちょっと期すために意味として、韓国に新しい大統領ができたら、それは調整して会談をしたい、というような趣旨のことも言っているので、もちろん、首脳会談を総理もやるつもりですし、文在寅さんも日本との首脳会談を望んでいると思いますが。そこを韓国のどちらかと言うと、北の融和政権とむしろトランプ大統領と、これは組むという言い方はおかしいのですけれども、平仄を合わせて、日本だけが取り残されることがないように、安倍総理は外交手腕が抜群ですから、わかっていると思いますが、そこは、私は十分注意するべきだと思っています」
反町キャスター
「おそらく日本もアメリカも文在寅新大統領が北朝鮮にどうアプローチをするのかという、率直にすごく心配をする部分はあって、どうするのだろうと皆、見ると思うんですよ」
沈氏
「心配することもあると思いますね、それはもう認めます。でも、私は、せっかくなのですから、韓国の立場、それを言いたいのですけれど。確かに文在寅さんは、金大中大統領と廬武鉉大統領の流れを汲むということは間違いないと思います。でも、程度の問題ですね。昔とは違う、その状況になったのでしょう。核開発の進み具合も、昔10年前とは全然違う、周りのリーダーシップも全然違う、そういうところで、文在寅さんは昔、自分が秘書室長、大統領の、その考えでこの問題を突破できるか、私は、それはできないと思います。だから、もちろん、それを心配しているのは、私は理解するのですけれども、文在寅さんは周りを全然考えなくて、自分1人で何かを決めて北朝鮮と接触するという、そういうことはないと思います。逆に、韓国側としてはアメリカと北朝鮮が直接そういう交渉をする、それが1番悪い、シナリオですよ」
反町キャスター
「困る?」
沈氏
「困るんですよ。頭越しにされたら、非常にあとで、後さらいをするのは韓国、お金を出すとか、そういうことは全部韓国なのに、それを解決、ルールをつくるのが北朝鮮とアメリカだったら、ウチは非常に困る。日本側は日本側だけが取り残されるとか、そういうことを心配しているのですけれど、韓国の中で知識人は逆に韓国だけが取り残されることをちょっと懸念しています。それが1つですけれども。2番目は融和策というものに対して、日本側は非常に良くないとか、やってはいけないという意味合いで言っているのですが、私としては制裁の中で融和策も1つの手なのだと、そういうことを理解してほしいですね」
反町キャスター
「制裁の中の融和策、どういう意味ですか?」
沈氏
「だから、制裁を非常にうまくやれるためには、ある意味で、融和策も1つとしている、そういう時がくるかもしれない」
黒田氏
「水道のアレを締めたり、緩めたりいう意味でしょう」
沈氏
「そうですね、全然何もあげなくて制裁だけで北朝鮮が変わるということは、私はなかなか難しいと思います、それをちょっと理解してほしい。3番目は、北朝鮮との関係をうまくしてほしいという韓国の国民は半分ぐらいいるということをちょっと考えてほしいです。文在寅さんも大統領でしょう、だから、国民の声を聞くでしょう。その中で北朝鮮との関係をうまくしてほしいと願っている人も、日本から見てみたら、ちょっとおかしいかもしれないですけれども、ちゃんといるということを文在寅さんは無視できないということをちょっと理解してほしいと」
秋元キャスター
「北朝鮮の核開発が進んでいる現在の状況でできる太陽政策は具体的にどういうことをイメージしたらいいのですか?」
沈氏
「たとえば、私個人としては、北朝鮮との関係より、アメリカ、日本との国際的な枠組みをつくって北朝鮮を追い込む、最初にやるべきだと私は思います。それで2年、3年、4年経っていって、その効果があれば。それだけではダメでしょう、その時に融和策もいるのかもしれないということですよ」
反町キャスター
「すぐということではなくて?」
沈氏
「今すぐではないですよ。もし彼が開城工団をすぐ再開すれば、国際的にはそれを支持できないでしょう。だから、彼がそう思っているかもしれないのですけれども、大統領になったからには参謀達も、周りにいる人間も、専門家もたくさんいますから、じっくりと考えて、どの政策が1番国益になるかということを考えてほしい。キャンペーン中に言ったことと、キャンペーンが終わって大統領になってからの政策は変わっても大丈夫だと私は思います。私、逆に公約を捨てても国益に向かうならば、公約を捨てるべきだと思います」
反町キャスター
「韓国の人達はそういうのに対しては寛容というか、選挙期間中にこう言ったではないかと、世論やマスコミは大統領を責めないのですか?」
沈氏
「だから、それを支持した人に対してちゃんと説明すべきです。説明して、大統領になってみたら、北朝鮮の対策は我々だけでは何ともできないということがわかりましたと、アメリカとか、日本の協力が非常に大事なのだということがわかりました、皆さん、申し訳ないのですけれども、私の政策を少し変えなければならないということを説明する、真心を込めて。そういう大統領がこれまでいなかったんですよ。そうでしょう、そういう人間がいなかったのに、私がこう言いたいのは彼が革新系だから、それができるんですよ」
反町キャスター
「あ!それはわかる、なるほど」
沈氏
「保守系がそれをやったら、もしかしてもっと叱られるかもしれない。でも、革新系だからこそ、彼がそういうことを言ったら、周りの人間がそれを理解してくれる、革新系はそういうルールみたいなのがありますよ。自分が持ち上げた人間が困るのをちょっと避けたいという気持ちがあるんですよ。それをうまく活用して。国益が1番大事でしょう」

今後の日韓関係は?
秋元キャスター
「韓国大統領選挙、8時に出ました出口調査の結果では文在寅氏がリードという状況ですけれども。黒田さん、安倍政権は今後、文在寅新政権になるかもしれないわけで、どう向き合っていけばいいのでしょうか?」
黒田氏
「山本さんが先ほど控室でおっしゃっていたことですかね、要するに、文在寅さんが当選されれば早速、電話会談の交渉があると、安倍さんの方で。その話を聞いていいことだと思って。僕はそれよりも安倍さんにお祝いに駆けつけなさいと」
反町キャスター
「え!?」
秋元キャスター
「韓国まで?」
黒田氏
「そう。お祝いに来たのだから断ることはないと思いますよ。それはお祝いに行くのだから日帰りでもいいし、会談ではないのだから、議題設定とかは要らない。先ほどから出ている、特に山本さんおっしゃっているけれども、現在の国際情勢はこうなんだよという、特にアメリカの問題…」
反町キャスター
「トランプ大統領になる前にトランプタワーに行ったみたいな感じ?」
黒田氏
「近いのだから。それぐらい大胆な発想をしていいと思います。それで安倍さんに対しては、沈さん、そうだよね、韓国では非常に評価が高いよね。安倍さんはすごいと」
反町キャスター
「そうなのですか?右派とか、タカ派とかでは?」
沈氏
「それもあるのですけれども、記事を見てみたら、日本は安倍さんがしっかりとリーダーシップをとって国を建て直していると、すごいということも書いてあります」
黒田氏
「だから、ちょっと、日帰りでいいのだから、決断して、行って、おめでとうと、一緒にやりましょうと、これでいいと思うんですよね。古い話、中曽根さんが、昔1980年代の初めに、なられた時に、アメリカに行く前に最初に韓国に行って、要するに、中曽根・レーガン・全斗煥という日米韓の最も密接時代ができたのだけれど、そういうこともあるし、韓国人は非常に喜びますよね」
沈氏
「そうですね。私は喜びということもありますけれども、私から言わせると、安倍さんはいいです、選択肢があるから。行くか、行かないかということを自分が決められるでしょう。韓国の大統領としては早速、日本に行くということはできないでしょう。そういう意味で、安倍さんには選択肢がある、自らですね…」
反町キャスター
「でも、安倍さんがもしお祝いを述べにだけにソウルに行くということになると、今度は何しに行ったのだと。行ったところで慰安婦少女像は1mmたりとも動いていないよと。土産はあるのですかと、こういう話…」
黒田氏
「お祝いに行くのに、なぜお土産」
沈氏
「それは夢の話かもしれないですけれども、夢ということを実現させるためには、見返りを考えずに行くということが大事だと、黒田さんは思っているわけです」
反町キャスター
「黒田さんはそう思っている?」
沈氏
「だから、そういうことになれば、また、韓国側として喜びより、ちょっと申し訳ないという気持ちになるかもしれない、そうでしょう。安倍さんと韓国側がこういう歴史の問題ですごく葛藤しているのに、その大統領に対してお祝いに来るということは韓国人としてちょっと申し訳ないのではないかという気持ちになるかもしれない」
反町キャスター
「なりますか?僕はその気持ちは日本人としてはわかる。せっかく来てもらったのに何のお構いもできずに、本当に申し訳ない、どこかでこのお返しをしたいと。韓国人もこういう気持ちは同じなのですか?」
沈氏
「もしかして安倍さんが来たら、私はそういう気持ちを汲んでコラムを書きますよ」
反町キャスター
「なるほど。山本さん、先制韓国訪問どうですか?」
山本議員
「先ほど、黒田さんがおっしゃった話を正確に言うと、総理のいろいろな外交スタイル、政治家としての考え方から考えると、おそらく文在寅大統領とできるだけ早く電話会談でもしようとするだろうという、私の一応予想なので、個人的な、そこを正確に言っておきたいと思いますが。1番のカギは、首脳同士の個人的な信頼関係だと私は思うんですね。ですから、文在寅さんも、これから大統領になる可能性が高いわけですけれども、文在寅大統領も日韓の首脳会談をやりたいと言っているし、日中韓の首脳会合もやるべきだと言っているので、その2人が会う環境というのはたぶんすぐ整うのではないかと思うんです。とにかくしっかり腹を割って、お互いにリーダー同士で話し合うしかないと思うんです。文在寅さんもさすがに大統領になると少しずつ現実的なことを言い始めて、たとえば、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)に絶対反対ではないですよね。場合によってはもしかしたら通るのかもしれないわけです。だから、こういうこと1つ1つキチッと首脳の信頼関係をつくっていく中で、前に進めていくしかないのではないでしょうか。ただ、日韓合意については私もちょっと解決策が浮かんでこない。なかなかこれは難しいと思うのですけれども。他の問題でも1つ1つ話し合って、前に進めていく。特に今日、総理も強調されていましたが、北朝鮮に関しては日米韓の連携というものは本当に不可欠なので、これを決して崩さないようにする、連携をしっかりしていくことがまず最大のポイントだと思います」

山本一太 自由民主党参議院議員の提言 『信頼構築』
山本議員
「慰安婦合意についてはかなり難しい面があると思いますけれども、1番大事なのは信頼構築だと思います。それはもちろん、1番大事なのは、大統領と総理、安倍総理と、それから、文在寅大統領との間の信頼関係。その他にもアドバイザーとか、あるいは役人レベルもそうですし、国会議員レベルでもそうですし、できるだけ多くのネットワークをつくって、信頼関係を深めていく、ここから始めるしかないと思います」

黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員の提言 『はじまりが半分だ』
黒田氏
「これは韓国の諺みたいなのがあって、シジャギパニダと言って、始まれば道程の半分を行ったのと同じだと、つまり、始まりが重要だということ。先ほど、ちょっと言ったのですが、安倍さん、早く行きなさいと、電話会談でもいいのだけれども、それよりも近いのだから、すぐに行って、文在寅さんを取り込みなさいと。安倍さんはそれだけのリーダーシップがあるし、国内的にも、対外的にも、韓国を含め、非常に評価が高いので、これはいいチャンスだと。そういう意味で、始まりが重要だということですね」

沈揆先 東亜日報顧問の提言 『指弾をやめて 月見をめざして』
沈氏
「私は韓日関係の専門家ではないのですけれど、特派員として20年前に見てきたら、韓国と日本は世界でグローバルに協力する、お互いに得する、そういうことはたくさんあるのにもかかわらず、歴史問題に捉われて、進んでいないということで。諺で、指を見なくて月を見ろという話があるのですけれども、それにちなんで、お互いにそこからなのですが、指でお互い相手のことを非難するのをちょっとやめて、月見をちょっと目指そうと、そういう気持ちを持ってもらって。だから、指を見なくて月を見ろという言葉を使いたいです」