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2017年5月3日(水)
憲法施行70年特別企画 論戦!石破茂×小池晃

ゲスト

石破茂
元防衛大臣 前地方創生担当大臣 自由民主党衆議院議員
小池晃
日本共産党書記局長 参議院議員

自衛隊と憲法9条
秋元キャスター
「今日は憲法記念日です。日本国憲法施行から70年の節目の日ですが、そこで今夜は元防衛大臣の石破茂さんと日本共産党書記局長の小池晃さんを迎えて、憲法の根幹とも言える平和主義と天皇制の2つを中心に議論していきます。今日行われました民間が開催した憲法フォーラムに安倍総理がビデオメッセージを寄せまして、憲法改正に向けた意気込みを語りました。ビデオメッセージのポイントをまとめました。『"自衛隊が違憲かもしれない"などの議論が生まれる余地をなくすべき』『憲法9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』といった話でした。まずは憲法9条ということについて聞いていきたいのですが、『"自衛隊が違憲かもしれない"などの議論が生まれる余地をなくすべき』という部分について、小池さん、共産党はかねてから憲法9条を変えるべきでないと主張されていますけれども、憲法改正なしでこの9条の抱える矛盾というのをどう解決していかれるのでしょうか?」
小池議員
「我々は、憲法と現実の矛盾は憲法を変えることではなくて、現実の政治を変えることで解決すべきだという立場です。今すぐに自衛隊をなくすことは、それはできないですよ、現在の北東アジアの情勢を見れば。国民だって今、自衛隊をなくしていいとはおっしゃらないだろうと思うんですね。だから、それはかなり時間がかかるかもしれないけれど、憲法が制定された当時というのはあの戦争の経験を経て、2度と再び戦争をしない、軍隊によらない国づくりというのを目指した、そこに向かって進むべきだと私達は考えています。ただ、今回の安倍首相のこのメッセージについて言うと、私達は、自衛隊は違憲だと思いますよ。それは自衛隊員が憲法を侵しているとか、そうではなく、それは憲法…、そこにありますような憲法9条の文言に照らせば『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』『交戦権を認めない』という、憲法の規定から言えば、これはどう考えたって憲法の規定とは相いれない存在であるということを我々は言ってきた。今回、安倍さんは『自衛隊が違憲かもしれないという議論が生まれる余地をなくす』とおっしゃったり、読売新聞のインタビューではもっとはっきり『私達の世代が何をなし得るかと考えたら自衛隊を合憲化することが使命ではないか』と、自衛隊は違憲だったということをおっしゃっているのかなと思いますね。これは、憲法上の自衛隊の立脚点というのが問われる発言だと思います。だって、これまで合憲だと言ってきたわけですよ」
反町キャスター
「なるほど。小池さんの話、憲法を変えるのではなくて、政治をそちらに寄るような形、要は、政治を変えるべきであるという、憲法そのもののあり方みたいな話だと思いますよ、ここの部分というのは。政治と憲法、ないしは実態と憲法の関係性でも結構です、ここの部分、特に9条に関して、どう感じていますか?」
石破議員
「なんでも現状に憲法を合わせれていけばいいというのであれば、憲法の使命は果たせません。なんでもなし崩しに憲法を変えていいなんて私はまったく思いません。ですけれども、現実社会というものがあって、それも日本人の意思だけで、日本国政府の意思だけでつくれないものがいっぱいあるというのは歴史の証明するところであって。私達は政治をお預かりする者として、国の独立、国民の生命・財産に責任を持つ者としてギャンブルやるわけにはいかないんです、私達はギャンブラーではないから。だから、そこの相克の中でどうやって憲法というものを変えていけばいいか、侵略戦争はしないのだという、そういうものを維持しながら、どうやって憲法を、理想を失わないで現実に近づけていくのかなという、すごく困難な作業をしていかなければならないと私は思っています」
反町キャスター
「小池さん、いかがですか?」
小池議員
「現実と憲法をというお話があったけれども、憲法9条というのが、こういう局面で道義的にも、政治的にも、僕は力を発揮すると思うんです。それがやっぱり…」
反町キャスター
「憲法9条の理念は北朝鮮にも通用すると言っている?」
小池議員
「いや、そんなに甘いものではないです。だから、そこは国際社会のその一致結束した外交だと言ったら生やさしく話をしていると、そういうものではないと思います、かなり激しい、強力な圧力、経済制裁、厳格なもの、そこに本当に突っ込んでいく時の大きな力が僕は憲法9条にあると思うんです。現在の日本の外交はその力を活かしていないのではないかなと思いますね」
反町キャスター
「日本の外交は憲法9条の理念を活かし切っていない?」
小池議員
「軍事的に。特にアメリカに追随して軍事的な選択肢を、アメリカに追随して次々とっていくということが逆に緊張を高めるということにしかなっていないのではないかなと」
秋元キャスター
「憲法9条について話を聞いています。9条では2項に『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』と定めています。安倍総理は、今日のビデオメッセージで『憲法9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』という考えを述べられました。石破さん、9条の1項と2項を残しつつ、新たに自衛隊について書き加えるというこの総理の考えというのをどう受け止められますか?」
石破議員
「自民党はこれまで憲法改正草案というのをずっと議論してきた。私は起草委員でしたよ。与党の時に1回徹底的に議論し、野に下った時にもう1回、徹底的に議論した。どちらも私は起草委員でした、携わってきました。特に、自分の担当の9条、安全保障の部分はほとんど欠席することなく議論に参加してきました。今日メッセージで総裁が言われたことは1度も出ていない。これまでに自民党の中でこういう発言をした人を私は1人も見たことがない。つまり、自民党のこれまでの議論の積み重ねの中にはなかった考え方であるという事実が1つあります。そうすると自由民主党がこれまで積み重ねてきた議論に対して、たぶん総裁は実現可能性ということが責任を持つことなのだという意識でおられるのだと思うのね。読売新聞のインタビューを読んでみると、どうもそう読める。つまり、自民党の憲法改正草案にはこだわらない。それは難しい、無理だと、こういうふうにおっしゃっている。じゃあ自民党の議論は何だったのという、それはこれまでずっと議論してきた者の1人として、起草委員として、改正草案には責任を持っていますから。これまで選挙の時に自民党は、改正草案はこれです、ということを示して国民の信を問うてきたのだから、だから、自民党の議論は何だったのということはある」
反町キャスター
「石破さん、先ほどの説明の中で自民党の積み重ねてきた議論ではなく、実現可能性をとったのではないかという指摘がありました。これはどう理解したらいいのですか?たとえば、いわゆる9条の1項、2項をいじるということに関しては、たとえば、友党である、与党である公明党との議論が見えてくる中で、1項、2項を残した方が改憲の議論、憲法、この場合で言うと、公明党のキャッチフレーズである加憲、加えるという、憲法に加えるというところがそのまま当てはまる9条のやり方のように見えるのですけど、その意味で、1項、2項は残して、自衛隊の明文化という第3項を加えるというところが、石破さんが言われるところの実現可能性をとったという意味でよろしいですか?」
石破議員
「それは総理がどういう想いでおっしゃったか、それは私は総理ではないからわかりません。ただ、昨年の参院選挙が終わった時、多くの報道の見出しは3分の2確保、改憲に必要な3分の2を確保という見出しがいっぱい踊ったわけですよ。あの時にアレッと思って。だって、どの条文を改正するのかも全然わかっていないし、選挙の時に、たとえば、9条を改正すると言って3分の2を獲ったのだったらそれでもわかる。あるいは憲法発議の要件を3分の2よりも緩和するということを掲げて、3分の2を獲ったのだったら、それもわかる。でも、何を掲げたわけでもないですよね。確かに自民党は憲法改正草案を持っていたけれども、これを支持してくださいと訴えた人、私は知らないな。そうすると、わかりませんよ、だから、公明党さんと合わせて3分の2だという現実があり、公明党さんのご主張が加える憲法、憲法に加える加憲であるということだとすれば、論理的には反町さんがおっしゃるようなことが成り立つ余地もあるのかもしれない。ですけど、そこは、私達は自民党の中ですら野党時代に最終的な憲法改正草案、いまのところ最終的な、をまとめたのだけれども、その議論に参加してない議員が自民党の現職議員の半分近くいるわけです、1回もそんな議論を聞いたことないぞと。あるいは野党時代に議席を持っていても他の業務で忙しくて憲法の議論に参加したことないぞという人もいっぱいいるわけですね。そうすると、自民党の中でまずきちんと議論をしようよということだと思う。議論のための議論をずっとやってきて、ちっとも成果を得なかったではないかというのが、安倍さんの危機感であり、使命感であり、焦燥感であるということはよくわかる、それはね。歴史に対する使命感を持っていることもよくわかる。だけど、私はもう1回、原点に立ち返ってみると、独立国家日本に相応しい憲法をつくろうという、そういうことではないのかと。だから、対米追随という言葉が正しいかどうかは別として、日本として本当に安全保障政策を日本として考えるという状況にあるのだろうか。そして、私は在日米軍基地は必要だという立場です、だけど、国家主権の重要な要素たる領土を、義務として他国に提供するという国を世界中で見たことがない、日本だけです。これを本当に独立国と言うのですか?」
反町キャスター
「安倍さん、草案解消ということを視野に入れているのですか?」
石破議員
「解消なんて誰も言っていません」
反町キャスター
「たとえば、9条の1項、2項に、特に2項に謳われている戦力の不保持とか、交戦権を認めないというところは自民党の憲法改正草案において、そこはもう否定されています。そのうえで国防軍を長い文章を使って定義されているわけではないですか。そのスタートライン、その球をなぜ安倍さんが投げないのか?ここで示すべきはその話ではないのかとおっしゃりたいのですか。それとも安倍さんが現在、今日、読売のインタビューでも言われたみたいに、改正草案にこだわるべきではない、つまり、自民党改正草案にあるような戦力不保持や交戦権を認めないというところを消して、国防軍を定義するというような、9条に対する自民党の改正草案のスタンスにはこだわるべきではない、どちらだと考えますか?」
石破議員
「さあ、私は安倍さんではないからわからないけれども、要するに、現実を動かしたい。どうも総理のお話を聞いていると自衛隊に憲法上の根拠規定がない。自衛隊員の服務の宣誓は『事に臨んでは危険を顧みず…』、この危険を顧みずというのが服務の宣誓、誓いの中にあるのは自衛隊員だけですから、背広も含めて。『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の付託にこたえる』。皆、家族もいるし、大切なものもいっぱいある、でも、たぶん命令が下ったら危険を顧みないで職務を全うして国民の信頼に応えるよという自衛官が違憲ではないかなんて言われることは自衛隊の最高指揮官として、国家の最高責任者として見るに堪えないという、そういう安倍さんの思い入れがある。それはすごく立派なことだと思う。私も防衛大臣や防衛庁長官を務めてそう思う。自衛官の心情にちょっとたりとも違憲なんてことが、批判が加えられるべきでないというのはよくわかる。それをクリアする、大事なことです。と同時に、あと自衛隊って何なの?陸海空軍じゃないの?警察なの?違うでしょうというお話を、そこで全部ネグレクトしていいのですかということ。交戦権が認められないとするなら、どうやって個別的自衛権であったって交戦権の適用範囲になるわけでしょう。当たり前の話。個別的自衛権なら交戦権はよく、集団的自衛権がダメなんて理屈は破綻しているから、そんなことはあり得ない。だから、自衛官達に自衛隊員達に違憲の誹り、そんなもの受けさせてはならないというお気持ちは本当に痛いほどよくわかる。だけど、では、2項の規定はどうするのですかということがこれから先、何年も何年もずっとそのままでいくのかしらというお話と、それから、自民党の改憲草案では自衛権の行使を妨げるものではないという言葉が入っているんですよ、その中で個別的自衛権のみならず集団的自衛権も読むという考え方をとってきました党としては、では、この話はどうなるのと。集団的自衛権もすごく限定的な行使になっているわけで、これをこれ以上、行使しようと思ったら、憲法改正が必要だというのが安倍さんのお立場なので、その話はどうなったのかなということもあって、なにせ今日、総理がおっしゃっただけだから、これから議論が党内で始まるということですね」
小池議員
「僕は、石破さんとはまったく別の方向から、安倍提案には疑問があります。まったく方向は違いますけれど。自衛隊の存在を憲法上書き込む、それに留まらないと思います、これは。自衛隊合憲の憲法的な根拠は、政府は9条の2項に置いていたわけですよ。2項で『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』と言っているけれども、しかし、必要最小限度の実力組織だから憲法違反ではないと。自衛権行使の3要件、それをさらに今回新3要件としてきた。しかし、そうは言っても、存立危機事態というような条件づけがあって無制限での海外での武力行使というところまではできないわけですよね。だから、2項を理由にして武力行使を目的とした海外派兵はできません、国連軍に参加もできません。それから、集団的自衛権は行使できませんと言ってきた。集団的自衛権のところは穴を開けたわけですけれども、たとえば、イラク戦争やアフガン戦争のような、ああいう戦争に武力行使を目的として参加することはできないということを言わざるを得なかったわけです。もしも9条をこのままにして、そこに自衛隊の存在ということを明文で書き込めば、これまで合憲の根拠としてきた、必要最小限の実力行使、という枠が取っ払われて、基本的には無制限で、海外で武力行使できるようになる」
反町キャスター
「第3項で自衛隊を明文化すると、第2項が空文化する、そういう意味で言っている?」
小池議員
「たとえば、どうなるのかはわかりませんよ、国際の平和と安全のために自衛隊を保持するという項目が第3項として付け加わったとすれば、それは今まで言ってきた必要最小限度の実力組織という枠を取っ払って、海外派兵を可能にすることになっていくと僕は思います。だから、そういう意味で言うと、ここは3項に自衛隊の存在を認めるということは、それに留まらない、非常に危険な、憲法9条1項自体も含め、9条全体を無効化することにねつながる改憲案だと思います」

『天皇退位』と憲法
秋元キャスター
「ここからは憲法と天皇制のあるべき姿について聞いていきます。憲法施行70年の節目となる今月、天皇の退位を可能にする特例法案が国会に提出される見通しです。共産党はこの特例法案について、このようにホームページで書かれているんですね。『私たちが退位を認める根拠は、1人の方がどんなに高齢になっても、仕事を続けなければならないという今のあり方が、日本国憲法の根本原理である個人の尊厳と相いれないものであるということにあります。立法の根拠は天皇の意思ではなく、憲法に置くべきです』と書かれているのですが。小池さん、今の特例法案は天皇の意思が働いたと考えているということなのでしょうか?」
小池議員
「それが1つのきっかけになったということは間違いないと思うのですが、要するに、そこに憲法第1章、天皇に関する条項が出ていますけれど、我々この全ての条項を守るという立場です。政治利用は許さないという立場ですね。ここにあるように『天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴で、主権の存する日本国民の総意に基づく』、それから、第4条で『国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない』と。だから、もしも意思をもって、それが根拠と直接的にしてしまうと、これは第4条の『国政に関する権能を有しない』ということに引っかかる可能性があると思います。だから、我々は8月のお気持ち表明、高齢によって象徴としての責任を果たせなくなるのではないかと述べられたわけですけれども、それをよく理解できると。ただ、それとは別に政治の責任でこの問題は解決をすべきであって、その根拠はあくまで憲法を根拠にすべきだし、憲法上で言えば個人の尊厳というのが、これは天皇を含め、何人たりとも認められるべきものであると」
反町キャスター
「個人の尊厳というのは基本的人権とか、そういうやつですか?」
小池議員
「基本的人権と言ってしまうとそれは天皇には職業選択の自由、居住の自由…」
反町キャスター
「そう、だから、個人の尊厳とはどこまでの尊厳なのですか、これは?」
小池議員
「個人の尊厳というのは、それよりもっと幅広い概念ですから。それは、おいくつになられてもお仕事続けなければいけないというのは、個人の尊厳に反するでしょうというところを、憲法上の根拠に置くとするとすれば、そこではないかと言っているわけですね。だから、現在、特例法の準備もされていると思うのですけれど、そこのところは、我々としては『国政に関する権能を有しない』という第4条の規定に沿うような形にすべきではないかなと、そこは重きを置いています」
反町キャスター
「小池さんだから、という言い方は失礼かもしれないけれども、敢えて聞きますが、昨年8月の陛下のお言葉からこの動きが始まっていますよ。始まったとは言いながらも永田町の各党協議会ないしは議長裁定の諸々において、1番強く感じているのは、これは陛下のお言葉によって始まったことではないのだよ、天皇の意思によって起こった立法活動ではないのだよということを各党が議長を先頭に知恵を絞って、時間をかけて、手間をかけて天皇の意思とは乖離した形で政治の作品としてつくろうとしたように見える。共産党としてはそこの指摘はしないのですか?」
小池議員
「いや、つくろうとしたというか、それは僕らもそういう主張をしましたし、あくまで立法化するのであれば、憲法の規定に適合的なものにすべきだと。それはかなり、この間のこの退位の立法を見ると、議論の中で憲法と、そこで言う『天皇の国政に関する権能を有しない』ということの持つ意味というのを、かなり皆さん、考えたのではないかなと、これはこれで大事なことだったと、私は思いますよ」
反町キャスター
「そこはある方に言わせると、政治的な技術の極みであるみたいなことを言う方もいるわけです。共産党さんも、だから、そういう意味で言うと、非常に微妙な問題ではあるのだけれど、これを敢えて陛下のお言葉と実際の立法活動を切り離すところに政治の極みがあったと、共産党さんも思うのですか?」
小池議員
「政治の極みというか、憲法に即した対応としては必要なことだったし、そこはそれぞれ皆、知恵を出したと思っています」
反町キャスター
「なるほど。石破さん、いかがですか?」
石破議員
「国政に関する権能はもともとお持ちではないです。昨年8月のお言葉だって、国政に関して権能をお使いになったと私はまったく思っていない。つまり、陛下はそこで自分が、ああしたいとか、こうしたいとか、おっしゃってはまったくおられないし、国民の皆さま方のご理解、つまり、主権者たる国民に対して陛下は直接お語りになったんです。我々国会議員に向かってお語りになったのではない。我々ももちろん、国民だから、国民に対して、つまり『主権の存する日本国民の総意に基づく』と書いてあるではないですか、国民の皆様方に理解をお願いしますとおっしゃったのであって、あとの判断は主権者たる国民が行うのだということですよ。だから、陛下が国政に関する権能をお使いになったとは私は全く思わない。しかし、同時にそういうことをおっしゃる方が世の中にはおられて、それでもなお陛下がああおっしゃらねばならなかったということは、私達が日頃の国政にかまけて、最も大事な陛下のご存在というものに対して、あまりに努力というのか、してこなかったのではないかというですね。私自身は、本当に陛下に、勝手な思い入れだな、本当に申し訳ございませんというか、そういう気持ちがするわけです。だから、陛下は、権能はまったくお使いになっていない、だけれど、そういうことをおっしゃる方が世の中にはおられて、そういうようなことをおっしゃる方が出てしまう、でも、それでも陛下がなおあのように仰せになって、日本国の象徴なら桜の花でも、富士山でも、あるいは日章旗でも日本国の象徴かもしれないです、だけど、日本国民統合の象徴であろうとして陛下が憲法に基づいてどれだけ人間の成し得ないような努力をしてこられたのかということに我々は陛下に対する甘えがあったかなとすごく忸怩たる反省を私自身は持っていますね」
小池議員
「ちょっと誤解があるとアレなのですけれど、私は別に天皇が意思を表明したことがけしからんことであると言っているわけではないですよ。問題は政治側の受け止めの問題でこのお気持ちを理解し、これに共感しているからという風にしてしまうと、それは憲法の規定、国政に関する権能を有しないということに引っかかってくる可能性はあるでしょうと。だから、天皇の意思は意思として、私達もこれは理解できると表明もしているんですね。それとは別に政治の側の責任として解決すべきだし、退位を認めることについて国民が理解したということについて当然、多くの国民が退位を必要だと受け止めたわけだし、退位のための立法が必要だと。付け加えれば、それは皇室典範でやるのが筋だと…、そこは石破さんもたぶんもしかしたら一致するのかもしれない。そこのところは言ったわけで、別に意思を表明すること自体がけしからんと言っているわけではないですから。だから、政治の側が憲法というルールをしっかり踏まえて対応するということが今回大事だったと、そこを最後までできるのかどうか我々は見極めていきたいという」

象徴天皇と憲法
秋元キャスター
「さて、憲法では、天皇は国の象徴であり、国民統合の象徴として位置づけられているわけですが、象徴天皇という、その役割を果たすために天皇にどのような行為があるのか、実際にこのようなご公務を行われています。ただ、憲法4条の部分を見ていますと『天皇は、憲法の定める国事行為のみを行う』と書かれています、小池さん、この憲法に書かれていない国事行為以外の行為についてはどのように考えていますか?」
小池議員
「これは憲法の規定通りでいけば、国事に関する行為のみを行いとなっているわけですから、憲法上で言えば、厳格には国事行為以外の行為というのは、これは憲法上認められないということになるかと思うんですね」
反町キャスター
「やめた方がいいのですか?新年参賀とか…」
小池議員
「ただ、私どもとしては、中身をよく見る必要があると思っていて、いわゆる国事行為以外の公的行為というのを全てよしと言われてしまうと、ちょっと待ってくれと言いたくなる。典型的なのは例の、主権回復の日の式典に天皇夫妻をお招きしたと。沖縄なんかは本当に批判の声をあげたわけですよね。4月28日というのは、サンフランシスコ条約が結ばれた、主権回復だと言いつつ、一方では、沖縄が切り離された屈辱の日です、そういう問題。だから、いわゆる公的行為と言われているものの中で、本当に適切なのかどうかということはキチッと吟味しなければいけないと思っていますし、今回の、退位の特例法の中で公的行為はすべからくよしとするようなことを、表現として入るということについては、私どもはそういう立場ではないと。しかも、そういったことを書く必要性もこの法案にはないのではないかと意見としては申し上げた。どういったものが認められるべきなのかということについて、政府の一存でやるということもまずいと思うし、天皇の個人的な意思だけで決めるというのもどうかと。キチッとした国民的な議論が不足していたのではないかなと」
反町キャスター
「それは国会承認みたいな話ですか?議会承認は微妙でしょう?」
小池議員
「いや、そういう手続き的なものというよりは国民の中でキチッとどういったことが必要なのかということを議論してもいいのではないかなと」
反町キャスター
「石破さん、いかがですか?陛下のご公務、いろいろある中で憲法通りにいくと、国事行為のみ、でも、実際に我々が印象として強く受けるのは公的行為の部分です。どう感じますか?」
石破議員
「ですから、我々の憲法改正草案ではこの『のみ』というところは削除する、当然のことですよね。そのうえで国論が分かれる部分というのがある、政治的に。だから、民主党政権下で鳩山内閣時代、習近平さんが副主席だった、訪日した時に、その3か月前に申し込んでねというルールがあるわけですよね、それを超えているにも関わらず、陛下との会見というものが中国から要請された、その時に宮内庁の羽毛田長官、当時の、そのことを当時の民主党の小沢幹事長がどえらく罵倒した、内閣が決めることであってということで、いや、陛下は別に中国だからいかんとか、いいとか、アメリカならばどうだとかおっしゃったわけではなくて、ルールを守ってねとおっしゃった。おっしゃったというか、それが皇室のあり方、陛下がおっしゃったわけではありません。宮内庁として政治でそういうことを曲げるわけにはいかないということでしたね。ですから、そういう時期の問題、どういう対応をとるかも含め、政治的に議論があることについて、陛下のお出ましというものをあまりいただくべきではないなということになります。そうすると、ご訪中された時も、中国に行くことはどうなのだとか、党内でいろいろな議論が野党も含めてあった。だから、非常に難しいことだと思う、陛下が日本国の象徴としてお出ましになることで、いろいろなわだかまりが氷解するということもあるわけですよね。だから、この間、陛下がベトナムにお出ましになった時も、日本兵で残留した人達、そこで家族ももうけ、でも、日本国の決定によって、日本国に戻っちゃった、家族はそのまま残された、ベトナム戦争とか、いろいろな惨禍をくぐり抜けていろいろな想いが日本にあったのに、陛下が特に仰せになって、遭われたいろいろな思いが溶けましたという、そこを政治利用しないということは、その時の政権が本当に心しなければいけないことだと思っています。法律上ガチガチに縛ることはできなくて、政権が政治利用ではないよね、だけれど、日本国の国益になり、多くの人々の心を癒すという言い方はあまり適当ではないけれども、そこは政権が真摯に考えて然るべきものだと思います」
反町キャスター
「石破さん、小池さんが指摘された主権回復の日、これは手続き的には瑕疵はないはずですよね?」
石破議員
「ございません」
反町キャスター
「ただ、国論を2分するようなテーマになり得るリスクがあるかどうか、という判断も含めた時には政治側の判断、どうだったと感じますか?」
石破議員
「私は、あの時に自民党の幹事長をやっていましたから、責任を負わなければなりません。沖縄において、あの日が主権回復の日ではないぞ、屈辱の日だって言い方をなさる方も沖縄にはおられます。私達は、国民統合の象徴であって、全ての日本国民がということが難しいにしても、多くの日本国民にそうだねと思っていただく、そういう努力はさらにしなければいけないなと思っています。いろいろなご批判をきちんと受け止めて。ただ、サンフランシスコ条約発効の日が日本独立の日だよということもまた事実であって、そこから取り残された沖縄というものをより強く認識しなければいけない、そういう努力をすべきだったなと、これは私の反省です」
反町キャスター
「小池さん、公的行為、たとえば、一般参賀もあるのでしょうけれども、たとえば、災害のお見舞いとか、慰霊の旅、そういうものに対しての評価どうなのですか?」
小池議員
「東日本大震災の被災地に何度も行かれて、被災者と本当に膝を接して、ああいう姿は非常に国民は歓迎していると思います。国民統合の象徴ということをかなり強く意識してやられている、そういったことを1つ1つけしからんことである、憲法上は国事行為のみなのだから、これはダメであると言ったことはありません。だから、全体を…」
反町キャスター
「揚げ足とるつもりはないですけれども『国事行為のみと憲法に書いてあるのだから、公的行為をしてはいけない』とクリアカットにスパンと。クリアカットには言わない、共産党さんは?」
小池議員
「現時点では言っていません。それは国民の多くが歓迎しているものでもあると思いますし、そのことについて、これは憲法違反であるというような言い方をしているわけではないです。ただ、繰り返しになりますけれども、なんでもいいですよ、とされてしまうと、それは違うでしょうと、そこは1つ1つきちんと検討しなければいけないし、特に政治的な内容を持つ政治利用の問題もあるし、石破さんがおっしゃったように、国論が2分しているようなものは、これは憲法違反というより憲法の精神、国民統合の象徴という憲法の精神に背くと思うんです。そういうところはしっかり見ていかないといけないだろうというのが我々の現在の立場です」

安倍首相『2020年に新憲法施行を』
秋元キャスター
「今日の民間主催の憲法フォーラムに寄せたビデオメッセージで、安倍総理は『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と発言されているんですね」
反町キャスター
「石破さん、いかがですか?2020年を目指すという総理の今日の、自民党の総裁としてという話があったのですけれども、安倍さんの言葉、どう感じますか?」
石破議員
「だから、年限切らないと誰も本気にならないという、そういうところはあるのでしょう、それはわかる。自民党は憲法改正が党是であるにも関わらず、これまで発議に向けた努力もしてこなかった、どうせ3分の2なんて獲れっこないものということでやってこなかった。そのことに対する反省もあって2020年という区切りだと思うのね。私は最近よく思うのですけれども、来年は明治150年ですよ、明治維新以来150年なの。最初の50年というのは、まさしく大日本帝国憲法の50年だった、次の50年というのは新日本、新しい憲法の50年だった。つまり、50年に1回、国をつくり変えてきたと思うんですね、プレートリセットみたいな。本当に国のあり方を体現したものが憲法だから、ともすれば過去の遺産にすがってそれを食いつぶすような形、あるいは次の時代にツケを送るような形で、生きてないだろうかという反省が私自身はすごくあるんです。だから、2020年でも2019年でもいいのだけれど、憲法を改正するためには主権者たる国民がそうだよねと言ってもらわないと、なんだかわからないうちに改憲しちゃうというのはまずいなと思っているんです。だから、私、自民党の鳥取県連の会長ですけれど、先月だったか、憲法改正に関する県民集会をやったんです。地元の新聞にも広告を打って、どの党の方でも来てくださいと、自民党員しか来てはいけませんなんて、そんなこと言わない。それでやってみた鳥取県で。そうすると2000人来ていただいたんですよ、2000人。つまり、選挙の時に憲法のことを語りませんもん、ほとんど語りませんもん、日頃の国政報告会でも語りませんもん。なんで2000人も来てくださったのか、その後アンケートをとって『鳥取県全体ではなくて、自分の町でもやって、自分の市でもやって』と言う方がすごく多かった。そういうことを地道にやっていって、9条なら9条、なぜ変えなければいけないの?あるいは教育の部分、義務教育の部分をどうするのだ?あるいは公的助成をどうするのだ?あるいは最高裁判所の裁判官でも、今、結局、内閣の任命でしょう、国会の権能がほとんど及ばないですね、それでいいのでしょうかとか、そうするとそうなのだと、国民は朝から晩まで憲法のこと考えていませんもの、日々の暮らしに忙しいですもの。でも、日本国のあらゆる法律、秩序は、憲法の下に動いているのだから、こちらが能動的に共産党の方と公開ディベートやってもいいです、あちこちでやればいい。主権者たる国民に、そうだよね、と思っていただける時が2020年であれば、それはそれで構わない」
小池議員
「そうだと思いますけれど、徹底的な国民的議論が必要だと思うのだけれど、最初の方に石破さんおっしゃった、この間の選挙で憲法を語っていないですよ、自民党は。3分の2獲ったと言うけれども、それで改憲勢力が3分の2になったと言うけれども、憲法を変えますよと言って獲ったわけではないわけでしょう。そういう時に2020年と言うと、実際に選挙の機会はそんなにないですよ、もうこれでいいのですかと。もしこういうことを本気で安倍首相はおっしゃるのであれば、これは選挙で大争点にしないといけない」
反町キャスター
「つまり、2020年の新憲法の施行を目指すということは、2020年までにはもう1回必ず総選挙がありますよ」
小池議員
「総選挙はあるでしょう。参議院選挙は、しかし、参議院選挙はギリギリあるのですか。ただ、この間の選挙で改選部分はあるけれども。だから、いずれにしてもこれまでの選挙ではこのことはまったく正面から問われていない」
反町キャスター
「ただ、世論調査だけを見ると、憲法改正は賛成が52%だけれど、9条については56%しかいないと敢えて申し上げますが、そう考えると、自民党としては2020年の憲法改正に向けての大勝負ですと、総選挙で旗印に掲げることというのは、石破さんに聞いた方がいいのかな、選挙上は、選挙戦略上はプラスになるのですか?」
石破議員
「必ずしもそうは言えない。だから、現行憲法の規定から言えば、特別の国民投票を行ってもいいわけ。選挙と関係なく、このことだけで国民投票をやるということになると、議席が増えるとか、減るとか、そういうような配慮というか、それは働かないで、わからないですよ、憲法9条でいくのかどうか、そんなことはわからないですよ、だけど、特別な国民投票という手段があるとするならば、議席の増減と関係なく、党利党略と関係なく、問うことができるという余地は出てくるでしょうね」
小池議員
「そういう場合でも、これからの選挙は絶対にこの問題を大争点にしなければいけないし、これまでみたいに、これまで曖昧にしてきたけれども、正面から自民党さんは憲法9条を変えます、その自民党を支持してくださいということで選挙を戦わなければいけないと思いますし、我々はもちろん、絶対にそれはダメだという立場で選挙を戦う。それできちんと決着をつけていかないといけない」
石破議員
「だから、自民党としてどうするんだって議論をしなければいかんですよ」

小池晃 日本共産党書記局長の提言 『憲法実現』
小池議員
「僕は憲法を変えるのではなくて、憲法は棚ざらしにされてきた、ないがしろにされてきたと思っていますので、憲法を実現する政治をつくろうではないかと。この憲法記念日を前にいろんな世論調査をやられていて、共通しているのは憲法が戦後日本の発展に、平和に寄与してきたというのが圧倒的な声ですよね。読売新聞の世論調査でも、憲法の役割を評価している、が89%ですよ。それが国民の本当に多くの合意だと思っていますし、現在、必要なのは憲法が掲げた方向をさらに政治の中身を近づけていく、それは9条だけではありません、30条に渡る人権規定なんかも含めて、生存権の保証、両性の平等、個人の尊厳を実現する政治をつくりたいと思います」

石破茂 自由民主党衆議院議員の提言 『主権者たる国民に真摯に誠実に向き合う』
石破議員
「主権者たる国民に真剣に誠実に向き合う、これだけです、要はこういうこと。変えることができるのは主権者たる国民、正面から誠実に真摯に語る、それだけです」