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2017年4月14日(金)
北朝鮮軍事衝突の緊迫 金正恩体制の『運命』

ゲスト

手嶋龍一
外交ジャーナリスト 作家
武貞秀士
拓殖大学海外事情研究所特任教授
朱建榮
東洋学園大学教授

北朝鮮『軍事衝突』の緊迫 アメリカの『本気度』は?
松村キャスター
「アメリカと北朝鮮との間で緊張が高まっています。核とミサイル開発をやめない北朝鮮に対して、アメリカは原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海へと向かわせると表明。明日にも到着すると見られています。シリア攻撃を厭わなかったトランプ政権は、北朝鮮とどう対峙するのでしょうか。アメリカ、中国、北朝鮮の専門家を迎えて、今後の動きについて徹底検証します。これまでのアメリカの動きを見ていきます。まず7日にシリアに巡航ミサイル攻撃を行いまして、8日に原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海へと向かわせると表明しました。カール・ビンソンは明日にも到着する予定です。さらに13日、アフガニスタンにおいて過激派組織イスラム国の掃討作戦でアメリカ軍が核兵器以外の通常兵器では最も破壊力あるとされる超大型爆弾を使用したと発表しました。このような流れがありますが、手嶋さん、アメリカのこうした一連の動きは北朝鮮を意識したものなのでしょうか?」
手嶋氏
「もちろん、そう言っていいのだと思います。日本で特に日本のジャーナリストは指摘しないのですけれども、アメリカ大統領の究極の役割は何かということになりますと、日本のリーダーと違って伝家の宝刀を胸に秘めていて、究極の場合にはそれを抜いてみせるという点ですね。ところが、オバマ前大統領はシリアで実際に化学兵器が使われたと、その場合に、レッドラインを越えると伝家の宝刀を抜くということを天下に名言していながら、遂に抜けなかった。これに対して、トランプ大統領は、そんな大統領と自分は違う、抜いてみせるということを、シリアの巡航ミサイル攻撃、さらにカール・ビンソンを朝鮮半島沖に、そして超大型爆弾というものを…、この意味は非常に大きくて、武貞さん、お詳しいのですけれど、北朝鮮は地下トンネルの造営というのについては大変高い技術を持っていて、主要な軍事施設を地下に、ということになりますよね。当然、超大型爆弾はそれを貫通しますから、それをも破壊してみせるのだと明確に平壌に自分の決意が伝わっていると申し上げて良いと思います」
松村キャスター
「朱さんは、アメリカの動きはどう見ていますか?」
朱教授
「シリア攻撃というのは、単純に北朝鮮問題を考えているとは思いませんけれども、アメリカ国内では現在、トランプ大統領、国内ではいろいろな問題、壁にぶつかって八方塞がりの中で、どこか外交で1つの手柄、業績、それを立てたいという部分、実際それによって支持率が上がったという一面があると思うのですけれど。しかし、それは北朝鮮の問題で、それに対しても我々は危険を辞さずに、そのようなことを、これまでの政権と違って対応するのだと、そのようなことを北朝鮮に、ちょうど会談中の習近平さんにも、それは示した一面は当然あると思います」
松村キャスター
「武貞さん、いかがでしょう?アメリカの動きどう見ていますか?」
武貞特任教授
「アメリカ、トランプ政権が59発の巡航ミサイルを発射した、その狙いということに関してですけれど、トランプさんは実業家だったわけですから、実業家というのはだいたいいろいろな側面をバランス良く考えて行動を起こす人だと思いますから、1つはトランプさん自身が言っているように、非人道的な化学兵器をアサド政権が使用した、これはもう許せないという非常に感情的なものもあったと思いますけれども。もう1つ、重要なことは中国の習近平国家主席にぼそぼそと今攻撃したのだと囁いた、あれが非常に重要なポイントですけれど、中国がしっかりアメリカと協力してくれなければ、国際法に違反する国家、集団、あるいはあまりにも無法ぶりが目立つ体制に対しては、やる時はトランプ政権やるよ、シリア問題だけではないよということを習近平さんに言いたかった。我々の外交の常識から言えば、普通、シリア攻撃なんて言ったら、まず中国とアメリカの首脳会談が終わってからにしようと、そうしないとわざわざ北京から来られた習近平さんに失礼ではないかと我々は思いますよね。まさにその最中にやったということは、いかにこれをしっかりと見てくれましたかということをトランプさんは言いたかった。北朝鮮に対してもっと積極的な役割を中国が果たしてくれなかったらアメリカは痺れを切らしますよというメッセージを伝えたかったということですね。3つ目は、北朝鮮に対するメッセージでもありますね。北朝鮮の金正恩委員長の執務室には外国のテレビが同時に見られるようにテレビがバッとはめてあって、同時にいろんな映像を見ているんですよね。しかも、金正恩委員長というのは相当の武器マニアというのか、兵器に関心があって、当然ですけれども、アフガニスタンの大規模爆風爆弾が破裂する、あの映像はしっかりと見ていると思いますよ。また、シリアに対する攻撃についても巡航ミサイル、GPSを使ってバチーンと命中するような映像が、日本でも流れているのはもう全部見ていますから、BS放送も見ていますから、つぶさにアメリカの行動と、アメリカの武器を見ていることをしっかりアメリカは把握したうえで、アメリカの言うことを聞いてくれないと、次は、明日は我が身ですよということを平壌に対して発したかった。つまり、ヒドゥン・アジェンダというか、シリアに対する攻撃の聴衆として、中国と、もう1つは本丸でもあるのですけれども、北朝鮮の体制に対してメッセージを加えたいという非常に緻密な計算がトランプさんの頭の中にあって、ああいう攻撃が行われたと私は見ています」
核実験『強行』の可能性
反町キャスター
「武貞さん、過去の北朝鮮の核実験、5回、やりました。1回目、2回目、3回目…5回目とこうやっているのですけれども、2回目を除くと、何となくですけれども、たとえば、2006年の第1回目で言えば、朝鮮労働党創建記念日と、1日違いとか、3回目、4回目、5回目も何らかの誕生日とか、記念日に寄せた日に行われているので、要するに、我々はそういう重要な節目となる日と合わせて核実験を行っているのではないのかと思っているのですけれども、そうした中、明日は金日成国家主席の生誕105年ですね。25日には北朝鮮の軍、北朝鮮軍創建85年、85周年となるわけですけれども、こうした日程を、我々は警戒すべき、この過去の経験値から言えば、警戒すべき日程なのですか?」
武貞特任教授
「警戒すべき日程ですね。金正恩委員長が実質的指導者となって5年。この5年間は、ミサイルの発射もそうですが、核実験、まさに記念日のその日にやるということが目立ってきた。どうも金正恩委員長のこれは性格のようですけれども、好みと言いますか、嗜好のようですけれども、記念日に合わせて、大量破壊兵器開発がこれだけうまくいっているのだということを内外に示すことによって、北朝鮮の国内ですごい指導者だ、さすがお祖父さん、金日成さんのお孫さんだという雰囲気が出てきますので、そういったことも含め、若い32歳の金正恩委員長自身がこういった記念日に合わせて大きな実験、あるいはミサイル発射を自分でやりたいという気持ちがおそらくあるのでしょうね」
反町キャスター
「なるほどね。金委員長が核開発に徹底的にこだわり抜ている、しかも、お父さんやお祖父さんに比べると、さらにこだわりが急進的になっている印象を僕ら当然受けるのですけれども、それの背景、理由は何ですか?」
武貞特任教授
「いくつかありますけれども、1番大きなものは、最終段階に至ったので、実験を短い間に繰り返すことによって、もう少し、もう一歩で完全に大陸間弾道弾とさらに強力な混合型とか、ブースト型とか、いろいろと言われている核爆発の100%完成のところまできているということがあるでしょうね。完成段階に近づけば、最初の段階と違って実験の頻度も高まり、それをまた求心力を集めるために頻度を高めるということもありますので、そういうことで大量破壊兵器開発のプロセスということも影響しているでしょう。1つは、若いですから、まだ外交関係うまく成功したとは言い難いです。中朝首脳会談はまだ1回もないです。もちろん、ロシア北朝鮮首脳会談もない。外国に出かけていないですよね。経済は今年1月1日に新年の辞を金正恩委員長が読んだ時に、あまり経済がうまくいっていないと、自責の念に駆られている、という言葉を発して、世界が注目したんですよね。金正恩委員長だったら、うちの経済うまくいっていますよ、とおっしゃるかと思ったら、いや、うまくいってなくて、この責任は自分にもありますということをそのまま言った。びっくりしたんです。経済もうまくいっていない、そうしたらこの指導者はいったい何が強みなのだと、この指導者についていっていいのだろうかと、北の人は思いますね。大量破壊兵器ですよ。これだけ実験を繰り返し、昨年は23回もミサイルを発射して、2回も核実験をした。最終段階にきた。1月1日は、大陸間弾道弾の発射は最終段階にまできているということも発表し、そして昨日、一昨日、北の報道というのは核兵器でもってアメリカを破壊することができるのだと、アメリカは挑発をやめなさいということを言っている。つまり、1万2000km飛ぶミサイルまで、撃とうと思ったら撃てますよということまでPRしている。実際にそこまでいっているかどうか、それは蓋を開けてみないとわからない、核兵器、蓋を開けたら唐辛子味噌があるのかもわからないし、それはわからないですけど、少なくともその発言をずっと注視する限りでは最終段階にきた。金正恩委員長の下に結集してくれということで、国内の指導力をさらに高め、お祖父さん、お父さんには備わっていたカリスマ性を身に着けたいという、そういう狙いがあるのでしょうね」
中国の思惑と『本音』
松村キャスター
「朱さん、中国は北朝鮮の後ろ盾と言われていますけれども、どう見ているのですか?」
朱教授
「私は最近、北朝鮮の核をめぐって、中国のスタンスがここ1年ぐらいで少しずつではあるのですけれども、1年足してみると大きく変わり始めたと思います。それまで中国の中で、長老、旧軍人だとか、かつての北朝鮮との同盟関係、かつて一緒に戦ったというようなところが、北も悪いけれども、あまりいじめちゃいけないと。あるいは安全保障上、もしかすると中国にとって緩衝地帯になるとか、混乱したら中国の東北部にも難民が来ると。ですから、まあまあと説得はするけれども、それ以上厳しいいろんなことで、制裁、圧力を加えてはダメではないかなということが中国国内で強かったと思うんです。しかし、昨年1月の核実験のあと、3月の国連安保理の制裁決議、中国は初めて北に対して、中国が実際の制裁措置をとるということを約束した。中国言ったのは本当に実行しているかどうかいろいろ言われるのですけれど、少なくとも1つ、私が知っていることは、北朝鮮に対して飛行機が使う油、航空燃油の禁止、禁輸というのをずっとやってきている。最近チラッと聞いた話ですけれども、北朝鮮はもしかすると飛行機が飛べるようなオイルが3カ月しかもたないのではないかと」
反町キャスター
「それは、民生用はOKで、軍用はダメではなかったでしたか?」
朱教授
「現在、基本的に北朝鮮に対しては航空燃油は基本的に全部制限すると。しかし、金正恩さんはまだ強気なので、そこでまた、中国の友人から、もしかすると本当にそれ担当する部署がこのように困った状況をトップに報告していないのではないかと、報告したら自分の責任でどうされるかわからないというようなこともあります。しかし、そのような中で、私は昨年の3月の決議、11月の決議で、中国は初めて石炭の輸入禁止ということを引き受けて、この2月以降は特に、今回最近のトランプ・習近平電話会談、習近平さんから、北からの石炭満載した船を我々は送り返したと、そのようなことで見れば、中国はこの1年変わってきた」
反町キャスター
「朱さん、米中首脳会談の直前に、環球時報にですか、レッドラインというのかな、中国側から見て対北朝鮮の絶対これを越えてはいけない線というのを示したという、これは具体的にどういうものなのですか?」
朱教授
「私はこれはかなり重要な1つ…」
反町キャスター
「用意したものがあります、紙が。これがどういう意味なのかという、先に読んじゃいましょう。環球時報、中国の政府系の新聞ですね。それに4つのラインが出ました。北朝鮮の核実験による中国への汚染を容認しない。2つ目が、北朝鮮からの難民流入による混乱を中国は望まない。3つ目は、鴨緑江、これ中朝国境の川ですね、中朝国境の向こう側に反中国政府体制ができることを望まない。つまり、現在の北朝鮮にレジームチェンジが起きて、反中の政権ができることは望まない。4つ目が、米軍がこれも中朝国境に来ることを認めないと。つまり、中朝国境のギリギリのところまで米軍が北上すること、それは認めない。この4つですね。この4つが米中首脳会談の直前に環球時報に出たと、これはどういうことですか?」
朱教授
「2月5日の環球時報に出たんですね。このレッドラインというのは、中国では底のラインと書いて、はっきりと示し、そのあとはこの表現を繰り返して使っているんです。その中で3、4の項目というのは、ある意味、これまで主にアメリカに言っていたもので、それを列挙しているのですけれども、1番と2番、北朝鮮の核実験認めないということは、そこは中国自身の国内向けの、あるいは中国の外交のための、1つの論理の整理をしていると思うんですね。中朝条約がある、そうすると、外部から見ていても、中国が北朝鮮に対して厳しいことをしない、あるいは外部からの攻撃を中国も結局、認めない。実際、これまではその延長で見てよかったのですけれど、しかし、ここ1年は国連安保理の制裁決議には同調した、ここです。私はその表現というのがミソだと思うのですが、すなわちこれらで中国東北部の安全と安定、我々何よりもそれを優先にすると。すなわち中朝条約、もちろん、重要ですけれど、しかし、この条約があるからと言って中国自身の脅威にとって安全、安定が脅かされれば、それでもあなたを守りますかと、もう守らないよと」
反町キャスター
「中朝同盟というのは、片方が攻められたら、自動的に参戦して守るという、そういう建て付けではないですか?」
朱教授
「当初はそうでした。1980年代に中国から特使が北朝鮮に派遣されて、当時それについての解釈でもう1つ限定を加えたんです。それは北朝鮮が発動する外に対しての攻撃、それに対して我々は自動的に支持するものではない。それについては一定の限定をしたのですけれども、しかし、今回のことは北が核実験をする、もしかすると、アメリカが攻撃する、言ってみれば、中朝の条約の範囲に入ってしまうわけですね。それに対して中国はまさにそこから論理を整理してかわすために、まずアメリカがこのことで砲撃していても仕方ないということで我々は東北部の安全と安定が重要と。もう1点だけ付け加えさせてください。それを米中首脳会談の直後の4月10日に、同じ環球時報、社説に書いたんです。北朝鮮がこれまでに5回も核実験をやったからと言って、6回目は大したことにならないと思うとこれは大間違い。もし新しい核実験をしたら、北京とワシントンの反応はおそらく空前のもので、転換点になる可能性があると。そのようなことを示しているんですね」
反町キャスター
「手嶋さん、どのように見ていますか?」
手嶋氏
「これは正確なご説明なのだと思うのですけれども、この行間にあるものはワシントンの情勢が変わってきている。つまり、オバマ大統領とトランプ大統領は違うと中国の指導部は見ていると。しかし、従って、今度核実験の6回目のボタンを押せば、トランプ大統領は、伝家の宝刀を抜く可能性があるということを同時に言っていると解釈していいのだと思います」
反町キャスター
「そうすると、中国はアメリカの北朝鮮に対する武力行使を、容認とは言いません。武力行使に対する準備に既に入っているということでいいのですか?」
手嶋氏
「こう言ったら1番正確だと思います。核実験をするとアメリカは伝家の宝刀を抜くかもしれない。だから、核実験は断じてしてはならない。なぜならば中国にとっては、自分の前庭でアメリカが介入するというのは、国益に最大に反するところになりますから、その点で中国は現在、目には見えませんし、成功するかどうかわかりませんから、外に出してないのですけれども、あらゆるルートを使って説得をしているのだと思います」
武貞特任教授
「4つの文章よく見たら、1つ1つひっくり返すようで申し訳ないのですけれども、北朝鮮の核実験による中国への汚染を容認しないと。中国への汚染、核実験をしたあと中国まで放射能がいくには相当距離があるし、ほとんど汚染の可能性が今までもなかったし、どうぞ、やってください、大丈夫よとも見えます。北朝鮮からの中国への難民流入による混乱を望まないというのは、金正恩体制が崩壊するような時、米韓軍が38度線を越えて、北上し、たまらないと言って、北の人が川を越えて行く事態、現時点では考えにくいですよね。鴨緑江の向こう側に反中国政府体制ができることを望まない、これは3月1日に北朝鮮の外務次官と王毅外相が北京で中朝協力関係を深めていくことを確認したと言っていますし、ワシントンでは中、もっと米朝協議をやりなさい、アメリカはと、トランプさんに習近平さんはおっしゃった。あの言葉は平壌の労働新聞の社説そのものですよね。反政府体制ができることを望まないけれども、できるはずがないと思っている。まさに中国は思っているわけであって、心配は要らないと、レッドラインを越えるわけがないよねというところで、こういうことを書いたところがいかにも中国の戦略的な発想が見え隠れするのですけれど。もう1つ、米軍が鴨緑江に来ることを認めないというのは、すぐ米軍が38度線を越えてドンパチやって、北朝鮮の軍隊を蹴散らして、鴨緑江に行くようなシナリオが見えていますか、見えていない。4つとも北朝鮮、がんばりなさい、中国は支えていますよ、環球時報という記事ではないですか」
手嶋氏
「そうは言えないと思います。これはこのように読めばいいと思います。北朝鮮が核実験に踏み切るような場合には、アメリカは直ちにレジームチェンジ、北朝鮮の体制を転換するとは言っていないのですけれども、結果的には外科手術的な空爆などを通じて、北朝鮮体制の現在の拠り所、核と長距離ミサイル、この2つの基地が破壊をされるということを通じて、体制変換が起こるかもしれない、これをきっかけに、ということを言っていて、そうすることになると、まさに韓国との統一というのか、韓国に併合されるような事態もあり得るかもしれない。そうすると、在韓米軍は鴨緑江ところまで来ますね。そのような最悪の事態が起こってしまうということに対して、環球時報を通じて、環球時報は日本の新聞の感じとまったく違いますから、検閲当局が細かくチェックをして言っているということですから、そう読むべきで、武貞さんのように読むべきではない」
朱教授
「要するに、武貞さんの話は、北朝鮮は核実験をする、しかし、アメリカは攻撃できないと、他の国、中国を含めて、結局何もやろうとしないというような話だったら、今回、米中がここまでして、トランプさんは中国を評価して一緒にやろうというところ、今日の番組の意味がなくなるわけですね。私が言いたいのは、第一にトランプさんがここまでプレッシャーをかけるということは、中国はある意味、アメリカが拳を振り上げるということが、中国が北朝鮮に圧力を加える時に有利なんですよ、アメリカにここまでされると、我々が何かやらないとアメリカの制裁を受けると、それが第一。第二に、今回は東北部の安全と安定ということは、北朝鮮が常に我々が核実験をやるのは、我々はアメリカの脅威に対してであって、中国には関係ないというようなことを言って、中国は何を言うのだと、中国と関係があるのだと。東北部の安全と安定に関係するのだと。だから、我々は黙っていられないというようなことを、これまで言わなかった、今回それを言った。アメリカが強く言うことで、中国は最近、ここ数日で、本当に核実験をするならば、石油まで止めてしまうよというような話まで出ているわけですね。各国が本当に協力して、いかに北朝鮮に対してプレッシャーをかけていくかの1つの良いタイミングだと思います」
手嶋氏
「もう1つ、大切な点は、現在のアメリカ大統領は、ジョン・F・ケネディ大統領ではないですね。ドナルド・トランプ大統領。ドンドン支持率が下がっている。国際的にも孤立をしている。しかし、4年後には何としても再選したい。そういう大統領の立場に立ちますと、歴代の武力行使、10回以上、その現場に立ち会ってきましたけれど、武力行使をして、支持率が下がったことはないですよね。あらゆるケースで言うと、アメリカが武力行使をした時に支持率が高まる。トランプ大統領はその誘惑に抗しがたいという側面もあって、ここのところはトランプ大統領ですということを武貞さんに申し上げたいです」
どうなる?米中の対応
武貞特任教授
「『中国は、朝鮮半島非核化の実現と平和安定の維持を目標としている。平和的な方法で解決すべき』と習近平さんの言葉ですが、中国が朝鮮半島の非核化の実現を目指していると言う時に、中国は別の言葉で何度も言っていますけれど、米韓側が軍事力を見せびらかして刺激するから、北も軍事力、あるいは核兵器を持たざるを得ないのだということを言うわけですね。その言外に北朝鮮はアメリカが核兵器を実は韓国に隠しているでしょうと言っています。中国はそこまでは言わないけれども、米中関係に影響してしまいますから。中国が朝鮮半島の非核化を目指していると言う時、米韓側、あんた方もあんた方だね、あんた方が刺激するから、あるいは怪しげな武器を韓国に置いているからということも含みながら、習近平さん、あるいは歴代の指導者もそうですけれども、喧嘩両成敗的に言ってきたわけです。それを中国が朝鮮半島の非核化と言ったら、中国の指導者が北朝鮮を攻めたね、という解釈をするところから全ての誤りが始まっている。それを聞いたトランプさんが勘違いして、中国は朝鮮半島の非核化ということで、北朝鮮に核を手放せということで本気になったねと一瞬思ったかもしれない。だから、非常に良い会談ができたと言ってしまった。トランプさんの指導部の中に北朝鮮問題を何十年にも渡って分析してきた人が1人もいないから、こういうことになってしまうんです」
朱教授
「中国は今回、核というところが最大の脅威であるということをアメリカと認識が一致したということは、アメリカもはっきり確認したんです」
武貞特任教授
「違う」
朱教授
「中国は平和解決という表現は、おそらく今後も常に言い続けます。1979年の例を言わせてください。1979年2月に中国はベトナムとの国境戦争に踏み込んだんですね。1月に鄧小平さんが訪米するんです。中国はアメリカに対して、ベトナムをやるのだということを伝えたのですけれども、カーター大統領は1度も支持とは言わない。平和解決、と言うけれども、中国はわかった、私達の心配は1つ、中国がベトナムとやっている間に、ソ連が後ろからやるかどうかと。そこでカーターさんはソ連に対しては我々は対処すると。今言った例で意味がわかると思うのですけれども、中国は建前では、当時のカーターさんと同じように、平和的解決と常に言い続けます。しかし、現在は核が共通で、当時はソ連の覇権主義。現在は核対策で一致していることを私は認識しなければいけないと思います」
武貞特任教授
「違う。しかし、中国は今度ばかりは北の核に対して姿勢が変わったのだというのは20年も前から聞いてきましたよ。ウラン濃縮型の核開発計画をやめさせるために中国はリーダーシップをとって北京で6か国協議を開いてくれることに同意したのだと。今度ばかりは中国は変わったねと皆、言ったんですね。変わりましたか?北朝鮮の核問題については中国の姿勢が変わってきた。核をつくり続けている、枠組み合意、1994年10月21日の枠組み合意以降、中国は心配し始めた、核を持ち続ける北朝鮮は中国にとっても将来、脅威になるだろうから許さないだろうと節目節目でずっと皆、言ってきたけれども、まったく変わっていないではないですか」
反町キャスター
「中国の政治的、経済的な台頭。小さな国だった時の中国から見た北朝鮮の重要性と、世界ナンバー2の大国になった中国から見た時の北朝鮮、重要性は小さくなっているとは思いますよね」
武貞特任教授
「重要性が小さくなっているから、核弾頭いいではないのと中国は思っていると思いますよ」
反町キャスター
「この中国の変化とトランプ大統領の出現で、それでも北朝鮮に対する北朝鮮の政策は変わらないと思いますか?」
武貞特任教授
「変わらないですね」
手嶋氏
「変わったんです。中国は、朝鮮半島の非核化の実現というのはついこの間まで、武貞さんはそのポイントは韓国サイドにあるのだという指摘は、一貫して武貞さんの鋭い指摘として支持してきたんです。しかし、これはオバマ大統領が選んだことで現在の情勢下で言うと、北に微妙に軸足を移しているように読むべきで、現にそうですね。それから、トランプ大統領はそんな細かいことは知っていないと言うのですけど、まさにその通りでそのことが恐ろしいですよ。中国はそれも飲み込んで、要素として今回の情勢を見ている。だから、こう言っているという、まさに国際政治の、首脳会談のダイナミズムというのはこの点にあるんですね」
反町キャスター
「そういう趣旨から見れば、フロリダでの米中首脳会談は、習近平さんに圧力をかけたように見える、もしかしたら追い詰められているように見える習近平さんがトランプさんをうまく転がしているというような話に聞こえてくる」
手嶋氏
「トランプ政権としては中国に大きなお土産を渡しているんです。一つの中国。一つの中国というのは、中国も、台湾も、アメリカも、日本も全部内容は違うんです。しかし、One-China policyというのは、中国はそのことを全部知っていて、いいですと。まったく違う内容でもいいので、One-China policyということに同意をしてくれればいいのだということを2月9日の電話会談の最大のエッセンスで、この時、中国側の発言について、アメリカの外交当局が意を尽くして書き上げたもので、トランプ大統領は習近平主席の要請に応えて、一つの中国、One-China policyの重要性を尊重することにしたと日本のメディアでは捉えられているのですけれど、実は恐ろしいことにOur One-China policyと書いているんですね。アメリカは、自分達のOne-China policyをと書いているんですね。中国はそれについて異を唱えないということでいうと同床異夢ということであって、ここが中国の台湾問題についての最大のポイントで、そこを妥協しているので、ここのところについては、武貞さんのジャッジメントは昨日のものという」
朱建榮 東洋学園大学教授の提言 『今度こそ 各国の連携』
朱教授
「今度こそ各国の連携が大事だと思います。考えてみれば、北朝鮮というのはGDP(国内総生産)で小さな国です。どうしてここまで大きく見せることができたのか。周辺諸国が互いに打算を持って喧嘩している。いろいろと北朝鮮に逆に利用されている。その意味で、最近は、関係諸国は北朝鮮の核の対策が1番という認識で一致してきた。私は、その勢いを維持すべきだと思います」
武貞秀士 拓殖大学海外事情研究所特任教授の提言 『南北・米朝・日朝の協議を!』
武貞特任教授
「平和への提言ということですから、韓国と北朝鮮は対話をすべきでありますし、新しい大統領の下でそれは実現すると思います。アメリカと北朝鮮は協議を再開して、拉致・核・ミサイルの3つの問題を抱えている日朝は、2014年以来途絶えている、日朝協議を進めながら、信頼醸成を進めることによって、核兵器よりも経済の方が大事だねということを金正恩さんに語りかけることが大事だと思います」
外交ジャーナリスト 手嶋龍一氏の提言 『米朝会談で"核実験せず"の言質を!』
手嶋氏
「最終的に核実験のボタンを押すかどうか、金正恩委員長の判断にかかっているのですけれども、その北に影響力を持っているのは中国、アメリカということになります。中国の説得によって、米朝会談を実現し、核実験をせず、という言質を少しでも引き出すということが重要だと思います」