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2017年4月10日(月)
論戦『受動喫煙』防止 養老孟司×自民×厚労

ゲスト

橋本岳
厚生労働副大臣 自由民主党衆議院議員
鈴木俊一
自由民主党たばこ特別委員会委員長 衆議院議員
養老孟司
東京大学名誉教授 解剖学者

養老孟司×厚労省×自民党 タバコの煙『分断』の方策
橋本議員
「既に健康増進法という法律があって、それで今を去ること14年ぐらい前から、公共の場というか、多くの人が集まってくるような場所、公衆の場、英語でPublic Placeですので、多くの人が集まってくる場所で受動喫煙をできるだけ防止する努力をしなくてはいけないという法律が既にありました。それによって、たとえば、交通機関とか、いろいろなところで分煙を進めようという動きというのが、それなりに進んできていると思います。一方、受動喫煙によって健康被害が出ている、それが1万5000人と推定されているという話ですが、そうしたことがあるということ。また、ある調査では40%ぐらいの方が飲食等の場でタバコの、他人の吸う煙で不快な思いをしたことがあるという答えをされた方がおられます。これは数字の話ではないのですけれども、たとえば、喘息だとか、科学物質過敏症の方という人がおられて、その方々はそもそも煙がある場所に入れないという人が世の中におられます。たとえば、この間ある勉強会をして、その講師の人に、2次会で飲みに行きましょうと言った時に、そこは禁煙の場所ですかと、そうでなかったら私は行きませんということをはっきり言われました。なぜですかと言うとそれは喘息になるからという話ですけれど、たとえば、そういう方に対して、病気というのは自分の本意でなるわけではありませんが、できるだけいろんなところに行く機会、自由を増やしてあげたいと思っています。そのためにしっかりと公衆の、パブリックの場、飲食店だってそうです。そういうところについて基本的に禁煙にさせていただいて、もちろん、タバコを呑まれる方もおられますから、喫煙室をつくってもいいということにしてはどうかと。もちろん、タバコを呑みたい方については、プライベートなところ、自分のおうち、自分の車の中、それから、屋外の広いところで吸ってもらえれば他の方に受動喫煙で不快な思いをさせることはないですよね、そこに喘息の人がいるのか、いないかはそこで判断していただいてという話で、だから、そこで吸っていただければいいでしょうと」

受動喫煙と健康被害の関係
反町キャスター
「人のタバコの煙によって年間1万5000人が命を落としているという、この数字に関してはどう感じますか?」
鈴木議員
「数字の正しいか、正しくないかはわかりません。ただ、少し多いかなという気が率直に言っていたします。この問題は、厚労省と我々自民党のタバコ議連の間で膠着状態に現在なっているわけでありますけれども、それでは目指す方向がまるっきり明後日の方向で違うのかというと、そうでもないです。我々も欲せざる受動喫煙というものは、キチッとこれは対策をとっていかなくてはならない。タバコを吸うというのも国民の権利であります。同時に欲せざる受動喫煙を受けたくないというのも1つの権利と思うんですね。ですから、タバコを吸う人も、受動喫煙を受けたくない人もお互いの立場を尊重して、お互いが両立できるような社会をつくっていこうと。その手法ですけど、我々はしっかりした分煙社会をつくっていく。そういう中においてこうした喫煙者も、あるいは受動喫煙を受けたくない人もお互いの立場を尊重する状況ができあがってくるのだと思うんです。海外諸国における法規制、日本は0~2種類と。70か国、アメリカとかがあるのですけれど、その1つで、厚労省はこれで日本は世界最低レベルだと言っているんです。でも、これは極めて外形的な評価です。つまり、WHO(世界保健機関)においてガイドラインがあって、法規制をきちんとやっているか、罰則規定があるかというようなことで言っているわけでありまして、確かに我が国は法規制が現在のところありません、罰則規定もありません。従って、そういうことで言えば、確かにこの分類に入るわけですが、これはあくまで外形的な評価であって、それでは日本の喫煙環境がどうかと言うと、これは世界最低どころか、私は世界水準に達していると。さらに言うならば、屋内はともかく、屋外においては世界水準よりも先をいっている部分があると思うんです。屋内の話はあとにすることにしますけれど、屋外の話についてはご存知の通り、現在いろんな地方自治体が条例で歩行喫煙を禁止する、あるいはタバコを吸う場所も限定すると、そういうことを言っています。東京の場合も23区のうち、22区がそういう条例を掲げてやっているわけであります。この他に政令指定都市ですとか、かなりの地方自治体がこういう条例をやっているんです。これはどれぐらいの規模でやっているかと言うと、実に人口6000万人住んでいるエリアでやっているんですよ。つまり、日本国民の50%以上の方々が生活しているエリアにおいて、地方自治体がそういうような屋外におけるなんらかの規制をやっていると」

受動喫煙めぐる対立の行方
反町キャスター
「こういう議論が現在、国会であがってきている状況についてどういう目で見ていますか?」
養老名誉教授
「間接喫煙の話は、どうも私はタバコを吸うから言うわけではなくて、はなから無理があります、いろいろ。昨年も禁煙週間がありましてパッと出た数字がその1万5000人、これは交通事故の死者を上まわると報道された。これは幽霊と人間と、つまり、片方は推定値ですよ。交通事故というのは確定値ですよ、特定できるでしょう。間接喫煙は特定できませんから、そういうものはあくまでも推定値であって、だから、カッコ推定値となっていますけれども、でも、メディアが報道する時はそれを縮めて言いますから、そう簡略に言われることを想定して言っているという感じがする。だから、ちょっと無理でしょう。そういう値を並べるのと科学的にどう思いますかと言われたら、そもそも並べないよという話になる」
秋元キャスター
「他人の煙は嫌だなと感じますか?」
養老名誉教授
「それはね。これが随分大きいと思うのは、建築が変わりましたでしょう。我々が若かった頃に比べて、隙間風が入らないようになって完全なクローズドだと。そうすると、1番嫌なのはクーラーが効いているところでたばこを吸われる、車ですね。僕らはクーラーがない時代から車に乗っていましたから、そうするとアレは吸うものではないと自分でもそう思っています。だから、国によって事情が違うのは当然で、たとえば、日本でも北海道はきついと思います。なぜなら冬の間、完全に閉め切ってしまうから。そこでタバコを吸わされたらたまったものではないから、それがダメだとよくわかります。外に出ると零下20度と言うと(外に吸いに行くのは)結構きついですけれど。そういう環境の変化があります。サッシとエアコンは非常に大きかったと思いますね」

受動喫煙防止の『線引き』
秋元キャスター
「厚労省が出している受動喫煙防止の強化法案と自民党のタバコ議連の対案について趣旨を聞いていきます」
反町キャスター
「小学校、中学校で喫煙場所を定めて専用室をつくればタバコを吸ってもいいというのは違和感があるのですが、どういう意味なのですか?」
鈴木議員
「我々が、喫煙専用室が可としましたのは、田舎に行きますと、夏祭りだとか、盆踊りとか、小学校しかない。小学校を使って地域の人の絆を深める催しをするわけですね。それから、3.11がありましたが、熊本もそうですが、避難所になる。小学校が教育の場だけではなく、多目的に使われることがあるわけでありまして、そうならば、たとえば、避難所の中でバケツを持って、バケツの水の中にポイポイやれば、受動喫煙を受ける人がいるわけですから、だから、どこか隅の方にでも喫煙専用室を設けておけば、そういう欲せざる受動喫煙を防ぐことができると」
橋本議員
「鈴木先生がおっしゃるような場合は、それはあるのだと思います。ただし、私達は基本的に小中高というのは教育の場だし、医療施設は医療の場なので、そこに注目をして今回のような規制をさせていただいている。どちらが原則で、どちらが例外なのだとか、そこがどうミックスされるかということだと思いますが、私達は原理原則に立った形でのご提案をしていると」
反町キャスター
「飲食店の30㎡以下のスナック、バーを除く屋内禁煙の規制の話ですが、これはどういう意味なのですか?」
橋本議員
「お店についても、いろんな人が出入りをする場所ですよね。だから、英語で飲み屋をパブというわけで。そういう場所についてはどんな人も気持ちよく入れる場所であるべきだというのが私達の考え方です。先ほど、喘息の人だとか、化学物質過敏症の人の話を言いました。これは好き嫌いの話ではなくて、本人の体質の問題です。ですから、ここはタバコ可ですと言った瞬間にその人達に入るなと言っていることと同じことになります。そういうことを公衆の場で許していいのでしょうかと。ある意味で、障がいという言い方をするのかどうかはわかりませんが、そういう方の行き先を増やしてあげたいと思っているんです。だから、基本的には禁煙にしてくださいと、ただし、喫煙室はつくっていただいていいですということにしています。そのうえで、30㎡以下を抜いた意味は、要するに、小さいお店です。もう1つ、飲食店について言うと従業員の人をどう考えるか。務めている人もいるし、高校生のバイトもいるかもしれないと。その人達を受動喫煙に晒してはいけないだろうということもあって基本は禁煙にしようと。ただ、小さいところは、スナック、バー等、お酒を主に出しているところについては高校生のバイトはいないだろうし、子供のお客さんも来ないだろうし、基本的にはお一人、お二人でやっていらっしゃるようなお店はお客さんもそんなにたくさん来られるわけではない、そういう意味で言うと、そこで仮にタバコを吸われても、受動喫煙の被害がそんなにたくさんの人に及ぶわけではない。そのうえで喫煙室をその狭いお店につくってくださいと言うのも難しいでしょうと。なので、ここは規制の対象外にしてもいいのではないかと」
反町キャスター
「鈴木さん、自民党(たばこ特別委員会の)案の表示だけというのは、ここはタバコが吸える店ですよ、ここはタバコを吸ってはいけない店ですよという表示を玄関先に貼っておけばいいということですよね?」
鈴木議員
「そうです」
反町キャスター
「橋本さんの説明は、その店で食べたいのだけど、タバコの煙のせいで入れないという人達に対し、その店に対するアクセスの権利を保障してあげたいという話に聞こえました。どう考えますか?表示では店へのアクセス権を排除することになると思うのですけれども、そこはどう考えているのですか?」
鈴木議員
「このへんになると、両案で多少違ってくるんですね。と言うのは、立脚点が違うんですね。厚生労働省の案というのはあくまで健康ですね。タバコを吸う、タバコの煙が健康に被害をもたらすと、そういうことでこういう案になる。我々はそれを踏まえて、欲せざる受動喫煙を防ぐのだと。タバコを吸う人も、欲せざる受動喫煙が嫌だという人もお互いに認め合う、両立できる社会をつくっていこうというのが我々の立脚点ですから、ここらへんにくると変わってきてしまうんですね」
反町キャスター
「両立という結果が表示?」
鈴木議員
「そうですね」
反町キャスター
「話を聞いていると、両方ともスジが通っているように聞こえてしまうのですけれども」
養老名誉教授
「狭い範囲かもしれないけれども、現状では、たとえば、学校は吸ってはいけないですよ、基本的に。どこの学校に行っても吸えませんよ。吸う時は、私は外に出ます。それが当たり前になっています。それをなんで法律化というか、一生懸命にやろうとするのか。現状をご覧になったら相当きつくやっていますよ。私はそう思いますね」
反町キャスター
「一斉に網をかけるのではなくて、事業体とか、自治体、もしかしたらコミュニティかもしれません、個人かもしれないけれども、そこに委ねるべき話である?」
養老名誉教授
「本来はそうだと思います。コミュニティがちゃんと機能していると思いますよ」
橋本議員
「ただ、私は、そうは思わなくて、喘息の人とかがいるという話をしました。この人達は選んで喘息になったわけではありません。タバコというのは嗜好品ですから、お好きで吸っていらっしゃるのだと思います。タバコを吸うというのは確かに権利ですが、喘息になった方、そういう方々の行く場所がないということと同列に扱うのはおかしいと思います。その人達のことを、タバコを呑まれる方々が、現在でも気をつけていただいていると思います。ですが、皆さん全ての人がそういう人がいるということを頭において、タバコを呑んでいただいているか、日本社会がそうなっているかと言えば、残念ながら、私はまだなっていないと思います」
養老名誉教授
「そこまでいくともっと大きな話になって、近代文明そのものの話になるんですね。たとえば、空港に行けば、私はいつもテロリストの容疑者です。だって、検査を完全にやるでしょう。こういう社会が人にとってハッピーな社会かというのはこれからの問題になってくると思います。それが最先端なのではないでしょうか、議論としては。こういう世界が望ましいのかと。現在、全世界の8割の人が都会に住んでいるんですね。そういうことをそのままやっていくのか、政治家として将来の社会の理想像みたいなものを、甘いかもしれないけれども、もうちょっと考えてもいいのではないかということを絶えず感じるんですね」
反町キャスター
「子供や妊婦、喘息の方のアクセス権を確保しなくてはいけない、アクセス権を広げるための法的措置なのだと言われると、なるほどと。そこは個々人の意識によって補うことができるのかという話ですよね?」
養老名誉教授
「これもまた具体的に考えるといろいろありまして、本当に困るんですね。私は保育園の理事長を30年やりましたけれども、ああいうところは当然、タバコを吸ってはいけないのですけれど、事故もありますし、たとえば、お母さんがタバコを吸っている、 持ち方を変えなさい、と注意したこともありますが。ぶつかって。細かいことを言えば、いくらでもあると思うんです。ただ、アクセス権とおっしゃった、そういうことになるとこれを国がきつく言ってくるのはよくわかる。なぜかと言うと、1万人に1人起こることは、個人のレベルでは切り捨てますよ。宝くじに当たるような確率ですから。これが国になると4ケタですから、全体としたら1000人になりますから、これは決して少ない数ではない。そこが現代社会の問題点で、我々って、人間、全世界人類皆、平等と言うけれども、本当にそう思っているのですかと。日本社会からまず立脚していかなければ、あの国に住みたい、いいなというのが、私は理想的ではないかなと。その時にたくさんの人が入ってきます、アメリカとかですよ。しょうがない。シンガポールが典型だと思いますけれども、すごくきついです。それはあれだけ移民がいて、いろんなところから入ってきたらルールをきつくしなくてはもたない。日本の良いところは、悪いとも言われますけれども、あれだけの戦争をして180度ひっくり返して、常識を。にもかかわらず、ここまで平和でちゃんとやってこられる国ですよ。それはなくしたくはないですね。それは法規主義でやったわけではないです。皆の暗黙ですよ、誰が説教したわけでもない。法規制がそれに対して1番良い方法なのかということはもうちょっと考えてもいいのかなと思いますよね」

禁煙か分煙か…対立の行方
秋元キャスター
「カフェに行くと分煙が進んでいるではないですか?分煙ではダメなのですか?」
橋本議員
「私達の案では、これはダメということにしています。喫煙室はいいけれども、分煙はダメとしています。それは2つありまして、ドアを開けたり、閉めたりしていますと、人の出入りがあると、それだけで煙が漏れることがあるよねと、そういうのが1つ。こういう形でサービスをしているところが、喫煙を可と不可で分けていくと、従業員の人が吸ってしまうわけですね。と言うと、先ほどの話に戻ってしまうんです。だから、喫煙専用スペースであれば、従業員の人は入ってこない。店が済んだあとの片づけとかはあるのでしょうけれども。だけれども、そんなに多くなくて済む。また、喫煙をする人と受動喫煙対策を考えても、(喫煙専用スペースであれば)もっとエアコンをちゃんとやるだとか、換気をする等々ですれば、快適にタバコを吸いやすいですよねと、なので、こういう形で、是非してはいかがでしょうかと、そういうことができますという形にしています」
鈴木議員
「分煙スペースの、テーブルで、こちらは良くて、こちらはダメというのは、それは分煙スペースにならないと思いますけれども、(ガラスで区切るなどの)お示ししたものであれば認められるべきだと思います。ドアを開けた時に煙が漏れるとか、そういう話はあるかもしれませんが、受動喫煙を100%できなければダメだと言ったら、タバコを禁制の品にするしかないです。社会からタバコを放逐する、そうしなければ実現できないので、100%と言わなくても、ある程度の欲せざる受動喫煙の環境を防げるのなら、これは認めるべきであって、こういったような分煙スペースであれば、認めていいのではないかと思います」
反町キャスター
「自民党の対案で言うと、飲食店は表示ということになっていますが」
鈴木議員
「飲食店については、禁煙、分煙、喫煙、この3つを表示するということにしています」

タバコ離れで『安定税収』は…
秋元キャスター
「タバコは商品価格の約6割が税金という特殊な扱いをされている商品なのですが、国と地方にそれぞれ27.8%の税収が入ります。喫煙者は減少していても度重なる増税によって価格が値上げされていまして、2兆円台の税収を維持してきた安定財源と言えるわけですが、厚労省案のように屋内禁煙が徹底されていくと結果的に税収減になる可能性を懸念されないのですか?」
橋本議員
「吸う場所についてご注意をお願いしますというのが、今回の法案の趣旨ですから、そうでないところで吸っていただくことについては何も申し上げる気はありません。税収に対しても特にグッと減るような効果はないと思っています」
鈴木議員
「重要性について私があらためて申し上げるまでもなく、国と地方を合わせて2兆1000億円ですから、特に地方のような、岩手県もそうですけれども、財政基盤が極めて脆弱な地方自治体にとりましては、タバコ税は重要な財源です。従って、今回の我々の、欲せざる受動喫煙を防止するというようなことをやることによってタバコ離れがさらに起こって税収が減ってしまうということについては心配と言えば心配です。心配というよりも、注目しなければいけないと。ただ、今回議論するにあたって、タバコ税の税収減が問題だという、そういう議論は、率直に言って、あまり出ていないです」
反町キャスター
「葉タバコ農家への支援みたいなものは、この法案と抱き合わせて議論されたりはしないのですか?」
鈴木議員
「それは1つの形ができあがっていますから、葉タバコ生産についてはJTが、タバコ会社が一括、全量買い入れということをやって、それなりの支援策をやっています。従って、今回の議論で、合わせてタバコ農家に対しての新たなものというのは、これは考えていませんし、むしろタバコ審議会というのが毎年ありますが、そういう中で別途支援策を考えていく、こういうことだと思います」
反町キャスター
「それが出口になる感触はないのですか?」
鈴木議員
「抱き合わせをすれば、これで認めていいのではないのかと、そういう議論はありません」

『屋内禁煙社会』影響は…
橋本議員
「1つ加えて言うならば、喫煙室設置可としています。そこに対してあまり体力のない中小の飲食店は大丈夫なのかという議論はあるので、中小企業についてだとか、生活については補助をするというのはメニューが既にあります。新しく用意するのではなくて、労働安全衛生法という法律があって、従業員の受動喫煙を防止する努力をするという努力義務がかかっています。それを後押しするということで喫煙室等をつくるとか、そういうことを含めた従業員受動喫煙対策という意味で、それでお客さんが使う喫煙室をつくっていただいても大丈夫という補助の仕組みがありますので、それはしっかり維持していって、今後仮にこの法律をつくらせていただいた時には、ニーズというのがたぶん出てくると思いますから、しっかり対応させていただきたいと。生活衛生業については、別途、低利の融資の仕組みがありますので、それでもご支援をさせていただくということは、私達も考えています」
反町キャスター
「鈴木さん、どう戦うか?戦略、戦術が見えてこないのですが、最終的に総務会や部会で、数で押し切られる懸念は持っていないのですか?数では反規制強化が有利ですか?」
鈴木議員
「まず我々の案でもいろいろなところで喫煙専用施設を設置可としていますので、それに対する支援はしっかりとやっていかなければならないという立場です。今後のこの法案の展開ですが、そもそもこの1月になりましてから、厚労省から厚労部会において説明がありました。この国会でこういう法案を出したいと。部会として了承するわけですけれど、その中でこの受動喫煙防止強化法について、その時にはまだ案が決まっていないと。成案を得るにあたっては関係諸団体並びに部会での意見を十分踏まえて法案をつくっていきますという答えだったんですね。これは約束なんです。ですから、我々はその部会での意見というものを議連の場で取りまとめて出したのがこれです。ですから、約束があるわけですから、我々の案というものを踏まえたうえで法案をつくっていただかなければ、あの段階で了承したということの前提が崩れてしまうと、そういう思いでありますので、我々としては現在もボールは厚労省にある。早く我々が投げた案を踏まえた成案を示してもらいたいと」

薄れ行く『昭和の紫煙』時代
反町キャスター
「自民党内での議論をどんな想いで聞いていましたか?」
養老名誉教授
「大変だなと思って、ご苦労されているなと。ですから、こういうことを背負っていただく方はすごく大事です。いろいろな利害がありますし、いろいろな考え方がありますから。それをどう調整していくかがほとんどの仕事でしょう。もう1つ、歴史がありますね。タバコの歴史を言い出すと大変なことになるので、扱われ方がまた独特で政治的に使いますよね、はっきりそう言っていいかわかりませんけれども、たとえば、私の子供の頃は恩賜のタバコですよ。恩賜のタバコをいただいて、明日は死ぬぞと決めたと歌っていたのですから。タバコを吸ったら明日は死ぬと冗談を言っていたんです、当時は。そういうふうに使え得る。だから、どういう意味でも使え得るものですから、それは軽いですよね、根本は。困らないでしょう、誰も。嗜好品です。お酒の方がもうちょっときついのではないですかね、その意味では。その軽さというのは、良いようにも、悪いようにもとられていくんですよね」
反町キャスター
「軽いが故に政治の道具になってしまったのではないかという意味ですか?」
養老名誉教授
「それもあります。特に外国で。アメリカでしょう。北欧もそうです。これはよくわかるんです、北欧は。気候のきついところですから、冬場は換気なんてできませんから。そんなところでタバコを吸われてたまるかというのはわかります。感覚的に。理屈ではないと。ところが、アメリカの場合は根深いでしょう。禁酒法をつくった社会だから。しかも、移民の国ですからね。先ほど、少し気になった、前から厚労省がいろんなことをおっしゃる時にWHOとか、外国の研究結果で日本が遅れているという話がありました。これは言わない方がいいのではないかと。と言うのは、日本の方がはるかに進んでいるというか、たとえば、厚労省の管轄で言えば、健康診断を強制していますでしょう。これは最近、『健康診断を受けてはいけない』という本が出ています。それは効くか、効かないか。正しいか、正しくないかという話ですけれど、外国では実は効かないということを、もちろん、全てとは言いませんよ、それぞれの国情があるわけですから、もうそろそろそれを言わずに、日本はこうですよ、と自信を持ってやっていただきたいですね。それで言ってこられるなら、私も喜んで協力しようと思います」
橋本議員
「私は今日の放送でも、あるいはいろんな方に説明する時にも、遅れているという表現は私も嫌いで、私個人としてはそういう物言いはしないようにしています。だけど、こうした方がいいよというのは今いろいろお話したような理由で思っていますけれど。海外から言われたから、WHOから言われたから、というのは参考にすべきだと役所としては思いますけれど、だからと言ってそれに全てを合わせるのがいいのかというのは、日本における法規制を考えるわけですから、日本の現状を、吸っている方、吸わない方、あるいは生産している方、お店をやっている方、いろいろな方々の立場を踏まえた日本らしい規制をつくるべきだというのは、私達もそれはそうだと思っています。そのうえで、それぞれの立脚点が違うので、2つの案がテーブルに乗っていますが、そこのところは、私達はそんなに違っていないと思います」
鈴木議員
「WHOのことについては、橋本さんが言ったようにしていただければいいのだと思います。ところが、これまではそうでなかったわけですから、WHOのガイドラインに合わせて日本は最低レベルだと言って、それは法規制があるか、罰則規定があるかという外形的な話であって、実際のこの世の中の喫煙環境の話になっていないですね。だから、これまで厚労省がそういうことを言ってきて、私に言わせれば、印象操作をしてきたと、こう思ってしまうので、お話のように今後はそうしないとあらためていただければと思います」

橋本岳 厚生労働副大臣の提言 『全ての人のための受動喫煙対策を』
橋本議員
「8割の人が吸わない、2割の人が吸う。だけど、どちらの人も受動喫煙の対策はしなければいけないと思います。あるいは嫌で受動喫煙をしたくないという人もいるし、喘息みたいな形でできないという人もいます。いろいろな立場の方々がいますので、そうした方々のことも考えて受動喫煙対策というものをしっかり議論するということを知っていただきたいと思います」

鈴木俊一 自由民主党たばこ特別委員会委員長の提言 『目指せ分煙先進国』
鈴木議員
「我々も欲せざる受動喫煙を防がなければいけないという中で、分煙を徹底に進める。2020年オリンピック・パラリンピックの話が出ますけれど、それを通じて日本型の分煙の先進国たる形をつくる。それがオリンピック・パラリンピックのレガシーとして残していく、それぐらいの気概を持って、分煙先進国を目指していきたいと思っています」

養老孟司 東京大学名誉教授の提言 『田舎暮らし』
養老名誉教授
「先ほど、8割の人が都会人で、これはかなり偏った暮らしと思っていまして、そのためにこういういろいろな問題が起こってきます。受動喫煙が典型ですね。周りに人がいなければ、話にならないです、こんなことは。意味のあるものしか皆さん方はたぶん一日中ご覧になっていないと思います。山に行ったら木が生えている、虫はいる、あれは意味がないでしょう。これをなぜ強調するかと言うと、昨年すごく嫌な事件がありましたね、相模原の。あれは極端な例ですけれども、意味のないものをどの程度、皆さん毎日、ご覧になっているかということを1度考えていただきたい。つまり、世界はどういうものか、自分の人生は本当に意味があるのかを本気で考えてもらいたいんですね。そうすると、謙虚になるでしょう。意味がないからこういうことをやめろと簡単に言ってはいけないと私は思っています」