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2017年4月3日(月)
『鈴木宗男×飯島勲』 小池都政と北方領土考

ゲスト

鈴木宗男
新党大地代表 元衆議院議員
飯島勲
内閣官房参与 特命担当 松本歯科大学特命教授
下斗米伸夫
法政大学法学部教授(後半)


前編

『市場のあり方戦略本部』設置
秋元キャスター
「築地市場の豊洲移転問題についてですが、移転についての検討などを行う市場のあり方戦略本部が発足しました。飯島さん、小池都知事が今回、市場のあり方戦略本部を発足させましたが、この動きをどう見ていますか?」
飯島氏
「ちゃんちゃらおかしいね。風評被害みたいに言っているのは小池知事そのものが火をつけているわけですよ。築地の場合は安心・安全、豊洲は安心がない、安全だけと、これで引き延ばしているんですね。こんなのは百条委員会で石原さん?小池さんの間に、舛添と猪瀬さんがいるわけですよ。それを飛び越えて、けしからんというのはおかしい。何だということですね。いくら支持率が高いからと言っても、現在のやり方は禁じ手ではないけれども、とんでもないと思います」

『小池旋風』は続くか?
反町キャスター
「FNN世論調査で小池都知事の支持率ですが、一時は90%を超えました。小泉内閣が支持率高いと言っても、90%に達したことはないですよね?」
飯島氏
「ないです」
反町キャスター
「90%の支持率は驚くくらい高いですよ。鈴木さん、この支持率、何が要因だと思いますか?」
鈴木氏
「言葉の巧みさだと思いますね。同時に敵をつくる。日本人というのは、1国家、1言語ですね。1国民です。ですから、右、左とぶれやすいですね。敵をつくって、これが善だとアピールしたら、グッとくいつきましたね。特に大東京改革だと、何改革というか何も言っていないですけど、言葉で皆、何かやってくれるのではないかと、このムードで大きな支持を得たと。だんだん下がってきていますね。ですから、これからどうなるかがポイントだと思います」
反町キャスター
「小池さんが選挙で約束した話はたぶん何も進んでいませんよ。豊洲にしても、オリンピックの問題にしても何が起きているかというと、背景に何があったのかという蓋をとると、蓋をとって中を見せてくれる。そこに対する都民の共感というのか、何だそんなことがあったのかという、多少劇場的、エンタテインメント性があるような気がするので、高い支持率かなと思うのですけれども」
飯島氏
「だけど、これで驚く必要はないですよ。待機児童だって補正予算を組んで就任早々減らしましたと。その待機児童は、東京都だけは1人の待機児童のアレは、預かると毎月40万円かかる、税金が。他の北海道から沖縄までの他のところは20万円ですよ。これをどうやってうまくやるかと。79兆円の予算が具体的に今年度成立したと言っても、まったく説明がない、パフォーマンスだけ。これで都知事選まで引っ張りたい。公明党は自民党の連立をやめて、小池塾で都民ファーストと握手する、すばらしいですね。既にポスターが、山口党首と小池知事との2つの顔写真で張り出した。私は7月2日の都議選に、ないかもしれませんが仮に国政選挙をぶつけた場合、総選挙、衆議院を解散して。東京都に限っては、都議候補は、公明党と自民党の戦い。ところが、衆議院の方になると、安倍、山口のポスターで、自公で戦う。これを理解できます?」
反町キャスター
「公明党と自民党の間の軋みみたいなものが、二階さんの記者会見で出ています」
飯島氏
「公明党は衆議院の解散がないと思っているから、こんな場面ですよ。あったら、分解しますね」
反町キャスター
「自民党の幹事長が平場で、公明党の法案審議に対する協力ぶりをこする。さらに言えば、都議会選挙に向けた小池さんとの連携をこする。こういう言い方はなかなかないと思います。現在の自公の関係はどうなっているのですか?」
飯島氏
「私に言わせれば、どうしようもないでしょう。次の国政に出ますと、戦って、そんなことはないですから、ローカルパーティーで国政に出て政権を獲るところまでいくことはあり得ないです。今度、現在お休み中の鈴木先生が次の衆議院で、たとえば、東京の小池塾と都民ファースト?北海道大地の選挙みたいな。だって、所属は無所属だけど、お嬢さんの場合だって、半端でない議員ですよ。これがさらに鈴木先生が出てきますから」
反町キャスター
「公民権の停止は4月29日で解除ですよね?」
鈴木氏
「そうです」
反町キャスター
「それ以降は、鈴木さんは選挙に立候補できる?」
鈴木氏
「はい」
飯島氏
「お休み中だけれども、下手な国会議員以上の活動をしているのですから」
反町キャスター
「現在の自公の連立政権というのは、かつてない危機にあるのですか?それともこういう軋みというのは長年やってくるとあるねと見たらいいのですか?」
飯島氏
「小泉内閣から現在まで、公明党の国政選挙、本当に半端でないくらいいろんなことをさせてもらいましたよ。確実に当選する。ちょっと今、東京都議会候補のアレを見ると強烈な違和感をありますよね」
反町キャスター
「新党大地も同じ地域政党ですよ。小池新党が、都民ファーストの会が国政に出てくる。東京限定の地域政党として出てくる可能性、伸びしろをどのように見ていますか?」
鈴木氏
「私は、国政に進出する可能性はあると思っていますね。ただ、都会議員に何人、候補者を立てられるのか、さらに国政にどんな人を立てるのか、それなりのレベル、基礎体力がなければ、勝負にならないと思っています。それでまだ未知数だと。なにかしらのムード、雰囲気にあおられていっていますけれども、現実、世論調査で小池さんの支持率が高いから今やれば、都会議員の6割獲る、7割獲るとなるけれども、候補者が何人いるのですか?候補者がいないで言っているのはちょっと現実的でないなと思いますね」
反町キャスター
「候補者が希望の塾でだいぶ集まっているという話もあります。その中でどういう人達を都議選の候補者として並べるのか。タマが並んだ時のインパクトもあると思いますけれども」
鈴木氏
「ありますね。大阪で橋下さんがそれなりの勢力を獲ったのは、たとえば、知事になった時も退職金を4分の1まで減らすとか、議員歳費を93万円あったのを3分の1にカットするとか、あるいはバスの運転手が700万円、800万円もらっているのはおかしいと言って、半分以下に切るだとか、目に見えた改革をやったんです。小池さんは大改革と言うけれども、スローガンだけで中身をまだ都民に発表していませんよね。これからどういう政策を訴えるのか、あるいは具体的な東京大改革のビジョンを出すのか、これによって大きく変わってくると思います」


後編

日露交渉と北方四島の未来
秋元キャスター
「昨年12月に日露首脳会談が行われてから3か月が経ちましたが、首脳会談で確認されました北方4島における共同経済活動、8項目の経済協力がそれぞれ動き始めています。下斗米さん、順調に進んでいると見ていますか?」
下斗米教授
「昨年12月の山口、東京で合意をみたと。ロシアはそのあと、クリスマスになりますから、2月、3月に動きがいよいよ出てきたなという感じがします。2プラス2で、ショイグという国防大臣が西側、G7の国に初めてやってきたということを含めて考えますと、ロシアはいろいろな意味で日本に対する期待があると。プラス、今、おもしろいのは、北極ですね。3月にアルハンゲリスクというところで、北極海で今年9月からフィンランドが北極海の開発の協議会の中心になりまして、プーチンさんも相当それにかけている。それがこちら側にやってくるのがミソですね。北極圏航路がアジア極東に向かってきている。ウラジオだとか、このへんに向かってくる。従って、プーチンさんはここ数年間、アジアシフトと言った場合、ウラジオストクを自由港にすると。実際には自由港と言ったってなんちゃってふうであるのですけれど。もう1つ、おもしろいのは自由港が極東全体で15の港に広がって、単にウラジオストックだけではないです。その意味では、この北方領土を含む、この海域全体にある種のこれまでとは違った期待をかけている。これが私はプーチンさんの重要なことだと思います。プラス、トランプさんが当選したにもかかわらず、一挙に米露関係がグランドバーゲンできるという幻想が暫くはありましたね。ところが、フリン安全保障担当補佐官か何かでうまくいっていない。期待していたヨーロッパは今度、メルケルさんも選挙の季節に入りますし、むしろメルケルさんの方がアメリカより対露政策が固いですから。その意味では、日本、アジアということについては、プーチンさんは期待している側面があるのではないかと思うんですよね」
反町キャスター
「結果、それが北方領土の解決、なんらかの進展につながるのかどうか。そこは別ですか?共同経済活動、8項目の経済協力に日本側がきちんと協力することによって、北方四島にも響くのかどうか、ここはどう考えますか?」
下斗米教授
「そこはおもしろいところだと思います。くっつけたり、分けたり、そこがポイントだと思うんですね。1つ考えなければいけないのは、これからロシアは来年3月に大統領選挙になりますから、5月就任式ですよね。ですから、国内政治の季節になってきた。従って、昨年の12月の時点で一挙の解決はあり得ないということは、おそらく合意されたことだと。これが共同経済活動というキーワードなのだろうと思います。その意味では、両首脳がどう話をされているのかはまったく聞こえてきませんが、ある種のツーステップの日露関係についての両者の想いと言いますか、方向性はそういう形でやると。従って、暫くはこの共同経済活動、プラス8項目を1つのバスケットに乗っけて、それでこの9月の東方経済フォーラムで点検すると。今度の4月末どうなるかはわかりませんけれども、そのための準備作業的なことをやる。結局この問題について、ロシアは実効支配している。日本側は領土問題を解決したい。従って、常に日本が押さなければ話が進まない。ただし、向こう側も特に司、司の人達はプーチンさんから指示がでませんと動きませんから、日本だってお役人さんだけでは動かないわけで。従って、定期的に首脳会談をやって動かすという形に、昨年から今年にかけてずっと数か月ごとに首脳会談がなぜ行われるかと言うと、そこはこういうメカニズムになっているのではないか」
反町キャスター
「食い逃げの話があります。食い逃げは、要するに、8項目の経済協力はうまくいく、民民の協力が進む、だけど、結果的に島は1ミリたりとも動かないという、この可能性についてはどうですか?」
下斗米教授
「これは3000億円の規模ですよね。昔はもっと大きな金をおっしゃった方もおられましたが、それはともかく、経済協力についてはまだこれからだと思うんですね。今年もう少し動く大きな案件があるかと思います。ですから、そういうものを出していくと。アメリカはティラーソンという国務長官がサハリン1の担当者であるのだと。これは非常に重要なことだと思います。彼は地政学と、この地域の地形学をよくわかっている。プラス今度、新しくアメリカのNSC(アメリカ国家安全保障会議)のロシア、ヨーロッパ担当にフィルナ・フィルサンというハーバードを出た女性の研究者。彼女はもともと北方領土についての論文がある人です。ただし、アメリカは米露関係が国内問題になっていて、なかなか動きようがない。そういう状況になっているものですから。その分、構造的には平和条約というのは連合国との関係になりますから、米露がかけ離れていたら動きようがない。しかし、経済案件と、この共同経済活動については日本が動き得る余地というのがあるのではないかと見ているのですが」

日露首脳『双方の思惑』を読む
反町キャスター
「飯島さん、現在の北方領土交渉、食い逃げになる可能性は?」
飯島氏
「食い逃げ論とマスコミから出てきますが、まったく食い逃げにはならないです。シベリアはたった600万人の人口だと。だから、プーチンさんは必死ですよ。それを面的に1つの特区ではダメだから、12のプラットホームをつくって、いろいろなことをやってきていますよね。日本で強いのは、相手の人口が600万人というのは、強気にいった方がいい。あとはサハリン。これは本来、敗戦国日本では触ってはならない国連の設定があるわけ。どうですか、鈴木宗男議員が、よくぞあそこに外交のアレを打ったかと。考えられないことですよ」
反町キャスター
「総領事館を建てたのは鈴木さんの判断?」
鈴木氏
「はい」
反町キャスター
「総領事館をあそこに建てるということは、逆に、そこの領有権の問題に決着をつけるということですよね。これはロシア領であると、はっきり。当時ソビエトか、領土だと認めることになるわけですよね?」
鈴木氏
「総領事館をつくった時は既にロシアです。1991年にソ連が崩壊して、ロシアになっていますから。私が北海道開発庁長官の時に、総領事館の前半部分の出張駐在官事務所というのにしたんです。1年経って格上げをしたんです。その時、私は閣僚として戦後初めてサハリン、ユジノサハリンスクに行った経緯があるんですね。北方領土を解決するには、飯島さんが言うように、サハリンが宙ぶらりんになっている。そこは日本の善意で、ここはロシアのもので、サンフランシスコ講和条約で放棄をしているわけです。国際社会の中でも。だから、これは国際的な論理からすれば、日本のものではないわけですから。黙って日本の公館をつくれば、ロシアのものだということになるわけですから、何の軋轢もなく。また、好印象が北方領土でも活かしていこうということで考えたものです」
飯島氏
「これはそういうことを考えると、下斗米先生もそうだけれど、現在の国際情勢を見ると、外務省の外交というのは、私は絶対に必要なことはわかる。時に内容によって政治的な外交が必要ですよ」
反町キャスター
「外務省の外交は政治的な外交ではないのですか?」
飯島氏
「私に言わせれば、そういうこと。単なるボトムアップ。そうではなく、官僚が法律の範囲内で、こうだ、ああだという議論、なかなかいかない。今言ったサハリンの領事館の設置、これは外務官僚から見ればとんでもない話で、それをまったく外務大臣ではない、あの時は北海道開発庁長官兼沖縄開発庁長官、北と南両方やってきたんだから。それ以外もアレですけれども。こういう政治的な外交というのは今ほど必要です」
反町キャスター
「先ほどの8項目における経済協力。極東開発に対して日露間の協力と言うと、日本からの協力だ、民民と皆さん言うということは、日本の財界とロシアの財界の間で、要するに、2プラス2みたいな話ではなく、日本の財界とロシアの財界の間で協力関係、信頼関係というのは醸成されつつあるのかどうか、飯島さん、どう見ますか?」
飯島氏
「日本ではサハリン1、2という状態で双方話題になっているが、セチンさんぐらいしか出ない。ウラジオストクに総理が行った時も財界人と言うとセチンさん。ソチでもセチンという状態です。実際にはロシアに他の大物の財界人がいるわけですよ。たとえば、トランプ氏の元側近にロシア側から報酬11億円、これロビイストですよ。プーチン氏の側近。デリパスカさんという、私、知り合いなのですが」
反町キャスター
「プーチン大統領と並んでいる映像を用意してありますけれども、この人はいったい何者ですか?」
飯島氏
「これは学生時代から世界で第2位のアルミ会社。これをプーチンさんからこれは国営会社だけれども、製品の半分は会社で売りなさいと言って、びっくりしたわけですね。では、私が全部買いますと言って、デリパスカ、大学生が会社に乗り込んできて最初はルーブルで買ったんですね。イギリスに行って全部売った、ドルで。すごく大きくなった。さらにその次に今度は国営企業だけれども、株を皆、所有しなさいと。株なんてわからないですよ、我々の国と違って。これも、デリパスカさんが全部、私が買いましょうと言って、多岐に渡って、コングロマリットの、いろんな企業をやっている」
反町キャスター
「富豪ですよね?」
飯島氏
「ケタ違いです」
反町キャスター
「デリパスカさんという人の影響力というのをどう見ていますか?」
下斗米教授
「1990年代に、ソ連崩壊したあとにほとんど中央権力が、政府がないような状況で民営化が進んだものですから、デリパスカさんは、ロシアの電力というのは水力を含めてタダみたいなもので、アルミというのは電力を食うわけですからね。これを西側に持っていけばアルミの地金がすごくお金になって、従って、1990年代はアルミが富の源泉だった。ところが、現在ティラーソン国務長官の問題にも絡むのですが、ロシアの中で、大富豪、こういう1990年代の大富豪も重要なのだけれども、もう1つは、おっしゃられたセチンさんだとか、そういうエネルギー産業を結局、プーチンさんが1番違ったのは何かと言うと、エネルギー産業を、戦略的なところは50%以上を国家がコントロールすると。なぜそれが起きたかと言うと、ホドルスコフスキーさんというデリパスカさんよりもお金持ちの、ロシアのユコスという石油会社、東シベリア、この会社のオーナーが自分の株を売って、一説には大統領、プーチンの次を狙ったという、本当かどうかはわかりません。しかし、売る相手がどうやらエクソンモービルだったらしいということで、逆に、ロシアがショックを受けた。つまり、ロシアは、エネルギーとかなんかを全部西側に獲られてしまうという恐怖感を持っちゃった。逆に言うと、エネルギーしか売るものがなかった。従って、プーチンさんは2003年や2004年に戦略的な決定をして、エネルギー部門、軍産部門、こういったところだけは民間には任せないと。あるいは政府がコントロールすると。そういう仕組みで市場経済をつくったわけですね。それを1番知っていたのがティラーソン国務長官なわけで。ですから、デリパスカさんとか、毎年プーチンさんは80人ぐらいクレムリンに呼ぶのですけれども、絶対1つだけ条件があって、政治にはコミットするなよと」
反町キャスター
「たとえば、セチンさんとか、デリパスカさんとか、普段、僕らが口にしているようなラブロフさんとか、プーチンさんとは違う、大統領の周辺にいる富豪とか、経済人の名前というのが出てきました。ロシアと交渉するに当たって、いわゆる表向きの政治家と政治家の交渉だけの話なのか。今言ったような名前の人達を、いかに潰していく、ないしはその人達をマークしていくこと。これはどう考えていますか?」
鈴木氏
「ロシアは憲法で明確に外交は大統領の専管事項です。総理大臣は内政だけです。はっきりしているんですね。そういった意味で、プーチン大統領を取り巻く財界人も全てプーチンさんの言う通り、プーチンさんの決定には従いますということですよ。ですから、下斗米先生が言った通りロシアはエネルギーが1番です。世界一の資源大国ですから、油、ガスは。だから、世界一の資源大国ロシアと世界一の応用技術を持った日本がしっかりとジョイントすれば、これは世界に貢献できる。これは安倍総理、プーチン大統領の共通の認識だと」
反町キャスター
「プーチン大統領の周りを囲む富豪、経済人、エネルギー関係の人達が、島のことをどこまで考えてくれるのですかと。ずっと心配で、飯島さんにも聞いているのですが」
飯島氏
「それは期待したいのは、プーチンさんがこれまで知っているプロの外交官から、自分が直に、また、デリパスカさんとか皆、共通で知っている、日本を良く知っている、たとえば、前の大統領長官。これ昔、現在インドネシア大使をやっているガルージンの下で働いていた。これを大統領府の長官にする。世耕大臣のカウンターパートナーのマキシム、これもベテランで同じようにまだ30代か40代ぐらい。これも日本の大使館にいて、日本語ペラペラです。これまでの経験を抜きにして、日本をよく熟知して、日本語もできて、すぐにいろいろわかる、縦、横、斜め、全部やっている、年齢を問わず、カウンターパートナーの大臣にした。これはプーチンさんも本当に日本のアレをわかっていて、食い逃げとか、そういうことではなくて、同時並行で歩調を合わせて前に行きたい」

プーチン大統領の『本心』
鈴木氏
「プーチン大統領は人間関係、あるいは親子関係を熟知しているんです。と言うことは、アントンさんの、彼のお父さんは、ロシアの大きな軍需産業から自動車産業を握っている人がいて、プーチンさんの側近です。そのもとでの副社長です。あるいはお爺ちゃんはエストニアでの共産党第一書記をやっているんです。そういう人間関係を見て、プーチン大統領は登用しているんです。それと同時に、1つ大事なのは、歴史的に極東に人を住まわせる、極東の発展がロシアの力の源だと思っている。155年前の帝政ロシア時代の総理大臣の演説を引用するんですよ。ストルイピン、5年やった総理大臣がいる、帝政ロシア時代。彼は極東に人を住まわせる、力をつけさせる。これをいつも言っていた。それをプーチンさんは、大統領に2回目、就任した時、この人の話をよく引用するんです」
反町キャスター
「それが島の返還につながるかどうか、そこです」
鈴木氏
「極東の発展には日本の応用技術を活かしたい。ロシアにとって中国は要注意の国です。それは国境が4000kmあって、そこに中国の人が1億1000万人もいるんですよ。ロシア人は700万から800万人しかいないですから。中国が脅威です。朝鮮半島も国境を構えているから、ここも警戒心がある。日本は海を隔てていますから、警戒心がないですよ。同時に、日本に対するシンパシーがあるんですね。特にプーチンさんは柔道もやっている。礼に始まり、礼に終わる、日本の文化をとても重んじていますね。私はそういった意味で、領土問題、国境確定というのはトップの判断しかないです。そのトップの判断は強いトップでないといけません。プーチン大統領は80%の支持があります。安倍総理も50%から60%の支持がある。この強いリーダーで解決するしかないし、安倍総理は昨年の首脳会談時の記者会見でも、次世代には委ねない、私とプーチン大統領でこの領土問題、平和条約問題は解決するのだと言っていました。これが1番の肝だと思っています」

北方領土と『特別な制度』
秋元キャスター
「昨年行われました日露首脳会談で、四島において共同経済活動を行うための特別な制度について交渉を開始することで合意しました。これによって、ロシアが特別な制度をつくる話し合いに応じるということで、ロシア側が態度を軟化させたという見方もあったのですが、ロシアの本音は特別な制度以降も変わっていないと見た方がいいのでしょうか?」
下斗米教授
「ロシアの外務省も戦略的な決定は、鈴木さんがおっしゃったように、大統領外交の国ですから、ラブロフ外務大臣も含めて、彼が決めているわけでは必ずしもないですね。むしろナルイシキンさんという国会議長から、今は治安機関の全部まとめる役になっていますが、ああいう方が毎年、東京にやってきて、そういう形で、日本の話をプーチンさんにあげてたり。ですから、プーチンさんの外交はいろいろな意味でマルチチャンネル、その中に安全保障もあるし、経済もあるし、外交もあるわけで、その中で、モログロフさんはもちろん、日本担当ですけれども、日本風に言うと局長クラスですよね。ですから、彼の立場からすればロシア法としか言う以外ないんですね、実効支配して。1946年から自分達の領土だという、それを言い続けて。こういう問題が出たら上で処理して、解決してもらうと。だから、この間、1年間か2年間ぐらいはトップレベルのメカニズムと、司、司の矛盾をその度ごとに決めていくという、そういうタイプのやり方で、これも来年、おそらく大統領選挙が終わるまで、プーチン大統領再選になるまで、そういう形で進むのだろうと思うんですね」
鈴木氏
「言葉をそのまま受け止めてはいけないですね。特別な制度をつくるというのは両首脳で合意しているんですよ。そこで3月18日の秋葉・モルグロフ会談で日本側は30の提案をしているんです、北方四島でしたいという。ロシア側が26の案件を、私が聞く限りそういう案件が出ているんですよ。ですから、何をやるかはこれから詰めていくんです。そのスタート台ですから。日本は日本の立場を主張するしかないんです。ロシアはロシアの立場を主張するしかないんですよ。それを受け止めて、ロシアは変わっていないと言ったら大間違いで、あるいは日本も弱いのではないかと受け止めているのも大間違いで、まずはスタート台に着いた、これが大事なんですよ。まず何をやるかメニューを決めるしかないんです。水産加工のルールと観光、医療のルールが同じルールでいいかというと、そうはいきませんから。私はメニューに応じて、安倍・プーチン会談で昨年決まった、特別な枠組みをつくると。それをメニューに応じてやればいいと思っているんです。それが現実的だと思っています。そういった意味では3月18日の秋葉・モログロフ会談も大成功だったと。同時にその話の中で安倍総理がプーチン大統領にもうひと押ししなければいけない部分もある。プーチン大統領に確認をとらなければならない問題もある。それが4月27日、28日に予定される首脳会談だと。それが終わってから、7月にはG20があるわけですから、9月の6日、7日にはウラジオでの東方経済フォーラムがある。11月にはAPEC(アジア太平洋経済協力)もあるわけですから、私は昨年並みの4回の首脳会談ができると思いますよ。ですから、私は相当動くと思います、間違いなく。とりあえず日本は日本国民に対する説明だと受け止めてください。ロシアはロシア国民に対する説明だと。外交とはそういうところにあるんです」

北方四島『経済活動』の実相
秋元キャスター
「四島における共同経済活動の主な提案事業ですが」
鈴木氏
「日本側も加工場をつくることを日本側も考えているんです。ロシアも水産加工場の設置とあります。それならばお互いやれるなということがあるんです。あるいは医療協力なども日本はできます。ロシアもそれを期待しているんです、島の皆さん方は。専門医が足りないですよ。ですから、日本のお医者さんが行く、島の人を見てあげるだとか、あるいは患者を北海道で受け入れるとか、やり方があります。観光についても日本のノウハウを活かしたいと、そういう考えを持っているんです。たとえば、択捉島ではギドロストロイという財閥、サハリン本社の、会長は上院議員で、プーチンさんと非常に仲のいい人ですよ。ギドロストロイはホテルもつくっているんです、1泊5万円の。あの択捉島で。サウナ付、プール付です。ですから、変わってはきているんですよ。ただ、お客さんへのサービスなんかは日本のノウハウを活かしたいという気持ちを持っているんですね」
反町キャスター
「いろいろ協力すると、北方四島がますます暮らしやすくなる。豊かになって、暮らしやすくなった島を日本に還すのか。僕は還さなくなるのではないかなと。かえって日本に還ってこなくなるように条件を整えているように見える。そんなことないのですか?」
飯島氏
「それはあり得ないです。55年4月7日に沿った前提条件があるということをプーチンさんから確保できれば、例え、10年、20年、協調しながら、北方四島の経済活動は構わないと思う。特別な関係でやっていく場合というのは、ルーブル、円も構いませんよと、多岐に渡ってくる。日本側のアレで1番興味を持ったのはウニですよ。ウニは島の周辺ですよね、昆布も。これをロシアが認めてくれたら、すごい出来事だと思うんです」
反町キャスター
「歯舞、色丹が日本に還ってくる帰属の問題はあるにしても、旧島民の人達が、新たな日本人が本当に住むのかどうか疑問です。住む人がいますか?」
鈴木氏
「元島民の皆さん方は平均年齢が81.3歳です。私の聞く話によると、要は、自由に行ければいい、住む気持ちはない。これが率直な返事です。故郷に対する郷愁、先祖の墓がありますから、自由に行ければ好きな時にお参りしたいとか、島で朝を迎えたいとか、そういう気持ちが1番です。それを安倍総理は今回、昨年12月の首脳会談ではがんばって、元島民の墓参を増やす、これまで行けなかったところへも行かせる。今度は飛行機も使わせる。これもまた非常に大きな、元島民にとっては、安倍総理はしっかりやってくれたなという部分があるんです」

鈴木宗男 新党大地代表の提言 『一にも二にも信頼醸成』
鈴木氏
「一にも二にも信頼醸成、これによって解決できると思います」

飯島勲 内閣官房参与の提言 『同時進歩』
飯島氏
「日本とロシア、政治経済一体で着実に前に進んでもらいたい」

下斗米伸夫 法政大学法学部教授の提言 『チャンスを生かす』
下斗米教授
「米露関係が再びモヤモヤとしてきましたね。プラス、ヨーロッパもなんとなく動きが鈍い。そういう意味では、日本の立場というのはロシアとつなぐ非常に大きな意味があると。今年春からエネルギーが、LNGがやってきますね。これはまさにプーチン政権の肝になりますから。その意味でチャンスだと思いますね」