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2017年3月22日(水)
天皇退位特例法制定へ 地位・称号…残る課題

ゲスト

津村啓介
民進党皇位検討委員会事務局次長 衆議院議員
所功
京都産業大学名誉教授 モラロジー研究所教授
山内昌之
東京大学名誉教授
橋本寿史
フジテレビ解説委員
 

天皇退位『特例法』制定へ 国会提言…与野党合意の裏側
秋元キャスター
「さて、天皇陛下の退位を可能とする法整備についてベースとなる国会の提言が、今月17 日、衆参正副議長から安倍総理に提出されました。こちらが国会提言の骨子なのですけれども、特例法で退位を規定する。皇室典範の附則に特例法は典範と一体をなすと明記し、これにより退位は例外的措置だが将来の先例となる。退位への国民理解など退位に至る事情を特例法に盛り込む。退位後の陛下の称号や待遇なども特定法で規定する。女性宮家創設など安定的な皇位継承の方策についての検討を政府に促すというふうになっています。山内さん、いかがですか?」
山内名誉教授
「1つは、議会制民主主義の下において、与野党が衆参両院議長・副議長の斡旋、あるいは調停。その間に立って、与野党の違いをまとめ上げていく。この間の各党、与野党関係者の調整の技術。それから、政治的な、ある意味では歩み寄りに対する姿勢。これは政治の、ある意味では奥義。政治のある種の、芸術的な側面で、これが今回、非常に見事に発揮されたという点で、私は関係された方々に敬意を表したいと思うんです」
反町キャスター
「山内さんから奥義という言葉が出て、すごい褒め言葉だなと思って聞いていたのですけれども、普通、この話、出た時には、与党側からは特例法。野党4党は恒久法でいこうよと、典範改正でいこうよとこういう話になって、激突案件かと普通は思いながら、でも、さすがにこの件で激突はないだろうなと思いながら見てきた経緯があるではないですか。実際に与野党の交渉に関わられた立場とすると今回は普通の与野党激突案件とはスタートからだいたい雰囲気が違いました?いつまでもケンカをやっている場合ではないよねと思いながらケンカしていたと、そういう意味ですよ」
津村議員
「そうですね。最初から、私はケンカだとは思っていませんから、陛下のあれだけ言葉を出されたといいますか。8月8日のお言葉を、国を思う国会議員が襟を正して聞きましたが。そんなに違う気持ちになるわけがないですよね。その目指すところの時間軸という意味において、確かに私達は最終的に皇室典範改正ということが王道であろう。あるいは時間がかかるかもしれないけれども、目指すべきところだろうと。ゴールとして主張したわけですけれども、どうしても今この瞬間に全てやらなければならないということでは必ずしもなかったのかもしれませんし、逆に自民党や公明党の皆さんもどちらかと言うと、私達よりもスピード感を重視されて、まずは早く形にしようと与党の責任として強くお持ちだからだと思うんです。なので、この与党と野党がそれぞれもち味を活かして、言うべきことを言った。それを現在、山内先生がおっしゃったように、大島議長のリーダーシップのもとで、最終的に時間を合わせて、有識者の方々のご意見も踏まえて、うまくまとめたということだと思うので、私も奥義という言葉、非常に何と言いますか、良い言葉だなと思って今、聞いていたのですけれども、現時点でベストだと思います」
反町キャスター
「そうすると、この2番目のところにある、特例法は典範と一体をなすという表現が入っていますよね。これは、要するに、特例法を求める与党側と典範、恒久法を求めている野党側の妥協の色合いを、妥協しやすくするためにこの文言を入れた。これぞ、まさに奥義の1つですかと思いながら、どうですか?」
津村議員
「私達と3党、あるいは政党の妥協というよりは、この前段には政府の有識者会議における憲法学者の方々からの憲法2条に定める、皇室典範の定めるところにより、皇位を継承をという、その文言との整合性という問題提起がありましたので、そこを払拭しなければならないという使命感で、この文言が入ったと。その過程で、私達がちゃんとしなければいけないよというのは繰り返し述べたことは間違いないのですけれど。もともと憲法学者の方々の有識者会議での、ご発言を踏まえた、これは文言なのではないかと、私達は理解しています」
反町キャスター
「将来の先例となるという言葉がありますね。将来の先例となるというのは、たとえば、今回、特例法をもって退位を認めれば、放って置いても先例になるのは、皆わかっているわけですよ。実際に御厨さんを、この番組に迎えた時に、特例法をつくることは先例になるのだから、それで事実上、今後の進め方の1つの目印になるという話がありました。それを敢えて先例になることを書き込むこと。屋上屋にも見えるのですが、狙いは何ですか?」
津村議員
「最初は、一代限りの特例法か、典範改正か。一代限りという言葉が1人歩きをしたんですね。この一代限りという言葉があまり前面に出ると、あたかも今上陛下が、天皇陛下がご自身の、かなり例外的なご事情で、言葉を悪く言うと、わがままで、自分はちょっと降りたいよとおっしゃっているようにも聞こえてしまうので、そうではないよと。天皇陛下はこれから先のことも見据えたご発言だったわけで、今回のことが本当に一代限りの、たまたまではなくて、将来にも渡って、参考にされるべき事例だということを正確に書き込んだ、非常に優れた文言だと思います」
反町キャスター
「山内さん、この先例となるというくだり、どう感じますか?」
山内名誉教授
「天皇陛下は基本的には典範の定めるところによって、あるいは歴史的に見ても終身ご在位ということですね。ただ、いろいろな加齢、高齢化、様々なご事情、病、等々もあり得ます。その中でこれまでご退位やご譲位に関する規定はなかったわけですが、これは個別的にその人のご事情に負うところも多い。従って、この終身ということだけで、必ずしもいかないところが出てきたわけですね。従って、そういうことを踏まえつつ、しかし、現在の天皇陛下に関して、そのような事情を勘案して、このような特例法をつくるという意味では、1つの、この種のことが起きた場合には先例になり得ると。つまり、終身在位と譲位というような、この2つの可能性に向けて、将来は事実上、新しく先例になり得ると。私どもの議論の中で、この関係に関して確かに見たところ違う要素ですね。違う要素をアウフヘーベンと表現した。昔の哲学でいうところの。止揚するという。もともと違う正というものと、反という違うもの、これを合わせて合というジンテーゼというものになる。そのような、つまり、簡単に言うと、終身ご在位ということだけれども、事情が起きた場合、天皇陛下も人間でいらっしゃるから、必ずしもそうはいかない状況がこれからも出てきうる。あるいは現在、起きてきているのはそういうことだ。そうした場合、ご退位ということで認めざるを得ない。そこで2つ合わさった形で、特例法を皇室典範の附則につけることによって皇室典範に関わる特例法というものを作ると。これは合だと。つまり、合わさったものだと。こういうことです」
秋元キャスター
「さて、今回の提言を受けまして、天皇陛下の退位について政府の有識者会議は今日、およそ2か月ぶりに議論を再開しました。4人の専門家から、ヒアリングを行いました」
反町キャスター
「最終的に特例法でやりましょうということになった今回の国会提言については皆さんからの意見は特例法でなくてということ?そんなことを言う人はいない」
山内名誉教授
「いません。まずいなかったと思ってよろしいと思います。非常に今回も、国会のこの取りまとめに関しては高く評価するという声、これは座長、座長代理をはじめとしてメンバーの中からも、その席でも、あるいは個人的な会話の中でも出てきたということは申し上げておきたいと思います」
反町キャスター
「今後の議論は、詰められていくのだという前提ですけれども、いつ頃?最終提言になるんですね。最終的にはいつ頃をメドにとりまとめられることになっているのですか?」
山内名誉教授
「これは、まだ今日、ヒアリングを受けて、これに基づいて今度は有識者会議で、そのテーマについて議論をしていきます。4月の、だいたい頭に2回することは決まりました。従って、提言がいつ出されるか。何をメドにということは私どもとしては承知していないわけです。わかりません。しかし、現在の流れで見ますと、まさに津村先生方がご努力いただいたのは本通常国会内に法案を上程し、採択という方向にいきますから、そこから逆算をして、おのずからそういう関係で考えます。考えないといけないわけですね、立場的に。ですから、提言もそうなると思います」
反町キャスター
「津村さん、法案の国会提出というのはこの最終提言を待つのではなく、同時並行だという話もある。これはどう見ていますか?」
津村議員
「そうですか。私は、政府での有識者会議での議論を踏まえて、閣法として、出てくると。閣法というのは内閣が提出するという意味ですけれども、それを待って、我々は議論をするというふうに現在の段階では理解をしていたのですが」
反町キャスター
「そうすると、4月の末に提言が出るなら、それ以降」
津村議員
「そうですね」
反町キャスター
「だんだん6月、会期末。それも、でも、基本的に合意をしたうえでの、それに基づいていた閣法ではそんなに審議も長引かないだろうと」
津村議員
「そうですね。審議がどのぐらい時間をとるかということは現在軽々に言えることではありませんけれども、普通の閣議決定された法案についてはそこから1から議論を我々するわけですので、それとは違って今回は政府での議論に先だって、間に挟む形ではありますけれども、国会でかなり時間を割いて、議論を各党、各派がやっていますので、これも含めて、トータルで見れば、議論する時間はあると思います」
反町キャスター
「津村さん、先ほど、山内さんが、奥義というふうに言われたりして、非常に今の話にしても、法案が閣法としても、事前に与野党でしっかり揉んでいるので、審議はスムーズにいくという話がありました。他の法案もこうできないものなのですか?」
津村議員
「今回、それこそある意味で、重要な先例になるかもしれませんね。と言うのは、私達、通常の法案と、今回の話はまったく違いますし、もっと言えば、これから先、さらに皇室典範の議論を続けるべきだということについては、私達は1年ということを言っています。もう少し時間をかけようという与党の考えもありますし、公明党さんは比較的、前向きなのですが。いずれにしてもこれからさらに皇室典範の議論を進めていくには、今回の枠組みは非常に良い先例になると私は思いますし、もっと申し上げれば、憲法改正の議論も、これはまだ各党、私達の党も含めて、議論がまだ生煮えですけれど、これから各党で議論をしっかりしていくためにはまず内閣任せではなくて、まず国会が議論の先鞭をつけるというのは非常にいい先例になるなと思いますので。今回の枠組みというのは先ほど、奥義という言葉もいただきましたけれども、私達、国会議員、これから意識して進めていきたいと思います」
反町キャスター
「たとえば、民主党政権時代の税と社会保障の一体改革みたいに与野党、自公民ですね、自公民でやって法案の大枠をつくったうえで、閣法として提出され、次の政権でも引き継がれる。そういうような話は悪くないという前提で聞いているのですけれども、たとえば、憲法と言いましたけれども、衆議院における憲法調査会とか、現在の審議の状態を見ると、事前に憲法調査会でもんで、与野党できちんと議論したものが修正案として出てくる雰囲気、僕は感じないのですけれども」
津村議員
「現在のところはないですね、そういう雰囲気は」
反町キャスター
「それは与野党の、敢えて野党だけとは言いませんよ、与野党の今回の退位に関する法案だけが特別だという意識が強かったと見るべきなのか、他の法案の努力が足りないのか、どう見たらいいのですか?」
津村議員
「そこはスピード感の問題があったのだと思うんです。今回はある程度、時間が区切られた話だなということは各党、各会派、共通していましたし、陛下のお言葉の中にも、戦後70年を過ぎて、間もなく平成も30年になろうとしていると敢えて言及されていることの重みです。そういったこともありました。ただ、憲法改正については、これは時間軸が早くやるべきだという方と、永久にやる必要ないと言う人と、あるいはそろそろかなという、いろんな立場がありますので。今回のことを1つの先例と言いますか、今回の経験を活かして、私は憲法改正の議論も前向きにできる素地が、だんだんできたのかなと思っています」
所氏
「今回のことで非常に大事なのは、国会の議長が出された中に大前提が2つあって、1つは、陛下のお言葉を重く受け止めるべきだという大前提。それを聞いた国民の大多数がそれを賛意しているという、8割、9割。この2つが大前提になっているわけです。それに関連して、民間もそうですけれども、与野党ともに意見を出していると、そういう背景がありましたから、事前に有識者会議がいろいろ議論される中で、それを踏まえれば、陛下のおっしゃる平成30年あたりまでをメドとして早く結論を出すべきだという時間的な制約と陛下のお言葉の重みと、国民の賛成の気持ちと、それに沿った形で結論を出さなければならないということが、国会の与野党の中でも大きな背景を成していますから」

今後の検討課題は?
秋元キャスター
「天皇陛下の退位後の称号としては上皇、太上天皇とする、敬称は陛下とする、皇位継承の対象からはずす、となっています」
橋本編集委員
「そうですね。上皇ということで皆さん、お話をされていますので、だいたいこの方向でいくのではないかと見ています」
所氏
「私もそれがよろしいのではないかと思います。制度上は8世紀の初め、持統天皇が太上天皇というお名前の最初ですし、大宝律令も太上天皇という言葉が法制用語として出てくるのですが、平安時代の初め頃の嵯峨天皇あたりから、上皇という言葉が公式に使われていますので、私は上皇でよろしいのではないかと思います」
山内名誉教授
「太上天皇という天皇の名称が入り、今上天皇という象徴としての憲法に定められた天皇と、2つ天皇という名称が重なることはどうなのかというのは意見としては当然出てくると思いますが、その時に上皇という名称の方がよりわかりやすいのではないかという、そういう考え方もあり得る」
所氏
「おふたり天皇がおられる印象を少なくとも当初は思うと。それを避けるためにも、陛下ご自身が譲位をしたら全てを皇太子に委ねるとおっしゃっているわけですから、天皇オンリーワンの存在として、退かれた方は上皇と言われた方が、誤解が生じないなという意味でも私はベターだと思います」
反町キャスター
「山内さん、この称号とか、敬称については、有識者会議においては、議論はこれから個別にこうするべきだと思うというようなとりまとめのプロセスに入っていくのですか?」
山内名誉教授
「今日、ヒアリングで専門家の方からいろいろなお考えがありましたから、次回の有識者会議ではこの問題は議題として取り上げられて、いずれ最終提言というものには盛り込まれる、そういうことになります。それで政府に提出し、それをもとに国会の方で議論するということになると思います」
津村議員
「退位後の陛下、上皇と呼ばれるかは別にして、どういう活動をしていただくのかというのは極めて重要な論点で国事行為はもちろん、憲法上はできないです。現在、公的な行為と私的な行為、たぶん一般参賀は公的な行為に入ってくるのだと思うのですが、公的な行為をされないという、そういう仕切りもあり得るわけです、退位された陛下は。そうすると、たとえば、なかなか想像しにくいことであるのですけれど、一般参賀にお見えにならないという選択もあるのかどうか、これはきちんと整理をしなければならない」
山内名誉教授
「そういうことも含めて、これからの議論、最終的にこれはまた国会などのお考えといったものがいろいろと出てくるところだと思いますね」
津村議員
「一般参賀に出るとしますね。そうすると、外国からの賓客を招いたものに出られないのかと。こちらには出て、あちらには出ないみたいな」
反町キャスター
「線引きが難しくなってくる」
津村議員
「では、国体はどうなるのかとか、何とかの祭典はどうなのだとか、線引きが極めて難しいので」
山内名誉教授
「そうです。公務のことの負担軽減というところから出発をして、まさにスピードイズム、バイタルファクターで、このスピード感をもって現在それが1番重要な要因としてやっている面があります。その時のご公務軽減ということについて出発をしたわけですね。基本的に新しい天皇、次に天皇になられる方に、ご公務も含めて、全部、それはおやりいただくという、こういうご趣旨なわけです、天皇陛下の」
反町キャスター
「それは山内さん、僕は本当、新年の一般参賀の時に退位をされた陛下がいるか、いないかというのがすごく気になってきたのですが、誰が決めるのですか?」
山内名誉教授
「これからの、それはまさに最終的に言えば、そういうのは…」
津村議員
「今回の特例法の議論だと思います」
反町キャスター
「特例法にそこまで盛り込むのですか?」
津村議員
「活動範囲とありますけれども、まさにこれから活動範囲の議論です」
反町キャスター
「細かく、一般の国事行為は何とかだけれども、私的行為はどうのこうのみたいな、そういう分け方だと1つ1つのイベントに…」
山内名誉教授
「でも、大きな考え方ですよ。大きな考え方、たとえば、1番考えられるのはご公務を退かれたとしても、たとえば、国賓が見えた時に宮中晩餐会や、あるいは御所などで接辞をするこういうようなファクターをどう考えるか。これは公務でないのか、公務であるのかということについては一定の見方を、これは国会、政府の方で出しておく。これは必要になってくると思いますけれども」
反町キャスター
「どうしたらいいのですか?」
所名誉教授
「これは、明確な話でして、要するに、国事行為は天皇のみがなさることであり、他の公的行為であれ、天皇の公的行為ですね。当然、天皇と皇后を中心とする新年の参賀であり、また、晩餐会でありますから、そこへ天皇の地位を退かれた方が参列されても、それは上皇の公的行為ではないわけですよ。あくまで天皇の公的行為に他の皇族方が参加される」
反町キャスター
「その解釈はありですね」
山内名誉教授
「皇族としてね」
所名誉教授
「大事なことはあくまで天皇が国事行為をなさり、公的行為をなさり、祭事行為をなさるということで、それに他の皇族方もご参列してくださるということを考えれば、何らこれは」
反町キャスター
「参列者、陪席ということであれば問題ないということになるのですか?」
所名誉教授
「そう思います」
秋元キャスター
「天皇陛下の退位に向けた主な検討項目の中にお住まいというのも、1つ、検討課題になっていますけれども、所さん、お住まいはどうなるのでしょうか?」
所名誉教授
「先ほど、ご活動との関係で、お住まいのことをちょっと申し上げたいと思いましたのは結局、天皇の地位、何をなさるかで、お住まいも重要になると思うんですね。それはあくまで公的な天皇の立場でなくて、私的な上皇としての立場でなさりたいこと、たとえば、当然、研究は、ハゼの研究であれ、なさるとか、チェロの音楽をなさるとか、そういうことは当然、御所でなさる。それと同時に先ほど、話が出ていたような国の内外の方々が公式に天皇陛下にお目にかかるとか以外に、プライベートに上皇様や皇太后様にお会いになりたいと。そういう場所として上皇御所のあり様は、非常に重要だと思うんですね。だから、それはあくまでこれまで200年間経験のないことを、どのようにやっていったらいいのかとかということを考えながら、慎重にお住まいの問題は考えるべきだと思います」
反町キャスター
「山内さん、有識者会議では何らかの方向は出していかれるのですか?」
山内名誉教授
「このお住まいを具体的にどこかとか、これは有識者会議の議論を超えるのではないでしょうか」
反町キャスター
「橋本さん、一般的に取材する側として、お住まいの問題については、見立てと言うか、情報というのはどんな感じなのですか?」
橋本編集委員
「即位された天皇陛下というのは当然、皇居の中にお住まいになると私達は考えていますし、その際に現在の両陛下がどちらに住まわれるのか。1つの考え方としては、皇居内にもう1つ、御所みたいなものをつくるという考え方もあります。ただ、そういった場合、予算とか、いろいろなことが出てきた時に、両陛下というのはお気になされるのではないかと。その可能性もあるなという話から考えると、では、赤坂の現在、皇太子様が住まわれている東宮御所に入られてもいいのではないのかもしれないという」
反町キャスター
「交換するイメージですか?」
橋本編集委員
「イメージとしては、そういう感じ」
山内名誉教授
「もともと住んでいたということを考えて。4、5年ですか。ヒアリングでも話題、議論になったのは、今後この問題は結構、比重を占めるのは、お世話をする役所、あるいは担当者、これをどう考えるか。たとえば、かつてであれば院の長とかいうような官職が設けられ、役所が設けられたりすると。そういうような点で、たとえば、どう考えるのかということで、皇后様のご称号も、たとえば、皇太后ということもありますが、歴史的に見れば、女院という言葉などもあり得る。しかし、女院、女性と書いて院ですね。院というのは上皇ですから、お住まい自身が院ということですけれど、しかし、これを現在、使えるのかどうか、こういう言葉、歴史の継続性を持ちながらも、そうした場合にお住まいを上皇御所とするか、あるいは院とするか、あるいは昔風に言えば、かりそめに、冷泉院とか、あるいは白河院とか、こういうようなことにちなんで、お住まいの場所によって院の前につけるとか、いろんなことが議論されるということです。それから、もう1つだけ、現在の東宮職が置かれて、皇太子殿下御夫妻のお世話をしているのですが、かつて香淳皇后が、また、皇太后になられて、皇太后職が設けられました。今回、それに相当する形で設けられるような担当部局、これは上皇職というのか、あるいは院と名前をつけたような、たとえば、院務職とか、あるいはそういうような名称になるかとか、こういうことはこれからの議論の対象になるのだろうと思います」
津村議員
「この議論というのは予算とか、マンパワーも関わってくるわけです。現在、千代田の侍従職の方、77前後だと思うのですけれど、一方で、赤坂の東宮職が50人前後。これを結局どうするかですよね。秋篠宮様のお立場も考えなければいけないわけですし、先ほど、所さんも少しおっしゃっていたのですけれども、おそらく現在の両陛下の想いとしては自らお譲りになるお話をしている時に、新しく自分が何をやろうかとか、引き続き、まだここはやりたいとか、そういうことをお考えになっている段階ではなく、政府の議論、国会の議論をお見守りになっている段階だと思うので、おそらくそこは若干、時期尚早な議論というか、まずは今回、特例法をもう1度、与野党合意できちんと通してから。その後1年半、これも退位の時期の話ですけれども、時間があるとすれば皇位の安定的な継承を含めてですけれど、きっちり議論をするテーマの1つなのかな。ちょっと私は時期尚早だと思いますね」
秋元キャスター
「退位の時期について、橋本さん、現在どういうスケジュールになっているのですか?」
橋本編集委員
「これはこれまでのいろいろな流れと宮内庁のいろいろな中で、1つの想像みたいな形にはなってしまうのですけれども、陛下が、平成30年という言葉を触れられたところから考えるとすると、30年いっぱい、つまり、2019年の1月1日からは新しい年号に変わるのではないかと私は思っていまして、その際に、2018年でまずキーの日を迎えるとすると、この新嘗祭という前に新しい天皇が即位されてしまいますと、ここが大嘗祭という、いわゆる即位してすぐの新嘗祭になってしまう。そうしますと2018年の新嘗祭より前にご即位をされるというのは、大嘗祭の準備が大変な労力が要りますので、23日は現在の陛下がお迎えになられる。もう1つ気になるのは、天皇誕生日の12月23日の、たぶんこれから有識者会議の方でも国民の祭日のところで12月23日、天皇誕生日が現在、祭日の法律では12月23日になっていますので、現在の皇太子様のお誕生日に移す作業、いろいろなことが出てくる。それを変えた時に、そのタイミングで、ここを何らかの形で祝日にするという手もあるのですけれど、突然、そこが違う日になってしまうことを考えますと、これは私の個人的な考えですけれど、23日からこの間にご即位の行事というのが行われるのではないかなと私は予想しているわけです」
所教授
「これは1番気になるところで、しかも、非常に驚きましたのは、1月の10日でしたか、ご譲位の時期を改元の問題を優先させ、要するに、平成31年の元日は新しい年号だということが出てしまいましたよね。これは、私は本末転倒だと思うんですよ。現在の元号法は、まず元号は政令によって定めるという、確かに政府の責任で決めるのですが、その次に元号は皇位の継承があった場合に改めるということで、皇位の継承という前提がなくてはいけないのですが、皇位の継承は、御譲位の儀式というものを考えますと、私は陛下のおっしゃっている平成30年というのは、機械的に平成30年の終わりということではなく、私の解釈ですけれども、平成31年の1月の7日でちょうどご在位満30年になるわけですね。お父様の昭和天皇祭が1月7日で、それが現在の陛下の実質30年間ご在位になったということでもあり、お父様に対する感謝と敬意を表せることになって、それ以後に、1月8日以降になさることがふさわしい。ただし、ご譲位になって、次の方になりますと、即位礼とか、大嘗祭がありますから、大嘗祭をやるためには1年近い準備が要りまして、おそらく2月にはご準備に入らないとできないことですから、現在言うところの平成31年1月の前半ぐらいに、ご譲位があって、2月には新しい天皇のもとで即位礼、大嘗祭のご準備が始まるというくらいのことを考えますと、まず改元ありき、1月1日に改元だということを先行させて考えるのではなく、改元の日というのは途中でもいいわけですが、なるべくご譲位の日に近いのがいいとしますと前倒しで急いで平成30年の12月23日以降、年末にかけてではなくて、年が明けて昭和天皇30年祭が終わり、できれば、新年歌会はじめが1月10日前後にあると思いますから、陛下のお仕事としては大事なことであるんですね。公的行為の1つですけれど。そうすると1月の中旬ぐらい、敢えて言えば、小正月の15日ぐらいが私はふさわしいのではないかと思っています」

『女性宮家の創設』議論
反町キャスター
「女性宮家の創設というのは、陛下のご負担軽減の策ではなくて、安定的な皇位継承の方策として検討するということであれば、その延長に女性天皇とか、女系天皇が見えてこなければ、この議論には入れませんよ。それを含めて、検討するべきだということで、国会提言の骨子になっているということは、与野党で合意したのですか?」
津村議員
「そうです」
反町キャスター
「政府に促すということであって、それを受け取った政府がどう議論をするかは、政府の話?」
津村議員
「検討を政府に促すと同時に、それはもちろん、国会ですから、私達も議論を続けていくべきで、全体会合もこれからも開かれていくわけですから、そこで議論は続いていくと思います」
反町キャスター
「安定的な皇位継承のために女性天皇、女系天皇も視野に入れるべきという、この流れ、この文章、どう感じますか?」
所名誉教授
「よくぞ入ったものだと思います。けれども、私が大事だと思いますのは、男性天皇が圧倒的に多かったわけですから、その事実は重んぜられる。そういう意味で、男性優先だと思います。現在は女性排除ですから、容認して、男性がおられる限り地位を担っていただく。万一の場合は女性に担っていただける。幅を広げるという意味での検課題だと思います」
山内名誉教授
「今回の有識者会議では、この問題に触れるということではないですね。これは大変大きな問題ですから、あくまでも天皇陛下のご公務の負担軽減に関する有識者会議というところから出発していますので、この問題に現在すぐに立ち入るということはなかなかできません。これが入ったというのは、1年を目途にして、結論を出したいという民進党の立場と、その期限に関しては明示していない自民党、与党、公明党も含め、立場というものの間に違いがあるんです。どうなるか、それはわかりません。しかし、これが政治の奥義だというわけです。これは政治家でないとできない議論と、ある種の歩み寄りの中でまとまったわけです。現在の問題を言えば、今回の有識者会議の仕事が終わったあと、それが1年先か、1年以内になるかはわかりません。しかしながら、まさにそういう問題に関して、今度は皇位の安定的継承のために関わるなんらかの議論が開始されるという、そこで本当は議論していくべき大きな問題だということだと思います」

山内昌之 東京大学名誉教授の提言 『相たずさえて日本の未来を築かれるように』
山内名誉教授
「議論のあり方も含めてですが、今上天皇が退かれて、上皇になられると。対立する要素とか、そこで問題があるという見方ではなくて、天皇と上皇が相たずさえて、新しい日本の未来を、新しい皇室のあり方を国民とともに築いていただきたい。築かれるようにと、そういう願いです。また、国民の希望ということでもあります」

所功 京都産業大学名誉教授の提言 『新例を先例として活用』
所名誉教授
「譲位ということは、200年間なかったわけですね。ゼロの状態が200年間続いて、ここで新しい1という新例が開かれるわけです。だから、それに基づいて今後は先例として活用できる状況が現在つくられつつあるわけです。これを特例法でいくのか、皇室典範改正でいくか、これは今後の問題ですけれども、今回、画期的な意味を持ちますのは終身在位しかないと思われた制度を、要するに、生前にご譲位されることが可能だという新例を開いた。今後も先例として活用できる道をきちんと確保してほしいと思います」

津村啓介 民進党皇位検討委員会事務局次長の提言 『女性天皇』
津村議員
「女性天皇の議論を今こそ、しっかりと正面から始めていきたいと思います。なんと言っても、皇室、天皇家を途絶えさせてはならないわけです。これにリスクを負うわけにはいかないわけで、悠仁親王がこれから大きくなられ、たくさんお子さんを産んでいただくわけですけれども、しかし、それとて必ず100%というわけでない以上、私達は、日本の天皇制の将来を考えたら、ここは女性宮家の創設、女性天皇、女系天皇についてもしっかりと議論しなければいけないと、現在がその時だと思っています。1点だけ、現在、秋篠宮さまが新しい年号になって、皇太弟とか皇太子にという議論がありますが、それは愛子さまを天皇にしていく女性天皇の道と逆行する議論だと私は思っていますので、新しい天皇家のもとで秋篠宮さまの称号は秋篠宮さまでいくべきだと、個人的な見解ですが思っています」