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2017年3月13日(月)
豊洲『百条』の焦点 たらい回しの最終責任

ゲスト

大矢實
元東京都中央卸売市場長
北川正恭
早稲田大学名誉教授
佐々木信夫
中央大学経済学部教授
中田宏
日本の構造研究所代表 前横浜市長

大矢元市場長が緊急出演! 豊洲移転問題の『核心』
秋元キャスター
「百条委員会が解明を目指している謎と証人喚問について、まずは見ていきたいと思います。主な大きな謎が3つあるわけですが、まずは、いつ、誰が豊洲への移転を決めたのかということ。それから、東京ガス側の土壌汚染対策の費用について、売ったあとの瑕疵担保責任、つまり、売ったものに欠陥があった場合、売主が責任を持つということですけれども、それがなぜ免除をされたのかという点。予定されていた盛り土がどうしてなくなったかという、この3つが主なポイントです。それぞれの時期ごとに担当者が表にありますけれども、土曜日の証人喚問では福永元副知事、大矢元市場長に、1つ目の経緯の聞き取り調査が行われました。さらに東京ガスの歴代経営陣に費用負担の件について、中心に調査が行われました。当時、豊洲以外にどういう選択肢があって、石原都知事には、報告などはどうされていたのでしょうか?その経緯を教えてください」
大矢氏
「私は平成11年の6月1日から平成13年の6月30日まで中央市場長を拝命していました。平成11年の6月1日に辞令を貰って、現地に行った当時は築地市場ですけれど、現在よりももっといい感じでしたけど。ご案内の通り、私が辞めてから17、18年が経っていますから、先だって行った時はすごい状況になっていますね。耐用年数、私が行った時は65年経過をしていますから、本当に耐用年数を過ぎているということで、屋根がこけていたり、コンクリートがはがれていたり、冷蔵庫が故障したり、エレベーターが故障したり、私がいた時だって1か月だけで、2、3件の事故がありましたね。そういう状況の中で、再整備推進協議会というのが、業界と行政の協議機関がありまして、そこでどうするかという議論をされていまして、その頃は現地再整備という状況でしたね」
反町キャスター
「築地をつくり直す?」
大矢氏
「そう。築地で、あそこは23haという狭い地域ですけど。そこでつくり直すという議論でしたね」
反町キャスター
「ただ、築地をつくり直すという話は、この番組で都議の方を迎えしたりしたのですけれど、ローリング工法と言いまして、一部閉鎖して、出て行ってもらって、そこを工事して、できたら、次のところに入ってもらって、出てもらってと。これは無理だったんですね?」
大矢氏
「それは無理です」
反町キャスター
「そういうことを絞り込んでいく中で、最終的に豊洲に行くしかないという、その絞り込み、どの局面でどう決まっていったのですか?」
大矢氏
「知事が判断をしたのは平成13年の2月の時点ですね」
反町キャスター
「その時の知事というのは?」
大矢氏
「石原さんです」
反町キャスター
「それはどういうプロセスで?」
大矢氏
「それは、私が赴任をしたのは平成11年の6月ですから。それから…」
反町キャスター
「そうすると、2001年に豊洲に行くしかないと決めたのは、石原さんだと。ただ、石原さんは…」
大矢氏
「いや、それは正式表明をしたのは、そこであって、その前の、いわゆる平成12年の10月とか、11月とか、12月の時点で、ほとんどそういう状況にはなっていましたよ」
反町キャスター
「その状況というのは、たとえば、石原さんのこの間の日本記者クラブにおける会見とか、諸々、その手記とか、こういうところから我々が拝見していると、何も知らなかったのだと。都のスタッフから、官僚から紙が上がってきて、知事の裁可をと言われて…」
大矢氏
「平成11年の年の話ですよ。それは、私が赴任した年の話」
反町キャスター
「石原さんは、僕は、交渉は直接知らないのだと。前の知事、副知事、福永さん。福永さんが東ガスとの用地の買収交渉やっていたのだけれども、どうもうまくいかないので、浜渦さんに任せたと。まとまったところで話が上がってきて、ハンコを押してくれと言われたからハンコを押したのだと。俺は知らないのだという話をされている」
大矢氏
「それは違う。(石原元)知事が記者会見されたことには、私の記憶と違う問題点がいくつかありますよ。あの人が思い込みというか、勘違いをされていると思うけれども、たとえば、豊洲移転は前知事の時代から、青島時代から決まっていたとおっしゃっていたんですよ。規定の路線であったと。そんなことはありません。現実に、私が赴任して築地市場再整備協議会というのがあるのですが、そこで喧々諤々やっている時に、5案、6案という現在地の再整備の案が検討されているんですよ」
反町キャスター
「石原知事になってもまだ築地再生、それが残っていた?」
大矢氏
「もちろん。それを検討しているうちに、ローリング工事という、6区画、7区画に分けて、1区画やって、次は2区画、3区画、それができないわけですよ。業界も反対をするし。そこでいろいろな案が出てきて、それは5案、6案、あるのですけれども、それを全部検証するのに1か月以上かかりました。それで、それでは無理だということが2か月ぐらい経ってから、再生準備協議会で、移転も視野に入れた検討をしようという話になるわけです。それで移転も視野に入れたというところで、では、移転先はどこかということで、いろいろ挙げたところが、その中に、5か所ぐらいあるのですけれども、豊洲があるわけですよ」
反町キャスター
「そうすると、その話を聞いていると石原さんが知らないとか、任せていると言っている、それは思い違いか、嘘をおっしゃっているか。それはどちらかしか残っていない?」
大矢氏
「嘘とは、申し上げないけれども」
反町キャスター
「だから、勘違いという」
大矢氏
「だから、知らなかったというのはあり得ないと。私はちゃんと月に1回とか、その都度、重要案件は知事に行きますから」
反町キャスター
「進捗状況を報告に行きますよね?」
大矢氏
「もちろん」
反町キャスター
「その進捗状況、重要案件ではもちろん、豊洲に行くか、行かないかの交渉の過程も含めて、報告に行っていたわけですよね?」
大矢氏
「もちろん」
反町キャスター
「東京ガスとの関わりの話がありました。この話、上原社長と石原さんが会ったということは、大矢さんは知っていたのですか?」
大矢氏
「いや、だから、知事からの電話で聞いたんですよ」
反町キャスター
「それは11月5日、大矢さんと会ったあと。電話があったのは、いつ頃なのですか?まさか、この日ではないですよね?」
大矢氏
「よく覚えていないけれども、11月頃だね」
反町キャスター
「内容はまさにこういう話ですか?先方は聞いていないと。挨拶に行けと」
大矢氏
「そう、どうなっているのだと」
反町キャスター
「挨拶に行けとはどういう意味なのですか?」
大矢氏
「だから、ちゃんと説明をしてこいということで、それは、だけど、社長というのは偉いから、私なんかが直接行って、即、話ができる状況ではないですよ。段階があるわけですよ。東京都の中央市場長というのは局長だけれども、だいたい副社長とか、専務あたりにまず話をつけるわけです。専務、副社長は、当然、社長に上げるということがあるわけです。私は、だから、専務とか、副社長には何回も会っています、それまでに。その話をしているわけですよ。もう最初なんか、冗談ではないと言っていましたよ」
反町キャスター
「それは東京ガス側が豊洲の土地を売りたくなかった?」
大矢氏
「もちろん、それは、だから、豊晴計画が平成10年の時点で、東京都が…」
反町キャスター
「豊晴計画というのは、あそこに総合施設をつくるということ?」
大矢氏
「そう。ホテルだとか、マンションとか、複合施設をつくるという、プラモデルができていましたよ、ガラス張で」
反町キャスター
「それをひっくり返すところに築地の移転というのが…。東ガスにしても迷惑な話ですね」
大矢氏
「それはそうですよ。東京都も入った形で、都市計画決定をしたわけですから。それをたまたま私がいて、1年半でそれをひっくり返すわけですから、それは怒りますよ」
反町キャスター
「ただ、でも、この1999年11月5日に上原、石原会談があった時には、東ガスの副社長や専務に対しての、大矢さんからの働きかけをやっていますよね?」
大矢氏
「やっていますよ」
反町キャスター
「と言うことは、その話が上原さんに上がって、つまり、この話は、東ガスの中の風通しの話なのですか?」
大矢氏
「いや、それはよくわからないけれども」
反町キャスター
「聞いていて、聞いていないとは言わないでしょう、さすがに」
大矢氏
「それはわかりません。それは本人の戦略もあるかもしれません。わかりません。それは売りたくないというのは、それは率直な意見だと思います」
北川名誉教授
「1999年の11月でしょう。その時に、4月に知事に就任をされて、頓珍漢だったと、知事は意識がなかったと。その半年の間に大矢さんが説得されるなり、方向性が決まってきて、この間、社長に会ったら、なんだと、お前、行けというのは、そういう話ができあがっていないとは言えませんね。この期間の半年間で変わっていたのですか?」
大矢氏
「知事もしょっちゅうレクを受けますから。要するに、ふんふんと聞いていますから」
北川名誉教授
「当然それがあったから、社長に会った時、お前なんだと、俺が行ったら、知らなかったと、そういう感じだね?」
大矢氏
「そういう感じです」
反町キャスター
「佐々木さん、ここまでの経緯、どう感じますか?」
佐々木教授
「大矢さんが当事者ですから。それ以上のことはないのですが、ただ、石原さんの立場から見れば、既定路線だったという表現も、そう間違いないではないと思うんですね。彼は1999年の4月から、当選をされて、たぶん10ぐらい彼にとって政治的に重要な問題として公約、財政再建から入りますよね、いずれにしても、たぶん11番目ですよ、どちらかと言えば。自分がやるのであれば。自分は政治的なイシューを解決する。ところが、これは行政上、話を聞くと、鈴木さんの時代から、石原さんを含めて、継続しているものなので、それはどちらかと言えば、副知事以下、官僚組織が基本的に解決することだろう。どこかの段階で自分が判断しなければならないものがあるとしても、新しく始まった問題ではまったくないので、石原都政が敢えて取り上げて、これを重点的にというイメージは、あの方にはなかったのではないかと思いますね」
反町キャスター
「石原さんの食指を動かすようなものではなくて…」
佐々木教授
「はい」
中田氏
「私はまず一般論を言いますけれども、政治家と役人といたとして、過去の振り返りをした時に、どちらがよく覚えているかという話になったら、役人の方です。これは間違いなく。はっきり言ってトップなんていうのは毎日様々な判断をしなければいけないし。そうですよね?北川さん」
北川名誉教授
「そういうことです」
中田氏
「正直、毎日、毎日、いろんな判断です。それは概況を聞いて、概況でもって、これは間違いないのだなと、大丈夫なのだなと、こういう念を押したらゴーサインという、これを繰り返していくのがトップの日常ですね。そういう意味では、もちろん、大矢さんはそうではないけれども、役人が自分のかわいさで、嘘をついているというのであれば別ですよ。だけど、一般的に言えば、政治家、役人で言えば、役人の方が覚えているとまず思います。そのうえでここまでの議論を聞いてみたら、1999年に、石原都知事と上原社長がお会いになったくだりという、この段階において、石原さんが豊洲へ腹を固めていたか、そのことは、私はわかりません。まして大矢さんも含めて、言った、言わないの世界ですから、誰も検証のしようが正直、ありません。ただそのあとで2000年の10月に、いわば水面下の交渉に入ると」
反町キャスター
「浜渦さんの言うところの水面下ですね?」
中田氏
「はい。ところが、浜渦さんは水面下でやりましょうと。本人は言ったといい、それから交渉に入るんですね。かつ石原さん自身も浜渦さんに任せていたと。こう言っているわけでしょう。浜渦さんに任せたことは間違いないわけだから、この翌年、2000年10月には明らかに、石原さんとしては豊洲で決めたのか、完全に1つに絞ったかどうかはともかく、豊洲というのを最有力候補にして本人の中で確信があった。本人の中でこれは豊洲しかないと思うのは間違いないというところだと思います」

検証『百条委の新証拠』
秋元キャスター
「続いて、水面下で行われたとされる都と東京ガスの交渉について見ていきたいと思うのですが、東京ガスの資料の中にあったメモというのは、こういう記述があったということです。日付は2000年12月22日です。交渉に訪れました都側の赤星理事が浜渦副知事からの指示として、東京ガス側に伝えた内容として、土壌Xデーを迎えれば、東京ガスの土地価格が下落するだろう。それまでに結論さえ出せば石原知事が安全宣言で救済するといった内容だったということです。Xデーという表現について、都民ファーストの会の音喜多都議はそのあとに成立しました土壌汚染対策法を指していて、この国の基準が厳しくなる前に比較的緩やかな都の条例に沿った契約で進めたと推測しています。大矢さん、この時期は市場長として東京ガスと交渉されていたのですけれど、都側と東京ガス側の間でこういったやり取りがあったというのは知っていましたか?」
大矢氏
「私はそういうやり取りの場にいませんね」
反町キャスター
「たとえば、この言われた土壌Xデーという、僕も初めて聞いたのですけれども、要するに、土壌を改良するにあたって、汚染というか、正常化の基準があると。その基準が国の基準で厳しくなるから、厳しくなる前に今だったら、都の基準でいいよ、早く売っちゃいなよと。その方が高く売れるよというオファーは?」
大矢氏
「そういう論理は間違っていないです。ただそれを都の誰かが言ったというようなことは、私は信じ難いですね」
北川名誉教授
「話し合いとしては、売ってほしいわけですから、だから、その前提では、あり得る話ですよ。それで2001年に基本合意をしているんです。12月には確認書の交換をしている。その間が誠に怪しい。すなわち基本合意で売りますねとなって、瑕疵担保の責任を回避していますよね。このことが確認書のあたりでほのめかされていると、私は見るわけですよ。従って、そういう中での話し合いでは、表面に出るか、アンダーグラウンドかと言ったら、まさにアンダーグラウンドの話で、これぐらいの話がなければ、あれほど、揉めていて、売りたくない、瑕疵担保責任なんてちゃんちゃらおかしい話で、東京ガスは全部オープンにしているわけですから。瑕疵担保というのは、隠れた秘密事項があって、あとでばれたらお前の責任というのに、最初からオープンにしているわけです。そういう話の中で、それほど複雑骨折した話し合いの中で、こういったことが出てきているから、この間の百条委員会でも、皆さんがおっしゃられることと石原知事が会見で言われたことというのは多少の齟齬があるけれども、それはお互いの立場の違いで、お齢も召してて、失礼な話ではあるけれども、時系列的には2001年の12月の話か、あるいはそれ以前の話かというのの、そこの混乱もあったのだろうと思いますね。公務員的に言えば、役人的に言えば、私どもはそういうことは言っていませんと言うのは、そういう表現になっているけれども、それに近い話もあったかもわからない」
反町キャスター
「それはそうですよね」
中田氏
「これは一貫して東ガスは売りたくないという姿勢がまずあるわけですね。裏を返せば、どういう条件なのだというところが、おそらく東ガス側からすれば1番聞きたいところだと思います。だから、例の、パネルにあった上原氏の発言の本気度をはかりたい。先ほど、大矢さんがおっしゃったように、都市計画決定までしていたのをひっくり返すというのは、本当に大丈夫という話で、大変ですよね。そういう意味では、東京都が軽口で言っていたとしても、本気なのかい、これは。と言うのは、その本気というのは都市計画をひっくり返すだけではなくて、これはどういう土地だかわかっておられますねと。どういう条件でやっていただけるのですかという本気度を、このことを確かめたいわけですよ。だから、そのあと売るにしても、これは相当、東ガスからすれば自分の出費がでかくなる可能性がある。つまり、現状復旧をきちんとさせるとかですね。そのことを自分達にこれを被せられたらとても売れないよというのがきっとあるから、その後の、浜渦さんの水面下の話になり、そのXデーというのも東ガスからすればずっと売りたくない、売るのだったら、相当の条件ですけれども、おわかりいただいていますよね、ということに対する言葉ですよね」

『土壌Xデー』の裏側とは
反町キャスター
「当時の市場長として、この話をまったく聞いていないのですか?」
大矢氏
「まったく聞いていない」
反町キャスター
「それもまたおかしいですよ。だって、用地買収のために東ガスの社長の上原さんに説明しに、挨拶しに行けという人をさし置いて、別の人達の間でXデーがあるのでねと、こういうやり取りは普通、だって一言、言ってから」
大矢氏
「タイミングはそうですよ。その話はずっとあとの話。私が上原さんのところに行ったのが1999年の11月です。この1年後ですよ。その前にこれは10月4日に、それは新しい担当の浜渦さんと私が東ガスに行っているわけですよ。そこでは正直言って、2001年の2月の記者会見をする前の、ほとんど実質合意に近いことを東ガスと話をしているわけですよ。東ガスも公共事業であるから、本当に築地がそんなに困られるのであれば、協力をしましょうということを前年に言ってくれているわけですよ」
反町キャスター
「それはこういう土壌Xデーの交渉がもしあったとすれば、これは完全に水面下で、あらゆるところで、言葉が悪いけれども、握りきったうえでそういうふうに敢えて公共事業、公共のために?」
大矢氏
「いや、その前に公共事業に協力するということは、浜渦さんと私が会った時に、東ガスはしていますよ。そのあとですよ」
反町キャスター
「基本的な姿勢を東ガスが決めたうえで、より向こうが乗ってきやすいような環境整備をする中で出てきた話かもしれない?」
大矢氏
「いや、わからない。それは一切、私には。だけど、市場の最高責任者ですからね。6局会議があって、最高責任者。だけれども、まったくこのことは…」
反町キャスター
「土壌Xデーに縛られない方がよくて」
大矢氏
「まったく聞いたこともなくてね。噂」
反町キャスター
「土壌汚染法が、新しい国の土壌汚染対策法ができる前に、まとめた方がいいですよねという話を東ガスとしているんですというそんな話はないのですか?」
大矢氏
「まったく聞いていない」
佐々木教授
「知事本部。知事本部ですよ」
大矢氏
「浜渦さんと赤星が言っているわけですよね。赤星なんて理事。知事本部というのは、こういう他局に渡る場合には調整役として出てくるんですよ。だから、浜渦さんの右腕の役割ですよ」

土壌汚染対策78億の是非
秋元キャスター
「大矢さんが交渉を始められた当時は、東京ガスは既に土壌汚染対策は始めていましたけれども、そのやり方などについて話し合いがあったのでしょうか?」
大矢氏
「全然関知していません」
反町キャスター
「78億円というのは一応、解決金という位置づけ?」
佐々木教授
「手切れ金ですよ。これでおしまいという」
反町キャスター
「法的な位置づけとしてはどういう意味になるのですか?解決金として支払った以上、その後、何が噴出してきても東京都というのは、瑕疵担保…」
佐々木教授
「そういう契約になっているのではないですか。ですから、瑕疵担保責任は免責をすると暗に含まれたものですね。先ほどの中央市場が移ってくる、市場が築地から移ってくるとなると、ただの建物を建てるよりはいろいろ警戒をするのではないですか。食品を扱う、水産物を扱う市場だとなると、プロジェクトを用意したのだけれども、掘り返しが始まるということの懸念も東ガス側としては持ったのではないですかね」
中田氏
「ここにきてこの振り返りをするとだんだん東ガスもよくわからなくなる。ですから、いい条件で売り抜けてという状態が既にこの段階で発生している可能性があるわけですよ。なぜかと言うと、78億円を負担することになるのだけれど、土壌汚染対策の責務は履行済みで負担に応じる法的責任はないと言っているんです。だけど、公共性から協議に応じると、普通、論理的にあり得ないですよ。株主に対して説明ができないわけです。それでも応じるということは、あまりそういう言葉は使いたくないけれども、東ガス側に弱みがあったと思えるんですよね。そこまでの条件交渉において、都から引き出すものを引き出していて、ある意味において、そのことがいい条件で売り抜けたという形。だから、ここまできたら少し協力しなければしゃあないとか、あるいはそれこそオープンになったら、こちらも困るなという意味において、こういう形の要請に応えたのかとしか思えないぐらいに不思議ですね」

都知事×都庁官僚×都議会 あるべき姿は…
秋元キャスター
「都議会のあり方を見て、いかがですか?」
中田氏
「ドンという言葉が、昨年の都議選以来、定着した感がありますけれども、それぞれの議会にドンなんてものはいますよね、正直な話。だけど、そのドンが果たして私腹を肥やしていたのか。ある意味で、議会の、いろんな考えのある、取りまとめ役なのか。と言う意味でのドンなのか。そういう意味では、どちらなのというのが問われるところだと思います。今回の場合は、おそらくドンを含めて、都議会の幹部は説明を受けていますよ、仔細に。瑕疵担保責任の話とか、それは受けているはずですよ。だけど、質問をするのはその人達ではないですから。都議会において、そういう意味でのチェック機能が働くかと言ったら、それは会派として了解をしたという案件に、質問する側の若手の議員が、ある意味では、それをひっくり返すような質問をするのかと言ったら、情報も知らされていないし、はっきり言ったら、そんなことを知らずの質問を繰り返していたと。こういう状態ではないですか」
反町キャスター
「北川さん、都議会に何があったと思いますか?」
北川名誉教授
「それは、中田さんがおっしゃったようなことだと思いますが、執行部と議会が馴れ合いをやってきているわけです。でなければ、盛り土がないのにあると言ったようなことができるわけがない」
反町キャスター
「この場合の執行部というのは、知事を含む?」
北川名誉教授
「知事も含めて。それで、都庁の皆さんは情報公開をしているつもりだと言われるけれども、我々経験者から見たら、最もブラックですよ。だから、優れた職員はたくさんいらっしゃるのだけれども、そういう体質の中で俺達はこれだけやっているんだという、思い込みがあったと思いますね。だから、都議会に対しても虚偽の報告をしたり、あるいは渡してはいけない予算を、200億円の、政党に復活予算をということが、まかり通っている体質の象徴が今回の問題を提起しているのだと、私は思います」
反町キャスター
「佐々木さん、北川さんが言われた問題はあるのですか?」
佐々木教授
「1つは規模ですよね。400とか、200という数字は14兆円という規模から見れば、よそからみれば大きいですけれども、6000億円というのは三重県の年間予算にも近いという話のようですけれども、全体が大きいものですから、ある意味、視野から外れがち、それで都議会が何の承認もなく、この汚染対策費を認めてきたかと言えば、毎回、予算を通していますよね、説明はしているはずですね。都議会の構造というのは、今度、都議選がありますけれども、選挙の度に3分の1が入れ替わるんですね。当選2回以下が、3分の2なわけですよ。ですから、素人の集まりですね、127人いると言っても。その中で当選6回、7回、8回という自民、公明、一部共産ですね、これがドンであるかはともかく、それぞれ実力者がいるわけですね、生き延びてきた。その人達に基本的な相談をする。で、1、2回生の方々は、質問はするけれども、よくわからないというのか、むしろ次の選挙を意識しながら動く人達ですので、こういう規模の大きい都議会そのものも、どちらかと言えば、無責任体制になる。そういうものでスーッとこういう話が通っていくのだろうなと」
反町キャスター
「現在、小池さんが、都民ファーストの会で多数の候補者を立てようとしていまして、公明党との政策協定を今日結びました。知事でありながら、支持を持っている知事でありながら、都議会の過半数を獲ろうとしているのは、どう見えますか?」
北川名誉教授
「私は、小池ファーストで、何でも与党だったら、都議会議員になる資格はないと思いますよ。知事がそれを仕かけて、与党をつくって、はい、はいということは、彼女の政治手法だから、個人の自由ではあるけれども、私は絶対に取らないですね。執行部の出した議案を否決されたら、都民の代表の都議会が否決したのだから、直せばいいと。こういう緊張関係がないと二元代表の執行機関と議決機関は成り立たないです。ポスターに小池さんと並んでいる都議会候補は落とせばいいと思う。何でも小池さんがやることがいいと言ったら、議会の監視機能がなくなるし、政策提案機能も、立案機能もそれに左右されたら、こちらは独任制の1人の執行権でしょう、こちらは民意の反映が最大のテーマであるから合議制ですよ。だから、独任制と合議制の二元代表で地方の民主主義をやっていることが少し危ないなという、そういう恐れから申し上げている」
佐々木教授
「小池さんは自信がないと思うんですよ、世論の支持は高いですよ。でも、自分に足場がないということは意識として持っていると。ですから、足場をつくりたいのですが、その小池さんの人気を維持していくためには、都議選で多数の都民ファーストの会出身者が多数を占めたら、一気に人気はなくなるんですよ、これは。むしろ少数与党というか、小池支持勢力が議会の過半数を獲らない方が、小池さんがやろうとしている改革は、一般の方々は関心を持って支持すると思うんです。それがアンダーテーブルではないけれども、潜ってしまいますよね。特に小池塾で養成をした人達を議員にするということは、自滅する1つのシナリオだと思うんですよ。それは北川さんがおっしゃった二元代表制を自ら完全に壊してしまうわけですから、都議会は要らないという話になるわけですよね。もっと言えば、小池独裁体制みたいな都政も生まれる。見える化の先に何をやるかが語られていないので、果たして自分の足場を固めて、イエスと言う人達を増やしたとして、何をこの東京大改革でやるのだろうかと、ここが問われているわけですね。現在は、問題提起でいろいろおっしゃっていますけれども、問題解決をキチッと、豊洲も含め、どういう形で見せていくのかなと。それについて都議選に出る方々が何かの答えを持って選挙に訴えるのか、小池さんとツーショットで並んでいるポスターであれば、その方にただ入れるのかは、そのへんは有権者もキチッと見なければいけないですよね」
反町キャスター
「都民ファーストの会は自滅シナリオなのですか、小池さんにとって?」
中田氏
「佐々木さんのおっしゃることに敢えて反論すると、私自身トップをやったわけですね。そういう立場からすると、過半数がないとものが通らないということに対して、なんとか過半数を支持勢力として持ちたい。なぜならば人事案だって何も小池さんはまだやっていないわけだから。人事案1つ、これからやるのだって、否決されるのだったら、特に人事案なんて人を傷つけるものになってしまうからね、否決されたら。それは過半数を獲りたい。それは自前の勢力で過半数をつくるのではなく、現在いる会派、そこが賛成してくれることによって過半数を獲れるような、そういうコミュニケーションをしていくということになると思う。一方で、小池さんとか、あるいは大阪維新がやってきたことは自前の過半数を獲るということだろうと思うんですね。それは積もり積もったこれまでの役所のカルチャーというものに対し、役所のトップにはなったものの、こうしろと言ったからといって、役人機構というのは上の言うことをそう簡単に聞くわけではない。そこに議会側から一緒になってこうしろと言う勢力がほしいことなのだろうと思います。佐々木さんと大いに一致する点は、小池都政はまだ何もやっていないです。現在こうやって豊洲問題はじめとして、いろいろなものをオープンにする、情報公開。情報公開は、政策ではありません。政策議論をする前提として必要な材料を並べているだけの話であって、これから先、小池都政が問われる話であって、現在のところ、何もやっていないというのは、佐々木さんがおっしゃることと一致しますね」
反町キャスター
「与党がカチッと固まって都知事と一体化している議会と都知事の関係の方が仕事をしやすいのか。それとも緊張感がある方がやりやすいのか?」
大矢氏
「それは与党が圧倒的に、決まっていますよ。民主主義の観点から言えば、二元代表になっているわけですよ。議会はチェック機能があるわけですよ。今回も、たとえば、都民ファーストの会ができて、いろいろするけれども、現在どうなっているかと言うと、現在の自民党は与党ではないはずですよ、小池さんにとってみたら。今度、副知事人事案件が最終日に出されると思うけれども、それが可決されるかわからないわけですよ。そうすると、あれだけ300万票を獲って知事になった以上、東京大改革を掲げているわけですよ、大上段に。これはやるためには議会の議決がなければ、計画も、予算も、人事案件も通らないですよ。そうすると、小池さんとしてみれば、自分が掲げる政治政策を実現するためには議会の同意が必要ですよ。現在は不安定状況にあるから、都民ファーストの会をつくった。少なくとも絶対多数を今回の選挙で獲れるなんて保証はないですよ。公明党が政策協定を結んでいるから、過半数は獲れると思うんですよ。だけど、これまで自民党、公明党の与党は7割ぐらい獲っているわけですよ。私が在職中だって、ほとんど与党で、与党をまわせば、議会なんてまわるわけですよ」
北川名誉教授
「都庁ファーストですよ」
大矢氏
「そうですよ。問題は都民ファーストの会が出たり、自民党が靡いたり、公明党が政策協定をやるから、半数は獲れます。でも、これまでの通常の与党である自公民の数まではいかないと思う」

大矢實 元東京都中央卸売市場長の提言 『10年、20年先を見すえた都政運営を期待します』
大矢氏
「10年、20年先を見すえた都政運営をお願いしたいというのは、都政というのはそう簡単に1、2年でものごとが改革できる状況ではないです。要するに、長期計画がある。美濃部都政の時に長期計画がなかった。というより、美濃部都政ではできなかったと言ってもいいです。長期計画がどうしてできないかと言うと、行政判断には必ず賛成、反対があるんですよ。あの知事は、あちら行っても笑顔、こちら行っても笑顔、360度に笑顔を見せたわけですよ。そうすると、反対者を切り捨てることができなかったと。そのことによって3期もやられたけれども、長期計画ができなかった。ところが、鈴木さんになって長期計画をつくられたのははっきり良いものと悪いものを選別して、悪いものは悪いということを定められたから長期計画ができたんですよ。都政運営というのは10年、20年先を見すえた、その背景に知事は最低2期やってもらいたい。そういう都政運営を目指していただきたいというのが私の願いです」

北川正恭 早稲田大学名誉教授の提言 『情報公開』
北川名誉教授
「小池さんがせっかくなられたのですから、都の執行部も、議会も全国にすごいと言われるぐらいの、大情報公開をしていただいて、都民ファーストで見える化を積極的に進めていただきたいと強く要望したいと思います」

佐々木信夫 中央大学経済学部教授の提言 『落ちついた都政を!』
佐々木教授
「どうも落ちつきがないですよね。都民ファーストと言いながら、メディアファーストになり、今度は選挙ファーストですよね、7月までは。都民のための都政というのが具体的にどういう形で提供されていくのかということがわからないので、執行機関の知事ですので、本来やるべき仕事をキチッとやって、落ちついた都政にしていただきたいと思いますね」

中田宏 日本の構造研究所代表の提言 『公文書管理法の改正』
中田氏
「北川さんの情報公開に続くのですけれど、公文書管理というのがなっていないと昨今思うんです。と言うのは、今回の豊洲だって文書がキチッと残っていれば、こんな言った、言わないの議論がこんなふうに展開されない。それから、森友学園もそうですね。工事が終わったから捨てましたと、冗談じゃないと。公文書管理法というのを国が定めて、その第1条に民主主義の根幹だ、国民の知る権利だと高邁なことが書いてあるのに、実際に文書を保管することにまったく規定がないです。だから、各省庁、歴史文書だけは1年以上、それ以外は翌日捨てましたでも許されている。この状況をあらためるということは都政にとっても、国とっても極めて重要で、国民全体で求めるべきだと思いますね」