プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2017年2月17日(金)
日中韓3言論人が舌戦 金正男氏殺害と北の闇

ゲスト

古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員
孫秀萍
環球時報特約記者
李洪千
東京都市大学メディア情報学部准教授

金正男氏殺害と北朝鮮の闇
松村キャスター
「今週火曜日、金正男氏がマレーシアの空港で暗殺された事件ですが、の事件を韓国政府、世論はどのように受け止めているのでしょうか?」
李准教授
「韓国政府も非常に謎が多いような事件なので、かなり戸惑っているわけですよね。これに対して3つの見方がありまして、1つは北朝鮮の犯行ではないかという、北朝鮮の責任を主張するような見方があります。2番目はそのようなことがあってもあまり事実として確認されているものが少ないので、もうちょっと見守りましょうという慎重論。3番目はこのような事件が今後の弾劾裁判とか、6月にやろうとしている大統領選挙に大きな影響を与えるのではないかと、理由はわからないのだけど、不安というようなものがかなり多いと。この3つのものが多くの世論としてあるのかなと感じています」
反町キャスター
「大統領選挙への影響というのは具体的にどういう意味ですか?」
李准教授
「まずこのような北朝鮮が関わるものが出てくると、まずそれが、候補者達に対する、北朝鮮にどう対応するのか、その姿勢を明らかにしなさいと。ただ、そのようなことになると、保守系の人達がもっと声を上げることになるので」
反町キャスター
「北は怖いぞと」
李准教授
「そうですね。そうするとリベラルの候補者に安保を任せるというのは怖いのではないのと。そのような影響がこれまでも何回もありましたので、今回もというようなことを考える世論の方も少なからずあるわけですね」
松村キャスター
「古森さんは、いかがですか?アメリカの反応なども」
古森氏
「中国と北朝鮮の関係はどうなっているのだと。一応、金正男という人は、中国政府の庇護を受けてきた人ではないかと。それをどこか出たところで殺されたと。中国はどうするのだと。ボディガードがいなかったのなんてことになって、中国と北朝鮮の関係というのはアメリカにとって非常に大きな関心事ですから。トランプ政権にとってもね。これを占うカギとして、非常に異常な形でこの殺人事件が起きたのではないかと。関心が玄人筋には非常に高いですよね」
反町キャスター
「中国政府から見た時の、今回殺された金正男さんというのは保護対象、警護対象だったのですか?」
孫氏
「そういう説はあるんです。だけれども、張成沢さんが処刑されて以降、明らかにその関係は変化していったということで。本当に中国が保護するのであれば事件は起こらなかったのではないでしょうか」
反町キャスター
「と言うことは、張成沢さんを粛清されたあと様々な中朝関係が、中国から見た時に金正男さんという男の価値がなくなってきていた。守るほどの人ではなかったという、こういうことですか?」
孫氏
「そうは言い難いのですけれども、中国と北朝鮮の関係を見る時に、中国は金正日政権の時から改革開放に走り出したかったんです。推し進めたかった」
反町キャスター
「北朝鮮をそっちへ持っていきたかった?」
孫氏
「そうです。それで金正日さんを招待したわけです。深?まで行かせたんですね。それは1つのサインで、張成沢さんと金正男さんは中国との関係でそれを認めようとしていた。だけれども、中国の中の噂で正式な報道ではないのですけれども、張成沢さんと中国の政府官房の相談が盗聴された。誰によってかは、わからない」
反町キャスター
「北朝鮮側にということですか?中国側?」
孫氏
「中国側にも盗聴された。それは張成沢と1番いい関係の、中国政府の職位の高い人達も既に検挙されたんですよね。だから、その方の話を国内で盗聴されて、それでその話は北朝鮮に伝わって、怒らせたという説もあるんです」
反町キャスター
「古森さん、今回、殺された金正男氏は中国から見たら既に警護する価値もなかったと思いますか?」
古森氏
「中国政府がかけている比重、重さが増えたという形跡はないよ。下がってきていて、しかも、長いではないですか。金正男氏が、いろんなところ、北京に家族がいて、もう1つがマカオにいるとか。両方とも中国領土ですね。それでディズニーランドに来ようとして、日本に来たのは2001年か何かでしょう。十何年前でしょう。自由に動きまわっている帰還がずっと長くて、だから、もしかして中国政府が重視していて、守ってあげようと、もし思っていても物理的に無理な部分もあって、だから、中国政府が全然見放してしまったのだということはまだ言えないと思うんですよ。だって、今なぜこういうことが起きたかと推測すると、たとえば、金正男さんが亡命政権をつくる時に中心になろうとしたという、これは噂ですね。それから、もう1つは、韓国に亡命しようとしたという噂もあるでしょう。だから、彼がもし出てきた時に一応、金正日という過去の独裁者の長男なわけだからね。だから、シンボリックな価値というのはまだあるわけで、政治とか、外交にシンボリックな価値というのは大きいですから。だから、中国政府から見て、金正恩さんがダメで、倒れる、倒すということになった時、中国政府は金体制そのものが全部なくなってしまうことが1番困るわけだから。金正男を持ってきてやろうではないかという、そういうシナリオというのはあり得るわけで、だから、まだまだ中国が金正男氏を切っちゃったのだということが言える証拠というのはあまりない気がしますね」
反町キャスター
「その意味で中国から見れば、古森さんが言われたみたいに、万が一、北で何か政変があった時に、中国の手には金正男氏がいる、彼をもって北朝鮮の新たな政権をつくるのだという、持っている意味は当然、あったわけですよね?」
孫氏
「あったというより、中国と北朝鮮の関係を見る時に、そこまで中国が考えているかの問題ですね。中国としては現在の北朝鮮に安定してほしいです。安定したままで中国のように改革開放をして、1番いい方法としては中国の話を完全に聞くように、そういうつもりなので、だから、現在の金正恩政権は極めて安定している状態ですよね。だから中国が支える可能性は、私はないと思います」

ミサイル発射と金正恩政権
松村キャスター
「では、ここからは、日米首脳会談、当日の北朝鮮によるミサイル発射、これについて話を聞いていきます。まずはその概要を見ていきます。北朝鮮は、北西部の亀城付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射しました。ミサイルは500kmあまり離れた日本海に落下、今回は潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを改良したもので、固体燃料エンジンが採用されたとみられています。固体燃料エンジンは、液体を注入しないので、発射までの時間は短く、熱の発生も抑えられ、衛星などの察知が困難とされているんです。今回のミサイル発射はキャタピラ式の発射台から撃ち上げられたもので、事前に発射場所も特定しにくいなどの特徴が指摘されているんですね」
李准教授
「今回のミサイルが韓国社会に与えたのは、韓国に対する脅威というのが1つ増えたと。もっと迅速にミサイルを撃つこともできるわけだし、米軍の監視システムでも、チェックができない武器が1つ増えたわけなので、より米軍との韓米同盟というのを許可せざるを得ないという方向に持っていかざるを得ないという状況はあるわけです。日本に対しては、日本と韓国は北朝鮮のミサイルで協力しないといけないのだというような1つの理由にもなっているわけですね」
反町キャスター
「そこは皆さん迷いはないのですか?韓国の皆さん」
李准教授
「たぶんその部分は、迷いがないというのは、ゼロではないと思うんです」
反町キャスター
「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)みたいな話も含めて、韓国の世論等というのは、北朝鮮がここまでミサイルを撃ったり、核実験をやったりする限りにおいては、普通にミサイルを撃ってきたり、普通に何かある時には当然、米韓日の軍事情報の瞬間的な共有がないとそれに対抗できないと。軍事的な理屈ではそうなっているということをちゃんと飲み込んだうえで、日本とも軍事的な連携は備えなくては、深めなくてはいけないなという議論になりますか?」
李准教授
「いや、そのような、日本との軍事的協力というよりは北朝鮮に対する脅威を防ぐためには、その使えるいろんな手段というのは使うべきであるというのは、韓国社会の中でも広まっているのは事実だと思います」
反町キャスター
「経済制裁の話が出ると、中国は経済制裁の抜け道を使っていると。たとえば石油にしても、石油は締めると言いながらも、生活目的のものは入れるのだということになっているではないですか。生活目的と言ったって、生活目的で入った石油からジェット燃料をつくって、ミグ29を飛ばしているのではないかという話がある中で、中国がどうして北朝鮮に対して経済制裁にグッと踏み込まないのかと、どう説明をされますか?」
孫氏
「皆さん、私は誤解があると思います。そう思うのは中国と北朝鮮に対して中国人の中でも広く認識されているのは、北朝鮮は中国にとって食べても味がない、おいしくない。でも、捨てるともったいない」
反町キャスター
「どういう意味ですか?古森さん説明して」
古森氏
「食べるにはあれだけれども、捨てるのはもったいないだから、あまりほしくはないのだけれど、とっておこうと。価値がないということかな」
孫氏
「そう。たとえば、鶏肉にたとえると、おいしところとあまりおいしくないところがあるんですね。だから、あまりおいしくないところの部分のことで、北朝鮮と中国の関係を皆さん、例えているんですよ。つまり、食べておいしくない、味もないし、捨てるともったいないということなので、だから中国は、たとえば、経済の面で北朝鮮と深くつながっているということ。北朝鮮に行けばほぼ全部、中国製のものがほぼあらゆる分野で見られるというのが現実ですね。制裁をしなさいと言われても、それはたくさんの人々の生活と関わっています。あと中国の辺境貿易と言って、北朝鮮と中国の国境の間にすごく車の往来が多いです。たとえば、中央政府が国連の合意に同調をして北朝鮮を制裁しようと。だけれども、闇のところでつながってくる部分は止められないです。北朝鮮と中国の個人のつながりもすごく緊密ということで。だから、中国の北朝鮮に対する力の行使は現在アメリカはじめ、国際社会は皆、過剰に思わせている部分はあると私は思います」
古森氏
「ただし、アメリカの専門家、これもトランプ政権に割合近い人から直接聞いた話なのだけれど、現在の中国の態度は、アメリカが一生懸命にオバマ政権、トランプ政権も北朝鮮の核兵器開発をやめさせるために制裁をもっと徹底させてくださいよと頼んでも、結果としてやってくれないと。それはあのへんの辺境貿易という、国有企業はあのへんにいくつかあって、それが儲かっていると。その利益を東アジア全体の安全保障よりも優先させているのだという批判ですよ、これは。アメリカのトランプ政権、だから、あまりにも視野狭窄でもうちょっとわかってくれてもいいのではないかという言い方」
孫氏
「それはそうですけれども、中国はそういうことに近づこうとして努力をしている段階なので。もう1つ、大きな要因として中国が踏み込めなかったのは、北朝鮮が崩壊したら1番被害を受けるのは中国です。だから、アメリカに圧力をかけてやりなさいと言われてもそのあとどうするのか。それは誰が助けてくれるのか。北朝鮮の困難を片づけてくれるのは。それは答えが出ていないし、ちゃんと話し合いもできない状態であれば、中国は制裁とか、強く北朝鮮を崩壊させるまでには踏み込めないと私は思います」
古森氏
「まさにその点に関しても、外交関係評議会という学者、元政府高官達の集まりが去年出した報告書。これは北朝鮮どうしたらいいかといろんなことを考えているのですけれども、いろんなことを論じてはいるのだけれど、その中に金体制が崩壊をしたという想定もあるわけですよ。その場合に何を1番気にするかと言うと、アメリカは中国の対応を気にするわけですよね。その時に、アメリカとしては金政権が倒れると南北統一に向かっての動きが韓国主体、アメリカ主体で少しずつ前に進むという時に、中国に対する配慮を十二分払いたいということで、具体的に中国政府に働きかけているというんですよ、既に。たとえば、北朝鮮から出てくる難民の大量脱出についてこれをどうするか、あるいは核、細菌、生物、大量破壊兵器に関する管理をどうするか。それから、北朝鮮内部の対立が起きて、内戦が起きるかもしれない。それをどうするかと中国と一緒になってやりましょうよということをオバマ政権ははっきり申し込んでいると言うんですよ。だけども、中国からは一切返事がないということ言っている。明らかに明確に文書になったもので、2つ面白いなという点は、オバマ政権下においても、民間の学者達が金体制は崩壊し得るのだということをまだ考えているということですね。それからもう1つは、その場合には中国と何とかうまくやってね。中国にとっては米軍、アメリカと同盟を結んでいる韓国という存在が、東満江のところまで来ちゃうから、嫌ですよね。だから、そういうことがないようにしていこう。問題はあるけれども、金体制を守っていく、続いた方がいいという立場をとっているわけだけれども、アメリカはそこまで中国に対して出てきている。オバマ政権が出したという記録はある」
反町キャスター
「トランプさんだたったら、そこはもっと踏み込むのではないのですか?そうでもないのですか?」
古森氏
「だから、踏み込み方が違う方向かもしれないね。ただ、北朝鮮にどう対応するかによって中国と前面的に喧嘩をするという、これは嫌だと。だから、そのためには鉄砲を撃ちませんとか、中国に対しては絶対に手を出しませんよということをはっきり言って、それは、北朝鮮の政権は潰したいと思っていますよ。それは潰してくれれば1番楽。いろいろなことを解決すると思っているからね。だから、そこの部分、その目標に関しては、これまで出なかったようなことが起きるかもしない」
反町キャスター
「孫さん、古森さんの話、要するに、北朝鮮の政権崩壊後のシナリオを米中で事前にちゃんと話し合うべきかどうかという話ですよ。そういう話をアメリカの方から言っているのだけれども、中国が反応しないというのが、古森さんの話ではないですか。中国の心配が、北朝鮮が政権崩壊したあとに米韓軍が北上して中朝国境ところまで韓国軍とアメリカ軍、国連軍が押し寄せてくるというのが心配だったならば、北朝鮮の政権が崩壊した時、どうするのだということ、事前に米中の間で話し合っておくこと。これは北京にとっても安心材料にはならないのですか?」
孫氏
「そういうことに1番、皆さんは自分の立場から話をするんですね。中国人からすると、同情します、支えます、北朝鮮を崩壊させます。そのあとに南北統一されました。全て解決されたあとに、あなた共産主義の国だから、もう一緒にやれないと。あるかもしれない。だから、そこの心配を取り除かないと中国は簡単には動けないです」
反町キャスター
「そうすると、中国にとって現在の状況を維持すること。惜しくはないけれども、捨てられない?」
孫氏
「そうです。だけれども、今回の金正男氏の事件は、本当に北朝鮮がやったと明らかになった時点で中国の態度も変わってくると思います。より国際社会に近づいて、制裁に踏み込むと私は思います」
反町キャスター
「それは、要するに、中国の国際社会における位置とか、目指す方向というのが、ちょっとこれまでよりも東アジア限定から世界を相手にした外交をやっていくうえでは、北朝鮮を庇っているというのが中国にとっても損?」
孫氏
「そうです。だから、捨てもしない、食べるとおいしくない」

東シナ海・南シナ海と中国の思惑
反町キャスター
「日米共同声明の前段の部分、尖閣諸島に日米安保条約の第5条が適用されることを確認したと。日本の施政権下に及ぶ範囲において、外国からの攻撃を受けた場合に日本の軍隊が対峙する場合は、米軍は駆けつけると、この部分ですよね。要するに、国防長官が約束し、国務長官のティラーソン氏も言い、大統領までも、これ以上の人がないぐらいの人が、3人揃って、こう言うということは、中国に対してどういう圧力になり、中国はそれをどう感じるか。もっとわかりやすく言ってしまうと、こういうことをやり続けることによって、中国の海警が尖閣周辺に3の4シフトとか、4日おきに3隻とか来るではないですか。あれが減るような効果があるのかどうか。そこはどう見ていますか?」
古森氏
「これまでの中国のやり方が、今回のアメリカの対応によってあまりいい結果を生まないのではないかというそれは当然で、明らかに尖閣諸島は、中国のものだ、と言っているわけだから、中国は自分達の島に入っていくのは当然で、だから、当然入ってくるわけです。でも、日本は認めていないし、国際的にもほぼ認めていない。アメリカは日本の施政権をはっきり認めると。だから、これまで中国のやり方はかなり押し返されたわけですよね。これはアメリカが、いざという時は日本と一緒になって守りますということを言ってしまったのだから。海警、これまで1週間に1回とか、2回、接続水域というところだけではなくて、日本の領海そのものにも入ってきていますね。1週間に1回は入ってくる。これが昨年の8月に増えたけど、これがどう減っていくか。もし増えていくとしたら、ある意味では面白いね、どうなるかということで。だから中国側は、明らかに尖閣の主権は中国のものであるし、施政権が日本なんてことはないのだと。施政権はアメリカが認めていたわけだから、主権はどちらの立場も与さないと言っているのだけれども。だから、施政権を空洞化しようと思ってドンドン入ってきたんですよ、中国は。だから、それがどうもそれを続けても無意味なのではないかということが明らかになって、対日の安全保障政策においてはかなりの負い目なのではないですか」
反町キャスター
「孫さん、いかがですか?たとえば、この日米の共同声明が出たことで、たとえば尖閣への接続水域への侵入は我々から見た時に減るのか、ないしは、たとえば、南シナ海で新たな埋め立てをやるか、やらないか。フィリピンに近いところの環礁を埋め立てるのかどうかというのが目下のポイントですよ。新たな埋め立てにいかないのかどうか。言われてやらなければ、今度は中国の面子もあります。言われてやったら今度はまたアメリカが構えているところに本当にいくのかどうかという、トランプ大統領もさらなる航行の自由作戦を強化するのではないかという話がある中で、中国は日米がこういうコメントを出した時に、尖閣に対してはどう変わるのですか?南シナ海に対してはどう変わるのですか?」
孫氏
「尖閣に対して中国はこの声明を出した後でも政府のスポークスマンが出てきて、その主権は中国にあると言った。中国のおおまかな見方としては、アメリカは今回大した新しいことを言っていません。ただお土産としてそれを言っている。一瞬の姿勢。だから、もし主権を云々と言われたら、それは黙ってはいられない。一つの原則と同じやり方でやり返すことはできるけれど、これぐらいのことは中国としては、主権は私達のもので、だからあなた達がどう言おうが、何も現状は変えられない。それでその通りに、通常通りにします。南シナ海の問題ですけれど、中国としてもアメリカとの折り合い、ここで面子をどうするかおっしゃったのですけれど、中国はすごくリアル主義が多くて、では取引しようかと。トランプさんと、その可能性も出てきますし、それで南シナ海は、中国としてはたいした問題と見ていなかったんです。やりたいことは9割以上を成し遂げたと。それは中国国民も含めての認識です。だから、あとはワンポイントだけですね」
反町キャスター
「フィリピンに近い、スカボロー岩礁を埋め立てるかどうかだけですよ」
孫氏
「そこを埋め立てるというより、中国はフィリピンと仲良くなって、フィリピンは中国の船が来て、一緒に安全を順守しましょう。安全を守ってくださいというような状態」
反町キャスター
「そんなことまで言っているの?」
孫氏
「そう。ドゥテルテさんがその一歩。120のリストを中国に渡して、こういう援助をしてくださいという状態です。船のことは、フィリピンと一緒に守ってください。それは中国の公式の報道にもありますから。中国としては南シナ海の問題はあくまでも国と国の間の話で、その他の国は入ってはいけないという方針は変わりません」

トランプ時代の東アジア情勢
松村キャスター
「トランプ大統領は、習近平主席と日米首脳会談の前に、電話会談を行いました。ホワイトハウスはこのような声明を出しています。トランプ大統領は習主席の求めに応じ、一つの中国政策の維持に同意したと。CCTV(中国中央電子台)は、早期の直接会談の実施を期待していることで一致と伝えています。このタイミングでの電話会談、その中身や意図はどのように感じますか?」
孫氏
「アメリカが強く言うと、中国は仲良くしましょうよと。引くと自分の力が伸びてくるというような関係で、アメリカと中国はずっとこうやって戦ってきたんですね。だから、早く良くなろうというよりも、両国の利益に適えることで…」
反町キャスター
「そうすると、台湾の総統の蔡英文さんとトランプ大統領が電話で会談をした時に、ワンチャイナポリシーに本当に意味があるのかどうかを検討するような話をトランプ氏が蔡英文氏にしたという、こういう話になっていますよね。ワンチャイナポリシーを、アメリカは見直すのではないかというこの時の中国の慌てぶりというのはすごかったのですか?これは大変だということになったわけですよね」
孫氏
「そうです」
反町キャスター
「そこから巻き返して今回の電話会談で、政策の維持に同意というところまで中国が巻き返したと?それともトランプ大統領の考え方をあらためさせた?」
孫氏
「それは事実です。巻き返しというより、そうせざるを得ないです。中国としては」
松村キャスター
「今夜、日中外相会談がありました」
反町キャスター
「ボンでやっているG20における日中の外相会談です」
松村キャスター
「岸田外相ですが、台湾の話を含め王穀外相から言及があったと。日本の基本的な立場は、1972年の日中共同宣言の通りだと説明をしたと」
反町キャスター
「古森さん、この岸田外相のブリーフ、全文を紹介しないとわからない部分もあるかもしれませんが、台湾問題含め、王毅さんから言及があって、たぶんそれは、様々なワンチャイナポリシーに関することやら何やら、日本はどういう立場をとられるのですかという中で、岸田外相は、1972年のままですよと。これはどういう思いだと?」
古森氏
「これはごく当然。白いものを白だと言っただけの意味しかないというのが表面的な意味だけれども、日中間のやり取りで台湾という言葉が出てくることはほとんどないわけですよ。だから、これは日本がトランプさんの言葉にちょっと乗っかっちゃって、目前のやり取りとして中国が非常に珍しく、何年もの間で初めて守勢に立ったわけですよ。」
反町キャスター
「慌てた?」
古森氏
「だって、台湾問題について何を喋る必要があるのですか?」
反町キャスター
「国内問題だ言っているのであれば、言う必要がないでしょうね」
古森氏
「日本に対して言う必要がないではないですか。だけど、岸田外相は、王毅氏が言いましたよ、台湾について触れましたよと。お互いに日中間で喋りましたよと。これまで日中間で台湾のことを話さないのが当然であって、それを話さざるを得なくなったというのは、おそらく岸田外相の方から言い出したこととは思えないね。だから、王毅氏から言ったという、外交交渉、日中のやり取りにおいても非常に大きいと思って、こちらから打って出ないと、南シナ海で勝手なことをやる、東シナ海で勝手なことをやる。そのためにはコストを払わさなければいけないという。日中関係は日本が中国に対してコストを払わせることはないわけですよ。たとえばダライ・ラマのことを応援して、中国が嫌だなと思ったら、これはコストになるわけでしょう。でも、日本はそういう反応をしないではないですか。だから、これがこれから1つの、私から見ての、より健全な日中関係のあり方を示唆する、非常に象徴的な言葉だと思う」
反町キャスター
「孫さん、いかがですか?全文を見てみないとわからないにしても古森さんが言われたみたいに、日中外相会談において王毅さんが岸田さんに対して台湾の問題を中国の方から持ち出したみたいなブリーフを岸田さんはしています。どう感じますか?」
孫氏
「1つ、トランプ氏にそれを触られてすごく嬉しくないと驚いた部分で、その延長線として日本にも同じ様な警告をしますと。かつてこういうことがありましたよって。アメリカと手を組んで、そのことを企んではならないという警告の1つ。中国は、警戒するのですけれども、それは世論のことで、心の中では、たとえば今回トランプ氏がワンチャイナ政策に触ることによって、彼は根本を知らなかったうえで、そういう話をしたんですね。話し合いの中で、中国の強み、中国とアメリカが国交を結ぶ前提条件は一つのチャイナを認めることだから、簡単に覆せないことです」

大統領職務停止… 韓国の現状
反町キャスター
「韓国は日本と何かをするというよりも、我々はより重要な国となり、アメリカが日本よりも我々を大切だと思ってくれる国になりたいのですか?」
李准教授
「韓国のメディアでそのような見方もあると思うんです。そのような見方は過去にあると思うし現在もあると思うのですけれども、現在の方は、日米安保と韓米安保のどちらが大事だというのは、韓国にとって韓米安保が大事なことであって。だからと言って、日米安保を否定するということではないです。日米安保は日米安保として韓米安保を支えているのであるということは韓国のエリートの方では…」
反町キャスター
「今こそ日米韓の軍事同盟の強化をはからなければいけないと。連携を強化しなければいけないと、日米韓でということに普通はなるのではないですか?」
李准教授
「現実、日本とのあらゆるものに対して共有するのかというとそうではない。そのように変わっていく現実をまず見る必要があるんですね。GSOMIAなども現在は一歩進めるようになっているわけですし。海外においては、自衛隊と韓国軍が非常に協力的な関係を実際は構築されているわけですね。ただ、報道されないだけです。そのような現実的な部分を見るということが必要であって、報道のことだけで全てのことを判断するのは、全体の現実を見ないということもあるのではないか」

2017年の外交展望
松村キャスター
「今後の東アジア情勢はどのような方向に向かうと思いますか?」
古森氏
「東アジア情勢は危険性を秘めているという、1つは中国が何だかんだ言っても、軍事絡みの膨張を続けている。それをはっきり言うか、言わないかは別として、北朝鮮は予測が非常に難しい形で爆発的な潜在要因をずっと秘めて、しかも、それが高まっているという。しかも、ロシアもクリミアの問題ではアメリカとは明らかに違うと。大動乱が起きかねない時期だと思います。21世紀はアジアの世紀と、繁栄、安定の源泉がアジアだと言われたけれども、そういう時代は終わったと。と言うようなことから考えると、どれも皆、重要なのでしょうね。G7と言うとアジアの問題の比重が少し下がるかもしれないけど、G20、APEC、皆、米中両首脳、日本も出てくるわけですし。日本にとってはトランプさんの訪日というのがどういう形になるのかという」
孫氏
「私は、日中韓首脳会談が1番重要ですよね。先ほどの皆さんの話を聞いて、たとえば北朝鮮について話し合う時に、日本も、韓国も、北朝鮮の目的はミサイルを発射したら、我々が1番危ないと考えていると思うのですけれども、北朝鮮の本当の目的は、米国ということをちゃんと見分けたうえで、北朝鮮の目的は自分の国を強くすることと、発射することによってアメリカと直接話し合えるようなことが目的に隠れているんです。こういう視点に立って、日中韓首脳会談で北朝鮮問題を話し合う時、よりしやすくなってきたのだろうと思います」
李准教授
「より危険な道の方に向かう半面、それを阻止しようとしている方向も強くなると考えています。強くなるというのは、日本と韓国と中国の間の経済利益です。相互関係がある。そのような相互関係というのが、軍事関係の危険に対する、ある意味でブレーキということになるので、そのバランスをどう考えるのか、どうコントロールするのかということの方が求められる時期ではないのかなと考えます」

李洪千 東京都市大学メディア情報学部准教授の提言 『韓国の大統領選挙』
李准教授
「6月に起こり得るという韓国大統領選挙に注目するべきだと思います。7月に開催されるG20には新しい大統領が参加すると思うのですけれども、民主主義の手続きによって選ばれた新しい大統領というのは、韓日関係、韓米関係を構築することになりますので、その関係がどのように構築されるのかというのが非常に大事なポイントではないかと考えています」

孫秀萍 環球時報特約記者の提言 『釣魚島(尖閣)』
孫氏
「釣魚島は尖閣諸島の中国の言い方なのですけれども、ここは日本から見ると1番大きな関心事なのですけれども、中国から見ると、本音としては大きな国際戦略の枠の中で考える時に尖閣の問題は本当に小さな問題であるということを認識した上で、日本側もなるべく静かに収めていく方法を、これから世界の情勢も変わっていきますし、特にトランプ大統領によって世界の秩序も、いろんなことも、各国の関係も、変化する時代にきたということで、日本も、中国もあらためてこの問題を新しい思考で考えなければいけないと思います」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の提言 『アジア大動乱を覚悟せよ!』
古森氏
「オバマ政権下での東アジアというのはとにかく融和政策、ソフトな政策をとるということで、軍事力を使ってでも現在ある秩序を変えようとする勢力、たとえば、中国であるとか、北朝鮮が勢いを強めてきたと。それに対してトランプ政権は力によるということでぶつかりますから、対決的なものが必ず起きてくると。危険な状況も生まれてくる。ただ、戦争にはなかなかならない。アメリカの軍事力はまだまだ強いからだということで、トランプ氏、いざと言う時はやるぞというのは、これまであまりいないわけですからね。ギリギリのところまでの緊迫した状況が生まれるけれども、その先はどちらかが下りて本当の意味での危機は回避されるだろうけれども、動乱がいろいろ起きるのではないかなと、そこまでのプロセスで。そんな感じです」