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2017年2月8日(水)
韓国3論客×山本一太 日韓『氷河期』の行方

ゲスト

山本一太
自由民主党参議院議員
洪熒
統一日報論説主幹
李泳采
恵泉女学園大学准教授
金慶珠
東海大学教授

日韓『氷河期』世論と本音
秋元キャスター
「駐韓大使が一時帰国をして明日で1か月となります。かつてないほど冷え込んでいる日韓関係なのですが、最近も日韓の溝を深めるような出来事がありました。先月16日、地方議員団が竹島に慰安婦像を設置するための募金活動を開始しました。この活動は中断されています。19日には、平昌冬季オリンピックのホームページに独島と表記されていることが明らかになり、日本政府が抗議したのですが、訂正はされていません。25日には、慶尚北道知事が竹島に上陸をしました。26日には、韓国で2012年長崎対馬市の寺から盗まれた仏像の所有権を巡り、韓国の寺に仏像引き渡すことを命じる一審の判決が出されました。さらに今月に入りまして市民団体が戦時中に強制労働させられた徴用工の像をソウル近郊に設置する計画を発表しました。こういったことがあったわけですが、まずは洪さん。なぜ現在こういう動きが立て続けに起きているのでしょうか?」
洪氏
「今おっしゃるようなことばかりを見ると、非常に問題のように見えるのですが、私は実感が沸かないですね。たとえば、日本で報道されたかどうかはわからないのですが、慰安婦の問題を書いた朴裕河教授は無罪になったし、逆のことはまったく報道しないで、一方的な動きばかりを報道して、私は氷河期なのかと、その表現に違和感があるのですが。そこまで取り上げられるような緊張感とか、関心を韓国人は持っていないですね。だから、あまり日本側から見て問題ばかり誇張していると見えます」
反町キャスター
「李さん、いかがですか?今回のこういう現象面というのは我々の思い過ごしなのですか。それとも韓国の中に政治の1つの動きとしてカチッと見た方いいのですか?」
李准教授
「朴槿恵大統領の権限が停止中なので実質的に韓国は中央権力が空白状態です。もう1つ、今年は大統領選挙も予想されていますので、大統領選挙に向けて今後どういう韓国になってくるのか。政治家達も少し国民に向けた大衆的なメッセージを発してしまうわけです。韓国社会では大統領を選んだのに、その大統領に預けた主権がまさに崔順実氏という一般民間人によって左右されていたと。要するに、国民の主権が奪われていたと。そういうような認識があったわけですね。だから、そうすると、逆に、国民主権を取り戻したいのが、キャンドルデモの意識で…」
反町キャスター
「それは、いわゆる左派の動き、進歩派と言われる人の動きということですね?」
李准教授
「国家が失われたものを取り戻したいという意識が結構、強いですので、そうすると、一連の動きも市民の意識の中には日本に対する反日意識というより、いわゆる国家アイデンティティというものを取り戻したいという意識の方が、そう反映されているのではないでしょうか」
反町キャスター
「金さん、いかがですか?右派、左派と分けて考えがちですけれども、その真ん中、中間層なる人もいるわけですが、その人達はこういう現象、どう日韓関係を見ているのですか?」
金教授
「結局、韓国は非常に大きな政治的な混乱にあると。その中では、実質的には、次の大統領選挙に向けた動きがもう始まっていると。こうなると市民団体や政治家、あるいはそれぞれを支持するメディアなど、それぞれの主張を強硬に繰り広げるわけですね。そういった意味でのナショナリズムが政治的な混乱も背景にあって高まりつつあると。それが必ずしも反日の動きなのかというと、そうではなく、これは中国に対しても、あるいはアメリカに対しても同じように、非常に韓国の主張を強硬に主張するという動きが見られるんですね。だから、一連の動きを一応、紹介していただいたのですが、ただ、平昌オリンピックのホームページに独島と表記されることは何も新しい動きではなくて予想ができた話ですし、それから、司法の仏像の問題ですね、これに対しても韓国政府はすぐに控訴をしています。なので、何か韓国で反日の動きが高まっていると、釜山の慰安婦像もそうですけれども、ああいう映像ばかりが日本で流れるとまるで韓国人全員がそれに賛成しているというような誤解を招きやすいのは、非常に残念な状況ですよね」
山本議員
「今日、洪先生がメディア代表で来ているので、特に韓国のメディアを見ても、特に保守の主要な3紙の論調を見るとこれまでみたいに反日一色で、とにかく日本を攻撃するというだけではなく、もっと冷静な見方もあって、たとえば、これから話が出てくる、大使館前の少女の像については、確かにウィーン条約は一理あるではないかとか、もっと冷静にやるべきではないかとか、安倍政権に対する実績に対しても評価が出てきたりして、結構落ち着いているんです。だから、まず楽観的な話で言うと3人がおっしゃったように、反日キャンペーンの嵐が吹き荒れているというわけではない。深刻なことを1つだけ簡単に言うと、それでも慰安婦合意を巡る経緯というのは、これからの日韓関係に大きな影響を与えると思います。これは安倍総理としては今回、大使の一時帰国という強硬な措置という、強硬なのかどうなのかといろいろ意見はあると思うのですが、これはとらざるを得ない。それをやらなかったら、あの合意が有名無実化されてしまうかもしれないということで、ここらへんのところは相当慎重にやっていかないと、かなり将来の日韓関係にマイナスな影響を及ぼすと思います」

慰安婦像問題と対抗措置
秋元キャスター
「さて、日韓関係の冷え込みのきっかけとなったのが、昨年12月末、釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像です。日本政府はこの設置を受けまして駐韓日本大使・総領事の一時帰国をさせて、再開していました日韓通貨スワップ協議の中断。さらには日韓ハイレベル経済協議の延期などといった対抗措置をとっています。駐韓大使の一時帰国は2012年の李明博大統領が竹島を訪問した際に、13日間、帰国はあったのですが、今回は明日で1か月ということで、かつてないほど日韓関係が冷え込んでいるわけですが」
洪氏
「私は、たとえば、大使を一時召還するとか、それは政府が決めることです。でも、大人の対応だったら政経分離が正当だと思います」
反町キャスター
「通貨スワップ協議の中止とか、経済協議の延期というのはやるべきではない?」
洪氏
「政治の問題と経済を切り離すべきだったんですよ。安倍政権がなぜこれぐらいのことができなかったのか?」
李准教授
「朴槿恵大統領もいろんな反対をしながら、日韓両首脳は国交正常化50周年ということで、記念的な合意をしたことは確かです。この合意自体は、当事者が排除されたり、様々な問題があったにせよ、とりあえず1つ、日韓政府は大事にしなければならないのは事実です。そうすると、今後もこれを、たとえば、当事者に説得していくとか、結構時間がかかる問題です。しかし、残念ながら朴槿恵大統領が現在、権限停止状態になっているので、それを責任もって動かすことができない状態ですね。実は釜山での、この少女像は市民団体がその空白の時に隙間を狙って、ここに建ててしまったということはあります。これが政府の地域かどうかは別ですが、このような様々な動きは今後も出てきますし、日本の中でもたぶんいろんな動きが実はあります」
反町キャスター
「李さん、そちらではなくて、この対抗措置についてどう思うか?」
李准教授
「両方の反対がある中でもお互いに信頼し合いつつ進めていくべきですね」
山本議員
「韓国政府は安倍総理の認識を読み間違えたと思うんですよね。世論は、たとえば、大使の一時帰国、7割以上支持していますけれども、この日韓合意は朴槿恵大統領にとっても非常に政治的なリスクがあったのと同時に、総理も相当な決断でやったんですね。先生がおっしゃった通り、韓国はほとんど政治空白ですよね。私は、朴槿恵大統領を評価していたので、こういう形になって残念だと思っているんです。そう見れば、どうせ政府のコントロールが効かないから仕方がないと言われるかもしれないけれど、これをそのまま放置していたら、あの合意に真っ向から違うことをやっているわけだから、ここは先生がおっしゃった日韓の将来の関係を考えたうえでも、これは乗り越えなければいけないのでしょうけれど、やらざるを得ない。このぐらいのことをやらなかったら、これでもし何も、たとえば、大使の召還すらやらなかったら、あそこで一応合意した、不可逆的な解決とは何だったのかと。つまり、慰安婦像の問題、この少女像の問題、解決に努力をしますということも含みおいて、10億円は、別にお金の問題ではないですけれど、義務を履行したわけでしょう、それをそのまま韓国の事情があるのでやらなかったら、それこそ合意自体が有名無実化してしまうということで、これはやらざるを得なかったと思いますよ」
金教授
「山本さん、今回とった措置が決して事態をいい方向に進めず、むしろこの問題を拡大させているというのが一方の見方であり、韓国の見方です。基本的にこの合意は、今回の対抗措置に関して日経で7割、産経新聞で8割の皆さんが、賛成だ、よくやったという世論調査の結果が出ているんですね。と言うのは、一般の皆さんの認識ですと、韓国は合意に違反した、合意に違反した韓国政府が釜山に新しくこういうものをつくるとは、これはもう信頼できないという自然な意識の流れがあると思います。しかし、1つ1つ見てみると、そこに非常に微妙な誇張やミスリードというのがあって、山本先生も認められると思うですが、今回、明らかに合意違反でなく、日本政府は合意の精神に違反していると言っています。合意事項にはそもそもソウルの日本大使館前の少女像以外のことについては一切触れられていません。日本側としては今回、防げるものをなぜ防げなかったのだという苛立ちがあると。これは十分理解できます。韓国としては、それは政治空白状態だからというのは韓国の言い分だけれども、日本にしてみればそんなことは知ったことではないというような苛立ちも一方ではあり得るでしょう。しかしながら、韓国政府はこの少女像、釜山の総領事館前のこれを建てないようにするために相当な努力をしているのも事実ですね。釜山市ですとか、そこのトングと韓国の外務省が何度も交渉をしていると。一時撤去もしたと。ところが、結局、釜山の市長もトングの市長も政治家ですから最終的にはそれを許可してしまったということです。ですから、私が意外に思うのは、日本政府として、韓国の政府がこれを積極的に支持したとか、あるいは黙認をしたとかということではなく、結局は防ぎきれなかったという状況は十分に認識していたと思います。にもかかわらず、これを機にこれだけ通貨スワップの取りやめ、あるいは経済を絡めた、いわば圧力を行使してくることの背景にはおそらくここで明確に圧力を行使すれば、韓国の次期政権、保守になるか、進歩になるかはわかりませんが、慰安婦問題に対する再交渉とか、そういったことを選挙運動の過程の中で言っていると、これを事前に防ぐ狙いがあると踏んだのかもしれません」
山本議員
「金先生の方から安倍政権の思惑みたいな話があって、強い措置をとっておけば、たとえば、新しい政権ができてきても慰安婦合意について、また蒸し返される可能性が少なくなるのではないかという話なのですけれど、それは政治的なリスクをとって2人の国のリーダーが、首脳が政治的なリスクをとって決めた合意だから、それだけに重いのであって、なぜここまで総理が政治的なリスクをとったかというと、これから未来永劫、我々の子や孫が謝り続けるということをやめたいと。そこでともかくきちんとここでけじめをつけようということでやったのであって、当然この合意について日本としてはっきりとした意思表示をするのは当然であって、次の政権になっても、それを守ってもらうためのメッセージを発信するのは日本の国益として当たり前のことです。もう1つ言うなら、今回の一時帰国というのは強い措置なのか、と言うのは、いろいろ意見が分かれるところですけれども、一時帰国をさせることによって日本としてはきちんと合意を守っていると。韓国にも是非、合意の精神に立ち戻って、しっかりとやるべきことをやってほしいということを、国際社会にアピールするという意味もあると思います」
反町キャスター
「李さん、たとえば、次期大統領が誰になるのかという話もある。誰がやるにしても、次の政権が、弾劾が成立した場合というのが前提になるのだけれど、次の政権が日韓合意を、韓日合意でもいい、それを破棄すると言った場合に国際社会においてどういう評価を受けるか、ということはあまり考えないのですか?」
李准教授
「山本議員に、1つはこの問題、非常に微妙な問題ですので、何があっても日本側には加害者の立場に立っている姿勢を見せないといけない問題にはなっています。強く出ること自体が、まさに韓国が加害者のような認識にとられることに、非常に実はこれが今回の措置は立場を逆転させたことに問題があります。もう1つ、たとえば、日韓関係で慰安婦問題はもちろん、なぜ合意されたか。一昨年前の、必ずしも日韓の安全保障の問題ではなくて、東アジアの安全保障ということである程度、犠牲にしながら日韓合意で言ったではないですか。そうすると、中国とか、北朝鮮の問題、トランプ政権の問題を出して、日韓関係を今後どういう形でやっていくのか。しかし、大事な日韓関係の中で、この強硬措置というものは、目に見える、このような不満はわかるのですが、中長期的に日韓関係が合意できないのは、もっと政権が変わっても大きな負担になってしまうんです。これを解決しないと日韓関係、何も対応できないです。そうすると、今回の大使召還措置は逆に韓国の人々に反日意識を植えつけてしまって、反日政権をつくらせてしまうもとに、実はなってしまうわけです」
山本議員
「先ほど、申し上げた通り日韓の2人の首脳が相当な政治的なリスクをかけて、これに合意をしたと。その合意の条件として、しっかり外務大臣の方からは、安倍総理が慰安婦の問題で謝罪し、非常に反省をしているという文言まで入れて文書をつくったわけですよね、合意の。文書をつくったというか、文書に合意をしたわけです、その合意の中身に。なおかつその後、安倍総理は朴槿恵大統領と電話会談し、それを伝えて。そういうようないろんな、たとえば、意見がある中で、この状況で2人のリーダーが合意をしたということなので、そこで、たとえば、その合意の中身についてまったく違う展開が出てきたら、何かあなた達はどちらが加害者かということを忘れたのですか、みたいに言われるのは、ちょっとスジが違うと思うんです。それははっきり日本側は意識をしてやってきている。これまでもやってきているわけですね。それから、この日本の対応が次の政権、つまり、反日政権をつくるという李先生の考え方とは私はちょっと違っていて、もう1回言いますけれども、今回、何もやらなかったら、日本政府として対抗措置をとらなかったら、これについて合意した中身について文句も何も言えなかったら、措置もとらなかったら、それはそれこそ次の政権はもう逡巡なく、日韓の慰安婦合意をひっくり返すかもしれないので、何か日本が対抗措置をとったことが、次の大統領を反日にするという要因になるというのは、ちょっと一方的な見方」

『日韓合意』韓国の本音は
山本議員
「先ほど、対抗措置の話をした中で通貨スワップの話がありましたが、これは結構これからの日韓関係を考えるうえで重要になってくると思うんです。ここに来られる方、皆さん、ご存知になっていますけれど、通貨スワップ、ドルとウォン。何かがあった時に融通し合えるという取り極めですよね。これは2011年に、欧州の金融危機があって、その時、日本側も韓国側と相談して、130億ドルだった枠を700億ドルまで上げたんですね。その後2012年に、例の、李明博大統領の竹島訪問と天皇陛下に対する発言があって。そんなことがあって日韓関係が悪くなって、2013年に増えた分を止めて、結局2015年に切れたんですね。昨年、日韓財務対話というのがあって、7回目だと思うのですけれども、こちらが麻生財務大臣、韓国側は企画財政部長ですか、大臣がわからないですけれども、言い方が。2国間のことを、世界のことを話しましょうと、その中で、韓国側から再協議を提案してきたんですよね。では、それを1回、通貨スワップ協定で話し合おうということだったのですが、もちろん、韓国経済が悪くなって、日本にいいことは何もありません、はっきり言って。だけど、とは言え、これはどう考えても日本は基軸通貨がしっかりしている、円という、しかも、6か国の中央銀行の総裁と無期限でスワップできるわけだから、これは明らかに韓国のためですね。でも、これを何か今回の慰安婦合意の件で持ち出してきたことについて、政経分離をするとか、あるいは日本側はなぜここまでやるのだというのは、ちょっと違うと私は思っていて、それは当たり前だと思わないでもらいたい。韓国のためにこちらがやるのは、国と国との信頼関係があるから、やるのであって、2013年に、なぜあのまま切れる時に、韓国側は必要がありませんと言ったか。それはいろんな分析があるかもしれませんが、それはその時に朴槿恵政権としては、おそらく中国との関係がかなり良くなっていたと。(現在は)たとえば、今回のTHHAD、高高度迎撃ミサイルシステムの件で実質的な、経済報復を受けているんですよ、中国から。こういうことがなかったから、別に日本とのスワップが切れても問題ないだろうと思っていたのだと思うんです。ところが、現在はご存知通りこのTHHADを巡って、いろんな分野のリソースを動員して、公式には認めないですけれども、いろんな報復措置を中国がとってきたと。現在、韓国のスワップの状況を見ると、よくご存知だと思うのですが、半分以上が中国です、ほとんど。元とウォンのスワップですよね。これが2017年10月に切れてしまうから、これでまた、中国が報復をしてきたりするとまずいので、リスクを分散するため日本にもう1回やってくださいということなので、それは韓国側には韓国側の思惑があるのだと思います。現在、韓国経済は悪くないです。最新のGDP(国内総生産)のデータを昨日、読んできたのですが、2.7%と言っても、思ったほど落ち込んでいない。経常収支黒字も増えているし、それから、財政の格づけも高いから、いわゆる日米、アメリカの金利差か何かで昔あった新興国のお金がバーンと流出することはないかもしれないけれども、でも、金融危機になった時には、おそらくドルの短期資金を調達するのに苦労するかもしれないという状況ですね。でも、それは2013年の時もそうですけれども、それは韓国側の思惑ももちろん、あったのであって、いや、それは韓国にとって良くないから、こういう対抗措置をするのはルール違反だと言うのはちょっと考え方としては違うと思います」

保守低迷『次期大統領選』
秋元キャスター
「さて、韓国では今年、大統領選挙が行われます。日韓関係の今後にも大きく影響を及ぼします大統領選ですけれども、保守勢力の有力候補の1人でありました、前国連事務総長の潘基文氏が今月1日に出馬を突然、断念しました。韓国世論調査会社リアルメーターが発表しました最近の調査結果によりますと最大野党の共に民主党前代表の文在寅氏が支持率で他の候補を大きく引き離しています。文在寅氏を追うのが同じ共に民主党の安熙正氏。立候補を表明していないのですが、首相で大統領代行を務めています黄教安氏が支持を集めています。第3勢力の国民の党前共同代表の安哲秀氏、韓国のトランプとも言われています李在明氏が続いているわけですけれども、一昨日、与党セヌリ党の元院内代表の元裕哲さんが出馬を表明するなど大統領選挙に向けた動きが激しくなっています。洪さん、保守派の有力候補だった潘基文さんが立候補を断念したことで保守派は本命不在となったわけですけれども、現在の状況をどう見ていますか?」
洪氏
「潘基文氏はもともと完走するとは専門家は見ていなかった」
反町キャスター
「途中でやめると思っていた?」
洪氏
「そうです。それは絶対。もともと潘氏を保守系の候補とも思わなかったし、新聞が一部、勝手にそのように書き立てただけの話ですね」
反町キャスター
「それは、保守は誰が担ぐのですか?黄教安さんという人が、いわゆる保守派の中で名前が出てくるとしたら、この人ぐらいですけれども、この黄教安さんなる人、大統領候補になる資格はどうなのですか?この人にはあるのですか?」
洪氏
「資格はありますよ」
反町キャスター
「資格というのはこの場合、能力ですよ。どう評価しますか?」
洪氏
「能力、経験、全ての資質ではあると私は思うんです。ただ出馬は自分の意思ですから。それから、現在言われているのが、大統領選挙がどうなるではなくて、いつ選挙が行われるのか。朴槿恵が弾劾されて罷免されるのかどうかですね。黄教安さんは、自分が出るというのは朴槿恵大統領の弾劾罷免を既成事実化することです。だから、メディアは強引にそちらの方に持っていくんですね。これはある意味、メディアの陰謀です。大統領権限代行の口から大統領の弾劾を既成事実化するための」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、弾劾が確定し、大統領選挙が確定した時点で、黄教安さんが、僕はちゃんと保守派を背負って立候補すると言ったら、世論調査でいうと第3位だけれども、伸びてくる可能性もあると見ていますか?」
洪氏
「弾劾されないで、たとえば、弾劾が棄却されたあと、彼は出馬を表明しても十分です、その後も。現在は弾劾を既成事実化し、そのうえでのシナリオをメディアが書いているわけですね」
反町キャスター
「李さん、いかがですか?左派と言われる人達は皆、文在寅さんに結集する雰囲気なのですか?それとも、安熙正さんなど、諸々含めて散るのですか?」
李准教授
「今回は普通の大統領選挙ではなくて、大統領が弾劾されれば短期決戦でやらなければならないです。だから、元裕哲さんという人が潘基文さんと同じ忠誠道で成長したとしても短過ぎて、そこまで上がりません。ただ、韓国で大統領選挙が何かと言うと全てです。大統領選挙時に自分の顔を出さない政党は存在自体が否定されるぐらい、大統領選挙が全てを決めると言っても過言ではないですね。だから、保守派も誰かを出さないといけない現状にあります。ただ、現在、短期戦なのでアイススケートのショートラックで、2か月で走っているのは組織力があって前の選挙に出ている文在寅さんの方が堅実です。ただ、ショートトラックというのは1度倒れてしまうと、失格になっちゃうぐらいの危険性があります。一言、言葉を間違って人気が落ちる可能性もあるのですが、ただ、先ほど、あったのですが、黄教安さんは朴槿恵大統領の現在の問題で共同責任と言われて、資格も言われる問題です。だから、保守派では非常に難しい。現実的に、野党の候補全員の支持率を合わせれば6割を超えているではないですか。現在、韓国は、現実的に野党の政権交代になることを事実として認めるうえで、野党の中で1番でも合理的で、そうすると、たとえば、文在寅さんは意外に穏健保守的な側面も実はあるんです」
反町キャスター
「誰に?」
李准教授
「文在寅さんですね。文在寅さんはいろんな経験があるんです。盧武鉉大統領の時に大統領秘書室長。その盧武鉉大統領は米韓自主平等関係をつくってしまって、政策は失敗した経験があります。米韓関係を非常に優先に考えています。日韓関係は何があっても、文化を開放しながら年間300万以上、10年間で1000万をつけたのは、実は金大中大統領時代の成果で、盧武鉉大統領もそれが続いたわけです。その中で、文在寅さんは日韓関係を見ているわけですね。だから、日本で言ったら、いわゆる反日家、親日家という、そういう区別はあまりにも見分けが…、要するに、良くない表現なのですが、必ずしも文在寅さんは反日にはならないです。文在寅さんの政策は、日米韓同盟の中でもっとも安定的な政策ができると思いますので、1番可能性が高いのは文在寅さんというのは否定できないと思います」
反町キャスター
「山本さん、韓国の政治家をいろいろと見ている中で、文在寅さんと、3割を超えている支持率を持っている人を、どう見ていますか?」
山本議員
「それは民主化の闘士だから、それはそれなりのすごい人生を送ってきている人で、少なくとも朴槿恵大統領とあれだけの接戦を演じたわけですから、それなりに人間的な魅力も持っていると思うんです。ただ、李先生がおっしゃっていることが事実ならばありがたいのですが、それが、たとえば、ヒラリーさんと戦ったサンダースみたいに、李在明さん、この過激な人がちょっと失速をしたので、文在寅さんはあまり左に引っ張っていかなくてもいいところはあるかもしれませんし、最近、だんだんTHHADについても、慰安婦合意についても、発言がマイルドになっているということは事実だと思うんですね。ただ、すごく心配なのは、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)に反対していた時の、日本は軍事政権なんだみたいな話とか、何と言っても外交政策で現在1番大事な北朝鮮をどうやって抑止していくかということについて言うと、極めて北に近い、よくご存知の通り、盧武鉉政権時代の外交通商省の回顧録で、人権決議、国連の。北のOK、北と相談してやめたというのをスッパ抜かれているぐらいで、そこはすごく心配ですね。私は、文在寅さんではなく、保守系の人がなった方がいいと個人的には思っていまして」
秋元キャスター
「無党派層は誰の支持に流れるのでしょうか?」
金教授
「それは、1番のポイントは弾劾の結果だと思います。今のところ、文在寅さんで体制が固まったと。安熙正は勢いづいているけれども、短期戦だから、限界があるのではないか。保守の票を集めている職務代行の黄教安総理は、人物評も非常にいいが、依然として朴槿恵大統領の第二人者という、前科を振り払うには問題があると。ですから、大きく見れば、政権交代をするだろうと、文在寅さんか、安熙正だろうと。その中で言えば、文在寅さんの可能性が高いというのが大方の見方です。ただ、果たして本当に弾劾が思う通りに全て受け入れられて、国会の訴追案が全て受け入れられていく、容認されるのかと言うと、そこにも若干へんすうがあります。棄却される場合、現在の大統領が現職に復帰するわけですから、大統領選は相当先の話ですが、弾劾が容認されるとしても肝心要の第三者共賄罪、サムスンなど含めた財閥を絡めた収賄の部分ですが、この部分が、李在鎔サムスン副会長の逮捕状が最近却下されたように、どうも立証できない可能性も高くなっているんですね。この第三者共賄罪抜きで、強要罪、職権濫用、これだけで弾劾に踏み切るとなると、この弾劾は不当であるという保守の声も十分高まってくる可能性はあります。その時に黄教安さんが受け皿になるのか。あるいは彗星の如く保守の新しい誰かが出てくるのかはわかりませんが、これは余談を許さない状況が依然としてあると思いますね」
反町キャスター
「李さん、韓国の大統領選挙は、弾劾された場合、争点というのは内政ですか?外交・安全保障ですか?」
李准教授
「内政改革ができる国民世論にあう候補が当選します」
反町キャスター
「そういう意味では、野党が勝とうとも日韓関係は変わらないという見方はあるのですか?」
李准教授
「日韓関係、優先順位が後まわしにされるので、日韓関係を変える政策を前面に打ち出すことはあまりないと思います」
反町キャスター
「そんなに心配しなくてもいいではないかと、そこまで楽観はできないですか?」
山本議員
「まず韓国の外交政策がどうなるかはアジア太平洋の安全保障に大きな影響を与えますから、日米韓の連携にも大きな影響を与えますから、大統領の選挙の争点が内政になろうと、外交になろうと、次の大統領の外交政策がすごく大事だということが1つ。もし李先生がおっしゃる通り、内政だったら、争点がちょっとよくわからないなと思うのは、昨日の夜、主な候補者の中の政策を読んでみたのですがよくわからない。経済政策がよくわからない、たとえば、文在寅さんはムンノミックスとか言っているのですが、見てみたら、李先生がおっしゃったように、とにかく財閥をやっつける。財閥を規制すると、オーナー一族が支配するのを断ち切ると言っている。韓国のトランプと言われている李在明さんは、サムスン財閥と死ぬ気で戦うと言っていて、イ・ジェンミン・ニューディールとか言ってるけど、政策の実現性がよくわからない。経済ではなく、おそらく韓国の民主主義とか、現在の疑惑で大統領が追い詰められている、政治システムをどうするかとか、きっとそういう議論が中心になるのかと思います」
秋元キャスター
「今回の選挙は、選挙自体どんな選挙になると思いますか?」
洪氏
「いつ選挙があるのか。いつ選挙があるのかということは大統領が弾劾罷免されるかどうかの話ですね。問題は弾劾されても、されなくても、それを承知しない国民が半分ずつです。そもそもこの問題は崔順実氏のタブレットPCの問題は氷山の一角で、その裏にはTHAAD問題等で中国との対立があるんです。つまり、中国が朴槿恵大統領の引き降ろしに走ったんですね。現にソウルのろうそくデモに中国留学生が韓国に6万人いるというのですが、中国大使館は彼らを参加させたのです」
金教授
「世論調査をすると、韓国国民の8割ぐらいが弾劾は妥当であると。弾劾すべきではないという意見が15%ぐらいあると。どの世論調査も同じです。なので、これが二分されるといことはないのですが、あくまでも弾劾裁判の結果が出た場合、棄却か容認かの話をしているのですけれども、実は洪先生がおっしゃった中でポイントは、果たしてその裁判の結果がいつ出るのかというのも実は非常に不透明です。韓国メディアは3月の中旬には出るだろうと。そうすると、60日以内なので5月に大統領選挙ということで話をしているのですが、現在、朴大統領側が必死で法的闘争しているのも、その日をなるべく遅く持っていくと。そこにはどんな意味があるかと言うと、3月13日を超えると、憲法裁判所の裁判官はもともと9人いなくてはいけないところ、8人なのですが、これが7人になるんです。韓国の憲法上これが6人以下になると弾劾審判自体が開けないようになっています。ですから、7人体制になる3月13日以降に持ち越したい。そうなれば、それこそ2人以上反対すれば、棄却されることになりますし、万が一、7人のうち1人でも自分は辞退しますということになれば、弾劾裁判自体が開かれないですね。ですから、憲法裁判所は7人になるということは、単純に数字の減少を意味するのではなくて、弾劾裁判の機能存続そのものを意味するので、3月13日以前に出されるべきだという意見を表明はしているのですけれども、大統領側は、それは公正ではないと、現在はその戦いの真っ最中です」
李准教授
「憲法裁判所所長の1人が辞める前に、この裁判は3月13日に2人目が辞める前に結論を出すべきだ、と憲法裁判所長が言ったわけです。韓国の憲法を代表する機関の所長が、韓国の社会で必要な結論の1つが、弾劾を早く決めて、空白状況を埋めて、次の安定的な政権をつくることが必要だということですね。保守派、極右派から見ると、権力を奪われない唯一の方法は弾劾をさせない方法しかないので、あらゆることをやるのですが、朴槿恵大統領が戻ったことが保守派にとって有利なのかはまた別です。保守派の中で分裂しているんですね。韓国の保守派も変わるべきだと。極右派的な保守ではなくて、正しい保守みたいな、まさに少数民族、マイノリティ、あるいは民主主義も考えながら自由と平等の保守に生まれ変われるのにと」
反町キャスター
「どういう大統領選挙になるのかを聞いたのに、皆さん揃って、弾劾がどうなるかという、選挙の前のところで…」
山本議員
「弾劾がどうなるのかというのは3人の話を聞いているとすごく大事で、3月13日に裁判官がもう1人辞めると。1月31日に辞めた裁判所長は3月13日までに決めてくださいと、なぜなら2人反対すれば、弾劾が成立せず、1人辞めればやらないということなので、万が一、弾劾が否決されたら、朴大統領はずっと残ると、そうすると大統領選挙は随分先にいくわけですよね。これだけ時間がなくて、次の大統領はいわば補選だから、大統領になったら次の日からやらなければいけないので、現在の状況から言うと保守は不利ですよね。でも、弾劾が成立せずに、先にいけば、韓国の社会はダイナミックなので、何が起こるかわからないと。私は2002年の選挙を見に行って、朴槿恵さんとか、皆いたのですが、この時、みんな李仁済さんがなると思って、ところが、このキャンペーンの中で画期的な予備選挙をやって新星が出てきたので、延びると保守にもチャンスが出てくるのではないかと思います」

李泳采 恵泉女学園大学准教授の提言 『過猶不及』
李准教授
「論語にある過猶不及という言葉を取り上げました。これはどういうことかと言うと、やり過ぎるということは控えめ過ぎるとまったく同じだと。今の時期はやり過ぎではなく、タイミングをよく見て、時期を待つべきである。どちらでも慎重に考えるべきだと思います」

金慶珠 東海大学教授の提言 『Realism』
金教授
「結局、政治においてイデオロギーが必要ですが、リアリズムを見ていくべきだと。日韓関係も同様で保守政権だから親日、あるいは進歩だから反日ということではなく、お互いどこで取引ができるのか。どこでお互い利益を見出せるのかということを冷静に見ていけばいいと思います」

洪熒 統一日報論説主幹の提言 『共通の合言葉を』
洪氏
「あるがままの、実際の真実を見ないといけないと思います。真実を見たうえでの、共通の認識を、私はここで共通の合言葉と書いたのですが、慰安婦少女像とかいうバカバカしい話ではなくて、未来に向けて両国の、国民全体は無理だと思うんです。せめて指導者、首脳同士が我々は両国をこちらの方に持っていきましょうというような、そういう合言葉がほしいと思います」

山本一太 自由民主党参議院議員の提言 『日米連携』
山本議員
「釜山の領事館前の慰安婦像から生じた今回の日本側の措置、これはなかなか簡単には退けないと思うんです。なぜ慰安婦合意ができたのか。1つは、オバマ政権の強い働きかけがあった。だから、日米が連携して、しっかりと新しい政権に対して働きかけていくということがすごく大事だと思います」