プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2017年2月3日(金)
米国防長官が日韓歴訪 検証トランプ安保戦略

ゲスト

中谷元
前防衛大臣 自由民主党衆議院議員
渡部恒雄
笹川平和財団安全保障事業企画室特任研究員

緊急検証 マティス長官訪日 トランプ時代の『新・安保戦略』
松村キャスター
「今日、来日したマティス国防長官は、午後5時40分過ぎから安倍総理とおよそ1時間に渡って会談を行いました。中谷さん、いかがですか?」
中谷議員
「非常に和やかな雰囲気で、大事なことを言われたんです。特に誤解の余地がないようにということ。それが日本に来た目的であるということで、経済のトラブルなどはあとで取り返しができると思うのですが、安全保障のトラブルというのは、それで国家の安全保障の命運に関わることであります。特にトランプ氏が発言したことについては、いろいろと憶測がとられていますが、まず国内に対しては日米同盟をしっかりやるのだと。それから、沖縄に対しても辺野古が唯一の道であると。それから、中国や北朝鮮に対してもこういった日米の強力な姿勢は日本の防衛や抑止力、対処力に揺るぎがないという形で、しっかりと誤解がないように、プレゼンスを示したというのは、見事な対応だったと思います」
渡部氏
「期待していた通りで、つまり、期待と言うのは、日本人も期待しているけれど、アメリカ人のプロも期待していて、これはトランプという人は大統領としてはアマチュアなわけです。ところが、マティス国防長官は軍人のプロであり、かつ軍人だけではなくて、安倍さんも言っていましたけれども、外交もプロ。全般的な国の戦略ということに関してプロですね。彼は政治のあり方、軍と政治のあり方も、本まで書いているぐらいの」
反町キャスター
「単なる軍人と思わない方がいいのですか?」
渡部氏
「彼はまずインテレクチャル、非常に優秀な本も書いていますし、多方面から尊敬されているので、ちょっと、だから、もちろん、軍人の定義が日本はちょっと偏っていますけれど、軍人というのは、特にトップの軍人と言うのは、優秀な知識人ですよ。そういう意味で、今回のマティス国防長官というのは期待した通りであって、しかも、実は安保条約5条。これをきちんと明確に話をしてくれたでしょう。国務長官のティラーソン氏は議会公聴会で、尖閣がもし攻撃されたならば、これはアメリカが日米5条の対象になる。これを言っているのですけれども、この段階で国務長官と国防長官がきっちり出しているというのは、これはオバマ政権の時も暫く経ってからですよ。だから、かなり、しっかりしたメッセージ、非常に安心をしましたね」
反町キャスター
「中谷さんも先ほど言われてように、僕らも気になっているのは、この頭どりの中における国防長官の発言です。『私が、初めての外遊を、この地域にしたかった理由は、ワシントンでの政権移譲で誤解をしてほしくなかったからだ。私達は安倍首相と日本国民と100%堅固に協力をしていく』と。誤解してほしくなかったからだというところに当然、我々も引っかかったわけですけれども、では、トランプ大統領がかつていろいろ選挙期間中やら、言ってくる中で、僕らが誤解というか、もしかしたら前にも、そのまま非常にやばいなと思った発言、こういうものではないかとつくってみました。過去の発言、まずは『日本の核保有は悪いことだとは思わない』という発言もありました。もう1つは、『日米安保条約は不公平だ。日本が攻撃されたら、我々は、直ちに助けに行くが、我々が、攻撃をされても、日本はそうする必要はない』。いわゆる片務性のことを言ったものですね。もう1つ『日本は米軍の駐留経費を全額払うべき。(応じなければ)撤退をすべき』であると。こういうことをまず、他にもいろいろあるのでしょうけれども、こういったトランプ大統領の過去の発言というのが、今日、この言っている、マティスさんの言った誤解してほしくなかったからという発言の背景にあるのはこのことではないかなと思うのですが」
渡部氏
「大統領が、しかも、過去の大統領選挙で言っていることは素人なうえに政治家だから、一般アメリカ向けのメッセージだから、それは整理されていないというのが1つと、もう1つはたぶん今後もトランプ大統領の発想はディールというのか、ビジネスマンだから、いろんな可能性をテーブルに上げ、その中から自分の取りたいものを取っていくという発想なので、これは、実は安全保障、特に同盟国との発想だとちょっと違うんですよ。つまり、同盟国に対して安心を与えなくてはならないと。ところが、トランプさんはどちらかと言うと、安心を与えるのではなくて、相手をちょっと心配させて、その中で、いろんな情報を引き出そうと思っているので、そこはもちろん、皆わかっていて、なので、でも、最低限、これは先ほど、冒頭に、中谷さんがおっしゃられたように安全保障で変なことが起こったら取り返しがつかないから。それはたぶんトランプさんもわかっているし。だから、たぶんマティス国防長官、彼が実は議会承認の時に言った話は結構トランプさんと違うことを言っているのだけれども、トランプ大統領は、いいじゃないかと、容認しているわけですよね。任せているのだから。だから、理屈が違うこともわかったうえで国防長官としての理屈で、ちゃんと日本に来て話をしている。こう私は理解をしているのですが」
反町キャスター
「そうすると、渡部さん、こういった核保有の話とか、駐留経費を払うべきとか、片務性が問題だという、過去のトランプ発言というのはあまり気にしなくてもいいのですか?」
渡部氏
「気にし過ぎてはダメですね、ディールだから」
反町キャスター
「ディールということは、それは日本と何かをやろうと意味で、日本にふっかけているという意味ですよね?」
渡部氏
「そんなことはないです。だから、最後、メッセージは必ずしも、日本に対してではないケースが多いから。たとえば、日本の核保有を言う人は、だいたいターゲットは日本に対してではなくて、中国とか北朝鮮に向けているわけですよ。君らが、ちゃんと、つまり、北朝鮮は自分達が核をやり続けると日本が核兵器を持つかもしれないぞと脅しで使うアメリカ人は多いし、特に中国に対してちょっと過大評価というか、中国がきちんとやれば、北朝鮮は核兵器を持たないと過大評価をしていると思うのですが、トランプ大統領は。要するに、中国がちゃんと経済制裁に協力しないことに対して不満をいっぱい言っているんですよ、トランプ大統領は。実はオバマ大統領も言っているのですけれども。ちゃんとやらなければ、日本だって核保有しちゃうよというような、そういうメッセージというのは結構、アメリカからあるので」
反町キャスター
「こういう跳ねたことを言っちゃう大統領がいます。一方で、手練れのベテランの国防長官が、(大統領の)言った発言の後処理というか、大統領はこんなことを言っているけれども、こうこうこうですよという、そういう穴埋めの旅行で、もし日本に来ているとすれば、誤解と解くために来ているのだとすれば、この制度というのは、日本にしてみたら、政治と政治の向き合いからいえば、迷惑な話ではないのですか?」
中谷議員
「そうですね。ディールという言葉がありますけれども、安全保障をディールにすると紛争が起ったり、また、国内から反発が出たり、タダごとではなくなるんです。ですから、そうやるべきではないです。特にこの2番目の発言を受けて、マティスさんは、早く日本に行かなければと、誤解を解こうということですが、言っていることはもっともですね。片務性、不公平だと。攻撃をされたら直ちに助けに行くが、(米国が)攻撃されても日本はそうする必要がない。これは集団的自衛権でまともなことです。ところが、日本は憲法があって、平和安全法制でもまるまる集団的自衛権を使えるかどうかを、さんざん議論しました。それは日本が存立にかかわるような事態に限って、米国を支援するという限定なのですが、読み方によっては、憲法改正して集団的自衛権を見ないと、アメリカは守らないと、まさに、誤解ですね」
反町キャスター
「先ほどの誤解を解きに来たということで、もう1つ、『1年前、5年前と同じく日米安全保障条約第5条が本当に重要なものだと明確にしたい。5年先、10年先も変わることはない』という発言がありました。この日米安全保障条約第5条というのは、何かと言いますと、日本の施政の下にある領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って、共通の危険に対処するように行動することを宣言すると。渡部さん、もう少しわかりやすく、安保条約第5条とはどういうルールだと思ったらいいのですか?」
渡部氏
「日本が日本自身の安全が脅かされることになった場合には、当然のことながら、日本は自分達で防衛をしますよね。それにアメリカも一緒に協力をして、日本の領域を守ったり、地域を安定することをやりましょうということです」
反町キャスター
「安保条約第5条の適用は、つまり、僕らの念頭にあるのは、尖閣諸島の話にすぐになるのですけれども、これを1年前、5年前と同じくとマティスさんが言っていますよね。1年前、5年前というのは、ヒラリー国務長官の時のことを言っているのですか?そういうことですよね、渡部さん」
渡部氏
「要するに、第一次オバマ政権、第二次オバマ政権でもということですね」
反町キャスター
「そういうことですよね」
渡部氏
「はい」
反町キャスター
「オバマ政権のそれぞれにおいて言ったことを、今回も明確にしたいと。先々も変わらないということを結構、先ほど、渡部さん、早く言ったと言いましたよね?それはどう見ていますか?」
渡部氏
「早く言ったって、何か言うと、この方針というのはもちろんオバマ政権の前から、この方針で合意をしているんです、日米は。もちろん、ですけれど。ただし、この方針というのは、つまり、尖閣も含むという話ですね。それも含めて、もちろん、尖閣以外だったら、ましてやですよ。ましてや日本の領域だったらまして。尖閣もそうです。それを実は長官レベルで、最初に特に尖閣が安保条約第5条の対象になると言ったのはヒラリー・クリントン国務長官。そのあとにオバマ大統領も言ったわけです。と言うことが念頭にあると思いますね」
反町キャスター
「それを、でも、今回は既に議会承認の時に、ティラーソン国務長官が言っていて」
渡部氏
「国務長官になる前ですけれどね」
反町キャスター
「ティラーソンさんも言い、国防長官も言うということは、また先ほどの話に戻ってしまうのだけれども、トランプ大統領が選挙期間中に日米安保条約の片務性とかに触れて、もしかしたら尖閣で何かあった時にアメリカの兵隊は尖閣で血を流さない意味ではないかという議論もいろいろある中で、こういう誤解を解くために、逆に言うと、トランプさんがこういうことを言ったものだから必要以上に早く言わざるを得なくなってしまったという見方はありですか?そうでもない?」
渡部氏
「誤解というのは皆いろんな誤解をしているから。でも、日本の誤解を解くよりは、日本が誤解をするのも良くないことだけれども、1番怖いのは、中国とか北朝鮮の誤解でしょう。それこそ取り返しのつかないことになるでしょう。そこは明確にしたいと思ったのではないですか。だから、トランプさんが過去にそういうことを言ったとしても、それは、だって、選挙の期間だし、それから、具体的に細かいことまで言っていないですからね。そういう意味では、明確にしようと思ったのだし、私の読みですけれども、トランプさんという人はそういう過去の安全保障上の約束みたいなのは知らないし、経験もないし、やってください、と言ったからって素直に聞く人ではないので、そこはむしろ国防長官の口から言って、トランプ大統領は、マティス国防長官を非常に信頼しているので、だから、そこで決めてしまう、そういうことも含めてだと思います。もちろん、トランプ大統領は、そこは知って、ある程度はわかっていることだと思います」
反町キャスター
「以前、安保条約5条の話をした時に、中谷さんは確かこのスタジオで、次に、たとえば、日米首脳会談とかで、尖閣に第5条適用するかどうか、早く確認した方がいいですか、と聞いた時に、いや、その必要はないのではないかと言いませんでしたか?」
中谷議員
「うん、日米のガイドライン、防衛協力、これを2年前の4月に結びました。それに基づいて実務的な日米の共同作戦とか、訓練が、既に進んでいますので、そういう認識で日米も行動をしていますので、今さら確認する必要もないという気もいたしますし、もう1つ、尖閣列島の中に久場島と大正島というのがあるんですね。これは尖閣諸島ですけれども、これは沖縄の中で米軍の施政下に置かれて、日本に返還される前、実弾射撃をやっていたんですよ、射爆場で。つまり、尖閣列島はアメリカの訓練場です。ですから、そういうことであった歴史的な事実もありますし、今さらそういうことをあらためて言う必要もないと。これは米国の施政下にあった。つまり、日本の領土であるとの証明ですから、敢えて言わなくても我々はわかっていたと思います」
反町キャスター
「そうすると、僕らの報道の姿勢で聞きたいところがあるのですけれど、要するに、こういう話になると安保条約第5条適用というものがポイントとしてあがってきた。アメリカのマティス国防長官が日本に来て、こういう約束をしたよと騒ぎたくなるのだけれども、実は日本政府にしてみたら敢えてそんな速報で流すような大きなニュースで扱うような話ではなくて、言っているのは、アメリカの都合だよねと。渡部さんが、笑っているので、そういう意味でよろしいですか?」
中谷議員
「トランプ発言があるから非常に不安視している人もいました。そういう意味で、政権が変わっても前の政権と同じだよと言うことで、確認をするということは非常に大きな意味があると思います」
反町キャスター
「その意味はある、と言って日本が積極的に確認する必要まで…、渡部さん、どうですか?」
渡部氏
「この前、中谷さんと私もいた時、その時に敢えて積極的に日本から求めなくても、そこは合意しているから無理しなくてもいいよと。ただ、アメリカがちゃんと確認をすると言うのだから、いい話ではないですか。それと、もう1つは、これはトランプ的なディールから言えば、これから中国に対していろんなディールをするうえで日本とアメリカががっちりしているということは、すごくアメリカの交渉におけるツールを強めますよね。あるいは北朝鮮に対しても。だから、抑止という発想で言うと、すごくマティスさんとか、我々の安全保障の専門家はそういう発想で見るのだけれども、トランプさん的に考えれば、中国とか、北朝鮮と交渉をするためにがっちり押さえておくというのは、実はプラスだよという説明をすると、トランプという人は、そうだよなと思ってくれる。つまり、理屈がちょっと違うんですよ。ビジネスマンの理屈は。それはしょうがないので。これから、でも、結果的にはやることも、言うことも一緒だとわかれば、がっちり安定するではないですか。私はそう思って、クリエイティブに物事を考えるにはすごくいいことだと思いますね」
反町キャスター
「結局、マティスさんと安倍総理の会談、ポイントにはこういうものがありました。政府筋から先ほど、ブリーフがあったのですけれど、今日の会談のポイントは、この3つだそうです。尖閣諸島は日米安保第5条の適用対象と相互に確認をしました。マティスさんは確認に来たと言って、総理もそれを了とした。まずこれが1つ。もう1つは、普天間基地の問題は辺野古移設が唯一の解決策であるということで、双方が合意した、確認をしたと。在日米軍駐留経費の負担増については言及がなかった。日米安保第5条の話、駐留経費の負担増については両方とも言及しなかったというのはまず真ん中の辺野古移設、中谷さん、このタイミングでマティスさんが日本に来て、安倍総理との間で辺野古移設が唯一の解決策だということを確認した、合意したということは、これはどう受け止めたらいいのですか?」
中谷議員
「沖縄の基地問題はアメリカも非常に重要視をしていると。努力もしていると。そういうことで、日米の基地問題は20年前にこうしますよと。普天間は海上に移すということを含めて、約束をして20年が経って、未だにまだ完成をしていない。これはよくよく考えても、早期に辺野古に移設するというのが唯一の手段であるということを明確にしたという、1つのメッセージですね。それと、マティスさん自身が沖縄にいて、海兵隊として勤務をしたということで、沖縄の米軍基地のプレゼンスは、アジアの平和と安定のために非常に重要な意味があって、そういう意味で、早く基地の移転、縮小。これをはかる意味でも普天間の危険性の除去を早くしなければならないということで、その想いを強く打ち出したということだと思います」
反町キャスター
「渡部さん、辺野古への移設、唯一の解決策というポイント、現在ここでやる必要があるのかどうか、ないしはやることによって何を意味したかったのか?これをどう見ますか?」
渡部氏
「1つは、辺野古の問題が日米同盟のトゲになりかねないわけで、過去にあったでしょう、鳩山政権の時に。そうではなくて、きちんと合意しているところを見せるということ、これは世界に対してですね。特に周辺諸国。もう1つは議会、実は議会の軍事委員長マケイン上院議員の承認を貰って、実はマティスさんは圧倒的に信頼されている人です。だから、今回議会承認はまったく問題にならなかった。だからこそ議会は大事だと思っているわけで、この議会が実は辺野古移設の費用も常に予算を計上してやっているわけで、議会が1番心配しているわけです、進むか、進まないか、予算をどうするかと。そのためにもきちんと明確なメッセージを国防長官が日本側ときちんと話す必要がある。だから、議会に対する義務でもありますよね」
反町キャスター
「最後にお金の話を聞きたいのですけれども、中谷さん。マティスさんが一切誤解の余地のないものにしたいと。要するに、誤解を解きに来たと言っています。その中において、誤解というか、日米間の、トランプ大統領の過去発言において、我々が心配するのは駐留経費の話というのがありました。でも、今回マティスさんはどの場面においても、総理に対しても、岸田さんに対しても、どこの場面においても経費の話はしていない。これはどう見たらいいですか?」
中谷議員
「これは確保をしているし、世界中で勤務をしていた海兵隊の指揮官であったということで、日本の努力というのは、理解をしているのではないでしょうか。トランプ氏は感情的に言っていますが、現実として、2年前、私が防衛大臣の時に、この駐留軍経費の問題で、日米で相当、議論をしました。そういう中でお互いの状況も理解して決着したんですね。これは5年間有効ですから。今、途中、もう1度、またやり直せと言っても、それは無理な話ですから、今回そういうことも言わないし、彼なりに、日本の立場や努力、こういうことを理解されているのではないかと思います」
反町キャスター
「そうすると、今回マティスさんが経費の負担増に一切言及しなかったということは、たとえば、日米首脳会談で、トランプさんが安倍さんに対して、この間、マティス、うちの国防長官が行った時に話をし忘れたのだけれども、経費をもうちょっと日本が負担してもらわなくては困るよというカードを取っておくつもりで触れなかったのではなくて、今の話だと、中谷防衛大臣の時代にアメリカときちんと話がついて、まだ、有効期間が3年残っているから、それを了として、我々は当面、言うつもりはないのだよという受け止めなのか。全然意味が違ってくるのですけれども、どう見たらいいですか?」
中谷議員
「今回の訪問の目的というのは、日米の相互の信頼、これを確認する。パートナーである防衛大臣と話し合いをして、お互い、人間として…」
反町キャスター
「稲田さんのところで言う可能性があるのですか、この話?」
中谷議員
「いや、そういうことですから、いきなり金の話とか、そういうことをすると疑心暗鬼になるし、国民も感情的になりますけれど、まず今回はお互いの信頼関係を確認するわけであって、こういう経費の話もお互いの信頼関係の中でやっていますので、1度、決着させていますので、いきなり持ち出すということは得策でもないし、しなかったと」
反町キャスター
「安倍総理との会談でのマティスさんの発言ですが、1つは『日米関係は試すまでもない』という発言をしています。もう1つ、『今の政権移行期に、この混乱に乗じていろんなことをやってくる奴がいる。それをストップするために日本に来た』ということも言っています。渡部さん、どう感じますか?」
渡部氏
「思った通りというか、予想した通り。最初の日米関係は試すまでもない。日米で何を今後するかを話しに来たのだろう。日米でこの地域の安定のために何をやるか一緒に考えようと。だから、日米関係を何とかしようとしている、そんなのではない。もっとクリエイティブだし、だからこそ日米同盟というものが、価値があるのでしょうと、私はポジティブに見ました」
反町キャスター
「では、混乱に乗じていろんなことをやってくる奴がいるという、奴とは誰ですか?」
渡部氏
「それはいろんな人です。国を動かしている人です。要するに、当たり前ですが、同盟関係が緩むかどうかわからないから突ついてみようと、それだけでも相当地域を不安定にしかねない。ここはガッチリと、そんなことはないと隙をみせないのが第一でしょう」
反町キャスター
「それは西の方ですか?北の方ですか?」
渡部氏
「あらゆる方面でしょうけれど。西も北も両方でしょう」
反町キャスター
「マティスさんが警戒する国の中にロシアが入っているのかどうかは?」
渡部氏
「実は議会証言では、ロシアは脅威になっている1つだと言っているんですよね。トランプ大統領とはかなり違う認識を堂々と言っていますから、軍のプロはあらゆる可能性を考えるわけですよ。ですから、当然そこだって頭に入れなければダメです。隙を見せてはダメですよ、誰に対しても」
反町キャスター
「中谷さん、マティス語録をどう感じましたか?」
中谷議員
「試すまでもないと言ったのは、既にプログラムはできていて、それを進めるだけだと。日米のガイドラインに基づいて協力を進めるということです。いろんなことをやってくる奴がいる、これはあらゆるものが対象で、特にアジアにおいてはアジアの安定のために日米がしっかりするということで、ストップをさせるという意義がありますが、マティスさんはじめ、トランプ政権にとって1番の重点は中東だと思います。と言うのは、イラン、イラク、ISIL、シリア、ウクライナは全て複雑に絡んでいて、ロシアという存在が1つのキーですね。シリアの中もロシアといかに対応するか、イランもどう対応するか。そういう非常に難解なものをやらなければいけないのでアジアを早く安定させていく必要があるという意味で、真っ先にアジアに来て これは安定をさせるためにということで、非常に効果があったと思うので、問題は世界でテロが起こっていますし、ISILの問題もあるし、それをどうするのかが非常に大きなトランプ政権の課題だと思います」

緊急検証 マティス長官訪韓 トランプ時代の『新・安保戦略』
松村キャスター
「マティス国防長官は日本を訪れる前に韓国を先に訪れたのですけれど、『米国あるいは我々同盟国へのいかなる攻撃も打ち負かされるだろう。どのような核兵器の使用でも効果的で圧倒的な反撃に直面するだろう』と、この効果的で圧倒的な反撃というのは?」
中谷議員
「THAADミサイルのことだろうと」
反町キャスター
「(韓国の)大統領選で次の大統領に左派系の人がきた時には、THAADミサイルに反対する、THAADミサイルを撤回する、できるかどうかはわからないですが、そういう次を見越したうえで釘を刺しにきたという意味で言っていますか?」
中谷議員
「うん。韓国が日本との関係でGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を決断したというのは立派だったと思いますし、THAADミサイルについて国内的には意見が分かれていますけれど、国の安全保障を考えた場合には、私は配備の必要はあると思っていますし、そういう意味で、この合意によって政府が強く決断する、また、米軍の韓国との関係で、板門店から南の方へ移転する話もあるんですね。この関係も現在の政権でやっておかないと将来混乱しますので、そういう意味で、非常に韓国の安全保障体制が大事だということで、真っ先に韓国に行かれたのだと思います」
松村キャスター
「先に韓国に行って、直後に日本に来るという、アメリカ側の狙いは?」
渡部氏
「このメッセージは、米国、我々の同盟国へのいかなる攻撃というのは、韓国もそうだけれども、日本も入っていますよね。韓国に行くことによってより直接、北朝鮮へのメッセージにもなるうえに、実は韓国がTHAADを配備したことによって、これに気を悪くして、韓国との関係を悪くしているのは中国ですよね。なので、実はこういうことをやることはおそらくトランプ大統領とか、マティス国防長官もそうですけれども、中国に対するある程度、協力してくれという圧力というか、メッセージだという。ある程度、北朝鮮に対する経済制裁をやっているのですけれど、中国も入って。ちゃんとやりましょうよという部分が1つ入っていてもおかしくないですね。つまり、これはどちらかと言うと、マティス国防長官というよりは、トランプ大統領が割とそう思っているんですね、正しいかどうかはともかくとして。ただ、やはり北朝鮮が1番怖いんですよ、皆、そうでしょう、現在。北朝鮮の動きは見えないですし、中国も不快感を持つぐらい、誰の言うことも聞かないというようになっているわけですから、この力によって抑止を担保するというのが大事で、効果的で圧倒的な反撃は、オバマ大統領の時にはいろんなところで軍事力を(使うのを)ためらっていた。トランプ大統領はわからないでしょう。皆、心配になっているでしょう、いろいろなことが。つまり、北朝鮮だって心配になっているのでしょう。これは効果的に使うべきですよね、我々同盟国としても」
反町キャスター
「朝鮮平和擁護全国民族委員会のスポークスマンの談話ですが、『私達が最先端の戦略攻撃手段を備えるようになったのは主権国家の堂々たる自衛的な措置であり、平和守護のための避けられない選択である』と、この発言をどう受け止めますか?」
渡部氏
「最初に、念頭に金正恩氏のICBM、アメリカに向けての。そのラインで、かつ今回のマティス国防長官の発言とか、動きとかに非常に警戒しているし、アメリカ側の送っているメッセージもそれなりに効いているということですよね。ただ、トランプ大統領(のことを)を言うと複雑になってしまうんだけれども、話してもいいと話しているわけです。金正恩さんと一緒にハンバーガーを食ってもいいみたいなことも言っているんですよ。当たり前のことですが、硬軟両用で、かつ彼はディールをしようとしている。それはそれで1つのメッセージであって。たぶん怖いとも思っていると思いますよ。実はブッシュ政権の時に、子供の方の。かなり北朝鮮に強硬に動いた時、北朝鮮を非常に恐れて、なんとかしたいと思って、ブッシュ政権が動かなかったから何をしたか、日本の小泉さん…、そういう動きをつくり出すことは大事なことではあるんです。(北朝鮮のミサイルを)ゼロにすることはほぼ無理だということは皆、わかっているわけ。でも、抑えなければ。ICBMの能力を持っていると言っていますけれども、まだ完璧なものからほど遠いのはわかっているけれども、でも、放って置いたら持ってしまうでしょう、どうやって止めるのですかというのは、韓国とアメリカ、日本とアメリカが本気で話さなければならないテーマですよね」
中谷議員
「5回目の核実験をしましたので相当の能力は備えていますし、ミサイルも米国本土に到達できるような域にきつつあります。その意味においてはこのようなメッセージを常に発しつつ、アメリカがどのような政策をするのかを見ていまして、それが明らかになるまで思い切った行動はしないと思います。しかし、アメリカの政権がまだ準備中で、どのような政策をするか、これからの話になってますが、1つだけ心配なのは韓国の政権、これがどのような政権になるかというのは大きな要素でありまして、ちょうど6月に米韓の合同軍事演習を毎年やっています。この時期、北朝鮮は常に対抗するのですが、だから、トランプ政権において米韓関係がどうなるかということで、現在の政権では従来の米韓の関係は維持されるということですが、今度の新しい政権がどうなるか。これはアメリカも、我々も注目しておかなければいけないと思います」
松村キャスター
「今月10日には日米首脳会談が行われる予定ですが、どこがポイントになると思いますか?」
渡部氏
「安全保障をきちんと固めた、これはいいことですけれども、ただし、それが、トランプ政権が一方で重視している貿易とか、経済とか、こういうことに対してある程度の重石になるとは思いますが、だからと言って、手加減してくるかどうかはわからないということです。逆に言えば、ここを固めたからこそ、こちらの方は結構いろんな話をしてくる可能性はあると、経済に関して。これは面倒くさい。でも、経済が面倒くさくなって同盟関係が揺らいでしまったらダメだから、ここを固めるというのは良いことですよね。それはちゃんと考えているということです、トランプ政権は。トランプさんの良いところは、ディールをするということは、英語で言うとtransactionalと言うんです。要するに、相互のやり取りの中からつくっていこうとするんです、いろんなものを。それはこちらもプレーヤーですよ。やり取りの中で。そうやってつくっていけばいいので、結論を言ってしまえば、そんなに日米は、通商でも、経済でもゼロサムなことはやっていないんですよ。だけれども、トランプさんとしては、それはわかっていないから。頭は1980年代くらいで止まっているから。あの時の日米貿易摩擦をどうやって乗り越えたか。それは同盟の価値が実は経済も支えているというのを、じわじわと日米でわかっている人達が支えて現在にきているのであって、これを、大変だけれども、やるしかないので、それを国防長官が来てやってくれているのだから、良いスタートだと思った方がいいですね」
反町キャスター
「通商問題について、大統領本人が言っていても、国務長官が言うのか、商務長官が言うのか、通商代表が言うのかはわかりませんけれども、その人が日本と接触する中で、うちのボスはこう言っているのだけれども、こうこうこういうことでと、1つのパターンができてくるような見立てはありますか?」
渡部氏
「自分に有利なパターンをつくればいいんですよ、日本が。だって、やってきているのだもの。私がアメリカに留学した理由は、日米貿易摩擦があまりにも酷く、これは日米がどうなるのかと心配になって留学をしたぐらいですから。その過程をアメリカ側でずっとやりながら、あ、そうかと、最後は自分達の利益とアメリカの利益が合致すれば、そのへんは解決できるのだということを、身を持って体験している人が多いので、それを辛抱強くやるしかないですよ」
中谷議員
「まずは首脳同士の信頼関係、人間関係の構築です。そのためには、ゴルフを通じながらお互いの気持ちが確認できるということで、有効な手段だと思いますし、それから、別荘に言って、2人だけの会話もされるという中で、本当の信頼関係ができると思います。非常にこういうことにおいて、やり手ですね、トランプさんは。まず国益を考える中で、お互いにwin-winの関係をどう引き出すかというのは、総理の外交信頼関係の中で、いろいろな問題があるけれども、2人は仲がいいのだという中で、皆の心配も薄れてくるし、希望も出てくる。まずは両国の首脳同士が良い関係であるという関係を構築することだと思います」
反町キャスター
「ただ、トランプ大統領のやっている国境に壁をつくるとか、7か国からの入国を制限するという話は、(国際社会から)非常に批判を受けていますよね。その中で総理が突出してトランプ大統領との親密さをアピールすることが、他国との関係において、本当にプラスになるのかどうか?トランプ大統領との付き合い方というのは、他の国との関係を見た時に難しくないかというのは、そこはどうですか?」
中谷議員
「ですから、遠慮せずに率直に言える関係をつくるということですが、これは相当、信頼関係がないと思い切ったことは言えません。しかし、本当に良い関係だと苦言も、助言もできますので、まずは人間同士の関係を築いて、信頼されることで、いろいろと必要なことは言えるような関係になるべきだと思います」

中谷元 自由民主党衆議院議員の提言 『同盟国の信義』
中谷議員
「これから世界が相当、不確実な時代になってきたと。資本主義も民主主義も限界を超えて、いかに欲望の構図の中で、国というものをしっかり建てていくかと。そういう意味においては、日米がお互いにwin-winの関係を築くために話し合いをして、いろいろな問題を解決しなければいけませんので、日米の強固な同盟国、お互いが裏切らない、信じあう、そういう関係を構築することが大事だと思います」

渡部恒雄 笹川平和財団安全保障事業企画室特任研究員の提言 『日米をどうするか?ではなく 日米で何をするか』
渡部氏
「日米をどうするかではない、日米で何をするかなのだと。安全保障もそうですし、世界の秩序もそうかもしれないです。先ほど、国際世論の中でトランプさんは非常に不評ですけれど、そこで日本がどうしたらいいか。1つは日本に対する期待もあるんです。安倍さんがちゃんとした関係をつくって、それで大事な話をしてくれと、トランプ大統領に。日本は世界で最も安定している民主主義国家です。リーダーも安定している。これは日本の責任でもあるので、しっかり日米で何をするかを話してほしいということですね」