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2017年1月25日(水)
猪瀬直樹×宇都宮健児 豊洲市場問題の真相は

ゲスト

猪瀬直樹
元東京都知事 作家
宇都宮健児
元日本弁護士連合会会長
米田稔
京都大学大学院教授
生田與克
築地市場の水産仲卸業者

検証『豊洲市場問題』 汚染度急上昇の衝撃
秋元キャスター
「まずは9回目の地下水モニタリング調査で大幅に増えてしまいました有害物質の問題について聞いていきます。その経緯ですけれども、2014年の11月から豊洲市場の201か所で行われてきた地下水モニタリング調査。7回目の調査までは全ての地点で基準値を超える有害物質は検出されていませんでした。しかし、8回目の調査で、初めて基準値を超えるベンゼンとヒ素が検出されました。昨年11月に行われました第9回目の調査で本来、検出されてはいけないシアンが初めて検出され、また、ベンゼンが最大で基準値の79倍、ヒ素も3.8倍と大幅に数値が悪化しているということがわかりました。米田さん、最初に聞きたいのですけれども、シアン、ヒ素という、これら有害物質、人体にどの程度、危険な影響があるものなのですか?」
米田教授
「もちろん、濃度にもよるのですが、人体の影響という点ではまず摂取するかどうかが問題なので、摂取する可能性がない状態では危険性があるかないかという、その議論自体が少しナンセンスなところがあります。ただ、もしも、たとえば、70年間、飲み続けるとすると、たとえば、ベンゼンですと、現在の環境基準の70倍、あるいは80倍というのは発癌率からしまして、零点零数パーセントぐらいですね、一生涯での」
秋元キャスター
「飲まない場合は、あまり関係ない?」
米田教授
「まったく関係ない」
秋元キャスター
「気化するという話を耳にしたのですけれども」
米田教授
「もちろんあるんですけど。気化して、地表に出てくる濃度というのも専門委員会では既に評価をしていますので、環境基準の70倍程度では地表に出たとしても、大気中の濃度と比べてそれほど有意な差があるほどではない。健康に影響が出るレベルではないと」
反町キャスター
「生田さんは現在もこの数字が出たうえでも豊洲に移転したいとお考えなのですか?」
生田氏
「はい、もちろんです。それは築地市場の老朽化、あと衛生の問題。それと水産物流通という部分、地方の漁港なんかはすごくちゃんとした設備をつくっているんです。それで菌が出ないような設備をつくって、東京に送ってくるわけですね。だけど、東京の受ける築地の市場があの設備では、それがないがしろになっちゃうわけですよ。だから、それをちゃんと受けられる設備ということで、豊洲市場の方が適していると思っています」
反町キャスター
「コンクリートの分厚い床下には汚染水があるかもしれないけれども、コンクリートより上の部分で、市場として機能するところだけを見れば、現在の築地よりはるかに衛生的な市場がそこにある。そういう意味?」
生田氏
「と思います」
反町キャスター
「築地の非衛生な部分というのはどういうところなのですか?」
生田氏
「それは、私から言うのは、なかなかしんどいものですけれど。まず常温であるということですね。空調の設備がないということ、それとオープンであるということですよね。極端な言い方をすれば、屋根があって、柱があるだけです。そこに害獣が入ることもありますし、言いにくいですけれども。諸々、入ってくる可能性が高いと。それに引き換え、豊洲というのは全部囲まれているわけですから。そういう心配もないです。あとは排ガスとかの影響ですよね。現在の築地市場は晴海通りと新大橋通りのあれだけ交通渋滞しているところに、オープンマーケットであるわけですよ。果たしてその環境がいいのかというと、それよりも全然、豊洲の方が環境的にはいいかなと思います」
秋元キャスター
「宇都宮さんは以前から豊洲移転に反対してこられましたけれど、結果はいかがですか?」
宇都宮氏
「私が交流している学者の意見だと、これは、むしろ想定内のことで、地下にはベンゼンとか、シアンをはじめとして、有害物質が溜まっていますので、そういうのが、これまでなぜ1回目から7回目まで出てこなかったか。そちらの方が不思議であるということですね。だから、場合によれば、再調査の結果、これよりも酷くなる可能性もありますよね。専門家会議が現在、調査しているのですけれども、もともと専門家会議は当時、調査結果によると4万3000倍のベンゼンと860倍のシアン化合物が出たので、それに対応するために、盛り土を提案しているわけですね。ところが、盛り土がされていないわけですね。それをなぜ専門家会議で再検討しないのか。ちょっと不思議なのですけれど、それを置いておいても、建物の地下に水が溜まっていまして、そこの中から有害物質が出てきていますよね。それが雨水ではなくて、地下水から出てきたということになっていますので、だから、地下水から湧き出た、建物下の中の水に、有害物質が含まれているのになぜ1回から7回までがまったくなかったのか。それ自体がちょっと不思議に感じているんです」
反町キャスター
「移転はすべるきだと考えますか?」
宇都宮氏
「いや、それは、だから、次の再調査の結果というのが非常に重要で、安全はもちろんですけれども、安心というのが非常に重要ですね。そういうことを考えたら私も移転についても中止とか、白紙撤回を含めて、再検討をすべきではないかと思っています」
猪瀬氏
「この数字で高い因果関係は宇都宮さんがいろいろ可能性があるとおっしゃったけれど、いろいろ可能性があると言ったら何だって言えちゃうので、地下水管理システムの稼働と関係はあるでしょうねということは、因果関係として。なぜなら9回目のモニタリング調査の前に8回目で少し出ましたよね。あれは一部稼働したところから出ているんです」
反町キャスター
「猪瀬さんが言われた地下水管理システムというのは建物の地下にある、帯水層の中から地下水管理システムで水を吸い上げて浄化して捨てるという、このシステムですよね。これがグルグル動きだしたことで今回、シアンやらベンゼンやらが見つかった、こちらの観測用井戸からやった201か所のうちの何十か所からは出たのですけれど、先に米田さんに聞きます。米田さん、猪瀬さんが言われたのは地下水管理システムが稼働したことによって、観測用の井戸からシアンやベンゼンが出てきたことの因果関係、どういうことなのですか?」
米田教授
「地下水管理システムが動きだす前というのは、基本的に各区画というのは、遮水壁で全部閉じられていて、地下水を流れなくしているんですね。要するに、汚染した地下水が出てないように。ですから、いわばコップのようなものですよ。実はこのへんに汚染物が残ったとしても、じわじわと単に水位が上がっただけですね。ところが、それが、地下水管理システムが動き出して、急激に動き出した。そのせいで汚染が広がっているというのが現在の状況です」
反町キャスター
「地下水管理システムというのは、もともとは帯水層にある汚染物質を吸い出すのが目的だったのだけれども、やることによって、周りの汚染物質が動き出して、結果的に、それは観測井戸から検出されている、こういうことですか?」
米田教授
「そうですね」
反町キャスター
「吸い上げることによって、汚染物質は移動するものなのですか?」
米田教授
「もちろんします。水に溶けますので。なおかつ昔、土壌汚染対策をする前も地下水が流れていたのですけれど、おそらく経験したことのない速度での流速が、地下水の流れが起こっているのだと思います」
反町キャスター
「それは地下水管理システムが稼働したせい?」
米田教授
「そうですね。ですから、土壌汚染対策が終わった時はほぼ全部、汚染がないということを確認したわけですけれど、今回、地下水管理システム、水位が1回上がったものですから、かなり急激に現在引いていますので、だから、昔、豊洲はこれまでに経験したことがないような地下水が発生していると。それが現在のような急激な濃度上昇を起こしている」
反町キャスター
「今回出た数字は過渡的なものだと思っている?」
米田教授
「私はそうだと思います。一時的なもので」
反町キャスター
「地下水管理システムが稼働したことによる一時的なものであると?」
米田教授
「はい。宇都宮さんが言われるようにもっと高い濃度が出てくる可能性があると思います」
反町キャスター
「現在、過渡期の、上昇基調にあるとすれば」
猪瀬氏
「だから、先ほど、言いかけた8月のやつが8回目のモニタリングに出て、10月にまわし始めたら11月の採水分が今回出たので、9回目のサンプリングは。だから、そういう意味で、たぶん上がって、3月にトリプルチェックという形で、その1社だけではなく、3社でやると。その時に水を採るのは1社にして、検査は3社でやるという形で、トリプルチェックというのをやるということで、たぶん数字も上がるかもしれないけれども、また、その次にまたやっていくとだんだん下がってくる」
反町キャスター
「どこかでピークアウトするはずだと」

地下水調査の問題点と今後
秋元キャスター
「さて、地下水モニタリング調査の数値悪化の原因、調査方法に問題があったのではないかという指摘もあるんです。これまで地下水のモニタリング調査を請け負った民間の調査会社ですけれども、8回までについては採水と分析が別の会社だったわけですね。9回目の調査に関しては全ての場所で、採水と分析が1社で行われています」
猪瀬氏
「これは途中で言うけれども、全部公式の登録会社、検査会社ですから。1回から3回目は競争入札。これは、僕は知らないけれど、採水がやりやすかったという話からこうなった。9回目からは違うところでやったということです」
反町キャスター
「米田さん、この検査の方法というのは各会社ごとに全部同じですか?」
米田教授
「基本的に一緒です」
反町キャスター
「会社が変わるというのは、まさに入札価格で、値段の問題であって、どこの会社に任せようと、値段は違っても、やり方は全部同じ?」
米田教授
「そうですね」
反町キャスター
「数字が変わってきたと。折れ線グラフで8回目から上がってきたというのは、その意味で言うと、検査会社によるものではなく、サンプリングの採り方とか、検査の方法ではなく、先ほどの地下水管理システムの稼働によるものだというのが、米田さんの結論でもあるわけですか?」
米田教授
「可能性が高いのは。もちろん、少しの可能性というのはあり得るのですけれど、こんな大きな差になることはちょっと私には考えられないですね」
猪瀬氏
「少しの可能性で見るというのはその程度だと思うよ。だって、要するに、統計のばらつきってあるじゃない。その統計のバランスを超えている場合にはこの会社の検査がどうのという話ではないですよね、それは」
反町キャスター
「そこは宇都宮さんも今度出てくるデータによって、納得できる部分というのは出てくるわけですね?」
宇都宮氏
「そうですね。だから、今回、再調査というのはすごく重要ですね。しかも、複数の会社でやるということなので、それは非常に正しいやり方だと思いますね。1社だけではなくて」
反町キャスター
「米田さん、今度やって、高い数字が出てきた時に、今度抑え込む方法を考えなくてはいけないわけではないですか。この基準値以下に減らすためにはどういう方法があるのですか?出てきちゃった場合」
米田教授
「予想ですけれど、一時的に高くなるかもしれないですけれど、今後、地下水管理システムが今はかなり水が溜まっていたので、急激で、かなり早い流速で流れていたわけですけど、今後は汚水が若干、上昇したのを抑えたぐらいの水の引き方になりますから、そうすると、ドンドン水の流れ自身も遅くなりますから、今後、そんなに急激な流れが起きなくなって、汚染物質の溶ける量も減っていくと私は思っています。濃度はおそらく下がっていくと思います」
反町キャスター
「そうすると、高い数値が出ず、それを、地下の汚染物質をどうやって減らすのかというのを検討する必要がたぶん出てこないだろうと。そういう意味で言っているんですね?」
米田教授
「おそらく」
反町キャスター
「方法は、ちなみにあるのですか?もし出てしまった場合」
米田教授
「それはもう1回掘り直す。あるいは地下水を引き続けるとか。ありますけれど、それは、私は不必要なことだと思っています。地下水の管理システムをつくったこと自体が汚染物質を地下深くに閉じ込めて管理していきましょうという方針でつくったわけですから。それは基準を超えたとしても想定の範囲内のことなので、そこからしっかり管理をしていきましょうねと、私はそれでいいと思っています」
反町キャスター
「今回、高い数値を出す原因となってしまった地下水管理システムは、裏返しの言い方をすると、汚染物質というか、毒物を閉じ込めておくシステムなのだと。こういう理解になるわけですね?」
米田教授
「そうです」
生田氏
「豊洲の土壌というのは、石原慎太郎さんが我々に手紙をくれて、日本の科学の粋を集めて、この土壌をきれいにすると。東京都の豊洲市場のホームページにも出ていますけれども、汚染物質の除去工事ですか、それが加熱処理、洗浄処理、微生物処理の、この3つの処理方法から、2つぐらい組み合わせるんですよ。たぶん重金属があるものは洗浄でいいと。重金属プラス何かが入っている場合には微生物処理と、畝をつくって、そこに微生物を放して有害物質を食わせると。それで600億円でしたか。かけてやったんですよ。だから、そもそもあの土壌は、私は汚染物質というのはだいぶ取り除かれていると思っています」
反町キャスター
「でも、出ちゃったというところで」
猪瀬氏
「その出た数字が、排水基準の数字だと言っている」
宇都宮氏
「専門家会議に委託をして、土壌汚染対策を検討させたわけです。その対策として、専門家会議が提案をしたのは、4.5メートルの盛り土をするということです。それが全部やられていないわけですよ。だから、その対策自体、やりましたという説明を、東京都はやっていたのですけれども、それがやられていないということで、第一の不信感が出てきているわけですよね。それで本当は専門家会議も、盛り土をやっていないことについてどういう影響があるかも検証をすべきだと思ったのですけれども、それはやられていないことを前提に現在やっています」
生田氏
「でも、市場問題PTでは一緒に盛り土のことは検討されて、盛り土がないことは安全性とか、機能性には関係がないという結論を出したのではないですか」
宇都宮氏
「まだ、これからですよね」
米田教授
「いや、それは、盛土がないことでどのぐらいリスクが変わるかということは、それは割と簡単な計算でできるので、それはやればいいと思います」
反町キャスター
「米田さんは、専門家会議の立場からすると、盛り土がないことによるリスクの高まりというのはあるのですか?」
米田教授
「少しはありますけれども」
反町キャスター
「盛り土を置くことによって、シアンやベンゼンが市場のコンクリート面の上までこなくなるの?」
米田教授
「いえいえ、気化濃度が、ガスの濃度が盛り土のない方が若干高くなる可能性はあります。それはあるのですけれども、ただ、それを評価したとしても、おそらく問題になるレベルにはならないと思っています。あるいはもしそうなるとしたら、それなりの対策をやれば、要するに、ガスさえ閉じ込めさえすれば、終わりですから」
反町キャスター
「築地で、水産物、海産物を扱うということは、築地で扱った魚というブランド性があるではないですか?築地のブランドというものを現在のまま維持するのか、ないしは豊洲にいくことによってブランドの棄損が起きるわけですよね?」
生田氏
「いやいや、逆だと思います」
反町キャスター
「たとえば、築地には世界の魚が集まるとか、築地の魚だから良いのだと皆が思っています。とりあえず築地ブランドというブランディングイメージがありますよ。豊洲に移転したあとに、これは豊洲の魚だから間違いないよというブランディング力の強さ、イメージがまだ維持できると思っていますか?」
生田氏
「私はもっと伸びると思う、逆に。今は、結局、汚染物質が出たから、どうのこうのという風評被害みたいなことがありますよ。だけど、これをコツコツやって、払拭して、その結果、築地の時よりも全然扱いが良くなりますから。魚の扱い自体が常温ではなくて、ちゃんと空調が効いているところ。他から全てシャットアウトができると」
猪瀬氏
「荷捌きが変わってくるから」
生田氏
「荷捌きが変わってきますよ。だから、そういう効率的に、早くもできるようになるし、鮮度保持ということも良くなるし、あと産地でこれだけやったものというのを、価値を棄損しないで、また流通させてあげるということもできる。だから、産地とはもっとつながっていけると思うんですよね」

都政への不信と責任
秋元キャスター
「さて、豊洲市場への移転、実現するのか?豊洲が移転の候補地になってからの主な経緯ですけれども、1996年に東京都が、築地市場移転の検討を開始して、その移転先として、東京ガスの工場がありました豊洲の土地が候補地に挙がりました。2001年、当時、石原都知事ですけれども、豊洲の移転を決めるわけですが、その前に環境基準の1500倍のベンゼンが検出されました。豊洲移転を決定したあとも環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出され、2011年ですね、土壌汚染対策工事が始まります。この頃、猪瀬さんは副知事でした。猪瀬さんが都知事になられて、2013年ですけれども、地中埋設物の一部が残っているということが判明しまして、徹底して汚染対策を講じるために、猪瀬さんが汚染対策工事の1年延長を発表されました。2014年に、豊洲市場の建築工事が始まりまして、土壌汚染対策工事も完了をします。2015年になりまして、豊洲市場の開場日というのが、2016年11月7日に決定したわけですけれども、しかし、昨年8月に小池都知事が豊洲への移転を延期というのを表明します。今月、地下水モニタリング調査で高濃度有害物質というのが検出されまして、これによって早くて今年の冬とされていた移転の時期というのが事実上、大幅に見直しせざるを得なくなったわけですが」
反町キャスター
「生田さん、仲卸の皆さんとか、築地で働いている、仕事をしている皆さんからすると、ある意味で言うと、豊洲への移転を巡る都政の、敢えて言えば、迷走の歴史ですよ。ずっとやる、やらない。出てきた止まる。さあ、どうする。まだやらない。やって、みようとしたら、また出てきた、止まるみたいな、原因はどこにあるにしても、迷走の歴史というものを皆さん、これを見て都政に対する、都知事に対する、都に対する不信というのはわいてこないのですか?未だに皆さん、がんばってくれ、頼むとは言っているけれども、そこはどうなのですか?」
生田氏
「皆、わいていると思います。ただ、ずっと迷走してきて、大きく一歩を進めたのは石原さんだと思っているんですよ。石原さんが、豊洲の土壌汚染というのを改善するよと言って、我々、業者、1人1人に手紙くれたわけですよ。あれで大きく一歩進んだなと思っていますが。それまでは20年間、だって、うちの親父が、お前が河岸来る時には築地ではないからと言われていたのですから。それが五十幾つになってまで、築地にいるわけだから、それだけ迷走があったわけですよね」
反町キャスター
「でも、豊洲ではない場所に決めていれば、こんなに迷走がなかったのではないかと、そういう話にはならない?」
生田氏
「ただ、場所がどこにあるのかということですよ。これだけのまとまった用地がなければいけないです。あと時代が変わって、震災時の食料基地としての存在があるとか。そういう位置づけになってくると、中心地でなければいかんと。では、六本木でやりますかと。六本木でこれだけの土地はないわけですよ。そうなると、豊洲というのしか空いていなかったんですよね」
宇都宮氏
「その時に豊洲というのは、先ほど、東京ガスが営業していたところで、土壌汚染が1番危ぶまれる土地だったんですよね、そういう心配はなかったのですか?」
生田氏
「豊洲移転は反対だったんですよ最初は。だけど…」
反町キャスター
「あの近辺でも他にもっとあるだろうという意味ですよね。敢えてガス工場の跡につくらなくてはいけないのか、こういう意味ですよね?」
生田氏
「あの時、汐留というのもあったし、晴海も可能性があったんです。だけれども、そこでまた、迷走が始まっているわけですよ。だけど、そこで石原さんが一歩前に大きく進めた」
反町キャスター
「一歩前に豊洲に進んだというのは、土壌汚染を除去する代わりに…」
生田氏
「だから、豊洲しかないじゃんという話になっているのだけれども、土壌が汚染されているじゃん、じゃあ、どうすんだよと言った時に、任しておけと言って手を挙げたのが石原さんだったんです」
反町キャスター
「宇都宮さんはこの用地を決めた、ないしは全体の、敢えて都政の迷走と言うのですけれども、どう見ていますか?」
宇都宮氏
「私は、ずっと経過を見ていると、市場を何とかしたいというよりも、市場をどけて築地の跡地を開発したいと。そちらがかなりあったのではないか、一貫して、東京都の。特に鈴木都政の後半頃から。バブルが崩壊して」
反町キャスター
「でも、築地の掘ったら何が出てくるかというのを番組でもやりましたけれども、とても地下利用ができるような状況ではないでしょう。それをもともと築地の跡地を利用するという話は、その議論がもともとあったのですか。何が埋まっているのかわからないと皆、言うではないですか?」
宇都宮氏
「石原さんの時のオリンピック招致時もそこをメディアセンターにし、だから、そういう考え方が先にあって、生鮮食品を扱う市場として、適地がどこかという発想が弱かったということと、豊洲の土壌汚染を甘く見ていたのではないのかと思うんです、対策を。実は東京ガスから購入する時に、先に東京ガスが100億円ぐらいかけて表層の土地を全部取り除いて一応、対策をやったということになっているのですけれども、その結果、どうだったかと言うと、もう1度、専門家会議でやると、4万3000倍のベンゼンと860倍のシアン化合物が出てくるということで、削っても削っても次から次へと土壌汚染対策をやらざるを得なくなってドンドンお金をつぎ込んでいくと。だから、その段階でもう1回、ちょっと判断を変えて、検討をし直すということをやるべきだったのではないかと思うのですけれども、非常に土壌汚染対策というのを甘く見ていたのではないかと思いますね」
猪瀬氏
「ただ、宇都宮さんにはその対案がないのでね」
宇都宮氏
「私は、築地の再整備」
生田氏
「2回、失敗しているのだから」
反町キャスター
「再整備はできるという考えですよね?それはこれまで検討をしてダメだというのはどうなのですか?」
宇都宮氏
「それが鈴木都政の後半頃から、着手をして、だいたい10年間ぐらいかかるということで、二千四、五百億円ですかね。それで始めて400億ぐらいつぎ込んで、やめているのですけれども、かなり時間と経費がかかるということでということがかなり大きな理由になっていて、なぜ、そのままやっておけば、2005年頃には完成しているんですよ」
生田氏
「いや、あれは時間とお金の問題ではなくて、種地がなかったんですよ」
反町キャスター
「種地というのは、仮置きする場所ですね?」
生田氏
「だから、我々仲卸売り場も5個ぐらいに区切って、まずこいつらはここに行って、ここの工事をやるよと。次、お前ら、こちら行って、という両輪の計画ですね。だけど、それだって結局、種地がないわけです、あの周辺に。だって、隣は銀座ですから。たかが市場と言ったら、怒られちゃいますよ」
猪瀬氏
「その繰り返しで、宇都宮さん、対案を出さないと、これはどちらかしかない。まったく第3の道はないの。だから、豊洲をできるだけ良くしていくしかないんだよね。築地は失敗したのだから。2回失敗しているのだから。良くしていくしかないから、いろんなことをやって、良くしていくために共産党がいろんなことを言うから、それに対応するためにかなり過剰に良くしているシステムをつくったということ。ただ、小池さんがここで1回止めたのは、僕も1回止めたけれどもここで1回止めたのはモニタリングが9回終わってないではないかと。なぜ終わっていないのに7回のモニタリングのところで始めるのと、これは疑問ですよね。それを早く、何か蓋したいことがある。僕は、早く蓋したいことはむしろ汚染の問題ではない。つまり、建屋の東光電気工事とか、内田ドンの会社も入っていますよね。そういうことを、オリンピックの、有明アリーナのとこにも東光電気工事とか入っていますよね」
反町キャスター
「建屋というのは上物の建物ですよね?あれは猪瀬さんの時には総予算いくらだったのですか?」
猪瀬氏
「だから、僕が辞める直前に600億円ぐらいの予定価格で…」
反町キャスター
「上物の工費ね」
猪瀬氏
「建物の、建屋ですね。上物ですね。僕が辞めた直後にゼネコンからヒアリングしたと言って、1000億円に上げちゃったわけですよね。99.9%の何かがそれで決まった。だから、そういうことで、僕が辞めた空白期に、その直後に、舛添さんがきたのだけれど、よくわからなかったところで、600(億円)から1000(億円)ですからね。それで99.9%ですから。本来、小池さんのターゲットはそちらの方にあるので、たまたま盛り土などで盛り上がっちゃったから、そちらに流れているけれども、これはいずれ都議選に向かって、流れとしては、汚染の問題はトリプルチェックをやりながら、米田先生がおっしゃられたようなことの流れの中で解決していくのではないかと思うのですが、本質的に解決していない問題はそういうところにあるので、築地か豊洲かだったら豊洲で決まりなのですが、その中に問題がなかったのかというのが。そういうこと、どこをフォーカスして見ていくかという見方で、このへんで騒いでいるけれども、本質的な流れは違うところにあるよねと」

混乱の責任はどこに?
秋元キャスター
「小池都知事、先週金曜の記者会見でこのように話されています。『石原元都知事の豊洲用地の売買契約についての責任、その経過が不透明かつ不適正ではないかとの疑惑も指摘されている。事実関係と責任を明らかにすることは、都政を改革し緊張感をもって適正に行う上で不可欠』と、石原元都知事の責任について言及していまして、豊洲市場の土地売買契約を巡る住民訴訟で石原元知事に責任はないとしてきた対応方針を見直す考えを示し、訴訟代理人を変更し、新たな訴訟対応特別チームを設置することを決めました。宇都宮さん、この小池都知事の発言と対応方針の変更について、どう考えていますか?」
宇都宮氏
「先ほどの土壌汚染の問題ですけれど、通常は汚染された土地の売買についてはその汚染物質を出した売主の側が土壌汚染対策費を負担するのが当たり前なんですよ。ところが、今回、この取引に関しては、大半を、850億ですか、東京都が負担していますよね。だから、売主の負担はすごく軽くなっていると。普通は汚染がある土地については売主の方が負担する。それから、あとからわかった場合も瑕疵担保責任という考え方があるのですけれど、売主の方が負担するのが当たり前ですけれども、ところが、汚染対策費については東京都が圧倒的、高額な負担をして、そういうことでまとめている。だから、逆にそれだけ東京ガスの方に利益を与えているということですよね」
生田氏
「でも、それは市場建設を前に進めるためにかかったお金だと思うんですよ。だって、東ガス自体は土対法に基づく土壌改良をやって売っているわけでしょう。ですよね。その上に食料品のアレをつくるからということで、東京都がそのお金をかけているということだと思いますよ」
反町キャスター
「いかがですか?」
宇都宮氏
「仮にそうだとしても、要は、まったくふさわしくないところを選んで不必要なお金を出しちゃったということになりますよね?」
反町キャスター
「いずれにしてもそういう意味なんですね」
生田氏
「それは消去法でいった時に豊洲しかなかったからという結果ですよね」
宇都宮氏
「石原さんの責任の問題は豊洲移転を決めた経緯とか、豊洲の土地の売買とか、汚染対策の経緯とか、そういうことは検証されなければいけないですよね」
秋元キャスター
「猪瀬さんは、小池さんの方針変更についていかがですか?」
猪瀬氏
「小池さん独特の政局観みたいなものがあるから、そのあたりで少しこの問題を深めておきたいという気持ちを表現していると思うんだよね。これまでの経緯はもう1回整理すればいいではないですか、というようなことだよね。それ以上のことを言っているわけではないと思います。都議選がありますから、それをにらんで、いろんなことをお考えになっていると思いますよね」
反町キャスター
「都庁というのはずっと残るわけですよ。知事は代わっていくわけではないですか。前の知事とか、前の前の知事が何らかの政治的な判断をしました。それによって都に過剰な財政的な負担を強いたとしますと、誰かが訴えますというケースが今回この形でOKになってしまって、たとえば、石原さんのミスジャッジによって都に対して五百何億円という負担をかけましたと。石原さん、弁償してくださいという可能性が出てくるわけではないですか?」
宇都宮氏
「裁判所が認めるかどうか。それに類似したのが、国立のマンションでありました。あれが妥当かどうかは別として、今はいきなり石原さんを被告にするのではなくて、都に賠償請求をしなさいよという形の裁判ですね。裁判でそれが確定したら都はやらざるを得なくなると、国立と同じように。裁判の形式としては住民監査請求をして、おかしいと思う住民が裁判をやっているわけです」
反町キャスター
「都に対して請求をするのはわかりますが、その時の権力者に対して訴えなさいという、こういう訴えの仕方は…」
宇都宮氏
「そういう制度に変わってしまったんですね、裁判の形態が」
生田氏
「行政の連続性が損なわれているんですよ。これで仮に石原さんの問題で都が負けたとしますよ、その時、謝罪するのは小池さんです。そのあとに石原さんに対して損害賠償を請求するという話はわからなくもないですよ。だけど、行政の連続性から考えて、だって、厚生労働省だってそうではないですか。前の人がこういう判断をしました。現役の大臣が謝るわけですよ」

米田稔 京都大学大学院教授の提言 『やり直しは効く』
米田教授
「汚染水の問題はありますけれども、それで問題が起こったとしても、それに対して対策は立てられる。ですから、移転して、何か問題が起こってから対策を立てても十分やっていけると思いますから。やり直しが効くということで、これから進めていけばいいと思いますね」

築地市場の水産仲卸業者 生田興克氏の提言 『豊洲から水産業復活!』
生田氏
「私は専門で水産資源管理、水産資源を増やそうという活動をやっていますけれども、それをやるにはこういう基幹となる市場というのがしっかりと役割を果たしていくべきだと思っています。是非、豊洲でそれを実現したいと思います」

宇都宮健児 元日本弁護士連合会会長の提言 『豊洲移転の中止・白紙撤回も含めて検討すべし』
宇都宮氏
「今度の地下水の再調査結果が大きく影響すると思いますけれども、その結果によっては豊洲移転の中止、白紙撤回も含めて検討すべし、と考えています」

猪瀬直樹 元東京都知事の提言『メディアの役割』
猪瀬氏
「メディアの役割というのは、風評を広めることではなく、米田さんのような科学者がきちんと発言することについて報道することだよね。もう1つ、メディアの役割は、本当に談合みたいなものがあるのではないかというところの解明に向かうのがメディアの役割だということですね。最近、小さい公園の砂場に檻ができているんですね、猫や犬が入らないよう。檻の中で子供が遊ぶという、つまり、猫がそこでフンをするからだと思うのですけれど。100%の安全を求めると行政は対応不能になって、檻をつくっていくとなるんだね。豊洲の問題も100%というのは無理なんだよ、それは。99%をやろうというところで考えないと無理だよね。それで変な清潔、潔癖症みたいなものに陥ってしまう可能性があるよね」