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2017年1月12日(木)
解析…トランプ初会見 『暴言王』に変化は?

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛大臣 衆議院議員
手嶋龍一
外交ジャーナリスト 作家
デーブ・スペクター
テレビプロデューサー

トランプ次期米大統領初会見 米メディアと『決定的対立』
秋元キャスター
「日本時間の今日未明、ニューヨークでトランプ次期アメリカ大統領の記者会見が行われたのですけれども、その中で、メディアとトランプ氏の大バトルが繰り広げられました。なぜだったのか。実はその会見の前日に一部メディアがトランプ氏に関するスキャンダルを報じました。会見でもこの件について、かなり時間が割かれたわけですけれども、事の経緯、こちらで見ていきます。まず6日に、アメリカ情報機関がトランプ氏と会談をして、大統領選挙中のサイバー攻撃にロシアが関与したとの報告書を提出しました。この事実は既に公表をされています。これについてCNNが10日にアメリカの情報機関が報告書と合わせて、ロシアがトランプ氏の情報を入手したという疑惑についての文書も、トランプ氏にこの時、一緒に渡したと。この文書はイギリス情報機関の元工作員のメモに基づくものだと報道をしました。中身については裏づけがとれていないとして、具体的な内容は報じませんでした。しかし、同じ日にインターネットニュースのバズフィードがメモの全文を公開しました。その中身というのが、ロシアがトランプ氏を5年以上に渡り支援をしていた。トランプ陣営の複数の幹部がロシアと接触していた。モスクワで盗撮されたトランプ氏と売春婦との動画があると言及しています。デーブさん、この問題となったメモですけれども、インターネット上で既に公開されているんですよね?」
デーブ氏
「こちらにあるのですが、ただもちろん、ビデオや写真といった具体的なものはないんです。この文書しかないですね。しかも、この元工作員がモスクワで働いていた人で非常に人脈があるので、いろんな人からリサーチをかけて集められた情報を書いてあるのですが、ただ、そういった情報をくれた人の信憑性がわからないですね。あくまでも伝聞の形で入手した情報です。ただ、この人は評判として非常に堅い人ですよね」
反町キャスター
「手嶋さん、まず記者会見の印象から聞きたいです」
手嶋氏
「これはデーブ・スペクターさんの国の大統領ですから、誠にお気の毒ということなんですけれども、しかし、アメリカの大統領は単にアメリカ人によって選ばれたアメリカの大統領であるのみならず、同盟国日本のリーダーでもあり、世界のリーダーでもありますよね。そういう責務を担う人としての自覚があるのかということになるとますます暗い気持ちで、やれやれ、という感じだと思います」
デーブ氏
「自覚はまったくないですね。1つには、(会見を)トランプタワーでやったというのは、自分のテリトリーというか、ホームグラウンドでやったんですよ。ホワイトハウスにはもちろん行っているのですが、オバマ氏と会っているし、パーティーなどで行っているのですけれど、もちろん、住んだことはないので、実感がまだないと思う。良く言えば。ホワイトハウスという歴史、重たい歴史、廊下を歩くとリンカーン大統領の絵があったりして、いろいろあるのですけれど、じわじわと少しずつその重大さに実感が伝わってくる。圧倒されて。そうしたら少し素直になる可能性があるのですが、ただ、何しろこの人はナルシストですよ。聞いていてわかるように。オバマ大統領はYes We Canと言っても、この人はYes I Canと言うノリで、全部、自己中心の話ですよ。会見を聞けばわかるようにですね。だから、彼が果たして、自分が王道をとって、大統領らしさを発揮できるかどうか。疑問ですよね」
手嶋氏
「ナルシストというキーワードが出てきましたけれども、このトランプ大統領というのはアメリカファースト。アメリカの国益をどこよりも重視すると言っているんですよね。しかし、今回の一連の記者会見を見ていると、トランプファースト。自らが全てという域をまだ出ていないのだと思いますね。その点、大変深刻だと思います」
反町キャスター
「小野寺さん、記者会見を見ましたか?」
小野寺議員
「見ました」
反町キャスター
「印象、どうだったのですか?」
小野寺議員
「普通は、スタート時点はハネムーン期間ですから、ある程度いろんなことをちゃんと皆も受け止めるという時期なのですが、スタートから、疑惑の否定から入ったということ、たぶんこれまで大統領の記者会見でこういうのはないと思うので、どうも出先で躓いたということ、それから、1月20日の大統領就任で何が行われるかというと、宣誓のあとに核のボタンをオバマ大統領から実はこのトランプさんが受けとるんです。この大きな責任というのを感じでもらうためには正直、ちょっとの疑念もしっかり晴らしていただきたいと思います」
反町キャスター
「敬意というか、相手がどんな、たとえば、ウォーターゲートの時の、ニクソン大統領にしてもメディアと大統領の関係というのは、クリントンさんの、モニカ・ルィンスキーの時もそうかもしれないけれど、ある程度、相手に敬意を持って質問、記者団と大統領の間のやりとりがあったのではないかと。敬意のかけらもないですよね?」
手嶋氏
「ないですね」
反町キャスター
「これをどう見ていますか?」
手嶋氏
「それは大統領を時に厳しく批判することがあるのですけれども、どんな時でも大統領が来ると皆、アメリカ人の記者も立ち上がります。僕らも立ち上がるということになりますし、呼びかける時にはミスタープレジデント、大統領閣下と言って、厳しい質問をするということになりますから、そういう大前提が崩れ始めている」
デーブ氏
「だから、これまでに前例がないのは、ドナルド・トランプさんにとっては、Twitterが彼の発信源ですよね。だから、メディアを使う必要はないと思っているんです。彼のメッセージと言っても、政策らしいものほど具体性がないので、長い話すらできないですよ。だから、インタビューだって断わるわけですよ。会見もやりたくない。なぜかと言うと、一方的にTwitterで言いたいことを言っているわけです」
反町キャスター
「質問は受けたくない?」
デーブ氏
「そうです。だから、でも、その後は知りません、みたいな感覚でやっているんですよ。だから、メディアの大切さとか、重要性はわかってはいないですよ。まったく。ただ、これまでビジネスマンとしては、普通にインタビューを受けたり、ましてセレブでもあるわけですから、自分の番組の宣伝とか、喜んでやっていたわけですけれど、今は違いますよね」
反町キャスター
「手嶋さん、大統領の記者会見における技術論として言うと、たとえば、こういう嫌なことでも、これはノーコメントだと、ずっと断わり続ける手もあったはずですよね?」
手嶋氏
「特にこういうテーマに関しては、まさにこの場で扱うべきことではないというふうに」
反町キャスター
「なぜ真に受け、なおかつ3倍返しみたいなことをずっと続けるのですか?」
手嶋氏
「これは記者会見とか、メディアの、文字通りメディアというのは国民と政権をつなぐ間にあるわけですから、こういう形でやり取りをするのではなく、その背後に膨大な数の視聴者、世界の国々がいますよね、通じて、つまり、お話をしているという感覚がたぶんまったくないと思いますね」
デーブ氏
「それ以前ですね」
反町キャスター
「そこにある記者とだけ?」
手嶋氏
「やっている」
反町キャスター
「1対1の戦いを展開しているのですか?」
手嶋氏
「そういうことになると思います」
デーブ氏
「なぜかと言うと、もう70歳の子供ですよね。非常に言いたくないですけれども、幼稚です。ゴールデン・グローブ賞で、大女優のメリル・ストリープが批判的なことを…。そこで果たしてスピーチ言うべきかは別にして、別な議論にしておいて、言ったのは言ったんですよ。それに対しての彼の反論がもう幼稚ですよ。拡大評価される…」
反町キャスター
「オーバーレイテッドアクトレスと」
デーブ氏
「とんでもない。長島茂雄さんが大したバッターではないと言っているようなもので、とんでもない、皆、笑うしかないですね。それを平気で言うということ。しかも、2年前にメリル・ストリープを褒めているわけですよ。だから、そういうことができるからこそ今のメディアに対して1つ1つケンカをする。橋下徹さんも、市長か、知事時代に、一部の新聞と週刊誌にとても納得いかないところがあったので、外したりしたのですが、このトランプさんの場合は、そうではなくて、まったく子供じみたケンカと同じです」
反町キャスター
「トランプさんが、ノーコメントだと押し通した場合に、どういう反応になったのですか?アメリカの人々はトランプさんはノーコメントで通した。彼は卑怯だということになるのですか?」
デーブ氏
「彼の支持層は何を言っても応援をしますから、現在のところは大丈夫ですが、ただ、ノーコメントというよりは、検討中とか、現在、調べていますから後日とか。いくらでも言えるんですよ。ですので、そういう言い方ができるんです。つまり、王道で、メリル・ストリープに対しての反論も、言葉をいただきました、次の映画が楽しみです、と言えば済むわけですよ。それができない人なんですよ」
手嶋氏
「もし僕がトランプ大統領のメディアのスピーンドクター、戦略をやっているとすれば、この問題が出ることが予想されるということになりましたので、CNNの記者に、もう1回そのまま言いなさいと言って、それがもしあなたが、CNNが独自に取材をした情報ならば答えてあげる。しかし、他人の情報ですよね、ということで、はい、お帰りくださいと言う」
反町キャスター
「そういう冷静なメディア戦略の絵図を描ける人っていないのですか?でも、たとえば、ケリー・アンさんでしたか、非常にストラテジストで優秀な方が周りにはたくさんいるのではないかと」
デーブ氏
「いますね。問題は、その人の言うことを聞くかどうかですよ。聞く耳があるかどうか。ホワイトハウスに住むと、オーバルオフィスという大統領のオフィスがあって、すぐ隣にそういう人がいっぱいいますから、頻繁に会うことになるとは思うのですが、果たして、でも、素直になるかどうかですね。だから、Twitterをやめた方がいいです。あの人、夜中に書いたりして、今ニューヨークに住んでいるのですが、ニューヨークの新聞は朝5時、6時頃に届きますよね。3つぐらいの新聞を見て、何だこれと思って。それで、思いつきでツイートをやっているんです、現在も。だから、やめさせる人がいなければ、ずっと続くんですよ」
反町キャスター
「それは大統領になっても続けると思います?」
デーブ氏
「続けると本人が言っているんです。だったらせめてもう1人に見せてから、スタッフとか、家族でもいいですけれども、見せてから、載せればまだいいんですけれどね」
反町キャスター
「手嶋さん、メディアとのこういう関係というのは、これから4年、8年。ずっとこういう感じで続いていくのですか?」
手嶋氏
「ええ、今のままだと、簡単には解決できないかもしれませんね。そうすると、いつもこんなものを見せられてしまうということになると堪りませんよね」
小野寺議員
「私は会見でちょっとアレと思ったのは、大統領に就任をするといわば企業との関係を切らなければいけない。と言うことで、企業との関係を切るためには、自分があれだけ多国籍の企業の経営をやっていますから、そこは息子に任せるとか、自分は関係しないということで、相当いろんな書類にサインをしたと。右の脇に大きな山をつくって、これだけの書類に私はサインをしたのだと言って、ほとんど女性の弁護士の方が、だから、正当性がある、正当性があるとずっと言い続けているではないですか。なにか大統領になって、なるにあたっていろんなハードルを自分で抱えて、それを一生懸命に言い訳しているという、そのスタートからして、どうも先行き、前途多難だなという印象は持ちます」

解析『ロシアとの距離感』
秋元キャスター
「トランプ氏の会見、ロシアに対する部分を見ていきたいと思います。私がプーチン大統領とうまくいかはわからない。うまくいくように期待している。ロシアは、私が大統領になったら、アメリカに対してもっと敬意を払うことになるだろうと言うのですけれども、小野寺さん、こういった発言はいかがですか?」
小野寺議員
「1番アメリカの大統領に明確にしてほしいのは、ロシアのプーチン大統領が好きか嫌いかではなくて、クリミア、ウクライナに対しての力による一方的な現状変更、侵攻があったということを、国際社会はまず懸念して、日本も含め、様々な制裁に入っているわけです。ですから、このロシアの行動についてどうなのかということをアメリカの大統領として明確にメッセージを出さないと、間違ったメッセージが伝われば伝わるほど、逆に言えば、クリミア問題もそうですし。もしかしたら対IS(イスラム国)の問題だってどうなるかわからない。私は、大統領としての発言とすれば、なぜロシアとの向き合い方を今やっているのか、国際社会が、どうアメリカを中心として向かっているのか。そのことに関しての現状認識と、トランプ新大統領の考え方というのを明確にしてほしいと思います」
手嶋氏
「クリミア半島の話は大変重要ですけれども、これについて一切の、まだ言及がないという、1つの背景はクリミア半島の併合をロシアがしたという、そのことについて、オバマ政権のオバマ大統領が政権前期の一連のところ、ヒラリー・クリントン国務長官もずっと一貫して厳しい対応をとっていますから、その人達に対する、まず否定的な態度があって、あの人達がやったことも全部覆したいということになる。なっているのだと思いますね」
反町キャスター
「では、事の善し悪しではなくて、前政権を否定することの方が上位にあるということですか?」
手嶋氏
「そうとしか思えない。残念ながら。アメリカというのは政党が違っていても、まさにアメリカを代表する大統領になるわけですから、これまでは時に、この政策、特に外交政策の一貫性というのは非常に大事ですよね。仮に万が一それを覆すということになったら、なぜ覆すのかと。そのことがアメリカだけでなくて、西側同盟とか、世界のためになぜ必要なのかということをちゃんと説明をしなければいけませんよね」
デーブ氏
「でも、まだ本人がそこまで把握していないのに言っているわけです。オバマケアも健康保険もすぐにでもやめさせたいと。各国にいる大使、アメリカの大使もすぐ帰れと言って。これは普通の常識で言ってはいけないことですし、現実的にも非常に難しいのに、何でもいいから民主党の政権は終わったぞ、みたいなパフォーマンスですよね。でも、深くは考えていないと思うんですよ」
反町キャスター
「選挙期間中から、あまり深く考えていないのではないかという批評というのがずっと続いて行く中で、1つ言っていたのは、当選をしたら変わるよとか、1月20日の就任式をもって言わなくなるよとか、希望的と敢えて言いますが、観測ということについてはデーブさん、どうですか?」
デーブ氏
「多少はありましたよ。もしかしたらさすがに大統領になったら、勉強するし、学習するし、エキスパートの話は毎朝ちゃんと聞くとか、資料をもらって、なるべく目を通す。わからないところは自分のスタッフに聞くとか、家族に相談しても構わない。そういうスタンスでやると思ったら、昨日の記者会見を見る限りではそうした前兆を感じないですよね。だから、ずっとマイウェイでいくのではないかという気がして、かえって不安になりますよね。これだとね」
反町キャスター
「プーチン大統領の外交手腕を見た時に、いろいろな意味において、シリアに対する介入の仕方ですとか、ウクライナに対する介入のやり方、仕方のタイミング。一方、そう言いながらヨーロッパに文句を言わせながらも、たとえば、天然ガスのパイプラインの手を打つとか、プーチン大統領のこれまでの外交手腕を見た中で、では、トランプ新大統領というのはプーチン大統領から見た時にどういう対象に見える?」
手嶋氏
「プーチン大統領のしたたかな手法について触れられましたけれど、ということになると、まさに通算すると四半世紀、権力の座にいるかもしれない。それ以前は、KGB(ソ連国家保安委員会)の名うてのインテリジェンスだったということですね。そういう人に操られてしまう可能性というのはありますよね。従って関係がいいということだけで、肯定的に額面通りには到底受け止めるわけにはちょっといかないと思います」

解析『対中強硬姿勢』
反町キャスター
「ワンチャイナポリシー、1つの中国を見直すかどうかとか、蔡英文さんと電話したことを、トランプさんが自分の方から言っていることについて、あれは台湾が喜んでいるのかどうか。困惑しているのか。どちらだと思いますか?」
小野寺議員
「台湾に何度か行って向こうの指導者の方とのお話を聞くと、台湾は、現状が1番、逆に言えばいいのだと。これが1つの中国ではない。台湾は台湾で別だとなった時に、中国がいろんな形で刺激を受けて、台湾に影響を及ぼしていくと」
反町キャスター
「空母が周りをクルクル回ったりしているではないですか」
小野寺議員
「現在も経済的にもあまりいい関係ではなくなってきていましすし、中台はですね。それから空母の遼寧は台湾をグルッと回る。これは台湾が何かをしたわけではなく、今回トランプさんが蔡英文さんと電話をしましたよとか、それから、1つの中国だけでいいのというような話とか、ということによって、むしろ台湾は現在の経済関係で中国との一定の距離感を保ちたいと思う中で、そこがむしろ混乱をさせられているともしかしたら考えているかもしれないなと思います」
手嶋氏
「とても重要なお話。おそらく防衛大臣をされて、台湾海峡問題というのは本当に一歩間違えれば、東アジアで戦争が朝鮮半島で起きるのではなく、この地域で起きるということをよくご案内のご発言なんですね。1つの中国というのは、上海コミュニケの、周恩来とヘンリー・キッシンジャーが脳髄を振り絞って、まさに妥協したという。ポイントだけ申し上げると、両岸の中国人は、中国は1つ、同時に、台湾海峡の平和的な解決を強く希求するとアメリカが言ったわけですね。その平和解決というのは、中国に対して武力で台湾に進駐することを、アメリカは認めないと言いつつ、ここのところ、平和解決を希求すると言って、武力を使うとは言わないことで曖昧戦略と言っているんです。なぜ曖昧に言っているかというと、台湾の中にも独立派っていますよね。その人達が勝手に言って、独立を宣言するということになれば、中国が介入してくる可能性がありますね。その時はアメリカは面倒を見ないと言うんですね。本当に難しいガラス細工のような合意ということですよね。それによって30年、東アジアの波は穏やかだったということですが、その機微をトランプさんはまったく知らないし」
秋元キャスター
「でも、そういう国際情勢をわかっていない人と接する他の国の首相、元首にはちょっと迷惑な部分ありますよね?あまり関わりたくないというような」
小野寺議員
「それは、これからトランプ政権のいろいろなメンバーが出てきますので、これから大統領はいろんなことを学ぶ立場かもしれませんが、既に指名された、それぞれ周りを固める人達が大変そこをしっかりして、むしろアドバイスするなり、イニシアティブをとって動いていけばいいと思うので、そういう意味では、むしろ新しい陣営に私どもは期待するのだと思います」
反町キャスター
「手嶋さん、いかがですか?現在の安保に関しての主な閣僚、この人達がきっちりと。たとえば、プレジデントと電話したのだよとか、ワンチャイナポリシーなんておかしいよね、と言うような、大統領の口を抑えるだけの腕力がこの人達にありますか?」
手嶋氏
「あるかどうかはわからないですけれども、こういう現状では、それをやってもらわなければいけない、特にフリンさんにはワンチャイナポリシーというのがどれほど重要なのか、大統領にちゃんと説明しなければいけないということですよ」

解析『注目の経済政策』
秋元キャスター
「トランプさんの会見のポイント、『フォードに感謝する。フィアット・クライスラーに感謝する。GMもそれに続いてくれるよう願っているし、おそらくそうする』『米国に輸出しようとするならば、高額な関税を払わなければならない』と発言しました」
デーブ氏
「非常に単純論でもあるんですね。グローバル化していますので、たとえば、カローラは乗用車として、乗用車はだんだん売れなくなってSUVとかにシフトしています。価格競争もあって、トヨタを買いたいですよ。買いたいけれども、窓に貼ってある値段を、定価ですけれども、少し割引してくれるのですけれど、もしより300ドル安い車があればそちらの方を買うんですよ。厳しいです。別にメキシコでつくりたいとか、本当の狙いはアメリカ国内のトヨタ、日産の安定化のためでもあるんですよ。つまり、他の車種をたくさんつくっているんですよ。もっと儲かる車種もあるし、工場も古くなるものもあれば、新しいものもある。複雑ですよ。パーツだけを送る場合もあるんですよ。トランプさんが言っていることは今の時代とあっていないですよ。トヨタのおかげでアメリカの労働者も大変に助かっているわけです。日本の自動車がよくできているから、1980年代に遡りますと、その刺激で、アメリカの車はこのままでは売れないということで燃費などをよくしたわけですよ。だから、日本車のおかげでアメリカの自動車産業も良くなって、現在アメ車も売れるようになったんですよ。だから、win-winになっているんです。だから、トランプさんの発言は数千人の仕事が助かったとしても、毎日7万5000人ぐらいの人が別の業界で解雇されたりしているんですよ。でも、今アメリカは基本的に景気がいいです。失業率が四点いくつで低いです」
反町キャスター
「完全雇用に近いのではないですか?」
デーブ氏
「そうです。こんなイージーな政権交代はないですよ。普通は景気が悪くてどうにかしなければならないのが大統領の試練ですけれども、今回まったくないですよ。だから、目立つからこういうことを言っていると思うんですよね」
手嶋氏
「ですけれど、ラストベルト地帯という所得の低い人達は少なくとも雇用の不安を抱えているので、そこに今回新たなカードを切って、鷲づかみにして、4年後も再選を果たそうと思っているわけですね。その点で、今回トランプさんはTwitterでちょっと囁いただけで3大自動車メーカーの2つがほとんど手の内に入ってくる…。もしメキシコ国境に高い関税を、35%、45%をかけると、直ちにGATTに提訴されることになりますよね。必ず負けるんです。時間もかかる。これは瞬時に効果が出たということですから、おそらくこの味をしめているのだと思いますね。今度はトヨタだと」
反町キャスター
「これまでに北米で日本の自動車メーカーがとってきた戦略について、大きな見直しを迫られる印象を受けるのですが、どう見ていますか?」
小野寺議員
「実は日本は既にこの経験を1度していまして、前に日米の貿易摩擦が起きた時に日本の車がアメリカの労働者に壊されたり、大きな形で日本にプレッシャーがかかりました。その際、日本の企業はいち早くアメリカで現地化しようということで、アメリカでの生産を進めていきました。逆に言うと、すでにアメリカの中でそれぞれの会社がその地域を代表するような企業になって、雇用をたくさんつくっている。トヨタは今回メキシコの話がありましたが、昨年の11月にメキシコで起工式をしただけで、これから出て行こうかと思っているくらい。もともとはアメリカで生産ラインをつくっていますので、日本の企業はいち早くこれに順応するような、そういう経験もしていますし、能力も十分あると思います」
反町キャスター
「アメリカに進出している日本の企業が、これからありとあらゆる場において、お前はどちらを向いてやっているのだと、言うことを聞くのか、聞かないのかということ、踏み絵を踏まされるみたいな、こういうアメリカ政権になっていくのかどうか、この懸念については?」
小野寺議員
「私達の思っているアメリカというのは自由経済の国ですから、自由経済の国のトップが個別の企業に対してこういう圧力をかけて、それぞれの企業の経済利益を中心とした政策をもし曲げていくとすると、この瞬間はオッと思いますが、それぞれの企業には株主がいるんですよ。アメリカのルールから言ったらこの株主がどういう利益を失ったとか、株価が下がったとか、こういうことでアメリカの大統領が訴訟の対象にならなければいいなと。それぞれの国のトップというのは、政策を出す時にも個別具体は言いませんよね。大きな意味で話をします。ただ、まだ大統領になっていませんが、これから大統領になって明確に企業に対していろいろなところで発言をすれば当然、その企業の企業価値に影響が出てきます。アメリカは自由主義、株主がたくさんいる、そして訴訟の国ですから、これがどういうインパクトを今後、持つかというのを、アメリカ経済の中でもよく考えた方がいいと思います」
デーブ氏
「個別の企業に国境税をかけられないです、法律的にできないですよ。だから、そういうブラフをやっても、そういうことができないことすらわかっていないです」
手嶋氏
「おっしゃる通りですが、最大の問題は、今回のトヨタの言い訳がそうなのですが、13万人すでに雇用している、膨大なものですよね。ケンタッキーにトヨタがいなくなったら、もうケンタッキーが潰れるくらいのことですよね。それを説明して徐々にわかってくれるのではないかという甘い見通しがあるのだと思います。まったく甘くて、トランプさんという人は一言でいうと反知性主義、これは知性がないのではなく、データとか、こまごまとした説明とか、知識というのは要らないのだと、決断だけ自分でしてやるという、アメリカの経営者の中にある太い思想の流れがあって、反知性主義を色濃く体現している、その人に説明してわかってもらうことは、実は大変意味のないことである。難しい人ですよ」

解析『日米関係の今後』
秋元キャスター
「トランプ次期大統領の日本に関する発言についてもしかしたらここは日本にとっていい話かもしれないというのは?」
手嶋氏
「1つだけあります。安倍政権は政権の命運をかけて対露外交、北方領土の問題に取り組んでいますよね。オバマ大統領はその交渉に本音で言うと強く反対をしていた。そうした中で安倍さんはニューヨークのトランプタワーで、安倍トランプ会談をやりましたよね。内容は明らかになっていないのですけれども、間違いなくその時に、自分は勝負に出ていると、あなたはプーチン大統領との関係もいい、ここは支援してくれるんですねと、(トランプさんが)関西弁を話せるとすれば、やってみなはれ、と言ったのは間違いないと。知識がないということがある意味いいところ。安倍さんのお手並み拝見ということだと思います」
デーブ氏
「中国と一緒にして貿易のことを言っているのも、これは1980年代の貿易摩擦時代の残りもので、わかっていないだけですよ。だから、そのうちわかると思うのですが、日本がここまで成功していることは、アメリカの国内の製造メーカー、ニューヨークのビルをやっていて、尊敬していると思いますよ、本当は、心の中で。ニューヨークですよ、彼が生まれ育っているのは。だから、日本のことは悪くは思っていないし、悪く思っていたらすぐに安倍さんと会ったりしない。ソフトバンクの孫さんと会ったりしているわけですから日本に対して本人が思わせているような悪く思っているとは思いません、正直言って」
小野寺議員
「安倍総理との感覚は合う方なのだろうなと思います。一番初めにいろいろな首脳の中で安倍総理と会ったということもありますし、そこで相当いろんな話を個人的にはしていると思います。ですから、本音の話で北方領土の話を解決しようと思えば、必ずアメリカからいろんなことがおそらくあるのだと思います。それに関して、日本はこれをこうしたいのだけれど、ここはちょっとアメリカも日本に協力してくれないかと、こういうことで話をしやすい環境ができたと思います。安倍総理から直接外交安全保障の問題について議論することによって、トランプ新大統領は真っ白ですから、そこで新しい1つの外交政策ができてくるとすれば、なるべく多く安倍総理にトランプ新大統領と会う時間を、長くとっていただきたい。オバマ大統領は確かに優秀な方でしたけれども、ビジネスライクで会う時間も短かったり、ある面では関係としては温かみがなかった部分がありますが、そこは、今回はない。むしろそういう触れあいができれば、日本にとってはプラスだと思います。知識がついて、しっかり政治家としてのスタンスが固まるまでの間に安倍総理が人間関係をつくっていけば、むしろブレインの1人として支えるということになれば、日本にとってプラスだと思います」
反町キャスター
「国際会議でトランプさんみたいな人、あまり政治の経験がなく、知識に自信がないと思うのですけれども、そういった場に出て行って、周りの首脳がどういう目で見がちなのか、日本がどういう姿勢で臨めば、安倍さんは頼りになるなと思うか。どう想像されますか?」
小野寺議員
「それは政治家としての器量だと思います。政治家として、その人と会って、その瞬間にお互いに気持ちがスッとつながる。この人は政治から見たらいい人だ、お互いに本音を話せるなと、そういう感じを持てば一気に距離が近くなります。ただいろいろな国の代表と会うと、違う人もいるわけですよ。こいつ本当は嫌な奴だなとか、いろいろな首脳と話す時は人間味がよく出ます。たとえば、カメラが入っている時は皆、普通の顔をしていますが、カメラがなくなった時、中国の代表であっても、実はよくわかっているなという人もいれば、やっぱり嫌な奴だなという人もいる。これはクローズドの中で議論をする中で、政治家同士の器量の問題で、関係ができてくる。そうすると、ある時には彼を立ててあげようとか、会議の中で彼が発言した時にはちょっと応援してあげようとか、そういう微妙なところは政治家間ではあります」
デーブ氏
「嫌な奴とは誰ですか?」
小野寺議員
「それは私の将来に関わりますので、すみません」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言 『予断をもたず、油断をせず』
小野寺議員
「トランプ(次期)大統領は個性豊かな方ですが、そうは言ってもアメリカという大きな組織、行政機構がありますので、そういう意味では、あまり不安感を持たないことも大事だと思います。とは言え、油断もできない。両方の気持ちで今回付き合うことがアメリカの新政権との付き合い方だと思っています」

外交ジャーナリスト 手嶋龍一氏の提言 『騒がす、あわてず 毅然と!!』
手嶋氏
「特にトランプさんのTwitterに対しては、騒がず、あわてず、毅然とというのがポイントだと思います。特にトヨタの首脳陣は、先ほどのコメントでうまくいったなどと楽観しない方がよろしいかと思います」

テレビプロデューサー デーブ・スペクター氏の提言 『つい、言ったー』
デーブ氏
「日本もトランプさんに見習って言いたい事があればズバリ『つい、言ったー』」