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2016年12月21日(水)
東京五輪3会場が決定 4者協議で小池知事は

ゲスト

松浪健四郎
日本体育大学理事長 JOC評議員
上山信一
都政改革本部特別顧問
玉木正之
スポーツ評論家

五輪3会場 当初案で決着 小池改革を徹底検証
秋元キャスター
「今日行われましたIOC(国際オリンピック委員会)と、東京都、政府、大会組織委員会による4者協議では、小池都知事が見直しにこだわり続けたバレーボール会場でも、有明アリーナの新設に事実上決着しました。小池知事は9月末から、ボート・カヌー、水泳、バレーの3会場について新設ではなく、既存施設活用を検討してきました。しかし、400億円以上の費用が削減できたものの、いずれも小池知事が目指した既存施設の活用ではなく、3会場とも当初の計画通り施設することになりました。もともとこの3会場の見直しについては上山さんが顧問を務めます都政改革本部の提案だったわけですけれど、上山さん、今日の事実上の決定というのをどう受け止めていますか?」
上山氏
「現実的な答えだと思います。ただ、今日の最大のポイントは総予算にキャップがかかったと。1.6兆円から1.8兆円というところの範囲内でやろうという上限ですね。これが決まったというところが1番大きいですね。ただ、これはいいニュースなのかと言うと、当初、7340億円と言っていたわけですから、それと、この数字を比べると2.5倍ですよね。2.5倍にまでやっぱり膨れ上がったという現実を踏まえると、3会場を見直して410億円削れましたけれども、今後どこをどれだけ削るか、ますます大きな削減課題を我々は背負ったということになると思います」
反町キャスター
「3会場の話と、総予算の話というのは分けて考えた方がいいかなと思って、我々考えていたのですが、それは上山さんの立場からすると、同じパッケージで考えるべき話?3会場は3会場?」
上山氏
「圧倒的に総予算をどうするのかが、金額も大きいし、もともと小池さんがこの見直しをやろうというのは、選挙の時の2兆、3兆、お豆腐屋さんと、あそこの都民の負担なわけですね。不安ですよね。2兆、3兆もかかっていいのかと。もともと猪瀬さんの頃には7000億円と。東京都の負担はさらに小さいわけですよね。4000、5000億円で、基金を使ったらできるという約束だったのに、森さん自身が1兆を超える、2兆を超えると自身でおっしゃっていて、舛添さんがひょっとしたら、3兆かもねとおっしゃった中での選挙戦ですよね。ですから、皆すごく不安なわけですね。2兆、3兆と。だから、それは本当に大丈夫なのですかというのが原点だったわけですね。それで全体を抑え込むという作業をやっていく中で、IOCが心配して自分達も参加したいと。日本だけでやっていて大丈夫なのかと言うので、彼らが入ってきてくれて、ようやく全体の数字を見せることになり、それが1.6兆円だった。あるいは1.8兆円の可能性もありますけれども、そういう流れだと思うんですね。一方、東京都としては、着工済みのものですとか、実際、日常お金を使っている現実はあるわけですね。そこも見直すと何かできるかもしれないというので、最小でも設計変更とか、材質の変更、最大の場合は場所を変えると、こういう話をしていたわけですから、今回、全部足して400億円ですが、パーセンテージで言うと26%のコスト削減なわけです。これは設計済み、着工中ですから、すごく大きな変更だと私は思うんです」
玉木氏
「400億円を削減しましたよね。小池さんが何かを言わなければ削減できなかった額と考えればいい。ただし、有明は予算が減ったと言われるのだけれど、エスカレーターをなくしたりとか、階段にしたりとか、細かいところを見てみると、結構、設計の変更をするところあるんですよ。それをやった場合に、これから高齢化社会のアリーナとしていいものができるのかどうか。そうすると、今度は事後の使い方にも問題。ただコンサートをするにしても。そういうところまで考えて、これからつくってほしいなという気はします」
反町キャスター
「結果的にコストカットで使い勝手を悪くしているのではないか。将来的なもので」
玉木氏
「その細かいところが組織委員会で、1.6兆円から8兆円の問題もそうですけれども、細かいところが出ていないわけです、全然。だから、判断のしようがないです。そもそも1.6兆円だとか、1.8兆で予算と呼べるのですか。と言うのは、国立競技場も入っているのでしょう。これは国立競技場は建てなくてはいけないのでしょう、オリンピック予算ですか。オリンピックと関係なくてつくらなきゃいけないものを、オリンピック予算の中に入れるのは、国内事情だけの話であって、IOCに相談してやることのかなという気もします。そこのところ、ちょっと首を傾げるところがたくさんありますよ」
反町キャスター
「松浪さん、この3つの会場新設をどう思いますか?」
松浪氏
「まず小池知事のやられたことは大変意義深かったですね。会場は、小池さんの思う通りにはならなかったけれども、組織委員会、IOC、招致委員会等がやってきたことは正しかったという証明を、私は小池知事がやってくれたと思ってます。それと、政府はちょっと無責任だという気がしました」
反町キャスター
「財政的なもの?」
松浪氏
「財政的に。国家的に考えれば1兆6000億円、1兆8000億円というのは小さな話ですよ。それを東京都に持っていくから話が小さくなっちゃうんですよね。玉木さんがおっしゃった通り国立競技場は国のシンボリックな競技場ですから、けちくさいことやっちゃダメですね。この観光立国をやるというような思想にもとづいて、金をかけてもいいから立派なものをつくる。それがレガシーになる。そういうような発想が必要だったけれども、観光立国と絡めて競技場をつくるという案がなかったことを寂しく思っています」
反町キャスター
「2人の意見、いかがでしたか?」
上山氏
「まさにそうです。海の森のボートなんかは都民がどれぐらい使うのだとか、あるいは都民にとってという議論にどうしても議会でもなっちゃうんですね。ところが、日本全体で、1つ、ああいうものがあってもいいではないかという話であれば、まだお金の使い方としては正当化できると思います」
反町キャスター
「でも、その場合、都がお金を出すのかという話になりますよね?」
上山氏
「そうですよ」
反町キャスター
「国立施設だったら、という話ですよね」
上山氏
「国立ならあり得たかもしれませんですね。場所の是非はさておき」

有明レガシー構想の是非
秋元キャスター
「今日の4者協議で、有明アリーナが新設される見通しになりましたが、知事はオリンピック後の施設活用方法について表明しています。有明レガシーエリア構想ですけれども、事実上、新設が決まりました有明アリーナの周辺をスポーツやイベントの場とする有明レガシーエリアとして、有明アリーナに関しては、運営権を民間に売却するコンセッション方式を検討するとしているのですけれども、上山さん、このコンセッション方式、この仕組みですとか、狙いを教えていただけますか?」
上山氏
「コンセッションというのは運営する権利を民間企業に譲渡する。10年とか、15年とか。関西空港と伊丹空港はそうですよね。これは40年だったか、かなり長いですけれど、運営権を2兆円ぐらいで、オリックスなどの企業連合に売却をして、その代わり一気にお金がこちらに入ってくると。政府側に入ってくると。海外だと、水道だとか、定常的な収入がある場合によく使います。インフラでよく使うんです。だから、必ずしもアリーナの場合、コンセッションに限る必要はなくて、売却してしまうという手もあるし。それから、民間に委託して利益が出たら戻してねというような契約方法とか、いろいろ考えるとは思います」
反町キャスター
「東京都にとって1番利回りのいい方法は何になるのですか?1番利回りのいい方法で決めるのですか。500億円でつくったものを、オリンピックが終わったら、600億円で売れると言ったら、すぐに売っちゃうのですか?」
上山氏
「だから、目的が先ほどのレガシーですね。オリンピックで使うということですから、スポーツ団体にとっては大事な場所で、お金のことだけを全部考えるとコンサートの方が儲かる可能性は高いですよね」
玉木氏
「あと利用を考えたらアメリカ方式で、ロサンゼルスドジャーススタジアム、レイカーズの建物。あれは全部無償で引き渡しているわけでしょう。そのぐらいのことをして、そのあとの発展の基盤をつくるというのも、公共団体の仕事ですよね」
上山氏
「それはあり得ます。維持費が結構かかりますけれども。何十年もかかっているうちに、建設費の2倍ぐらいの維持費がかかりますから。そういう意味では、無償で差し上げてスポーツ団体で運用をしてもらうという選択肢もあり得ると思う。ただ、アリーナの場合は多目的ですよね、もともとの性格は。だから、特定の団体にだけというわけにはいかないですよね。バスケットでも使うし、バトミントンでも使うとか、体操もできるし、だから、多目的ということで、どうしても公共性が入ってしまうので、音楽も混ぜながらという形で、採算とスポーツのレガシーとのバランスを見ながらの形になるのではないでしょうかね」
玉木氏
「新国立競技場の神宮外苑、神宮球場と秩父宮ラグビー場。あれはオリンピックが終わってから建て直すんですよね?そういう計画というのは、オリンピックに合わせて全部やるというぐらいのことをやるのがオリンピックなのではないか?」
上山氏
「前倒しでやった方がいいですよね」
玉木氏
「と聞いたのだけれども、全然、動かないですよ」
上山氏
「そういう意味では、小池さんになってから、まさに有明に、よく考えるといろいろな施設がぱらぱらと計画されていたと。だけど、全部セットでオリンピックパークのような場所にできると、小池さんになってやっと発想が変わってきたわけですよ、都庁もね。ですから、同じ様に文科省の発想も変われば、神宮地域全体をどうするんだというような、これが刺激になって、議論が始まるといいなと」
反町キャスター
「松浪さん、レガシーだ言っていましたけれども、そういう形で民間に委託され、もしかしたら有明アリーナがコンサートホールとしてたくさん使われるようになるかもしれない。そういうのはどう感じますか?」
松浪氏
「それは構わないと思います。お金を稼げればいいわけですから。アマチュアの団体が使う時は普通、安いですよ。入場料を取る時は高いですね。その方法は非常にいいと思うんです。アマチュアの大会が盛んに有明アリーナを使ってやれるように協力すべきだと。現在だって駒澤のオリンピック公園の体育館等を貸し出しているんです。ところが、アマチュアの団体だと寒いのにもかかわらず暖房費を払うことができない。だから、暖房をつけないでやるんです。そういう状況ですね。抽選で申し込んでも、その日借りられるかどうかということもはっきりしない。そのぐらい頻繁に使われているんですね。これは文字通りアスリートファーストですよね。アスリートファーストと言っているのならば、アスリート、いわゆるスポーツ大会に優先的に貸すと。アマチュアのスポーツ奨励、振興の意味からも安く、その会場、アリーナを貸すという姿勢が必要です。税をつぎ込んでも、スポーツを振興させる。これを今回のオリンピックのレガシーにすべきでしょう」
反町キャスター
「そうすると、松浪さんは民間委託とか、考えていないのですね?」
松浪氏
「投資ですよ」
反町キャスター
「民間委託に任せるのではなく、それは国なしし自治体として責任を持ってスポーツの殿堂として維持した方がいい?」
松浪氏
「そうだし、上山さんのおっしゃったように、契約書の中にそれを入れるというようなことであれば、それは1つの知恵だと」
上山氏
「ただ、バランスだと思うんですよ。テレビ局だって、儲かる番組と儲からない番組があるじゃないですか。そういうバランス中で、フジテレビ全体のイメージとかが出てくるわけですから。同じことだと思いますよ。オリンピックをやった場所というのはコンサートにだってすごいインパクトがあるから。スポーツ全部をやめましたということだと、それは都民だって納得しないし、アマチュアが使えない高い料金は、もともとの主旨と違うのではないかという議論になると思うんですよね」
反町キャスター
「コンサートをやるにしても、取り壊されちゃいましたけれど、国立でコンサートと言うと、アーティストの方もそういう想いがあるという意味で言っている?」
上山氏
「おそらく。だからオリンピックをやったところで自分のコンサートができるのだったら、それは1つの名誉だと思うんですよね」
松浪氏
「ですから、設計の段階からね音響とかも、それを入れておかないと高くなる。それで、コストを下げたら、放送施設が貧困だから、コンサートができないということにならないように、削減にあまりこだわらないでほしい。そういう想いはあります」
上山氏
「そこは考えてやっています。なかなか削れないですよ。だから、非常に難しい」
玉木氏
「小池さんが出てきたんで、こういう話がドンドン出てきたのは組織委員会だけで進めている会場で、まだまずいなと思っているのが僕らにはあります、他に。たとえば、ゴルフ会場とか、ゴルフの会場ですごく高級、超高級会場で、霞が関カントリークラブ。(オリンピックの)あと誰も使えないですよ。そんなところで、日曜日に女人禁制ですよ。会員制だし、レガシーゼロですよ。おまけにすごく遠いところで、2万人の観客を集めるというのだけれども、行く方法がないですよ。電車で、最寄駅も小さいですし。それをなぜあんなところでやるのか、僕はまるでわからない」
反町キャスター
「それとは絡まないということですか?」
上山氏
「そこは絡まないですね」
玉木氏
「組織委員会がやったんですよね。だから、他ので、小池さん、都がやるところがこれだけ見直したんだから全部、見直してもいいですよ」
反町キャスター
「それはすごく組織委員会が嫌がるでしょうね」
上山氏
「今回と同じぐらい大変ですよ」

五輪経費1.6~1.8兆円 試算の根拠を徹底検証
秋元キャスター
「今日の4者協議では、2兆円を上限としていました東京オリンピック・パラリンピックの開催費用の具体的な額が示されました。組織委員会から示された全体の予算額1.6兆円から1.8兆円。その内訳を見ていきますと組織委員会の予算と経費が5000億円。会場関係費が5900億円、輸送・警備などのソフト費が4100億円。予備費に1000億円から3000億円となっているのですけれど、この開催費用について、上山さん、どう見ていますか?」
上山氏
「全体でいくらかというのはなかなか公表されなかったと。ロンドンの場合、1年前、5年前ぐらい、日本の場合は1年前ぐらいにオープンになったし、もうちょっと細かい積算もあったようですけれど、やっと全体で、どうなのだとオープンになったというのは非常にいいと思います。ただ、予算なのかと言うと推定値なんですね、依然。たとえば、特にソフトなどの経費と言われて、輸送だとか、セキュリティとか、このあたりはバス何台で何人を何回ぐらいで運ぶとこれぐらいでしょうと。そういう想定のうえでつくっている、いわば理論値であって、実際に業者の方と交渉をして、いくらならできると、やってくる積み上げの数字ではないわけですね。だから、今後…。ただ積み上げでやる想定の値段があり、さらに実際に事業者の人と契約をして妥結する金額がありますね。最後に締めたら、決算でいくらになるというのがまだわからないと。ただ大事なことはこの範囲内でやろうねという合意ができた。IOCも、今後は過剰な設備を要求できなくなったし、組織委員会も何かモノを買う時には、それ大丈夫なのかという、ブレーキが、チェックが効く。東京都も組織委員会の出費に対し、いちいちチェックすることができると。そういうチェックし合う仕組みが、やっとできたと」
反町キャスター
「これまではなかったのですか?」
上山氏
「まったくないです」
反町キャスター
「これまで組織委員会が、セキュリティとおっしゃいましたけれど、金属探知機をゲートに10台置くとか、30台置くとか、そういうものというのは、1台いくらだからという話は、黙って判を押すとか、了承するしかない?」
上山氏
「結局、そういう仕組みになっていたんです。最後、大会が終わったら組織委員会は消えてなくなるのですけれども、収入が5000億円、それ以上の経費を使っちゃって、たとえば、2000億円赤字が出ても、それは都が全部負担をしますと一札とられているわけですから。別に組織委員会が悪いのではなく、オリンピックはいつもそういう仕組みなんですよね。ですから、そういう意味では、組織委員会は形のうえでは東京都の外郭団体ですけれど、別の法人ですから、そういう細かいお金の使い方までチェックできない。しかも、IOCが、さらにそのもとにいて、立派なものをつくれとか、そういうことを競技団体からいろいろ言われるんです。そういう中で、東京としては黙ってあとから請求書がくるのを眺めてるしかないという状態だったわけです。それがようやくトータルでこれだけにしようということとか、今回の4者協議は今日で終わりではなくて、今後も続くわけです。さらにこの下に部会があって、そこで細かい輸送費は本当にこれだけかかるかとチェックが入るわけですね」
松浪氏
「東京も、日本国の威信をかけたオリンピックなんですよ。たまたま東京でやって、場所をお貸ししますということで、政府が招致する時にあれだけ、総理も出て行き、宮様まで出て行ってやったのに、いざ決まったら東京だよと。こういう無責任な、これは国家の政策的レガシーをつくろうとする姿勢がないから、東京に押しつけちゃうんです。私はこのオリンピックを、東京で2020をやるということは国の形を変えるのだと、国民の意識を変えるのだ、これをレガシーにするのだという政策的な一面を持たないから、国が一歩引いてしまっている」
上山氏
「総理は当然、成功させたいと思うし、がんばろうと小池さんともおっしゃっているわけですから、もう一声、経済効果も20兆円という予測も出ているわけだし、コストの話になると、都民の負担がというふうにね。自治体ですかね」
反町キャスター
「なぜこうなってしまったのですか?東京都、要するに、ある程度財政的に豊かであると、事前に情報が流れて、豊かな東京都がやられるのだから、貯金もいっぱいあるということだし、いいかという感じになっている部分というのもあるのではないですか?」
上山氏
「石原さんや猪瀬さんががんばって誘致してきたという経緯がありますね。それから、IOCは、政治と距離を置きたいと。だから、各都市とやるわけでしょう。開催都市と契約を結ぶと。政府があまり入ってこないようにする。これは彼らの生活の知恵ですよね。ところが、現実はお金がないわけです。組織委員会がチケット収入とか、放送権とかで入ってくるお金。今回5000億円で、残り1兆円強ですよね。1兆円を超えますよ。この分は結局、税金なわけです。政治と関係ないとか言いながら結局、どこからか税金を補填してもらわないといけない。ここに構造的矛盾がどうしてもあって、しかも、会場の3分の1は東京都の外ですからね。東京都の外に、東京の税なんて使えるわけがないですよね。そうなると、どうしても国に助けてもらわないと、つじつまが合わないですよ」
反町キャスター
「1.8兆円とか、1.6兆円の間でと聞いてきたのですけれども、上山さん、1.8兆円は本当に守られるのですか?努力目標なのですか?それとも絶対目標なのですか?どう思ったらいいのですか、超えることはまさかないですよね」
上山氏
「超えないつもりで、皆で努力しようねという、どちらかと言うと努力目標ですよね」
反町キャスター
「そうすると、もしかしたら超えてしまうかもしれないという覚悟を持って、今後、臨まれていく。そうすると、そこは?」
上山氏
「東京都としては税金ですから、それはあり得ないですよ。超えるとしたら組織委員会が、現在5000億円の収入ですけれども、もっとスポンサーをとってくるとか、そういう形で増やす分には超えてもいいかも知れませんけれども、そうでない限りはなかなか理解は得られないと思いますよね」
反町キャスター
「その意味では、たとえば、1.8兆円で、都が、組織委員会が5000億円だったら、どうなるのですか?都の負担分というのはこの間、IOCの方から、我々が資金援助をするからと、前回の4者協議の時に会長が言っていたではないですか?」
上山氏
「言うほどの額ではないですけれども、言うほどの額ではない。若干。放映権料」
反町キャスター
「何を言いたいのかというと、1.8兆円という上限にこだわるのではなく、都の歳出上限に都が徹底的こだわる。たとえば、都が1兆円以上はびた一文出しませんという、こういうスタンスの切り方というのはないですか?」
上山氏
「招致都市で赤字が出ると、都が全部負担しますという契約になっていますからね。さらに都が払えない場合は国が出すとまで書いてあって、それは都が破綻するということですから、それはほぼあり得ないと」
松浪氏
「世界博を中止した時に、確かあの時、6000億円。これは高すぎるということで中止したわけですね。それをはるかに上まわる支出なんですよ。と言うことは、それなりの効果、都民だけがその恩恵を受けるわけではなくて、全国民がオリンピック開催の恩恵を受ける。そのために東京も協力を受けるのではなくて、全国民がオリンピック開催の恩恵を受ける。そのために東京も協力をします。しかし、一自治体ですからね。限度がある。そうなれば、国がきちんと協力する姿勢を明確にしないと、東京には気の毒ですよ」
反町キャスター
「ただ、約束事として、上山さんが言われました…」
松浪氏
「約束であったとしても、目安の約束であって、その通りにやらないといけないと言って、罰則規定があるわけでもなんでもないのだから。一応、目安ですから」
上山氏
「だから、最大の悲劇は、元々のIOCのある種、方便というのか、理屈に矛盾がある。さらに、アジェンダ2020が出てきて、東京の外に競技場を移してしまったわけですよ。そうすると、開催都市で、税金で払えないものが物理的に発生してしまうんです。これが大きいです。静岡とか、埼玉で実際に競技場の修理をしますとか、都民の税金は使えないですからね。構造的にアジェンダ2020を適用した時に本当は最初の招致契約、それと分担のルールですね。これは見直さないといけなかったんですね。ところが、見直さないままきちゃっているから、IOCが整理しきれないので、それで小池さん、国内3者で調整するしかないですねと。ドメスティックでやるしかないと」
反町キャスター
「ドメスティックの話について以前、上山さん、こう言っていました。準備体制には驚いたことに社長がいない、財務部長がいない構造となっている。9月の都政改革本部の時、先般うちの番組に来た時、こういう話をされていますけれども、どうですか?社長、財務部長は」
上山氏
「今日の話では共通事務局をつくるということになりましたので、どういう形か具体論にはなっていないですけれども。共通事務局ということは、組織委員会だけがお金の話をしていますけれども、全体としてどうなのかということをチェックする体制というのをある意味、4者でつくると。そういうことは合意されているということです。だけど、額を、誰がそういうようにするのかですよね」
玉木氏
「この言葉を聞いた時に、わかりやすい言葉で、会長が小池都知事で、社長は森組織委員会会長で、財務部長が武藤事務総長というので、いいですかね、本来あるべき姿」
上山氏
「そこにIOCが入ってきますよね」
玉木氏
「IOCは監視しているだけでしょう」
上山氏
「契約上はあまりそうなっていないですよね」
反町キャスター
「そうなのですか?IOCも、要するに、総予算に口を挟むようなことになっているのですか?」
上山氏
「要するに、お金を払うのは東京都。会長がIOCで、社長が組織委員会のような構造になっていますよね。都知事は、だから、お金を払うだけみたいな」
反町キャスター
「財布?」
上山氏
「そういうことになります。そうなってしまっているんですよ。構造上は」
松浪氏
「しかし、そういうことにこだわらないでオリンピックを成功させる。そのことを我々は真剣に考えなければいけないわけで、誰がどうのこうのという問題だと…」
上山氏
「ロンドンの時に、セバスチャン・コーとか、トップの2人ですよ、これが政府の調整とかを全部やって、要するに、組織委員会としてどうこうというのはほとんどなく、ロンドン全体としてどうするのだと。調整を走りまわってやっていました」
玉木氏
「あの時の市長さんは、ボリス・ジョンソンですよ」
反町キャスター
「今回のEU(欧州連合)の件で活躍した。そうなっちゃうと組織の問題ではなく、人の話になっちゃうんですよ。だから、司、司の人達がどういう感覚を持って、組織ないしはオリンピックに対峙をしているか。この話になってしまうんですよ」
松浪氏
「2年半前に、なぜこの国がスポーツ基本法をつくったのか。この理念に基づいて、オリンピックをやっていく。その視点も欠落しているんです。だから、組織委員会だ東京都だという前に、スポーツ基本法に則って、このオリンピックを成功させる。国民が恩恵を受けるような、そんな素晴らしい大会にしようということだと思いますよ」
玉木氏
「スポーツの国づくりで、スポーツ基本法をつくって、それを運営するためには、スポーツ庁が必要だろうと。でも、この苦境の中ではつくれないから、東京オリンピックを引っ張ってきたら、スポーツ庁もできるだろうと。それでスポーツ政策ができるだろうというのが順序です。オリンピックを引っ張ってきたから、スポーツ庁をつくったというわけではないですよ。だから、基本法はその通りですよね。だから、オリンピックの開催費用ばかりで問題になっているのは本当にちょっと残念というよりも、もう少し大きい話をしましょうよということは言いたいですね」
反町キャスター
「上山さん、スポーツ基本法、ないしはスポーツ庁創設時のコンセプト、その意味で言うと、財布は東京都だという話は、おかしいのではないかという、これは東京都の方からはっきりあまり大きな声で言うのは難しいものですか?」
上山氏
「国にも一応、言っていますよね。ただ、何と言うか、官僚的手続きみたいな話が国の中にはあって。民主党時代に閣議決定を1回やっているわけですね。通常の予算の範囲内でしか出さないとか、だけど現在、自民党政権になっているわけです。先ほどから松浪さんがおっしゃっているように、スポーツをがんばるのだ、スポーツ庁までつくってやろうということになっているわけですから、過去の前例だとか、役人的なちまちました議論はちょっと横に置いておいて、どうするのと。是非安倍マリオに考えていただきたい。安倍マリオですよ」
反町キャスター
「オリンピック特別税。時限立法としての税みたいな、こんなイメージですか」
上山氏
「税かどうかはわからないけれど、政府が引き取る問題というのはあると思います。たとえば、輸送とか、セキュリティは全部、政府が引き取りましょうと。だって東京から静岡までの交通費をどうするかとか、こういう議論になってくるわけです。都民の税金で、県境まで払って、あとは神奈川県、静岡ですか、そんな議論になっちゃうわけです。どうしても自治体だからね。だから、自治体が複数跨った瞬間にそういうことは政府が調整する以外にできないですよね。警備だって警察の話ですから、首都圏全体の話でね。もっと政府が前面に出てきて、この見えないところ、ソフトな部分ですよね」
松浪氏
「政府は出てこなくていいですよ。金だけ出せばいいです」

東京五輪・パラリンピック 今後の課題は?
秋元キャスター
「今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてどういう課題が残されているのか?玉木さん、いかがですか?」
玉木氏
「オリンピックを何のためにやるかという、理念づくり。その手段として、現在ある東京オリンピックの計画、それを全部オープンにして、皆で考えましょうというのが1番いい方法だと思いますよ」
反町キャスター
「順番逆だとか、そういう場合はない?」
玉木氏
「そんなこと言わなくていいです。小池さんが1番素晴らしかったのはオープンにするということだと思うんですよ。オープンにするということを今度、オリンピックのことでオープンにして、皆で意見を言ったら、だんだんまとまっていくのではないですか。どんなオリンピックか、何のためのオリンピックなのか。これからの日本の社会、高齢化社会になっていく中でとか、いろいろなことを考えた人が、いろいろなことを言ってくると、だんだん固まってくると思います。全体に理念がないと、どういうオリンピックを成功と言うのですか。それがわからないオリンピックではダメだと思うんですよね」
上山氏
「オリンピックのビジネスモデルというのは賞味期限が切れかけていると思うんですよ。ですから、今回、まさにオリンピックの結果、東京をどう変えるかと。そこから逆算してお金の話についてもオープンにディスカッションしていくと。一見ドタバタが起きている感じだけれども、日本のすばらしいところだと思うのですが、情報を出せというと数か月で出ちゃうし、IOCが出したくないという話だって、これだけオープンな議論ができているから、よその国は住民投票で否決したりとか、相次いでいますけれども、日本の場合はごちゃごちゃ議論しながら、いじりながら、いいものをつくっていくというのはお家芸みたいなところがあるから、このプロセス自体がレガシーになるように、日本全体のいろいろなものを見直す、その原型になればいいと思うし、その結果、超高齢化社会の先取りとか、IoT(モノのインターネット)とか、バーチャルリアリティとか、そういうものが実際に試されるような。ある意味、小さな話ですよ、会場の話は。まだ間に合いますよ。これは実際に見せていけばいいので」
松浪氏
「この国は平和大国だ、安全な国だということを前面に出していく必要があるということ。それから、少子化、高齢化が進んでいて、どのように国が考え、どういう手を打っていくか、先進国モデルになると思うんですね。もう1つは、技術大国、科学立国というようなことをうまくアピールできる、それを世界に宣伝できるオリンピックにしていく。そういう視点からすれば、国が金を出すべきだと。東京都にそんなに負担をかけるなと、そういう器量のある政治家がいたらと思いますし。与党野党が一緒になってできているスポーツ振興議連にもっと活躍してほしい。丸川大臣がムチ入れて、彼らにお金のつくり方、これらにリーダーシップを発揮してほしい。金のことは、東京都にあまりに負担を、心配をかけるなという、そういう形で進めてもらいたいと思います」

スポーツ評論家 玉木正之氏の提言:『何をもって成功とするのか?』
玉木氏
「何をもって成功とするのかと。もうすぐ体育の日がスポーツの日に変わりますから、スポーツというものを皆で理解し、1964年の東京オリンピックは体育の日を生んで、体育という概念が生まれたわけです。これからはスポーツインテリジェンスの世界。そういう社会をつくっていきましょうと」

上山信一 都政改革本部特別顧問の提言:『ずっと公開』
上山氏
「2兆、3兆、大丈夫なのかというところからスタートしてきたのですが、今回、幸い1.6兆、1.8兆というキャップがかかりましたので。だけど、ちゃんとしたガバナンスをやっていかないと、また3兆になってもおかしくないと、今でも思っていますので、ずっとオープンにして、いろんな人が監視すると、この体制をずっと続けないと危ないと思いますね。コストの話ばかりで申し訳ないですけれども」

松浪健四郎 日本体育大学理事長の提言:『健康寿命』
松浪氏
「このオリンピックを契機に、国民が意識改革をして、自分の健康を自分で管理する。昔は、風邪ひきは万病のもとと言いましたけれども、現在は運動不足が万病のもとですね。国民が運動するように。平均寿命が香港とともに世界一だと、健康寿命は悲しいかなそれほど長くない。男が71、女が74.5歳。ですから、健康寿命を延ばす、このことがオリンピックのレガシーで、成功の、1番の価値のあることだと。そのために国は金を出せということで、3兆円かかったっていいではないかと、そういう私は想いをしています」