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2016年12月20日(火)
廃炉・賠償21.5兆円 なぜ従来試算の2倍に

ゲスト

山本拓
自由民主党 資源・エネルギー戦略調査会会長 衆議院議員
石川和男
NPO法人社会保障経済研究所代表
大島堅一
立命館大学国際関係学部教授

廃炉・賠償に22兆円! なぜ従来試算の2倍に
秋元キャスター
「福島第一原発事故の処理にかかる費用総額ですが、廃炉にかかる費用が想定されていた2兆円の4倍にあたるおよそ8兆円、賠償にかかる費用は5.4兆円からおよそ8兆円に、除染と中間貯蔵にかかる費用は3.6兆円からおよそ6兆円になり、合計がおよそ22兆円に膨らむ見通しになっています。これは当初予算の2倍にあたるのですが、なぜこれだけ費用が膨らんでしまったのでしょうか?」
山本議員
「最初の見通しが甘かったということに結果的になると思います。2011年事故が起きた時は民主党政権でしたが、民主党政権が善いとか悪いとかではなしに初めてですからこういう事故は。それに、賠償にしても現在を見ますと、想定外の賠償も要求されていましたし。だから、1回除染しても取ったところで山の方から下りてきますから、風で。何回もという、繰り返しですし、要望が強くなって、最初予定していなかった沼地まで、さらえとか、まだまだ増えていくと思います」
反町キャスター
「たとえば、除染の費用、除染に関して言うと、基準というのも1つポイントになると思うのですけれども、基準についてはどう考えていますか?」
山本議員
「当時は細野さんが決めた、1ミリという。これは善いとか悪いとかではなしに、何回も繰り返し取るという作業ですから。要は、放射線はセシウムであれ30年が半減期ですからなくなるわけではないですよ。箒で右から左へ移すということだけですから。だから、必ずそれは漏れますし、そういう意味では除染は限りなく、要求が強いところは、せざるを得ないと。また、民主国家ですから、要求があったら、やりますよというスタンスですから。どうしても限りなく増えていくというのは、私的にはやむを得ない。事故を起こしてしまった以上は」
大島教授
「私は、21.5兆円というのは、今回の原発事故の費用負担の手当ての部分だけ出したものであって、もっと隠れた部分はたくさんあると思っています。たとえば、福島原発事故が起こったあと、国が福島の復興関連で、原発事故の復興ですけれども、1.5兆円ぐらい累計で出ています。まだわかりませんけれども、森林除染などはしていませんから、それをするということになれば、一部の福島の報道によると2兆円ぐらいかかるのではと。ですから、これだけで25兆円ですね。3.5兆円増えますね。さらに帰還困難区域の除染をすると報道もありましたけれども、これも1番汚染されているところですから、初年度300億円でも、おそらくこれも上がってくると思うんですね。少なくともこの数字以外のところでおそらく、発生するだろうし、あと廃炉についても燃料デブリの取り出しまでしか入っていません。ですから、燃料デブリを取り出したあとに、最終処分まで至らないといけないです。どこにもそんなものは置いたことはないわけです」
反町キャスター
「取り出すまでの費用ですか?」
大島教授
「そうです。燃料デブリの処分は入っていません。高レベル廃棄物ですから、処分場ですら、一般の、普通の放射性廃棄物の処分場ですら発見できないでいるわけですね。除染も中間貯蔵施設の建設と運用までは入っていますが、30年後に最終処分をするんですよね、それも入っていないです、今回。本来は福島原発事故の費用だと言った場合に、少なくともお金は入らないかもしれませんけれども、これから将来かかるであろう、まだ入っていない部分の項目はいれておくべきであって、あたかもこれで21.5兆円、22兆円で終わりというわけにはおそらくいかないだろうと」
石川氏
「大島先生がおっしゃるように、将来の処分場のコストは、ここには反映されていないのですけれども、それについては、私は政策当局にいた立場からすると、そういうところまで見積もれないので、その時がきた時、その時の経済状況とか、社会状況とか、そういった中であまねく公平な負担を考えていくというふうな対応をすると。それは原子力発電だけではなくて、他の部分もこういう発想があるので、たとえば、社会保障などもそうですけれど。ですから、そういう点で言いますと、今回この費用で、このぐらい計上したというのは、私は費用負担の観点からしても、これが限界ではないかと思います」

試算倍増で国民負担は
反町キャスター
「賠償については新電力にも負担してもらうよと。原発が嫌だという人達は、僕らは再生可能エネルギーを高くても買うよと、ないしは安ければいいのだから、安ければ買うよという。それぞれいろいろな選択をもって決めた人達は…。何割かの原発が嫌いだから再生可能エネルギーが高くてもいいから買うという人達は、その人の電気料金に賠償費用が乗っかってくるという話ですよね。心情的に理屈に合わないと思うのですが」
大島教授
「理屈に合いませんね。資源エネルギー庁の当初の資料では、要するに、安い電気を使っていたのだから、過去の人に遡らなければいけないと。遡れないので過去分として今、新電力も含めて、全部の消費者から取りましょうという説明をしていたんです。それは理論的にこうだという説明をしていたんですけれども、資源エネルギー庁の方にこの理論は何ですかと聞いたら、理論はないですと」
石川氏
「日本の電気事業の成り立ちというのは外国もそうですけれど、まず各家に全部電線をつなぎましょうと、電気事業というのは福祉事業なんですね。採算が悪かろうが全部の家に電気をくっつけて、その代わり独占を与えますと、だけど、規制料金で担保すると。だけどそんなに簡単に料金を上げたりしてはいけないと。そうすると、今回3.11でたまたま事故が不幸にも起こってしまったわけですが、本来は経済産業当局も、政権も反省の意を表明しているのですが、本当なら事故のコストまで全部加味した形でやっておくべきだったのをやっていませんでしたという話なんですよ」
反町キャスター
「原発神話を認めたということですよね?」
石川氏
「そう。内部にいてありましたもの」
反町キャスター
「神話がね」
石川氏
「絶対に事故らないという神話があったんですよ、当時はね。いずれにしても、そういう反省に立って、今回は行政府も申し訳なかったと表明しているんです。そういう中で、申し訳ないですけれども、この分だけは乗っけさせてくださいと、ギリギリの策だいうことなので。私もこんなものは大嫌いですよ。おかしいと思いますよ。ただ、政策というのはどこかで前に進んでいかなくてはいけないので、皆さんが納得して応分の公平な、広く、薄くという、そうすると、今回のこれは新電力だとしても年間60億円で、新電力を選んだ方々にしても、月々20円もいかない値段なので、納得性という観点からはいいのではないかという思いでおそらく政府は出したのだろうと思うし、政府が出すということはたぶん与党の審査も通ったものなのではないかなと思います。理屈はおかしいですよ。次善の策としてやるには誰が考えても、こうなってしまうと思う」
大島教授
「原子力の、こういうコストがあとになってかかってくるというのが、原子力事業をする者が本来、取るべきリスクなんです。だから、自由化したあとも、原子力を持っている電力会社が普通の電力料金で自ら取ればいいだけの話で、過去分とか屁理屈を言って、その分だけ浮かせると。数字を見ると賠償費用が上がった分に相当する部分だけ2.4兆円と言っているのですが、5.4兆円が約8兆円になると言っているのは非常に数字があとづけだとわかりますけれども、似ています。要するに、負担部分を全消費者から広く、あまねく取ろうというだけの話です。だから、本来は原子力を持っている電力会社の電力料金から取ればいい」
石川氏
「本来、東京電力がやるべき、その通りですよ。ところが、東京電力の収益源は、既設の原子力発電所がドル箱の収益源ですよ。だから、やっているんですよ、わが国では。これが、柏崎刈羽原子力発電所が止まってしまっていますよね。もしあれがきちんとした形で正常に動いていけば、私が計算すると追加負担はほとんどないです。要らないです。こんな面倒くさいことをやっているのは、申し訳ないけれども、行政府の、政治もそうだと思いますが、努力が足りないのは、ちゃんと原子力について向き合って、地元に対して、中央政府と政治が、新潟県には財源があるわけですから、そこに対して、頼むと、お願いしますと、毎日行脚するぐらいのことでやっていかなければいけないけど、それをやっていないから、こんなことになってしまっているわけですよ」
反町キャスター
「経産省、政府が進めている電力自由化の方向からすれば、新電力に対する負担はなるべく避けた方がいいのではないか。そういう観点からすると、その考え方に逆行しているのではないか?」
石川氏
「いや、本来、自由化するのだと、新電力にもっと入ってきてもらいたいのだと、新電力を優遇すると思うではないですか。それは不公平なんですよ。イコールフィッティングです。皆、そこで、よーい、ドン、というのが本来の全面自由化です」
反町キャスター
「イコールフィッティングにはなりませんよね?」
大島教授
「なりませんね。なぜ新電力にかけるかと、そういう話になるかと言うと、2020年でこれまでの総括原価方式の電気料金がなくなるんです。今は再稼働云々ではなく、総括原価の電気料金に全部乗せているんです。今の電力会社は別に賠償費用の負担について何も痛みを感じていません。乗っければいい。2020年になると、自らが努力しないと稼げなくなるんですよ。それを軽減してやろうと」
反町キャスター
「この方法が?」
大島教授
「ええ。総括原価方式の電気料金でなくなるので。送電使用量に関してだけは総括原価方式が残るんです。だから、そこを使おうというわけです」
反町キャスター
「新電力を賠償の中に組み込むことによって、どういうメリットが誰に対してあるのですか?」
大島教授
「原子力を持っている事業者にとってはその分負担しなくてよくなりますから、利益があります」
反町キャスター
「新電力が有利になる展開をこれで避けるということですか?」
大島教授
「そうです。相対的に言えば」
山本議員
「2020年から賠償の追加が始まるんですね。おっしゃったように2020年には総括原価方式がなくなる、そこでお互い持ちつ持たれつの、新電力にすれば、電源供給源がほしいんです、安定した。なかなか進まないですよ。石炭火力が使えませんから。原子力は原子力で大変ですから、新しいところと組む。そういう意味では、お互い補填しあう形になると。ただ、1つだけ申し上げておきたいのは、このスキームは現在の時点では誰もいいとは思っていません。しかし、先ほど来から言っているように、1歩前に進めなければいけない。とりあえず経産省主導でこのスキームで1回やりましょうと。ただし、全部、個別にいく請求書に細目を載せるんです。ずっと。これは閣議決定マターです。法律ではありません。従って、あまりにも批判が増えたら、また変える可能性があります。その時までに良いスキームをつくらなければいかんし、原子力事業者も新潟県でも1つ動けば、いっぺんに好転しますので、そこまで何とかしのぐということだと思います」

東電経営改革の行方
秋元キャスター
「今日、経産省の有識者会議が提言した東電の経営改革の内容がこちらです。現在、年間4000億円の収益水準ですけれども、第1段階で、送配電コスト改革などでコスト削減を行い、1000億円プラスの、年間5000億円を達成すると。第2段階で柏崎刈羽原発を2基再稼働し、年間でもう1000億円プラス。第3段階で送配電と原子力で他社と共同事業体を設立し、除染のための株式売却益4兆円を実現しているとしています。まず第1段階ですけれども、送配電コスト改革では、東電の託送原価4.55円を欧米並みの4円程度に引き下げるということですけれども、石川さん、日本の託送料金というのは世界的に見て高いのでしょうか?」
石川氏
「日本という国はあらゆるものが高いと思った方がよくて、送電コストも計算すると、確かに世界と、特にヨーロッパとアメリカと比べると高いことは高いです。私自身は、日本の送電コスト、外国と比べても仕方ないとは思いますが、1つの目安として、今回、このコスト合理化というのは出したと思うのですが、秋元さんがご説明いただいた第1から第3までの間、それぞれ簡単に評価してみます。送電コスト改革ということで、要するに、4.55円が4円ぐらいになりますというのは、託送料金については、行政府の査定が入るので、やろうと思えばできます、これは。なので、一応、年間いくらか出るというのはできるとは思います。実際にしんどいです。だって、言ってみたらリストラみたいなものですから。これはしんどいと思いますよ」
反町キャスター
「東電の中の、いわゆる送電網の維持費、管理費をカットする意味ですよね?」
石川氏
「そういうことも含めて、いろいろなところでコスト削減していくということで、これはやろうと思えばできます」
反町キャスター
「たとえば、4.55円を4円に下げるということは電力会社の方から話を聞くと、日本というのは停電がないでしょうと。韓国は年間何分、アメリカは何十分で、日本はそういうのがないのだから送電料が高いのはしょうがない、ここはどうですか?」
石川氏
「そう思います。それは電力自由化という、今回の小売り自由化のプロセスを見ていても、日本というのは台風とかがあるではないですか、地震とか。そうすると、部分的に停電をすることはありますよ。災害だから。でも、その復旧の速さというのは日本人だとあまり感じないのですけれども、外国と比べますと相当立派ですよ。ガスもそうですよ。都市ガスもそうですし、LPガスもそうですけれど、日本は電力も、ガスもすごく復旧速度は速いです。それはある程度、人に対してお金をかけているという部分があるので、私は、先ほど、やろうと思えばできますよと言ったのですけれども、反町さんがおっしゃるように迅速な、そういう危機管理体制のところをひょっとしたらないがしろにしてしまう可能性がなきにしもあらずなので、だから、やろうと思えば、と言ったんです。こういうところというのは、これ以上はギリギリやるべきではないと思いますが」
反町キャスター
「4.55円を4円にしろという経営改革、政府と東電は、こういう方法でやりましょうと合意したということは、政府もある意味、経産省と言ってもいいでしょう。経産省も多少サービスは低下してもしょうがないねと。そういうのを東電にゴーサインのシグナルを出したということには」
石川氏
「それはないと思います。合意というものはいろんな形があると思いますけれど、まさか、たとえば、電力会社、東電の方がエネ庁に対して、いや、人繰りが悪くなりますよと、勘弁ねなんてことは一言も言わないと思います。それは阿吽の呼吸で、言っていないと思います。ただ、それが起きた時には、多くの人がやり過ぎたなと思うのは、先ほども言ったけれど、今後のことですよ。そうなってみないとわからない」
秋元キャスター
「でも、サービスが低下してしまったら、意味ないですよね。企業努力をする部分なのではないのですか?」
石川氏
「企業努力という言葉はいいですけれど、結局サービスをカットしないとコストは削減できないです。なので、それは我々日本国民も、今日ここでせっかくやっているので、それは覚悟していた方がいいですよ、そういうのは。本当に、第一段階」
大島教授
「託送原価が下がるかどうかというのは、私はこの専門ではないので、判断がつかないのですけれども、ただ、ここを合理化して、収益が4000億円から5000億円に上がるとはなかなか考えられなくて、と言うのは先ほど、石川さんがおっしゃっているように、査定をされます。だから、十分に合理化されたら、本来であれば電気料金を下げなさいという命令が出るわけですね。だから、本当は、送電部分というのは規制部門です。自由化されてもここだけは規制される部門です。電気料金全て規制されます。そうなると、ここは浮いたとしても、不当に利益を取るわけにはいきませんから、その分、下げなさいと。送電ビジネスは非常にローリスクだけれども、ローリターンであるという、そんな簡単に1000億円が浮いてくるとか、本来であれば、消費者に還元する」
反町キャスター
「でも、廃炉費用を負担しなくて、8兆円、廃炉でなくて、取り出しまでの費用だと。その原資を出すためには東電はこういうところで企業努力をしなければいけないとか、そういうことではないのですか?」
大島教授
「本来であれば、国のスキームにもちゃんと書いてありますけれども、単に、送電だけではなく、本来であれば、火力とか、小売りとか、その部門、東電グループ全体となって賠償するというのが本来の筋道ですと。ですので、国のスキームでもそうなっていますけれど、おっしゃられているように、送電部門の収益を上げるということをメインにしているので、それはちょっと懸念するところではあるわけです。本来は、ここは規制部門なので、消費者に直接還元すべきだと私は思っています」
反町キャスター
「山本さん、今の話はいかがですか?大島さんが言われていたのは、要するに、送電コストを改革することによって東電の収益を良くするというのは、別に廃炉コストを、廃炉の費用に充てるとかではなくて、電気料金の値下げに充てるべきだろうと。こういう主旨の話だったと思うですけれども」
山本議員
「いろんな主旨がありますが、基本的に電力自由化した時に、要するに、送電はもちろん、東電とか、大手の持ちものなのですが、これは、持ち主はそのままにして、要するに、独占権を与える形になるんです、独占権を。だから、これは必然的にこれまで北海道で発電したやつを、たとえば、九州の人も買えるんです、事実上。そこを通るのもカウントされますから。そういう意味では、独占権、他はなくても、これだけは独占権を取れるんです。だから、収益は上がります、結果的に通るところは。だから、あとはそれをどう使うかです。それともう1つは、国策として、要のところはちょっと直しているんです、国の経費で、送電網整備ということで。特に北陸と、要するに、西日本、東日本で違いますでしょう。どちらかに一本化できないので、それを跨ぐ枠を税金でカバーして。その分、おおきに、という形で儲かるわけです。要するに、送電会社が。送電を使ってくれるから。高速道路の利用料金みたいなものですから。だから、これは自然と儲かります」
秋元キャスター
「引き続き、先ほどの東電経営改革の第3段階について聞いていきます。第3段階は送配電と原子力で他社と共同事業体設立しまして、除染のための株式売却益4兆円を実現するとあるのですけれども、石川さん、この送配電と原子力で他社と共同事業体設立というのは、これはどういうことでしょうか?」
石川氏
「簡単に言うと、送電、たとえば、東京電力と隣接電力会社の送電会社があるではないですか。それをくっつけるということでしょうね。つまり、業界再編成を考えている。それは送配電会社だけではなくて、原子力部門もおそらく将来的には全国統一の事業体をつくるということを、第3段階ということで、政府当局は宣言したと。ここでいくからねということだと思うのですが、その過程において、今回の賠償も含めて、処理費用として、この4兆円というのを言っているのでしょうけれども、売って、得た利益は、こちらに充てるというようなことを言ったということだと思いますが、心配なのは、確かに東京電力は株を半分以上国が持っていますので、国主導でやるというのはわかります。株主がやるのはわかりますが、もともと国が持つというのは、東京電力の電力システムを守るためにやったわけで、別に国が本当に東京電力を牛耳ってやるという話ではないです。そうすると、実際には民間企業体です。民間企業体同士の合従連衡のことを言っているわけですので、本来ならば現場の人が本当にどう思っているのか。この会社をどう思っているのかというのをきちんと踏まえてうえでやって、ここについては悪いけれど、こういう目標を出したのでしょうがないのですが、これについて言うと、これは国の委員会が出すのではなくて、電力会社が自発的に出さなければいけないものです」
反町キャスター
「結局、送配電と原子力を東電から剥して、東京電力という会社は水力、火力、再生可能エネルギーもやっているのだけれども、要するに、発電事業会社になる、そういうことになるわけですか?」
石川氏
「おそらく火力についても中部電力と共同でジェブという会社があって、これの、だから、火力版だと思います。そういうふうに今回の電力システム改革という流れの中で、発電はそう大きくしていきます。送電は送電で大きくしていきます。小売りは、実はたくさん新電力があります。たくさんいきますということで、そういう市場構造を政府は目指しているんだなと」
反町キャスター
「そうすると、これまで全国を9つでしたか、地域分割していたのを、今度は縦割りだったのを横切りにし、発電所を火力なら火力だけかもしれない。日本火力発電みたいな、全国の火力発電を網羅している。原子力発電と送電網を持っているのは、日本何たらという会社をつくって、これまでは地域別だったのを横切りにしていくということですか?それが電力改革なのですか?」
石川氏
「これまでは縦にでかかったのだけれども、今度は発電と送電とこちらを切っちゃって、発電と小売りは一緒になってもいいのかもしれないけれども、送電だけは全部一緒にして、発電は原子力ででっかいの、火力は火力ででっかいのというのをつくるという、そういう目標ですよ」
反町キャスター
「要するに、東電の経営改革になるのですか?経産省がイメージする、電力改革とか、自由化の流れにあるのは分かるのですけれども、東電の経営改革になるのですか?」
石川氏
「東電の経営改革にもなるということだと思います。それを他社と共同と書いているわけですから他社との合従連衡、言ってみれば。そういうことで実現していくということ」
大島教授
「おっしゃられたように、送配電のところで、横につなげていくというのは、送配電の一体運用というのは合理的になりますから、いい方向性でもあるし、経産省としても電力自由化を進める時の1つの起爆、両方を重ねているのだと思うですが、東電としてはあまりやりたくないことだけれども、それも含めたと思いますね。原子力に関して言うと、1つ1つの電力会社単体では非常にリスキーになってきているということで、業界再編も睨んだものではないかなと思います。少し集約していくというのでしょうか。ただ、これが東電の原子力をどこかの電力会社が一緒にやりたいと思うかどうかは別です。非常にリスキーだと思います。柏崎刈羽を一緒にやりましょうとなると、政治的な状況からするとリスキーですよね」
反町キャスター
「動くか動かないかわからないのに共同所有して…」
大島教授
「それは自分のところだけでもとにかく動かしたいと思っているでしょうから、政治的に非常に困難な部分を抱えて一緒にやるというのは、相当厳しいのではないかと、私は思います」
反町キャスター
「山本さん、いかがですか?柏崎刈羽も含めた、他社との共同事業体というのはあり得るのですか?」
山本議員
「あり得ますね、それは。基本的に東電の役割はあくまでも福島の賠償を貫徹すること、何年かかろうと。要するに、当面福島の賠償の立替えを国もやっていますから、その貸付金も回収すること。従って、政府が東電に口を挟むのはある意味、当然。だから、東電という会社に後ろで金貸しの親父ではないですけれども、取りたてがいるわけですよ。これは国民のために。だから、そのためにはここと一緒に、要は、商売ですから需要と供給が一致すればいいわけで、電気の自由化はガス会社も持っているし、全国。供給は、東電は信用もあるし、横の連携もとれるし、だから、原子力も持っていれば、原子力は1つの会社になれば、全国に出せますし、コストも下がりますし、だから、そういう意味では、トータル的に考えれば、今はとりあえず分散していますが、システム改革とか、自由化が整理されることによって、東電の整理をする中で東電はほとんどくっつけちゃいましたから、他、火力であれ、何であれ、水力はいつでもいけますから。だから、原子力だけくっついていますが、これを第3段階のように身近なところからくっつけていくし、一緒になるのはあくまでも借金だらけの、これを取りたてる。ただ経営上はちゃんとスキームをつくって、一定のマージンだけはこちら返さなければいけないよということを前提に、相手を探させているということですから、これでいいのではないのですか」

原発の発電コストは
秋元キャスター
「政府は、原子力発電コストが安いということで原子力政策を推進しているわけですけれど、大島さんは、原発コストは決して安くないと言っていて、ちょっと説明していただきたいのですが」
大島教授
「世耕大臣をはじめ、原子力が安いということで、その原子力が10.1円。福島原発事故を含めても10.2円から10.4円であると説明しています。これはどういう数字かというと、試算とありますが、見積もりです。2014年時点で、福島原発事故以前に建てた原発、以前ですよ。以前建てた原発を、それに新規制基準に合うような追加的な対策をして、40年運転した場合、無事に。それでいくらになるかという費用。見積もりはともかくとして、実績はどうだったのだと。実績は、これは実績ベースで原発の各関連の費用ですね。電力会社が持っている会計情報がありますので、それを積み上げた」
反町キャスター
「こちらになるのですか。13.1円」
大島教授
「そうです。あと政府の予算であるとか、今回、事故で出ました21.5兆円、22兆円ですけれども、21.5兆円をこれまでの発電量で割るとこんな形になってきまして」
反町キャスター
「そうすると、価格競争力が全然ないではないですか?」
大島教授
「過去の実績から言うと、それは火力や水力よりも、実績ですよ。過去の見積もりはともかくとして、過去の実績は高かったということです」
反町キャスター
「ただ、建設費用も込みですよね?」
大島教授
「そうです」
反町キャスター
「その意味で言うと、既にあるものを動かす限りにおいて、この費用というのは、現在あるものを最後まで使い切るという前提でやった場合には13.1円ではないわけですよね?」
大島教授
「違います。これは過去の実績です。見積もりはともかくとして、何かを計画する際にどうだったのだと必ずレビューしないといけないと思いますので、それの材料になると思って試算をしているわけです」
石川氏
「この大島先生の試算と政府試算、2つあって、政府試算の時、先生は、委員会におられましたよね?」
大島教授
「ここの、2015年の時にはいなかったんです。自民党政権になったら私は委員ではなくなったので」
石川氏
「この前の民主党政権の時にはいましたよね?」
大島教授
「いました」
石川氏
「だからと言って、どうのこうのというわけではないですけれど、結局、試算というのは前提によって変わって、大島先生が最近おやりになった13.1円は、この方式自体は積み上げたらこうなるのですが、これは実績とおっしゃいましたよね、事故の。たとえば、石炭というのは、日本の石炭の場合は、たとえば、炭鉱で何百人という方が命を落としていると。そういう事故がこれまでたくさんありました。たとえば、石炭工の中で肺に塵肺訴訟とか、いろいろありますよね。そういうものがいろいろあります。医療費とか、あります。実績とおっしゃるのであれば、原子力を実績でこれをやるとなると、実は水力も石炭もLNGも、こちらに石油とか、太陽光があるのですが、全部やらなければいけなくなっちゃって、そうすると結局、原子力が1番安いということになっちゃうんですね。これは石炭と水力というのは、世界的にもだいぶ発電単価あたりの死亡者数が多いんですよね。それは入れていないですよ、事故のコストというのは。原子力だけ事故のコストを入れても安いです。これは確かに大島先生の試算、これだけ見ると正しいですけれども、同じことを他のでやったら、こうなるので、結局それはやる意味はないです」
大島教授
「石炭とか、水力も、これは社会的費用入っています。石炭の、入っています。この試算にね。政府試算には入っています。あと石炭の塵肺訴訟なり、何なりの賠償費用は石炭の価格に入っています。だから、その価格に入っているので入れる必要はもちろん、ないし、何十兆円も被害が出るようなものはないわけです」
反町キャスター
「ただ、先ほどの話、既存の原発をまわしていくだけだったら、これはいくらになるのかという計算はないのですか?」
大島教授
「できます」
反町キャスター
「それは、たとえば、だいたいいくらになるのかというのはあるのですか。でも、これは全部それぞれ発電所をつくることのコストも含めてですよね?」
大島教授
「ええ」
反町キャスター
「我々が考えなくてはいけないのは、新規ではなくて、40年、60年まで耐用年数を伸ばした中で、それをまわした場合、コストとしてどうなのかという、リスクは別にして、コストとしてどうなるかと考えた時に、60年でまわした時にいくらかかって発電できるのですかと。だいたいどのくらいなのですか?」
大島教授
「数字は忘れましたが、追加的な安全投資があります。2兆5000億円とか、非常にあるので、採算性をもって運転できるのはかなり限られています」
反町キャスター
「それでも、いくつかはできるだろうと」
大島教授
「大雑把に言うと、再稼働の申請をしている原発がだいたいそれに対応します。それは、他についてはそんなによくないと見ています。それは正直だなと思っています」
反町キャスター
「山本さんは、原子力発電所の価格競争力が十分あると考えますか?」
山本議員
「これまでの前提条件が総括原価方式も含めて、詳細が見えないところもありますが、2020年からまったくの自由化ですから、電力会社は採算が合わないことはやりませんし、明示してきますから。だから、自然と我々が心配することなく、自然と消えていく。原子力を残したいなら、政府がちょっと補填してくれという政策要求が露骨に出てきます。それでわかりやすくなるのではないですか。そのための電力改革ですから」

山本拓 自由民主党資源・エネルギー戦略調査会長の提言:『国際協力』
山本議員
「原子力に関しては今や日本が原子力を止めても、他の中国その他、皆、原子力でいきますし、CO2(二酸化炭素)削減の国際協調の中で、エネルギー源として原子力は避けられません。過去の戦争の原因はほとんど化石燃料の資源の争いです。その意味で、自国で完結する原子力をこれから開発しようという国がやるのは仕方ありません。ただ、原子力の平和利用にある日本としては、原子力から出た廃棄物、使用済み燃料、これは、悪用されないように、協調できちんと安全管理、減量化のノウハウを日本がつくり上げていくということを考えていますので、原子力政策は、日本はそんなに増えると思いませんが、原子力を動かすと言って選挙で当選する知事はますます珍しくなりますから、現実問題として。だから、そうは言うものの、ノウハウだけはちゃんと蓄積して、海外で日本の過ちが起きないように、しっかりリーダーシップをとっていく役割を果たすべきだと考えています」

石川和男 社会保障経済研究所代表の提言:『原発は、動かせば安上がり 動かさないと高止まり』
石川氏
「原発は、動かせば安上がりですが、動かさないと高止まり。これは先ほど議論でも出ましたけれども、原発は動かすとこんなに安いものはないです。でも、動かさないと高くついちゃいます。冷静になって、いつか必ず原子力はやめるので。やめる時にも安全性というのは必ず必要です。その時の人とモノと金を蓄積していかなければいけませんので、確かに嫌かもしれませんけれど、ここはきちんと原子力を安全にやめていく。使って、やめていくという原点に返って、日本の現在の危機を克服してもらいたいと思います」

大島堅一 立命館大学国際関係学部教授の提言:『自分で払う』
大島教授
「自分で払うのが原則だと思います。原発に関連しては、長い歴史の間に国が非常に関与してきました。今回の事故も22兆円と莫大です。これほどまでの環境被害が出たことはないです。本来であれば、自分で払うべきです。安いと言うなら自分で払うべきです。それによって初めて事業性があると言えるので、今回のやつは自分で払えないので、市場において生き残れない電源であろうと思っています。これが原則になると思います」