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2016年12月2日(金)
鈴木大地&馳浩に問う 五輪メダル量産プラン

ゲスト

馳浩
前文部科学大臣 自由民主党スポーツ立国調査会長 衆議院議員
鈴木大地
スポーツ庁長官
玉木正之
スポーツ評論家

鈴木大地長官×馳浩前文科相 東京五輪『メダル量産プラン』
松村キャスター
「2020年東京五輪に向けた、メダル量産プランについて聞いていきます。まずは今年の夏開催されたリオ五輪の結果を見ていきます。日本は全体でメダルの獲得数は6位でした。過去最多となる41個を獲得したわけですけれども、金メダルは12個です。41個というメダル獲得数。この成果をどう評価していますか?」
鈴木長官
「前回大会の金メダル数、そして、メダル獲得総数を上まわりまして、過去最高ということになりましたので、金メダルは別として、メダル総数に関しては、一定の評価をしてもいいのではないかと思います。メダルを獲得した競技、これが前回の13から10に減ったという、このへんは多少、危機感を持っています。このスポーツ庁ができて、メダル獲得数を増やすだけの庁ではないのですけれど、競技スポーツをやる以上は1番を目指していく、そういう姿勢は大事にしていきたいと思っています」
馳議員
「そもそもオリンピック憲章では、国別にメダル数を出すことは禁じているはずですよ」
玉木氏
「禁じていますよ。IOC(国際オリンピック委員会)憲章で。だから、組織委員会とか、主催国とかが国別、地域別のメダル数を言ってはいけないです。これはマスコミが勝手にやっているだけです」
馳議員
「マスコミがこうして煽ることを、私は否定しません。報道の自由がありますから。しかし、本来、五輪を開催する意義。IOC憲章では、国別のメダル争いをすることの価値観は、まったく認めていないということを最初に言っておかないと鈴木長官の努力が水泡に帰すことになりますので、そこだけ最初に言わせてください。だから、最初にメダルより大切なものが五輪にはあるという、そこから議論を始めなければ、競技力強化の話にはつながってこないですよ」
反町キャスター
「メダルよりも素晴らしい求める価値というのは何ですか?」
玉木氏
「それはスポーツをすることですよ。スポーツをやることそのものが素晴らしいことですから。1人でも多くの人がスポーツをやることが大事であって、決して、トップを目指すというものがスポーツの全てではないと。でも、競技スポーツの中で1位を目指すと言われたのは、それはその通りだとは思うんですよ」
鈴木氏
「それだけではなくて日本人が活躍しまして、メダルを獲得します。そうすると、国民が影響を受けるんですね。盛り上がって、感動して、よっしゃあ、明日、俺も走ってみようかなと、そういう気持ちになる。影響力が大きいわけですよ。国民をインスパイアする、こういう役目になっているわけですね」
玉木氏
「だから、メダルの目標というのを出して、僕はいいと思うんです。ただ、その時に国が出すのならば、何個から何個という幅を…」
鈴木氏
「ごめんなさい。JOC(日本オリンピック委員会)、JPC(日本障がい者スポーツ協会)が目標として出しました。それを国は一生懸命に支援をしますと言っています。国は何個獲れと一言も言っていません」
松村キャスター
「2013年の時点で、JOCは金メダル獲得順位に、世界3位という目標を掲げているのですけれども、金メダルというのは、鈴木さん、影響力はあると思うのですが、大事ですか?」
鈴木長官
「私がもし金メダルを獲っていなければ、たぶんここにいないと思うんですね。別に人間としては同じですけれども、金メダルを獲るためには金メダルを獲るための準備をしてきた。それなりに努力もしてきましたし、創意工夫もしながら、私達の頃はそれこそ国の支援というのはそうそうなかった時代ですから。いろんなアイデアを使いながら、掴んできたわけなので、そういう意味での評価というのはされるのかもしれませんね」
馳議員
「私は、これに価値をあまり置いていないです。だけれども、3位を目指すには、足元を見なさいと。あなた達がやっていることは、世界3位を目指すにふさわしいことを、各競技団体と協力してやっていますかという、まず現実を見てほしいです。そこから積み上げて、積み上げていくということの目標に、世界3位を置くということは、私はいいと思います。素晴らしいと思います」
玉木氏
「国が言うこと自体はね。でも、IOCの理念からは間違えていますよね」
馳議員
「私はそうは思いません。私はメダルよりも大事なものがあるということが1番のベースですよ。しかし、1番を目指すという目標を立てて、そこにアプローチしていく、多くの方が関わっていくということは世の中のどんな仕事にも通用することであります。企業活動であろうと、社会活動であろうと、教育活動であろうと、通用すること。そうしたらプロセスを積み重ねていくにあたって、3位という目標を(達成)するにはどれだけ大変なことをしなければいけないのかということを自覚しなければ」
玉木氏
「JOCが出しても構わない?」
馳議員
「まったく問題ない」
玉木氏
「他のところが出した方がいいのではないですか。IOCの下部組織が出すよりも。」
馳議員
「JOCこそが出していくべきで、問題はそこの責任をとっているか、とっていないか。むしろ自覚しなければ。これまでも責任はとっていないと思うんですけれども」
玉木氏
「これはJOC、とれないですよ、責任」
馳議員
「とれない。アマチュア軍団ですから。しかし、この目標を立てて競技力を強化していくためのプロセスをつくっていくということはとても大事なことですし、選手に対しての、評価を与えていくことにつながりますから。これはこれで必要だと思っています」
反町キャスター
「鈴木さん、JOCの中でいうと、橋下聖子強化本部長が、全33競技でそれぞれ最低1つのメダルというような目標も設定されています。全競技というのは何だと。東京五輪においては、これだけの競技があるのですけれども、新競技も含めて、こんなにたくさん競技ある中で、1つ1つ、全部の種目でメダルを獲得というのはどうなのですか?」
鈴木氏
「たとえば、全競技ではなくて、何十競技、一部の競技を言ったとしますよね。そうしたら、言われなかった競技はショックを受けるのではないかという話がありました。おっしゃることもよくわかります。たとえば、たくさんの競技があって、種目数だと要するに、陸上では47(種目)の3倍のメダル数があるということですよね。しかし、全競技と言いますと、トライアスロンとか近代5種だと2(種目)しかない。この中でメダルを獲るのは6個のうち1つを狙っていくとなり、確率論からしても相当難しい。ただ、やるからには、という最大限の大風呂敷。ここでおっしゃったのだと思います」
玉木氏
「大風呂敷でいいと思うんですよ。僕もワイドショーでオリンピックの前に必ずメダル予想なんかをさせられるんですよね。そうしたら、他の人達にしてみるとおかしいですよ。少な過ぎるんですよ。だって、あなた、こんなに少なかったら、この人は獲れないと言っているわけでと言ったら、いや、そんなことはなくてと言う」
馳議員
「非常にナンセンスな話していると思うんですよ、2人とも。私が言いたいのは、メダルを獲るということは、毎年、世界選手権もあります、ワールドカップもありますし、地域ブロックの大会もあります、アジア大会とか。そうすると、その時のトップは誰で、どのような競技力で、体力、技術、戦術を持っているかということを分析するチームがJSC(日本スポーツ振興センター)にはいるわけです。JISS(国立スポーツ科学センター)にもいるわけですよ。情報戦略を積み重ねるためにも、トップを、金メダルを目指すという目標を立てなければ、まったく意味がないですよ。最初から3位がいいとか、入賞すればいいということでは、世界との差を埋められないです」
反町キャスター
「ただ、限られた資源、お金にしてもマンパワーにしても、それを全競技に均等に配分するかというと、そうではないですね。それはイギリスにおいてもそうだったと僕は聞いているのですけれども、獲れそうな種目に、集中的に資源と人間を配分して、そこでもしかしたら種目としてはマイナーかもしれないけれども、メダルをコツコツ稼いでいくという、そういうメダルの獲り方もあると思うんですよ。では、日本は、万遍なく広く構えて、全てのスポーツに参加をして、全てのスポーツで美しく戦うことを目的とするのか。ないしはここはマイナーだけれども、日本は勝負をするんだぞと。どちらの作戦なのだと、それぐらい決めた方がいいでしょうと」
鈴木長官
「決めています」
馳議員
「話をごっちゃにして喋っている。橋本さんが言っているのは目標に掲げたいと言っている。目標のためのプランをつくると言っているんです。反町さんがおっしゃったのは、まさしく鈴木長官がおっしゃったと思いますけれど、絞って現状でもわかっているところがたくさんあるわけです。この競技でこういう支援の仕方をすれば、メダルは獲れるということが、手が届くというのはわかっている部分を強化するためにポイントを、絞りつつあるんですよ」
反町キャスター
「橋本さんが言ったのは、全33競技で最低1つのメダル獲得というのは、あまり気にしない方がいい?」
馳議員
「目標、プランのところは絶対に必要なので、そこは必要です」
松村キャスター
「文科省が2012年に策定したスポーツ基本計画ですけれど、できる限り早期に、成人の週1回のスポーツ実施率が65%程度となることを目標とすると。2015年度ではその率が40.4%ということですけれども、これを上げていくということですよね?」
鈴木長官
「その通りです。現在の40.4%、これは少ないですよね。実はスポーツ庁もこういうことをやろうぜと言っている割には50%いかないですけれど、我々はまずやって、やらない人がスポーツやれよというのはおかしな話で、まず我々が率先してやるという。また、この65%という目標、これは1週間に1回スポーツをやっていますよというだけで、本当はこの先がありまして、運動の強度だとか、いろんなものを考えなくてはいけないのですけれども、とりあえず皆さん、やりましょうよというようなことを言っています」
馳議員
「だったら、スポーツが嫌いだという人の意見をちゃんと聞かなければダメだよと。嫌いな人だっているのだから。スポーツの価値観は既にスポーツ基本法で、する人、見る人、支える人と3つを明確に規定したように、無理をしてしなければいけないというものではないです。そもそもスポーツというのは。だから、そもそもスポーツは見て楽しむ人、やる人もいるし、スポーツ運営、審判とか、支える人もいなければダメだし、応援する人もいなければダメです。スポーツの価値観を分かち合えるよう空気づくりをしていくためにオリンピック、パラリンピックというものがあるのだと理解をしてほしいんです」
松村キャスター
「続いてはスポーツ庁長官の鈴木さんが、今年10月に発表しました2020年以降を見据えた競技力強化の支援方針。鈴木プランについて聞いていきます。ポイントは『ハイパフォーマンスセンターの機能強化』『アスリート発掘への支援強化』『女性トップアスリートへの支援強化』ということです。まずハイパフォーマンスセンターは今年4月に設置されたそうですけれども、この役割はどういうものですか?」
鈴木長官
「現在、国立スポーツ科学センターというのがありまして、右側のナショナルトレーニングセンターと隣接して行っています。それぞれ別の時にできたというのもあるのですけれども、ここで採れた選手のデータなどが、この2つの隣接する施設だけでもまだリンクしていないという部分がありまして、こちらに行ったり、あちら行ったりするわけですけれど、そのデータが互換すらしないというので、まずこのデータセンターというもので、こういったものを、このへんは馳前大臣にもご尽力をいただいたわけですが、つながるようにすると」
反町キャスター
「アスリートデータセンターというのは何をやるところなのですか?」
鈴木長官
「ここは選手の体力測定のデータとか、競技の独特の数値を記録するわけです。そういったものをお互いにリンクをさせるというものです。その状態を見ながら今度はスポーツの用具、器具を使ったりするスポーツもあります。そういったものを今度はそこでつくっていく。選手によりフィットするような器具、用具を開発していく必要があるだろうと。特にパラリンピックもそうですけれども、用具、器具で競技の優劣が分かれてしまう場合もなきにしもあらずということで、外国の選手がすごくいい機材を使っていた。日本の選手は、能力で負けたら仕方がないですけれど、機材で負けたら非常に気の毒ですので、整備していくことにも使えるのではないかと思います。スポーツインテリジェンスセンターというのは情報収集ですね。それから、共有というのもそうですけれども、外国でも日々こういうのも研究されていますし、また、日本人で海外に住むスポーツ関係者もいますので、いろんなデータ、インテリジェンスを集めて共有していこうということで、こういったこの3つの機能を効果的にしながら、よりパフォーマンスを高めていこうというものでありまして、真ん中に何かを書くとするならば、ここが戦略本部と言っていいのではないかと」
反町キャスター
「戦略本部なるものが、建物として独立したものでもあるのですか?」
鈴木長官
「そんな大げさなものはないですけれども、それぞれところにJISSとか、NTC(ナショナルトレーニングセンター)があって、こういったのをより効果的に使っていくために戦略本部というものを置きまして、選手のパフォーマンス向上につなげていくと」
反町キャスター
「これまでは、たとえば、心肺機能のデータであるとか、脚力のデータであるとか、様々なトレーニング上のデータみたいなものがNTCにはあったけれど、それが、たとえば、用具の方へのフィードバックにうまく活かされていなかったということなのですか?」
鈴木長官
「それもありますけれども、この3つのことをやっていきますということですね。あと競技によっては、このナショナルトレーニングセンター、東京の北区にありますけれども、ここでトレーニングができない競技というのも当然あります、屋外競技とか。競技別強化拠点ということで、地方にもして、とりあえず選手がここに集まってきてデータと採ったり、体力診断をしたりするわけですけれども、こういったところと地方もリンクをさせていくことがこれから必要なのだろうと思っているわけで、このデータ、用具、インテリジェンスセンターというのを強化していくということです」
反町キャスター
「手本になるような国はあるのですか?たとえば、この3つのデータと技術開発と情報収集の混ぜた、この流れ」
鈴木長官
「ほとんどの先進国はやっていると思います」
反町キャスター
「日本が遅れているという意味ですか?」
鈴木長官
「遅れていますね。1970年、1980年にアメリカやオーストラリアはこういった国立のスポーツセンターというのをつくって、20年、30年遅れていて、その時代に我々は戦っていたからよくわかりますけれども。ようやくこういうのが少しずつ整いつつあるということですね」
馳議員
「実は、私が大臣の時に、このハイパフォーマンスセンター、実際に活かしていくために、カナダのロジャー・ハクソンという博士からアドバイスをいただいて、最終的につくったのですが、今回補正予算でアスリートセンター、データセンターについて、10億円ぐらい予算をとりました。現在あるデータをきちんと整えます。それをもとにして、技術開発、ルールや施設、設備用具、器具、ウェアまで含みます。世界から集めてきた、どこまで進んでいるかというのを全部好循環で活かしていこうと。そのコントロールタワー、戦略チームが、ナショナルトレーニングセンターを軸としたJOC、JPCの強化チーム、JISSの研究者とも一緒になってやりましょうと。これまで残念ながら壁があったんです。壁はやめましょうよと、一緒に協力してやりましょうよと。従って、私はここには早くカフェをつくれと言っているんですよ。それぞれの情報を確認し合ったり、ビデオを見たり、栄養の指導を受けたり、あるいはメンタルのコーチからいただいたり、世界の情報を受けたりと。時々刻々とインテリジェンスセンターが世界中から情報を集めている。ビデオもいっぱいありますから。このデータをもとにしながら、また、本来アスリートが持っている体力的なもの、絶対的に必要なものでありますから、そういったことの分析。メーカーの皆さん方と機器の開発を通じて、次、冬季オリンピックで、バドミントンや、バレーボール、バスケットがどういう器具を使うのか。そういうのをいち早く取り入れ、オリンピックの時と同様に緊張感、戦術をマスターすると。好循環で動かしていくことがハイパフォーマンスセンターの構想です。これは日本にはなかったので、オールジャパンでやりましょうと。そのためにも、実はこれからナショナルトレーニングセンターの傍にパラリンピックの施設も第2トレセンとしてつくりますが、パラリンピックもこの循環の中に入れてやっていきましょうよという、この日本型のモデルをこれからつくっていこうとしているということです」
松村キャスター
「では、続いて鈴木プランの2つ目です。アスリート発掘への支援強化というところですけれど、具体的にはどのようにしてアスリートを発掘していきますか?」
鈴木長官
「これから、まず少子化で子供が減っていきますけれども、我々としては競技力維持、あるいは向上をしていかなければいけないと思っていますので、倫理的にはいろいろ問題があるかとは思いますが、才能のある選手が才能に合った種目にやってもらおうというのも当然あります。日本では歴史的なものもあって、ある競技にタレントが集まり過ぎる」
反町キャスター
「野球、サッカーですか?」
鈴木長官
「具体的に出てきましたけれど。高校野球、たとえば、17万人いると言われているのですけれども、実際に試合に出るのは5万人程度というデータもあります。2年生、3年生になって出る人もいるかもしれません。1年間で5万人。要するに、10万人以上の選手が試合に1度も出ることがないわけですね。テレビとかでもよくやっていますけれど、190cmの人がいたりですとか、まだまだタレントが眠っているのではないかと思っています。そういうたまたま野球ができなかった野球部の選手がベンチで声を出していたり、あるいはスタンドで声を出して、合唱部ではないかというぐらいの応援をやったりして、我々からしたらもったいない。そこで私達は甲子園に行けなかったかもしれないけれどもオリンピックに行かないかと囁くわけですね」
玉木氏
「日本人の常識でして、僕もびっくりしたことがあるのだけれど、セルジオ越後さんに、補欠とは何と聞かれたんですよ。要するに、補欠とは何と言われ、甲子園で補欠がいっぱいいて、あれはどうしてBチームをつくらないの、Cチームをつくらないのと。試合をどうしてやらないのと。試合をやらないとスポーツやっていることにならないのではないのと言われて、僕らも日本人としては補欠が当たり前だと思っているんですよね。それが1つと、もう1つは複数のクラブに入ることを指導者は極端に嫌がります。野球をやっていても、別にバスケットボールをやっても、陸上競技をやってもいいはずです。ところが、指導者が自分のクラブに入れたら、他のクラブと一緒にやることを嫌がりますね」
馳議員
「意外と、中体連と高体連の壁ですよね」
反町キャスター
「所属ごとのセクショナリズムがあって、お互いに選手の獲り合いみたいになっているという意味で言っているのですか?」
馳議員
「本末転倒ではないのというところですね」
玉木氏
「1つに登録したら他のスポーツには登録できないとか、そういうことが残っていますね」
反町キャスター
「鈴木さん、声掛けは具体的に、要するに、スポーツ省としてスカウトを何人か雇って、あらゆる高校野球の県予選とかに行って、予選の野球場にいても、試合を見ないでスタンドを見て、スタンドで応援している選手を呼び込んで、うちでボートを漕いでみないとか…」
鈴木長官
「当然そういうことは考えられますよ。ただ、各競技団体がその競技に向いた体形だとか、体組成だとかはあります。と言うことで、専門性もありますので、我々はタレント発掘事業をいくつもやっていまして、その知見もありますので、そういうものも利用しながら、たとえば、高校野球の会場とか、たくさん集まるところで、トライアウトをやるとか、それは中央の我々のような日本スポーツ振興センターとか、いろんな形でできます。プラス競技団体の専門の目というのが大事になってきますので」
反町キャスター
「トライアウトというのはどういう流れになっているのですか?」
鈴木長官
「まだ詳しいところまでは決まっていないですけれども」
反町キャスター
「オリンピックに出たい者集まれみたいな、感じになるのですか?」
鈴木長官
「そうでしょうね。あと各都道府県レベルの話になってきますので、ここに、もう1つ大きな日本のスポーツ組織、日本体育協会が各都道府県に県の体育協会といったところと密接に結びついていますので、こういったところと協力をしながら、普段からどういう選手がいるぞという声を拾ってもらって、それに合わせて、中央の競技団体だとか、あるいは我々のようなところも含めていくというような形になると」
馳議員
「2つの段階でやればいいと思うんですよ。先々週、滋賀県に行った時に、もうすぐ国体があるのですけれど、国体の時に活躍する高校生のジュニア、現在、小学校の5年生、6年生に、いろんな競技から今日はレスリングのオリンピックのメダリストを呼んできて、講習会をやりますと、好きな人は皆集まってくださいと、体協を通じて、いろんな競技団体に声をかけて、素人を集めて、レスリングの基本的な動きをやらせたんですよ。そうするとびっくりするぐらいの能力のある選手が見つかるわけですよ。小学校5年生、6年生で。トップレベルについてはそういうやり方もありますね。と言うのが1つ。2つ目は、そもそもわが国の小中高の体育というのは、シーズン・スポーツとか、1人の選手が複数の部活動を掛け持ちすることがなぜダメなのだと。また、秋季大会とか県大会になぜ1つの学校から複数のチームが出てはダメなのと。全然ダメなことないですよ、そういう発想。ところが、中体連、高体連という組織、セクショナリズムは頭の固いおじさん達ばかりですからね。そこに発想が及ばないですよ。水泳だってよく考えてくださいよ。学校所属ですけれども、基本的には皆クラブチームですよ。こんな素晴らしい組織はないです。中体連、高体連もクラブチームといかに融合できるかということで盛り上げていかないと。最初に鈴木長官がおっしゃったようなやり方で、いろんな競技の方からスカウトする場を、トライアウトする場を設けましょうというので、実際に各都道府県レベルでやっているんです。そこをもうちょっと、スポーツ庁としても応援をしていきましょうということです」
玉木氏
「その場をもうちょっと長官が揺すぶってくだされば、中学校の、高校の部活動というものはもっと自由なものが生まれてくるのではないかとは思いますよね」
反町キャスター
「今後のスポーツ庁として、日本の体育というか、スポーツ行政、中学、高校から引きはがすと。はっきり言ってしまえば。中学、高校、大学と、小学校から続く、そういう種目別、しかも、相互乗り入れが可能な種目別の、比較的緩い、そういう組織をつくっていきたいという、ビジョンなのですか?」
鈴木長官
「いや、ここでははっきりとは申し上げませんけれども、今後、柔軟にやっていかなくてはいけないと。中学校や高校の先生の中にも、本当に部活動をやりたいと言って先生になった人もいるわけですよね。そういう意欲のある人もいます。それをいい形で指導できれば、それはそれで教育という意味でも、日本のスポーツはそれで価値はあるのですけれども、もっと柔軟にクラブと学校の融合をはかると。あるいは大会にしてもクラブとして出てもいいし、高校や中学の名前で出てもいい。水泳はどちらでもいいですよ。非常にフレキシブルにできていて。我々が、中体連、高体連の先生と話をしていて、1番恐れているのは、要するに自分達が大会を全部仕切ってやっていくのですけれども、学校とクラブが自分達が荒らされちゃうのではないかとか、あるいは自分達の仕事量が変なところで増えちゃうのではないかというようなことを気にされていると思うんですけれども」
反町キャスター
「いい選手を集めて、クラブの成績を上げるということに非常に重きを置いている先生もいれば、学校もあるわけではないですか」
馳議員
「長官の立場だと言いづらいのですけれど、我々と遠藤利明前五輪相は、スポーツ庁をつくる時に1番のポイントだったのは、学校体育を初等、中等教育局に組み込むか、スポーツ庁の所管にするかということで、一致してスポーツ庁の所管にしたんですよ。なぜかと言うのは、まさしくそういうところですよ。フレキシブルでいいです。同時にスポーツには教育的側面もありますから、そこはそこで価値観として認めましょうと。けれども、スポーツは皆が楽しむものですよ。才能がある人をドンドン伸びるようにしてやればいいですよ。これを初等、中等教育局に組み込んでしまうと、教育の枠の中で抑え込まれてしまうので、それはやめておこうと。価値観の理解ですね」
反町キャスター
「スポーツ庁に移管をした時点で既に学校におけるクラブ活動という枠を取っ払っているイメージになってしまうのですけれど」
馳議員
「そこを目指しているんですよ。急にはいきませんけれども、複数のスポーツができるようにしようと。それから、クラブチームも学校の体育の部活動も融合してできるようにしようという方向に、スポーツ庁にリードしていってほしいです」
反町キャスター
「月火水は野球だけれども、木金はプールだみたいな、そういう子供がいっぱい出てきてもいいのではないか?」
馳議員
「大丈夫ですよ」
反町キャスター
「そのための設備が必要ですよね。学校の施設を使って、クラブ活動を考えているのですか?」
馳議員
「学校の施設で昼間と夜間、休日、土日も使えるとか、要は、学校の施設の管理を教育委員会でなくて、首長部局にすればできる話ですよ。それは体育館にしても、運動場にしても、クラブハウス1つあれば、放課後も、夜間も、早朝も使えるのだから」
松村キャスター
「女性トップアスリートへの支援強化ですが、過去のオリンピックのメダル獲得数を見ていきますと、女性は2000年のシドニー大会以降2ケタのメダルを獲得していまして、安定的に増えているような気もするのですけれど、敢えて女性アスリートの支援強化をなぜ盛り込んだのでしょうか?」
鈴木長官
「メダルの獲得数の話をしてくれましたけれども、メダル獲得率というものもありまして、ロンドン五輪までは女性のメダル獲得率は男性よりも高かったんですね。我々としてはまだまだ可能性としてあるだろうということと、女性へのスポーツの支援が遅れているという話を方々でいただきまして、JISSとかNTCで我々は託児所もつくりまして、現在は子供をそこに預けて、産後の女性が競技を続けられるような環境にもなりました。東ドイツという国がありましたけれども、女性の研究もされていまして、妊娠の前後で女性がすごい力を発揮するというデータもありまして、事実、当時から産後の選手が活躍するというのを見てきましたけれど、日本は何となく結婚=引退です。子供を産んでまだ競技を続けるというのは社会風潮的になかったこともあり、女性が競技を続けやすいようにしていくつもりです。ただ、それだけではなく、女性特有の体の問題もありますので、研究していきながら、女性が最高のパフォーマンスをあげるにはどうしたらいいのかということにも注力をしていきたいと思います」
馳議員
「当然でありまして、女性には、女性特有の健康や身体に関する課題というのがあるわけで、そのことを理解したコーチングもしてほしいし、1つの学校体育のモデルにもしてほしいですよね。全ての女子中高校生がスポーツに臨む時のモデルにするためにも、まずトップアスリートにおいて環境整備をしてほしいです。しなければいけないし、女性にとって生涯スポーツと向き合うことがいかに有益かということも証明してほしいです。私は日本レスリング協会の副会長をしていますが、女子チームのコーチ7人、8人のうち、女子のコーチは1人しかいなかったんです。それで、今回ようやく吉田沙保里さんが入ってくれた。戦略面、精神面、体力強化の面で、半分は女性がいて欲しいなと思っています。女性にしかわからない人生プランもありますから。」
反町キャスター
「そういうフォローがないと選手の層が広がらない?」
馳議員
「もちろん、です」
玉木氏
「日本人はまだまだ女性に対する偏見がありますよね。たとえば、高校野球にどうして女子の大会がないのですか。女子は少ないからやれないと言うのだけれど、日本高等学校野球連盟が男子しか預かっていないということ自体がおかしい。それに女子柔道、日本選手権自体はあるんですよ。しかし、横浜の体育館でやっているんですよね。柔道の日本選手権は、間の時間があるのだから、男女ともにやればいいわけですよね。ところが、なぜやらないのかと講道館の人に聞いた場合、昔からやっていないからだと言うんですよ。それはダメですよね。IOCが打ち出した男女平等、昔、陸上競技で3000m障害とか、三段跳びとか、他ではボクシング、レスリングも、女子がなかったわけですよ。それを常識と皆、思っていたわけですよ。ところが、それは全部やらなくてはいけないと言って、現在では男性差別の方が問題にされるぐらいですよね」
鈴木長官
「シンクロも出てきました。新体操も出てきた」
玉木氏
「男女平等というのに、日本ではまだまだ男子だけと組織的にそうなっている」
馳議員
「フランスのナショナルトレーニングセンターに行った時に、さすがと思ったのは保育所があるんです、ナショナルトレーニングセンターの中に。一応日本のナショナルトレーニングセンターも宿泊棟にはここも保育室にはできますよとなっていますけれども、きちんと保育士を雇っているわけではありませんから。そういった意味では、今後ママさんアスリートも当然いるものだと。女性も結婚し、出産したあともスポーツと親しむ環境が当たり前となっていかなければならないことは是非、今回強調していきたいですよね」

選手強化予算&スポーツビジネス
松村キャスター
「選手強化費についても聞いていきます。2015年の各国の予算比較ですが、日本の選手強化費は74億円、イギリス、ブラジルと比べると、約100億円低い予算となっています。この予算規模の現状はいかがですか?」
鈴木長官
「予算があれば、それなりのいい強化ができたりして強くはなるかと思いますが、こういう立場で言うのもなんですが、国からいつまでも頼りっきりで強化も鰻登りというのは、これから少し考える必要があるだろうと思います。ただ、現状としては、GDP比の予算というのがあって、日本は0.001%。これがイギリスは0.06%ですね。オーストラリアは0.07%、ブラジルも0.04%、ニュージーランドに至っては0.016%ということでケタが違う。そういう意味ではまだまだ少ないとも言えます」
玉木氏
「これにアメリカが入っていないのがおもしろいですよね。アメリカはどうやってお金を集めているかというと、民間ですね」
鈴木長官
「そうですね。我々も将来、そういう方向が望ましいと思っていますが、現在2020年も決まっていますし、過渡期にはありますけれども、当面国の支援も必要かなと思います」
馳議員
「これは橋本聖子さんの受け売りですが、この程度の予算でこれだけのメダルを獲得しているという、コストパフォーマンスとしては、わが国はとてもいいです。本質的に競技力強化のためにも、施設も含めて、環境整備のためにも、民間からの資金を集めることも大事です。せっかくTOTO(スポーツ振興くじ)もつくったわけですから、動いている中で大きなトラブルはありませんし、従って、TOTOを皆さんにもご理解いただいて、小口寄付金という形でお買い求めいただければ、そのうちの数%かは確実に競技力強化につながりますし、スポーツ庁におきましても、それから、JOCの皆さんも、JCPの皆さんも、体協の皆さんも、安定的な競技力強化予算が使えて、団体を運営する資金にも使えれば、落ち着いて取り組むことができると」

鈴木大地 スポーツ庁長官の提言:『スポーツが変える 未来を創る』
鈴木長官
「スポーツというのは、ただ金メダルの数を増やすということではなく、社会を変える可能性があると。特にスポーツを、高齢者も含めていろんな方がやることで、医療費が安くなる。医療費41兆円というのは半端ではありません。スポーツの力で低減できるのではないか。そうしたことで浮いた予算を違うところにまわせると思いますし、スポーツにはまだまだ皆さんが考えている以上の力があると考えていますので、この価値をわかっていただくために我々は今仕事をしているわけです」

馳浩 自由民主党スポーツ立国調査会長の提言:『メダルより大切なものがある』
馳議員
「人間力なくして競技力なし。以上」

スポーツ評論家 玉木正之氏の提言:『スポーツの日の早期実現』
玉木氏
「体育の日をスポーツの日に変えるという法案が、この国会で出るはずなのが、どうも聞こえなくなってしまって。スポーツの日は体育の日と違いますから、変えたら皆、エッと思うでしょう。体育の日とスポーツの日と違うのと。これを早くしたら、スポーツのことを皆が考えて、いろいろわかってくれるのではないか」
馳議員
「現在、準備しています」
玉木氏
「今国会中にできますか?」
馳議員
「いや、来年の通常国会でやります」