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2016年11月17日(木)
『改憲論議』が再始動 自公民共の哲学と戦術

ゲスト

平沢勝栄
自由民主党衆議院議員 衆議院憲法審査会幹事
岸本周平
民進党衆議院議員 衆議院憲法審査会委員
國重徹
公明党衆議院議員 憲法調査会事務局次長
笠井亮
日本共産党衆議院議員 政策副委員長

公布70年『不変』の評価
秋元キャスター
「1年5か月ぶりに開催されました衆院憲法審査会のテーマは『憲法制定経緯 憲法公布70年を振り返って』でしたが、今日の憲法審査会がどんな議論だったのか聞いていきますけれども、平沢さん、いかがですか?」
平沢議員
「憲法が押し付け憲法かどうかということが、制定経緯の中での議論のテーマの1つになりまして、与党も野党もそんなに変わりはないですね。と言うのは、確かにそういう押し付け的なところがあったのは事実だけれども、日本側の意見がかなり反映をされたと。たとえば向こう側は一院制と言ってきたのを、こちらは衆議院と参議院の二院制で押し返して、実現をしたと。あるいは憲法9条の場合は、芦田修正というのが入っているんです。2項に憲法の目的を達成するためにという文言が入っているとか、日本側の要求がかなり取り入れられているんですよ。従って、憲法制定はそういった日本側の要求を取り入れられているということもあり、それから、70年間、国民の間にかなり定着してきたという実績もあり、これは押し付つけだから全部直せとか、それから、無効だとか、こういう議論はまったく意味がないという、これは与野党、私は共通しているのだと思いますね。これは大変に有意義な議論だったと思います」
反町キャスター
「これから押し付け憲法と言わなくなるのですか?」
平沢議員
「いや、押し付け的なところはあると言いますけれども、しかし、それだから、全部ダメだということではなくて、要するに、時代が変わって直す必要性があるから直せと。ですから、押し付けだからというのは理由にならない」
反町キャスター
「押し付け憲法かというところは、参議院における憲法審査会において自民党の方からは国民の意思が十分に反映されたとは言えないという意見が出て、これは自民党が押し付け憲法だと論立ててくるのではないかと参議院の方で、一瞬、緊張感が広がった。今日の衆議院の憲法審査会において、そういうものでもないのだよと。そのいくつかの修正というものを、日本側からも言いGHQも飲んだのだよと。昨日から今日にかけて明らかに自民党は押し付けという言葉で、野党側が態度を硬化させるのを避けたように、僕らからは見えるのだけれども、そういう感触は受けましたか?」
岸本議員
「つまり、押し付けかどうかという議論は建設的ではない。そんな過去のことを言ってもしょうがないので、ということに過ぎなくて、自民党が態度を変えたとか、ということではないと思いますよ」
平沢議員
「1つだけ言わせていただくと、党としての考えはまだまとまっていません。個人的な見解。国会で発言しておられる方も、参議院も、衆議院も、まだ党として見解は決まっていませんから、皆、個人的な見解です。ですから、個人的な見解、人によってバラバラということはあると思いますね」
反町キャスター
「笠井さん、いかがですか?押し付けかどうかということに関して。ただ、自民党にはその意見を言う人がいるわけ」
笠井議員
「私達というか、私自身もそうですが、これは押し付け憲法ではないと言ってきましたが、昨日の参議院とはちょっとニュアンスが違っているかなと。今日は共通して、自民党も、それから野党も含め、これは押し付けではないという話が共通だよねと議論をされたという印象がありました。戦争があって、日本が負けて、という状況の中で、その中でどういう憲法をつくるのかと。ポツダム宣言があって、日本が新しい体制になっていくという状況の中で内外のいろいろな英知を集結するという努力があったと思うんですね。だから、いろいろな各国の優れたものが集められて、案として考えられている。日本の中でも議論があったけれども、戦前を引きずるからという状況があったわけですけれども、それでいいのかというのを、アメリカ側からの意見もあったとか、いろんなことがあり、日本の中でも憲法研究会とかで、新しい憲法をどうしようかということがあった。そういう英知が集まる中でこの案ができ、議論がされていったということだと思うんですね。しかも、それを当時の国会がしっかり審議して、原案に対していろんなものを加えていくということで、そういうことを含めて努力があってできあがったものだという点では、これは押し付け憲法ということではなく、本当に2度のあの戦争を繰り返さないという想い。それから、民主主義をつくっていこうというところで総意ができあがってできたものだと」
反町キャスター
「國重さん、押し付けかどうかという点については、党としての意見が固まっていれば、國重さん自身の意見でも結構ですけど、どう感じていますか?」
國重議員
「日本の意向というのを十分に反映されているということで押し付け憲法ではないと思っています。そのうえで、国民に定着していますので、そこをあまり議論をするというよりは今後どうしていくかというような議論をした方が生産的であると思います」
反町キャスター
「確かに今日の憲法審査会でも、北側副代表だと思うんですけれども、押し付け憲法という主張自体、もはや意味がないという話が出ていますよね。公明党からのそういう話、平場でこういう話が出てきちゃうと、押し付け憲法という狼煙と言おうか、旗と言うかは…」
平沢議員
「押し付け憲法かどうかというより、どういう形で、現在の憲法ができたのかという、この制定の経緯をきちんと私たちは理解をしたうえで、今の憲法の議論はすべきですから。ただ、そこで押し付け的なところがあったことは事実で、それは、たとえば、日本としてフルに憲法を制定する力を持っていたわけではなくて、向こうが草案をつくって、日本側に投げかけてきたわけですから、そもそもある程度、押し付け的なところはあるのですけれども。しかし、先ほど言いましたように、日本側からこれはおかしいというので、随分押し返して、それから、70年間定着したという実績もありますから。そういったことで、そこをよく勉強することが大事だけれども、それだから、これはダメとか、そういう形に持っていくことはいかがかというのが、今日の議論だったと思います」

激変する世界への対応
秋元キャスター
「ここからは憲法改正に関して、最も議論が分かれると思います、憲法前文と9条について話を聞いていきます。まず前文の中で9条とリンクして平和主義を定めている部分です。『日本国民は恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』というものですが、この憲法の前文を改正すべきだと考えるのかどうか。皆さんに聞きました。平沢さんは○。國重さんは△。岸本さんは△。笠井さんは×ということですけれども、こういった結果になりました」
反町キャスター
「平沢さん、僕らはよく前文と言ってしまうんですけれども、何が問題なのですか?」
平沢議員
「たとえば、憲法の3原則、主権在民、基本的人権、平和主義。その基本的人権のことが一言も書いていないですよ、前文の中に。それとこの部分だけ言いますと、たとえば、諸国民の公正と信義に信頼しては、日本語として間違っていると。これは石原慎太郎さんが国会で質問されていました。諸国民の公正と信義に、あなたに信頼して、でなく、あなたを、でなければダメだ、日本語として間違っている憲法という。それも別として、この平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼をして、我々の安全と生存を保持できるのかどうかです。それは昨日の参議院で、諸国民というのは、これは諸国家ではないですと。だから、諸国民だから、中国、韓国という国が、あんなにいろいろ問題があっても、全然関係ないのだということを言っていましたけれども、野党の皆さんがあまりにもトンチンカンで、吹き出してしまった。要するに、諸国民だから問題ないのだと。国ではないと、諸国家ではないから、問題ないのだと。だけど、国民は全然問題ないのだったら警察官は要りませんよ。警察官はまったく要りません。家に錠をかけないで、自由に外出すればいいわけで。それは国民であろうと国家であろうと同じだし、国家だったらもっと問題ですよ。だけど、諸国民の公正と信義に信頼できないから問題があるわけですよ。北朝鮮がある、中国がある。これを本当に信頼できるなら、日本は、防衛力はこんなに要りませんよ。これだけ危機が、緊張が高まっているから、私達は防衛力の整備を急ぐわけで。その意味で言えば、この公正と信義を信頼し、安全と生存を保持するというのはあまりにもユートピア的、非現実的で、これは将来の理想としてはわかりますよ。将来の理想としては、犯罪をする人を全部いなくしてしまおうと。まったく自衛隊も軍隊もなくしましょう。これも1つの考え方としてはわかりますけれど、現在これができるかということなのです。私はこの番組で、中国の学者の方が前文は非常に良いと言うから、そんなに良いなら、中国の憲法に取り入れたらと言ったら、黙っちゃいましたけれども。だから、本当に良いならば、諸外国はドンドン入れればいいんですよ。だけど、良い、良いと、日本国憲法のこの部分を言って、自分達の国の憲法にこれを取り入れようという気がさらさらないというのは、なぜかと言うこと。それはできないとわかっているんですよ」
笠井議員
「この前のところがあると思うのですけれども、特に侵略戦争の反省と、その問題を明確にしたということに、特に重要な意義があるのだと思うんですね。政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起きることがないように決意しというところが非常に大きなポイントではあって、9条の規定は、その具体化をしているのだと思うんですけれど。自民党の改憲草案とか見ますと、そこのところが抜けているのですよ。そこをなくしちゃっているという点で言うと、侵略戦争への反省とか、不戦の誓い、その点についてまったく変えてしまうということになると、戦後の出発点を自ら否定をして、アジアでの日本の孤立を招いて、それで国際社会で生きていく道を失うことになりかねない。だから、そういう点では、前文に立つ政治こそ、必要だと思います。平沢さんが言われたような、そうは言っても、北東アジアを見ろという点で言うと、確かに軍事的な緊張が高まる動きはあります。それで先ほど、参議院の議論で何でもないという話があったけれど、この前文というのは、日本国民は、というのが主文にあっていて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し、ということになっているので、国民と国民では、僕はすごくいい関係があるし、そこはお互いに平和主義という点では共通するものがあるという点でいいのだと思うのだけれども、問題は北東アジアで、軍事的な緊張を高める動きが現実的にあるという問題に対してどうするかというのが、確かに重大な問題だと思うわけです。そこは北朝鮮で言えば、核ミサイル開発をやっているという点があって、けしからんと。それは我々も思います。その点では力を合わせなければいけない。それをどうするかという点で言うと軍事対軍事の悪循環ということになったら、これは大変なことになっちゃいますから。そうではなくて、あくまでそこのところは、向こうがやるからこちらも軍事ということではなく、そこは対話による解決でやっていくという点と、それから同時に、本気で核兵器のない世界をつくっていくということがないといけないのだろうと思うんですけれども。だから、そういう点では、従来の延長戦でない外交というのが、国際社会に、6か国も含めてと思うのですが、求められているし、それから、制裁の厳格化とその強化というのが必要だろうと、北朝鮮に対して。中国も含めてそれをやらなかったら本当に実効性がないですから。そこはきちんとやらせるということで、北朝鮮に(核を)放棄をさせるということが大事だと思います」
反町キャスター
「岸本さん、国と国との約束事で言うならば、信頼できるという理屈になる。自民党の話はよくわかる。でも、笠井さんのお話を聞いていると国民から国民の、人から人への問いかけ、ないしは誓いという言葉であるということであれば、信義、信頼の、そのうえで国と国との政策を考えていきましょう。ここも1つの筋が通る話かなと思えてきちゃうのですけれども、ここはどう感じますか?」
岸本議員
「まずそこはいろんな議論があっていいと思うので、△ですけれども、前文というのをどう考えるかですよね。位置づけですよ。憲法そのものではないですよ。そうすると、これは70年前の、まさに当時の歴史的な雰囲気というのか、想いであるとか、そういうものの1つの形なわけですよ。フランスは200年前の人権宣言が現在でも、大共和国憲法とは別に、憲法があるわけですね。200年前のものですから、じっくり読むと古いわけです。だけど、フランス人は200年前の人権宣言を憲法として大事にしているわけですね。我々も変えてもいいですけれども、だけど、これはそういうものとして、別に変えなくて置いておいてと、それが1つ。国際情勢が変わっていますというのがこのあと出てくるんですよ。国際情勢はいつでも変わってくるんです。戦後すぐだって、朝鮮動乱があり、ベトナム戦争があり、湾岸戦争があり、すごく日本の置かれている安全保障状況が悪かった時があるわけで、その度に前文を変えていると意味がないわけです。そういう憲法というのは国際情勢が激しく動く中で、いちいち変えるのだと言うのであれば、憲法は要らないですね。もうちょっとかっちりしたものでないと、というのが、私の基本的なスタンス」
反町キャスター
「この前文に関してはこういうのがあってもいいのではないかと」
岸本議員
「別にそういうご議論があって、国民が変えましょうと。憲法はいいけれども、前文をちょっと現代的に変えましょうと。そういう想いがたくさんあるのなら、乗ってもいいですけれども、国民はそんなに、あまりこだわっていないと思います」
反町キャスター
「國重さん、諸国民の公正と信義に信頼して、がおかしいではないか、ここの部分をどう感じますか?」
國重議員
「確かに北朝鮮が、こういう前文を具現化した国連憲章の安保理決議に反するような行動をしているというのは、これは客観的な事実としてはあるのですけれど、ただ、だからと言って、これを放棄するわけではなくて、こういった世界に近づいていくように、しっかりと取り組んでいくというようなことでいいのだと思います。これがあるから日本の防衛がすごく甘くなるというようなことではないですので」
秋元キャスター
「ここからは憲法9条の改正をどう考えるかということを皆さんに聞いていきます。平沢さん○、國重さん△、岸本さん×、笠井さん×ということですね」
反町キャスター
「平沢さん、9条の何が問題ですか?」
平沢議員
「9条は、素直に読めば、自衛隊は違憲ですと。実際、昨年の7月に朝日新聞が、憲法学者122人から回答をもらったらしいのですけれども、憲法学者122人中77人が違憲、または違憲の可能性があると、自衛隊がですよ。41人が問題ないという回答です。ですから、憲法学者の7割強が今なお、自衛隊は違憲だと、あるいは違憲のおそれがあるという解釈をとっている。国民のほとんどは支持しています。あと憲法学者はそういう考えをとっているわけ。なぜかと言うと、素直に読めば、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。誰が考えたって、自衛隊は戦力ですよ。だけど、これは戦力ではなく自衛力だと。自衛のためなら、これは持てるのだと。だけど、侵略のための武力行使はしない。制裁のための武力行使もしないということですけれども、しかし、これが果たして通用するのか。戦力ではなくたって、実際には、日本の自衛隊は世界の、その時によって違いますけれども、6番とか、8番目の戦力とか言われているわけですから。それだけの自衛力を持っているわけですからね。これが戦力ではないという、一種の詭弁みたいなものをずっとやってきたのですよ。ですから、ここはすっきりさせておいた方がいいだろうと。だから、立憲主義というなら、自衛隊をはっきりと規定して、その上で自衛隊は何ができるかというのをはっきり書くのが、これこそ立憲主義なのでは」
國重議員
「日本国民、それ自体が自衛隊は合憲のものとして定着しているわけですから、これを何か技術的な理由で、もっと早急に、喫緊の課題として、ここに盛り込む必要性というのはそんなにないのではないかと。ただ、将来こういった自衛隊の存在、国際貢献のあり方、これを明記していくことの議論というのはあり得ると思います」
岸本議員
「いろいろな議論で現実論が出てしまったのですけれども、もう1度、憲法論に戻すと、平沢さんのおっしゃる自衛隊をどうするのか、國重さんもおっしゃったけれども、これは論理的には平沢先生の立論は成り立つと思うんです、論理的には。一方、9条にも1項と2項があります。9条1項を変えようという人はたぶん1人もいないだろうと思います、どこの党にも」
平沢議員
「私達も9条1項を変えるつもりはまったくありません」
岸本議員
「2項はまたあとで議論をするとして、では、自衛隊をどうするか。これもまさに書いてあげたらいいのではないかというのが立論としてあり得ます。一方、日本政府はどうしてきたかというと、それをせずに、まさに13条の国民の生命とか、財産とか、幸福を追求するという権利を国が守らなくていけないですね」
反町キャスター
「それを根拠に、9条との向き合いというのはどうなのですか?」
岸本議員
「まさにこれがあるから、国の仕事として、最低限の自衛力を持って、急迫不正の侵害があって、しかも他にどうしようもない場合に、最低限の反撃をすることをやりましょう。それが自衛隊ですよと。合憲ですよと。別に学者の意見を聞いているわけではなくて、日本政府としてそういう解釈をして、これは与野党ともそうだよねと言って、ずっと何十年も安定をした。そのことによって自衛隊を維持してきたわけで、そのことについても日本国民は、これでいいよね、と思ってきたと思うんですよ。論理的にはすごくすっきりしたいという考え方もあるのでしょうけれども、私は、我々の先人達がつくってきた知恵で、國重さんも同じ意見だと思うのですけれど、知恵でどこがおかしいでしょうかと。国際情勢が変わったって侵略戦争をしようなんて人は1人もいないです。まさに防衛ですから。9条の1項と2項で、個別的自衛権をきっちりと守りながら、いろいろな軍事同盟を結びながらやっていくという基本スタンスを変える必要はないではないかと」
笠井議員
「平沢さんは、自衛隊、憲法違反である。だから、規定するのだと、憲法にと言われるのだけれども、そこで自民党が出している改正草案を見ると結局、自衛隊法9条2項を削除して、国防軍にすると。それで、だから、これは無条件に海外で武力行使できるようにしていこうという話ですよね。そうなっているわけですよ、現実に。1年5か月前の話、冒頭にありましたけれども、憲法審査会で、長谷部さん達が指摘をした、集団的自衛権の行使。だから、日本が攻められてもいないのに、海外で武力行使をするということを1内閣にして変えることは、立憲主義に違反をするということで、厳しく批判された。こういう状況でやってきて、なおかつ憲法を変えていく。憲法上それもできるよう、さらにやろうという流れになってきている」
平沢議員
「笠井さん、そもそも論を聞きたいのですけれど、笠井さんは、自衛隊は合憲と考えているのですか?」
笠井議員
「違憲です」
平沢議員
「こういう意見があるから、私は直すんですよ」
笠井議員
「憲法上は違憲だと言って、憲法学者もそうだと。どうみたって違憲ですよ」
平沢議員
「笠井さんみたいな違憲だという意見は、それは、笠井さんだけではなくて、共産党さん、憲法学者だってあるでしょう。だから、位置づける必要があるんです」
反町キャスター
「合憲の立場にするべきだと」
平沢議員
「だって、違憲だとか言われて、自衛隊の人がかわいそうじゃないですか」
笠井議員
「実際、自民党が出している、国防軍にしろと出ているではないですか」
平沢議員
「実際、憲法改正草案で出しているのは、国防軍、自衛隊のままでもいいですよ、名前は。どうでもいいです。叩き台ですから。一応、国防軍にしましたよ。なぜなら外国から見たら、これはSelf Defense Forcesですよ、あくまで。だから、Armyでも同じことですよ。これは、要するに、外国から見たら同じこと。自衛隊が何をできるかということ。ですから、1つは国際貢献もできるようにしましょう。あとは災害とか、治安の維持とか、非常事態に対応できるようにしようと。それから、自衛のために日本を守ることができるようにしようと。そういったことを書いて、それが具体的に何ができるかということは、法律に任せると。これが書いてあるだけで、当たり前のことを書いているだけ」
反町キャスター
「9条がこのままあることによって、日本の安全保障上の危惧はあるのかどうか。この9条だと、日本を守るにあたって、その危うい状況が出てくるから、日本の安全を高めるために9条を変えた方がいいのか、ここは平沢さんどうなのですか?」
平沢議員
「これまで日本の安全上、この憲法9条を厳格に解釈していたら日本の安全は守れないということで、解釈をドンドン変更してきた。あるいは施策で、たとえば、GNP(国民総生産)の1%とか、非核三原則とか、そういったことでいろいろやってきたのですけれども、そういったことを、要するに国の安全保障の重要なことを、これは政府の政策とか、あるいは解釈の変更に委ねるのがいいのかどうかというのもある。ですから、これは非常に基本的な、それから極めて重要なことなので、これはあくまでも、憲法で規定して、時の政府を縛るようにしなければいけない。これが立憲主義です。立憲主義でありながら、安全保障については全部政府に任せますと。こういう形をとっているのが現在の実態なんですよ。これが果たして立憲主義に基づいているのかと」
反町キャスター
「その話をすると安保法制、実はあまり正しくないのではないかという話になりませんか?」
笠井議員
「南スーダンはどうなりますか。安保法制下で自衛隊、南スーダンに行きますよね。武力行使を今度はやると新しい任務を付与したわけですから。駆け付け警護をやると。武器使用を拡大する時、これはどういくのですか?」
國重議員
「あくまでも今回の平和安全法制というのは、自国の平和と国民の生命を守るという観点と、前文にも国際協調主義というのが書かれていますけれども、世界の平和があっての日本の平和ですね。日本は本当に世界が安定していることによってかなりの利益を得ているわけですね。資源もない国です。そう言った観点においても、国際貢献をしていかないといけないということで、こういった国際貢献についても盛り込まれています」
笠井議員
「こういう説明をすればいいんですよ。憲法9条に基づいて、非軍事で人道支援と民生支援をやると、思い切って。NGO(非政府組織)がんばっていますけれども」
國重議員
「武力行使ではありませんからね、海外で」
笠井議員
「武力行使するではないですか。ごまかすのはダメですよ」
國重議員
「いや、笠井さん、ごまかしではなくて、武力の行使は、自国防衛の限度です。ただ、今回、南スーダンでにするというのは、これは武力行使ではないです。国、または国に準ずる組織に対してやるのであれば、武力の行使というのは、行使になるのかもしれませんけれども、ちょっと専門的になって視聴者の方に申し訳ないですけれども」
反町キャスター
「暴徒とか、武装集団に、しかも、その人達を守るため撃つ、そういう意味で言っている?」
國重議員
「そうですね。正当防衛と緊急避難の限りにおいて、しかも、相当性が必要になって、武器使用と」
反町キャスター
「共産党は、それでも武力行使だという?」
笠井議員
「そうです。だって、南スーダンで言うと、政府軍自身が国連を攻撃していると。実際そういうレポートされています。そういう証言もあります。そういう報告もあります。そうなった時に、それに対して国連を襲撃してくると。政府軍がやると思いますが、その時に日本の自衛隊どうするかというと、今度は駆け付け警護ということができるようになるわけですよ。その時、それを発動するわけですから。その時に武器を使うわけですよ。それは戦後なかったわけですから」
平沢議員
「南スーダンに四十数か国、PKO(平和維持活動)で出ているわけですよ。それで、近隣では、韓国も中国も出ているわけです。日本が行った場合は、日本のやることはかなり限定されていて、駆け付け警護と言われてるが、武力行使と言われていますが、武力行使ではないです。それは國重さんが言われたように、これは警察力の保持みたいなものです。ですから、その地域で、警察でもいいですよ、これは。本来なら。だけれども、警察がPKOに行かないから、それで自衛隊が行くわけで、自衛隊がやるのはあくまでも警察力で、あくまでも武力行使は軍がやることであって」
反町キャスター
「岸本さん、こういった議論、たとえば、何が武力行使かどうかという議論は、要するに、国と国が向き合って撃ち合ったら、これは武力行使であるからという、こういう前提でもし議論が進んでいるとすれば、駆け付け警護に行って、たとえば、NPO(特定非営利活動法人)やら、国連の職員が武装集団に囲まれていて、助けを求められて、自衛隊が駆け付けて、その連中に対して、撃たれたら撃つ、ないしは撃たれていたら守ると。そういう意味においては武力行使ではないという説明、これは普通にはわかりづらいです。これは明らかに撃つし、相手を殺して国連職員を守るという前提だったら、これは武力行使に普通のイメージからするとそうなる。法律の建つけ上の用語では、これは武力行使と言わないという、こういう議論の前提だったら、これは変えた方がいいのではないかという議論ですよ」
岸本議員
「今やったような法律論をやる前提がこれだとは思いません。論理的な整合性はありません」
反町キャスター
「思いませんか?だって、建つけ、それの辻褄を合わせるためには、武力行使か武力行使ではないか。交戦権はこれを認めない。この根拠になっているのが、現在の議論でしょう」
岸本議員
「まず交戦権というのはすごく重い言葉でして、9条1項というのは、世界の国、ほとんどが、これを憲法に入れていますし、平和条約もそうですよね。交戦権というのは、まさに戦争にもルールがありますので、戦争のルールを守るということが前提になるわけですね。それから、交戦権がないものは戦争放棄を守る資格もなければ、能力もないということですので、そもそもそういうものが、戦争をしてもらっては困ると。ですから、集団的自衛権というのはその限りにおいては認められないという学説もあるわけですね。それが日本の、ある意味、素晴らしいところであって、これは絶対に大事にしなければいけないということであります、まずね。これはどうですか?」
反町キャスター
「そういう法律的な、言葉の定義はこうだから、これは武力行使か武力行使ではないというところで、これは武力行使ではないから、憲法の中に収まっているかどうかという議論をしていると、憲法の議論というのがドンドン国民の意識から乖離していくような印象はないですか?それを70年間の積み上げによって、すっきりしているということを言う限りにおいては、憲法の改正を議論する必要というのは、僕はそこに着陸する理由はないと思うんですよ。パッとみた時に、これはおかしいのではないか。すっきりと憲法がお腹に落ちてこないなという時に、その時には9条の話が出てくるのであって、その時に武力行使は何ぞという議論になるのかなと。こう僕は思っているのですけれども、その考え方において9条の議論をするというのは、これは間違いですかね?」
岸本議員
「それは、私は現在、そういうご意見を聞きましたけれども、それは論理的にそちらからくるのは、私にはなかなか、それこそすっきりこないです」
平沢議員
「解釈が、国民の間でも分かれるということ自体が、憲法というのは最高法規ですから、誰が読んでもこれはこういう意味だということで、一致しなければおかしいですよ。それから、読む人によって、この解釈が分かれるというのは、それは規定が結局、規定はオリジナルの規定からドンドン解釈を変更してきたとか、いろんなことがあったものだから、こういうことになっているんですよ」
岸本議員
「これまで40年ぐらい与野党とともに非常に安定的な解釈が続いていて、それが規範になり、国民の意識に定着して、まさにそれが憲法になっているわけですよ」
反町キャスター
「それは積み上げた部分というのを大切にしていけばすっきりするべきである。解釈はいろいろ分かれているということはおかしいのではないかということにはならないのですか?」
國重議員
「ただ、私は、先ほど話をした通りですけれども、たとえば、現在の武器使用、確かに専門的用語でわかりにくいと思います」
反町キャスター
「撃って、殺す前提ではないですか?」
國重議員
「ただ、自民党さんの憲法改正案を見ましたけれども、仮にそれに書いたからと言って、武器使用のところが許容されるとかでは、わかりにくいと思うんです。憲法というのは非常に抽象度の高いものなので、そこまでを憲法に規定するというのは難しいので、これは法律の中で規定をしていくしかなくて、ですから、ここの議論というのは、これがわかりにくいから、憲法改正みたいなところではなくて、要は自衛隊が読みにくいから、それに入れろと言うなら私はわかるんです。ただ、武力の行使と武器使用が、どうなのだというようなことを言い始めると、専門的用語がたくさんありますから、ここまでは盛り込めないのではないかというのが、私の意見です」

自公民共の哲学と戦術
反町キャスター
「こういうところから憲法改正してもいいのではないかというリストが挙がっているもののいくつかを並べまして、それについての、皆さんの考えを聞きました。同性婚の結婚というものを認めたらいいではないかについての各党のご意見とか、合区の解消、これは今回の参議院選挙における自民党の選挙公約の中にありました。鳥取・島根、徳島・高知の2つの県を1つの選挙区に合区をしたことを、また、1つの、1県の選挙区戻そうという、合区の解消をしようというのには憲法改正が必要ですけれども、それが必要だと思いますかということについての意見だとか、裁判官の報酬を決めることとか、私学の助成、これもよく言われることですけれど、憲法から言えば、私立の学校に国が資金援助をすることがおかしいのではないかという、この議論。あとは環境権の問題、現在の憲法にはないですけれど、これを加えることについて、これは加憲の一部に入るんですね、こういうものについていかがですか、と皆さんに考えを聞いたのが、この○、×、△、いろいろ並んでしまったのですけれども。改憲をすべきというところがいろいろ出てくる中で、全部○という人はいなくて、平沢さんは同性婚△で、それ以外は全部○になっているのですけれども、全部やっていくというのはいかないですけれども、どこから手をつけていったらいいのか?」
平沢議員
「私は、裁判官の報酬は、絶対意見の分かれることはないと思ったんです。皆さんが賛成しないのか、この改憲に賛成しないのかわからないんです。わかりやすく言いますと、裁判官だけは給与を下げてはいけないと。他の公務員は、たとえば、病気になるでしょう、病気になりますと、3か月が過ぎると、あと休職になって、それで給料の80%とかを減らされるわけです。起訴になりますと、罪を犯して起訴になると、最大60%しか給料が出ないと。ところが、裁判官の場合だけは現在の憲法に裁判官の給与は下げてはいけないということになっていますから、簡単に言えば、警察に捕まって、いくら捕まっていても、その間は、給与は1円も下げることができない。もちろん、病気は当然ですけれども、裁判官だけはそういう形で守られているんですね。なぜこの規定が置かれたかというと、裁判官はいろんな判決を出します。政府がこの裁判官が気に食わないというので、給料を下げることを防ぐためにこの規定が置かれたんです。裁判官が何か罪を犯して警察に捕まるなんてことは想定していなかった。ところが、現実に裁判官でも罪を犯す人が出てきた。私は弾劾裁判所の裁判官をやりましたけれども、要するに、そういった裁判官についてクビになるまで、警察にいくら捕まっていようが、いくら拘置所に入っていようがずっと満額ですよ。満額給料が出るんです。これは裁判官の給与を下げてはいけないということが、憲法に書いてあるから。これ書いてあるのは裁判官だけです。警察官とか、他の公務員はもちろん、起訴されたり、あるいは病気になったり、長く休めば、当然給与は減額されるんです。それが減額されずに満額出るわけですから。ですから、これは誰が考えたって、100人が100人、これはおかしいと思う。國重さんも、岸本さんも、笠井さんも賛成しないというのはよくわからないです。起訴されて、拘置所に入っていても、満額を支給されてもいいのですか?」
岸本議員
「そういうことではなくて、この条文のこころは、地方の独立を担保するのに、国の方針に逆らうような裁判をしたら給料を下げるぞというようなことでプレッシャーをかけるのはいけない。象徴的な条文であるので、現実にあっていないというのはおっしゃる通りだから、変えることがあっていいけれど、すごく深い意味がある条文であると。単に給料をもらう、もらわないというものでなく、地方の独立の問題だと。私学助成も私は△ですけれど、これも考え方としては、宗教だとか、プレイベートな教育に国は口を出してはいけませんよという哲学なので、そう軽々に変えていいものではない。環境権は違う、×ですけど、環境権が×という意味でなく、環境権が代表するような新しいプライバシー権とか、いろいろとおっしゃるではないですか。国際情勢が変わったら何か変えなくてはいけないというのに、私が違和感を持つのと同じで、時代が変わってポコポコ新しい権利ができて、いちいちそのために憲法に書かなくては困るのですかと。環境権は憲法の現在ある条文から導き出され、日本はCOPでも活躍しているし、京都議定書から、パリ協定、環境権を代表する世界のトップを走っているわけですよ、憲法に書いていなくても。そういう意味で、新しい権利ができる度に憲法に書くのについてクエスチョンという意味で書いているんです」
反町キャスター
「公明党は×がついているのが合区の解消?」
國重議員
「現在の憲法上、衆議院、参議院共に全国民の代表ということになっています。衆議院が解散した時に緊急の必要がある時に、内閣が緊急集会というのを召集するということ、参議院をですね。参議院のみで国会の権限を臨時的に代行するということになりますけれども。そうすると、そこで民主的正当性というものが重要になってくると、これが都道府県代表ということではなくて、全国民の代表だからこそ、民主的な正当性が十分確保されるというような観点もありますし、また、議論の余地はあるかもしれませんけれども、合区を解消し、都道府県代表にする。全国民の代表ではなくて、都道府県の代表にするというのであれば、たとえば、イタリアでもこれまで上院、下院がほぼ同じ権限だったんです。でも、いろいろな混乱が起きたので、上院を地域代表にして、権限を縮小すると、相関してくるわけですよね。参議院の役割分担、衆議院と役割が違う、権限も縮小ということになると相当な議論になります。参議院の選挙制度で、一票の格差で、違憲状態の判断が大きいですね。その中で2019年の参議院選挙までに抜本的な改正をするというのが法制度の改正の附則に書かれてあるんです。2019年までにしっかりとした抜本改正をしないといけないというのがありますので、そういった観点からも、まずは法律で変えていく。我が党が言っているのは全国を比例とかをやめて、都道府県をやめて、全国を大ブロック、11ぐらいに分けてやっていく方が全国民の代表としていいのではないかということです」
反町キャスター
「笠井さん、全部×ということは、憲法には手を触れるべきではないと?」
笠井議員
「憲法を変えなくてもできると、やってはいけないというのと両方あります。同性婚とか、合区解消とか、私学助成とか、環境権、現在の憲法に基づいて法制度としてつくっていくということで十分対応できると」
反町キャスター
「同性婚でもできますか?」
笠井議員
「渋谷区でもパートナーシップの条例とかつくったりしていますけれど。24条で同性婚を認めていないわけではありませんから、その点で言うと、そこのところをどうするかということで…」
平沢議員
「24条は両性の合意で結婚が成立するということです。両性をどう見るかとかです。これまでは男と女と考えていたのですけれども、最近になって、男と男、女と女、同性の結婚も含まれるということですけど。これは疑問で、国民の間でも意見が分かれると思うんです。渋谷区は確かに男と男、女と女を認めて証明書まで出しています。事実婚の結婚証明書を出している。私は憲法違反のおそれが強いのではないかと思いますけれども。まず国のレベルで国民的な議論をするということです。だから、一自治体がこんなことをやることではないです。憲法からくる話ですから他の自治体はやっていないです。なぜ渋谷区が、世田谷区は区長の裁量でそれができる、ということにしているわけですけれども、なぜ渋谷区と世田谷区だけできて、全国の自治体は約1800あるのに、どこもやっていないのに、なぜそこだけやっているかということになりますよ」
笠井氏
「そういう形で対応できると」

平沢勝栄 自由民主党衆議院議員の提言:『不易流行』
平沢議員
「不易流行というのは、変わるものもあるし、変わらないものもあると。時代が変わることで変わるものも当然ある。現在の憲法に過ちもありますし、直した方がいいところもありますし、加えた方がいいところもありますし。絶対に変えてはいけないこと、たとえば、平和主義とか、基本的人権とか、あるいは主権在民と、こういうところは絶対に変えてはいけない。ですから、不易流行の言葉のように絶対変えない三原則。それ以外のところで時代に合わないものはこれから変えていくということが必要ではないかなと思います」

岸本周平 民進党衆議院議員の提言:『憲法で国民を幸福に!』
岸本議員
「現在ある憲法は良い憲法なのですけれども、守られていないのではないかと。国民が幸せになっていないではないかという目線での改憲の議論は大いにやるべきだとは思いますが、現在の憲法をもっと活かす、まさに憲法で国民を幸福にするというのを私達政治家が噛み締めなければいけないなと思います」

國重徹 公明党衆議院議員の提言:『冷静な議論』
國重議員
「憲法というのはどれだけ時代が変わっても、どんな政党が政権についても、必ず守らなければいけない国の基本法、根本法、設計図ですから、憲法議論をするにあたっては、政局とか、党利党略とか、こういったものから一歩離れて、国民の皆さんのために、冷静かつ真摯に議論をしていくべきではないかという、冷静な議論と書かせていただきました」

笠井亮 日本共産党衆議院議員の提言:『いかに現行憲法を完全実施するか』
笠井議員
「アメリカの法学者が、確か3、4年前だったと思いますが、世界の188か国の憲法を比較して調査、研究したことがあって、日本国憲法は世界人権の上位19項目の全てを満たす最先端という報告を出しました。いかに憲法の理想に現実政治を近づけていくかと、ここが本当に大きな政治の課題だと思っていますし、仕事だと思っています」