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2016年11月14日(月)
『三重苦』韓国の瓦解 朴&トランプ&経済難

ゲスト

山本一太
自由民主党参議院議員
平井久志
ジャーナリスト 立命館大学客員教授
金慶珠
東海大学教授

瓦解する韓国『三重苦』 朴大統領友人『国政介入疑惑』
秋元キャスター
「今回の一連の疑惑をめぐる捜査状況についてです。朴槿恵大統領の40年来の友人である崔順実容疑者を含め、逮捕者、既に4人となっています。大統領府で、大統領への取り次ぎを行うドアノブ3人衆といわれるこの3人についても1人逮捕。2人が聴取されていて、ついに朴槿恵大統領自身の聴取も明日か明後日ということになっていますが、気になりますのは、容疑者達の供述です。崔容疑者が、大統領から先に助けを求められたと話しています。大統領府の首席秘書官だったアン容疑者も大統領の言葉を聞き、財団の資金集めに尽力したと。前秘書官のチョン・ホソン容疑者も大統領の指示で崔氏に文書を渡したと。3人とも朴大統領が事件を主導したという認識を示しているわけですけれど、平井さん、この捜査をめぐる、この流れ、どのように見ていますか?」
平井氏
「私は、朴槿恵さんが政界に入る前に会ったことがあるのですけれど、その時に受けた印象というのはとにかくお父さんが亡くなったあと、お父さんに忠誠を誓っていた側近達が次々と自分達に背をむけて裏切って行ったと。そういうこと対する不信感を非常におっしゃっていましたね。今回、自分自身が非常に苦しい状況になったときに自分が本当に使っていた側近の人達が、あれは全部大統領に言われてやったことだと。そういう供述が出てくることになると、彼女の絶望感というのかな。自分を支えていたものがもう1度、また、崩れていくような、そういうちょっと彼女の個人的な人生の歩みから見ると、悲劇だなという気がしますね」
秋元キャスター
「トラウマみたいなもの?」
金教授
「現実的に検察の捜査が朴槿恵大統領自身の違法行為を明らかにするところまでは非常に難しいのではないかと思います。いわゆる非常に不適切だけれど、違法ではないというような政治的な収まりがつく可能性が高い。しかしながら、大統領府、ドアノブ3人衆、崔順実容疑者関連の人物などでは、これから先、逮捕者がもっと出てくる可能性は非常に濃厚ですし、その中ではできる限りの厳しい罪。だから、特に収賄ですよね。これだと10年以上、無期まで可能だということなので、そこらへんまでは狙っていくのではないかと思います」
反町キャスター
「大統領の収賄ですか?」
金教授
「違います。解説のところで、大統領府の秘書官などが大統領の指示でやったと供述して、まるで何か大統領を裏切っているような解釈になるのですが、若干、温度差があると思うんですよね。アン・ボンジョム氏などは、朴政権ができてから、それこそ行政官として入って、縁ができた人ですから。自分は指示を受けたのだと。それでやったのだと供述してもおかしくない。しかし、これがイコール大統領の違法性を裏づけるものではないですね。大統領は国政の一環として、こういう財団をつくって、活性化させなさいという指示をしたところ、自分が過剰に、あるいはそれを誤解して過剰に資金集めをやったという可能性もある。ただ、いずれにせよ、アンさんはそこまで、大統領との運命共同体的な供述をしてるとは思えないですよ。ただ、いわゆるドアノブ3人衆、おそらく残り2人も逮捕される可能性が高いのですが、もともと私設秘書上がりで、いわゆる20年以上、朴さんを補佐しているわけですね。朴大統領が、大統領から辞任したあとも今後の長い人生をたぶん同じような中で生きていく覚悟がある程度できている人達なので、今回、チョン・ホソン秘書官の録画テープなる電話が見つかったというのは、大きな大チョンボというか、大きなミスだったと思うのですけれども、おそらく、彼らは大統領の指示で文書を渡したというところで供述をとどめているのは、これは既に大統領は認めているんですね。演説文などは見てもらったと。しかしながら、この演説文が本当に国家機密なのかというところは、法律上の解釈が違うところなので、そこまでは供述するけれど、本当に、いったい何があったのかをあの3人が明らかにするのかというと、そこはちょっと難しい。そこは検察も全部は明らかにできるほどの証拠を握っているとはあまり思えない」
秋元キャスター
「一連の疑惑で、政権運営が停滞している朴政権ですけれど、疑惑発覚以降の大統領府と与野党の動きを見ていきます。崔容疑者の国政関与疑惑が発覚後、野党からは首相の指名段階から、野党が一致する挙国一致内閣が要求されました。与党からもこれを受け入れるべきとの要求が出ました。これを受けて、朴大統領は新たな首相として野党寄りの新人事案を発表したのですけれども、野党側は不十分だとして、新人事案の撤回を要求。与党側からも、党の支持基盤の壊滅を防ぐため、朴大統領に離党を要求する事態になりました。結局、朴大統領は人事案を撤回したうえで明日、最大野党の党首と緊急会談を行うということですけれども、平井さん、明日の党首会談というのは何が話し会われるのでしょうか?」
平井氏
「当然、野党第1党で、女性党首で。チュ・ミエさんという方で。この方は、日頃から強硬な方ですよ。ですから、当然、辞任要求というものを、弾劾ではなく、朴大統領自身が辞任すべきだという要求をするだろうと思います」
反町キャスター
「辞任の後の展望というのは見えているのですか?」
平井氏
「まだ、全然見えていないでしょう。それは野党自身も本来であるならば、各党が自分の大統領候補というのは決まっている段階なら、あれですけれども、特に共に民主党は候補が何人もいる状況で1番有力なので、前回も出たムン・ジェインさんですけれども、他にも意欲を示している人たちがいますから、そういう意味で、まだ、選挙運動の準備ができていないわけですね。それと他の、アン・チョルスさん。おそらく前回、ムン・ジェインさんに譲りましたから、今回は、最後まで出ると国民の党にいたアン・チョルスさんはそう言うでしょうから。そういう野党間の連携みたいなものもまだ基礎ができていないですけれども」
反町キャスター
「辞めろ言っても、すぐ辞められては困る?」
平井氏
「若干、混乱状態は生まれるでしょうね」
金教授
「世論は一斉に辞めろコールですよ。辞めるというのは2つの方法しかなくて、大統領自ら下野するか、あるいは国会で弾劾するかですよね。ところが、なぜ政界が国民世論と一緒に動かないかというと、平井さんがおっしゃったように、微妙な政治的な計算がそれぞれに働くからです。下野した場合、その場合は、何よりも60日以内に大統領選挙を行わなければならない。こうなると、いわばどさくさ紛れの大統領選挙になる可能性が高い。そこで与党も野党も準備ができていないので、急に辞やめられても、漁夫の利的に、ムン・ジェインさんになるのではないか。と言うことで、お互いに牽制をしながら、とにかくある程度は時間を稼ぎたい」
反町キャスター
「これは野党第1党であっても、第2党であっても?」
金教授
「第1党の中でもありますし、第2党、第3党との間でも、与党との間でもあるというのが1つです。もう1つは、弾劾。大統領は下野しない、世論の辞めろコールが高まっていくと政界としても何かをしなければいけない。その時にありうるのが弾劾なのですが、この場合、国会の3分の2以上の同意を得なければいけない。しかしながら、与党セヌリ党だけで3分の1を超えていますので、野党が全部団結をしたとしてもなかなか難しい。そのためにはまずは与党が、こちら側に寝返るのを待たなければいけないのですが、先行きがまだ不透明なのと、仮に弾劾の手続きを踏むとなると完了するまでに2、3か月から6か月ぐらいかかる。となると、この間、さらに国政が混乱していくので、国民の中でも弾劾には非常に慎重な世論というのは根強くある」
反町キャスター
「でも、次の大統領の候補者が絞り切れていないという話を聞いているだけで、時間稼ぎという意味では弾劾で。セヌリ党だって弾劾に反対するところは、数的な見通しはどうなのですか?」
平井氏
「セヌリ党内部の反朴槿恵さんが少しずつは増えているんです。それで29人ですかね、30人ぐらいが弾劾に賛成しなければ、できないですね」
金教授
「だから、現在のところ、下野せずにこのまま…。朴大統領のこれまでの対応を見ると、談話の内容や、その人事などを見ると、どうも、このまま自分は下野するつもりはないということを、暗にずっと発信をしていますので、これで国民世論が、本当に盛り上がっても、まさに弾劾しかない段階になった時には積極的には動いていくと思います。だた、今その状況のなのかというと、まさにお互いの顔色を窺って…」
反町キャスター
「弾劾をしないのだったら下野か、下野しても先ほどのお話だとしないでしょう?」
金教授
「第3の選択肢としてでているので、挙国一致内閣ですが…」
反町キャスター
「人事案を蹴っているわけではないですか?」
金教授
「いや。挙国一致内閣というのも、お互いに思惑が違っていて、挙国一致とも言うし、あるいは責任総理性ともいいましょう。要は、大統領が実質的には、大統領座にいながら実質的権限を委譲するというやつですけれど、その場合、朴大統領が望んでいるのはあくまでも自分が決めた総理に、憲法に書かれている範囲内での権限でしか委譲しませんと。こういうことです。たとえば、軍の統帥権、外交に関する部分は自分が持ち続けると。ただ、こうなると、事実上、外交分野や安全保障分野は、内地というか、国内情勢と切り離せるものではないですね。全て経済問題とも複雑に入り組んでいるので、これは事実上、自分が権限を握り続けるということではないかという反対の意見があるのと、そこで朴大統領が今度は国会にボールを投げるんです。そうおっしゃるなら、あなた方が合意した総理を推薦してくださいと。ところが、そこには高度に、絶対合意できないという読みもあって、案の定、与野党は、どこまで権限を委譲するのか、よくわからない状態で人事を推薦するわけにはいかないということで、両睨みというのか、三つ巴の、お互いを睨み続ける状態が続いているわけです。それで明日、最大野党の党首と緊急会談を行うのですが、私は、これは政局を転換する、突破することにつながるよりはますます混迷を深める動きであると思うんですね。つまり、現在の状況では野党は少なくとも3つぐらい主な党があるのですが、連携して対応すべきところを。簡単に言うと抜けがけだと」
反町キャスター
「日本の政治の感覚から言うと、普通、野党第1党の党首が会うということは野党を代表してと思うのですが…。違うのね。野党第2党、3党がこの第1党と…」
金教授
「知らなかったし、共に民主党の中でも急に一部の役員達が決めたと。こうなると結局、何のために野党が会うのかというと1つの、平井さんがおっしゃったように、まずは会いましたと。あなた、退陣しなさいと言った。ところが、聞き入れなかったと。では、これから私達がもっと攻めていきますと。こういう大義名分をつくる。下野圧力をもっと加える。それでもダメなら弾劾運動をやる。そういう名分づくりのために会うのではないか。一方で、大統領はなぜ会うのかというと、これは第1党とのみ会うことで、ここらへんが分裂することが目に見えるわけですよね。だから、野党が分裂する中で時間は自分の味方であるという、こういう政治的計算もあるのかもしれない」
反町キャスター
「平井さん、そうすると、明日、野党第1党の代表と会う、その中身はどうなのだということが新聞とかにずっと出ていて、そういう情報のベースにあるのは、要するに、大統領と野党第1党の代表が会って、将来的に大統領の権限をどこまで、もし挙国一致内閣ができるなら、どこまで権限を委譲するのかがポイントだみたいな話が一応、ニュース的には、そういうヘッドラインになるではないですか。だけど、話を聞いていると全然そんなのではなくて、会うための前提の、政治的な環境整備すらできていない中で、中身どころではなくて、崩れた形で会うこと自体が既に破綻をしているねと、こういう話になっちゃうんですよ」
平井氏
「そうですね。たとえば、朴槿恵さんが政治の一線から退くと言うのだけれども、では、一線って何だということが残ってくるわけですよ。その一線というのは、国内政治だけを渡して、外交、安保、軍事は自分が持つのか、それが一線を退くことなのか。そうではなく、全てでないとダメだといくのか。ですから、この3つの選択があるのですけど。弾劾にしても、弾劾をしてしまったら、9人の憲法裁判所の判事が6人以上が賛成しないといけないですけれども、韓国の運命をこの9人に預けていいのかという議論もありますし、その弾劾訴追の間まで数か月というのは、首相が代行するわけですよ。そこが1回クビにすると言った人が法的に首相で残っていて、次の人が決まっていない。だから、弾劾が通るような事態になっても、首相もきちんと決まっていないような状況だと、そこにもいけないわけです。ですから、3つの選択、どれをとっても、韓国の混乱は当分の間は続くという、そういうことにしかならないと思う」

内憂外患…朴政権の悲鳴
秋元キャスター
「先ほど、このパネルにもありました朴大統領、最大野党の党首と緊急会談、明日行うということだったのですけれども、今入ってきた情報で、共同通信によりますと、韓国メディアによると、韓国の最大野党、共に民主党のチェ・ミエ代表が14日夜、党の会合で、明日の朴槿恵大統領との会談をとりやめると表明したということです。朴氏退陣を要求する民心に反するとの党内の反対を受け入れたと。ソウル、共同通信が伝えているということです」
反町キャスター
「どう見たらいいのですか?」
平井氏
「自分が、要するに、退陣要求を明日、するつもりだったのでしょうけれども、そのこと自身が、野党第1党が、むしろ孤立する結果を招くかもしれない、先駆けをして。そういうことを読んで、党内でも反発が起きたのでしょうね」
反町キャスター
「野党との連携を重視してやめたと考えたらいいのですか?」
平井氏
「いや、そうではないと」
金教授
「共に民主党の中でも一部の執行部しか意思決定に加わっていなかったので、党内での突き上げも相当あったのでしょうし、仮に会って、これと言った成果なく、むしろ朴大統領に、野党の立場にすれば、利用される可能性があるわけです。私は、あなたと会いましたよね。だから、2党とも3党とも会いますということが、決して自分達に有利に働く状況ではない。だから、私は今回、勇み足だったように思います。週末の126万人とも言われるこのデモで相当、勇気づけられたと、第1党にしてみれば。そういうところがあるのでしょうけれど、一筋縄でいく状況ではないので、そこは慎重になった方がいいと判断したのだと思いますね」
平井氏
「朴さんが辞任する可能性はほとんどないわけですから。その状況で辞めなさいと言っても、それは1つのアリバイ工作に利用されるだけだという判断だと思います」
反町キャスター
「朴さんにしてみれば、第1党の意見は聞いたと。他の各党の皆さんはどうですかと聞いている間にドンドン時間が稼げていくわけですね」
金教授
「共に民主党にしてみれば、私達は、言ったけれどもダメでしたので、弾劾運動をしますと言うけれど、国民から見れば、そんなのお決まりの茶番ではないかというふうにしか映らない可能性が高いわけです」
反町キャスター
「政治的な技術からいったら、朴大統領の方がちょっと上手ではないですか?したたかさ、2枚腰、3枚腰に見えるのですけれども、どうですか?」
山本議員
「絶体絶命の状況の中で踏ん張っているということで、意図してやっているのかどうかはわかりませんけれども、これが戦略だとしたら相当、巧みなアプローチであることは間違いないわけですね」
金教授
「上手かどうかというよりも、大統領を1度選んでしまったからには、職から辞するようにする仕組みが、韓国はないですね。弾劾以外にないですね、法律的に言えば。下野も、これも別に憲法にある話でも何でもないので、だから、そういう強力な権限を、朴大統領は自らまだ握っているので、一種の籠城と言いますか、立て籠もっている状況の中で、小出しにカードを出してきていると。しかしながら、時間の経過は先ほども申し上げたように、決して大統領に不利な方向に動くとは読めない状況ですよね」
山本議員
「これは、韓国の世論の発露、いろんな韓国の世論の表現、これがどこに向かうかにかかっていると思うんですよね。これで籠城をした時に、朴大統領に対してさらなる批判が起こって、100万人デモが続くことになると、また別かもしれませんけれども、どこかで野党に対する批判が起こってくるかもしれない。2004年の時、私も覚えているのですけれども、かなり急に弾劾訴追案が通っちゃって、野党195人のうち193人ぐらい賛成をして、新青年民主党も分裂をして、もちろん、職務停止になったのですけれど。そのあとの反弾劾運動というのがすごかったんですよね。蝋燭集会みたいなものが全国で起こって、7割が、野党が悪いと。いつも党利党略ではないか、みたいになった。だから、この籠城がどうなるかというのは、これからの世論の動きにかかってくるのではないですか」

支持率5%…国民の怒り
反町キャスター
「平井さん、支持率が5%まで下がった大統領、とは言いながらも、別の言い方をすると5%までいって、これ以上マイナスがないわけで、これ以上減りようがないですよ。そうすると、時間が経てば経つほど、これまで言ったみたいな野党に対する、不快感みたいなものが国民の間に広まったり、外交やら、何やら、もし朴さんが小刻みにポイントを稼いでいったら、5%から次は上がるしかないわけですか?」
平井氏
「いや、支持率は、私は当然、上がっていくと思います。それと、先ほどの話の続きで言えば、韓国の政局の焦点というのは、明日の、共に民主党との会談にあるのではなくて、彼女が、むしろ検察の聴取を受けると。それでおそらくは、彼女はそのことに対して、国民に対して3回目の談話を出さざるを得ないわけですよ。だから、検察の調べを受けたあと彼女がどういうことを国民に向かって喋るか。この問題がおそらく1番大きな…」

朴大統領『事情聴取』へ
反町キャスター
「韓国の検察のシステムというのは、韓国の検察が大統領の事情聴取をしたあと、どういう内容で、それによって、たとえば、次に進むのか。ないしはここで終わるのか、発表するものなのですか?」
平井氏
「それはケースバイケースです。ただ、19日に崔順実さんのおそらく起訴があるでしょうから。その時にある程度、罪状事実ということを発表するために、今週中に事情聴取をしないといけないという事情があるわけですから、そこで何らかの検察の発表が先になるのか、起訴が先になるのか。おそらく朴槿恵さんはもう1度、国民に向けた談話を発表せざるを得ないではないですか」
反町キャスター
「大統領の会見というのは、起訴やら、発表やらというのを、検察側がひと段落したあとの方がいいですよね?」
平井氏
「そこは本人がどういう判断を、政治的な判断をするのかですね」
金教授
「世論という意味で言うと、既に怒りの爆発の時期は過ぎていて徐々に具体的な収拾策を求める声の方向に変わっているんです。でも、検察は捜査をきちんとしなければいけないし、その意味で、大統領の談話というのは非常に大事ですが、ただ、私は、5%の支持率が上がったとしても、この事件が起きる前の支持率まで回復するのはほぼ難しいのだろうと思います」
反町キャスター
「てっぱん35%は、もう無理?」
金教授
「崩壊したし、そういう意味では、再起不能政権であるのは間違いない。しかしながら、いずれにせよ、次の大統領選挙が来年12月ですから、ほぼ丸1年残っているわけですよね。この間に政権の空白ができる。国家の権力が空白状態になる。これは、安保、経済的にも本当に重大な事態なので、ここを何とか収めるという何らかの妥協案。それがおそらくは挙国一致。それが文字通りの意味ではないにせよ、そういう何らかの妥協案を模索していかざるを得ない。その中で朴大統領は、そういう意味で、ソフトランディングと言いましょうか、一気に引きずり下ろされるのではなくて、最後まで大統領職を務め、名誉ある引退に向けて、何らかの動きをしていくのだろうと思います」

『トランプショック』
秋元キャスター
「先週、次期大統領がドナルド・トランプ氏に決まったわけですけれど、これが韓国にどういった影響を与えるかということですが、このドナルド・トランプ氏、選挙戦では、このような発言をしていました。アメリカの負担軽減のために韓国が核兵器を保有することも排除しない。韓国をはじめとする同盟国が、米軍駐留経費を適正に分担するための交渉に応じなければ米軍撤退もあり得ると、このような発言をしてきました。ですが、10日に行われました朴大統領との電話会談では、アメリカは、韓国防衛のために強固な防衛態勢を維持する。揺らぐことなく、韓国とアメリカの安全のため最後までともにすると。韓国の防衛を約束するような内容になっているのですけれど、山本さん、このトランプ次期大統領の発言の変化をどのように見ていますか?」
山本議員
「韓国がいろいろ心配して、安全保障の負担は必ず求めてくるとは思うんですよ。あれだけ言っていますから。日本に対しても、韓国に対しても。最大の懸案事項は、日米韓の連携を強めて、北朝鮮の脅威に対抗しようとしている。そのために、例のTHAADが出てきて、中国とロシアが反対していますけれど、高高度ミサイル防衛システムの配備。これが先月末に米韓の合同司令官が、ブルックスさんでしたか、その時期まで言ったわけではないですか。早ければ来年の7月に、THAADの砲台持ってくると。しかも、グアムよりも大きなものを持ってきて、グアムは3発の発射台だけれども、6発、発射台を備えたものみたいになって、これがもし滞る、ひっくり返るようなことになると韓半島の、朝鮮半島の安全保障を考えるうえでは極めて、懸念が大きいのではないのかなと思います」
反町キャスター
「金さん、韓国、青瓦台の発表、反応でもメディアの書き振りでもいいのですけれども、韓国の諸々、皆さんというのはトランプ氏の当選をどう見ているのですか?」
金教授
「正直それどころではないのですが、ただ、せっかく山本先生が安全保障のお話をされたので、経済のことをちょっと言うと、一定の懸念があるんですよね。トランプ氏は中国を為替操作国に指定をすると。それから、関税をある程度高めてくると。こういう方向になると、日本と違って韓国は貿易依存度が、GDP(国内総生産)の約9割を占めていますので、アメリカの関税も高くなることもさることながら、アメリカが中国にプレッシャーを与えると中国向けの輸出も、中国景気の停滞によって、影響を受けると、どう回っても影響を受けざるを得ない。そういう状況には非常に懸念を示しているのですけれど、ただ、そこは、ここは日本も韓国も同じで、トランプさんがいったいどういう政策に出るのか、共和党との連携をどのようにとっていくのかというところがまったく見えないです。ただ、最低限覚悟しているのはある程度、関税が上がる可能性がある。米韓FTA(自由貿易協定)含めてですね。TPPも頓挫しちゃいましたけれど。それから、防衛負担の費用を上げてくる可能性がある、いわゆる金を出せということはある程度覚悟している状況です」

金正恩委員長『挑発激化』
山本議員
「1つ、我々が考えておかなければいけないのは、北朝鮮は極めてしたたかだと思うんですよね。たとえば、今年に入って2回核実験をやっている。昨日ちょっと調べてみたのですけれども、数を数えてみたのですけれども、ノドンミサイル、ムスダン、それから、テポドン、それから、SLBM、潜水艦から発射するミサイルの実験を含めると、24回か25回飛ばしているわけですよね。でも、もちろん、1月の核実験のあと、アメリカのパワー国連大使がこれほど厳しい制裁はないという、もちろん、国連安保理決議は通ったのですけれども、結局、中国がまともに参加しないと言ってはいけないですけれど、本気で圧力をかける気がないので、あまり機能していないと。その後、ずっと安保理決議違反を繰り返しても、国連はプレスステイトメントしか出さない。たとえば、8月、テポドンが飛んできて日本のEEZ(排他的経済水域)内に落ちた。この時、安倍総理が激怒するわけですよね。許されないと。それはなぜかと言うと、これまで、テポドンを飛ばす時は人工衛星の発射と言っていました。失礼しました。ノドンでした。これはミサイルとして発射したのは初めてだから、すごく怒ったわけですが、それでもまともな非難決議は出ないわけですよ。そこで考えなければいけないのは、平井さんもおそらく同じように見ていると思うのですけれども、党大会のあとぐらいから、北朝鮮の戦略は、新しい要素が加わって、少なくともすごく北朝鮮が騒ぐ、挑発をすることによって、韓国、朴槿恵政権がドンドンTHAADに前向きなっていくわけではないですか。つまり、高高度ミサイル防衛に、北が、いろんな挑発を繰り返せば繰り返すほど、最初は慎重だったのにドンドン焦ってきて、かつ、なかなか言及するチャンスがなかったのですけれども、アメリカの拡大抑止。本当に提供してくれるのかという不安もある中、ドンドン傾斜していく。しかし、THAADに傾斜すればするほど、つまり、中国が離れていくわけですよね。昔の、日米韓対中露の構図ができるみたいな形で、明らかにそれも計算をしてやっているということは頭に入れて考えなければいけないのではないかと思いますね」

日韓GSOMIA締結に向けて
反町キャスター
「そうすると、山本さん、今日、GSOMIA、日本と韓国の軍事情報包括保護協定。仮署名が行われて、年内の署名締結を目指すということになったのですけれど、この流れというのは、今のうちにやっておいた方がいいとなるわけですか?」
山本議員
「日本にとって、朴槿恵政権が崩壊して、こういう言い方は失礼ですけれども、左派の政権ができるということは、安全保障上は極めてよろしくない。なぜかと言うと、今の野党はまず慰安婦合意にほとんど反対しています。それから、GSOMIAも反対しています。ただ、THAADについては、国民の党、アン・チョルスさんですよね。IT(情報技術)企業家で、国民の党の党首、この人は昨年の9月に中国が経済制裁に応じないのであれば、それは、THAADはあり得るべしだということを言っていて、国民の党は、どちらかと言うと中道ですよね。共に民主党が中道左派だとすると、そういうのはアリですけど、たとえば、左派の大統領ができるようなことになれば、それはGSOMIAも危ないし、現在の政権は、仮署名はしましたけれど、このあとの展開を考えると、仮署名はしたけれども、これから本当に署名にこぎ着けられるか。覚えていらっしゃると思うのですけれど、2007年でしたか、李明博大統領、李明博政権との間で署名の準備も整って待っていたら、1時間前にキャンセルになったわけですよ。理由はよくわかりません。慰安婦問題だという人もいるのですけれど。だから、これはちょっと予断を許さないし、もちろん、朴槿恵政権でしっかり通しておくということが日本にとってはもちろん、プラスだと思います」
反町キャスター
「金さん、普通こういう話は、仮署名までいったあとに本署名ができるのかどうかが心配だという議論はあまりない中で、でも、たとえば、現在の状況で言うと、我々が見ている限りでは、協定締結協議中断を求める決議案が提出され、今日、共に民主党の幹部からはGSOMIAに仮署名をすれば国防大臣の解任か弾劾を求めるという、野党からの発言というのはかなり現実味がある話なのですか?」
金教授
「勢いづいているわけですよ、野党が。だから、現在の朴槿恵政権の下で、いかなる新しい動きをすることにも反対だという、そういう意味でこれがある。しかしながら、もともと反対ではないのかという、そういう意見もあります。しかし、日韓の間での話になると、私の印象としては、慰安婦合意もそうだし、GSOMIAもそうだし、とにかくこういう混乱の中でも、とにかく粛々とタイムスケジュール通りやる。慰安婦合意に関しては、そもそも11月に全部配って、12月に記念事業をやって、年内で解散というスケジュールで動いています。そもそも慰安婦合意をした時から、おそらくはGSOMIA締結までは持っていくのではないかということで、ある意味、今やらないと、うんと先になっちゃうので、これができるのかとおっしゃるのですけれども、できる、できない以前に粛々とやると」
反町キャスター
「野党が言っている、もしGSOMIAに仮署名をすれば、国防大臣解任か、弾劾を求める、これは何と言ったらいいのですか、数的に可能な話?」
金教授
「そこまで国会の中の数以前に韓国の世論もGSOMIAに関しては、左派、右派と分けることにどこまで意味があるのかがわかりませんけれども、専門家の間では、ほぼ必要であると。左派の政治家や一般国民世論というのは、十分な説明がまだ足りないという意味で反対論はあるんです。ただ、国中が反対しているような話ではまったくないので、ここに果たして、どこまで弾劾に、他の野党、国民の党を含め、賛成するかというとそこは不透明だと思います」

どうなる? 慰安婦問題
秋元キャスター
「一連の疑惑に揺れる朴槿恵政権ですけれども、日本との関係において気になるのはこの2つです。慰安婦問題をめぐる日韓合意の履行、日中韓首脳会談ということですけれども、この慰安婦の問題については日本政府が韓国の和解癒し財団に対して、既に10億円を拠出しています。これを受けて、ソウルの日本大使館前の少女像撤去が実現するかと思われてきたのですが、金さん、この点についてはいかがですか?」
金教授
「少女像の問題は、そもそも合意事項なのかということに関しては、日本と韓国との間では、日本のメディアはそう言うのですけれども、入っていないです、合意事項には。それ以外の部分は既に履行を始めていますし、私は12月までに全ての事業を終えて、財団も解散するという手続きを踏むと思います。野党系が日韓合意を、再交渉をすべきだというようなことを言いますけれども、何度も申し上げているように、政権を今後、12月に獲ったとすると、これは、私は、左派、右派を問わず国内では通用する話でも、いざ、これを国際社会に持ち込んだ時に韓国は得るものが何もないです。実際、再交渉ができるわけではないし、そこで何か実質的な利益を得られるわけでもない。むしろ下手をすれば、韓国というのは、それこそ政権が変われば、また、違うことを言うのかという、この批判のことを考えると、ある程度、現実路線に転換せざるを得ないのではないかと思います」
反町キャスター
「慰安婦少女像の撤去は努力規定みたいな書き込みだと思うのですが、年内にきちんとやって、配って、それなりの処理をしておしまい、これで日本は済むのですか?」
山本議員
「少女像の撤去の問題は、政府としては言い続けざるを得ないと思うんですね。それは合意の中に入ったかどうかはいろいろな意見があると思うのですけれども、少なくとも努力をしてもらうということだから、それはしっかりやっていかなければいけないと思いますね。それより日韓の慰安婦に関する合意、金先生の意見が正しければいいと思うのですけれども、いわゆる国際社会の前で2度とこういう話は出しませんと約束したので、これで韓国側がゴールポストを動かすと韓国のイメージも傷つくということなのですが、左派の政権で何度もゴールポストを動かされてきた。韓国はこれまでの政権交代の中で1番いい例が、韓国の憲法裁判所の、慰安婦の人達には賠償を求める権利があるということを憲法裁判所が言って、それを踏まえ、基本的なゴールポストを動かしてくるので、そこのところが心配です」
金教授
「ちょっと違います。ゴールポスト論で、日本のそういう想いはわからないでもないですが、そもそもここがゴールポストですよと、日本と韓国の間で決めたことがないですよ。日本は一方的にここがゴールだといい、韓国はここがゴールだということを言い続けたのが、慰安婦問題の20年だと思います。2011年に韓国の憲法裁判所が出した判決は、韓国政府がこの慰安婦の人達の主張を聞いて、本来、外交的努力をするべきだ。これは日韓の協定の中に入っているんです。その努力を怠っていると。お互い異論がある場合は協議する。外交的努力を通じて解決するという、その外交的努力を傾けなさいと言っていることで、これは徴用工の話と混同されているのかもしれませんが、この問題は、私は憲法裁判所の判断として十分あり得ると思っています。なので、ゴールポストを動かしてきた韓国という、この物言い自体が日韓の間では温度差があるということを前提にしないとダメなのと、国際社会でこの問題を2度と持ち出さないということも合意事項とは違います。これは国際社会でこの問題を巡って、お互いを誹謗、中傷をしないということです」
反町キャスター
「その違いがわからない」
金教授
「持ち出すことイコール誹謗、中傷となる理解の方が私は理解できない。問題は、日本はゴールポストを動かしてきたではないかという印象をなぜ持っているのかと言うと、慰安婦問題に対する韓国政府の対応と、いわゆる市民団体の対応、一般国民の世論というものがバラバラに動いてきていたわけですね。日本としては全部韓国という主語をつけてしまうけれども、政府は一貫して1993年ですよね、談話が出たのは。この談話以降、1度も持ち出していない。だから、被害者の人達は憲法裁判所までに持っていって、政府は、私達のために何の努力もしていないということを訴えたわけですね。だから、今後、韓国の政府が、たとえば、国連とか、そういう場で従軍慰安婦を巡って日本を批判するということは明らかに合意違反になると思います。しかしながら、たとえば、ここに民間の団体や市民団体は止められないし、実は裏で韓国政府が操っているのではないかと、そういうふうに議論が拡大すると。1番大事なのはお互いを信頼することですよね」
反町キャスター
「慰安婦少女像の撤去というのは…」
金教授
「約束したのだから、どかせでは…」
反町キャスター
「約束だとは、この場にいる人は誰も思っていない」
金教授
「日本としては、そこは求め続けていくのは十分にわかりますが、韓国も、本来ならば移転するつもりだったと思います。だから、合意文に明確ではないけれども、ああいう記載が盛り込まれたのでしょう。しかしながら、合意をしたあとすぐに日本側から、自民党の重要な政治家が、少女像を動かさない限り10億円を出さないというところから、世論が一気に悪化する。そうなると、政府としては手のつけようがない状態に…むしろ。いち国会議員とおっしゃいますけれども、政調会長を含めて、あるいは自民党の会合の中で。ゴールポストを動かしたという想いがあるとすれば、韓国側にしてみれば日本はこの問題で謝罪しておきながら、いつも裏で違うことを言う」
反町キャスター
「議員の口は止められないですよ、それは」
金教授
「いや、そこは、国会議員と一般市民は違いますよ」
山本議員
「韓国の憲法裁判所のことは誤解していなくて、おっしゃった、説明した事実は全部知ったうえで言ったんですけどね。賛同できるところと、ちょっと違うなというところがあるのですが、いちいち言いませんが、金先生が言った、韓国の世論と政治の関係ですね。ポピュリズムとは言わないけれども、本当に必要なことは、世論に対して最大限これを理解してもらう努力は必要かもしれないけれども、本当に必要なことはやらなければいけない。そういう意味で言うと、韓国の政治はあまりにも世論にボラタイルなので、たとえば、いろいろな事件があるとおもいますけれども、自民党の幹部が、ああいったとか、こう言ったとか、しかし、世論が盛り上がってくると、ゴールポストを動かすという表現が正しいのかどうか。手のひらを返したようになってしまう。そこのところを心配しているのであって、金先生の方から、たとえば、慰安婦合意をひっくり返しても、韓国にとっていいことがないと。まさしく国際社会の中で宣言をした、約束でなくても。韓国もそこは履行するつもりということについてはポジティブに受け止めたいと思いますし、お互いに気をつけるべきところは気をつけるということも反対はしないです」
金教授
「世論に敏感にならざるを得ないです。韓国というのは慰安婦問題において当事者、被害者を抱えている国ですから、日本と韓国の間で合意したとしてもこの問題は事実、国内で解決していかなければいけない、韓国の負担というものを日本も十分わかっているはずです。ですから、韓国が日本の思うほどのやりようでないからと言って、世論に左右されるではないかと見るのは、これまでの経緯を見ても、事実として私はそういうことは言えないと思います」
反町キャスター
「平井さんはどう見ますか?少女像の移転問題」
平井氏
「それは無理だと思います」
反町キャスター
「諦めた方がいい感じですか?」
平井氏
「と思います」
反町キャスター
「朴大統領の時は無理で、次の政権は左派になるだろうからもっと無理だと?そういう意味ですか?」
平井氏
「左派になったら、無理でしょうね」
金教授
「少なくとも日本と韓国の間で何らかの信頼のムードにならない限り」
平井氏
「日韓関係全体が改善しないと無理ですね。現在の状況というのは、むしろどれだけたくさんの元慰安婦の方達がこの事業に協力されるのか」
反町キャスター
「金を受け取るかということですね?」
平井氏
「そう。それが結局、事態を決めていくのではないのかなという気がします」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『易地思之』
平井氏
「これは韓国語の諺ですが、相手の立場をお互いが考えるという意味です。日韓関係というのは、むしろ北朝鮮のこと、中国とのことを考えても立場が似ているんですよ。米中の間で我々生きていかなければいけない。日韓の基本関係が悪化していいことはないわけで、そういう意味では、基礎をつくるためにも相手の立場を考えるということが大事なのかなと思います」

金慶珠 東海大学教授の提言:『塞翁が馬』
金教授
「日韓の合意もあった。しかしながら、韓国の内政も非常に混乱している。非常に多くの混乱というものが2016年、いろいろあった中でも、徐々に進んできた。来年度は、それでも塞翁が馬だったよねと、よい結実があることを祈って、この言葉を選びました」

山本一太 自由民主党参議院議員の提言:『プラグマティズム』
山本議員
「いろいろ問題があっても、日韓の間が非常に戦略的パートナーシップであることは間違いないので、何がお互いにとって国益になるのかということを冷静に考えて、判断するということが大事だと思います。それは日米韓の連携を強化していくと。これがお互いの国益だし、東アジア、アジア太平洋地域の安全保障を安定的に進めていくことにつながると。プラグマティズムだと思います」