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2016年11月10日(木)
脱『アメリカ属国』論 西部邁×共産・小池晃

ゲスト

西部邁
評論家
小池晃
日本共産党書記局長 参議院議員

西部邁×共産・小池晃 『トランプ的米国』と自主独立
秋元キャスター
「小池さん、今回のアメリカ大統領選挙の結果、どのように見ていますか?」
小池議員
「アメリカ国民の怒りの深さというか、政治不信の抜き差し難い深さというか、貧困と格差が広がっているわけですよ。社会は本当に崩壊状態になってきていると。1%の人が42%の資産を持っていると。金融資本やIT(情報技術)企業がドンドン伸びて格差が広がる。グローバル資本主義を暴走して、本当にこういう社会自体が深刻な状況になってきた。そういう中で、民主党も共和党もとんでもないことになってきているんだと思うんですね。共和党で言えば、ブッシュ氏、ロムニー氏ではなくて、ワシントン政治の経験のまったくないトランプ氏になったわけだし、民主党はバーニー・サンダース氏。社会主義者だと言ってる人ですよ。アメリカの大統領候補に社会主義者だという人が目前まで行ったわけですよね。これは2大政党が本当に崩れてきていて、貧困と格差が行きつくところまで行って、アメリカの現在の経済が大変深刻な状況になって、怒りがすごく広がっているということが、はっきりと表れた結果ではないかと思うんですね。結果として、トランプが勝ったと」
西部氏
「伊藤貫君というアメリカ在住の金融アナリストが、ある雑誌に書いたこと。僕の友達ですけれども、こういうふうに書いています、事実でしょうけれど、米国民の5割は100万円以下の金融資産しか持っていないと。65歳以上の、いわゆる高齢者の3分の1は貯蓄ゼロの状態だと。ここ40年間、アメリカの実質所得は事実上、ドンドン減っていく。にもかかわらず、この間、アメリカの家賃は3倍。医療費は4倍。教育費は6倍値上がりしてきている。生活難の人が大量に増えている。日本の場合で言うと、トップ1割の人が、言ってみれば、会社で言えば社長が、平均年収は1300万円であると。ところが、アメリカのトップ1割は、平均年収がその10倍。1億4000万円であると。今度、平均、平社員と社長で言えば、日本はせいぜい平社員の13倍であると。アメリカの社長、会長は何倍だと思いますか、400倍、500倍だという。特に金融でしょう。これはアメリカ人は怒りますよ、それは。ですから、僕はトランプが勝つとまで予測できなかったけれど、トランプの態度は乱暴だけれど、トランプの存在はアメリカ人の、特に白人系統の平均的なメンタリティ、あるいはビヘイビア。それを代表していると。これを軽んじてはいけないということは、僕はこの間、言い続けてきて、まさかこんなふうに勝つことまでは…。もう1つ言いたいのは、よくもまあ、日本人どもは属国で51番目の州だと。51番目の州にしてもらえるはずがないですよ。日本人は1億3000万人いるんです。選挙民で言えば、7000、8000万人いるのでしょう。そんな巨大な州ができたら、大統領選だって動かせるわけですよ。日本人がアメリカ様、アメリカ様と言ったってなれるのはせいぜい英語でいうところのテリトリー。これは領土ではなくて、准州、准教授の准ね。つまり、選挙権を持たない。一種の保護領ですよ」

『脱・アメリカ属国』 安全保障論
秋元キャスター
「続いては、トランプ次期大統領で日本の安全保障はどう変わっていくのか。まずトランプ次期大統領の日米同盟に関するこれまでの発言を見ていきますけれど、9月26日の第1回テレビ討論会では『私たちは日本などの国を防衛している。彼らは対価を払っていない。相応の負担をしなければ、日本を守ることはできない』と発言しました。しかし、今日、安倍総理との電話会談では、同盟強化の意向を表明したうえで『日米関係は卓越したパートナーシップであり、特別な関係を強化していきたい』と話をしているのですけれども。小池さん、これはどちらがトランプさんの本音だと思いますか?」
小池議員
「本音は選挙中に語っていたことではないですか。基本的に認識が間違っているものは、対価を払っていないとおっしゃるけれども、1番対価を払っているわけですよね。だから、駐留経費の7割以上を負担している国なんて日本しかないわけで、ドイツは32%、韓国は40%ですよね。日本はあまりにも気前のいい、思いやり予算を組んで、負担をしてきているわけで、そのことは認識が違っているというふうに思うのですけれども、では、100%出せというのであれば、これは本気で議論すべきだと思います。こういう異常な米軍基地国家ですよ。だって、海軍、空軍、陸軍、海兵隊、4軍揃っている国なんて世界に日本しかないわけですよね。首都圏に、横田、厚木、座間、横須賀とこれだけあるわけではないですか、相模補給所。こういう異常な状態から抜け出すということを本気で議論をする時だと思います」
反町キャスター
「その意味で言うと、トランプさんが、こういうことが本音だとすれば、今、言われたようなことを進めるチャンスでもあると考える?」
小池議員
「チャンスと言うか、チャンスと言うとあれですけれども、我々は、在日米軍は日本を守る軍隊ではないと思っています。これは日本を守るためではなくて、アメリカの世界戦略のために、日本が破格の負担をしながら支えている軍隊だと思います。しかし、本当にこういうことをアメリカが提起してくるのであれば、それに対し正面から議論をする。我々は、これは撤退をするということを求めていくべきだと思っていますし、そういう議論を出発に。まさに、そういうところに現在の日米関係というのは、そこまで議論するところまできているのだろうと私は思います。その1つの表れだと思うし、沖縄の基地の問題も含めて。これまでの政治勢力であれば、既成のワシントンと自民党政治であってね。これしかないのだということで、思考停止の従属関係で何の議論もしなかったと。しかし、新たな角度からの問題提起があるのであれば、真剣に議論をしていくべきだと思いますよ」
西部氏
「今度のトランプ氏は、大統領になった最大の理由はアメリカが第二次世界大戦後、特に冷戦構造を経て、世界の覇権国としての立場をとろうということで、たとえば、日本にも在日米軍がいるわけですよ。ところが、ベトナム以来ですけれども、次々と特にイラク、アフガニスタンだ、今度のウクライナも含めて、はっきり言えば、失敗の連続なわけですよ。かつて19世紀の前半にモンロー主義と、孤立主義と言われたけれども、あの時の孤立主義は、自分達は南米大陸を抑えると。ヨーロッパには介入しないという意味の、ある意味では、縄張り宣言だったのだけれども、今度のトランプ氏が、5年かかるのが、50年かかるのかはわからないけれども、時間をかけて進路を変えようとしているのは、それはアメリカの、あまり出ていくべきではないと。アメリカファーストと言っている。アメリカファーストと言っているけれども、その意味は、アメリカに、孤立をすると言った言い過ぎなのだけれども、あまり外に行ってドンパチをやって、次々と大失敗をさらすような、それで国民自体が傷つくような、しかも、貧しくなり、格差が広がるような、こんな状態はやめよう、アメリカの国内のことをまず大事にしようという方向にトランプ氏が声を上げたものだから、多くの選挙民がそれについてきたと。そういう長期展望で言った時には、在日米軍の金の問題ではなく、アメリカはそもそも世界の覇権国を降りざるを得ない。降りた方がずっといいのだと。従って、これが極東だろうが、アラビアだろうが、それは場合、場合によりますね。すでに、ペンタゴンもCIA(中央情報局)も全部関わっていますから。一朝一夕に引き上げられる問題ではないけれど、アメリカの長期路線として、世界の警察として、覇権国であることをやめざるを得ないと。やめた方がアメリカ国民にとって、幸せなんだということをアメリカ人が広く理解をしたんだということですよ」
小池議員
「そうだと思います。アメリカは、この間の戦争の連続で軍人も傷ついているけれども、民間で、派遣労働者みたいな形で、戦争労働者みたいな形で命を落としている人達がいっぱいいて深刻な影がアメリカ社会を覆っている。それが、オバマ氏が出てきた背景にあると思うし、今回、トランプ氏ということになった背景にもあると。そういう、土台の上にこの議論が出てきているだけに、非常に大きな流れの中で出てきている議論だと思います。トランプ氏が変わった人で、飛び跳ねていて、こういうことを言っているというレベルの問題ではなくて、深刻な現在のアメリカ社会の病理みたいなものがこういうことに噴出せざるを得ないところまできているのだと。それを我々はしっかり見なければいけないし、それに応えた議論を日本もやっていく時だと思うんですよ」
西部氏
「それに応えようとすると、そこで残念ながら、小池先生達とは分かれるのだと思うのだけれど、答えを先に言ってしまうと、僕は日本が長期的に言えば、自主防衛路線に入るしかないぞと。お前ら金払えとか、何とかとトランプ氏は言っているけれど、それは金の問題ではなくて、アメリカは次第に自らの国に閉じこもるとまでは言いませんが、引き下がるぜと。僕がトランプ氏を密かに応援をしていた最大の理由は、なにはともあれ、これまでの大統領で、おい、おまえら、日本ですけれども、てめえの国はてめえで守れと。声高らかに言ってくれた最初の大統領なんです。それだけでも傾聴に値すると。でも、具体的にはそう簡単にはいきませんけれども、でも、そういうアドバルーンを上げたということ。それをどう日本人は受け止めるかとなると国会の議論であれ、あるいは世論の議論であれ、それは長々と続きますよ。そんなに一朝一夕に、訪米すればどうにかなるなんて、そんなた易い問題ではないのだと思いますよ」
反町キャスター
「今後の日本の安全保障の方向性として、軍事力と外交力の軸ですが、どちらに軸足を置くべきなのか。自主独立路線を歩むべきか、日米同盟重視でいくべきかということで、まず西部さんは、軍事力を重視して、なおかつ自主独立の色合いを非常に濃くするべきだという話をされました。そのこころをまず聞かなくてはいけないのですが」
西部氏
「そのこころは、この図が間違っていると。その意味は、(図の)下が外交力で、僕は、外交努力は無駄だなんて全然思わないです。外交と軍事力がうまく噛み合わさってこその国際関係であって、もしこの図を描きたいのであれば、下の外交力のところにはマハトマ・ガンジーが言ったところの非暴力。軍事、つまり、暴力は軍事も含めて、そういうものは持ちませんということをここに置く…」
反町キャスター
「力とつくものか、力がつくものではないか、そういうことですね?」
西部氏
「僕の本心は、小池さんに妥協するわけではないのですけれども、僕の心は重層構造になっていて、本当に深いところで言うと、僕は、マハトマ・ガンジー支持者なんですよ、非暴力ね。ただし絶対に服従はしないと。しかし、それはあまりにも困難で、僕だって、自分で全うできるかどうか自信もないし、まして日本の皆さんに向かって、非暴力、不服従で、踏んづけられても、殺されても抵抗し続けるなどという無理難題を日本の政策として掲げるのは、僕はいかに無責任な評論家でもできないから、ここに非暴力は置くわけにはいかない。だって軍事力なき外交がどれだけ力が弱いかということは国際社会の歴史を紐解けばすぐにわかりますよ」
反町キャスター
「そうすると、もしかしたら西部さんは軍事力と外交力でいうと真ん中の線、自主独立のこのへんのところに置いた方が…」
西部氏
「そうですね。でもそうすると共産党に入らなければいけなくなるからね」
反町キャスター
「小池さんのこのポジショニングをどう我々は見たらいいですか?」
小池議員
「西部さんがおっしゃったことは、私も同じですけれども、軍事力を共産党はまったく否定をしているわけではないです。それは現在の、たとえば、北東アジアの状況の中で、これは軍隊、自衛隊をなくして大丈夫とは誰も思わないでしょう。北朝鮮がああいうミサイル開発や核開発をやっていると。中国も非常に乱暴な振る舞いを、東シナ海、南シナ海でやっている。一定の軍事力がなければ、急迫不正の侵害に対処できない点で言えば、それはまったくゼロではない。しかし、日本は軸足としては、憲法9条があるわけで、平和外交というところに、軸足を置いた形で、日本の安全をはかっていくということが中心であるべきだという点で、ちょっとそれより下」
反町キャスター
「共産党は平和外交という背景には軍事力とか、抑止力とかないのですか?」
小池議員
「いやいや、だから、それをまったく否定するものではないと。現在のアジア、だから、ただ、我々は憲法9条を掲げた時の理想に向かって軍事力に依らない国家の運営ができるようなアジアをつくっていくということを、目指していこうというのが方針ですから」
秋元キャスター
「将来的には自衛隊も解消していくということですか?」
小池議員
「そうですね。共産党の綱領ですけれども」
秋元キャスター
「日米安保条約を廃棄し、日米友好条約を結ぶ。主権回復後はいかなる軍事同盟にも参加せず、全ての国と友好関係を結ぶ。平和中立非同盟の道を進み、非同盟諸国会議に参加。自衛隊については、軍縮の措置をとる。憲法第9条の完全実施、自衛隊の解消に向かっての前進をはかる」
反町キャスター
「何年がかりの計画なのですか?自衛隊の解消に至るまで。たとえば、現在の共産党の、最近の野党との連携とか言う中で、いわゆる民進党と組んで、いつ自衛隊解消するのかなと」
小池議員
「それは民進党との、いわゆる我々が提唱している国民連合政府は、安保条約の廃棄という課題は押しつけない。持ち込まないと言っているわけですから。まだ、遥か前段階。だから、これはかなり先の話になってくるけれども、私は、安保条約の問題は、今日の議論の中でも出てきているように、これは本格的に見直す。廃棄の道を進んでいくべきだとは思うけれども、安保がなくなったからといって、では、自衛隊なくしますかと。それはなくせませんよ。国民の皆さんが自衛隊をなくしても大丈夫だと思えるようなアジアの環境を平和外交の力で実現していく。その積み重ねたうえで今後の課題として憲法9条完全実施。要するに、憲法が掲げた方向に向かって現実を変えていくということをやろうではないかと。これはかなり時間がかかることです」
西部氏
「今おっしゃったことに僕は反対しないけれども。と言うのは、憲法というものは理想を語るものだと。そういう考え方あるんですよね。僕はそれに反対ですけれどもね。理想を語るものだと憲法を位置づけるならば、小池さんの意見でいいんですよ。それが10年かかる、100年かかるかは知らないけれどもね。本当に日本のみならず全世界から、要するに、安全な武器なき社会をつくり出す。でも、僕の憲法理解はそうではなく、憲法というのは国家の根本規範ですから。規範と価値、理想というのは別次元にあって、規範というのは理想と現実の間の、バランス感覚のあり方を語るものだと。こう考えた時に、現実は小池さん自身が認められたようにアジアであれ、アラビアであれ、どこであれ、そういう軍事的な危機というものが、ほとんど、いつまでも続くのではないかと思うぐらい、そういう現実があるわけですね。だから、憲法とは何ぞやということを繰り返しですが、理想でいいならば、僕も小池さんに賛成するが、憲法は理想を語るものではない。現実が何であるかということを踏まえたうえで、自分達は何を為すかと考えると、憲法では、それを規範と呼ぶならば、規範の中に堂々と憲法9条第2項を削除するなり、死文とみなすなり、改定するなりして、日本はちゃんと軍事力を持つと」
反町キャスター
「共産党はまず安保条約を廃棄するのだと。廃棄したうえでの軍縮だと。こういう話ですよ。西部さんは安保条約の廃棄については同じですか、そこまでは」
西部氏
「僕は、それはすぐかどうか状況によるのだけれど、現実論として、僕はあんな危ない国との同盟は廃棄の方向に向かうべきだと。どう考えても危ない、という意味は、戦前からそうですが、僕に言わせれば、大東亜戦争だって、日本がアメリカに引きずり込まれて、徹底的にね。そういう意味では、アメリカというのは、非常に好戦的な、もっと言うと、アグレッシブな、侵略的な歴史があるのではないかというような国ですよ。そういう国との条約を易々と結ぶということについて、日本人が、それで安心を感じるなんて、アメリカの本質を見ないにも程がある。そういう意味で、僕は日米安保を明日か、明後日か、10年後かは、それは反町さんに決めてもらいますけれども、僕はそんな危ない国との軍事同盟などについて重きを置くことには反対だという意味では廃棄論者です」
反町キャスター
「廃棄の次のステップです。廃棄の次は、共産党は軍縮と言っている」
西部氏
「僕は、当分は自主防衛」
反町キャスター
「それは軍拡ですよね?当然」
西部氏
「現状では軍拡です。防衛費は、GNP(国民総生産)の1%でなくて、できれば2%ぐらいにしなさいと。小池さんは怒るでしょうが、核武装なんて簡単にできるのだから。核大国になれとは言いませんよ。でも、これは報復核、リタリージョンと言うのだけれど、相手に撃ちこまれたら、撃ち返しますよということを、単に言うだけではなくて、それこそ憲法を変えて、これは非常事態法にあたるのでしょうけれども、非常事態条項の第何項かには、核兵器は、そういう意味では、金正恩の意見に大賛成ですよ。金正恩、つまり、今度、宣言したでしょう、つまり、(核を)報復としてしか使わないと、先制攻撃には使わないとね。つまり、ということを厳密に守るためにむしろ憲法の中に核武装を、核があるが、先制攻撃には使わないと。報復にしか使わないと書けと。でも、考えたら不思議で、核を特別扱いするが、通常兵器とやらは異常発達を遂げているわけですよ。この間、イラクであれ、シリアであれ、ずっと考えていけば、数えていけば一般市民の被害、殺害というのは、本当に100万に近づいているのではないですか。これは大量殺りくですよ。それを、どこかの新聞社の憲法草案が、核のことを非人道的兵器と呼んでいる。では、他の兵器は人道的兵器なのかと。10万、100万で殺しまくっている。そういう意味から言うと、我々は武器について何も真面目に考えないまま、核に賛成だ、反対だと議論していると。現実論から言うと、僕は核武装で、核の威力、実は今度の、トランプさんにも背景があるのではないかと推測ですけれども、彼がなぜ、日本よ、韓国よと。自分を守りたければ、自分で核武装でもして守りないさいと言った理由の背景の1つにね、実はアメリカの防衛学会の主流は、通称リアリストと言われて、その最高の親分がケネス・ウォルツという人ですが、まだ、存命中と思うな。彼らの主流の意見は核拡散の論ですよ。世界の各国が持って、お互いに抑止力を効かせてこそ初めてリアルに世界平和が訪れると。そういうことを背景に、どこかで聞き及んだか、そういうことがあるから平気でこういうことを、大統領が…」
反町キャスター
「学術的な背景があるとは」
西部氏
「いや、周りのやつが言うんですよ。そういう意味で、耳学問に決まっていますから」
小池議員
「僕はちょっと核兵器の問題は、西部先生とかなり異論がある」
反町キャスター
「安保廃棄の次のステップで、既に分かれるではないですか」
小池議員
「それも違いますよね、ただ、核兵器は、僕は通常兵器ももちろん、残虐な使われ方、クラスター爆弾なんて本当に残虐だと思うけれども、核兵器の非人道性、非人間性。被爆者の、私は医療現場で働いていた時も、被爆者の皆さんの診療なんかもやっていたのですけれども、心と体に本当に深刻な傷痕を残すという、一瞬にして大量の命を奪うという点でこれは絶対に許してはいけない兵器だと思うし、報復のためならと言っても保有すること自体が人類の存亡にも関わることになっていく以上、これは禁止するというのが、世界の流れになっていますよ。核兵器使用禁止条約の、いよいよ国際的な議論が始まるということが国連総会で決議されると。日本は反対しましたけれども。それが世界の流れだと思っているし、核兵器の保有というのは、絶対に容認できない。同時に日米安保をなくして、では、軍拡だ。日本は既に世界第7位の軍事大国ですよ。アメリカ、中国、サウジアラビア、ロシア、フランス、イギリスと。フランス、イギリス、同じくらいです、だいたい。だから、世界で言えば、第4ランクぐらいの軍事力を持っているわけで、私は安保条約を廃棄して、さらに軍拡するなんてことはアメリカの海外派兵用の装備として購入しているところもあるから、そういうものをなくしていくということがあったとしても、現在以上に軍事費を増やしていくようなことは、まったくすべきではない」
反町キャスター
「でも、日本が対峙すべきは中国なのではないですか?中国やロシアや北朝鮮の核を見ている時、日本は第7位だから多いという話になるのですか?」
小池議員
「中国と軍事力で対抗しようなんてやったって、経済力がこれだけ差がついてきているわけですよ。そんなことを始めたら、大変な悪循環になるし、日本の経済は破滅しますよ。そんなことをやったら」
反町キャスター
「使うための軍事力なのか。持っていることによる、先ほどの西部さんの言葉で言うのだったら、攻めてきたら、痛い目に遭うぞと抑止力としての軍事費なのか。そこはどうですか?」
小池議員
「そこは、安保条約なくして。しかし、急迫不正の侵害があるかもしれないという時に、自衛隊はなくせないという時に、最低限の、いわゆる専守防衛。そういう範囲でのものであれば、そんな軍拡なんてまったく必要ないと思っていますし、むしろ軍縮の方向に進みながら、日本の安全を守ることだって、この世界第7位の軍事力であれば十分可能だと」

『脱・アメリカ属国』 憲法論
秋元キャスター
「ここからは、アメリカから押しつけられているとの指摘もありながら、公布から70年を迎えました日本国憲法について聞いていきます。来週にも衆議院憲法審査会の実質審議が始まりまして、憲法のあり方を考えるタイミングでもあるわけですけれど、西部さん、公布されて70年、1度も改正されていない点についてはどう評価されますか?」
西部氏
「僕は自分で憲法改正案を書いたことがあるんですが、結論から言うと、憲法9条第2項。例の非武装、不交戦、あれだけはどうしようもなくて、改正しないと。陸・海・空その他の戦力ね。それから、交戦権はこれを認めない。これはほとんど軍事用語でしょう。これだけは解釈、再解釈のしようがないですよ。ところが、他のものは国民主権で、世論が国会で議論が煮詰まれば、アメリカ軍の兵隊さんが書いた如きの、つまらない文章であるのだけれども、しっかり解釈をし直すことはできるんです」
小池議員
「僕は、ちょっと前の議論で、西部先生、憲法を理想とするならば、という話があったけれども、私は単に憲法は理想ではないと思うんですよ。あの戦争を経て、この憲法が生まれた時代背景というのは、絶対にあの戦争は繰り返してはいかんというのは、これは圧倒的多数の国民の想いだったし、押しつけ憲法だという話もありましたけれども、でも、そういう中で2度と、再び戦争をしない。軍隊を持たない、交戦権も否定すると。この憲法を当時の国民が圧倒的に歓迎したことは間違いないわけですよね。同時に、逆に言うと、憲法制定の翌年、1948年に、アメリカが改憲を日本に求めてきているわけですよ。憲法9条変えるようにと。だから、むしろ押しつけできているのは、歴史的に見れば、アメリカが改憲を日本に求めてきている。ついに安保法制で集団的自衛権まできたというのが、歴史的な経過だと私は思います。合わせて、9条を制定する時に、幣原喜重郎、当時の首相が、この9条を制定することを提案したのだというのが、マッカーサーの書簡に書かれていたのが最近、発見されています。だから、歴史的な経過から言っても、これは押しつけではないと私は思っているし、私は、70 年間、国民が憲法を愛してきたと思っていますし、 現在、安倍政権のもとで、逆に、改憲の世論は減ってきているというのが、事実としてはありますよ」
反町キャスター
「世論調査をかけますと、改正するべきだけれども、安倍政権では、というとまたちょっと違う数字になってるんですよね」
小池議員
「現在の議論というのは、倒錯していると思っていて、どこを変えるということをはっきりと言わないわけですよ。自民党はあれだけ改憲案を示しながら、これをやるわけではないのだということ言うわけですね。では、何を変えるのかと言うと、参議院の合区のためにと。そんなバカなことはないでしょう。なんか70年経ったから、とにかく病気に例えたら、あなた、70歳になったのだから、とにかく手術をしましょうよ、みたいな話でね。どこが悪いかも、どこを直すかも、どこが現実の政治に照らして問題なのかを明らかにしないで、とにかく70年が経ったから改憲だという議論は、これは納得できないと」
西部氏
「自衛隊を認めますかと言うと、僕の知っている限り、93%が認めますと。9条第2項に戦力は保持しないと書いてある。じゃあ自衛隊は戦力ではないのですかと。戦力を禁止することは認め、(自衛隊が)あることを認め、何なのだこの国民はって」
小池議員
「自衛隊は憲法に照らせば、これは陸海空軍、その他の戦力にあたることは、これはどう読んだって憲法に違反することは間違いないと思いますよ」
西部氏
「そうです。大賛成」
小池議員
「間違いないと思います。ただ、この規定があることによって、これまでどうだったかというと、自衛隊は戦力ではありません。自衛隊ですと。だから、海外での戦争はできません、集団的自衛権は。日本が急迫不正の侵害を受けて個別的自衛権を発動することはできるけれども、集団的自衛権は行使できませんという歯止めにはなってきたと思うんです、この規定が。これを変えてしまうと、現在のややこしい存立危機事態だとか、ああいうことも全部外して、何の制約もなく海外で武力行使ができる軍隊に、世界の普通の軍隊になってしまう。それをしてしまっていいのかと。この9条2項を変えるというのは単に自衛隊の存在を憲法上に書き込むということにとどまらず、結局、海外で武力行使が制限なくできるような国にするということになりますよ。それをしていいのかというのが、現在の、改憲論の最大の問題」

『トランプ的米国』と自主独立
反町キャスター
「トランプさんが大統領選挙に勝ったことを受け、安倍さん直ちに電話会談をして、17日にニューヨークにこちらから出向いていって、就任前ですけれど、トランプさんに会うという約束を取りつけました。小池さんはこの動きをどう見ますか?」
小池議員
「それは一刻も早く関係を、今までまったくなかったでしょうから、それはそれでいいと思いますけれども。やっていることはチグハグだと思いますね。TPPは撤退すると言っている(次期)大統領ではないですか。それが決まった時に本会議で強行すると。これはある意味では、喧嘩を売っていることにもなりかねないですね。そういう意味では、何かやっていることがチグハグだなという感じがしますね」
反町キャスター
「安倍さんは、トランプさんにTPPを詰め寄るべきかどうか」
小池議員
「そんなことをするのは外交上のルールに反することになるのではないですか。向こうは明確に撤退すると言っているわけで。何をいったい言いに行くのか、わかりませんね」
西部氏
「僕は、小池さんが言ったこととほぼ同じなのだけれど、自民党側の論理は破綻しているんですよ、あるいは親米派の論理も。僕の記憶では、彼らがTPPを弁護する時に持ち出した最後の論理は、日米同盟の強化のためにTPPをやる。と言うのは、いろいろ経済問題その他を分析していくと双方にとって傷だらけになるんですよ。そういうことを経済学者さんが追及すると、答えられないものだから、日米同盟が大事でしょう、アメリカが欲しているのだから、それに応えて。そこにヒゲの佐藤さんまで出てきて、たとえば、リスクを共有すると、その一環としてTPPまで持ち出して、ところが相手が嫌だと言っている時に、おまえさん方、日米同盟強化論に基づくTPP擁護の論理はなんだったのだという、ここまで公然と嘘がまかり通る国には、明日から住みたくない」
小池議員
「アメリカが指し示す方向に進んでいけば間違いがない、アメリカの要求に応えていけば間違いがない、アメリカの想いが何なのかを忖度してそこに突き進むと、そうやってきて、今度はアメリカが拒否したものに、アメリカの亡霊に向かって、恭順の意を示すみたいな、ちょっと異常ではないですか、このやり方というのは」

評論家 西部邁氏の提言:『自主・独立 (防衛)』
西部氏
「僕は簡単で、善かれ悪しかれ、日本人として生まれて、日本語を使って生きてきた日本人としては、日本の自主・独立のための防衛。防衛だけではないですけれども、自主憲法も含めて。そういうことをしっかり、時間がかかるかもしれないけれど、つくると。決めると」

小池晃 日本共産党書記局長の提言:『安保廃棄』
小池議員
「日本の自立、独立を阻んでいるのは日米安保条約だと思っていますし、それを廃棄して、友好条約と。戦後レジュームからの脱却というのはまさにこれだと思いますし、今回のアメリカの大統領選挙を受けて、いよいよこのことを正面から議論して、沖縄の基地の問題も解決するという道に進むべきだと思っています」