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2016年11月8日(火)
ヒラリーかトランプか 大胆予測!米大統領選

ゲスト

岡本行夫
外交評論家 マサチューセッツ工科大学シニアフェロー
手嶋龍一
外交ジャーナリスト 作家
三浦瑠麗
国際政治学者

アメリカ大統領選挙 米国の明日はどちらに?
秋元キャスター
「投票日の最後の最後になってもどちらになるのかがわからない選挙戦ですけれども、クリントン氏、トランプ氏をどう見ていますか?」
岡本氏
「僕は、ずっとクリントン氏が勝つと、トランプ氏が勝てる地盤はないと言ってきちゃったので、クリントン氏に勝ってもらわないと困るんですけれども。わかりません。もちろん、番狂わせというのもあるのですけれど、アメリカのメディアが言っているのは、いろいろな世論調査の数字がありますけれども、激戦州、つまり、両者の間が1%ぐらいで拮抗している州としてペンシルベニアとフロリダ、ノースカロライナ、3つを上げて、もう1つ、アイオアがあるのですけれど、アイオアは選挙人が少ないということで。そうすると、全てをトランプ氏が獲らないと勝てないという、クリントン氏が固めている州の選挙人の数において、となるとなかなか難しいのではないのというのをアメリカのメディアは今の段階で言っていますけれども、まだわかりませんね。第一、元になる世論調査の支持率というのは、調査機関も3%ぐらいの誤差があると認めていますので、何が起こっても不思議ではないということですね」
手嶋氏
「東アジアの安全保障を見ている者から言うと、トランプ候補がもし政権の座につくみたいなことになると何が起こるかわからない。大変懸念すべき材料なので、従って、たぶん世界のためになることは危険だと、敢えてキチッと申し上げたいと思いますけれど、その点で言うと、クリントンさんが獲っている数だけで言うと少し多いような気がしますけれど、仮にオハイオ、フロリダ、ノースカロライナというところをトランプ候補が獲るということになると他の周辺のところも、勢いがあるということを意味するんですよね。従って、踏みとどまれるのかどうか、クリントン候補が、ということになるのだろうと思います」
三浦氏
「現在のところ、上げ潮にあるのはトランプ氏だというところで、実は支持率を見ると、上げ基調ですね。上げ基調にあるところで、どのくらいこの数日でトランプ氏に投票しようとする人が増えたかという問題もありますし、あとヒラリーさんに嫌気をしている民主党支持者、サンダースさんに投票したような方々がどのくらい投票に行かれるのかと。これは、私が取材したところでは、トランプ氏が負けそうなら行かない。だけど、本当に負けるのなら行きますと。そうすると、ヒラリーさんが勝つから行かないよという人も出てくる可能性があると」
秋元キャスター
「政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスによる支持率を見てみますと、7.9ポイントですね。クリントン氏がリードしていたのですが、今はクリントン氏が47.2%、トランプ氏が44.2%とその差は3ポイントまで接近しているんです。大統領選の当落は各州の選挙人の獲得数によりますので、この世論調査の結果は一概に参考にはならないと言われていますけれども、終盤にきてトランプ氏の猛追、岡本さんはどのように解釈されますか?」
岡本氏
「世論調査では必ずしもわからないですね。前回のオバマとロムニーの戦いは、確か1%の差です。それでも選挙人の数で言ったら130人ぐらい差がついちゃいましたので、だから、3%の差というのは、そういう意味で、かなりクリントン氏が有利なはずなのですが、ただ、州ごとにいきますと、これはわからないですね。メール問題がどう響いているかね。期日前投票というのが今回、すごく多いでしょう。フロリダ州というのは激戦州中の激戦州ですけれども。期日前に済ませてしまっているという、FBIの長官が問題なしと、クリントン氏は訴追されないと発表する前の、1番もやもやとする時期に投票に行った人達には少なからず影響を与えたでしょうから。そういう人達の票は既に投ぜられているので、そこがどうなるかわかりませんね」
反町キャスター
「トランプ陣営は、ニューヨークとか、カリフォルニアとか、鉄板で、どうにもならないところは全然まわらずに、自分が行けそうなところ、ひっくり返したら何とかなるというところだけを集中的にまわっていれば、3ポイントだろうと、5ポイントだろうと、選挙戦としてのまわり方次第によっては十分射程圏になるという話ですか?」
手嶋氏
「おっしゃる通りですね。特にミシガンがその典型。ミシガンは暫くの間、接戦州に入れているところもありましたけれど、本当に接戦になっているんです。3回のテレビ討論では激戦州、オハイオとともにミシガンの名前を挙げていると。これはトランプ氏の支持層、プアホワイトと言われる、高校を出て、すぐ働いている人達、1番外国の企業からの攻勢にさらされているという人達が多いですよね。一貫して行っているという点で一種の選挙上手でもあるんですね。しかも、少し前、ミシガンは、クリントン陣営は獲ったと思っているはずです。そこにドンとあらわれ、本来獲らなければならないところをまさに防戦にまわらなければいけないということになって、ちょうど将棋とか、碁というものに似ていると思います」

カギ握る激戦州
秋元キャスター
「今回、カギを握る州は、オハイオとフロリダとノースカロライナとおっしゃっていますが、どういうことでしょうか?」
手嶋氏
「しばしば言っているように、オハイオは必ずしもジンクスではないんですね。オハイオを制するものはファイターズを制する、これはアメリカの縮図ということになります。現に1964年以降、ここを落として大統領になった人はいない。明らかに重要ですね。ですから、従来だとオハイオを獲った者が勝つということでやるのですけれども。フロリダを見ていくとフロリダは29人と大変多いし、2000年の大統領選、ゴア対ジョージ・W・ブッシュ、髪の毛1本差の主戦場になりましたから、ここも是非獲りたいと。オハイオとフロリダの2つを獲って、大統領に当選しないというのは、従来の積み木を積み上げていくという、270というので言うと、ほとんどあり得ないと思いますが、今回はオハイオとフロリダを仮にクリントン陣営が落としたとしても、ずっと周りを積み上げていけば、大きなところを押えていますからね、ニューヨークとか、カリフォルニアとかを含めて、ギリギリ勝てるかもしれない。ノースカロライナもトランプ氏に仮に獲られたとしても、15人は相当な数ですね、3つだと相当苦しくなりますね。でも、少し土俵に残っている。そのためには、ニューハンプシャーというのは本来、ブルー(民主党)でなければいけないと思うのですけれども、そこは4で、ニューハンプシャーあたりがもしかすると、ここが最後どちらに転ぶのかで決まるのかもしれません。ただ、ニューハンプシャーは比較的早く票が開きますし、票数が少ないので、最後そこでいろいろ争いになるということではなくて、当確を打つ立場から言うと、西海岸が遅いですから、激戦州のところでコロラド、ニューメキシコあたりがということにはなるわけですけれども、時差のことを考えなければ、ニューハンプシャーというのは、案外1つ大きな山場になるかもしれない。ミシガンもそう…」
反町キャスター
「ニューハンプシャーがカギというのは、選挙人の獲得数の差が1ケタの差で勝ち負けが決まるという意味ですか?」
手嶋氏
「ニューハンプシャー州がどちらに転ぶかということも、オハイオ、フロリダ、ノースカロライナがもしトランプ陣営に流れるということになれば、それだけで現在、203がクリントン陣営、共和党・トランプ陣営は164ですね。その限りではトランプ陣営が上にいくということになります。他のところで集めなければいけない。その時にどうしてもクリントン陣営から言うと、負けるわけにいかないのはニューハンプシャー」
反町キャスター
「10月から直近までのフロリダにおける支持率の流れですが、トランプ候補がワーッ上がってきていると見るべきか、クリントン候補が非常に上下動が激しいと見るべきか、クリントン候補の苦戦をどう見ますか?フロリダでこれほど苦戦しているのは?」
手嶋氏
「一言で言うと、どうしてもクリントンさんでなければいけないという固い支持層がなくて、従って、メール問題がちょっと動く、そしたらまた動くということになっているんですね。パックンとこの間、テレビ討論から帰ってきた直後に対談をしたんですね。ネイティブスピーカーだし、メモしてパックンの話を聞いたのですけれど、言葉について語っていまして、ヒラリー・クリントンさんはシカゴの郊外の出身。典型的な中産階級の出身ですが、シカゴの出身であれば、ネイティブな人が聞いたら、どこかで時々シカゴなまりというか、そういうのがある。自分は言葉を仕事にしているのですぐわかると。まったくないという言うんです。中立的、もしくは透明。これだと心が動かないという大変鋭いことを言っているんですね。シカゴ・カブスが108年ぶりに勝ちました。広島は30万人ですけれど、シカゴでは500万人のデモが出たという時で言うと、シカゴ・カブスと広い意味でシカゴ出身のヒラリー・クリントンさんと重ね合わせて、そこに行くとか、これはきっとプラスになるという話が出てもいいのですけれども、まったく出ないんですね。つまり、シカゴの郊外の出身だという人もまったく忘れちゃっている。これは個性がないということですよ。こういう人は選挙に弱い。従って、先ほどのフロリダのところで激戦州であれば、激烈な争いがある、そういうところで言うと、ちゃんと支持層を握って離さない、この力が弱いのだと思います」
反町キャスター
「三浦さん、フロリダを見たそうですけれども、どんな印象を持ったのですか?」
三浦氏
「フロリダでまわってみると外に出ている人はお年寄りでなく、現役の方々ですよね、たまたまつかまえた人、30人、40人かな、全部トランプ候補支持で。豊かな地区だったと思うんです、ファーマーズマーケットができて。その人達は必ずしもヒラリー候補支持ではない。ただ、高齢者住宅で、ケア付住宅に住んでいるような方々は固いクリントン支持で、これは年金生活に入ってしまって、これ以上自分の人生の悪化を目指さなくていいという人達はクリントン氏の現状維持を望んでいる。しかし、そうでない人達に関して言うと、豊かな層は共和党支持に流れがちなわけですよね。ヒスパニックに関して言うと、実はトランプさんというのはかなりメキシコを攻撃したことでも有名になりましたけれども、そんなに共和党の中ではヒスパニックに対して敵対的ではなかったんですね。リベラルな方だったわけで、だから、トランプ候補の企業に勤めていた人もいるし、そんなに嫌いというほどでもなかったんです、肌感覚で言うと。ただ、統計的に見ると、フロリダでは長らくトランプさんの方が、支持率が低かったですね。ただ、ここにきて上院選を見ると、ルビオさんは、4位ぐらいまでつけた、フロリダではルビオさんがどうも接戦で勝ちそうだというところなので、ここまで持ってきたのは、先ほどの話に戻してみると、トランプさん随分よくやったという考え方もできるわけです。ヒスパニック、黒人、この人達が相当増えてきているので、これまで明らかに共和党が主だったところでも民主党に流れがちであると、しかし、フロリダのような州を獲れたり、もしかしたらミシガンまで獲れるかもしれないという、これはトランプさんのイレクタビリティというのですけれど、当選可能性、年明けぐらいのアメリカのメディアでは、ヒラリーさんの次につけていたんです。つまり、まだどの党も代表を選出していない段階で、ヒラリーさん、トランプさん、ルビオさんという。ルビオさんが選ばれたのは、キューバ系移民のヒスパニック系の人だからですけれども、そのぐらいヒスパニックを大統領候補にするぐらいのゲームチェンジをやらないと、もともと共和党はかなりつらいところまできている。だけど、ここまでトランプさんがやってこられたというのは、彼のこれまでの政党のラインに沿っていない考え方、それから、皆さん、トランプ支持者を非難されるのですけれども、ブルーカラーの白人労働者階級ってもともとは民主党を支持していたわけで、民主党を支持している元労組の人達というのを非難するというのだったら、民主党を非難しなければいけないわけですよね。そこらへんはダブルスタンダードがメディアにはあるのかなと思いますね」