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2016年10月28日(金)
TPP自公民共が激突 強行採決?審議の行方

ゲスト

西村康稔
自由民主党筆頭副幹事長・総裁特別補佐 衆議院議員
上田勇
公明党政務調査会長代理 衆議院議員
篠原孝
民進党衆議院議員 元農林水産副大臣
畠山和也
日本共産党衆議院議員

『TPP』自公民共『激突』 強行採決?審議の行方
松村キャスター
「TPPとは、環太平洋経済連携協定の略称で発効されれば、世界のGDP(国内総生産)の4割を占める巨大経済圏となります。今年2月に署名したのは12か国で、現在、協定発効に向けて、各国で国内手続きが行われています。日本でも、今月14日から衆議院のTPP特別委員会で審議が始まっています。いつ衆議院を通過するかという点に注目が集まっているわけですが、まずは篠原さん、今日も質問に立たれていましたけれど、審議は尽くされたと考えますか?これまでをどう見ていますか?」
篠原議員
「全然尽くされていません。なぜかと言うと、TPPは、私は霞が関と永田町で44、45年仕事をしています。これだけ膨大な内容というのは初めてです。前回の通常国会の時、わざと英文と日本文の資料をその時、横に置いたのですが、僕の顔が見えなくなるぐらい、このぐらいあったんです。内容も農業が多いと言われていますけれども、資材、石材、ISDS、医療、それから、人の移動から電気通信から食の安全の規律をする、SPS、食、動物の検疫、内容が豊富です。なおかつ秘密交渉できましたから、内容が我々だって、そんなに知らされていないです。国会の役割は審議を通じて国民に内容を問題点も明らかにし、メリットも明らかにしていくべきだと思います。ですから、私は、史上最長の審議時間があってもおかしくないと思っています」
反町キャスター
「畠山さんも、篠原さんが言われたみたいに、秘密交渉なのだからと、その部分、もっと情報公開をすべきだと、そこは同じですよね?」
畠山議員
「そうですね。どんな時にもなかなか交渉の途中の中身は出ないということは一定の理解はできますけれども、ただ、農産物にしても随分と関税が下がるわけですからね。なぜそうなったのかということは一定の話が出てこないことには生産者も納得しないのではないかと思います」
反町キャスター
「この2点ですよ。要するに、情報の公開。それから、もう1つ、これだけのボリュームがあるものだから、時間をかけるべきだ。この2点。どちらかと言うと副大臣として聞きたいぐらいですけれども、どうですか?西村さん」
西村議員
「まず情報の開示については黒塗りで塗りつぶされていますけれども、これは具体的なやり取りがなかなか示せませんので、そこはご理解をしていただきつつ、できる限り、内容は開示していますし、結果については全てオープンにして、もちろんですし、この質疑の中で、かなりやり取りがなされてきています。時間数もちょっといろいろな数え方がありますけれど、来週月曜日まで審議が決まっていますので、これを足し合わせると、参考人とか、地方公聴会にも行きました。北海道、宮崎も行きました。参考人も月曜日で3回やることになります。参考人質疑もですね。足し合わせると35時間ぐらいになるのではないかと思いますけれども、前国会で23時間ぐらい審議をしていますので、足すと50時間を超えてきています。私は審議が深まってきていると思っています」
反町キャスター
「篠原さん、農水省にもいたので、そこの部分、開示できる部分と開示できない部分があるのだよという政府、自民党ですけれども、この答弁、理解できる部分というのはありますか?」
篠原議員
「たとえば、ウルグアイラウンドがありますけれど、EU(欧州連合)は、日本は、アメリカはその都度出てきて、オープンにされて、それでこれは飲める、飲めないとやっているわけです。TPPの交渉は史上初だと思います。これだけ秘密交渉でやってきたのはですね。TPPはいろいろ問題があって、わけがわからないですし反対する人達も多いわけです。私は17 日の審議の時にやったのですけれども、どちらとも言えない人というのがこの4、5年、ダーッと正直、増えているんです、すごく、世論調査で。いいのかなと思ったのだけれども、よくわけがわからなくなってきてしまったと。総理は説明し尽くすと言っています。あまりそれが進んでいないです。300回の説明も農業関係者中心に行われたんですよね。一般の人達に、たとえば、著作権とか、特許法とか、大きく変わるわけです。そういった内容などは全然知られていないですから。それは明らかにしていかないといけないと思います」
反町キャスター
「上田さん、いかがですか?わからない人が増えているという篠原さんの指摘は」
上田議員
「TPPが広い分野に渡るルールを決めることで、世論調査して、わかりますかと言っても、なかなかこれはいくらやっても、これで納得をしましたと、まず言葉の意味からやっていかなければいけないことなので、そこは概念的にご理解いただくということが非常に重要なのだろうと。もちろん、そういう実際に直接、仕事として携わる方、そういう人達のところには、関係するところはきちんとご理解といただくということが重要ですが、一般の人達は直接、関係ない人という人は、まずこれは何の話なのというところから理解していただくというのはなかなかそれは難しい話で、ですから、そこはこういう大筋の話をきちんとご理解いただくということが重要であり、そこの部分は、かなりご理解をいただいて進んでいるのではないのかなと思っています」
松村キャスター
「TPP協定発効のためには、アメリカの国内手続きというものが不可欠ですけれど、次期大統領候補のクリントン氏とトランプ氏の発言なのですが、クリントン氏は、私は反対する、選挙後も大統領として反対する。トランプ氏は、アメリカの労働者を傷つけ、自由と独立を制約するいかなる貿易協定にも署名をしないと、2人ともTPPには否定的な発言をしているわけです」
西村議員
「日本にしてみれば、自由貿易、自由な投資、経済環境があって初めて日本は繁栄を続ける国だと思いますので、そういう意味で、リーダーシップをとって、日本の国会でやらなければいけないと思っているわけです」
反町キャスター
「急ぐ必要があるのですか?アメリカの結果を待ってもいいのではないですか?先頭を切ってやる意味はどこにあるのですか?」
西村議員
「日本がやらなければ、他の10か国、アメリカと日本を除いた10か国が様子を見ています。アメリカの様子を見ています。日本の様子も見ていますから、実は協定について国会承認が要らない国もありますので、協定自身はもちろん、協定自身と国内対策、両方必要ですけれども、協定について言えば、日本が行えば、あとは他の国々、必要ない国もありますので、オーストラリアとか、カナダとかを足し合わせれば、85%、6か国以上になりますので、アメリカが入ってくれば。ですから、あとはアメリカだけという環境をつくれますので、再交渉も、これはしないと。中身を変えることはないという姿勢も示す必要もあるし、これは示せます。日本としては成長する経済を取り込んでいくという意味で、これも是非、必要です」
反町キャスター
「篠原さん、どうですか?先んじてやることに意味があるという、西村さんの話。どう感じますか?」
篠原議員
「まったく意味がないと思います。と言うのは、マレーシアは、国内事情で、ナジム首相というのは政権基盤が強くないですが、慌てて承認しましたけれども、他の国は様子見です。西村さんは、日本とアメリカの様子見と言いました。あまり日本の様子は見ていなくて、アメリカの様子見だと思います。ですから、急ぐ必要がないので、その間にじっくり議論をしていけばいいと思います。それから、1番はライアンという将来、大統領候補になると言われている共和党の下院議長が絶対無理だと。下院、上院の議長というのは日本で言うと、甘利前TPP担当大臣が言ったのですが、自民党の幹事長と政府の官房長官を兼ねたような人だと。大パワーを持っているんです。審議している時に。そういう人がダメだと言っていますし、非常に難しいのではないのかと思います。現実問題として」
西村議員
「1つだけ。ライアン議長はダメだとは言っていないですね。通らないものを持ってくるなという言い方をしています。だから、裏返して言えば、ちゃんと根まわしして、ちゃんと通る環境を整えて持ってこいということを言っていますので、全てはこの11月、12月にかけて、しっかりオバマ大統領、それから、フローマン代表にしっかりと根まわしをして、説明して、必要なこともやって、持ってこいよという、むしろ彼は自由貿易賛成です。私も会いましたけれど、基本的にTPPに賛成ですから。推進するということを明言されていますので。全体の環境を見ると、そういう環境にはないけれども、しっかりと根まわしをして持ってこい、ということだと思います」

輸入米『調整金』問題
松村キャスター
「TPP承認案を巡る国会審議、与野党対立の主な論点となっているのが、こちらです。輸入米の調整金問題、それから、重要5項目への扱いです。こちらの輸入米の調整金問題について問題点をまとめてみました。説明します。国産米に比べて、非常に安い輸入米を、国内で流通させるにあたり、適正な価格にするための仕組みが、この同時売買入札、SBS方式です。入札には国が介在し、原産国から輸入する商社と、実際に国内市場に販売する卸業者がペアで参加します。こちらはあるケースですけれども、商社は国への販売価格を1キロ145円で入札。卸業者は国から1キロ194円で買うと入札しました。この差額の最も大きいペアが落札します。国は、商社から145円で買って、卸業者に194円で売りますから、差額49円が儲かります。この49円を農家への保障費として使うわけです。問題はここからです。実はこの商社は、自社の利益も含めて、1キロ105円で原産国から輸入米を調達できます。そこで国への販売価格の145円との差額である40円。これを調整金として卸業者に渡す約束となっています。卸業者は194円を払っていますが、商社からこの40円を受けとりますので、実際は154円で輸入米を調達できることになります。そこで国内市場には、この154円プラス利益で乗せた額で売り出されるということになるんですね。つまり、194円以上の額で販売されることが想定されていましたけれども、実際にはそれよりもかなり安い額で流通されたというわけです」
篠原議員
「これはマークアップと称していますけれど、国の収入になるわけです。この194円というのは、これが大事でして、だいたいこの額だと、国産米の同じような低価格米と同じぐらいの値段で、国産米価格を押し下げる要因にはならないだろうという、SBS米が。194円の、利益10円でも、15円でもいいですけれども、200円ちょっとだったら国産米とだいたい同じ価格だからというので、目安で、ここで国はこれを認めているわけです。ところが、40円が簡単に言うと裏金です。裏金があるので、154円プラスでやってしまうと、210円ぐらいで国産米の低価格米が売られているのに、それが160円ぐらいだから、皆、こっちにいって…」
反町キャスター
「本当だったら210円ぐらいになるはずのものが160円ぐらいでいってしまうと」
篠原議員
「50円の価格差があると、国産米の210円は下げてくるわけです。確実にそうなっていくはずです」
反町キャスター
「量的には大したことはなくても、ここの160円という安いおコメが、日本の米市場に流入することによって、日本全体の国産米も含めた全体のおコメの値段を押し下げる効果がある。それが日本の農家の収入を圧迫する、これが良くない?」
篠原議員
「そういうことです。少ない、たかだか10万トンで800万トン近くを消費しているので大したことないではないかと言われますけれども、低価格米は、どこから低価格というかは別にして、そんなに多くないわけです。たとえば、100万トンだとすると1割になるわけです。これはそういう価格、商売をやっている人達には明らかですけれども、牛肉の場合でも、オージービーフやアメリカの(牛肉)そんなに高くない肉が入ってくると。これの価格が安かったらA5と言われる1番高いのだって、値下げの要因になるんです。連動してくる。価格を預かっている人達の常識です。だから、少ないし、大したことはないと言うけれども、大影響かと言うと、そうではないかもしれませんけれども、相当ボディブローが効いてくるわけです」
反町キャスター
「そうすると、篠原さん、この全体の流れの中で、問題はこの調整金、裏金と言いましたけれど、これがなければ、普通にこれがこのまま194円プラスでいったら、たとえば、210円と先ほど言いましたけれども、この値段で国内市場に行くだろうと。この金額だったら問題はないのですか?」
篠原議員
「そうです。だから、国はこの金額プラスアルファーで売られるだろうということでOKをしているわけです」
西村議員
「最終価格、ここ210円にしますか、仮に。国内相場が、この前後でしょう、おそらく。国内相場がこのぐらいだから、このぐらいが想定されるのですけれども、それよりも多少安い方がいいのでしょうけれども、何でわざわざ40円も50円も下げなければいけないのか。そうしなくても売れるわけですよ。できるだけ、この人達が安く売ろうというか、利益を上げたいわけですから、この人も、この人も。わざわざ40円を出して、利益込みと書いてありますけれども、105円で買うけれども、国から40円もらえるものを全部吐き出して、この人に渡してできるだけ安く売ってくださいと」
反町キャスター
「輸入米の価格競争力をつけるための調整金という意味ですか?」
西村議員
「輸入米の価格競争力、しかし、国内相場が200円とか、210円である以上、わざわざ40円も50円も下げて売る必要はないわけです。できるだけ高く売りたいと、当然、利益を上げたいと思うわけですから。現に113社、調べて、調整金のようなものが残っているのが11社ですね。かつてやっていたというところはありますけれども、国内の、国産米の相場に応じてこの価格も引きずられていきますので、確かに国産米が高い時はニーズがありますから、量は出ます。10万トン、いっぱい、いっぱいいきます。安い時は、10万トンいっぱいにいかずに1万トンとか、2万トンという年もあるわけです。つまり、ここの価格に引っ張られていますので、わざわざそんなに値下げしなくてもいいわけです。かつ先ほど言われましたけれども、800万トンうちの1%ぐらいですから、全体としては、影響は少ないと」
反町キャスター
「そうすると、篠原さんは量的には大したことはないにしても、210円という極めて安い、この場合で言うのだったら、154円ですよ。極めて160円という極めて安いコメが入ってくることによって、日本の米づくり農家の収入を圧迫するのだと、ここはどうなのですか?」
西村議員
「品質もありますから、その品質、それから、どういうコメの種類がほしいかというのもありますので、確かに長粒子とか、中粒子と言われる、タイ料理とか、インド料理とか、いろんなところに流通がありますから、小売店があるでしょうから、そういう意味で、もちろん、そういうマーケットもあるのですけれども、この人達は1円でも安く売りたい。ちょっとでも安く売りたいと思っているけれど、むしろ利益を上げたいというのは当然のことですので、国産米が高い以上、わざわざ40円も50円も下げて売る必要はないわけです。高く売れるわけですから」
篠原議員
「売れないです。外国米は入れないから、安くしないと買ってくれないので、安くしているんです。それで安いのが続けば、外米だけを使っているところはほとんどないです。混ぜてブレンド米にしているんです。そうすると、安いのにブレンド米で工夫してやればいいと、恒常的に使っていくようになって、それがずっと恒常的に入ってとなっていくんですね」
上田議員
「ボリュームの問題で、先ほど、篠原さん、少量だとおっしゃった通り、日本のコメの、だいたいマーケットというのは800万トンですね。その輸入米というのは、77万トンと言われています。そのうちのSBSを使っている主食用というのは10万トンですね。輸入が77万トンのうちの10(万トン)ですから、1%未満ですね、需要から言えば。と言うのは、10万トン全部使われていない年の方がむしろ多いぐらいですから」
反町キャスター
「年10万トンというのは、マックス、可能性があるという意味ですよね?」
上田議員
「そうです。上限ですから。だいたい年間4回ぐらい入札するんです。それで10万トンにいかない年には、もっと回数を増やして入札するのだけれども、それでも1番少ない時というのは1万2000トンぐらいですね。ですから、その全体の価格に影響するというボリュームでは、まずない」
反町キャスター
「畠山さん、この10万トンが、日本の米農家を圧迫するような価格破壊能力を持っているのですか?」
畠山議員
「だから、その価格にどういう影響を与えたかの解明が焦点ですね。843万トンですけれども、輸入のSBSは、主に業務用米、加工用ですから、それで言えば、国内の200~300万トンの間になるから、比率は高くなるんですよね。ですから、そういう点で、どういうような影響があったのかということに1つの焦点があると。しかも、TPPとの関係でいきますと、このマークアップが入って、輸入米も国産米とだいたい同じ価格で流通しているから、新しいおコメが入っても、政府が日本のおコメを備蓄して、買い取りますと。だから、新しく増えたおコメは流通しても影響がありませんというのが政府の試算の前提ですよ。でも、その前提が安いおコメ、実際に入っていたではないかというのであれば、前提が崩れることですので、いったいSBSの価格偽装疑惑というのは、本当はどうなのという解明をしなければ、TPPの前提という話にかかわってくるというのが、焦点だと思っています」
反町キャスター
「上田さん、これは別にコメを食べる側からしたら、はっきり言って、何ら困りませんよ。安いコメの方が選択の幅が増えて、もともとTPPの根本理念は、それではないですか。何ら困らないですよね?そういうことは確認できていいですよね。この部分で。問題だ、問題だと言っているのは、コメ農家の皆さんから見た時に、これは営業妨害に、インパクト与えるかもしれない。それで皆さん、懸念されている。これでいいですよね?そういうことですよね?」
上田議員
「そうです」
反町キャスター
「篠原さん、消費者の立場というのはどうなっているのですか?そこは。安いのを買いたい?」
篠原議員
「安い方がいいというのは当然、あると思いますけれども、でも、短期的にはそうでしょうけれども、そうやって日本の農家を痛めつけたら、やがて少なくなってしまうではないですか。それは消費者も支えるということですね」
上田議員
「確かに一部、小売りとかで安い値段で輸入米で出てるのがあります。ただ、その量は限られていますから。個別にはそういう影響が出ているところというのは、私も見たことはあります。でも、全体の価格には影響していないということで、それは消費者の立場が、これは安いものがいいのか、高いけれども国産がいいのかというと、現在見ていると、実は多少、お金を払っても品質の良いおコメを買いたいという消費者が多い。だから、問題がないということだと思います」

重要5項目は守られたか
松村キャスター
「重要5項目への扱いです。農林水産省のまとめによるとコメは関税を維持しますが、アメリカに7 万トン、オーストラリア8400トンの無関税枠を新設。麦も維持ということですが、アメリカ、オーストラリア、カナダに合計25万3000トンのSBS枠を新設。牛肉は16 年間で段階的に関税率を削減。豚肉は10年かけて一部の関税を撤廃します。バターや脱脂粉乳は関税を維持、チーズなどは最長21年かけて関税を撤廃します。また、乳製品全体で、生乳換算7万トンの低関税枠を設けました。甘味資源作物は関税を維持しますが、高糖度原料糖については撤廃するということです」
反町キャスター
「畠山さん、いかがですか?今回の5項目に関する政府のとりまとめ。この決議を反故にしているものなのか、どうなのか?まずはそこからです」
畠山議員
「2つのこと、いろいろあると思うのですけれど、提起しておきたいのは、1つはそもそも除外、または再協議としていた政府の姿勢が問われると思うんですよ。これは、私、質問をしましたけれども、TPPには除外も再協議も協定の中には入っていないですね。例外というものを勝ちとったというのが理屈になっています。ただし、このような国会であげた決議をちゃんと交渉で言ったのかということについては、交渉のやり取りですからと言って、言い訳ですけれども、それは言ったか、言わないか、最初に政府の一言を聞きたいだけですので、そこについても明らかにしないのでは、いったい守る気があったのかというのが1つです。もう1つ、実際に出てくる、このような対策で、牛肉の話です。38.5%の関税が27.5%に下がると。安い牛肉と競合するのが、私、比例北海道の選出ですけど、ホルスタインなどですよね。安い牛肉が入ってきましたと、いったんやめましょうというセーフガードをかけます。でも、それはだんだん下がって関税率、セーフガード発動基準に、それが発動される頃には、実際に牛肉の自給率は20%とか、最大10%、16年目まで、なるのではないかと、私達は試算して、この間も質問したところです。実際セーフガードが発動できる条件をつくったと言うけれども、その時には国内の酪農、畜産においては大きな影響が与えられるのではないかと。実効性については非常に疑問があると」
西村議員
「我々としては、この聖域5品目の本当に大事なところは守っている。まさにコメの関税を維持して。先ほど、SBSに入れることはしましたけれど、しかし、それ以外のところはしっかりと守っていますので、だから、麦もそうです。牛肉も関税を削減しますけれども、撤廃はしない、等々、我々としては本当にコアなところ守って何を撤廃したかと言うと、輸入実績がないもの。よく言われるのはキャッサバイモとか、いろいろとあるのですけれども、それから、牛タンですね。これも国内の牛から採れる量が限られていますから、これは輸入しても影響はないと。こういったものについては撤廃しますけど、国内農業基盤を維持していくのに必要なものについては守っているというのが1点目ですね。それから、関税を下げるにしても、牛肉の関税も下げますけれども、16年間かけて、長い間かけて下げるということですし、畠山さんおっしゃったような、急激に下げていく中で輸入が増えるとセーフガードが発動されて、関税が戻るという仕組みになっていますので、そういう意味で、この発動の基準も緩めましたから。10%輸入量が増えれば、発動されますので、そういったことを通じて対策を講じている。プラス、マルキン制度という、所得が減った部分の補填する仕組み。これは9割を補填すると。しかも、国が4分の3を出すというような仕組みもある中で出すという仕組みも入れましたので、そういう意味で、かなりの対策を打っているということです。もう1点は、オーストラリアとのFTA(自由貿易協定)が既にスタートをしていまして、関税はもう10%ぐらい下がっているんです、牛肉については。でも、国内の価格がどうかと言うと、国内の価格はまさに競合する安い肉でも、これはあまり下がっていないです。これは国内の供給体制が少し高齢化して、弱くなっているところもありますので、全体としての需給は引き締まって、むしろ牛肉の値段が上がっているぐらいの感じですので、そういう意味では、これから先の予測は非常に難しいですけれども、我々、輸入が急増しないようにしないといけなければいけませんが、輸入が増えたとしても、価格が下がって国内の農業基盤がダメになるというよりかは、高齢化で携わる人が減って、供給が減っていくことで、むしろ価格が上がることも心配をしなければいけないということです。その意味で、今回様々なTPP対策で大規模にやれる人とか、若い担い手が参入してもらって、畜産業をやる。こういった仕組みにも応援していこうということでやっているわけですね」
反町キャスター
「僕らが調べるとこういう数字が出てくるんですよね。TPPによる農林水産物の生産減少額。年額にして1300億円から2100億円ぐらいのダメージがあるのではないか。けれども、放って置いて自然の状態でも年間500億円ぐらい農業生産高というのが落ちていて、それに対してTPPによって、さらにこれで言うのだったら、800億円から1600億円ぐらいの、TPPによる減少増というのがあるのではないかという、ここの部分はTPPによって明らかに日本の農業がダメージを受けたという言い方、できますよね?」
上田議員
「一定程度は言えると思いますよ。これは輸入品が、どうしても増える可能性が高いですから。その分、国内の生産、需要がそんなに伸びないわけですから。国内生産が減るということは、これは避け難いことだと思います」
反町キャスター
「篠原さん、これは、篠原さんから見た時、この農生産減少額というのは、どう感じているのですか?これは日本の農業にとって致命的なものですか?」
篠原議員
「致命的ですね。1300億円から2100億円とやってありますけれども、2013年の時はもっと、3兆円のマイナスになると言ったんです」
反町キャスター
「あの時は、でも、要するに、政府の中の議論が割れていて、進めたい役所と止めたい役所の間で、止めたい役所が大きく膨らませてと…、そこは言ってはけないのか」
西村議員
「関税ゼロからですからね。完全に撤廃ですから」
篠原議員
「客観性がアメリカの中にITCというのがあるんです。インターナショナル・トレード・コミッションというのがあって、そこが5月の18日に、TPPの影響試算、そういうものを義務づけられていて、その客観的な数字を出しているのですが、彼らは非常に厳しい見方をしています。アメリカにはメリット、プラス0.15%ぐらいだと言っているんですね、GDPで。日本についても書いてあるんです。農産物輸出が7920億円増えると。そのうちの半分以上の3960億円は日本向けだと。日本向けに、アメリカだけで農産物輸出が3960億円も増えると。それは1番金額で大きいのは豚肉です。牛肉と言われていますが、豚肉はオランダからとか、メキシコとか、カナダの方から輸入していますけれども、豚肉が多いです。それは確実に、上田さんも言われましたけれども、確実に輸入が増えることになります、関税が下がるとですね。これはどんなに国内対策を講じても影響は免れないです。1番良いのは関税を高くしておいてもらうのがいいので。関税が邪悪で悪だと決めてかかっていますけれども、各国の事情が違いますから、あって然るべきものだと思います」
反町キャスター
「その話は、そもそも論で、TPPという…そこですよね」
篠原議員
「これはニュージーランドやチリが口癖のように言う。そもそもゼロにすると入ってきたのに、何をぐちゃぐちゃ言っているのだと。ずっと言われ続けてきたんですね」
反町キャスター
「その部分というのはこうなっちゃうと、西村さん、この話はそもそもTPPの入口の時にずっとやっていた議論でしょう」
西村議員
「だけど、まさに関税、まったくゼロ、100%ゼロしようというのがもともとのTPPだったわけですけれども、結果的に、日本以外の国はほとんど100%に近い形で、100%のところもありますし。でも、日本にとってみればまさにこういう品目、聖域と言われる5品目を中心に、日本の農業基盤は規模が全然違いますから。オーストラリアなどは、日本の、農家の規模の1000倍ぐらいを平気でやっているわけですから。それは全然、競争力が違いますので、日本として、そこはギリギリ守ろうというところで、これだけの例外品目、2割近い例外品目をとったということですね。ちょっと1点だけ。篠原さんがおっしゃった、アメリカの、貿易のITCのレポートが出て、日本に輸出が増えるということですけれども、そこに明確に書かれていますけれども、たとえば、豚肉にしても、ヨーロッパから日本に入っているものに比べ、今度はアメリカからのものが、関税が下がるわけですので、ヨーロッパのものについてアメリカのものに置き換わっていくと言っていますので。それで単純に」
反町キャスター
「国内の養豚業者の圧迫ではない?」
西村議員
「ドーンと増えるわけではなくて、置き換わっていくというところがありますので、そこをアメリカは明確に書いていますから」

攻めの農業と改革の展望
松村キャスター
「安倍政権はTPPをテコに、攻める農業への転換を推し進めています。主な政策がこちらです。農家に減反分の補助金を支給することで、生産性向上への意欲を阻害してしまう減反政策の廃止。分散されている農地の集約や耕作放棄地の再利用を可能にするための農地改革。さらには農協のあり方を抜本的に見直す、農協改革。これら3つです。篠原さんは、政府が進めるこのような農業政策をどのように見ていますか?」
篠原議員
「農協が悪いことをしているみたいなのは、改革、改革というのに、改革に反対する人はいないですよね。1番の根本は、よく誤解されるんですけれど、日本の農業は保護しているぞ、保護されているぞと、農家は保護されている。これは嘘です、完璧に。アメリカやヨーロッパは直接、所得シートというのをやって維持しているんです。それが国土を守り、食料安全保障を守りということで、皆さん、なかなかテレビでも予算委員会で、相当やったりしているのですよ。わかっている人はわかってきている。ドイツやフランスの、農家の所得の90%近くが直接支払いですよ。だから、山の中、中山間地域でもやっていけるわけです。日本はそういうことをしていませんから。日本で導入をしたのは、農業者戸別所得保障です。それでも、欧米諸国と比べたら、アメリカよりずっと少ないです。アメリカも実は不足払制度というのがあって、価格が下がったら、その分補填できる仕組みができているんです。日本はそれを何もないようにするみたいな感じでやっているわけです。それを、僕は間違いだと思っています。最低限、よく貧困対策でシビルミニマムと、生活保護費です、農家部分というのがありまして、世界の先進国は皆、そういうことをやっているんですよ。日本もそれを大々的にやっていくべきだと。西村さんが言われたマルキンという、業界用語ですけれども、○に金でお金。補填する提案です。だから、牛肉、豚肉の価格が下がった時は、農家の責めによって下がるわけではないので、一生懸命にやっているのに相場が、災害とか、そういうので下がったりする。それは9割補填をしましょうという。これは法律で恒常的にやるべきです。そうやっていくと、農家が1番安泰になっていくと思います」
西村議員
「この法律を出しているわけですね」
篠原議員
「捨てたような作物、捨てたと言うのは菜種とか、大豆とか。こういったものに皆、それを導入して復活すべきだと思っている。そうすると、皆、耕されることになります。平等に保護すれば、そうすれば40万ヘクタールに及んでいる遊休農地もなくなるのです。そうすべきだと思うんです。それを収入保険というのでやろうと自民党政権はしている。これはマルだと思います。収入保険というのは、(対象が)カナダのように専業農家だけだといいですけれども。兼業農家が相当いる場合、収入も、農業の収入と兼業収入がありますから、だから、日本の場合は作物ごとの、あるいは家畜なら牛なら牛、飼育している家畜の頭数とかに応じて所得を保障するというやり方が1番スムースだと思います。これが考えられる農業政策として1番良い、ゴールデンポリシーだと思います」
上田議員
「農業というのは単に産業だけではありません、多面的な役割があるのですけれど、ただ、現在の農業というのは産業としての魅力がなくなっているのではないかと。産業としての農業というのも一定程度ないと新しい人が入ってこないし、活力が生まれてこない。そのために収益を上げるということももっと考えていかなければならない。安定させることも重要なのだけれども、チャレンジしようという人達を応援する体制が必要だろうと。1つには、収入をもっと上げるような、いろいろな応援を行っていかなければならなし、合わせてコストを下げるということですね。コストを下げることにも政府としてできることは応援していこうというようなことで、これから具体的な政策を進めていかなければならないと思います」
西村議員
「まさに中山間地域とか、棚田のところは、いくら規模を拡大しろと言ってもできませんので。これは効率化に限界があります。ですから、先ほど、ご指摘があったように収入保険という仕組みで、できることなら、平成31年度、3年後にはできないかということで制度設計を考えて、いろんな作物をつくるとか、畜産もやっておられるので、全体的に所得が安定するような仕組みをつくろうということで制度設計をしているところです。一方で、輸出をがんばれる人もいると思うんです。牛肉もアメリカに今200トンぐらい輸出していますけれども、TPP発効すれば、その枠は、無税でいける枠が3000トンまで一気に広がりますので、15倍に広がりますから、日本の美味しい和牛は十分やっていけると思いますし、既にリンゴとか、水産物で言えば、ホタテとか、これも可能性がありますので、そういったものは伸ばせばいい。コメも東北とか、北海道とか、大規模にできるところはコストも下げてやれれば、将来中国のマーケットがもう少し自由化されるようになれば、大いにチャンスがあると思いますので、コメは現在のところ国際競争力はないですけど、美味しいおコメは値段が高くとも食べたいという海外の人もいますから、そういう意味で、マーケティングをしっかりやっていけば可能性はあると思います」

西村康稔 自由民主党筆頭副幹事長の提言:『自由な貿易・投資の中心 不安を持つ農家の方々に寄り添いながら』
西村議員
「1つは、日本は自由貿易、投資の環境がないと生きていいけない国ですし、今回はいろいろなルール、知的財産を保護してコピー商品をつくらせないとか、投資をしたら、保護されるとか、政府調達というまったく開いていないベトナムやマレーシアの公共事業の入札が国際的にオープンになって、日本企業のチャンスが広がるとか、いろんな意味で、日本の経済にとってプラスだと思います。ですので、これは是非、日本が自由な貿易・投資の中心になっていく。TPPを核としてアジアに広げていくということだと思います。一方、不安を持つ農家の方々も多いですから、その方々に寄り添いながら、対策もしっかりと講じていくということだと思います」

上田勇 公明党政務調査会長代理の提言:『世界と共に成長する日本へ』
上田議員
「日本は人口減少社会に入りました。そうした中で日本の経済成長力を高めていくには、世界に目を向けて、世界と協調しながら、世界と力を合わせて成長していく、そうした日本の構造に転換しなければならない。TPPの基本はそこであります。ただし、経済連携というのはメリットもあれば、デメリットもある。最大のデメリットが、今日のメインテーマでもある農業ですので、そこに十分配慮しながら、これを進めていくということが基本だと思っています」

篠原孝 民進党衆議院議員の提言:『TPPはいらない』
篠原議員
「アベノミクスの3本目の矢、ろくな経済成長戦略がないんです。すっかり中止になってしまって、TPPをやれば経済が活性化するというふうにして、TPPに押しつけ過ぎているのではないか。自由貿易だけだったらいいですけれど、今日は農業が中心ですが、医療保険制度も崩壊するのではないかと思っていて大問題です。日本の仕組みをがっちり守っていく。日本のやり方は間違ったところもあるけれど、このTPPで、一気に政策決定をTPPで牛耳られて、日本は自由にできなくなると思います。やるべきではないと思います」

畠山和也 日本共産党衆議院議員の提言:『経済・食料 主権こそ』
畠山議員
「経済主権と食料主権をキーワードにする必要があると思うんですよ。TPPはいろいろな関税の問題、非関税、ISDSを通じて国に対する主権が脅かされるのではないかという問題があります。かつて日本もWTO(世界貿易機関)、農業提案というものを出したこともありますし、多様な農業の共存、安定的なルールを通商政策においても、おだやかに、丁寧にやっていく必要があるのではないか。キーワードは主権だと思います」