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2016年10月18日(火)
迷走…『3兆円五輪』 会場見直しの着地点は

ゲスト

村井嘉浩
宮城県知事
上山信一
都政改革本部特別顧問
春日良一
元JOC国際業務部参事

小池都知事×バッハIOC会長 五輪会場見直しの着地点は…
秋元キャスター
「東京オリンピック・パラリンピックの競技会場の見直しを巡る経緯を見ていきます。先月の29日に都政改革本部の調査チームが、大会開催費の総額が3兆円に膨らむ可能性を指摘しまして、3つの競技会場の計画見直しを求める報告書を公開しました。それを受けて、今月12日、小池都知事が、宮城県登米市の長沼ボート場にボート・カヌー会場の移転を要望されています宮城県の村井知事と会談しました。15日には実際に小池都知事が長沼ボート場を視察しています。今日、小池都知事とIOC、国際オリンピック委員会のバッハ会長とが会談を行ったという流れです」
反町キャスター
「その会談の内容なのですが、簡単に内容、ポイントをまとめますと、このようになります。バッハ会長から『4者協議の作業部会を発足することを提案したい。東京都、組織委員会、日本国政府、IOCの4者で作業部会を形成して、一緒にコストに関して見直していこうではありませんか』という提案がありました。対して小池都知事の方から『情報公開を徹底してやっていけば、よろしい提案ではないかと考えている。是非、来月にでもその会議が開けないかと考えている』と。それに対してバッハ会長の方からは『我が方では、今月にでも開催できる状態である。ただ、まだ、報告書の準備が万端ではなく、いくつかの数字に検証が必要だと承っているので、十分その点は時間をとって内部の調査を充実させてほしい』と。しっかりした見積りというか、報告書を出していただければ、いつでも我々としては、IOCとしては会議に臨むという、こういう話だったんですけれど、上山さん、ちょっと外形的な話を聞きたいですけれども、フルオープンになりましたよね。当初、僕らも都庁の方の記者やらに聞いていると冒頭の取材だけで、ブリーフ、終わったあとのぶら下がりもわからないねと。僕らにしてみたら、突然フルオープンになって、終わったあとの知事も、IOCのバッハ会長も、それぞれ別々にぶら下がりに応じるという、外形上は透明度100%の展開になってしまっていますけれども、この狙いは何ですか?」
上山氏
「狙いと言いますか、基本的に透明性というのが、今回いろいろややこしいことが起きる、最大の原因なわけです。ですから、逆に何でもオープンにすれば、若干の混乱や摩擦やいろんなことが起きるけれども、物事は1番早い方向で、皆がいいというところに行くに違いないと。ちょっと乱暴ですけれど、何でもオープンにしましょうよというのが、小池さんとの我々のポリシーですよね」
反町キャスター
「それは、知事の方から全部出しちゃおうよと、こういう話になったのでしょうか?それとも上山さんからでしょうか?」
上山氏
「いや、以心伝心ですよね。事務方は通常嫌がるというか、通常の場合は相手のご意向もあるから普通は頭撮りだけで、あとはリラックスして、クローズというのが普通なのですが、知事からやっぱりフルオープンよねという問題提起が、私も当然そうですよねという」
反町キャスター
「2人の意見が一致したということですよね」
上山氏
「一致したのですが、それが今日の配布資料の中に、実はそういうことも書いてあるんですよ。実は今後の4者協議だとか、あるいは国際競技団体とか、国内競技団体を入れると6者の協議がありますけれども、全部最初から最後までオープンにやると。そうやって都民の審判とか、メディアの追加の検証とか、それをドンドン入れていく。それでこれまで遅れていた分を一気に取り返そうではないかと。それが我々のポリシー、我々と言うとちょっと知事に失礼ですよね。チーム小池のポリシーですね」
反町キャスター
「村井さん、中身というよりも僕の見せ方。政治手法についてちょっと、感想を聞きたいですけれども、どう感じていますか?」
村井知事
「私は極めて有効だと思います。結局、誰が決めるか、オープンにすることによって国民が決めることになるんですよ。民意が決めることになるんです。従って、その土俵を持ってきた。皆が見える土俵に持ってきたというのは極めていい方向だと思います。ただ、いくらでも時間があれば、ゆっくり密室で話し合って、それからオープンに出して、というやり方でもいいですが、もう4年を切っていますので、早く意思決定をして、前に進めるためには順を追って1つずつ段階を追っていくのではなく、皆集まっていただいて、皆が見ている前で議論をして、皆さんに審判をしていただこうと。審判員が結局、政治力のある人ではなくて、国民に移った。行司は、国民に移ったと思うんですよ。これは非常にいいやり方だと思います。時間のない中でやるには」
反町キャスター
「ただ、敢えて言うと、政治家であるから、敢えて聞くと表で言えないこととかあるではないですか。ちょっと握っておかないといけないとか。そういう僕は根が卑しいもので、こういうものを見ちゃうと、事前にちゃんと握ってから会議をオープンにしてるんだろうなとか思っちゃうんですけれども、そういう政治的な握りの必要な部分というのは、それはないですか?パッと見た時に」
村井知事
「今回は明らかにお互いの考え方がおそらく真正面からぶつかると思うんですよ。ですから、ある程度、同じ方向を向いていれば、それはそういうやり方もいいと思うんですけれども、今回はたぶん正面からぶつかりますので、おそらく中で話し合ったら、だらだらして絶対に前に進まないですよ」
上山氏
「まったくその通り」
秋元キャスター
「ただ、国民投票をするわけでも、都民投票をするわけでもないので、どういう形で、その民意を諮るのですか?」
上山氏
「皆が見ているという中では、よっぽど自信があって、信念に基づいたことしか喋れないですよね」
上山氏
「IOCというのは国連でも何でもなくて、民間の団体ですよ。政治だとか、お金のこととかをちょっと置いておいて、純粋にスポーツで国際交流をしようと。オリンピアニズムという非常に崇高な理念があって、それがあるからオリンピックはずっとここまできているわけですね。その理念に沿ってやるとすれば、本来はIOCの理念を受けた各国の、日本だとJOC(日本オリンピック委員会)です、そこが主体になって、次は、うちが是非やりたいから皆手伝ってと各国に声をかけて、日本でJOCが中心になって、それで民間のお金とか、募金とかを集めてやると。これが本来の原点の姿だと思うんです。ところが、何か施設をいっぱいつくらなくてはいけないとか、あと放送権がどうしたとかで、結構大がかりな仕事になってしまって、それでも民間のお金だけでできたのはロサンゼルスが過去2回、おそらく次回もそうですが、NPO的な方式で、IOCと一緒にやりながら割と自由にやっているわけです。ところが、発展途上国になると誰もお金を持っていないので政府丸抱えになるわけです。それは北京とか、ブラジルも若干そういう感じでした。東京オリンピック、1964年もそうだったと。先進国の場合どうかと言うのが非常に難しくて、先進国はとても運営費がかかるわけです、テロ(対策)とかです。それで施設は比較的お金がかからない。だけれど、それにしてもJOCだとか、IOCという民間団体から見ると桁の違うお金が必要になってくるので、どうしても他の人を巻き込まないといけないと。その時に中央政府を巻き込むと政治家が出てきてしまうし、地元の自治体と一緒にやると住民投票で要らないと言われたりするわけですよ。昔、デンバーで、確か住民投票で4年前、返上みたいなのが決まった。だから、政治と付き合うとあまり楽しい思い出が、たぶんIOCにはないと思うのですが、一方で、パブリックのお金を使わないといけないし、都市側としても都市のステータスを上げたいとか、国威発揚にオリンピックを利用したいと、そういう意図もあって、お互い妥協をしながら、苦しいけどもやっているというのがたぶんオリンピックの歴史ですよね。東京がややこしいのは、国威発揚だったら政府がお金を出して、1964年みたいにやればいいわけです。トップが元総理とか、とてもわかりやすいし、国立競技場も建て替えるとか、誰も見たことがないような技術を使って、海の真ん中に池をつくってみるとか、面白いからやればいいわけですよ。でも、国威発揚に日本国政府が丸ごとお金を出してやるのだったらいいけれど、東京都の住民からするとそんな話は聞いていないと。猪瀬さんは7000億円と言ったではないか。基金があります、それで賄いますと言ったのに全然違うではないかと。しかも、政府は知りません、お金を出しませんと。そうすると、リオのマリオは誰だったということになっちゃうんですね。だから、都民からすると何か詐欺にあったような感覚ですよね。だから、それを小池さんががんばって、ここは方向を変えようというようにされるところです。もう1つの詐欺は、復興五輪ですよ。この言葉はいったいどこにいったのだと。今でも思いますね。サッカーの予選、それから、最近、福島で野球の予選とか、偉そうなニュースが流れていましたけれど、予選だけやっていていいのですかと思うんですね。メダルの授与式をやって、やっとオリンピックだと思うんですよね。そのあたり根本的な理念が招致の時のルールに則ってとIOCも言っているわけですから、だったら、我々はルールに則って復興五輪をやるべきだということに、私達は気がついちゃったということですね」
反町キャスター
「復興五輪というテーマから見た時に、村井さん、東京オリンピックのこれまでの運びをどう感じていましたか?」
村井知事
「最初に、招致する時に、復興五輪というのを掲げたわけです。我々は、我々のことをずっと想い続けてくれているのだなと。今後、2020年までずっとその意思を引き継いでくれるのだなと思っていたら、決まった途端に消えてしまって、小池さんが出るまでは、復興の『ふ』の字も出なくなってしまった。本当にガクッと正直きていました。宮城県でサッカーを3試合、予選をやるだけ。それもいろいろ問い合わせをしても皆うちにくるなと。お金の話はうちではないと。別のところに行ってくれ、と言うことで、たらい回しになっちゃって。これは宮城だけではなくて、どの競技も皆、同じですけれども、他の県も同じですけれど。ですから、我々身動きもとれない状況になっていたんです。そこで小池さんが当選され、原点に戻ろうではないかと言ってくれたので、今回も小池さん来られた時に動員もかけていないのに3000人以上の地元の人が集まったんです。あれはよくぞまた戻ってくれたと。原点に立ち返ってくれたと。皆の感謝の気持ちだったんですね」

予算膨張の背景は?
反町キャスター
「都と組織委員会と、様々な国内のJOCやら何やらも絡んでの調整会議。この調整会議というものが、たとえば、予算の膨張を食い止める歯止めにはならなかったのですか?」
上山氏
「なっていないですね。ロンドンの場合は招致が決まって、1年後ぐらいだったんですね、予算の試算をして調整会議でも議論をしながら、国が、政府が、これだけかかるという数字をちゃんと国民に公開して、さらに国会もそれをチェックする仕組みをつくるんですね。現在いくら、現在いくらというのをずっとモニタリングをしていたんですね。そういう機能を日本の調整会議、そもそも思いついた時に開くだけですから、何か行事がある時に開くだけですね。ですから、いわゆる儀式のようなもので、事務局もいないわけです。ですから、そもそも議長がいないから」
反町キャスター
「あれは持ちまわりでしたか?」
上山氏
「いや、はっきりしないですよね」
反町キャスター
「開く場所が点々としていました。その場所の…」
上山氏
「何となくそんな感じです。かなり緩いプライベートな打ち合わせに近いような、そういう会議ですよね。だから、トータルで、いくらでやるとか、今月中に絶対、これをやろうねとか、そういう会社の役員会のようなものではないわけですね」
反町キャスター
「春日さん、調整会議の問題をどう感じていますか?」
春日氏
「これはもともと決定する会議としてできていませんから、最初から。だから、本来は組織委員会が機能していれば済む話ですけれども、それが結局、機能しない。なぜ機能しないか。要するに、いろんな都とか、文部科学省とか、そういう担当大臣、新しくできたのですけれども、組織委員会とか、そういうところの意見が集約できていない。組織委員会でできないです。できないという形なので、だけれど、どこかで息抜きしないといけない。ガス抜きというのかな。それをつくる調整委員会というのをつくっておいて、そこで和気あいあいやれるではないのかなという形でしかつくっていませんから。そこで決まったことを組織委員会に降ろして実行するぞとはなっていないです。だから、それが、いわゆる集合体ですか。だから、舛添さんとか、無限の無責任体制と言ったのもそれにあたるのですけれども、そういう形になっちゃっているから、ただの話し合いの場に過ぎないと。サロン、お茶のみ会議に過ぎないから全然決まらないわけですよ。だから、今回小池さんが出られて、最初に会議で、確か会場を変えるということをおっしゃって、それでバーッとなって、その時は本当の会議になったと思うんですけれども、それで、森さんがすぐに反撃に出たというような形だと思いますよ」
反町キャスター
「それで言うと、これまでの話を聞いていると、本来だったら調整会議はそれほどの決定、何か責任を負う会議でなかった。もともとそうではなく、組織委員会がしっかりしていれば、そもそもこういう混乱にはならなかったという話に聞こえる」
春日氏
「あとポリティカルな部分で、組織委員会のトップを誰にするのかという、いわゆる人事の話がありました。それでその時、猪瀬さんはたぶん自分が会長になりたいと思っていたと思うんですよ、組織委員会の会長に。でも、それはどうなのだという話の中で、JOCの会長にそういう打診があったと。でも、JOCの会長はその時に自信がなかったのでしょう。お断りしました。そうしたら森さんが出てきたと。だけど、猪瀬さんは森さんにしたくない部分があって、それでどうしよう、どうしよう、どこがトップになるのだろうと言っていて、これをつくったんです。そうしたら、そこだと皆、トップになれますから」
反町キャスター
「そうか、これがトップがない会議ですね」
春日氏
「だから、それ自体がトップだから4人で分けましょう、そういう最初、都知事、JOC会長、それから、文部大臣、後々これに担当大臣ができるのですけれども、そういう形で皆がそのトップでやっていこうよと。あなたが1番ではないよと。猪瀬さんが1番ではないよと。森さんが1番ではないよと。それを皆でがんばってやっていきましょうという、そういうものだったんですよね」
反町キャスター
「それは非常に責任を曖昧にして、ぼやかすことによって皆が何となく一緒にやっていこうよという的な雰囲気をつくろうとしていたと。そう聞こえます」
春日氏
「そういうことだと思います」
反町キャスター
「村井さん、調整会議の成り立ち、並びに組織委員会の問題をどう見ていましたか?」
村井知事
「私も中に入っていろいろお話を聞かせていただいて、1番の問題はお金を出す人が1番権限を持たなければいけないはずなのにそういう形になっていないです。それは問題だと思いますね。結局、我々、宮城県においても、私が全て財政の責任を持っているわけです。ですから、私が全てを仕切るわけです。それで、私が全部仕切れませんから、財政課という組織を持って、財政課も徹底的にコストカットすることしか向かわないわけです。他の部局は皆予算を使いたいという話で各部長がぶつかりあうわけです。その財政課を所管している総務部長が最後に調整して、それでも調整を仕切れない時、私のところに来て、知事査定というのをやるんです。数百万円単位までやるんですよ。最後にやって、議会に諮る。そうやってギリギリまでコストカットをすることをするんですけれど、全然されていないです。ですから、皆さん、一国一城の主ばかりで、お金、予算出すのは東京都で、赤字になったら東京都が補填をするというルールになっているにもかかわらず、皆がトップで使いたい放題、どうぞ使っていいよとやっていくとこうなっちゃうということです。当たり前のことですよね」
上山氏
「まったくその通りですよ。だから、都知事が1番たまったものではないですね。そういう仕組みで皆が自由に使って、請求書だけお宅で処理してちょうだいと。そういうのはやってられないと思います」

ボート・カヌー会場はどこへ…
秋元キャスター
「村井さんは東京都知事に長沼ボート場へのボート・カヌー会場の移転を要望されていますけれども、ここまでの手応えいかがですか?」
村井知事
「少なくとも、小池知事は非常にいい感触をお持ちだというのは現場に行って、その時の対応を見ていて感じました。ただ、それで決まるかどうかは、私にはわからないです」
秋元キャスター
「一方、組織委員会からは、この長沼ボート場開催に関して、9つの問題点が指摘されているんですね。まずは分村、選手村のことですけれども、用意するためのインフラについての問題点。パラリンピック開催のためのバリアフリー対応について、車や鉄道による輸送インフラについて、会場運営のための地形的な問題点。さらには電力、通信インフラの未整備ですとか、観客、関係者の宿泊施設の不足、移動などによる選手への負担、コストの増大。大会後にレガシーが残らないという点ですけれども、村井さんは、これらの指摘に既に対応策を示されているということですよね。強調したい点というのは何かありますか?」
村井知事
「総じて掲げてられている問題点は、これを解決すれば長沼に行くことも可能ですよと裏返しに私はとりました。そういった意味で、帰って、すぐ検討しましたら、全てクリアできるだろうと。特に分村を用意するためのインフラ、住むところがないだろうと、あんな田舎で、という見下したような感じだったのですけれども、近くに仮設住宅がありまして、その仮設住宅は選挙事務所のような仮設住宅ではなくて、あまりにも仮設住宅の数多かった。2万2000戸。だから、皆さん、どなたでも知っているような住宅メーカーがつくったユニット工法と言われる大きな工場で家をつくって、トレーラーに載せて運んできて、積み上げる家があるのですけれども、それが1300戸ほどあるので、それを活用すれば50年ぐらい使える、通常の我々の家ですね。私の家も、そのうちの1つですけれども、そのメーカーの。そういう家を使えば、いくらでもできますし、また、使わなくなっても、また、車に載せて持っていけば、基礎工事さえ終われば、使えるんですよ。そういう家を活用すればできますよと言いました。1番の課題は、たぶん分村の用意ができないでしょう、宮城県はと。それが普通の家の、半分ぐらいの価格でできますので、既にできあがっていますからね。この間、1回、それを都知事に見ていただこうと思って、1週間ほどで急遽リフォームをしました。2つの仮設住宅をガチャンコして、つくって、お見せしました。非常にいいですねと好評でしたね。このへんは特にPRしたいところ」
反町キャスター
「この9つの問題点は、村井さんから見た時に、絶対に解決できないというのはない?」
村井知事
「選手が今回、カヌーは激流下りの競技と、あと普通の水面を漕ぐやつと2つあるのですけれども、それがもともと海の森も分かれていたのですけれども、離れているんですけれども、さらに当然、離れてしまうと。これはいかんともできない」
反町キャスター
「激流下りは葛西につくる予定ですよね」
村井知事
「それが海の森とも離れてはいるんですけれど、さらに離れてしまうと。当然、物理的な問題ですからいかんともし難いですが、そのへんは開催日程をうまく調整すれば、もちろん、同じ選手はいないですよ、両方に出る選手はいないですが、監督、スタッフが同じ場合が当然あると。その場合はちょっと日程をずらしていただくということと、移動したければ片道2時間ですから。動けないわけではないので、これもクリアできるのではないかと。そこだけですね」
反町キャスター
「長沼にするかどうかという話について、先ほど言われたみたいな仮設住宅を使った宿舎がどうこうとか、交通インフラの問題とか、いろいろありますけれども、どう見ていますか?」
春日氏
「1番の問題は選手の問題ですね。だから、アスリートファーストと言っているのですから、選手に1番良い、負担がかからない、選手がベストパフォーマンスできる場所が、オリンピックの競技会場と考えていますので、私自身は海の森でやっていただきたいと思っています。ただ、組織委員会が出した問題点というのはおっしゃるように、確かに解決できるような問題点をわざわざ出して、何をやっているのだろうなという気はしますね」
反町キャスター
「何でもいいから文句をつけているように見えるのですか?」
春日氏
「そうは言いませんけれども、一生懸命に考えて、それをクリアしてくださいという話だけれども。だって、たぶんそれが出た時に私が思ったのは村井知事だったらすぐに解決だろうなと思いましたけれど。解決できないとすれば、アスリートファーストだけだろうなという考え方だったので、アスリートファーストが大事なことなので、ちょっと譲れないかなと思うんです。分村もいいですけれども、できれば、皆1万5000人の選手が同じところに集まって、国を超え、スポーツを超えて交流する。そこで同志としてのシェアをするということ。オリンピックを理解するという場面があってほしいと思いますし、選手村の理念を守るために、東京にあってほしいなと」
秋元キャスター
「そうした中、世論はどう見ているのかということですけれども、先週末FNNが行った世論調査で、ボート競技会場をどこにつくるのが良いのかという質問に対して、東京臨海部の海の森と答えた人が17.1%。宮城県の長沼ボート場が51.2%。埼玉県の彩湖が26.5%という結果でした。春日さん、海の森が1番低い数字になっていますが、これをどう見ていますか?」
春日氏
「当然これだけメディアにアピールされて、お金がかかるし、海水の問題はあるし、風の問題があると言われたら、一般の方はそう思いますよね。そんなところでやっていいのかと。でも、要するに、IFが認めているという意味は、それなりの意味があって、その競技の専門家ですから、敢えてそこにつくる意味もあるわけですね。それでいろいろあるのですけれども、私が1番言いたいのは新しいボート会場ができるということですよね。海の中にボート会場をつくるなんて初めてのことですからね、世界で」
反町キャスター
「両端を仕切る、淡水化の機械はすごくお金をかける」
春日氏
「そうです。お金をかけてつくると。新しいものができましたということの意味は、たとえば、ずっと淡水派が日本には多いですが、海外に行ったらそこにこだわる選手はいないです。海水であるか、淡水であるか、そういったところの新しい形を提言できるという意味で、2020年の、オリンピックのよく言われるレガシーというものになっていくのではないのかなと思ったんですね」
反町キャスター
「長沼ボート場は宮城県の試算として150億円から200億円という数字が出ているのですけれども、このうち宮城県の負担分というのはどのぐらい?」
村井知事
「最初、東京都の試算した351億円は、50億円が恒久施設。301億円が仮設。今回、宮城県が出した150億円から200億円、200億円に近い数字になると思うのですけれども、その割合が逆になると思います。だいたい6対1ぐらい。現在1対6で、恒久施設の1300億円が6で仮設ということだったのですけれども、その割合が、逆になるような感じですね。と言いますのが、おそらく住むところがないでしょうから、ほとんど仮設の住居にせざるを得ない、選手村ですね。そういう想定だったんですけれど、私どもは恒久施設として仮設住宅を再利用し、それが終わったあとも、これから合宿に来る子供さん方のため、社会人のために、登米市が維持管理します。つまり、残す施設にします。ですから、宮城県が整備をします。それから、伴走路というのが必要ですけれど、それは残念ながら長沼にはないです。その伴走路も仮設でやる予定だったものを本設でやりますし、カメラレーンという、1番お金がかかると言われていますけれども、伴走路をきっちり整備をすれば、その横にカメラレーンを付ければ結構ですので。ごめんなさい、伴走路の意味がわからないですね。伴走路というのは競技をする選手の横に道路をつくって、車が走れるように、あるいはトラック…」
反町キャスター
「ボートと並走する車のための道ですね」
村井知事
「そうですね。あるいは自転車が走る。そういったものが必要。それは6mですけれども、それは仮設ではなく、それも本設でやりますということなので、試算された時に仮設でやるのだろうと思っていたのがほとんど本設に変わってきたと。恒久施設に変わってきたということなので、割合が逆になると」
反町キャスター
「長沼のボート場というのは、国際的な競技大会の会場として、宮城の、これこそ本当にレガシーにしていこうと、そういう気持ちだということですか?」
村井知事
「そうです」
反町キャスター
「今回の東京オリンピック1回だけではなく?」
村井知事
「はい。そのロジックは50億円対300億円なので、仮設が300ですので、終わったあとに50億円分の投資の施設しか残らないでしょうと。だから、宮城県の施設は、永続性のある施設としてレガシーにならないでしょうというロジックにして、長沼ボート場を落として海の森にしたわけです。だから、我々は違いますよと。逆に恒久施設の方に思いっきり投資をしますので、終わったあともいろんな人が使える施設として、レガシーとして残りますよと。だから、ご安心くださいと理論づけて、上山先生の方に提案したということですね」
反町キャスター
「上山さん、この提案はどうですか?」
上山氏
「非常に素晴らしいですね。まさにオリンピックはそういうものですよね。特にアジェンダ2020ではあとに残るものをつくってくれとIOC自体が言っているわけですよね。当初の351億円は、まさに知事がおっしゃった通り、とりあえず仮設、急ごしらえで、何とか大会をしのぐという時の計算の数字ですよね。まさか宮城県がここを恒設にして、がんばって、ボートのメッカにしていこうというのを考えていないだろうという前提で、当時余裕もなかったし。そんなにきっちりしたヒアリングをしていないですけれど、実地検証をやって、ささっと出した数字ですよね。だから、他人事で見ると仮設中心となるとこういう額になると。でも、自分事で県民の税金使ってどういう形でやるべきかと。オリンピックもほしいし、あとに残したいと必死で考えると、額も小さいし、中身も濃いと。こういうものがまさに出てくるわけですね」
反町キャスター
「カヌーにはスラロームとスプリントがあって、ボートにはスプリント、スラロームがある。急流下りの部分というのが、葛西につくることが決まっているわけではないですか?」
上山氏
「カヌーの方ですね」
反町キャスター
「いわゆるスプリントの方というのだけ宮城に持っていくということになった場合の、このへんの問題点というのは、都としてはどう受け止めていますか?」
上山氏
「選手自体はまったく別の人達ですよね。ですから、これはフィギアスケートとアイスホッケーぐらい違うと言われていて、同じ人が両方やるということはあり得ないと言われているんです。交流もないですよ。ですから、まったく別のスポーツであるとまず考えましょうと。ところが、途上国から来る時には、NFと言いますか、各国のカヌー連盟ですね。これは両方の種目を1本化してきますから、そこの事務局の人達とか、監督とかは両方の面倒を見なくてはいけないですね。そうなると、宮城と同じ日に両方開催されると困ると思うんですね。だから、日程を分散させるというような工夫は必要だと思います」
反町キャスター
「それで解決できる問題であると」
上山氏
「はい。大丈夫です」
秋元キャスター
「先ほども聞きましたが、組織委員会がこのように宮城県へのボート・カヌー会場移転について問題点を出していました。一方、その中に分村状態になるという部分ですね。この問題点を指摘していたのですけれども、既にバスケットボール・射撃・ゴルフが埼玉県、フェンシング・テコンドー・レスリングは千葉県、セーリングは神奈川県、自転車競技は静岡県、サッカー予選は北海道、宮城県、埼玉県、神奈川県と、東京都以外で開催が認められているわけですね。春日さん、これらについてはなぜOKだったのでしょうか?」
春日氏
「それは政治的ですけれども、その移転についても、舛添さんが知事になられてすぐに、要するに、東京オリンピック見直し、経費を見直すという問題が出て、それで、たとえば、自転車のベトロロームという会場がすごくお金がかかるから、あるところに持っていこうということで静岡になるわけですね。だから、そういう形でいくのですけれど、なぜ今みたいに揉めなかったかというと、舛添さん、すぐに組織委員会と話をつけていたわけですよ。組織委員会に対して、やりあって、直接、森さんとやって、組織委員会の方がむしろそうしようという方に持っていったので、組織委員会の決定としてやっていったんですね。だから、そこで揉めなかったというのはあると思います」
秋元キャスター
「もともとコンパクト・オリンピックというと、地理的なコンパクトさとコスト的なコンパクトさがあったと思うのですけれども、地理的なコンパクトさよりもコスト的なコンパクトさを重視する、こういう方向に変えていくことになるのですか?」
春日氏
「そういう変化ではなくて、コンパクトというのは守りますよね。選手第一主義というのもオリンピック・アジェンダにありますから、そこでは先ほど申し上げたように、同じところに皆が集まって、大会をやっていくというのが大事なことなので、それは維持したいと思っていると思います。ただ、一方で、サスティナビリティ、持続可能性ですね。これからもオリンピックというのは平和運動だから続けていかなくてはいけないところで、コストの問題が出てきていますので、それについては柔軟に対応できるような組織であろうという意味でのこの条項だと思います」
反町キャスター
「あながち頭から、東京から離れたらダメだよという理屈にはならない?」
春日氏
「はい。でも、あくまでも例外的と。どうしても経済的に無理な場合ですよね。でも、オリンピックというのは1つの開催都市でやるというのが理念というか、理想です。都市という1ポイントが世界平和運動をやるという戦いなので、そこの部分があると思うんです。そこは守りつつ、経済的な部分、財政的な部分で問題があったら、そこは柔軟にしたいという考え方だと思いますね」
上山氏
「非常に時代の流れにあった話だと思いますね。特に先進国でオリンピックをやる時にすごく運営費がかかってしまうわけですね。ですから、既存施設が少々古くても、それをうまく転用して使うというようなことをIOC側からむしろ言ってもらうと、先進国同士のハコもの競争みたいなところを抑制できるし、住民の理解もこういうものが先に出てくると、違ってくると思うんですね。ローマも辞退しているし、ボストンも辞退している。皆、ドンドン辞退、住民投票で否決、否決ですから、そういう時代にこういうものを出さないともたないという。そういう意味では、出して当然のルールかもしれないですね」

村井嘉浩 宮城県知事の提言:『透明性』
村井知事
「今回、小池さんに話をしてどうなるか心配だったのは長沼になるにせよ、彩湖になるにせよ、いずれにせよ、組織委員会にオーソライズして、競技団体にオーソライズして、国際ボート連盟だとか、国際カヌー連盟がOKして、それでIOCにあがっていくということで時間的に大丈夫なのかなと思ったら、皆でまとまって、せいので話しましょうと変わったんですよ。これは進歩ですよね。これで一気に話ができるようになった。皆でわかったと言えば、いけるようになったんですね。トップ同士が集まるようになりましたので、その際に肝心なのは密室ではなく、国民に見えるよう、全世界の人が見えるような形で透明度を高めてやっていく。そうすると、当然ですけれども、国民が考えている方向に結論は導かれていくだろう。私はそう思います。従って透明性を確保することが何よりも大切だと思います」

上山信一 都政改革本部特別顧問の提言:『透明度』
上山氏
「税金を使ってやるイベントであるというのが非常に大きくて、小さな金額でも、情報公開が行政では要求されるわけですね。なのにオリンピックは数百億円単位で、いわば特定の人達で決めると。世界に約束をしたからとか、アスリートがほしがっているからとか、そういうことだけで決めてはいけないと思うんですよね。多面的で難しい話だけれども、いろいろな人達が議論に参加をしていく土俵としての透明性が非常に重要で、それがこれまであまりにもなかった。東京都にもなかったし、組織委員会にもないし、政府にもない。そこを全部オープンにしていく中で、日本も変われる。IOCも変わってほしいと思います」

春日良一 元JOC国際業務部参事の提言:『和』
春日氏
「オリンピックで忘れがちなのが、オリンピックが平和運動だということの和ですね。それは混迷するこの世の中でこれから戦争とか、そういったものをなくしていく手段としてのスポーツをもっと提言させていただければなと思います。それから、もう1つの和というのは皆の調和の和ですね。要するに、組織委員会も、都も、国も、仲良くオリンピックを良くしていこうというふうになってほしいなと思っています」