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2016年9月30日(金)
五輪費用『3兆円超』 誰が負担? どう削減?

ゲスト

片山さつき
自由民主党政務調査会長代理 参議院議員
上山信一
都政改革本部特別顧問
鈴木知幸
日本スポーツ法学会理事 元東京五輪招致推進担当課長

五輪費用『3兆円超』の波紋 国×都×組織委の構造問題
松村キャスター
「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催費用などを検証している都政改革本部が昨日、公表した報告書があるのですが、その表紙には『1964againを超えて』とあります。陣頭指揮を執る上山さん、どのような意味が込められているのですか?」
上山氏
「もちろん、前のオリンピックは非常に良い思い出で、実際日本を大きく変えたと思うんです。新幹線をつくったり、駒沢競技場ができたり、非常に良かったという経験があるのですが、その甘い経験のうえに、もう1回、同じ夢を見たいという非常に曖昧な動機で、このオリンピックというものに取り組むと大変な痛手を負うと。ある意味、警鐘を鳴らしたつもりですね。同じことを、楽して、同じ様な成果を手に入れられるものではないのだと。それから、時代が変わっているので、インフラをたくさんつくって、それで日本を良くすると、そういう発想は捨てようということですね」
反町キャスター
「その意味で言うと、昭和39年、1964年のオリンピックの時に、そのあと我々が見ているような後世に残る、誇るべき記録だったり、記憶だったりというものは、今回のオリンピックには期待するなという意味ですか?」
上山氏
「いえいえ、そういうものをつくらなくてはいけないけれど、それは大きな競技場とか、あるいは道路とか、そういうものではないのだということですね」
反町キャスター
「何なのですか?」
上山氏
「それが実は描けていないです」
反町キャスター
「今回の中間調査報告書は、これを俗に言うレガシーと呼ばれるような、レガシーにするべきだというところまでは、これを言う立場ではないのですか?」
上山氏
「レガシーがないので驚いたと。それから、総額の計算がないので驚いた。財務部長に話を聞こうと思ったら、いないので驚いた。それでは社長がいるかと思ったら、それもいなかった。あまりにも驚いたので、1か月で調査報告を出した。関係者がいません、知事、大変です、と。このままでは3兆円の請求書がただまわってくるだけですと。そういうことですね」
反町キャスター
「レガシーというのか、後世に残るであろうオリンピックの記憶と記録みたいな、その部分がきちんと今回のオリンピックを東京に招致するにあたって、できていなかったのではないかという上山さんの指摘。どう思われますか?」
片山議員
「招致の時の閣議決定したのは民主党政権ですけど、極めて財政抑制的な閣議決定文がありましたが、我々として責任を負うのは、私達、オリ・パラ特措法をつくって、基本方針をつくった。これは、私はその時、総務副会長として、文書を皆で議論したのを覚えていますけれど、このレガシーとは何なのと言ったら、それこそ我が政権として1番目指してきた、日本の強い経済の実現とか日本文化の魅力の発信とか、それこそ世界最長寿国である日本の生涯現役社会とか、そういう、いわゆるソフト的な日本はこういう状態で、しかも、震災も乗り越えて、超長寿国家としてこういうクールな五輪をやったよと。そういう言葉が出ているもので」
反町キャスター
「では、上山さんが言われたみたいな、今回の東京で2回目、日本全体では何回かは知りませんけれども、何回目かのオリンピックが目標としているのは、こういったものを今の日本国民に見せたい。これを世界に知らしめたい、ないしは後世に対してこういうもの遺したいというものは、なかったという言い方になっちゃうのですか?」
片山議員
「いや、いろんな議論がされていて、たとえば、環境エネルギーの、ですから、水素社会の水素カーでやろうとか、完全バリアフリーとか。まさに日本が強い、日本がナンバー1で、日本が金メダルを獲れるような、様々な科学技術やソフトの分野をこの際、全部紹介して、オリンピックが終わっても日本に4000万人の観光客に来てもらえるような国にしたいと。そういうことが実は最も重要な無形のレガシーになるのではないですか?」
反町キャスター
「鈴木さん、招致を担当した立場でいろいろ進めていた中、レガシーがないという部分。どうですか?」
鈴木氏
「2016年の時にも考えたんですよ。その時、オリンピック憲章を構成している価値というのは環境と平和と、それから、人権と教育ですよ。何を1番アピールするのだということで、東京は環境だと、環境オリンピックをやろうと。2016年時の1番のテーマだったんです。実はリオオリンピックは環境オリンピックなんですよ。と言うのは、開会式の時に皆、種を持って歩いたんです。それを挿していって、真ん中に持っていって、それが芽を吹くんです。閉会式の時に大きな大木になるんですよ。あれにはメッセージがあるんですよ。マスコミはちっとも放送してくれなくて…」
反町キャスター
「随分、種を植えてから芽が出るまで早いなと思って、ずっと僕は見ていたんです」
鈴木氏
「閉会式で大木になるんです。だから、あそこには何かと言うと、リオで、リオ宣言が行われているんですよ、環境の。今度、2020年が、要するに、パリ宣言があるでしょう。その前には京都議定書があるわけです。ですから、そういう環境もやってくれと個人的には言ったんですね」
片山議員
「いや、完全にそういうものは、この中にしっかり入っているし、クリーンでグリーンな五輪ということで。ゼロエミッション的な」
反町キャスター
「上山さんは今回の、要するに、検証の中で、環境オリンピックというレガシーは感じました?」
上山氏
「ほとんどないですね。要は、お二人がおっしゃった話は、知識としては私の頭の中にあるんですよ。もちろん、勉強しました。ただ、それは昔ばなしですね。私が見たのは現実に起きていること。それだけを見て評価報告書を書いたんです。だから、確かにおっしゃる通り、そういう議論があったのはよくわかっているし、書類も見ましたが、だけど、現実に起きているのはそれとは全然違うことが起きていますね」

整備費『削減』と『分担ルール』
松村キャスター
「都政改革本部の報告書、中身、ちょっとこちらで説明していきます。着工準備中の新国立競技場にかかる1645億円は国が中心に、東京都も一部負担をしますが、この費用については言及されていません。都が負担する恒久施設。海の森水上競技場など、7つの施設、およそ2200億円は見直す余地があるとしています。また、組織委員会が負担をします仮設施設、有明体操競技場など、およそ2800億円は分担ルールを決めて、見直すべきとしました。このうち、都が整備費用を負担する恒久施設のうち、3つの施設については、既に着工していますボートやカヌーの競技場になります海の森水上競技場は、招致時の69億円が491億円に費用が拡大。そのため国際大会の経験のある宮城・長沼ボート場などへの移設の可能性を模索する必要があると指摘されています。また、321億円が683億円に拡大し、今年10月に着工予定の競泳会場、アクアティクスセンターは近隣の東京辰巳国際水泳場、これを改修して対応の可能性を並行して検討すべきだとしています。今年12月に着工予定で176億円から404億円に費用が拡大しているバレーボール会場、有明アリーナ。こちらは既存のアリーナなどを改修して、それでできるかを検討。無理な場合は、規模を縮小し、不足する分は仮設で対応していくとしています。このような検討がされていますが、上山さん、都が整備する施設の中でも、この3つの施設の見直しを提言したのはなぜでしょうか?」
上山氏
「これは2つありまして、1つは金額が非常に大きい。それから、当初の計画よりも費用が格段に増えている。これは何か。何か起きていると考えました。それから、大事なことは今から修正がきくのかどうかということですね。海の森は若干、工事が始まっているのですが、まだメインの部分に入っていないと。あとの2つはまだ設計中ということなので、必ずしも工事中止とか、この場所でつくらないという結論を言い切ったわけではないですけれど、他のところ、他の選択肢もまだ考える余地がある。それから、他の選択肢を全部並べて、それぞれのメリット、デメリットを全部ちゃんと分析すると、仮に今の場所でつくるにしても大きさが変わるとか、使い方が変わるとか、いろいろな変化が起きるに違いないと。だから、ここでまさにちょっと立ち止まって考えよう。ただ、何か月も留めておくにはいかないですよね。そういう意味では、1か月以内にたくさんある選択肢をかなり狭めようということで、今日、早速打ち合わせをしてきたんですけれども、12月ぐらいにはかなり確度の高いところまで持っていく。ただ、IOC(国際オリンピック委員会)、それから、国際競技団体と協議してコンセンサスが得られないと、これは決定とならないので、いわゆる正式決定になるまではもう少し時間がかかるかもしれないです」
反町キャスター
「先ほどのレガシーということで言うのだったら、たとえば、環境とか、復興でなく、半径8kmだか、直径8kmの中に全部あるみたいな、いわゆるコンパクトなオリンピックを目指すというのが当初ウリの1つだったと思うんですけれども、たとえば、選択肢としてボート会場、宮城県に引っ張って行くとか、バレーボールはパシフィコ横浜に持っていくとか、8kmの枠というのは、自らが様々な事情から、これにはこだわらないということを宣言される?」
上山氏
「それはここに資料があるんですけれど、IOCのアジェンダ2020と。これは2014年に出しているんです。招致の時は、2016年大会を目指した招致で、かなり前のものですよね。その頃はIOCや、あるいは先進国、皆、コンパクトというのを言っていたんですね。日本もいいなと思って、当時は皆、それはいいと思っていたんです。ところが、実際に大都市でコンパクトをやってしまうと空いた土地がほとんどない。見つかってもえらく高い土地である。それから、選手にとっては楽です。選手村から移動が簡単。それはいいですけれども、市民にとって選手村からの距離が何か意味があるかと言うと、オリンピックが終わったあとに使う施設として、何も意味がないですよね」
反町キャスター
「ある程度、そういう文化的施設、スポーツ施設というのは東京の中でも拡散していた方が、利便性が高い?」
上山氏
「そうですね。小さいヨーロッパの都市はコンパクトでいいですけれども。あるいは日本でも最近コンパクトシティという地方都市だといいです。ですが、東京のような巨大な都市でコンパクトとか言っていると特定の地域にだけ箱モノが集中するということになっちゃうんですね。ですから、必然的にコンパクトを追求すると、湾岸地域で、割と都心とか、住宅街から見るとちょっと不便なところにたくさん箱モノができちゃう。こういうことになるので、招致ファイル自体は良かったし、だから獲れたんですね。だけど、それを真面目にやり尽くすと、今のようなことになってしまうと。だから、別に誰も悪くないです」
反町キャスター
「脱コンパクトということを表に言うかどうかは別にして、コンセプトが変わったではないかということで、今更、東京からオリンピックの実施する権利を取り上げるとか、そういうことにならないですよね?」
上山氏
「ならないですね。舛添さんが知事になった時、海の森が、あの当時は1000億円だったんです。さすがにこれは何か変だとお考えになって、都庁としても見直しが始まり、それから、アジェンダ2020で世界中、要するにIOC自らがオリンピックのあり方を考え直すということをやったわけです。その背景にあるのはいろんな都市、オスロとか、いろんな街、もうこんな金のかかるオリンピック要らないと、住民投票とか、あるいは首長がドンドン辞退し始めている。さすがに、アスリートの夢を、などと言っていられないので、IOC側がむしろ抑制しようと言った。だから、費用をコンパクトにしようとなったわけですね」
反町キャスター
「たとえば、今回、場所を移転する、ないしは設計を変更して、より低予算化をするということによって、もちろん、そこのコストカットの部分はわかるんですけれども。着手しているものとか、設計が既に終わっているものは、違約金が発生し、様々な変更料が、この行って来いでもやった方が安くなるのですか?」
上山氏
「これはオリンピックの開催期間中はいいのですが、建物の人生としては、そのあとが何十年もあるんですね。それから、維持費、改修、補修に莫大なお金がかかって、通常は建設費とほぼ同じぐらいの金額か、それ以上ですね。が、かかって当たり前という、こういう箱モノの常識です。ですから、491億円と言っていますが、毎年、お金がドンドンかかる」
反町キャスター
「建物、年間維持費がこんなにかかるという意味なのですか?」
上山氏
「いいえ、これは建設費ですけれども、そのあとドンドン積み上がっていくわけですよ。だから、実質的にはもっと高い買い物をするのを今決めてしまうことですね」
松村キャスター
「各競技団体は今回の調査報告書の内容についてコメントしています。各競技団体は、施設見直しについて困惑しているようにも見えますが、このような声にはどう応えるべきだと考えますか?」
上山氏
「まったくおっしゃる通りだと思いますね。急に1か月の作業で、こういう話が出てきたので、まさに困惑の2文字だと思います。これから、都庁と改革本部の方で、各団体に説明をし、いろんなご意見を聞くと。こういう段取りに入りますので、そこで詳しい話をお聞きしようと思います。ただ我々は、アスリートの意見はかなり聞いています。実際にここで競技するアスリートの意見を相当聞いていまして、彼らの意見は協会の意見とは必ずしも一致していない。彼らの意見は立派な箱モノは要らない。たくさんの観客席は要らない。日本の設備はどこでも一流だからそんなにお金をかけなくてもいい、むしろ強化合宿にもっとお金をつけてほしいということですよね」
反町キャスター
「鈴木さん、今回のこうした団体を束ねる側の立場だと思うんですが、森さんは『IOCの理事会で決まり、総会でも決まったことをひっくり返してしまうことは極めて厳しい問題である』と発言しています。いわゆる恒久施設3つに関しての変更などについての話ですが、この森さんの見解というのをどう感じますか?」
鈴木氏
「そんなことはありません。森さん、よく新国立競技場の時もそうだけれども、バッハが早く持ってこいと言っているとか、IOCに早く出さなければいけないとか、結構、使うんですよ。IOCの中に理事会があります。今年12月にあるんですね。理事会に決算というか、現在の予定のことを出さないといけないと言われているのですけれど、あんなの延ばしても構わないんですよ、次の理事会に出しても。調整委員会というのがありまして、コーチさんという(人が)トップですけれど、日本の進行を指導したり、あるいは助言をしたりしているところですけど、その人達がちゃんと理解していればいいことで、これもIOCはIF、国際競技連盟がいいと言ったらすぐにいいと言います。ポイントはIFです」
反町キャスター
「個別の国際団体ね」
鈴木氏
「競技団体ですね。競技団体が例の、選手にとっては不評ですけれども、海の森もIFもNFも全部OKを出しているんですよ。それでIOCは、それなら構いませんよと後承認をしているわけですね。ですから、これもIFが宮城で構いませんと言ったら、次の理事会ですぐに変わります」
反町キャスター
「片山さん、とは言っても、森さんの発言というのは、僕ら的に言うと、誰かに慮って、ないしは組織のトップに立つ組織委員会の委員長としての、様々な政治的な意味も含め、背負っている部分もあって、言っているのではないのかなと思うのですが、どう感じましたか?」
片山議員
「大政治家、元総理ですから、ご発言自体が重いです。他方お話を伺っていて、オリンピック委員会の方も政権が交代したわけですよ。手を挙げて持っていった東京都も政権交代すれば、それは政治ですから、このぐらいのことはお互い、起きるのはあり得ることで、ちょうど今がその季節であって、自民党の党の立場で私はここに座っていますが、これについては事前にうちの党の幹部は誰もご相談を受けていません。党の方では79条機関であるオリンピックの対策本部の本部長は、遠藤前大臣で、ついさっき話してきましたけれども、確かに小池さんが池に一石投じたと。いろんな人がいろんなことを言って、それも1つの政治手法ですから、この専門家の第1次レポートを見て、全面責任を負う都知事がどうおっしゃってくるかを聞いてから、我々は党として検討を始めようと。組織委員会の事務総長と上山さんは随分やりとりをされたと今日武藤さんから聞きましたけれども、武藤さんも正式に組織委員会として、微に入り細に入りコメントをするのは、都知事が見直しについて、東京都としてはこうやりたいとオフィシャルに、コンクリートにおっしゃったら、それについて言おうということになっているという意味で、その意味で、森委員長のご発言もある意味テンタティブなこともあるのではないのですか」
反町キャスター
「そこは都知事の受け止めは今日、出ているわけですけれども」
上山氏
「片山さんがおっしゃった通りですよ。もうちょっと付言すると、都の中の状況で付言しますと、都政改革本部というのができて、本部長は都知事です。本部員は各局長ですね。我々、外部顧問ということで、非常勤公務員ではありますけれども、外の人間と。これはアドバイザー的に入っているんです。今回の調査チームは本部の中の調査チームで、中の職員と私達が合同で調査をしている。できるだけ客観的、第三者的に、しかも、今回の場合、都民ファーストということ、ワイズスペンディングですね。この2つの切り口に絞って、これまでやってきた現実ですね。今起きていることを客観的に評価してくれと」
反町キャスター
「今回のその調査報告書の、先ほどの骨子に、都と国、いずれかが開催計画を一元管理すべきとか、組織委員会を指導、監督すべき、みたいな文言がどうしても僕ら目について、そこだけ見ていると今回の調査報告書というのは、組織委員会を、要するに、拘束する、管理、監督する。そういうものかなと思ったら、今の話を聞いていると、実は組織委員会ではなくて、そういう組織委員会との関係をこれまで、なあなあにとは言いません、そういう状況に置いてきた都庁の中の風紀というか、刷新を目指しているのか、どちらが軸なのですか?」
上山氏
「当然、後者ですね。それから、もう1つは情報公開」
反町キャスター
「極めて政治的ですよ、それは」
上山氏
「もう1つは情報公開です。都民の皆さんの2兆円、3兆円の問題はこういうことでしたと。だから、都庁に大きな問題がある。だけれども、一緒に仕事をしている人達との関係がちゃんと組めていませんと。向こう側にも反省していただく点はあるので、それは知事が今後ちゃんと話をすると、思いますです。我々は調査ですから。それを受けて知事はさらに自分で調べることもあるし、なるほどと思ってすぐ行動に移されることもあるし、そこは知事の判断ですよ」
反町キャスター
「そうすると、オリンピック調査チームと言いながらも、オリンピックを調査しているのではなくて、都庁の調査チームでしょう?」
上山氏
「ですから、調査対象が都庁の調査と、外郭団体という言い方を敢えてしますが、子会社のような組織委員会。ここにもヒヤリングは3回しました」
反町キャスター
「それは豊洲の調査チームにしても、オリンピックの調査チームにしても今回、調査チームを4つぐらい、PTを4つぐらいつくったんですよね」
上山氏
「調査チームは、情報公開とオリンピックだけですよ。PTは職員中心で、外部のアドバイザーとして委員が入る」
反町キャスター
「そういった諸々のものというのはそれぞれ対象が違っていても最終的な目標というのは都庁改革?」
上山氏
「そうですね、第三者的。つまり、都民ファーストと、ワイズスペンディングの目線で見た結果を情報公開する」
反町キャスター
「全部同じ角度で斬っていますものね」
上山氏
「だから、我々、都民に対してリアルタイムで、会議の情報とか、資料も、その日のうちに全部公開をしていますけれども、それはこの関係者に対して、挑戦状で出しているわけではなくて、都民の皆さんに情報公開をしているだけで、この方(森氏)も都民かも知れないですけども、いろんな都民はおられるという、そういうことだと思います」
松村キャスター
「仮設施設ですが、費用をどのように分担ルールを検討するのですか?」
上山氏
「仮設というのは、オリンピックのためだけにつくって、終わったら原則壊すというものですね。これもキチッとした金額が計算されていないですね。推計で組織委員会と議論した結果、だいたい2800億円だろうということです。場所は東京都内が多いのですけれども、一部は神奈川とか、千葉とか、東北とか、いろいろな自治体も絡むんですね。民間のゴルフ場などを借りるというのも含まれて、オリンピックですから、その上に何か設備を乗せないといけない、座席数を増やすとか、あるいはテントとか、プレハブとか。全部足すと、既存の施設の上に乗せるものが多いけれど、一部壊すものを新しくつくる。それが2800億円ということですね。当初の招致ファイルのルールでは臨時的なものだから、組織委員会だということになっていたんですね。開催期間中にお金を稼ぎ、終わったら、消えてなくなるのが組織委員会ですから。イベント実行委員会。イベント用の造作物ですから、こういうものは全部組織委員会が賄うとざっくり書かれているんですよ。ところが、計算すると2800億円。組織委員会の収入は全部で5000億円ですから、造作物に2800億円も使っちゃうと、大会運営できないわけですよ。組織委員会も困ったということで、春から東京都とか、いろいろな自治体にまわられて、おたくで何とかなりませんかという話はされていたんですね。ところが、東京都は選挙があって上の方がいないと、決まらないと。それから、リオで仮設をうまくやっているようだったので、見てからにしようというようなことで、先月あたりから考えなくてはいけないという機運になってきたということなのですが、一巡して、組織委員会が各自治体をまわった時は非常に反応が悪かったみたいです。もともとこれは仮設なのだから、おたくで全部もってくださいということで、すごすごと帰ってきた。それでは進まないですよねと。東京都の分ぐらい持ったらどうですかと、私は第三者ですから、ある意味、気楽に言ったのですけれど」
反町キャスター
「そこは都の負担増を提言されている?」
上山氏
「そうですね。うちは出さないと最初言っていたのですけれど。最初のルールがそうだからと。だけど、それを言っていたって進まないから、オリンピックできませんよと。都の持つ分ぐらいは1000(億円)から1500(億円)と、最終的には」
反町キャスター
「都の持つ分というのは、仮設の中で都内につくるものですか?」
上山氏
「そうですね。都内につくる仮設が最大1500億円ぐらいかなという見積りですが、それは全部、都が出した方がいいと。さっさと工事しましょうよと。開催都市なのだから」
反町キャスター
「バランスがよくわからない」
上山氏
「それは向こうに預けていたら、1500億円では済まないからです。向こうは施設建設にむいた組織ではないし、大会が終わったあと解散してしまうわけですね。皆さん真面目にやっていらっしゃるけれど、基本的には期間中どうやって成功させるかだけを考えて仕事をされているので。仮設をつくるにしてもあとで転用できそうなつくり方をしないと思います。そういう意味で、東京都が引き取るとあとで転用の余地が」
反町キャスター
「残りの1300億円については」
上山氏
「残りは所在地が様々で、自衛隊のところで射撃をやるとか、あるいは神奈川でサーフィンだとか、いろいろあるのですけれど、それは各自治体で持てる分はもってくださいと。だけど、無理な分は国の補助金、と言いますか、おそらく地方交付税の方が私は現実的だと思いますけど。地方交付税で若干の措置をして、国が負担をするといいのではないかと我々は考えています」
反町キャスター
「残りの1300億円の押しつけあいが始まるのかなと」
上山氏
「それは客観的な見方としてはそうだと思いますが、国は関係ないとは言えないですよね。リオでは、マリオがいましたよね。あの出演料は1000億円ぐらい。少なくともマリオの分は払っていただかないと」
片山議員
「なぜ仮設が組織委員会になったかと言うと、大会後残らないからぐらいの話だったのだろうという話はあるんですよ。組織が最初にこのオリンピックの開催を持っていった時に、長野と東京は違って、長野は施設費用から2分の1までは持とうということを閣議決定したんですよ。当時の日本の財政事情は今よりもずっとマシですよ。でも、厳しいからということで、既存の公共事業の中でやろうみたいなことになって、ところが、東京の時は、これは民主党政権の閣議決定ですけれど、施設についての負担率もないです。それは、東京が交付団体で、はっきり言ってお金があると。昨年、遠藤大臣が、財政再建団体にならない限り、組織委員会のお金がなくなった時の、東京都が余剰を持っているところと財政再建団体になるところとがあまりに大きな隙間があるから、これはほぼ東京都で何とかがんばってという意味に近いので、今日もその議論になっていると思うんです」
上山氏
「これは主語が曖昧で、オリンピックの費用を、ではないですよ、実は。これは組織委員会ですよ。組織委員会が破産した時はその赤字は全て東京都がということです。全部、組織委員会が負担するのかというと、そんなことはなくて、政府がセキュリティはやりますということになっていて、閣議決定までしているわけですから。政府は運営経費に関しては負担するつもりで。まあ今年度予算には入っていないけれど」

国×都×組織委の構造問題
松村キャスター
「組織委員会と都の関係性は今どんなところが問題あるのでしょう?」
上山氏
「都が97.5%の資金を出資しているわけですね。残りはJOC(日本オリンピック委員会)ですけれども、国は出資をしていない。ですから、組織委員会がどういう仕事をするかは、究極には都庁の責任になるし、IOCとの協約では組織委員会が5000億円を稼ぐわけですけれども、それ以上にお金を使っちゃった場合は全て東京都が払うと、こういうことになっていますから。都民の税金を預かる側の知事のお立場からすると心配でしょうがないわけですね。ところが、都庁の中の管理状況を見ますと、指定団体と管理団体と、役所の中の都合ですが、2種類あって、管理団体の方は割と細かくきっちり管理するのですけれども、指定団体はあまり細かく見ないですよね、報告を受けるだけと。ことの重要性からすると当然、管理団体にするべきではないかと我々調査チームは問題提起したのですが、過去そういうことも検討したがIOCとの協約があってなかなか自由にできませんと。通常は東京都と外郭団体の関係だけで1対1で、親子関係になるわけですけれど、そこに都市間協約が入ってきて、JOCを含めた4者の契約に縛られていると。だから、うちの子なのだけれども、他人様がコントロールしているので、うちが自由にチェックできないと。ですから、お金を出しているだけではなく、人件費と人材と言いますか、膨大な量を既につぎ込んでいるわけですね。その割にパフォーマンスが必ずしも素晴らしいわけではないと。中にいる方は各部門、非常にがんばっておられるわけですけれど、オリンピック全体の進捗という意味では、今の組織委員会に任せていても進まないわけですね」
反町キャスター
「森さんは『我々の立場は東京都の下部組織ではない。東京都の命令で、ああせい、こうせいということをできる団体ではない』と発言しています。この森さんの考え方というのは変えてもらうしかない?」
鈴木氏
「これはIOCが主張していることですよ。組織委員会というのは、民間の資金を使ってオリンピックを開く、基本原則というのがあって、それではダメだから周りがサポートするというイメージをIOCは持っているんですよ。実際はそうはいかない」

上山信一 都政改革本部特別顧問の提言:『子供たちのための改革』
上山氏
「私自身が小学校1年生の時に東京オリンピックを見ました。中学1年生の時に大阪万博ですね。あの2つのレガシーで育ってきたわけですから。あの2つは非常にいいものだったと思うわけですけれども、今この状況は困ったものだと思います。東京都の場合は、東京都の子供達にはたぶん借金が残り、廃墟という言葉も何ですけれども、使われないようなボート競技場が残ってしまうと。それよりも宮城にレガシーを残した方がいいと思います」

鈴木知幸 日本スポーツ法学会理事の提言:『サステナビリティ』
鈴木氏
「持続可能性ですね。実はオリンピック憲章に1番出てくる言葉です。持続可能性を、前提にものごとを考える。そうすると、レガシーも考えられるんです。子供達への投資というのも考えられる。全てが将来のためにということで、サステナビリティ、継続性、持続可能性、これがこれからのオリンピックのあり方の共通テーマ。これだけは、守っていかなければ、オリンピックは消えます、ということです」

片山さつき 自由民主党参議院議員の提言:『クリーン&ガバナンス+レジリエンス』
片山議員
「2020年の東京五輪というのは日本の国際的なイメージを上げるためにということで、オリンピックの基本方針ができているわけですから、まずいろいろ言われているようなことを持ち込まないで、環境面、エネルギー面でもクリーン、ガバナンス面でもクリーンでないと。ちょっとでも内部ゴタゴタ感というのはもう一切なしにしたいということと、私、災害担当の政調会長代理として言わなければいけないのは首都直下地震対策法をやっとつくったわけです。私が起草した議員立法ですよ。ところが、東京都が出してきている、防災プランは紙切れ1枚ですよ。70%の確率の首都直下地震についても、最近激化しているゲリラ豪雨にしても、様々な気候変動についても、万が一、7月、8月に起きたら全てが台なしですよ。そこについては、この1兆円だか、2兆円だか、3兆円だかの外ですから。これもしっかりレジリエントな五輪にしなければ意味がない」