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2016年9月22日(木)
駐日ロシア大使生出演 北方領土・経済・安保

ゲスト

エヴゲーニー・アファナシエフ
駐日ロシア連邦特命全権大使
柴山昌彦
首相補佐官 自由民主党衆議院議員

駐日ロシア大使に聞く 急接近・日露関係の今とこれから
秋元キャスター
「今月2日にロシアのウラジオストクで行われた日露首脳会談と、その合意内容を確認していきます。会談は3時間10分に及びました。そのうちプーチン大統領と安倍総理の2人のみの会談は、ソチでの35分を上回る55分間行われています。会談の主なポイントですけれど、11月のペルーで行われるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議、12月15日に決まったプーチン大統領の来日の際に、それぞれ首脳会談を開催するということで合意しました。北方領土問題や平和条約締結については安倍総理から率直な考えが示されまして、今後も首脳会談で解決策を見出すということで一致しました。また、経済協力については5月のソチでの首脳会談で提示した8項目の協力プランの詳細を日本側が提示しまして具体化に向けた動きを確認しています。この首脳会談を終えた安倍総理、会見でこのように述べています。平和条約については『2人だけでかなり突っ込んだ議論を行うことができた。新しいアプローチにもとづく交渉を今後、具体的に進めていく道筋が見えてきた。その手応えを強く感じることができた』と、このように話をしたのですが、日本とロシアの首脳会談、回数を重ねまして、安倍総理もこのように手応えを感じると話をしていますけれども、この交渉はいい雰囲気で進んでいくのでしょうか?」
アファナシエフ大使
「はい。ウラジオストクで3時間以上の会談をなさったということ。そのうち、ほとんど1時間、1対1での会談だったという、この事実、これが協力のための、たくさんの問題を話し合ったということだと思います。また、2人の首脳の信頼感のレベルを示しているものだと思います。ソチの精神というものが、ウラジオでまた前進したと思います。プーチン大統領は、この8項目の協力計画、プランについて、非常に高く評価をしています。ソチで安倍総理が提案なさったものですね。プーチン大統領は、このような素晴らしいプランが提案されたということが重要なのではなくて、私達がこれを具体的に実施していこうという姿勢を持っていることが重要なのだと。安倍総理がご自身でウラジオに来てくださって、この進捗状況を、自分でチェックするという姿勢を見せてくださったことが重要なのだと話していました」
秋元キャスター
「2人だけで55分も話をされているんですけれども、プーチン大統領はこのように首脳同士で、1対1でこれだけの時間を割いての話というのはよくあることですか?」
アファナシエフ大使
「そうですね。たとえば、プーチン大統領はミンクス協定についても話をしていますし、その時はかなり長い間の時間が取られまして、ウクライナ問題で、徹夜して話し合ったと言っています。ですから、もちろん、そのような形で長い間、話をしているのは、たくさんの人とあるわけですけれど、ただ、1つの国の首脳と3時間。それから、1対1で1時間。分野が幅広いもので、担当の大臣、閣僚などがたくさんいるということは非常に素晴らしいことだし、珍しいことだと思います」
反町キャスター
「この日露交渉をこれから進めていくにあたっての日本の目標というのは何ですか?」
柴山議員
「70年にわたって平和条約すら隣国であるにもかかわらず、締結されていない。要は、隣国に相応しくない異常な状況だったわけですね。ですから、我々としては、こういった状況を打開して、平和条約を締結し、両国間で、未来に向かった建設的、生産的な関係を構築していくということが大変、大きな目標だと思っています」
反町キャスター
「大使、いかがですか?ロシア側から見た時の、今回の日露交渉の目標。ターゲットは何ですか?」
アファナシエフ大使
「私達は両方とも大国です。日本は第3位の経済大国で、ロシアは5番目、6番目、もしかしたら7番目かもしれませんけれども、私達は、国連安全保障理事会のメンバーで、私達は常任のメンバーで、日本は非常任理事国です。ですから、協力する分野や、していかなくてはいけない分野がたくさんあると思います。グローバルな問題、テロへの対応であるとか、経済問題であるとか。ですから、日本との経済協力というものは互恵的な協力です。これは、何か贈り物をロシアから日本にあげるというようなものではないし、シベリアとか、極東に、日本の会社に来てくださいと言って、それはプレゼントではなくて、日本の会社も利益を得られるということです。皆さんが必要としている原料も材料もロシアにあるわけだし、一緒に使っていける技術、日本が持っている技術や管理のノウハウ。それは両方向のメリットであると思います。ですから、関係を伸ばしていくメリットは十分にあると思います」

『北方領土問題』と『平和条約』
秋元キャスター
「ロシアとの交渉に力を入れている安倍総理ですけれども、今月2日、ロシア・ウラジオストクで首脳会談と並行して行われた東方経済フォーラムのスピーチで、会場にいるプーチン大統領に呼びかける形で、安倍総理はこのように発言をしています。『重要な隣国同士であるロシアと日本が、平和条約を締結していないのは異常な事態だ。70年続いた異常な事態に終止符を打ち、次の70年の日露の新たな時代を共に切り開いていこう』と話をしたのですが、ロシアも戦後70年以上にわたって日本とロシアが平和条約を締結していない現在の状況を、安倍総理のように異常な事態と考えていますか?」
アファナシエフ大使
「プーチン大統領はウラジオストクで、安倍総理の発言に対して、すぐに次のように言いました。両国の平和条約に関する立場は異なっていると。ロシアはロシアの考え方があり、日本は日本の考え方がある。しかし、重要なのは、この問題を解決しなくてはいけないという点では両国は一致している。私達は、最終的には、これを解決しましょうとプーチン大統領は言ったのです。私達はこれをベースに、この問題を解決し、平和条約を結ぶためには関係を改善していかなくてはいけない。いろいろな制約を取り除いていかなくてはならない。信頼関係を築いていかなくてはいけないことを、あらためて言いたいわけです。大統領はロシア側も、日本側も、デメリットであると感じないような、そういう形での解決の道を見つけようということを言ったわけです。これは非常に難しい課題ではあります。70年も、これを解決できないできたということは非常に難しい問題だということを示しています。でも、解決可能な問題です。ですから、一緒に作業を続け、解決の道を探そうではありませんか」
反町キャスター
「平和条約を締結するためには、どういう形かは別にして、平和条約を結ぶためには、北方領土の問題は解決しなければ平和条約は結べない。ここは両国、同じ考えであると思ってよろしいのですか?」
アファナシエフ大使
「そうです。この問題については両国とも解決しなければいけないということは認識しています。ソチでの首脳会談、その後2回にわたってこの問題について会談が行われました。現在、外相もこの問題について取り組んでいるところです。ですから、その他の面での協力関係というものも拡大していきながら、全部この問題にもつながっているということ。国際関係についての協力というもの、世界にたくさん問題がありまして、日本とロシアがいなければ解決できない問題というのがあるわけですから、これを共に解決していくべきだと思います」
反町キャスター
「北方領土問題について、ラブロフ外務大臣の発言、こちらにまとめてみたのですが、5月のラブロフ外務大臣の発言。クリル諸島を渡さないし、日本に平和条約をねだることもしないと言っていた発言。9月には平和条約交渉を継続し、結果をプーチン大統領訪日時に議論をするという、このラブロフ外務大臣の発言。これは我々から見ると、少し変化しているのではないか。温かみが増しているという言い方も抽象的ですけれども、日露の交渉に向けた現在の進展具合を、ラブロフさんは多少、サイン、シグナルとして出しているかなとも思うんですけれど、この発言に変化はあるのですか?それとも一貫して変わっていないと見た方がいいのですか?」
アファナシエフ大使
「そうですね。ラブロフさんは私より2歳年下で、国際関係大学で一緒に学んだ時期がありますので、ラブロフさんのことはよく知っていますけど、そんなに自分の態度を変える人ではありません。ですから、発言を取り上げて、態度が変わったのではないかというのは違うと思います。ロシアの平和条約に対する、そしていわゆる北方領土問題について立場は明確です。ロシアの立場は第二次世界大戦の結果であるという立場は明確です。変わっていません。また、中国との国境問題が解決したという事態もありますけれども、それはまったく違う問題なんです。ですから、日本との関係においてはこの問題に特化して考えていくべきだと思うし、平和条約の問題もそうですけれども、それは第二次世界大戦の結果というものを認識し、平和条約を結ぶということだと思います。大統領もそう言っていて、大統領の方向を、外務大臣はそれを実施する道を努力してつくっていくわけですので、これが重要だということ。双方がデメリットがないような形で決めていくということは変わっていないと思います。中国とは40年も交渉して、国境問題を解決し、2001年に親善友好協力条約を結びました。両国の国境問題は完全に解決をしたわけです。これは文書をちゃんとつくりあげていくのにも3年もかかったわけです。ですので、私達は高いレベルで交渉を続けていくことによってこの問題の解決につなげていくことができると思います」
秋元キャスター
「平和条約締結をしてから北方領土問題を解決するのか、北方領土問題を解決してから平和条約を締結するのか。どちらが先なのですか?ロシアとしては」
アファナシエフ大使
「これは交渉で決めていくことだと思います。1956年のを見ますと、そこに書いてあることは、これは平和条約を締結したあとと書かれています。そのあとにソビエトが日本に対し、この2島について返還する準備を整える段階に移ると書いてあるわけです。そこで当時の総理がサインしています。その時は、最高会議、ソビエト時代のトップがサインしているわけです。それが日露共同宣言です。これは、両国の議会、ソビエト、日本で批准されたきちんとした文書なわけです。ですから、それがその後、うまくいかなかったというのは考えていかなければいけません。よく考えることによって何らかの解決につながるかもしれません。頭の良い人達が来月集まりますので、ぜひ考えていただこうとしたらいいのではないかと思うのですが、私の言っていることは合っているでしょうか。でも、交渉には向かいましょうという態度です。しかし、宣言については皆さんもよく読んでみてください。非常に重要な文書です」

『北方領土問題』解決への道筋
反町キャスター
「具体的な北方領土問題の解決という、僕らは勝手に考えているんですけれども、3つのパターンがあるとした場合に、日本側がこれまで求めてきた、マックスが4島一括返還というパターンですよね。2島先行返還して、その残りの2つの島については継続協議という話もあるだろうというのもあれば、4島のまず帰属を確認しましょうという話もあります。たとえば、プーチン大統領が言った両サイドが負けを感じない、ないしはかつてプーチン大統領は引き分けという言葉を使われました。その引き分けという言葉とか、両方が負けを感じないという言い方を考えた時に、4島一括返還というのは既に選択肢としては、僕はあり得ないのかなとプーチン大統領の言いぶりからは感じられるのですけれども、4島一括返還の可能性をどう見ていますか?」
柴山議員
「我々はずっとその主張をしているわけですから、そこにロシアが完全に一致するということは確かに常識的に考えれば難しいのかもしれませんね」
反町キャスター
「大使、ここの4島一括返還というのは、たとえば、プーチン大統領のいう引き分けに当たるのか。両方が負けを感じない選択肢としてこれは現実的にあり得るのかどうか、いかがですか?」
アファナシエフ大使
「引き分けというのがどういうものなのか。私は真に知っていたとしたら、それは、私はノーベル賞をもらってもいいぐらいだと思うんですけれど、それはどうしたらいいのかというのは、私はわからないので、これは公開しない、非公開な形で、議論を進めているところで、まだまだその結論からはかなり遠いところにいると思いますが、新しいレベルに至って協力を進めていくということ。同時に平和条約を締結するための交渉を進めていくことだと思います。平和条約というのは、1つの条項だけでできているのではなくて、とてもたくさん条項があるわけです。ですから、まだまだ何を含めていくのかということも含めて相談していかなくてはならない。どういう項目を入れるか。それは大きなドキュメントになりますから、あらゆるものを平和条約ということだけで考えるのは正しくないアプローチだと思います。両国関係というのはもっと広く考えていかなくてはならないと思います。プーチン大統領が言ったようにロシアも日本もどちらもwin-winであるような形で決めたいと。どうやったらいいのか。それを私達は考えていかなくてはならない。ただ、これはまったくオープンにして議論をしていくということではなくて、外交官や政治家が、静かな、非公開の状況の中で話し合いをして、双方のアプローチを決めていくのだと思います」
反町キャスター
「総理が今回、日露交渉に向かってやっている新しいアプローチというのは、おそらくこういう形で、この話だけを切り取って話をすることではないと、我々理解しています。けれども、経済協力の話もしながら、安全保障の日露協力もあるだろうし、でも、島の話もしなくてはいけないという前提で、この話、一応聞いていくというのが、我々の今回のスタンスなので、大使にも我慢していただきたいですけれど。柴山さん、まず2つ目。2島先行返還で、残りの大きな島2つ、国後、択捉に関しては継続協議だというようなこともこれまでの日露協議の中で何回も出ては消え、出ては消えをしています2島先行返還のパターンというのは政府の部内ではどういう重みを持って受け止められ、取り沙汰されているものですか?」
柴山議員
「現在のオプションも含めてですけれど、どういう内容の交渉をしているのかというのはトップ同士の話し合いですから、この場で申し上げることは避けなければいけないと思っています。そのうえで、プーチン大統領が言われた引き分けの解釈については、たとえば、先ほど、私は難しいかもしれないと言った、4島一括返還についても、たとえば、その時期の設定の仕方によっては引き分けに近いもの、つまり、一括返還を明日するのか、あるいは将来するのかということも含めて、引き分けにどういう形で持っていくかということを考えていけば、私は先ほど、難しいと言いましたけれど、若干、修正の念も込めて、引き分けに近い解決の仕方が、この3つのオプション、あるいはそれ以外のオプションも含めて、様々なことが考えられるのかなと思うわけです。いずれにしましても交渉の方針や具体的な内容については、私も大使同様にちょっとどの選択肢が、可能性が高いのかということはなかなかこの場では申し上げられません」
反町キャスター
「大使、2島先行返還ということに関しては、1956年の日ソ共同宣言。ここの中にある程度含まれている部分でもあるとは思うんですけれども、2島先行返還論というものはまだロシアの中では生きているのですか?」
アファナシエフ大使
「これは時期尚早。そこまではいっていないと思います。その前にやらなければいけないことがある。まず関係を改善し、強化していく。コンタクトがまだまだ少ない。最近の、この2年間、私どもはこの関係の強化というもののテンポが非常に遅くなっています。それを戻さなければなりません。それをまた、その関係をテンポよく進めていくところに戻して、関係を拡大し、そこで初めて、いろいろなバリエーションを、私どもにとっても、皆さんにとっても受け入れることができるもの、バリエーションを出していくということになります。3つとおっしゃいましたけど、5つぐらい、もしかしたら、バリエーションが出てくるかもしれません。まだこれについては現在の段階では話すものではないと思います。急ぐのはやめましょう。まだまだこれから、お話する機会はあると思いますので、こうやってお話をする機会をつくっていただいて、もっと進めていきたいと思います」
反町キャスター
「4島の帰属の確認ということに関しては、日露関係に関係している方、何人の方から我々は聞いているんですけれども、まず帰属がどちらにあるのかを確認したうえで、それが実際に本当に日本に還ってくるのはこれから先の話だから、何十年かかるかもしれないし、もっとかかるかもしれない。まずは帰属を確認するということが大切だよという、この日本側の気持ち、狙いというものは、ロシア側は受け入れられるものですか。それとも、冒頭に言われたみたいに第二次世界大戦の結果として4島はロシアの領土になったものだから、この4つの島が日本のものであるということを認めるというのは、まずもってあり得ないプロポーザルだと思った方がよろしいのですか?」
アファナシエフ大使
「はい。ロシアの立場というものをもう1回、繰り返した方がいいでしょうか。申し上げた通りですね。私達の立場というのは正しいと思っています。日本側は日本の立場が正しいと思っていらっしゃるわけですよね。ですから、私達は70年も平和条約を締結できていないということは、双方が自分の立場を主張するだけではダメだと。他のポジション、他のアプローチを考えなくてはいけないということなのではないかと思います。何か別の提案が出てくるように、貿易、経済分野で、また、文化の面、人文交流の面で、学生交流であったり、いろいろな国連安保理での協力であったり、国際問題解決での協力であったり、また、コンタクトを。1年で6万人しかロシア人が日本に来ていないと。少ないではないですか。日本からは500万も来ていると新聞で読んだのですけれど、6万というのはあまりにも少ないと思います。ですから、これを、たとえば、ビザを緩和するとか、ツーリストが行き来しやすいようにするとか、貿易関係も日露はロシアと中国の3分の1しかありません。私達の貿易関係というものももっともっと増やしていかなくてはならないのだと思います」

暴走・北朝鮮への姿勢は
秋元キャスター
「今月、ウラジオストクで行われた日露首脳会談での、外交、安全保障についてのポイントまとめました。安倍総理は、北朝鮮との諸懸案の解決に向けてロシアと引き続き協力たいと述べたのに対して、プーチン大統領は北朝鮮が核問題を合法化しようとしているのは認められないと。問題の解決のためには6か国協議を再開することが重要だと述べました。日露間の安全保障に関して様々なレベルで議論を継続するなどのことが議論として交わされたわけですけれども。今日未明行われました安倍総理の国連演説では北朝鮮の脅威を異なる次元の脅威と国際社会に発信しています。大使、安倍総理は異なる次元の脅威と北朝鮮の脅威を表現しているわけですが、ロシアは北朝鮮を巡る東アジアの情勢をどう見ているのでしょうか?」
アファナシエフ大使
「私どもにとって、朝鮮半島で何が起こっているのかということを知るのは、それを把握することは非常に重要なことです。ロシアはもちろん、朝鮮半島は、核なき半島にならなければいけないと考えています。核実験、ミサイル実験が、北朝鮮で行われているわけですけれども、これは、私どもとしては、たとえば、これを脅したり、経済制裁を行ったりするだけでは解決できる問題ではないと考えています。特に北朝鮮にとっては、国の安全保障の問題です。彼らにとって脅威があれば、それに対抗しなければいけないと感じていくわけです。そのために核が必要ということになるわけです。私ども、これは6か国協議というものがあります。非常に良いフォーマットでした。これは北の核問題について話し合ったわけで、全ての国が、韓国、北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア、日本が参加をした。つまり、ここで関心を、利害関係を持っている国全てが参加していたのですが、これがなくなってしまいました。ですから、私どもとしては、新しい制裁、新しい決議、何らかの措置をとる前にやらなければいけないこと。外交的、政治的な方法をとって、これらの人がもう1度、協議の席に着くようにするのにはどうしたらいいのかということを考えなければいけないと思います。皆が納得できる話し合いを行う。ところが、このフォーマットが壊れてしまいました。日本ですけれども、たとえば、日本で2国間の協議が行われて、たとえば、拉致被害者の問題というものもあります。それには北朝鮮との関係を何らかの関係、良い関係をつくるような方向で動かなければいけない。悪い関係では解決できる問題も解決できなくなってしまいます。北朝鮮、韓国、それから、北アメリカ、南アメリカ、全ての国、北、南というのは分かれているのではなくて、共に歩んでいくべきだと思います。ですから、朝鮮半島もこれについてはこのような考えに則って解決しなければいけないと思います。ところが、そのような、このフォーマットというのが動いていません。北朝鮮はミサイル開発、核開発というものを進めています。これを制裁で押さえつけようとしている。皆でどうやってこの問題を交渉の席で解決できるテーマに戻すかということを考えなければいけない。私どもの、北朝鮮との関係というのはもちろん、ある種の関係があります。平壌には大使館もあります。在平壌ロシア大使館もあります、在ロシア北朝鮮大使館というのもロシアにあります。中国もあります。ところが、アメリカも日本も外交関係を結んでいません。北朝鮮とは外交関係がないわけです。私もこの問題について20年ほど前に関わってきましたけれども、これは解決には至らなかった。もう1度考え直すべきだと思います。私どもは、北朝鮮のリーダーをロシアに招待しました。昨年のことです。これは第二次世界大戦対独戦勝利記念日のセレモニーに招待したわけですけれど、これは非常にレアなケースです。こういう関係の強化というものを行う機会になりました。北朝鮮にこそ核兵器を開発することではなくて、脅威に対抗していくのではなくて、何らかの共存の方法があるということを説得する必要があると思います。私はこの問題については、ラブロフさんと岸田外相との間で北朝鮮の問題は話し合われたと聞いています。共通のアプローチというものを見つけられることを本当に期待しています。でなければ、これから問題はどんどん深刻化していくと思います」
反町キャスター
「北朝鮮から日本に向けて、撃つかもしれない、我が国から見た時に、脅威となるミサイルにスカッドというミサイルがあります。ロシアで開発されたミサイルで、それが何らかの形で北朝鮮に技術供与、ないしは現物が供与され、北朝鮮で生産されて、日本も視野に入れた配備がされている。現在はそういう関係はないでしょうけれど、過去においてロシアの軍事技術が北朝鮮に供与されていた。それが現在、日本に向けての脅威になっている。ここの部分についてロシアは一定の責任を感じているのですか?それとも、それは過去のことだから、現状の日本の安全保障には関係ないという考えですか?」
アファナシエフ大使
「ロシアが、私達がこれまで何をやってきたではないかと非難するのは当たらないと思います。現在、北朝鮮は何をやっているのかということを考えるべきだと思います。北朝鮮はまったく孤立した状況に置かれているわけで、それだから核実験をしたり、ミサイルを開発したりしているわけですね。前にはソ連と北朝鮮の間に技術的なやり取りはあったけれども、その時は、大量殺戮兵器は北朝鮮には供与していません。ロシアは核兵器についても核の不拡散ということをきっちり支持しています。私達は最初に署名し、その保証者ともなっている国です。ですから、核兵器の開発を支援するということはあり得ないわけです。ですから、皆さんも考えていただきたいと思います。皆で協力して北朝鮮に働きかけるべきだと思います。そうしてこの難しい問題の解決にあたっていくべきだと思います」

日露急接近の効果と副作用
秋元キャスター
「ロシアの世論調査で、最も信頼できる国はという質問に対して、このような結果が出ています。中国と答えた人が25.0%いまして第1位です。ちなみに日本は第2位で9.9%、インド9.6%と続くわけですけれど、大使、中国が1番信用できるという、これはそういうものですか?」
アファナシエフ大使
「まず中国というのは、私どもにとって1番大きな隣国です。もちろん、複雑な文化革命などの非常に難しい時期がありました。それから、軍事衝突もありました。しかし、その時代から変わって、その時代から超えてきたという非常に達成したことがあると思います。ですから、世論もこれに対して評価していると。同じ様に、この世論調査を1969年に行ったとしたら、まったく違う答えが出てきたと思います。この差が出てきたということこそが、私どもの関係が改善したということで、これは北東アジアにとって非常に良いことです。それから、日本に対して、第2位が日本で10%に近いということは、これも非常に良い数字だと思います。つまり、日本へのこの10%、日本に対するロシアの感情というのは、ロシアに対する日本の感情よりずっとずっと良いものです。たとえば、ロシアの国民に対して、どこの国に好意を抱いているかと言えば、日本と答える人がたくさんいると思います。日本のビジネス界は、ロシアに対して参入はゆっくりですけれども、よく考えてパートナーになったら非常に信頼性の高いパートナーだという高い評価があります。ロシアには1000ほどの日本食レストランがあります。でも、東京にはおそらくロシア料理屋さんは2、3軒しかないのではないでしょうか。ロシアではお寿司とか、お刺身とか、知っていますが、同じことが言えないと思います。ここにも協力関係のきっかけというのがあります。ですから、極東からいろんな人々、いろいろなモノを入れると大きな可能性があるわけです。おっしゃったように国民がお互いをどう考えているかということは非常に重要なことです。数字は小さいかもしれない。ただ、この関係が拡大していけば、この数字は確実に伸びていきます。日本でも同じことが起こっていくことを期待しています」

経済協力と日露の『国益』
秋元キャスター
「安倍総理は世耕弘成経済産業大臣を新たに設けたロシア経済分野協力担当大臣に任命しました。ロシアという特定の国を担当する大臣ポストまでも新設して、安倍総理のロシアに対する熱意、想いが込められていると思います。ロシア国内ではこのあたりをどう評価されているのでしょうか?」
アファナシエフ大使
「世耕さんですよね。個人的にもよく存じ上げています。ソチでの交渉があった時に、安倍総理は8項目の協力プランをお話になったわけですが、プーチン大統領は誰が作成者ですかと聞いたんです。その作成者の1人として世耕さんの名前が挙がったわけです。プーチン大統領がじゃあ拍手しましょうと言って、協力プランのことを、官邸と世耕さんのお仕事を大統領が高く評価したということだと思います。これから具体的な内容を詰めていかなくてはならないと思います。それをやっているのがウラジオであって、日本にウリュカエフ経済発展大臣が来て、世耕さんと会いました。そのようなコンタクトというのはロシアにとってもメリットもあり、日本にとってもメリットがある。経済協力を進めていくということは双方にメリットがあるということです。シベリアの可能性は非常に大きく、極東の可能性は非常に大きいと、それは日本と分け合いたいと思います。皆さんも利益を得ていただきますし、私達も皆さんの技術を教えていただくと。特にゴミ処理問題などは、日本は進んだ技術を持っていらっしゃるんですね。それをロシアのいろいろな都市で使っていくということ。このように大変な重要な方向性だと思います」
反町キャスター
「ウラジオにおける首脳会談において18項目のアクションプランが提示され、そのうち3つの例、北海道―サハリン鉄道網整備、北海道―サハリン電力ブリッジ、日本-サハリンのガスパイプライン、これに対する受け止めはどうだったのですか?」
アファナシエフ大使
「このアイデアについては何年も話し合われていることです。現在、これを話し合いに基づいてプラクティカルなベースに、エネルギーリングにすると。日本、ロシア、韓国、中国、これを結んで、エネルギーシステムを、この4か国で結んだものをつくるというアイデアが出ているわけです。エネルギー資源を、状況に見合った形で共に使用していくというものです。たとえば、極東には電力がたくさんあります。発電施設というのはまだまだつくれます。それをケーブルで送ることができますね。そしてこれを経済性について考える、電力にしたらいいのか、電力を売ったらどうなるのかを計算して具体的なプロジェクトにすることを考えているわけです。他にもあります。たとえば、液化水素など。ロシアには水力資源もあります。これをシベリアから日本に持ってくることもできます。非常に環境に優しいものですし、エネルギー的な大きな可能性があるんです。その他には農業分野もあります。シベリア、極東にはクリーンエネルギーもあります。クリーンな農作物を提供する場所もあります。そういう意味で、可能性というものは制限がありません。ウラジオストクで18のコントラクトが調印されました。日本の企業との間で交わされたわけですけれども、まだまだこれは初めの段階です。どんどん伸びていくと思います」

エヴゲーニー・アファナシエフ 駐日ロシア連邦特命全権大使の提言:『ロシアと日本の国民の利益のための協力』
アファナシエフ大使
「私の提言ですけれども、それは協力です。ロシアと日本の国民の利益につながるような協力を、とういことです」

柴山昌彦 首相補佐官の提言:『未来志向』
柴山議員
「過去のいろいろな歴史経緯はありますけれども、これからwin-winの関係を、お互いが勝者となるような形で築いていくことが必要だと思っています」