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2016年9月20日(火)
『慰安婦』日韓のミゾ 10億円拠出と少女像

ゲスト

河村建夫
元官房長官 日韓議員連盟幹事長 自由民主党衆議院議員
長妻昭
世宗研究所所長
木村幹
神戸大学大学院国際協力研究科教授

『日韓新時代』への課題 首脳同士の信頼関係は?
秋元キャスター
「今月7日にラオスで行われた日韓首脳会談について聞いていきます。会談での安倍総理と朴槿恵大統領の発言の一部。安倍総理は『朴大統領と共に未来志向の協力を進め、日韓新時代を築いていきたい』と表明をしました。これに対して朴大統領は『両国関係の改善で様々な課題に共同で対応できる土台が広がった。協力のモメンタムを拡大したい』と応じています。今回の日韓の首脳会談をどのように見ましたか?」
陳氏
「日韓関係が正常化しているのだということを見せているのだと思いますけれども、ちょっと言葉の選択が違うんだと思いますね。だから、共同で対応できる土台が広がったというのは、過去のことで、ある程度日韓が合意をして、そのことが前提になって、それで日韓関係が発展するのだという意味を込めているのだと思いますね。それと、安倍総理は、日韓の新時代を築いていきたいということは、未来のことを象徴したと思いますね。強調しているんだと思いますけれど。だから、日韓は、韓国はまだ過去のこと、歴史問題とか、そういうことをはっきりして、そういうところから未来をつくるのだというイメージを持っているわけですね。日本ではもう過去のことは終わったという感じですね。未来志向のことをやりたいという認識のギャップはある程度はあるのだと。でも、未来向けのことでは一緒になっているのだということだと思いますよ」
反町キャスター
「その部分というのは、まだ朴大統領からすれば未解決の部分というのですかね。まだ日本が努力すべき部分というのがあるんだよという、ここを言いたいと。そういうことですか?」
陳氏
「だから、未解決というよりも、ある程度これから一緒にプロセスを踏まなければならないのだと。だから、慰安婦の問題についてはもちろん、合意で終わっているんですけれども、それを終わらせるためには日韓の協力が必要だと。だから、終わってはいないのだという意味を込めているのだと思います」
反町キャスター
「木村さん、全体の印象としての最近の日韓関係。特にラオスにおける日韓首脳会談はどんな印象で見ていましたか?」
木村教授
「これまで会えなかった両首脳なので、普通に、それもわざわざ場をつくったわけではなく、他の大きな会談の場で、普通に会えるようになったというのは大きな前進ですよね。そういう意味では、まだ良好だとはとても言えないと、実は思っているんですけれども、正常な関係に戻った。ここからという感じですよね」
反町キャスター
「その意味で言うと、たとえば、いわゆる歴史問題ではなく、経済関係、通貨スワップの問題、ないしは軍事情報の共有協定、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)と言われるものとか、その他諸々の安全保障上の協力とか、経済上の協力とか、ないしは日中韓のFTA(自由貿易協定)とか。いろんな歴史問題以外の部分で課題はいろいろあるわけで、陳さんの話を聞いていると、そちらに行く前にまだやらなくてはいけないのだということが残っているのか?そちらの話を進める気になっていいのかどうか。ここはどう見たらいいのですか?」
木村教授
「同時並行でいいんだと思いますね。基本的に韓国側としては土台が広がったという言い方をしているわけで、日韓の協力の土台はできたと。だから、できるのだと。ただ、この土台というのはまだ広がっただけで、構築されて、できあがってしまっているのではない」
反町キャスター
「広がったというのは、未完成という意味なのですか、これは?」
木村教授
「まだ広がる余地があるという感じですよね。そうすると、韓国の方から協力してほしいというのも、何かやってほしいというのもあるのでしょうけれども、同時に、日本側から様々な、韓国側からしてですけれども、雑音ですよね。韓国の政府を誹謗するような発言であるとか、歴史認識問題で刺激するような発言はやめてくれと。この土台はまだ固まっていないから、これを大事にしていきましょう。その中で1つずつ積み上げていくと韓国側は考えているのだと思います」
反町キャスター
「それは経済とか、安全保障の話がまだできないという意味ですか?土台が固まっていなければ、次の話ができないのか。そういう話も同時並行と言いましたけれど、そこはどう見たらいいのですか?」
木村教授
「そこも慎重にという話」
反町キャスター
「そこも慎重なのですか?」
木村教授
「たとえば、GSOMIAの話にしても、軍事、その他の軍事協力の問題にしても、たとえば、韓国側が常に嫌がるのは、韓国は中国の方に傾斜していると、我々は言うわけですね。そうすると、そういう言い方をすると、全部ぶち壊しになるからやめてくれと。それも含めて、土台だと思うんですよ。そうやって歴史認識問題の土台もあるし、もっと言えば、協力をしながら、日韓関係は大事なのだから、皆で協力をしましょうねと、土台をつくりあげた。あげようとしている。まだその途中経過ですと。もっと言えば、その中で、つくりあげていくのだけれども、これはまだ壊れる可能性がありますよということを韓国側は言いたいのだろうと思います」

『慰安婦問題』日韓の溝 10億円拠出と『おわび』
秋元キャスター
「さて、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認しました、昨年12月の日韓合意に基づいて日本政府は元慰安婦を支援する韓国の和解・癒し財団に10億円を拠出しました。10億円の内訳についてですけど、外務省は生存者46人に1人あたりおよそ1000万円、亡くなっている方、故人199人の代理人におよそ200万円を支払うと発表しています」
反町キャスター
「1000万円という金額ですけれど、こういう問題、こういうものに相場があるというのも僕は知らなかったんですけれども、だいたい2万ドルぐらいが相場ではないかという話もあったではないですか。2万ドルというと、だいたい200万円ぐらいですよね。それが今回、1000万という、いわゆる通り相場の5倍の金額になった。これはどう見たらいいのですか?」
陳氏
「3つあるのだと思います。まず被害者の、ある程度の期待感があるし、それと民主化運動とか、韓国の中で、被害者についての金額。3番目は、これまでの経緯の中でアジア女性基金とか、それよりもっと大きな金額を出さなければならないのだという、3つの配慮があったのではないかと思います」
反町キャスター
「特に3つ目がちょっと引っかかるんですけれども、アジア女性基金というのは様々な、いろんな形で1人500万円ずつ渡したと僕も聞いているのですが、総理の手紙も含め、合わせて。今回、受け取られるであろうという方々というのは、その受け取った方々も当然その中にいるわけではないですか。もらっていない人に対して配るわけではないですよね。もらった人にも配るし、その時、拒否した人にもお渡しすると。その意味おいて、500万円を超えなくてはいけない。そういうものですか?」
陳氏
「だから、アジア女性基金というのは、政府の、これまで私が話をしたことですが、反省して、とりあえず事実を認める。それと謝罪をする。政府のお金でそれを出すと。3つのことを見ると、韓国側は日本側がそういうふうには言っていないですけれども、法的責任に当たるということで考えているわけですね」
反町キャスター
「韓国側は思っている?日本政府は法的責任を認めていないですよね?」
陳氏
「認めていないですけれども、でも、韓国側は、これは国際的な基準から見ると、それは法的責任にあたることだと。だから、これまでやったことはそれを認めたことではなかったわけですから。新しい基準になって、それに照らしてやっていくことだと。だから、前のことも参考にはなるんですけれども、そのことで500万円をもらった方には与えないのだとか、それはないのだと思います」
反町キャスター
「それと民主化運動の時の1000万円というのは、それは韓国国内の問題があった時、その時、過去に、たとえば、韓国の軍事政権によって何らかの弾圧を受けた被害者に対しては、それはここで言われる、いわゆる慰安婦のような、性的なものではなくて、いわゆる不当な政治弾圧みたいなものを受けた方に対して、国が弾圧を受けた人に対して、1000万円を払った…、このパターンですよね」
陳氏
「そうです。ただ被害者に対しての、だから、法的に考えると、被害者の基準から見ると平等性があるわけですね。平等性があって、ある程度は、民主化運動をして、被害者になった方と、この慰安婦の問題とはちょっと違うんですけれども、でも、被害者だということは同じだと。だから、その意味で、ある程度これまで払った金額があるわけですね。それに合わせて、これは1000万円だということよりも、相当の金額という意味で、1000万円がいいのではないかという、財団の中でもそういう議論があったんです」
反町キャスター
「木村さん、どう見ていますか?1000万円という金額は。1000万円と、亡くなった方には200万円という、合わせてのパッケージングというのか」
木村教授
「まず1000万円というのは、韓国のお金で1億ウォンですので、とてもわかりやすい金額ですよね。と言うのがまず1つですね。ですから、陳さんおっしゃられたけど、韓国の政府から見ると、慰安婦問題も、民主化運動も過去の問題であって、日韓基本条約等もありますので、韓国政府も実は関与している問題ですね。もともと日韓基本条約で、日本から賠償金というか、経済援助をもらったにもかかわらず、韓国政府が渡さなかったということが問題になっているわけですね。韓国政府にも責任が生じていると。その場合の、最大限の相場と考えた場合、1億ウォンであると。逆に言うと、1億ウォンを超えてしまうと、他の人達との釣り合いがとれないと、韓国内の。これは非常にややこしい問題ですが、韓国内でもいろんな歴史上の被害者と言われる人達がいて、もちろん、それは日本植民地統治に関わった軍人、軍属だったり、労働者だったり、いるわけです。それとのバランスも皆、考えないといけない。そうすると、最大限出せる額は1億ウォンというのはわかりやすい話であって…」
反町キャスター
「既に、この1000万円という額の意味が様々出てきている。そのまま飲み込んだ方がいいのですか?我々は」
河村議員
「韓国側に委ねた形でマックス出せる金額はどうなのだと。それによって積算して10億円が決まっていたと思うんですね。最初から10億円とやったか、全体を見て決まっていったと思うのですが、マックスでどこまで出せるかというのはまず韓国側が提示されたのではないかと。それを受けた形で決まっていった。それから、例のアジア女性基金の時に、マックス500万円出ていますから。そういうのも1つの根拠になって。それは単なる癒し金と、ここにもありますようにさらに医療、介護も含めてのことですから。その中には親族の奨学金までも含まれたと書いてありますから。かなり広範囲に考えてマックスということで、先ほど言われた、わかりやすい金額になっていったのではないでしょうか」
反町キャスター
「他国との関係を考えた時に、これは日本の、いわゆる歴史問題の責任を追及するとパーヘッド1000万円、相場感が形成されませんか?」
木村教授
「少なとも、形式上は韓国政府、もしくは韓国政府がつくった財団が支払っているお金ですので、それが相場をつくるという形にはならないという言い方もできるとは思うんですけれども、ただ、他の太平洋戦争とか、植民地支配の関係者にとって、期待は明らかに出ますし、現に台湾ではそういう議論が出ていますので、金額の問題も重要ですけれども、日本側としては韓国側と阿吽の呼吸で、二重解釈を認めるというのも必要かもしれませんが、ここの部分はダメですよというところのポイントがある場合には、確実に言っておいた方がいいですね。そのうちの1つは、法的賠償になるのかどうかというのは、韓国側にもあまりそれは言わない方がいいと釘を刺しておく必要はあると思うんですね」
陳氏
「1000万円が他のところでも相場になるのではないかという話、とりあえず前提は日韓の合意があるわけです。政治的なリーダーシップの決断があって、財団をつくって、韓国側がそれを運営するわけですね。2つの前提がなければならないわけですね。だから、そういうところは、これからはあまりないと思います」
秋元キャスター
「視聴者からの質問ですが、『韓国の和解・癒し財団が、安倍総理から元慰安婦に宛てたお詫びの手紙を要請していることがわかりました。どういうことですか。昨年の日韓合意で終わったはずではないですか』とのことですが、陳さんはいかがですか?どういうことなのですか?」
陳氏
「私もニュースで見たんですけれども、要請をしたということは、事実ではないと思いますね。それは、中でそういう議論をしたことはあるんですけれども、それを政府にやってほしいという話はしていないですね。でも、この問題を解決するためには感情的な措置が必要だということで、そのことをやることが日韓の利益になるのと。だから、日本側も早く解決をしたいという気持ちもあるし、韓国も同じです。この問題、早く解決して、安倍総理がおっしゃる日韓の新時代に向けて未来志向のことをやりたいと。だから、そのためにはアジア女性基金で、手紙を出したことはあるんです。だから、そのことを考えてみると、日本側が、手紙なり、感情的な措置をやったならば、10億円を拠出して、心を込めてやっているのだというイメージづくりになって、それが解決に向けていいのではないかという話は結構あるのだと思います」
反町キャスター
「河村さん、総理の手紙、どう感じますか?」
河村議員
「アジア女性基金の時、歴代総理、小渕から小泉まで同じ文書をずっと出しましたね。そのことがまた蒸し返されるのかという感じはしますけれどもね。それは、前の時に出したのだからと言われれば、初めての方には、日本政府の気持ちをということでしょうが、しかし、これは日韓合意で、そういうことに言及せずに来ていますので。韓国側の責任でやるべきことではないかと思うんですよ。しかし、まだ世論が必ずしもそれに同意をしていないこともあって、これを韓国側がどう理解を求めるのかという、そのあたりから出てきたことなのでしょうが、まだ正式に、政府間で話をしたことではないと私は思っています」
反町キャスター
「そもそも10億円を基金に拠出するかどうかという時にも出さなければ解決しないですよ。解決しなくてもいいのですかというところで日本政府、日韓のかなりの交渉があって、こうなっていると僕は思っています。出しました。出したあと、今度、手紙を出すのですか、出さないのですか。手紙を出さなければ次に進みませんよ。壊れてもいいですね。同じフレーズが繰り返されているというのは僕の勘違いですか?」
陳氏
「だから、それは誤解ですよ。合意の文書を見れば、10億円を出すことが合意ですよ」
反町キャスター
「合意の文書でいうと、その日韓合意の中に、この岸田さんの上から2つ目になるのかな、安倍総理の心からのお詫びと反省の気持ちを表明という、こういう発表になっているんですよ、表明。最後のところがないから微妙ですけれども、表明したのか、表明するのか。表明するというのだったら、もしかしたら手紙を出さなければいけないかもしれない。これからするという意味だから。でも表明したというのであれば、これまでの日韓協議、ないしは国際協議の中で、総理の発言とかで表明をしたのだから、もういいのではないかという、ここは曖昧になっているというところが問題なのですか?ここはそれとも曖昧、韓国側からすると、この表明というのは、これから総理がお詫びを表明すると受け止めているのですか?」
陳氏
「その下を見ると、このために韓国政府は財団を設立し日本政府が10億円程度の資金を一括拠出するということになっている。これは合意事項です。だから、なぜ10億円を出さなければならないのか。そういう話はその中に入っているんです。これで終わりかけているんですね。10億円を拠出して、慰安婦の問題を最終的かつ不可逆的な解決を確認、まだ過程が残っているわけ、こちらでは。そのプロセスを踏むところです。だから、そのことでプロセスのことで一緒に協力しましょうということですからね。この合意のもとで、話をすることで、それに違反することではないと思います」
反町キャスター
「木村さん、ここどうなのですか?反省の気持ちを表明するのですか?表明したのですか?」
木村教授
「これは、したと、先ほど、陳さんもおっしゃられましたし、普通はそう解釈をするし、それ以外の付加価値はあり得ないと思うんですね。ですから、あくまで今回の手紙の話になったとしても、日本側から見ると、合意のプラスアルファ、追加のサービス。韓国政府に対するアシストという形にしかならないのは、ならないのだろうと思います。だから、陳さんが言おうとしているのは、アシストしてもらえれば、日韓関係が良くなるから、日本にも利益になるでしょうということをおっしゃっておられるわけですけれども、そこは将来の日韓関係も踏まえながら考えていくべきポイントだと思いますし、果たしてここで安請け合いしていいのか、どうなのかというのは見極めないといけないですよね。もう1つ、大事なことというのは安倍、朴両政権の間で解決するのだということは、ここまでやるのであれば明確にしておいた方がいいと思うんです。1番困るのは作業が長引いて投げちゃうというのが1番困る。次の政権が実質破棄というのは困るので、そこの部分は、次の日韓首脳会談のある場合でもいいですし、他の会談の場でもいいですけれども、韓国側と日本側で両政権の間で解決するのだという、まず合意をし、もう1つ、さらに合意をし、そのうえで具体的に日韓両国政府に何ができるのだというのをきっちりと詰めていく必要があるのだろうと思うんですね」

『少女像』撤去への道筋は
秋元キャスター
「今月7日の日韓首脳会談で、安倍総理はソウルの日本大使館前にある少女像の撤去に向けた努力を要請したのですけれども、朴大統領は少女像の撤去の問題には言及しませんでした。陳さん、韓国政府はこの撤去に向けた努力について、どうなっているのですか?努力しているのですか?」
陳氏
「やっていますよ。だから、これは約束したものですから、努力をするのだということで、財団をつくって、被害者にお金を渡して、そのことで被害者が良かったと合意をして、この問題を解決したと、彼女達が話をすれば、実は、この問題は終わるんですね。終わったならば、韓国の国民達が冷静に考えてみると、この少女像を他のところに移して、記念館に移したりとかして、それを歴史的な教訓として残すということになるんだと思いますね」
反町キャスター
「陳さんも、和解・癒し財団の理事ですから、具体的にどういうことをやっていて、いつまでにどういう形を示そうかという、スケジュール感みたいなものは、それはあるのですか?」
陳氏
「あるんです。はっきりとはここでは言えないですけれども、日程を。とりあえずはお金を渡して、そのことをまずやるわけですね。そのことがある程度、進んだならば、同時並行として記念物、それと追悼施設とかをつくるんですね」
反町キャスター
「10億円の残りと言っても1億4000万円ぐらいしか残っていないですけれども、それでできるのですか?」
陳氏
「そのことは韓国の中で募金するとか、いろんな形でやるわけなんですね。だから、まだ決めてはいないので、それはわかりませんけれども、とりあえずいろんな形で追悼施設をつくると。歴史的な教訓として残すと。だから、そのことをうまくできれば、少女像を移すことはできるんだと思っています」
河村議員
「朴槿恵大統領、11月にお見えになるんですよ。それまでに、1つのきちんとした回答ができる姿が望ましいと思いますよね。それまでに今おっしゃったようなことで、きちんと進めて、こういう形でやっていると。この前の外相会談でも、尹外相はあの像があることに対して、日本側に懸念があると。ウィーン条約の問題、公館の前の安寧と威厳の問題もよくわかっている、努力をすると、こう言っているわけですから。大統領、本当に手ぶらで来られるのかという問題があると思いますよ。ある程度、それが前進しないと、まだ日本の世論も何でそこまでやるのかという議論も、世論調査したら、日本も賛成5割を超えていない状況があります。それはそういうところにもあると思いますので。本当に、未来志向でやろうとしたら、それは必要だと私は思いますね」
反町キャスター
「河村さん、日韓議連の幹事長で、日韓の議員交流の中でも、いろんな話が出ますよね。韓国の国会議員の皆さんは、河村さんに対して、あの少女像はどうなると話をしているのですか?」
河村議員
「結局、言い訳になるのだけれども、あれは民間がやっていることなんでと、こう言うんですよ。言うのだけれど、それは政府の働きかけによって動かすことができるはずだと。我々の常識から言って、いくら民間がやったって、そんな公館の前のことについては、失礼じゃないのかと言うことはできるし、合意をしたあと、韓国は、これは当然やるべきだと、皆、思っていますからね。これは早晩、おっしゃったように、どういう形にしろ韓国側の責任で、朴大統領がお見えになる時は、1つの解決策を持ってお見えになると我々は信じています」
秋元キャスター
「先ほど、安倍総理から元慰安婦の方に、お詫びのお手紙の話があったと思いますが、逆に癒し金を受け取った元慰安婦の方から、受け取った方は、安倍総理に、もらって良かったです、納得しましたというお手紙とか、たとえば、まとまって良かったですという声明を出すとか、そういう可能性はないのですか?」
陳氏
「それは、日本政府次第ですね。本当に日本が、心を込めて、いろんな形で、行動なり、言葉として出てくると、たぶん被害者の人達も、名誉回復が1 番、彼らの目標ですからね。目的ですから。たぶんそれで感動したならば手紙を送るのだと思いますよ。でも、現在の状況ではそういうところまではいかなくて。生きていらっしゃる40人の中でも何人かは政府の合意について肯定的に考えているという話をしているんですね。だから、それが韓国のマスコミでもこれから出てくるんだと思いますけど、だから、現在の段階で解決するためには被害者の心を掴むということが1番重要なんですね。そのために財団の理事長も被害者と会って、毎日、会っているんですね。大変なことになっているんですね。理事長は本当に大変だと思いますけれど、毎日会って、説明したり、遺族と話をしたりしているんですね。だから、そのことが、私は環境づくりの一歩だと思います」
反町キャスター
「一方、韓国の世論全般について聞きたいんですけれど、陳さん、少女像の撤去について韓国内で世論調査をかけると76%の人が移設に反対。撤去に反対。一方、東亜日報の論説主幹、東亜日報というのは韓国におけるメジャーな新聞のうちの1つですよね。その新聞、論説主幹のコラムが14日、北朝鮮の核に対して日本と協力していくためにも少女像を移転させるべきだと話をしている。移転に反対している人が76%いる一方で、大手の新聞社の中には、現在は北の核に対応するべきであって日韓の問題、少女像を移転させるべきだと。どちらが韓国の世論なのですか?」
陳氏
「だから、戦略的に考えてみると東亜日報の論説主幹の話が正しいんですね。戦略的には、そうするべきだと。ただ専門家の間でも、政府の中でも、そういう声があるのだと思いますね、でも、一般の人達は、それをまず考える前に、被害者の苦しみについて、まず目を向けているわけですから、その意味で反対だと思いますね。それと野党を含めて、特に若者達は昨年の慰安婦の合意に、日韓の合意について反対する人が多いわけ。理由は女性の性の問題について、韓国社会が敏感になっているわけなんですね。そのこともあって、だから、日韓関係を重視して、それで反対か賛成かというよりも普通の、一般の人権問題として捉えているわけですね。その観点から見ている人が多いわけですね。それで反対が多いのだと思います」
反町キャスター
「木村さん、この世論、どのように見ていますか?」
木村教授
「韓国の過去からの経緯を考えると、これでもまだ少ないぐらいかなと」
反町キャスター
「感触的に98%ぐらいいくのではないかという?」
木村教授
「もう少女像を移転してもいいですかと公の面前で聞くと、それは絶対にダメだろうと。変な話、世論調査だから、僕はという人もいるけれども、ただ、建前上は言いにくいという感じがすごくありますから。実際問題、先ほどから陳さんが言われているのは、こう進むといいよね、というシナリオですけども、実際問題としてこのリスクを韓国政府がとれるかというのは実際には難しいだろうと思います。とにかく来年12月には大統領選挙があって、慰安婦合意が大統領なり、世論の支持率に与える影響はそれほどないですけれど、この問題、少女像の問題に関してだけは、韓国の世論は敏感になるんですね。そうすると時間が経てば断つほど、この問題、難しくなっていくわけです。果たしてできるのか。ですから、少なくとも日本側、日本政府もそうですし、日本国民もそうですけれども、この問題に対してフラストレーションを抱えている。韓国政府が何もしないのではないかと思っている。韓国側から聞こえてくるのは土台はつくっているのだと。ただ、そろそろいつまで土台をつくっているのだ、という話になりますので。そうすると、韓国政府の方から、具体的にどう進めていって、何をするのかと。どういうリスクを負うのかというのは、責任のある立場の人から発言いただきたいところですね」

暴走する北朝鮮の脅威 日韓連携と中国の役割
秋元キャスター
「ニューヨークで行われました日韓外相会談で、岸田外務大臣が北朝鮮の問題を取り上げて『安全保障協力の強化が必要不可欠だ』と述べたのに対して、尹外務大臣が『その必要性については完全に同感だ』と応え、安全保障分野での協力強化が必要だという認識で一致しました。北朝鮮の脅威について日韓の連携、何をするべきだと思いますか?」
河村議員
「北朝鮮という新たな次元の違った脅威が出てきた。そういう意味では、日韓の合意ができたというのは意義が大きかったと思いますね。両方でこの状況を解決するということですから、お互いの情報を交換できるようなものが必要になってきますから、GSOMIAもそうだと思いますね。そういうことをお互いに真剣に話し合う時がきていると、そういう感じがしますね」
陳氏
「その通りだと思いますけれど、現在の状態でやるべきことは制裁をもう少し強くやるべきだと思います、北朝鮮に対して。アメリカがセカンダリーボイコットをするかどうかが1番課題なのですから、そのためには日韓が手を合わせてアメリカを説得して、もう少し強い制裁をするということが1番望ましいのではないかと」
反町キャスター
「対北朝鮮の経済制裁の鍵を握るのは中国ではないのですか?」
陳氏
「中国はやる気があまりないですから。国連がやっている制裁については、中国もやっているんです。でも、穴がいっぱいあるわけです。穴というのは民間の部門については何も規制をかけることができませんから。その意味で中国が本当に制裁をやる気になるというのは、北朝鮮が崩壊しても、金正恩政権が崩壊しても、中国に被害がないのだという保証ができた時です。現在は制裁をやれば、セカンダリーボイコットですとか、金融で制裁をやれば、効果があるんですよ。効果があれば金正恩政権が危なくなるんです。危なくなった時に親中政策ができるのかと。それについては自信を持っていないわけです。中国は現状維持を期待しているし、考えているわけですから、その意味で、国連のやっていることについてはある程度は協力しますけれど、本気になってやる気はないと思います」

河村建夫 日韓議員連盟幹事長の提言:『日韓新時代の構築でアジアに平和を!』
河村議員
「これは日韓がキチッと合意ができ、新時代をドンドンつくりあげていくことによって、世界へも貢献ができるのですが、特にアジアですね。東南アジア含め、アジア地域にとって大きな力になっていくと思いますから、それをしっかりやるべきだと。日米韓ありますけれど、日本と韓国がもっと力を合わせることによって、アジア地域の発展にもっと力を尽くせるはずだと思っていますので、経済もそうだし、農業とかそういうことを考えても、もっと日韓が力を合わせて、アジア地域全体の発展に力を尽くすべきだと考えます」

陳昌洙 世宗研究所所長の提言:『共同で協力』
陳氏
「共同で協力するべきだと思いますね。慰安婦のことでも、認識のギャップがあることは間違いないのだと思いますけれども、目的は慰安婦の問題を解決するということが日韓の国益としていいんだと思うんですね。その意味で、共同でやることをまずやって、良い結果を出すように努力するべきだと思っているんです」

木村幹 神戸大学大学院国際協力研究科教授の提言:『長期的国益』
木村教授
「土台、土台と言っていたのですけれど、土台をつくって、そのあと何をするのだという話ですよね。日韓両国に細かい問題はあるわけですけれど、それよりもお互いの関係がお互いにとってどういう利益になるのか、国益にかなうのかという議論をやっていかないと今回のチャンスも活かせないと。そういう意味では、もう少し長期的な観点というものも見据えていくことが大事なのだろうと思います」