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2016年9月12日(月)
核実験&ミサイル3発 凶暴北朝鮮次の狙いは

ゲスト

中谷元
前防衛大臣 自由民主党衆議院議員
平井久志
ジャーナリスト 立命館大学客員教授
宮家邦彦
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
岡部いさく
軍事評論家

北朝鮮『今年2回目の衝撃』 加速する『核実験』の実情は?
秋元キャスター
「活発化している北朝鮮の核開発ですけれども、今年1年間の主な動向を見ても1月の水爆実験成功の声明に続いて、2月にはテポドンの派生型と見られる長距離弾道ミサイルの発射実験に成功をしています。3月からは毎月、何らかのミサイルを発射し、その数は失敗も含めますと21発にも及んでいて、そのうち、11発が日本海に落下したと、日本の防衛省が確認をしています。8月と9月には、日本の排他的経済水域、EEZに弾道ミサイルが到達しています。先週9月9日ですけれども、北朝鮮が今年2回目の核実験に成功と発表しました」
反町キャスター
「今回の北朝鮮の声明。朝鮮中央テレビの話では、弾道ミサイルに搭載するための構造性能威力を最終的に確認したという。爆発力ではなく、今度小さくなったかどうか、(核弾頭を)載せられるかどうかというこの部分。ここはどう見ていますか?」
中谷議員
「5回目の実験ですから、技術的には成熟度は向上していると思っていまして、核兵器の小型化、弾道化の実現に至っている可能性も考えられるんですけれども、これは今後の開発、また実験も行われる可能性もありますので、引き続きよく見ていかなければいけないということです」
反町キャスター
「本当に朝鮮中央テレビ、北朝鮮側の言っている通りに、弾道ミサイルに搭載するための技術が最終的に確認されたとするならば、核弾頭を頭に搭載した形で、ミサイルを発射できる技術を北が持っているかどうか。ここの部分はどう見たらいいですか?」
中谷議員
「これは穴の中、洞窟の実験ですから、論評しようがないのですが、アメリカも中国もある程度のレベルに至ったら、サンゴ礁の海洋実験とか、中国の奥の砂漠とか、そういうところで実験して精度を上げていますので、そのような大規模な実験が果たしてできるのかなということで、その点について確証的なことは、私は言えないのではないかと思います」
反町キャスター
「すると、日本が北朝鮮の核ミサイルの直撃を受ける危険性を、我々は目の前にあるかどうかという、ここの部分。どこまで我々、心配したらいいのか。ここはどのように、我々、理解をしたらいいですか?要するに、北のミサイルが日本に、北朝鮮だけの声明を見れば、北朝鮮は核ミサイルを日本にまで届くだけの技術を、彼らは持っていると言っていると読めるわけではないですか。我々どこまで信じるというか、どこまでまともに受け止めたら、真に受けたらいいのですか?」
中谷議員
「考えられ得ることでありますので、それに対してしっかりと備えておくということは必要なことだと思います」
反町キャスター
「要するに、ノドンとか、ムスダンとか、SLBM、潜水艦発射ミサイル、こういったもの。いろいろなバリエーションを、北朝鮮は実験しているんですけれども、それぞれのバリエーション、いろんなバリエーションを、実験することによってどういうミサイル戦略を北朝鮮は持っているのか。これは我々、どのように受け止めたらいいですか?」
岡部氏
「まず準長距離弾道ミサイルのノドン、これは射程が1300kmで日本をほとんど射程に入りますから、対日攻撃用ですよね。それから、ムスダンというのは、射程が4000kmと言われています。これはグアムに届きますと言うから、グアム攻撃用かと思いますけど、いわゆるロフテイド軌道と言って高い軌道で近くに落とすというやり方をする。日本用に使えるわけですね。それから、このSLBMというの潜水艦発射用ですから、良い潜水艦ができれば、たとえば、日本とか、ひょっとしたらハワイやグアムの近海まで行って、そういうところを攻撃することにも使える。朝鮮中央テレビが、この核実験の時に標準化、規格化されたと言っていましてね。これは1つ気になっているんですけれど、金正恩第一書記が視察した、この銀色の球体、これが、つまり、核弾頭の模型。モックアップだったのではないかなと思うんです。この時に金正恩第一書記の後ろの壁に、こういうKN-08というミサイルの視察をして、そこでこの核弾頭の模型を見ているんですけれども、その時に後ろに図があったんです。つまり、このKN-08の弾頭部にこれが入っているという。このKN-08の弾頭部の形というのはよく見ると、ノドンやムスダンによく似ているんですよ。大きさを詳しく見ていないですけれども。それから、もちろん、SLBMに似ている。朝鮮中央テレビがこの標準化、規格化したというのは、つまり、このタイプの核弾頭をつくるとKN-08も、ノドンも、ムスダンも、あるいはSLBMにも全部積めるのではないかという、そういう恐れが、つまり、朝鮮中央テレビの言う標準化、規格化なのかなと」
反町キャスター
「この手の話をすると、たぶん正しく怖がることが1番大切だと思うんですよ。たとえば、この銀の球、これがモデルですよね?」
岡部氏
「おそらくモデルです」
反町キャスター
「これが本当に北朝鮮がここまで小型化できているかどうかということ。ここが、わからないですよね?まだ」
岡部氏
「わからないですね」

『核実験』の先に目論む脅威
反町キャスター
「ここまでできているとすれば、全てのミサイルに搭載させられるだけの技術を持っているかもしれないと。そこを恐れるべきだと。そういう意味?」
岡部氏
「一応、心配をする必要があるのではないかなと思いますけれども」
反町キャスター
「ミサイルそれぞれの、たとえば、ノドン、ムスダン、SLBM、先ほど言われたKN-08等々、そのミサイルの仕上がり具合。これはどうなのですか?」
岡部氏
「それは今年に入ってからのミサイル実験。ムスダンとSLBMというのは、これまで発射されたことはなかったんですね、新開発です。これを急速にテストを重ね、一応、成功をするところまで持っていっちゃいました。それと同時にスカッドとか、それから、ノドン。これは既存のミサイルですよね。これを2発とか、3発とか、まとめて撃っている。特に9月5日、3発連射。つまり、これは、既存のミサイルの部隊運用の練度を上げている。つまり、新開発のミサイル実験とそういうミサイル部隊の訓練、向上というのを並行してやっているという感じがする」
反町キャスター
「その意味で言うと、ノドン、ムスダン、SLBM等々の、北朝鮮のミサイルのラインナップはほぼ完成したと見ていますか?」
岡部氏
「まずKN-08という大型ミサイル、射程1万kmに達するかなという見方もあるんですけれども、これは発射をやっていませんよね。それから、ムスダンにしても、SLBMにしても1回ぐらい成功してもまだどうかなと。もっと成功を重ねないといけないかなという気がしています」
反町キャスター
「ただ1万kmというと日本ではなく、対象はアメリカ本土になりますよね?そうすると、日本に対する脅威ということから言えば、日本に届くように、日本を対象として使うであろうミサイルの品揃えは終わっていると、こういうことですね?」
岡部氏
「ええ。品揃え、特にムスダンというやっかいな相手が加わりつつあるという感じですね」
反町キャスター
「たとえば、広島型、長崎型というのは何キロトンぐらいでしたか?大きさは」
平井氏
「広島が16ですね」
岡部氏
「長崎が21ですね」
反町キャスター
「そうすると、9キロトンの北朝鮮が実験した核爆弾というのは、それで言うと、広島型、長崎型よりも、なお、まだ小さいものである?」
平井氏
「60%、70%ぐらいの破壊力と言われていますね、広島の」
反町キャスター
「ただ、とは言え、それがもしもこの大きさが本当だとすれば、要するに、広島型の6割、7割の大きさのものをミサイルに搭載する技術があると言ったら、これは恐れるに足らずということにはならないですよね?」
中谷議員
「当然そういうことも想定し備えをしておかなければなりませんので、我が国の、現在のミサイル防衛のシステムなどにおいて、こういう能力を上げてきた分しっかり対応できるように、それは検討をしておかなければいけないと思います」

どう変わる? 日本への脅威
秋元キャスター
「北朝鮮、先週の月曜日の9月5日に、弾道ミサイル3発を発射したとされていまして、3発とも北海道の奥尻島の沖合200km~250km。日本の排他的経済水域、EEZに落下したと見られています。この事態を受けまして稲田防衛大臣は3発とも我が国のEEZに、同時に、しかも、ほぼ同地点に落下したとみられる。いつでもどこでも移動式で発射できるなど確実にミサイルの能力が向上している。日本の安全保障上、大変重大な脅威だと話されていますが、北朝鮮が明らかにした発射時の写真ですけれども、岡部さん、同時に、ほぼ同地点に落下したと推測をされている今回の弾道ミサイル。どういう分析ができますか?」
岡部氏
「まず3両の発射台に載せたミサイルを展開し、基地から出して展開して、ほぼ同時に発射して、ほぼ同地点に落とした。これは結構、練度が高いです。それから、稲田防衛大臣のほぼ同地点というのがいったいどのぐらいの範囲なのかわからないですけども、ほぼ同地点という感じからすると結構、集中して落ちたのかなと。そうすると、北朝鮮はそれなりにミサイル命中精度を向上させているのかなという感じがします。高速道路ですよね。2車線の高速道路で、奥にトンネルがあるんですよ、この高速道路」
秋元キャスター
「2つ穴が見えるのがトンネルですか?」
岡部氏
「そうです。その中央分離帯に乗り上げるようにして、その発射車両が来ている。これは、ひょっとするとトンネルの中で待機していた車両が走り出てきて、この高速道路の中央分離帯に、直角に停めて…」
秋元キャスター
「これが車両ですか?」
岡部氏
「そうです。発射して、発射が終わったら、すぐ左に90度曲がって、また、奥のトンネルに帰っていく。そうすると、偵察衛星とか、偵察機からはわからないですよね」
反町キャスター
「平井さん、このミサイルの発射映像から高速、トンネル、道路は全然わからなかったんですけれども、どんな印象を持っていますか?」
平井氏
「ですから、発射の捕捉を韓国でもできなかったことが国内で問題になりましたね。その釈明として、トンネル内に待機をして、衛星の情報がなかったとい うことが報道されています」
反町キャスター
「中谷さん、高速道路?」
中谷議員
「奇襲ですよ」
反町キャスター
「これまでこういう形でのミサイルの試射というのは初めてですよね?」
中谷議員
「はい」
反町キャスター
「奇襲という形で我々が受け止められるような。仮にミサイルの発射に失敗したとしても、それ自体がそういうオペレーションをやったということ自体が、既に脅威であるばかりでなく、撃ったミサイルがほぼ同じ地点に1000km近く飛んで当たって落ちていると。これはかなりの練度を示していると受け止めざるを得ないんですけれども。
中谷議員
「そうですね。これまでも情報収集でいつ撃つのか、どこで撃つのか。これは日本も、アメリカも、韓国も、常に監視をしています。そういうことで撃ちそうになった場合は、ちゃんと迎撃体制を、破壊措置命令をかけるということでしたけど、このような高速道路から夜中に車が移動して明け方に撃ったりするとなかなか予測ができなくなってきたので、これは新しい段階です」
反町キャスター
「入っている?」
中谷議員
「ええ、そういう意味で、総理は、これまで例のないような頻繁な射撃だと言ったのは、これまでの例にないような射撃の対応をしてきているという意味ですけれども」
秋元キャスター
「対策は間に合うのですか?当然トンネルの中にいるだけでわからないから、出てきて、撃ってからの対策になるということになるわけですよね?日本としては」
中谷議員
「はい。だから、常に警戒監視、情報収集、これはして。仮に発射された場合でもしっかりとこれは我が国のレーダーで、それを捕捉して国内に到達する場合においては、事前に迎撃をするというような体制はとっています」

核実験&ミサイル3連発 『凶暴北朝鮮』の狙い
反町キャスター
「宮家さん、この北朝鮮の、このミサイル、今回のオペレーションから、どういう時代に入ったと?」
宮家氏
「北朝鮮がつくろうとしているのは戦略核ミサイル部隊ですね。戦略核兵器ミサイル部隊です。戦略核兵器というのはどういうことかと言うと、仮にアメリカから核攻撃を受けていても、それで、もしランチャーが一か所しかなくて、誰でも知っているところだったら、アメリカ、そこを狙えば、それで北朝鮮の核兵器は終わりですよね。ところが、トンネルの中であれ、水の中であれ、潜水艦であれ、アメリカの捕捉ができないところで、実は一組あって、何組かあって、アメリカが核攻撃をしてきても、それに対して北朝鮮が核による報復をすることができると。できるか、できないか。これはできるわけですね。なぜかと言うと移動式なり、潜水艦だから。と言うことは、アメリカにとって一発でことを決められなくなる。つまり、相手方が、北朝鮮が報復をしてくるということになれば、当然アメリカは、そこで抑止されるんです。これが基本的な核抑止論であり、だからこそ、北朝鮮は戦略核部隊を持つということは、そういう意味では、第二次攻撃能力を持つことによって、アメリカの核攻撃を抑止することもできるんだぞと言っているんです。私は、そう思います」
岡部氏
「おっしゃる通りですね。北朝鮮が、つまり、ずっとアメリカに対して核抑止力、アメリカの軍事的なテラシーに対して抑止する力をずっと求めてきたわけですよね。それを一生懸命、もう少しで手が届くぐらいのところにだんだん近づきつつある。ノドンですとか、ムスダンとかを考えると、結局、北朝鮮の計画の、日本はとばっちりを受けているというのはありますよね。もちろん、在日米軍基地とかもあるわけですけれども」
反町キャスター
「岡部さん、今回、打ち上げたミサイル。どんなミサイルなのか、分析していただけますか?」
岡部氏
「不思議ですね。まずミサイルの先端の形状なのですが、今回発射したミサイルをよく見ると、こういう形をしているんです。こういう尖がった形の二段になっているんですね。前にパレードで出ているノドンというのがこうなっていて、先が丸くなっている。言ってみれば、哺乳瓶のような、あるいはマジックインキみたいな形です。以前からある、スカッドというのは単純な尖がった鉛筆みたいな恰好をしている。どちらとも違うんですね」
反町キャスター
「尖がった二段型になっている?」
岡部いさく氏
「尖がった二段型です」
反町キャスター
「そうすると、これは何ですか?でも、今回のミサイルはノドンなのか、スカッドなのか、どういうミサイルになるのですか?」
岡部氏
「そこが面白いんですね。その発射した車両ですけれども、実はこのノドンの車両というのは、タイヤが片側5輪です。スカッドの方が片側4輪ですね。今回、発射された車両は片側4輪。つまり、車両としてはこのスカッドに近い。ところが、この車両のミサイル、積んでいる先端部分を見ると、もっとこちらの方がミサイルカバーというか、ミサイルを支える支柱がもっとスカッドよりも伸びているんですよね」
反町キャスター
「スカッドの台車に載せていながらもスカッド本体よりも長いミサイルになっている?」
岡部氏
「そうです。それで1000km飛んでいる」
中谷議員
「スカッドERという、エクスペンドレンジということで、1000kmぐらい飛ぶと言われていますが、今回も写真を見ると、このスカッドERではないかという分析を私はしています」
岡部氏
「これまでスカッドERは、名前は知られていましたけれども、写真とか、映像を見たことがないですね」
反町キャスター
「パレードとかにも出ていないのですか?」
岡部氏
「ええ」
秋元キャスター
「あることはわかっていたのですか?」
岡部氏
「あると言われていたんですね」
反町キャスター
「ロシアの何らかのコピーとかそういうのではなく、北朝鮮オリジナルのミサイルなのですか?」
岡部氏
「オリジナルのようです」
反町キャスター
「それは1000km、もともとのスカッドとは、射程距離はどのぐらいなのですか?」
岡部氏
「500km、タイプによっては300kmくらいのものもありますが」
反町キャスター
「実際それを長くすることによって、射程距離も1000kmまで伸ばしてきている?」
岡部氏
「ええ。これまで、たとえば、偵察衛星で北朝鮮のスカッド発射機が動いていると、大概(車輪は)4つだね。スカッドだねと。そうすると、韓国が目標だねと思っていたんですけれども、このスカッドERが入ってくると、スカッドの発射台に見えるけれども、これはひょっとすると日本に届くかもしれないという」

世界の安保『新局面』へ
反町キャスター
「撃ち落とせるんですよねと、そこからですけれども、日本のミサイル防衛の基本というのは飛んできたものを撃ち落とす。どこのレベルで撃ち落とすかは高いところなのか、落ち際で落とすのかという、技術はあるにせよ、北からミサイルが飛んでくるとしたら撃ち落とすと。これが基本ということでもちろん、よろしいですよね?」
中谷議員
「はい、ミサイル防衛というのは、MDということで、古くはTMDという形で米国が長年研究して、もう30年以上になります。現在のSM3というのも、もう20年以上開発して、実験して、その迎撃が可能であるという前提で導入をしていますので、飛んでくるミサイルに対しては的確に撃ち落とすことができると思います。ただし、2発、3発、4発と飛んでくる場合も今後ありうるわけでありますので、私は1国だけで迎撃を完全にできるという時代ではなくて、他国と協力して、主にアメリカと韓国ですが、こういった迎撃においても共通のシステムの中で、お互いに協力をしなければ、日本に飛んでくるミサイルを完全に撃ち落とすことができないという意味で、アメリカでIAMDという統合防空ミサイル防衛、つまり、無人機で飛行機が飛んでくるレーダーと、巡航ミサイルで飛んでくるミサイルと、弾道ミサイルで飛んでくるミサイル。この情報を1つのシステムにして共通の基盤をつくって、それに、さらにDWES、デューエスと言いますけれども、その中で、どの艦艇が撃ち落とすのが最適なのか、全てコンピューターで弾いて、こういう場合はこのイージス艦。この時はTHAAD(高高度防衛ミサイル)ですと、瞬時に優先度を算定するようなシステムもできてきています」
反町キャスター
「このDWESのシステムにしても、IAMDのシステムにしても、様々なコンピューターを駆使したネットワークのディフェンスのやり方があるにしても、迎え撃てるミサイルの数に限りは当然あるわけですね。撃ち漏らしは当然あるだろうと思わざるを得ないですけれども、そこは正直、どういう状況なのですか?」
中谷議員
「それは核爆弾1発でも飛んできたら大変なことになりますからね。いろんな事態は想定しておかなければいけませんが日本は日米同盟もありますし、韓国も同じように、ミサイルの危機に、脅威にさらされているわけでありますので、こういう点での協力は必要。今年6月にハワイでRIMPAC(環太平洋合同演習)という共同訓練がありましたが、初めて日米韓のミサイル、共同ミサイルの訓練をしまして、パシフィックドラゴンと言うんですけれど、同じような情報を共有しながら対応ができたのですが、しかし、日韓で、まだ、情報を守るというGSOMIA(軍事情報包括保護協定)というんですけれども、情報秘密保持協定、これが結ばれないです。ですから、日韓ではなかなかそういう機微な情報のやり取りができませんが、アメリカを経由して来ることもできるわけでありますが、取り急ぎやらなければいけないのは日韓で情報共有ができるような取り決めに合意をすることだということです」
宮家氏
「現在の議論は技術的に百発百中にならないとか、撃ち残しがあるのではないかと、そういう議論があるでしょう。でも、私は軍事の専門家ではないけれども、イラクにいた経験から申し上げると、まず北朝鮮が核ミサイルを日本に向けて撃つ、1発だろうが100発だろうが、撃った時点で、それは日本に対する武力攻撃ですからね。この時点でもう戦争状態になるわけです。日本は自衛権を発動できるんです。安保条約が発動をされる。それが第1点。それから、第2に、何十発もいっぺんに日本だけに撃つはずはないです。ですから、先ほどおっしゃった通り、必ずしも全てを撃ってくれるとは限らない、数多く。当たる時もあるし、ほとんどの場合は当たるかもしれないけど、限界があるかもしれない。しかし、全体のことを考えた場合に、攻撃をする側が、日本に対して核攻撃をする。そのうちの少なくとも一部でも効果がないとなる。その場合には当然、反撃がある。その場合には北朝鮮、終わりですよ。そのような形の抑止というものが全体としてかかるわけです。ですから、その問題を無視し、特定の何十発も撃ったら、そうしたら何発当たる、外れるという議論だけでは抑止の議論は十分な説明になっていないと思う」
反町キャスター
「その話になると、日本がミサイルディフェンスをやること自体、意味があるということになるのですか?」
宮家氏
「もちろん、向こうに対して不確実性を高めるということ自体が抑止力です」
反町キャスター
「そのバランスが見えてこないのがちょっと不安ですが。何割を落とす技術を持てば相手に対するブレーキになる?10分の1または日本のミサイルディフェンスの能力が3発まで落とせることができる、4発目以上きたら万歳だよと」
宮家氏
「そういう数量化ができないですよ。相手がもし本当に何かの拍子に何発か撃つとするでしょう。その時点でもう彼らは戦争を覚悟するわけですよ。と言うことは、戦争状態になるということですよ。その場合に、彼らがもしそれをやってしまった時に何発でも撃ち落とされてしまうのであれば、これは大失敗になるわけですね。それをどのように考えるかであって、それは3発だったらOK。4発だったらダメだ、そういう議論ではない。
反町キャスター
「こちらと同じメンタリティで向こうが考えているとは限りませんよ?」
宮家氏
「もちろん、違います」
反町キャスター
「自暴自棄とは言いませんけれど、そういうリスクも踏まえたうえでの議論にならなくてはいけない?」
宮家氏
「そういうポイントも含めて抑止を考えなければいけないということですよ」

『凶暴北朝鮮』の狙い
秋元キャスター
「核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す先に、どういったビジョンを北朝鮮は抱いているのか。その一端がうかがえるのが今年5月に行われました北朝鮮労働党大会での金委員長の演説、こういうものがありました。『アメリカに強要されている核戦争の脅威を、強力な核抑止によって終息させ、地域と世界平和を守る闘争を進めていく。責任ある核保有国として侵略的敵対勢力が核で我々の自主権を侵略しない限り先に核兵器は使用せず、国際社会が進める核拡散防止を誠実に履行する』とあるんですけれど、中谷さん、自ら核保有国を宣言していて、一方で地域の平和ですとか、核拡散防止に努めると言っている北朝鮮の言い分。どう見ていますか?」
中谷議員
「その一方で、ソウルを火の海するとか、東京、大阪、京都にも発射するぞとか、言動を見ていますと、我々に対する恫喝や脅威もやっていますので、核を手にすること自体が非常に危険なことであるし、脅威であります。CTBT(包括的核実験禁止条約)に北朝鮮も入っていたんですよ。それを一方的に抜けて、核を持つということは、これは許されないわけであって、国連でも累次に渡って、そういうことについてやめさないと、各国が言っていますので、この地域の平和と安定のためには北朝鮮は核を持たないようにということを実行することが1番大事なことだと思います」
反町キャスター
「平井さん、この金正恩委員長の演説。核で我々の自主権を侵略しない限り、先に核兵器は使用せず。先に使われない限りは、自分達の方から先に、先制不使用を言っていることになるのですか?」
平井氏
「実はこの内容は、北朝鮮が2013年に核兵器に関する法律をつくっているんですね。そこに書かれている内容を繰り返しているという内容で、その法律には、ボタンを押せるのは最高司令官である金正恩だけであると。それと先制使用をしない、核拡散しないということは書かれているんですよ。ところが、こういう演説をやったあとの、実際の、たとえば、金正恩さんのスピーチの中には先制核攻撃も辞さずというような発言が繰り返し出てきているんですよね。ですから、この発言や法律の内容というものが本当に、どれほど担保されているものなのかということを我々が信じることができるのかどうかというのは、わからないわけですよね。そこが問題ですよね」
反町キャスター
「ここの言葉だけを見ていると、核で、我々の主権を侵略しない限り、先に核兵器は使用しないと言っているというのは、使われない限りは使わないと聞こえるんですけれども、それをひっくり返す、それでも核の先制使用を可能ならしめる理屈づけ、建つけは?どういう建つけで北朝鮮はやり得ると説明するのですか?」
平井氏
「ですから、スピーチの種類によれば、この文章では核で攻撃を受けなければ、一般的な攻撃をすれば我々は先制使用もあり得るのだというワーディングで使われている場合もありますから。だから、言説に対する厳格性があまり見られないんですね」
反町キャスター
「その場、その場で言っていることでしかないと聞こえちゃいますが、そういう主旨ですか?」
平井氏
「先制使用に関してはかなりその時、その時の状況が違いますね。不拡散の部分については、それをこれまで拡大するという発言をしたことはないように私は思います」
反町キャスター
「宮家さん、この言葉の使い方、あまり検証をしていてもしょうがない気もするんですけれども、どう感じていますか?」
宮家氏
「そんなことはないです。これは戦略的曖昧さです。使うか使わないか、それについてはもちろん、基本としては先に使わないというのが本音だと思いますよ。だって、先に使ったらそれで終わりだからね。だけれども、それと同時に、いろいろな形で、いろんなメッセージを出すことによって、戦略的な曖昧さを高めている。それによって相手を抑止するということであれば、僕は理解できないわけではない」
反町キャスター
「その戦略的曖昧さをもって北朝鮮が狙っているもの。僕らは米朝対話とよく言いますけれども、北朝鮮が狙っているものの究極の目標は何ですか?」
宮家氏
「アメリカとの関係改善、アメリカとの国交を含めた正常化によって、自分達がアメリカに敵視されない状態を作るということですよ」
反町キャスター
「それは、いわゆる南北の固定化ということでよろしいのですか?彼らは既に南進の野望は持っていない?」
宮家氏
「南北の固定化まで言えるかはわかりませんが、彼らにとって自分達のレジームを、政権をとにかく潰されたくない。このままだったらどうなるかわからないということですよね。それは、私は昔、行ったことがあるんですけれど、平壌に。アメリカに対する手はまったく違う、特別な相手であって、すごく気を使っていて、私はアメリカの代表団にくっついていったんですよ。だから、よくわかる。アメリカにはこんなに、こいつら気を使うんだと思いました。それはアメリカに対する関係改善が進めば韓国も日本も、あとは何とでもなると思っていると思います」
反町キャスター
「そうすると、北朝鮮というのは、言葉は非常に荒っぽいのだけれども、非常にディフェンシブ、防御的で、攻め込まれる、攻撃されること、体制が崩壊することを非常に恐れているという、こういう理解?」
宮家氏
「そういう側面があることは否定しませんが、その部分をそこまで認めたなら、ただの弱さではないですか。だから、そこは強がっている、バランスを取ろうとしていると私は思います」
反町キャスター
「平井さん、どのように見ていますか?北朝鮮の狙いというのは、その体制の、国体護持という言葉は古いと思うんですけれども、だとすれば」
平井氏
「北朝鮮の指導部にも少し錯覚があるんですね。彼らは核の質を高めて、量を拡大すれば、それが体制を保障することになっているとよく言うんですけど。そうだろうかと、たとえば、アメリカの研究者の中には2020年ぐらいになれば、最悪の場合、100基ぐらいの核兵器を北朝鮮が持つと予測している人もいますよ。そうすると、100基の、たとえば、核兵器を持ったら北朝鮮の体制が保障されるのか。北朝鮮が本当に国際社会の中で生きていけるのかというのは、逆にそういう危険な存在として、国際社会から孤立するわけですから。決して現在の核の強化や量の拡大というものが、彼らの体制の安全を保障しないですよね。そのことをわかっていないと思いますよ」
宮家氏
「彼らの頭の中にはリビア、イラクがあると思います。インド、パキスタンは(核を)持っていて、サダム・フセインは持っていないからやられてしまったではないかと。カダフィは途中で諦めたからやられちゃったじゃないかと。俺達は持っているからアメリカは攻めてこないのだぞと、彼らは信じているのだろうと思いますよ」
反町キャスター
「今でもそういうことですかね?」
宮家氏
「そうじゃなきゃ開発をし続けるとは思いませんね。逆に言うと、平井さんのおっしゃる正しいことを彼らにどうやって納得をさせるか、今の状態が続く限りにおいては、まだ彼らにとっては怖いとか、危険だとは思っていないわけで核兵器を持つことによって、むしろ生き延びているのだと信じている。この状態を変えなければいけないですよ」
反町キャスター
「難しいですよね?」
宮家氏
「難しい。口で言ってわからないから、体で理解させなければ」
反町キャスター
「中谷さん、この状況、対話で何とかできる状況ではないと思って、僕、聞いていますけれども、どう感じていますか?」
中谷議員
「このままいったら当然、朝鮮半島の均衡とか、安定を損なう。北朝鮮が保有をすれば。それは韓国が黙っていませんよ。そういうことで、そういったことを招かないためにも何とか保有をしないように、世界各国が圧力をかけて、北朝鮮にそういうことは決してメリットのあることではないということをわからせるしかないと思います」
反町キャスター
「平井さん、韓国の核武装論は議論としてどういう状況にあるのですか」
平井氏
「少しずつ広がっていますね。メディアまでもが核武装主張し始めていますから。ですから、保守の、非主流の方が言い始めて、現在は元党代表をやった方とか、1番有力紙である朝鮮日報が主張をし、毎回、北朝鮮が核実験をやる度に広がっていますね。それとか、SLBMが出ましたから、我々も原潜を持つべきだという意見が非常に広がっていますし。ただ、米韓同盟というのがありますから、現在の状況の中で韓国が核兵器を持つというのは非現実的な話だとは思います」
反町キャスター
「在韓米軍がその代わりを果たすのではないか。ただ、持ち込みはしていませんよね?表面上では」
平井氏
「朝鮮半島非核化宣言で、持ち込みもしないようになっていますけれども、その折衷案として在韓米軍への核兵器の搬入を認めるべきではないかという意見も出てます」

どう望む? 国際社会
秋元キャスター
「日米韓が連携していくうえで、特に急がれることは?」
中谷議員
「韓国は安全保障にとって大事な存在ですから、(防衛大臣)在任中は日米韓の防衛大臣会合2回、日韓の防衛大臣会合を3回。5年ぶりに私、韓国へ行って、大臣と話をしました。当局は必要性をわかっているんですよ。前回もそうですが、それを国会とか、大統領府が、軍事情報包括保護協定を結ぶことを、勝手に結んではダメだと言い出しまして、マスコミもそういう論調でした。ところが、この半年ぐらいの間に、これだけ北朝鮮がミサイルを撃つものですから世論も変わってきて、新聞社もむしろ早くGSOMIAを結ぶべきだという論調も出てきましたので、日米韓の連携、大事なわけでありますので、連携協力は日ごろ訓練しておかないといけませんし、訓練することが北朝鮮に対する抑止になりますので、今、最もやるべきことなのではないかと思います」
反町キャスター
「GSOMIAがないことによってどういうデメリットがあるのですか?」
中谷議員
「一般的な情報なら、日韓でやり取りはしていますし、防衛の話もしています。ところが、国家の機密に関することを話した場合に向こうから漏れる場合があるんですよ。そうすると、日本の機密の情報源まで危うくなってしまいますので、少なくともこの情報は漏らさないでくれと約束しておかないと簡単に渡せない。そういう意味でも、韓国とはしっかりした秘密を守りましょうという協定が必要なんです。これが結べていないということで、例えばミサイルが飛んできた時に、韓国側の発表と、日本側の発表と、米国も発表しますが、非常にタイムラグがあって内容が違ったりするのですけれども、しっかり情報を共有しておけば、こういった問題もありませんし、ミサイルが飛んできて日本に到達するまで十分、二十分ですから、その間の緊密なやり取りは日本にとっても、韓国にとっても非常に重要な情報ですから、これは共有して、共同で対処できれば一番いいわけであります。その前提として情報の秘密協定をしっかり結びましょうということは、日本側からお願いしています」

中谷元 前防衛大臣の提言:『日米韓のミサイル防衛協力 情報・オペレーション・訓練』
中谷議員
「ハイテクの時代で、インターネットで画像もデータも瞬時につながりますので、もう少し日米韓が情報を共有して、しっかりと連携して、対応できるように体制をとること。それと北朝鮮に対話と圧力、しっかり話し合いができるように、こういった努力で話し合いにもっていくということが大事だと思います」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『トップの考えをつかむ』
平井氏
「扱いにくい人達ですけれど、協議は必要だと思います。協議が必要だった場合、独裁国家ですから、最高指導者が何を考えているかということは正直わからないわけですね。そのことを知る。トップと交渉する努力というのが必要なのではないかと考えています」

宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の提言:『対話だけでなく抑止も!』
宮家氏
「対話だけなくて、抑止もしましょうと。先ほど、申し上げた通りです」