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2016年9月1日(木)
ロシア担当相本日発令 世耕経産相が初生出演

ゲスト

世耕弘成
経済産業大臣 ロシア経済分野協力担当大臣 自由民主党参議院議員
高橋進
日本総合研究所理事長

緊急出演!世耕ロシア担当相 北方領土・平和条約・経済連携
秋元キャスター
「まずは明日予定されている日露首脳会談の、本当に直前である今日、ロシア経済分野担当協力担当大臣に就任されました世耕さんに、対ロシア外交の戦略と、今後の行方について聞いていきます」
反町キャスター
「かつて牛場信彦さんでしたか、日米がガチャガチャやっている時に、対外経済担当大臣で、事実上、アメリカとのそれをやったりした人がいたんですけれども、国の名前が名前に入って、しかも、経済協力だという。かなり異例のネーミング。どんな決意なのですか?」
世耕担当相
「ネーミングは、逆に言うとこだわらない方がいいと思いますし、経済分野限定ですから、これは当然、経済産業大臣としての関連でやれる仕事だと思っています。また、私としては、あるいは安倍政権としては、ここまでの3年8か月の流れでいくと極めて自然な流れです。と言うのは、安倍政権というのは、これ以外の他の仕事でも、省庁を跨るような仕事はまず官邸に持ってこようと。官邸に持ってきて、官邸が省庁間の調整機能を果たしていこうという、これが基本的なやり方です、仕事の。そんな中で安倍政権発足当初からロシアに対しては経済プロジェクトというのが非常に重要だと。これは日本のためにも重要だということで。ただ、これは外務省だけではできない。経産省がかなりの部分を持っているけど。でも、農業もあれば医療もある。教育、人的交流もある。こういうことを全部やるために官邸に持ってこようとなったわけです。その時、私が官房副長官として省庁間のとりまとめの議長をずっとやってきたわけです。総理のロシア訪問の時も、プーチン大統領との首脳会談の時もほとんど私はずっと同席して、この経済問題をやってきた。その私が今回、経産大臣になった。なった時には、総理からは引き続き、ロシアの経済協力に関しては経済産業大臣の分野がほとんどだから、ちゃんとやってくれよということで、引き続きやってくれという指示もいただきました。そして私は取りかかっていたんです。ところが、これはどうしても法律的に経済産業大臣というのは、農業や医療や教育に関して指示を出すことはできません。省庁間の調整をすることもできません。これではちょっとやりにくいですよねという話の中で、だったら担当大臣の発令をするかということになっていって、今日に至っている。なので、極めて自然な流れです」
反町キャスター
「そうすると、この8項目の中に、まさに世耕さんが言われたみたいに、経産省が本来、担当するものとは違うものも入っていますよね?」
世耕担当相
「結構入っています」
反町キャスター
「厚労省の健康寿命の伸長、これもまさに厚労省の話でしょうし。極東の産業振興の話というのはもちろん、農業も当然、入ってくるでしょうし。諸々いろんなものが入ってくると」
世耕担当相
「インフラで国交省も入りますし」
反町キャスター
「そういったものというのを各省庁から、たとえば、官邸に引っ張ってくる、これならわかる。それを経産省に寄せるというのは、心配事から聞くのですけれど、縦割りの役所の全部ひっくるめて、世耕さんのところに持って来るということのリスクと言うか、やっかみと言うか、そこの部分も飲み込んだうえで引き受けられると。そういう意味でよろしいですか?」
世耕担当相
「外交は当然、外務省です。だから、私は、あくまでも経済分野の協力であります。しかも、担当大臣が発令されるということは、私は総理直結で、言ってみれば、官邸で、副長官でいた時と同じポジションで仕事ができるということで、それを経産省へ持っていったわけではありませんから。そういう意味で担当大臣。経産省で私はやろうとしたのだけれど、経産省というのはあくまでも経産省の世界しかできない。そうすると、この中でそれでも経産省の案件が多いです。だいたい7割ぐらいは経産省だと思いますけれども、残り3割触ることができなかったら、せっかく官房副長官時代、官邸で一元化してやっていたことがまたバラバラに戻っちゃうではないか。だったら、もう1度、官邸の立場ももらって、総理直属の立場ということで担当大臣という役職をもらって、他の省庁に、別に命令とか、そういうことではなく、調整をして、このプロジェクトを、一体感を持ってやっていけるようにしようという、自然な流れだと思います」
反町キャスター
「高橋さん、すごく異例の設置だと思っているんですよ。感じる部分はありますか?」
高橋氏
「日本の経済外交というと最近、TPPではないですか。環太平洋というのを意識してTPPで、その裏側に中国がいるわけですよね。それから、日中韓FTA(自由貿易協定)と。いずれにしても環太平洋が中心ですよね。ところが、今回ロシアが絡むというのは、まったく違う座標軸を持ち込む。それが1つ、私が感じたことです。もう1つは、どうも日露関係というとすぐにエネルギーのことだけが軸になって、そこを考えがちですが、今回の8項目を伺っていると、エネルギーもありますけれども、健康寿命とか、たとえば、ロシア人の男性の平均寿命なんて、すごく短いですよね。ロシアがいろんな抱えている問題に日本としてどう貢献をするかという意味では、私は経済関係が面的になっていく、すごく良いことではないかと。それから、3つ目に、経済関係を進めようとすると、どうしても領土問題とか、安全保障がブラックボックスになっていて、そこがないと経済関係がつくれないねという発想だった。それをひっくり返したと。この発想の転換。その意味で、3つの新しい座標軸がきたのではないかなという気がします」
反町キャスター
「日程的な話を聞きたいのですけれど、9月2日、日露首脳会談ですよね。9月2日というのは、ロシアからしてみれば対日戦勝利記念日ですよね。昨年どうだったかなと、先ほど、我々の方でも調べたら、昨年9月の2日はロシア・モスクワで対日戦勝利70周年記念式典をやっていて、翌9月の3日には北京で行われた対日戦勝利70周年記念式典に朴槿恵さんがいて、皆がぐずぐず言ったのだけれども、ちゃんとプーチン大統領が習近平さんの隣にいたとか。そういう昨年の9月の2日、3日というのは、中国もロシアも、日本に勝った70周年だというのを、国を挙げて、いわば戦争に対するノスタルジーというか、その部分というのを強調した日だったわけですよ。1年経ったらロシア・ウラジオストクで、こういう会議を開き、日露首脳会談で、日露関係に向けての大きなブレークスルーがあくかもしれないと、少なくともそういう期待感があって、こうなっている。この1年間で大きく変わったのですか?日本が変わったのですか?ロシアが変わったのですか?」
世耕担当相
「これは共に変わったと思います。両首脳がこの1年だけでもかなり頻繁に会っているわけです。そういう中で、特に5月、ソチで行われた首脳会談で新しいアプローチでやっていこうと。これは2人きりで話し合って合意をしたわけでありますから、そういう意味で、展開のスピードがすごく上がってきていると思います。たとえば、日露のハイレベル交渉というのはこれまで1回会うとその後1年ぐらいないというのがずっと続いてきたんですね。次官級の協議ですけれども。これが、ここへ来て1回会ったら、次いつ会おうかというのをちゃんと決めて、1、2か月後に次が行われるという、かなり頻度も上がってきていますし、そういう意味では、この1年でというよりも、このゴールデンウィーク以降かもわかりませんけれども、非常にムードが変わってきていると思います」
反町キャスター
「そのゴールデンウィークというのが、8項目ですよね?」
世耕担当相
「これを出したのも大きいと思います」
反町キャスター
「この8項目。そんなに相手のハートを、プーチン大統領のハートを鷲掴みするものだったのですか?」
世耕担当相
「これは我々関係省庁の局長級が集まって、官邸で本当に議論をしました。ロシア国民は本当に何に困っているのだろうか。どういうことをやると日本との関係改善が、自分達の生活改善、向上につながるとロシア国民も思ってくれるのだろうかと。プーチン大統領はどういう問題意識を持っているのだろうか。そういうことをよくよく議論をして選んだ、8項目はですね」
反町キャスター
「大統領の反応というのはどうだったのですか?」
世耕担当相
「プーチン大統領はこの時に限らず、経済プロジェクトは、ここに8つ、初めて整理をしたわけですが、それまでも首脳会談がある度に私のところで取りまとめて、こんなことが動いていますよと常に見せてきました。プーチン大統領は非常に経済に関心がある。毎回見せると、この間の首脳会談から現在、経済プロジェクトはこれぐらい進捗していますよと言うと、プーチン大統領はにっこり笑って、紙を見るんですね。今回もそうでした。今度は逆に進捗の報告というより、新しい提案をしたわけですから。本当に頷きながら非常ににこやかに、これは面白いという反応でありました」
反町キャスター
「新しいアプローチ。これまでの発想に捉われない新しいアプローチということでの8項目ですよね。どういう意味なのですか。これまでの発想に捉われているものはどうで、これはどういう?」
世耕担当相
「これはこれまでの発想に捉われない、新しいアプローチで交渉。これは政治の交渉ですから、経済ではない。この発言は政治に関してであります。だから、経済は違います。これまでもずっとやってきて、それぞれに小さな進捗はあるんです、既に。だけれども、それをさらに8つの分野にまとめ、系統だてて、しかも、かなり日本としても熱意を示して、大きなプロジェクトも入れて動かしますよということを言っているわけですよね」
反町キャスター
「そうすると、新しいアプローチというのは、政治と経済の交流のバランスとか、手綱の問題にもなってくるということですよね?」
世耕担当相
「それは、総理及び外務大臣が考えられることですし、我々は従来から政治と経済、バランスの取れた進捗を、ということを言ってきているわけです。私はあくまでもこの協力プランをきちんと日本の熱意を示して。これは別にロシアに協力してあげるだけのプロジェクトではないです。日本にとってもプラスになるんです、極東地域。これは経済的にもそうですし、地政学的にも、いろんな意味で、日本とロシアが極東を軸にしながら、経済協力を深めるということは、これは日本の成長戦略にもつながりますし、地域の安定にもつながるという面があるわけですから。だから、日本とロシアにとってwin-winのテーマだ、これをロシアにもわかってほしいと思います」
反町キャスター
「向こうも食いつきが良くなってきました。食いつきが良くなってきたあとに、もう一歩、今度はどこのどういうプロジェクトみたいな話をドンドン進めていく過程の中で、じわっと、向こうの領土に関する雰囲気も良くなってくるねという、この塩梅。僕らは期待をして見ちゃうんですけれども」
世耕担当相
「それは期待されてもいいと思います。5月にこれを提示しました。プーチン大統領がすごく反応をしました。非常に良い反応でした。その翌週からロシアの経済担当閣僚が次々と日本へやってきて、私に会いたいと。当時、まだ官房副長官でしたけど、大臣が、副長官は格下ですからね。でも、私に会いたいと。プロジェクトを議論したい。あるいはこのプロジェクトに対してロシア側のいろんな想いを持ってきましたから。だから、非常に良い反応が続いた。それと並行するかのように、政治分野での次官級、ハイレベル協議というのが、ちょっとこれまでとは違うペースで進み出した。この間もありましたけれど。という意味では、効果は出ている面はあるだろうと思います」
反町キャスター
「世耕さんが交渉をやりながら、経済関係の協力もやりながら、時々、20回に1回ぐらい島と言ってみる手もあるのではないかなと。そういうトラックは分けた方がいいのですか?」
世耕担当相
「それは外務大臣の仕事であり、バランスを判断するのは総理の判断だと思います」
反町キャスター
「そこは政治の統治技術として、それは官房副長官としての立場で尋ねますけれど、そこは分けた方がいいのですか?ないしは対露経済分野協力を対露問題担当大臣という形にすれば、政治も経済も1人でやれるわけではないですか?」
世耕担当相
「それは、完全に外務大臣の役割ですから、政治のところは。私はまったくタッチする気はありません。あくまでも経済プロジェクトをしっかりやっていくということで、日露関係の前進に貢献をしたいと思っています」
反町キャスター
「今後の、対ロシア外交の交渉と言いますか、明日ウラジオストクで、日露首脳会談がありますよね。国連総会においても、プーチン大統領と接触する可能性があるかもしれない。APEC(アジア太平洋経済協力)も11月にやります。12月にプーチン大統領が来日するだろうという報道がされていて、我々もそういう報道しているのですが、明日以降、年内に4回日露首脳会談、少なくともチャンスはある。もちろん、その間、世耕さんも、本格的にロシアのカウンターパートナーと話を進めていくわけですよね?年内の、年末、12月のプーチン大統領の来日に向け、9、10、11月の3か月半ぐらいですか、大変な日露交渉のピークを迎えるという、こういう見方でよろしいのですか?」
世耕担当相
「政治、外交交渉について、私はどうなるかという見通しは申し上げられないですけれども、少なくとも経済プロジェクトは、まず明日の首脳会談、あるいはそのあとの拡大首脳会談でじっくり議論していきたいと思いますし、それぞれがそんな3か月で成果が何か出るようなものではありませんが。結構、息の長いプロジェクトが多いです。ただ一方で、別にプーチン大統領、12月に来ると決まったと聞いていませんが、3か月や4か月で何かポンと答えが出るわけではありませんが、3か月、4か月ゆっくりするつもりもありません。ある程度、スピード感を持って、各省庁をしっかり束ねてやっていきたいと思っています」

世耕経産相に問う 『アベノミクス』と『成長戦略』
秋元キャスター
「ここからは世耕経産大臣に成長戦略への取り組みについて聞いていきます。安倍総理、今回の内閣改造で世耕さんを経産大臣に任命するにあたり、このように話されています。『これまで官房副長官として、官邸主導の政権運営を支えてきてくれた。成長戦略の
「切り込み隊長」
として期待をしている』ということですけれども、世耕さん、安倍総理の期待、どのように受け止めますか?」
世耕担当相
「これはなかなか重たいと思います。ただ、経済産業大臣というのは、まさに成長戦略を実行に移していくところですね。成長戦略でいろんなメニューが出てくるわけです。あるいは働き方改革とか、そういうのも出てくるわけですけれども、それが全て産業界、企業で、実際に行ってもらわなければいけない。それを後押しするのが経済産業省だと思っていますから、しっかりと、切り込みたいなと。切り込み隊長、討死するケースが多いかもしれませんけれど。全力でがんばっていきたいと思います」
反町キャスター
「具体的にはここから取り組んでほしいという指示はあったのですか?」
世耕担当相
「特にそれはありません。私は3年7か月、ずっと官邸で本当に総理、官房長官の側でずっと成長戦略をやってきていますので、何か新しいことをもう1回いまから勉強するとか、そういうことはなく、この延長で経済産業省としてプライオリティをつけてやっていくのは何かということを考えながら、やらせてもらっています」
秋元キャスター
「高橋さん、アベノミクスの成長戦略の現状をどう見ていますか?」
高橋氏
「安倍政権になって最初は、金融緩和、財政出動。この2つを中心にやってきたと。第三の矢もやってきました。ただ、最初の2つが非常に効果があるように見えたと。そのような中で、だんだんその効果がどうなのかと言われてきている中で、私は、成長戦略を通じて潜在成長率を上げていくためには構造改革だとか、もっとそういうところに切り込んでいく必要があるだろうと。ただ、デフレの下での構造改革というのはなかなか成果が上がりづらい。従って財政出動と構造改革をどう組み合わせていくのか、このへんがこれからの課題かなと思います」
反町キャスター
「世耕さん、金融緩和というのがショック療法であり、時間を稼ぐ政策だとよく言われます。3年経って金融緩和も効かなくなってきているのではないかという話を、この番組でよくそういう話をされる方がいて。アベノミクスの賞味期限が切れたのではないかというような懸念が、景気は良くならないし、株価は上がっているかもしれませんよ、景気実感が広がらないし、370兆円の企業内留保がある割に一般の、市井の人々の生活が良くなるというような印象も、あまり感覚もないと。ここの部分に応えていくというのは非常に難しいと思うんですけれど、次の手はまだあると我々思ってよろしいのですか?」
世耕担当相
「まだまだあると思いますね。金融政策、財政出動というのは、これは、やれば、そこである意味、完了ですね。一方で、三番目の矢の成長戦略というのは、これはひたすら打ち続けていくしかない。まだ道半ばだと思います。うまくいっている部分もあるし、いっていない部分もある。一方で、一本目の矢と二本目の矢の効果が出ているからこそ、企業は空前の決算を出していますし、賃上げも、我々ががんばってお願いをして、3年連続、かなりハイレベルな賃上げが行われてきている。そういう良いことが起こり出しているのですが、いわゆるこの好循環につながっていない。最後、消費につながっていないというところを、いろんな分析をして、きちんと解決をしていくというのが重要だし、もう1つ、私が本当にうまくいっていないなと思うのは、企業の投資がなかなか伸びない。内部留保がドンドン積みあがっていく一方で、なかなか投資をしてもらえないので、今回の内閣改造を機会に、未来投資ということを力強く言っていますし、経済産業省では第4次産業革命。これはまさに企業に投資をしてくださいと、未来へ向け、新しい分野に、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)、自動運転、ロボット、いろんなものが出てきているわけですから。そこに各企業が投資をしてほしい。そのことを我々はこれから進めていきたいと思っています」
反町キャスター
「その投資は海外でも構わないものなのですか?」
世耕担当相
「構わないです、それは。最終的に日本に持って帰ってこられるものであれば構わないと思いますし、ともかく前向きな投資が出てこない限り、なかなか日本経済が動かない。もう1つは、大企業と中小企業で結構、格差が大きいです。これは何かということを官邸時代から私、副長官時代からやっていましたが、大企業と、いわゆる下請企業の取引のルールが不公平なところがある。たとえば、何だかんだ言って、安倍政権発足の時から比べたら円安ですね。そうすると、材料代は上がっている。材料代が上がった部分を下請の中小企業は発注元の大企業から見てもらっていますか、あるいは今、原発が止まっていますから電気代、企業向けで3割上がっています。電気代が上がっている分は価格に反映させてもらっていますか、あるいは賃上げをやりましょうと言っている。しかも、これから最低賃金を上げていくわけですが、その賃上げの分を見てもらっていますかと。皆、見ていないですね。ほとんどがヒアリング調査をかけましたけれど、結局、大企業は空前の利益を上げていますが、その下では中小企業、それも1次下請けではなくて、もっと3次、4次、5次、末端の下請企業が被って泣いている。ここは公正にしてほしいと。上がった分はちゃんと反映をしてあげてくださいと。ちゃんと経済産業省が先頭に立ってやっていきたい。我々の所管ではない業界もありますが、経済産業省が中心になってやっていきたい。そうすることで、大企業の大きな経常利益があがっているわけですが、これが下請の中小企業に流れる。そうすると、そういうところでも利益があがって、給料が上がり出す。こういう企業は地方ですから。地方でも消費が動き出す。こういうこともやっていきたいと思っています」
反町キャスター
「たとえば、金融緩和にしても政府と日銀の一体感の中で、日銀が経済成長、2%物価上昇のために、いろいろやっていますと。たとえば、賃上げにしても、本来だったら労組がやらなくてはいけないものだろうという前提に立った場合。そこでも政府や官邸の働きかけなどもあって、企業が賃上げに応じている。いわば非常にどこにおいても政府主導とか、本来やるべき部分ではないところまでも、政府及び官邸が無理くり回そうとしてきたのがアベノミクスではないかなという印象が僕にはあるんです。3年経ちました。どうやらこれが限界ではないかと皆、思っている中で、これから先も、数年に渡って、政府や日銀、いわゆる役割を担ってこなかった人達が新たな役割をしていかないと日本経済はまわらないのですか?」
世耕担当相
「いや、まずこれがリーダーシップと思うんですよね。それぐらい打破しなければいけないデフレの壁が厚かったということだったので。当然そういうことをやらなくても、我々がわざわざ賃上げのことを言わなくても、ちゃんと労働組合が一定の要求をし、企業がそれに応えていく環境。これから整えていくべきだと思いますよ。これからなってくると思います、だんだんと。3年連続、きっちりと賃上げもやりましたから。ここからは軌道に乗っていってほしいと思います」
秋元キャスター
「安倍政権が経済再生に向けて、様々な意見を吸い上げるために設けた主な会議をまとめました。見ただけでも数は多いような気もしますけれども、成長戦略の立案などミクロ政策の司令塔として内閣に置かれたのが、日本経済再生本部。安倍総理を本部長とし、全ての閣僚で構成されています。その下に、産業競争力会議と未来投資に向けた官民対話が置かれて、その他にも規制改革会議、一億総活躍国民会議など多くの会議が設置されています。今回の内閣改造を受けて、働き方改革実現会議も設置が予定されています。一方、日本経済再生本部と連携しまして、経済財政運営をマクロ政策の視点から審議する、経済財政諮問会議。こちらは高橋さんが民間から参加されていますけれども、世耕さんも参加されている会議が多くあるわけですけれども、軸足はどこに置かれることになるのでしょうか?」
世耕担当相
「それぞれの会議、経済産業大臣として非常に重要ですけれど、法律上の権限で非常に重要なのは経済財政諮問会議。これが1番、経済の方向性を決めるうえで、安倍政権の経済政策、成長戦略の方向性を決めるうえで、重要な会議だと思っています。それと、もう1つ、私が重視したいのは、産業競争力会議。ここで成長のいろいろなアイデアとか、成長に向けての政策の議論をしていく。この2つが非常に重い。他の会議ももちろん、経済産業大臣として重要なテーマ。要するに、全部経済に関する話ですから、私は出ざるを得ないわけですね、全て」
反町キャスター
「民主党政権の末期にこの手の会議が多すぎるという批判がありました。数を比較したわけではないですけれども、どちらが多いかはわかりませんよ。でも、会議多すぎるのではないかと思っている中、先日、日商の三村さんも政策決定に関わる会議が乱立して、いろいろな政策メニューが出て、全体がわかりづらいという話をされています」
世耕担当相
「会議が多く、結論が出ていないのだったらまずいですけれども、我々はこの会議で全部出していますから。それぞれ方向性を」
反町キャスター
「でも、会議に出ている人達に聞くと、自由討論の時間が非常に短くて、事前にあてがわれている時間が2分とか、3分で、この紙を読んでくださいみたいな会議もあったりして、どうなのだろうか、形骸化しているよねと。高橋さんに聞いた方がいいかな。高橋さん、ちょっと会議が多すぎると思ったりはしませんか?そうでもないですか?必要ですか?全部」
高橋氏
「かなりのものは必要だと思います。と言うのは、安倍政権になって、いろんなことに手をつけられるようになったわけです。そうすると、日本の問題は非常にいろんなものが絡み合っているので、1つ1つ解いていかなければいけない。そうすると、その度に会議が必要になってくる。たとえば、この中で一億総活躍国民会議がありますけれども、これは、要するに、日本は人口が減少して労働力が減っちゃいますね、という中で、どうしたら労働力を増やせるかというところが主題の会議で、結論が出たわけです。ですから、そういう意味では、目的がはっきりしているので、目的さえはっきりしていれば、会議がいくつあっても、ちゃんと答えが出てくる。ただ、ちょっと心配なのはメニューがいろいろ出てきた時に全体像をどうパッケージ化してどう示すのかというところが、少し弱いかな。ひょっとしてそれは経済財政諮問会議でやらなければいけないことかなと思って、ちょっと自分達の力不足かなと反省はしているんですけれども。いろんなメニューを括って示すということは、私は説明責任として大事だなという気はしますね」
反町キャスター
「いろいろな会議を掛け持ちする人が、何をやっているのかわからないみたいなものがあって、ちょっと笑えない状況はないですか?」
高橋氏
「私、いくつか掛け持ちをしていますけれど、別に混乱はしていないです」
世耕担当相
「私も副長官時代に全部出ていますけれど、混乱はしないですよ。それぞれテーマがはっきりしていますから」
反町キャスター
「官邸もいろんな人脈とか、お付き合いもあって、各省庁からも推薦リストもあるでしょう。この人をこの会議にはめ込んだけれど、この人にはお世話になっているのだけれど、この会議には入らないから、別の会議のこちらに入ってもらおうみたいな、そういう話も聞こえてくるわけですよ」
世耕担当相
「そういうことはやっていません。これは、官邸が厳しく査定しています」
反町キャスター
「そういう多少のお付き合い的なニュアンスみたいなものを、多少は削っていこうかなという雰囲気はないという前提ですか?と言うかないわけですよね?」
世耕担当相
「これは全部、機能していますから。この会議があるが故に省庁間の調整が終わってきちんと結論が出ているので。たとえば、これからやる働き方改革だって、この会議がなければ、これまでこの会議をつくらなかったら、結局、厚生労働省の法律の話になるわけです。これをつくって、初めて私も出て行って、経済界としての思い、産業政策の立場からこうですよと言える。あるいはここに入る民間の方から、経営者の立場からはこうですよということが言えて、良い議論ができるわけです。だから、それぞれそういう意味のある会議です」

福島原発・汚染水と廃炉
秋元キャスター
「ここからは世耕さんが就任会見の際に、経産大臣として1番重要かつ重い課題と位置づけられた福島原発事故への対応と福島の再生について聞いていきます。まず、福島第一原発は30年から40年後の廃炉というゴールに向けて、汚染水の処理、使用済み核燃料の取り出し、原発事故によって溶け落ちた燃料デブリの取り出しと、廃棄物の処理という、4つの作業が平行して行われることになっているのですが、まずは汚染水対策について」
世耕担当相
「なかなか難しいテーマではありますけど、近づけない、漏らさない、取り除くという、この方針に則ってやらせていただいています。これは汚染水が、水がなかなか止まらない、非常に深刻な問題だという時に当時の茂木経産大臣がチーム長になって、日本全国のいろいろな専門家を集めて、原子炉の話ですから、どうしても電力の専門家、原子力の専門家になりがちだったのですが、それを土木工学の専門家とか、いろいろな人を結集して、いろいろな可能性を点検して、その中で1番可能性高くやれるのが凍土壁だという結論になって、汚染水対策を凍土壁でやらせていただいています」
反町キャスター
「凍土壁の工事が進んでいることが、建屋への地下水の流入量を減らしていることになっていないと感じています。これはどう受け止めたらいいのですか?」
世耕担当相
「地下水の流入というのはまだ止まらないんです。これは凍土壁が完全に凍っていませんから。海側で99%凍ってきていますが、それでも1%凍っていない。そこの原因がわかっていますから、凍りやすくなるように薬剤を入れて、そこも凍っていくと思います。私は8月上旬、就任後にすぐ見に行きましたが、それからでもだいぶ温度が下がっていますし、凍っていっています。100%になれば、流入量はおそらく減っていくだろうと思います。では、効果が出ていないのかと言えば、流入は止まっていませんけれど、明らかに凍土壁の外と内で水位に差が出てきています。凍土壁の外は高いけれども、内側は低いと。と言うことは、流入はしているけれども、かなりの量の水はブロックしているということもはっきりしてきていますので、その意味では、凍土壁の効果は出てきているし、これで海側も山側も100%凍らせれば水の流入はストップしていくのではないかと思っています」
反町キャスター
「被災住民への損害賠償のあり方については様々な議論があります。どう考えていますか?」
世耕担当相
「もともと住んでいたところに、住めなくなる。大変なご負担をかけているわけですから、東京電力が責任を持って、100%きちんとした対応をやる。これまでの対応をしっかりやっていくということだと思います。政府としては、キチッと帰ってきてもらえるようにしなければいけない。賠償の次の問題として、キチッと帰ってきてもらえるようにするということで、来年3月には帰還困難区域以外の地域の皆さんはいよいよ帰還が可能になります。帰還困難区域、最後に残ったところをどうするかということについても昨日、国としての方針を決めさせていただいて、年内にさらにそれに肉づけをして、具体化の施策をしっかりつくって法律や予算措置などを行い、この帰還困難区域への対応も行っていく」
反町キャスター
「帰還困難区域は国有地として諦めてもらって、別のところを提供するという…」
世耕担当相
「いや、帰還できるようにがんばっていくということであります。帰還困難区域の中でも線量の少ないところがありますから、そこを復興拠点という形にして、まずそこから住んで、生活できるようにしていく。あるいは仕事ができるようにしていくということも考えています。それはしっかりと最後まで国が責任を持ってやっていくと思っています」

『原発』と『エネルギー』
秋元キャスター
「日本の電源構成とエネルギーですが、原発を再稼働する必要があるということになりますか?」
世耕担当相
「火力が82.8%ということは全部輸入ですね。実は日本のエネルギー自給率は6%に落ちているわけです。これはエネルギー安全保障という観点からも、私は危険な状況だと思いますので、自給率を震災前の水準を上回る25%ぐらいには少なくとも改善をしていきたいというのが、我々の政策目標ということになります。そこへ向けていろいろな努力は続けていきますけれど、その中の1つの努力として、電力事業者にキチッとやっていただきたいのは、真剣に再稼働に向き合って、新規制基準をクリアできるような対応をし、安全最優先で再稼働に取り組んでいくということも重要なことだと思っています」
反町キャスター
「代替エネルギー、新エネルギーはどこに期待をつなぐのですか?」
世耕担当相
「電力を考える時、いわゆるベースロード電源、安定的にずっと発電できるもの、これがベースにあって、その上に風力とか、太陽光とか、変動のある程度大きいものがあって、変動幅がちょっと大きくなったら、すぐ炊ける火力で補う、これがエネルギーの全体像です。だから、ベースロード電源をどう確保していくのかということが重要で、太陽光とか、風力はベースロード電源になり得ない。唯一再生可能エネルギーでベースロード電源になり得るのは地熱です。水力もそうですが。地熱発電がベースロード電源として非常に可能性があるのではないかなと思っています」

世耕弘成 経済産業大臣 ロシア経済分野協力担当大臣の提言:『投資』
世耕担当相
「これは企業でも家庭でも投資が止まっているというのが、経済成長の大きな足枷になっていると思います。企業経営者の皆さんにお願いしたいのは、まず新しいサービスとか、技術とか、製品に投資をしてほしいと思いますし、もう1つ、企業経営者にお願いしたいのは、人にも投資をしてほしい。そこで働いている社員の皆さんの給料を上げる、あるいは教育するという投資をしてほしいと思います。あとはご家庭にも、投資ということは消費ということになるのですが、消費は投資ですね。もっと家族で楽しむためにこういうものを買ってみようよとか、今度皆で旅行に行って仲良くなろうよとか、そういう個人の投資、すなわち消費もしっかりやっていただいて、そのことが経済を動かしていくのだろうと思います」

高橋進 日本総合研究所理事長の提言:『・スモール ・オープン ・コラボレーション』
高橋氏
「日本は中小企業に対しては厳しいお話が多いのですが、ところが、海外を見てみると、大企業が担っていた分野がなかなか成長できないので、中小企業、ベンチャーを活かそうということで、彼らに仕事を出して、技術をオープンにして、共同して開発してくれと。スモール、オープン、コラボレーション、これを合言葉にして、ベンチャーとか中小企業を活かそうという動きがいろんな分野で出始めています。経産省にお願いしたいのはベンチャー、中堅企業に、大企業にだけではなく、人もカネも流してもらいたいです」