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2016年8月26日(金)
アフリカ市場争奪戦! 先行する中国を追撃へ

ゲスト

新藤義孝
自由民主党政務調査会長代理 前総務相 衆議院議員
クアシ・チェイ・アモアベン
元在日ガーナ人協会代表
畑中美樹
国際開発センター研究顧問
小池百合子
東京都知事

『最後の巨大市場』アフリカ 徹底検証『日中争奪戦』
松村キャスター
「明日から始まるアフリカ開発会議ですが、今回6回目となる、アフリカ開発会議、TICADは、27日と28日の2日間、ケニアの首都ナイロビで開かれます。アフリカでの開催は今回が初めてです。18日にケニアの外相が発表したところによりますと、アフリアの54か国中、34か国の首脳が参加しています。このアフリカ開発会議ですが、そもそもは日本主導で1993年から5年ごとに開催されてきましたが、2013年からは3年ごとの開催となっています。新藤さん、まず、これまでは日本の開催でしたが、今回、初めてアフリカでの開催、これはなぜなのでしょうか?」
新藤議員
「TICADというのは、Tokyo International Conference on African Developmentと。そういうものの略ですよね。主導というよりも、日本がつくったもので当初、冷戦が終わったあと、アメリカとヨーロッパがアフリカに対する関心が薄れた時に、日本がアフリカを支援しようじゃないかということで、国連だとか、それからUNDP、国連開発ですね。そういったものに、世界機関に声をかけてやってきた。アフリカの、私達は世界の中で最も早いうちから新しい取り組みをしてきたという自負があると思うんです。1回目から3回目は、先ほどからお話をされているように、5年ごとにやりましたが、援助です。4回目以降で、それが援助から投資に移ろうという気運が生まれて、注目すべきは前回の時に、アフリカ側から5年ごとの開催を3年にしないかと。それから、これまではずっと日本でお世話になってきたが、交互開催しようではないかと、アフリカ側からの提案があって、それを私達は喜んでお受けして、今回やりましょうと。初めてのアフリカにおける開催になったと。これは日本とアフリカの、それぞれの努力してきた成果だと。このように理解すればいいのではないかと思います」

『援助』から『投資』へ
反町キャスター
「向こうからの言い出しもあって援助から支援に変わっていったという、その経緯をどう見たらいいのですか?アフリカにしても、ただ、もらうではなく、そこはどう理解したらいいのですか?」
新藤議員
「結局、資源があれば最初は良かった、援助を受けていることで何とか自分達はそこから抜け出そういうところから、資源にいつまでも頼れない。現実に資源価格は下落しましたね。それから、アフリカの貧困ですとか、こういった根本的な問題は経済を立て直さなければ…それは自立です。そのための教育や医療や居住水準、社会資本。こういうものは自分達でつくり上げていかないと、幸せな国にはなれないということ。それを、アフリカの皆さんはよく承知をしていて、準備をしながら、徐々に自分達が自立できる、そういう観点から付き合ってくれる国を探していきたいと彼らは思ってきた。我々はそういったことを自分達がお世話しながら、そこは大きな我々の経済の市場もつくっていけると。それから、日本の技術を応用展開できる場所でもあるということ。その両方が、思惑が一致して、このように進んできたのだと思います」
反町キャスター
「畑中さん、今回のTICAD、どう見ていますか?支援から協力というか、開発支援みたいな。経済援助から開発支援、経済協力に移っていくという過程というのをどのように見ていますか?」
畑中氏
「アフリカ自体が自覚をしたということですよね。これまで外資が入ってきて、生産性が上がっても、それによって外貨が入って、購買力がついて、消費は確かに増えてきたのだけれど、気がついて見ると買ってみる品物は外国から輸入しているわけですよね。そうではなく、自分達がつくるものを自分達が使う。そういう経済に変えていかなければいけないと。たぶんそういう変化。考え方が進化した。それがたぶん日本に対しての期待として、前回のTICADで表明されたということだと思います」
新藤議員
「たとえば、低所得者層の健康改良のための、そういう食品を味の素はアフリカにある工場で使いながら、アフリカにある別の国に輸出しようとしているんですね。だから、私達はあそこに行って金儲けをするのではなくて、日本がかつて戦争が終わったあと、厳しい状態で栄養も医療も良くない時に、なかなか苦しい暮らしがありましたね。そこから皆、がんばって脱皮してきた。アフリカも同じように貧困から抜け出して、自分達で自立経済をつくる。その時に私達がお手伝いできる。それが結果、ビジネスにつながれば、こんな嬉しいことはないし、私達日本は、そういう意味で、アフリカや世界中のこれから発展しようという国に、自分達が辿ってきたプロセスをショートカットして、提供できるのではないかと思っているんですよ。だから、その意味において、日本がアフリカにいろいろな投資をしながら一緒に盛り上げていこうというのは、これは非常に意義のあることだと考えています」
反町キャスター
「日本にすごく経済的余力があって、すぐの利益ではなくて、長期的な信頼関係とか、長期的な構造的なメリットが享受できるような関係をつくっていきたいという立場だったらいいという話。だけど、今の日本の経済どうですか。アベノミクスはバンバンですかと言われた時に、生産拠点が海外に出ることが日本の国益に本当に適うのかという議論が、為替の議論で出ているではないですか。それでも、アフリカに対しては、製品の輸出ではなくて、生産拠点の輸出というところに、そこは歯を食いしばってとは言いませんけれども、そういうスタンスで臨んだ方がいいという考えですか?」
新藤議員
「たとえば、欧米企業というのは完全にそういうグローバル展開をしていて、それは短期的な、もちろん、投資もするんですけれども、そこに行って良いとこ獲りして、儲けるだけ儲けたら別のところへ行こうという展開は昔からしていないんですよ。ですから、日本も短期的な利益を求めようとしても、そんな競争であれば、もっとあこぎに、また、乱暴に商売をする人達が世界にたくさんいるわけですよ。ですから、日本が、日本企業がこれから世界の中で生きていくにはアフリカだけではなくて、どこの国に行ったって、地に足をつけて自分達の技術を活かしながら、その国にも貢献し、自分達の経済も戻ってくる、このサイクルがつくれなかったら、日本の企業の未来というのは、私はなかなか見えないと思いますよ」
松村キャスター
「今後の成長が見込まれるアフリカ市場ですが、過去に、企業の買収や工場建設などによって投資した金額の合計を示す直接投資残高を国別に比較してみます。アメリカが1番多くて、イギリス、フランス、中国、ドイツ、日本、韓国と続いているのですが、欧米や中国と比べて、日本は極めて少ないのが現状です。畑中さん、アメリカ、イギリス、フランスが多い、この理由は何でしょうか?」
畑中氏
「まずアメリカは企業が積極的、進取の気性に富んでいると言いましょうかね。イギリスとフランスは旧宗主国ですから、イギリスの場合、たとえば、1971年から2年間に1回、英連邦首脳会議というのをやっていますし、フランスの場合、1973年以降、フランスとアフリカの首脳会議というのをやっていますね。そういう中で、人脈もありますし、どこを突けばいいのかがわかっている中で、資源メジャーの3つ。アングロアメリカンとリオティントとBHPブリトンという、この3つ、イギリスなんですね。従って、こういう企業が投資しているので、イギリスは多いわけですね。フランスについては、たとえば、世界最大の原子力企業アレバですとか、アレバの子会社のアレバNC、これは鉱山部門を持っています。ここが投資をしているので多いということです。歴史的につながりがあって、人脈もあって、資源がどこにあるかもよくわかっているという、それが違いになっていると思います」
反町キャスター
「英仏というところは、まさに植民地支配の名残というのか、その時に築き上げたものをいまだにそれをルートに、収奪とは言いませんが、大きな利益を得ている、こういう理解でよろしいのですか?」
畑中氏
「それは正しいです。たとえば、イギリスだとナイジェリア、ケニア。フランスですと西アフリカの国々、こことのつながりが非常に強いですから。今でもそこをうまく使っているということです」
反町キャスター
「それはどう見たらいいですか?アフリカの植民地の独立に向けた動きというのは、旧宗主国の支配者に対して、それは反発だったり、戦いだったりしたわけではないのですか?」
畑中氏
「政治的には独立をしたと。あとは経済的に自立をしたいと思っていますので、徐々に関係は変化をしてきていますね。そこにまさしく中国が出てきたりしたので、そういう国を使いながら、自分達が主体になるような形で一生懸命に変えようとしていると。ただ、敵もさるもので…」
反町キャスター
「敵というと、この場合、英仏ですね?」
畑中氏
「英仏、巧妙ですから、手を変え、品を変え、自分達の中に利益がなるべく残るような形の体制をまだ残しているということです。それを崩そうとしているのがアフリカ諸国ということですね」
反町キャスター
「政治的な独立と経済的な独立と分けた方がいいですか?」
畑中氏
「まず政治的な独立」
反町キャスター
「は、していますよね」
畑中氏
「これから経済的な自立を目指そうとしているところですよね。まだ、アフリカ全部の国を合わせて、平均して1人あたりGNP(国民総生産)は、2000ドルぐらいですからね。まだまだですよね」
反町キャスター
「クアシさん、いかがですか?政治的な独立と経済的な独立と言ったら、自立というふうに畑中さんに変えられたのですけれども、その部分は感じる部分はありますか?いまだに旧宗主国の経済的な、ある意味、コントロール下に置かれている気持ちは、皆さん、持っているのですか?」
クアシ氏
「はい、そうです。特にフランス系の国が非常に強いんです。ほぼ独立以前の支配をしていると思います」
反町キャスター
「今でも?」
クアシ氏
「今でも」
反町キャスター
「それはどう見たらいいのですか?でも、たとえば、どここがいいですか、コンゴとかがいいのですか。ザイールがいいのですか。国の名前を言うとやばくなるというならば言わなくてもいいですけれども、どういう関係なのですか?経済的にいまだにフランスのコントロール下に置かれているというのは?」
クアシ氏
「たとえば、西アフリカのフランス系の諸国は、まず自分の貨幣も、まだフランスに依存しているんです。でも、ガーナだとある程度、完全ではないけれども、比較的、イギリスとは経済的には切り離れていると思います」
反町キャスター
「それは国によって経済的な、旧宗主国からの独立の色合いというのが、バラバラであると。そういうことなのですか?」
クアシ氏
「そうです」
反町キャスター
「それはその国その国によって、そこは葛藤してきた、戦ってきた結果の経済的な自立度が違う。こういう理解でよろしいのですか?」
クアシ氏
「そうですね。最初はもちろん、皆さんが政治的な自立をしようとしたのですが、それが最初の目的です。それを達成したあとに、経済の方もしないと、完全な自立ではないということで、各国の経済状況、経済発展状況にもよるんです」
反町キャスター
「英仏、ないしは、たとえば、コンゴだったらベルギーみたいな国とか、そういう国がいまだに強く、アフリカの国に旧植民地に対して強いグリップを効かせているところに、そこに日本が入っていこうとするわけですよね?なかなか大変ですよね?」
新藤議員
「個人的な経験ですけれども、根付き度の問題です。それから開放性の問題。日本というのはどうしても、今までは日本で食べていけたから、企業は日本の国内で競争をしていれば、世界有数のものにもなれたし、利益の取りやすいところに出かけて行っただけで、わざわざ開発をして、フロンティアで、新しいところへ、開拓をして、取ろうということは考えなくても済んでいたわけです。でも、私が十何年前にナミビアというところに2週間ぐらい滞在していたんですけれども、私のガイドをしてくれた人はドイツ人です。元はドイツの北の寒いところにいたのだけれども、南アにルノーが出て、暖かいところだから来ないかと、友達から来ないかと言われて、ルノーに勤めて、南アフリカに行った。暖かかったので、場所が気に入って、そこで住みついて、子供は弁護士と医者にして、自分はレストランを開いて、それも軌道に乗ったので、今はガイドをやっていると。ですから、人生を、個人も、その土地で根付こうという感覚が私達とは違うものがあるんです。いくら国家の戦略が悪巧みとか、国が巧妙にはなくて、それはそういう方針を立てても、そこに根付いていく人間がいなければものにならないでしょう。ですから、もちろん、戦略もありますが、ヨーロッパの人達は、だって、ヨーロッパって国なんて関係なく自由に動くではないですか。ですから、そういう中で世界を股にかけて動いているんです。企業もそういうマインドでやっているんです。ですから、日本も開放されているけれども、でも、もっと違う意味での開放性が、私は必要で、途絶えるのではなくて、行ったり、来たりしながら、その国で、その土地で生きていく。そういう選択をしても国とのつながりが切れないような。そういう環境を、企業も人間も持つべきだと」
反町キャスター
「それがこのアフリカ直接投資残高。日本は1兆円。米英仏に比べ…」
新藤議員
「護送船団方式ですよ。日本は行くとなったら皆で行く。それはちょこちょこ行くけれども、この時の最大の援助国は日本なのですから。2013年に中国に抜かれるまで。お金をドンドン出してはいるけれども、自分達が出て行っていないんですよ、本格的には」
反町キャスター
「その部分があるから、日本はいつまで経ってもこういう状況に。そうすると、たとえば、これは国が主導して、行こうという話では…。たとえば、102億ドル、日本が中国、ドイツよりも低い、この状況から、日本がアフリカへ直接投資を増やそうと言っても、国が行け、行けと言っても、行くものではないのではないかと聞こえちゃうんですけれども」
新藤議員
「ですから、安倍内閣はそれを変えようとしているんです、日本自体を。国が段取りをして、方針を示す。でも、企業は企業で自立して、自分達でグローバル展開してください。そのための規制緩和や、様々な制度を、この国に取り入れますよと。それから、世界の経済国境を下げますよと。私達というか、安倍内閣というのは、今、日本政府はこれまでとは違う取り組みをやろうとしているんです」
反町キャスター
「畑中さん、いかがですか?どうして日本がこんなに低いのか」
畑中氏
「今おっしゃられたようにまず日本は内向きだったんです。国内市場が大きいので、出ていかなくて良かったわけです。しかし、日本も老齢化し、民間が伸びないとわかってきたので、外へ出始めましたけど、まず考えたのがアメリカ、ヨーロッパ。近いところで、大きい市場がある中国とか、東南アジア。最近になって、ようやくインドということで、アフリカは地理的にも遠いですし、心理的にも遠いので、そこまで思いが及ばなかった。アフリカと仕事をしている人達もまずは貿易からということで。日本人は保守的で割と慎重なので、ステップバイステップでいくので、いきなり投資とならないので」
クアシ氏
「大統領の側近の方からちょっと聞いたんですけれども、日本の企業が何回も何回も大統領府に来て、写真だけ撮って事務所に貼って、それで終わり。ですから、日本の企業が大統領府に訪問しようとすると、彼らははっきりは言えないけれども、嫌がっているんです」
反町キャスター
「写真だけ撮って帰るだけの関係ですね?」
クアシ氏
「そうではなくて、本格的にもし仕事をするなら、もちろん、仕事するなら、大統領府まで行かなくてもいいのではないですか。でも、ほとんどの日本の企業は大統領に会いたい」
反町キャスター
「ごめんなさい、今日はTICADがテーマなので、少し変わってきているのではないかなという雰囲気を出したいと思ってるんですが、今も変わらない?」
クアシ氏
「ですから、これからは、たぶん日本政府自体の考え方が変わっているので。考えてみれば、1993年からですよ。でも、中国は2000年でしょう。中国は3年ごとにやったんです。それをようやく日本も、それを学んできたんです。なぜかと言うと、コミュニケーションを取りながら、親しくなって、いろいろとお互いに理解できるんです。でも、日本は援助だけして、実際にはあまり動かなかったんです。ですけれども、現在はケニアの方で動いている。そうすると、日本の企業も何社もついてくると思いますから。これからはたぶん面白くなるのではないかと思います」
新藤議員
「残念ですけれども、かつての日本のODA(政府開発援助)はタイドローンと言って、その国に援助を出すと、その国に援助で出した仕事を日本の企業が取れるようになっていたんです。それがおかしいのではないかと日本国内の世論があって、大半がアンタイドローンと言って、お金は出すけれども、企業はそこでもう1度入札をして、やるんですよ。そうすると、日本の出したODAで中国や韓国の企業が仕事を落札していくんです。その時に日本が本当にその国に本腰を入れて、そこできちんと身を固めて、身を埋めて仕事をする覚悟があるかというと、それはそこまでやらなくても、他で食べていく国があるから、というところは言わざるを得ないです。従って、競争になると執念において日本の企業は平場になったら勝てないわけですよ。ですから、そこを私達は直そうとしています。アンタイドであっても技術的基準だとか、入札の要件をきちんと日本企業の技術が評価されるような、そういう仕組みの契約をしようではないかと、ODAに対しては。こういう契約にしてくれということに我々切り替えてやっているんですよ」

アフリカ 席巻する中国の『野望』
松村キャスター
「中国の存在感が増していますけれど、そもそもなぜ1990年代後半以降にアフリカ進出を重視するようになったのですか?」
畑中氏
「中国は高成長が続いて、資源需要が非常に高まったために資源を確保するというのが1番の目的ですよね。それに加えて、あと少し言うならば、製品とか、プラント、中国の製品プラント、その市場の拡大というのがあったということだと思いますね。特に昨年の12月に第5回の中国とアフリカの協力フォーラムありましたけれども、そこでは今後、新たに協力する10の分野というのを打ち出したんですけれど、1番目に工業化というのを言っているんですね。2番目に農業の近代化と言っている。これはアフリカ側が1番望んでいる2つですね。これを言い出したということで、どうも戦略に変化が見えているなと。要は、中国経済が底上げをはかって、彼らの購買力を高めて、資源の獲得ではなく、これからは中国の巨大市場にアフリカを育てあげていこうと。たぶんそういう戦略に移りつつあるのではないかという気がしますね」
反町キャスター
「国のトップリーダーが、習近平さんは2011年副主席になってから7回、8回ぐらい行っていると思うんですけれども、副主席の時から含めて、主席になってからも含めて、8回ぐらい行っていると思うんですけれども、この国のトップリーダーが毎年のように現地に行って、それでそういう話をして、お金をドンドン積み増していく。この中国のアフリカに対する入れ込み具合、他の地域に対しても当然、積極的にはやるけれども、飛び抜けてアフリカに対するアプローチが深いように厚いように見えるんですけれども、そこはどう見ていますか?」
畑中氏
「東西冷戦が終わって、アメリカですとか、ロシア、旧ソ連ですね。あるいはフランスとか、イギリスのアフリカに対する関心が少し低まった時期がありますね。その間隙を突く形でちょうど中国の経済が高成長に転じたということでアフリカに目をつけたということだと思います。中国にここは日本が見習わなければいけない点だと思うのですが、百年の計、長期戦略性ですよね。ここは我々も素直に反省して、見直していくべきだと思います」
反町キャスター
「最近はどうですか?中国のアプローチは?」
畑中氏
「おそらく中国の経済が少し減速したということと同時に、あまりに短期間に、急速に出たことによって、中国に対する反発みたいなもの、あるいは失望みたいなものが出てきていますので、アフリカで。従って、昨年の第5回の中国アフリカ協力フォーラムでの戦略の転換というのは、中国側にとってのプラスだけを考えてはいけないなと、相手にメリット感を与えながら、いかなければいけないと思い至ったと」
新藤議員
「これは、数字を見れば一目瞭然なんですね。日本人のアフリカにいる在留数8000人ですよ。中国人がアフリカにいるのは100万人ですよ。それから、進出企業が687社、日本は。中国は2000社を超えています。それから、2000年から15年間で中国のアフリカ貿易は22倍。アフリカにおけるアフリカ貿易における中国の位置というのは、3.8%から20%に増額と。ですから、それは戦略もあるけれど、胡錦濤さんや中国の首脳が出かけるのは中国人がいるからですよ。結局、それは国内の生産過剰をどこかに海外移転させないと、国内が持たないと。それをアフリカに定めたという中国の事情があるわけです。中国はそれなりに成功しているんですね。BBCの調査だったと思いますが、アフリカにおける好感度2位ですから。うちは7位ですから。ただ、やり過ぎだという反発は出ていますよ。でも、トータルでは中国人はアフリカで2番目に好意を持たれている。1番はイギリスですよ。なぜか、これはBBCだから。イギリスはそんなに大きな国ではないですよ。だけれど、BBCがアフリカを席巻しているわけ、世界の通信というか、放送を。BBCの信頼によって、イギリスの好感度とか、信頼性というのが上がるんですよ」
反町キャスター
「ガーナに対する中国の進出はどんな感じなのですか?」
クアシ氏
「先ほど、言ったように、どの村にも中国人がいます。中国はアフリカ・ユニオンの本部の建物も提供したわけですね。そのあとにガーナでも外務省の建物、防衛省の建物、ブイダムという水力発電も全部無償で提供したわけですね。2004年、2006年にアフリカのサッカー大会がありましたが、その時ガーナで開催したんですけれど、スタジアムが足りなくて政府が非常に困っていたんです。当時はお金を借りることもできない。それで中国に言ったら、一発でお金を出してスタジアムを2個つくってくれたんです。5万人ぐらい収容できるようなスタジアムです。しかし、お金だけではなくて、働く人も中国から行ったわけです。そこが最初はもちろん、短期的に考えればいいかもしれないけれど、長期的に考えれば、非常に良くないなと。ほとんど皆、残っています」
反町キャスター
「何で帰らない?」
クアシ氏
「ガーナでも不法滞在中国人が多いです」
反町キャスター
「おかしいでしょう?」
クアシ氏
「そう。それと金銀を掘っているところはほとんど中国人が支配しています。正確に仕事しているなら問題はないけれども、汚染の問題とか、植物の問題とか、非常に激しくなっています。私が個人的に心配しているのが、金を掘るのに水銀を使っているわけですから、水俣病も考えられるのではないかということが非常に大きな問題になっているわけです」
畑中氏
「最初はすごく歓迎していたと思うんですけれど。徐々に徐々に中国の新植民地主義と言われていますけれども。中国の企業が中国人を連れて行って、中国のモノを中国のお金を使って作って、そこに残ってしまうということで、それがようやくわかりつつある。作ったインフラについても質が悪くて、道路に穴が開くとか、弊害が出てきていますが、日本が質の良いインフラと言っているのは、そういうことにならないように、それぞれの国の将来にプラスになるような形での、インフラづくりなり、経済協力なり、投資なりをしましょうと呼びかけているわけですね。ちょうどアフリカの人達がわかり始めたところに、日本が違う形で我々はやらせていただきたいということを話しかけているのが、今回の会議です」
松村キャスター
「スペシャルゲストで小池百合子さんに来ていただきました」
反町キャスター
「東京都知事はアフリカとはあまり関係ないのですか?」
小池都知事
「私はもともとカイロ大学の卒業で、アフリカ大陸にあります。ただ、地域とすれば、アラブということになりますけれども、アフリカは本当にポテンシャルが非常に高いですよね。何よりも資源があって、ということで、これまであまりにも手つかず過ぎた部分がある。だけれど、TICADを地道にずっと続けてこられたことはとても良かったと思うのですが、私はいつも心配するのは、質の高いインフラと言うけれども、一方で、それは時にオーバースペックになって、結局、良いところは別のところに獲られてしまうということがこれまで山ほど例があった。畑中さんとは私も一緒にリビアの件などで仕事をしていましたし…」
反町キャスター
「リビアにはオーバースペックな何かを輸出しようとして、他の国が持っていってしまったという、ケースがあったのですか?」
小池都知事
「そうですね。たとえば、建設関係を見ても韓国企業などは徹底して入るんです。例えば韓国の有名な企業などは、駐在員を送ると、その国の国籍をとるまで帰るなと言うんですよ。それだけ根付くということで、日本の場合は子供の教育ですとか、言葉の問題とか、赴任したら、いつ帰るかの話が先にくる場合がありますけれども。根性が違うというか、そのへんのところで日本の企業はせっかくの技術を持ちながら、残念ながら活かされていないという例が数多ありますね」
反町キャスター
「その話、(日本人に)やれるのですかね?」
小池都知事
「私はやれると思います。アフリカに対してのアプローチをより積極的に進めていくこと。それも短期ではなく、中長期で見ていくこと。その時に日本への信頼感が醸成されていくし、もう既に下地はあるし、青年協力隊とかジャイカの方々で時にカリスマみたいな人が出るんですよ。本当に尊敬されている。それは個人ですよ。いくつか例があります」
反町キャスター
「アフリカで日本の好感度を上げるための方法があるのですか?」
新藤議員
「たくさんあると思いますよ。ですから、オーバースペックになるというのは日本にあるものをそのまま持っていこうと思うから、スペックがオーバーしちゃうわけで。そうではなくて、これからの日本の海外展開のキーワードは社会的課題の解決だと思うんですね。ですから、たとえば、医療を充実させたい。遠隔医療をやりたいならば、無線で、無線と放送、ネットと放送を融合させて、遠隔地医療をすれば、無医村にたくさんの診療所ができるわけです。それから、教育も遠隔教育ができると。これは放送システムが整備されて、それにネットを融合させれば、ごく少ない人数で素晴らしい仕事ができることになるではないですか。ですから、先ほど言ったように、発電もそうだし、それから、水の管理もそうだし、交通渋滞(解消)もそうだし。アフリカも農作物のおそらく6割から7割は物流が整ってないので、刈り取ったけれど、使われずに腐ってしまうと。インドがだいたい6割から7割ですから。ですから、私達が高速物流鉄道網つくろうとやっているわけですけれど、アフリカだって同じです。ですから、それぞれの国、洪水に悩む国もあれば、干ばつに悩む国もある。それに対してICTを活用して、そういうもので日本人の、日本の技術によって命が救われた、それから、子供達が教育を受けて立派な人になった。それがこれまでとは比べものにならない簡単な、お金のかからない方法で、それが受けられたと。そこで日本の製品は壊れない、それから質が高い、綺麗、こういうところで日本の好感度を上げてるわけです。ですから、そこに私達は日本の放送というのも少し入れてった方がいいよね。ですから、NHKの国際放送展開というのは、そういうことをやっていこうとしているわけです」
反町キャスター
「アフリカにおいて、日本のIT(情報技術)とか、放送をやった場合、アフリカでの印象は劇的に変わるものですか?」
クアシ氏
「そうです。日本製品がいいものだということを皆さん、よく言っています。長持ちだし、質も良いし、もし日本の放送もあれば、もっと日本に対する印象が良くなると思います」
反町キャスター
「中国はそういうことを、放送をやっていないのですか?」
クアシ氏
「放送はないです」

クアシ・チェイ・アモアベン 元在日ガーナ人協会代表の提言:『役所型意思決定からウサイン・ボルト型意思決定へ』
クアシ氏
「私が提案しているのは、役所型意思決定からウサイン・ボルト型意思決定へ。オリンピックが終わったばかりで2020年は東京オリンピックがあるからウサイン・ボルトは非常に大事な名前であると思います。日本のなぜこれまでアフリカに進出できていないとか、そういうことは、政府の方も意思決定が非常に遅い。民間レベルでも企業の意思決定は非常に遅い。日本は1つのものを決めるのに非常に時間がかかりますね。しかし、ウサイン・ボルト型の意思決定なら、早くて正確で高度な技術であるということであれば、もう大丈夫だと思います」

畑中美樹 国際開発センター研究顧問の提言:『自立的成長支援』
畑中氏
「要は、主役はアフリカ。我々日本は脇役になってアフリカの国々がこれから発展していけるようにお手伝いをすると。たぶん3本の柱がある。1つは、インフラの支援ですよ。特に道路とか、港湾とか鉄道。2つ目が農業支援、特にどちらかと言うと主食、これが自給率を達成するような形で支援していく。それから、3つ目に工場をつくっても電気が止まってはしょうがないので、電力の供給ということで、地熱とか、モザンピークの液化天然ガス。そうしたものをやって、アフリカ経済が自分達で立って歩けるようにしていく。そういうことが必要だと思います」

新藤義孝 自由民主党政務調査会長代理の提言:『パートナーシップとオーナーシップ ICTイノベーション』
新藤議員
「私達はアフリカの友人として寄り添っていく。一緒に発展していきましょうという気持ちを持ち続けること。しかし、前提は、アフリカがアフリカ自身でがんばっていくというオーナーシップ。これを尊重していきながら、アフリカが抱える社会的課題を解決すること。それを、発展段階を飛び越えて、これまで私達が公害を克服してきました、いろんな医療や食料の問題を克服してきました、こういう最先端なものをその国に合った技術を提供しながら、暮らしを変えていく、国民の暮らしを、豊かな安心したものにしていけば、それは必ず成熟化社会と法治国家、民主主義の国家が生まれてきて、素晴らしいアフリカの人材が活躍できることが実現できると思うんです。その時に私達は友達として一緒にいる。我々は役割分担をしながらね。それを可能にするのはICTです。コンピュータです。ですから、そのイノベーションを起こしていこうと。日本の技術で世界に貢献しよう、アフリカに貢献しよう、これが持続的な日本とアフリカ(の関係)の、キーワードになるのではないかなと思います」