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2016年8月25日(木)
山本幸三新大臣に聞く 地方創生第2ステージ

ゲスト

山本幸三
内閣府特命担当大臣 地方創生 規制改革担当 自由民主党衆議院議員
森雅志
富山市長

山本幸三特命担当相に聞く 『地方創生』と『規制改革』
秋元キャスター
「山本さんは、今月3日に行われました内閣改造で内閣府特命担当大臣に就任されたんですけれど、どの分野を担当されるということで、山本さんのお名刺拡大させていただきました。内閣府特命担当大臣と書いてある横に地方創生担当、まち・ひと・しごと創生担当、行政改革担当、国家公務員制度担当、規制改革担当と。アベノミクスにとっても重要な分野がずらりと並んでいるわけですけれども、山本さん、就任の際に安倍総理から優先順位ですとか、どういった指示があったのでしょうか?」
山本地方創生・規制改革担当相
「総理からアベノミクスを何としても成功させなければいけない、加速をさせなければいけない、デフレ脱却を確実なものにすると。そのためには地方に、アベノミクスの果実を行き渡らせるようにしてもらいたいと。地方が元気にならなければ、アベノミクスの成功はないということであります。そして同時に、地方が抱えている問題で、少子化とか、あるいは過疎化というのがありますので、こういう問題に対して、従来の発想にはないような、思い切った、断固たる政策を立案、実行してもらいたいと。それは、また岩盤規制と言うか、規制を突破するということを含めて、いろいろなことを思っています。ある意味で言うと、アベノミクスを始めた者として、その始末はちゃんとつけなさいよと。ケリをつけなければその責任を果たさないよと言われたと思っていまして、大変、重責を担わせていただいて、しかし、大変やりがいがあるなと、覚悟を新たにしています」
反町キャスター
「森さん、いかがですか?安倍政権の地方創生は、石破さんが地方創生大臣になられた時も、石破さんとお話していただきましたけれども。安倍政権の大きな旗、目印になった地方創生、ここまでの取り組み。印象論でも結構です。どんなふうに感じていますか?うまくいっていると思います?」
森市長
「うまく対応できて実績につながっている地方と、そうではない地方とがあるのだろうと思います。人口減少ということが大きな課題だとクローズアップされてきてから、地方は独自性を発揮しながら、地方の特色を光らせていくということをちゃんとやろうということで、地方創生ということが叫ばれてきたと思いますけれども、財源どうなのだということになると、必ずしもきちんとそれの裏づけになっていない部分があるわけですね。そういう意味では、たとえば、まち・ひと・しごと創生本部が、過疎化交付金ですとか、推進交付金だとか、ここ数年、1800億円とか、いろいろ聞いていた。これも僕の印象では、結果的にはちょっとばら撒きに近い形になってしまっている。本当はそうではなく、地方版総合戦略なり、きちんとビジョンを出して、ビジョンをきちんと評価をしていただいて。あるいは批判してもらって、それを具体的に進めていくための、背中を押していくような交付金というものを期待していたわけですが、そのぐらいのスケールになっていないと思います。でも、だからと言って、手をこまねいていると、地方はドンドン衰退していくということだろうと思いますので、愚痴ばかりを言うのではなくて、自分達でできることをしっかり工夫やアイデアを見つけて、国にもいろんな制度を見直してもらいながら財源の問題だけではなくて、規制改革というのは、すごく大きなスケールの話だと思います。たとえば、混合診療をどうするとか、地方レベルで判断できないようなことがあります。ですけど、たとえば、地方分権改革有識者会議でいろいろ議論をしてきましたような有償運送事業法の改正ですとか、たとえば、過疎バスのバス停をどう動かすかというのは手を挙げた自治体で自由にやっていいではないかという細かなことまでいっぱいありますが、僕らにしてみると、ここまでがすごく大事で、この点は随分変わってきたという印象を持っていますので、そういう面では、地方にしてみると、地方創生に取り組みについては一定程度効果も出ていますし、良い取り組みをしてもらっていると思っています」
反町キャスター
「うまく対応している自治体とできていない自治体があるとおっしゃいました。そう言いながら、要するに、1800億円が事実上、きちんとしたインセンティブとして機能していないのではないかという話かと思ったんですよ。ちゃんとできて、それが政府から評価されたところにはバスッと乗るけれども、ちょっと練れていないねと。どこかのアイデアを、どこからか買ってきて、それをコピペして載せたようなものは、これはダメだよみたいな、そういう評価の濃淡みたいなものがもっとあった方がいい?」
森市長
「と思っています」
反町キャスター
「その部分でどう感じているのですか?」
森市長
「たとえば、麻生政権の末期の頃に、環境モデル都市というものが生まれてきて、富山市も環境モデル都市第1号都市になりました。その時に補正で、環境モデル都市だけが使える交付金みたいなものが生まれたんですよ。それはインセンティブになりますね。全体で、あの時20億円だったと思いますけれども、これは環境モデル都市だけが使える。それは補助率10分の10だったんです。従って、やりたかったけど、なかなかできなかったことにボンと前へ進むことができました。これは極端だと思いますが、しかし、それぐらいの、ある程度、インセンティブにつながるような交付金のあり方というものを是非、山本大臣にもがんばっていただいて」
反町キャスター
「いかがですか?いきなりやるやらないの話では難しいんですけれども、森さんの話をどう感じますか?」
山本地方創生・規制改革担当相
「まったく同感で、私も委員長をやりながら、ちょっとばら撒き的なソフトで、どこにも良い格好をしなければいけないようなやつはダメだと。本当に、地方が生き返るようなものに絞ってね。その代わり、金額的にも大きく出せと。数は減るんですけれども、だけど、そちらの方が意味があると思っていて、だけど、その際に何を基準にするかというのが非常に大事になるわけですね。そこで、私はこれまで地方創生というのは何かよくわからんという話があったので、私としては、地方創生というのは地方の所得、賃金、全体を含めて所得、これを上げることだと定義をしていましてね。そのために役に立つようなプロジェクトだったら、バッと思い切って金額を高めて、やってもいいのではないかと。それを基準にこれからしっかりと考えていきたいと。これから進めていきたいと思っています」

『アベノミクス』の地方浸透策
秋元キャスター
「ここからは地方創生をどう進めていくのか。具体策を聞いていきます。まずは地方の現状を賃金水準から見ていきますと、2015年、全国平均で、月額で30万4000円ですけれども、これよりも賃金が高かったのは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府の7都府県です。1番高いのは東京都の38万3000円で1番低いのは青森県の23万5600円。この差がおよそ15万円にもなるわけです。こうした状況の中、山本さん、今月4日、就任翌日の会見で賃上げについてこのように話されています。『賃金上昇をどう地方にもつくり上げていくか、賃金が上がっていくことによって消費も増え、投資も増えという好循環につながるわけだから、そういう環境をどうつくるかが勝負』と言っているんですけれども、山本さん、どうやって地方に経済の好循環をつくり上げる仕組みをつくっていかれるのですか?」
山本地方創生・規制改革担当相
「1つは、最低賃金を上げるという作業があって、これはやっていますね。それから、賃金を上げるためには、つまり、所得を上げるためには生産性を上げないとできないですね。従って、地方創生のプロジェクトは、地方の企業なり、個人も含めて、生産性を上げるような努力をしなければいかん。そこで、私は今、事務当局に指示をしているんですけれども、まず遊んでいる、休んでいる、そういう資産をなくせと。たとえば、ちょっと手を打ってきたのが休耕田ですね。それから、空き家。これは税制で固定資産を上げるという方向を取りましたから、1つのテーマ。私は空き家をなくせと、空き家については税制について、少し研究をしろと。空き家にしたら損をするという税制にしたらどうか。シャッター通りをなくそうと。つまり、何もしていないで、じっとしているということは、たとえば、店舗と住宅が一緒の時には2分の1以上住宅があると、課税標準が6分の1になるんですね。それが店舗を閉めていても、そんな特権を得るというのはおかしいので、その時は店舗の分は外せとかね。そういうことを研究してくれと。とにかくできるだけ日本中から空き家をなくそうと、空き店舗をなくそうと。それから、休耕田は厳しくしたのですが、厳しくして所有者には負担がかかったんだけれど、所有者は休耕田で、とてもじゃない、農地に戻れないような土地がたくさんある。それは、自分は売って、やりたいという時に、私は具体的なケースを知っているんですけれども、買い手も来たのだけれども、農地の転用許可が下りない、ばかげたことが起こっていて、そんなことは、今度は逆に規制緩和で外して、もう農地で使えないものは、できるだけ早く、農地転換を認めてね。そこを他の企業が来て、買って、有効に使ってくれるようにしようと。あるいは工場跡地も放ったらかされているところもありますから。そういうのは、だから、固定資産税の話もあるし、それから、場合によって相続税の評価額の話もあるし、そういう税制も活用し、あるいは逆に有効利用をする時には補助金も出すような。いろんなものを絡めて、あるいは規制緩和で動かしていくとかね。とにかく日本の使われていない無駄な、休んでいる資産をまずなくすのが1つ。それによって収益性がドンドン上がってきます。それから、もう1つは、地方の1番の問題は、地方の中小企業が死にかけている。ほとんどが後継者が不在なんですね。これは農家の不在よりも、むしろサービス業の不在が72%、建設業は70%ぐらい。農家が56%で、むしろ農家よりもそういう業種の方が、後継者がいなくて放って置いたら潰れる、倒産寸前の中小企業がたくさん日本中にあって、これは大企業だったら、技術とかを持っているというのはわかれば、M&Aがかかってきて、大きな投資銀行が入って、手数料が取れるから、やるんですけれども、小さいところはそんなことはやりませんから。では、誰ができるかと言ったら、税理士さんか、公認会計士さんか、場合によっては弁護士さんか、あるいは社会保険労務士さんか、そういう士業の人、そういう事業のことを知っている、そういう人達の協力を得てね。実際、私の知っている若い税理士さんのグループは、既にネットワークをつくっていて、東京で買いたいという人がいたら、それをマッチングして、M&Aして放っておいたら潰れて消えていく地方の中小企業を、逆に資本が入ることによって生き返らせる、あるいは海外の投資家からも投資してもらうというようなことを、やり出していて、これを大々的に日本中で進めて、とにかく遊休資産をなくす。あるいは放っておいたなら死にかける中小企業を生き返らせるというような話をしていけば、生産性、収益性が上がってきて所得の向上につながる。そうすると、若い人も東京に行く必要がないので、田舎でもちゃんとした仕事ができると思うんです」
反町キャスター
「劇薬ですよ、それ。僕が言うのも生意気ですけれど。これまでだって、山本さん、そういうの知っているでしょうから、敢えて申し上げすけれども、自民党の支持層というのは、そういう、たとえば、シャッター街のオーナーの皆さんだったり、休耕田を持っている人達だったり、要するに、資産をある程度、それも遊休資産を持っている人達が、地方においては特に自民党を支えている人達が多かったと僕は思っています。そこにグッと斬り込んで、あなたが遊ばせている、その資産が日本経済をダメにしているのだから、遊んでいる土地は手放しなさい。使っていない店は売却しなさいと。ないしは他に貸しなさい、ないしは潰れそうな企業にしても、その部分は他の人をマッチングして、いつまでもそこにこだわっていないで、流動化させなさいということをやろうとしていると、そういう意味ですよね?」
山本地方創生・規制改革担当相
「そうです」
反町キャスター
「考えただけで、自民党の支持団体からの抵抗がありそうな気がするのですが、まだ大臣になって日も経っていないので、そんなことをやられたら困るという圧力がかかってきたことはない?」
山本地方創生・規制改革担当相
「それを突破するのが私の仕事ですからね」
反町キャスター
「森さん、これまでの話、どう感じましたか?」
森市長
「すごく大事なことだと思います。特に地方の中小企業の経営者は、自分の体が元気なうちはがんばると。だけど、息子が帰ってこないのだと。大手の都市銀行に勤めて、あとを継がない。でも、倒産危機にさらされているわけではないのに、体もたないし、誰も継いでくれないから廃業だということが起きています。これはうまくマッチングすれば、従業員セットである企業が継いでくれる、あるいは子会社化してくれる。そういうことは、望んでいる人がいっぱいいると思いますし、そういうことだと思います。それをつなぐ人がいないので」
反町キャスター
「富山においても、そういうものを感じますか?」
森市長
「感じます。逆に一生懸命そういうのを救おうとしているオーナー企業の経営者もいますので、上場していないような企業であっても。それは大事なことだと思いますね。それから、農地に関して言いますと、大臣、ご存知のように、平成24年に農地法の改正で、地方自治体が直接、農地を買える、耕作目的で買えることになりましたので、うちの市は24ヘクタールの耕作放棄田を買って、農林水産省の補助をいただきながら優良な畑に再生させています」
反町キャスター
「誰が耕しているのですか?貸しているのですか?」
森市長
「農業生産法人格を持つ商業法人などにも整備が終われば貸す。そうすると、一区画が6ヘクタールですとか、かなり大型の農業をやって効率を上げて生産性を上げるということをやっています。本当は農協とか、農業団体がそれをやれたらいいのですが、そういうふうに動いていないですね」
反町キャスター
「それは動かないのですか?動けないのですか?何らかの規制があって動けないのですか?彼らにそういうビジネスインセンティブがないのですか?」
森市長
「そうです。制度的には動けます。ですが、誰もやらない。つまり、中核的な農家がそこまでの資金を持っていないので、周辺を何十ヘクタールも買って再生させることはできない。やむなく私達は富山市が、24ヘクタールの農地を取得して整備中です。そういうことをあっちこっちでやっていけば、もう1度再生させるということができると思います」
山本地方創生・規制改革担当相
「そういう意味で、おっしゃったようにこれまでの農業団体は、ちょっと地方創生と距離を置いていた節があるんですね。そういう再生事業にね。今度、農業団体とトップと会って地方創生に協力してくれと。むしろ農業団体が積極的に取り組むけど、要請しようと思っています」
反町キャスター
「森さんの話を聞いていると、要するに、農協は地方の単協においてもあまり熱心な人達がいないかもしれないと」
山本地方創生・規制改革担当相
「おそらくそれは、個々の農協は、いまだに癖があって、中央がやっていいよというような話をしないと動かない。中央と話をつけてやってくれと。指令を出してくれと。農協も一緒になってやれば、もっとうまく進むはずですね」
反町キャスター
「最低賃金を上げる、上げると政府はずっと言い続けているんですけど、たとえば、地方の中小企業の、東京においてもそうですけれども、最低賃金を上げたら人を雇えないよと。潰れろと言うのかと言う方が必ず中小企業関係の団体から声が上がってきます。富山においてはどうですか?」
森市長
「僕は、最低賃金を上げたからと言って、すぐ経営が圧迫されるとは思いませんが、起きている現象は大型商業施設などがドンドン出てくると正規雇用から臨時雇用なのにもかかわらず、見かけの賃金が良いものだから、そこへシフトしていくという人がいるわけです。ここはちゃんと抑えてほしいと思っています。見かけの給与が良くても、あるいは月の手取りが多くても、全体の働く環境だとか、生活設計という意味では、正規雇用で安定しているということは大事な要素だと思うのですが、どうも若い世代の中にきちんと正規雇用で働いているにもかかわらず、そこを辞めて、時給1700円出すからというような、そういうところに移ったりする人達がいるということを、僕の地元でも起きていまして、これは非常に問題だなと思っているんですね」
反町キャスター
「森さん、保険とか、年金に対する感覚は希薄なのですか?」
森市長
「若い世代の人達の意識の中に、表面的な、見かけだけの手取り額みたいなものだけで判断するということが最近、多いような気がして、そこがすごく心配ですね」
反町キャスター
「山本さん、いかがですか?この話」
山本地方創生・規制改革担当相
「私は、最低賃金引き上げは大事だと思っていまして、政府が1億総活躍大臣の下で3%上げる、将来的に1000円までは最低いかなければいかんということを言っておられて。非常に素晴らしいことだと思っています。最低賃金を上げると全体の業種に影響をするわけですけれども、これまで言われてきたのは、そうすると、中小企業の経営者はたまったものではないという議論が必ずされたんですね。ところが、これはアメリカも最低賃金の話があって、クリントンさんの大きな公約になっているんですけど。アメリカの実証研究が既に出ていましてね。むしろ逆だと。経営が良くなる、最低賃金を上げると、モラルが上がって、離職率が下がるんです。その結果、企業経営者にとっては生産性が上がって、収益も上がるという結果がいろんな人が実証研究をやった結果が出ていまして、最低賃金を上げれば、上げるほどとは言わないけれど」
反町キャスター
「どこまで上げれば?アメリカだって15ドルとか、20ドル、そういう話」
山本地方創生・規制改革担当相
「アメリカが倍ぐらいだとかいう話ですから、ちょっと行き過ぎかもしれませんが、3%ずつぐらい、毎年上げるぐらいはまったく、むしろ、逆に、経営にとって良いということに労働環境から言っているので経営者も頭を変えて、むしろ、そちらの方が、逆に、雇用も賃金が上がれば、人が採れるようになってくるわけですから。そういう方向でものごとを考えていった方がいいと思いますね」
反町キャスター
「ただ、先ほど、森さんが言われたみたいに、たとえば、お台場周辺で深夜に働くバイトでも、時給1000円を皆、突破していますよ。その意味で言うと、時給1000円とか、1200円で深夜の仕事がこのへんにあると。そういうところで働いている人達が、それで本当に納得をして、いいのかというと、先ほど、森さんが言われたみたいに、そういう人達には、たとえば、保険の話とか、年金の話であるとか、本来、企業が折半で、ある程度、負担しなくちゃいけない部分というのが入っていなくて、1000円とか、1200円だったりしている。普通に企業で働いている人達が800円とか、900円、均してみると、そのぐらいの時給になるかもしれないけれども、その分、保険もあれば、年金もある程度負担をしている。このへんのところというのをちゃんと言われないと、トータルで自分にとってのベネフィットはどうなのだという、ここは最低賃金ばかり言っていると、この話がよそに…。そこはどうなのですか?」
山本地方創生・規制改革担当相
「もちろん、それはしっかり考えなさいと」

『岩盤規制』をどう改革?
反町キャスター
「ここに2013年から2016年までのもの、653項目という表をつくったんですけれども、規制改革のここ4年間。安倍政権になってからの、この取り組みというのをどう見るかということになるんですけれども、大きな分厚い岩盤に大きな穴を開けるということを、僕らがあまり期待し過ぎているのか、ないしはだんだん話が大きな穴を開けようと思っている時に当然、その大きな穴を開けようと思うと、利害関係者から抵抗がありますよね?それは困ると。それは霞が関だったり、ないしは霞が関のその背景にあるような業界団体だったり。今のシステムにおいて利益を享受している人達からすれば、規制改革というのは自分の腹に刺さるものだからやめてくれと、皆、言うわけではないですか。でも、政府がやると言っている以上、止めるわけにはいかないと。そうすると、何が起きるのかと言うと大きな穴ではなく、小さな穴をいくつか開けさせることによって、すごくやりましたねという雰囲気づくりをしている部分もあるのではないかという印象を、この4年間の流れの中で感じる部分が僕は個人的にはあります。どう見ていますか?ここ4年間の規制改革の流れは」
山本地方創生・規制改革担当相
「だから、岩盤規制を、反町さんが何だと思うかによると思うんですよね。私は岩盤規制が、労働規制だと思っていますから」
反町キャスター
「つまり、この4年間で労働規制には手をつけていない?」
山本地方創生・規制改革担当相
「いやいや、少しはつけましたよ、派遣業法の改正では。そのあとは進んでいません。だけど、その他のところは、農業関係はかなりやっていますよ。農協改革もやったし、農地の所有の話もやったし。電力自由化も相当思い切った改革をやって。まさに効果が出るかはこれからですけれど、かなりやっていると思いますから。だから、大きな一発勝負みたいな話でするようなものではないというのはちょっと理解をしないと。欧米の投資家から見ると、1番興味があるのは、労働規制のところと、それから、IRという総合リゾート…」
反町キャスター
「僕らが、いわゆるカジノと言うやつですね。カジノという言葉に抵抗感はあるかもしれないけれども、インテグレーテッドリゾートでしょう?」
山本地方創生・規制改革担当相
「カジノだけではないですよ。その2つに、彼らは常に関心があって、彼らか見ると、岩盤規制はそこですよね。我々から見ると、もっとたくさんあるよと。それは随分進んでいるよという話ですけれども。だから、ここは定義論争をしていてもしょうがないので、おっしゃったように、小さなところでもやるところはやっていく。小さな穴から大きく壊れることもあるんですから」
秋元キャスター
「ここまで規制改革を聞いてきたんですけれども、そうした中、富山市では最近、このようなことがあるということです。『お迎え型体調不良児保育事業』ということですけれども、これはどういったことなのでしょうか?」
森市長
「働いているママが、お子さんを保育園、いつも通っている保育園へ預けると。朝は何ともなかったけれども、午後2時頃に熱が出たというと、保育士から、保育園から連絡があって他の子に影響するから早く迎えに来てくださいと。やむなく仕事を早退して、迎えに行って、かかりつけ医に診てもらって、翌日、熱が下がらなければ仕事を休まないといけないと。働く女性にとって大変大きなハードルなわけですが、それをママが市役所、富山市なら富山市に依頼をして、市のベテラン保育士がママに代わって、そのお子さんを保育園へ迎えに行く。ママが指図されたお医者さん、かかりつけ医に診せに行く。そして、お医者さんが市の幼児保育の施設で預かっていいとおっしゃれば、そこで預かっていく。ママはちゃんと最後までお仕事をして、安心してお仕事をして、いつもの保育園ではない場所で預かっていますから、そこへピックアップに行く。翌日、まだ熱が下がらなければ、かかりつけ医の先生の指示で、今日もそこでいいよとおっしゃれば、その施設で、保育園ではない施設で市が預かるということです。これは働く女性にとって、非常に待ち望んでいる仕組みだと思っています。2年半から3年ぐらい前から、厚生労働省にお願いしてきましたが、保育要綱ではこういうことができると書かれていないので難しいと。ずっと言われてきました。ところが、同じ厚生労働省の労働政策行政をやっている担当の方から言うと、それは働く女性が子育てをやりながら働く環境をつくるのに非常にいい、やろう、やろうと、こうおっしゃるのですが、でも、保育を担当しているところではなかなか難しい。理由は熱を出して不安になっている子供に全然会ったこともない、よそのおばさんが迎えにくるというのはもっと不安にさせてしまうので、子供にとって良くないという」
秋元キャスター
「保育園側も知らない人になかなか渡せないというのもありますよね?」
森市長
「それはテクニカルな問題ですから、どう本人確認をするかというのは手続きでやれると思うんです。そういうことだったのですが、いろいろお願いしますと言いながら、どうだ、こうだと。結局は社会全体が得る利益はこれを認めてもらった方が大きい。女性の働きやすい環境、女性の新規就労、あるいは子育ての環境を良くするという意味で。それを最後は厚生労働省に認めていただいて、今年度から、補助が入る形でできることになりました。10月1日よりを目標に整備をして、環境をつくっていまして是非、全国で第1号でこの事業を動かしたいと思っています」
反町キャスター
「思いたってから、何年かかっているのですか?」
森市長
「2年半、3年目ぐらいですね」
反町キャスター
「2年半の間、調整してきたことというのは、やっていけないという法律の壁があったわけでもなく、やっていいという言葉がないことから来る抵抗と戦っていたのですか?」
森市長
「従って、補助が出せないと。運営費補助ですね」
反町キャスター
「やるならどうぞ、というみたいな話なのですか?」
森市長
「そうです。民間が民民でおやりになることはいくらでもできる。ただ、これはすごく高額になりますので、特に我々のような地方都市で、ママがもらっていらっしゃる給与と比べると、そのことの作業に何万円も出すというのは難しいので、一定程度、妥当な水準で実現しようとすると国の保育にかかわる補助というのの対象にしてもらうというのが必要だったわけで、おかげで交付金をつくっていただいて、施設整備にも入れることができますし、いろいろと手厚い制度になってきたなと思いますので。是非、第1号ですから、うまく成功させて、うまくいけば横展開、全国の自治体に広まっていくと思いますので、がんばりたいと思います」
秋元キャスター
「ママからどういう声があるのですか?それを聞いただけで画期的だなと思うんですけれども。全国でやってほしいなと思います」
森市長
「一応つくろうと思っているのは、まず登録制度にして、そういうことが起きるかもしれないということを想定して、まず母子ともに予め登録していただいて。急に今日、持ってこられてもということがありますので、登録をしっかりとしようと思います。それから、その方のかかりつけ医をしっかり届け出てもらおうと。あとIDも含め、どうやるか。マイナンバーで使うか、どうするか。いろんなテクニカルなことはやらなければいけないと思いますが。送迎は全てタクシーを使うと。職業運転手の運転をベースにしないと、途中で事故が起きた場合に、その場合もありますので。あとはいくらいただくか」
反町キャスター
「その費用負担は、1回いくら?1日いくら?」
森市長
「1回いくら、検討しているところですが、たとえば、2000円ですとか。プラスタクシー代ですね。と言うことで、内部で検討をしています」
反町キャスター
「政治的な厚労省との交渉は、森さんが東京に来て、直接かけあったりするものですか?」
森市長
「正面玄関から入っていったら、正面玄関からお断りをいただいたということ」
反町キャスター
「山本さん、いかがですか?感想だけでも」
山本地方創生・規制改革担当相
「役人の1番悪いところですね。私は役人時代に新しいことを仕切れない役人は、意味がないと思っていましたから。異端児だったんですけれど。前例がないからダメだという、そういう主義で行こうとするわけですね。そんなことをやっていたらしょうがないので、もしそういうことがあったら、規制改革担当の私のところに来てもらえば、すぐその役所を呼びつけてやりますから。もう1つは、女性活躍社会と言っているのに、そんなことができないで何を言っているのだという話になりますから、働き方改革を加藤大臣がやりますし、連携して何か問題があればドンドン改革していきたいと思います」
秋元キャスター
「山本さんは、地方創生担当大臣として、国家戦略特区も担当されているわけですね。これまでの国家戦略特区のあり方、効果をどう評価されますか?」
山本地方創生・規制改革担当相
「非常に効果があったと評価しています。なかなか抵抗勢力だったり、既得権益の人達がいて、できないことがあるんですけれど。特区でとりあえず実験的にやってみましょうというと、ある意味で受けやすいんです。それがだんだん皆から評価されることで、新しくやる時は特区でまずやってみようという機運になっていますから、これを是非ドンドンやっていきたいですし、岩盤規制にあたるところも、特区からやろうということができるわけですから是非トライしてもらいたいですね」
反町キャスター
「実験ということは、失敗してもいいよ、という意味ですよね?」
山本地方創生・規制改革担当相
「そうです」
反町キャスター
「でも、特区と言うとうまくいくに違いないと期待を持って見てしまう。期待しないで、ニュートラルな立場で見てほしいという気持ちとかはあります?」
山本地方創生・規制改革担当相
「いや、別に。リスクというか、わからないところをとにかくやってみようということで、それがやれる制度と思っていいと思います」
反町キャスター
「森さん、特区制度というは、何かのリスクをとってやらなければいけないと思っている人や自治体にとって、これはありがたいものですか?」
森市長
「そうだと思います。私の理解では、特区で解決しようというアプローチは、1つは法改正が必要なものだと思います。この制度は非常に良いと思ってます」

山本幸三 地方創生・規制改革担当大臣の提言:『地方創生=地方の所得向上』
山本地方創生・規制改革担当相
「まさにアベノミクスが地方に行き渡るということは、所得が向上することですから、あらゆるプロジェクトはこれを基準に考えていけば、必ず成功すると思います」

森雅志 富山市長の提言:『VISION→評価→具現化』
森市長
「地方の立場から言うと、地方創生を進めるために1番重要なことは、質の良いビジョンをしっかりつくるということだと思っています。それを国において、たとえば、交付金の対象はどうだという議論の時にしっかりと評価していただく。評価というのは批判も含めてです。これはダメだという時はダメだと言っていただく。そのうえで、いい計画だねと、実現性が高い、そういうことに対してしっかりあと押ししてもらって、具現化していくのが大事で、ビジョンで留まっていては意味がないわけですから、具体的に実効を上げるということにつなげる。そのためには国のしっかり評価、応援、支援をお願いしたいと思います」