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2016年8月24日(水)
検証…日中韓外相会談 尖閣・少女像に中韓は

ゲスト

城内実
元外務副大臣 自由民主党衆議院議員
宮本雄二
元駐中国日本大使
浅羽祐樹
新潟県立大学教授

『北ミサイル』防空識別圏へ その狙いと日中韓の足並み
秋元キャスター
「今朝、北朝鮮は、SLBM潜水艦発射弾道ミサイル1発を発射し、ミサイルが日本の防空識別圏内に落下したとされています。今日の、北朝鮮の労働新聞には、ミサイル発射は自衛的措置としながら、日本はむやみに軽挙妄動してはならないと、日本を意識した記事を掲載しているんですけど、城内さん、日本で日中韓外相会談が行われる今日、北朝鮮がミサイルは発射したことをどう見ていますか?」
城内議員
「北朝鮮がこの日、中韓外相会談に合わせて、このタイミングで発射したのかどうかというのは確認しようがないのですが、ただ、いずれにしても気になったのは最近、人工衛星と言わなくなって、堂々とミサイルと言ってきていますね。7月にもSLBM、を発射しましたし、7月2回ですか。8月3日にEEZ(排他的経済水域)に落下する形で、ミサイルを発射して、またこのタイミングで、しかも、防空識別圏の中ですよね。これは明らかに船舶の航行、航空機の飛行の安全にとって本当に問題がありますし、これまでの一連の関連する安保理決議、1回どころではなくて、何回も出しているんですよ。これをまったく無視して、非常に極めて遺憾な事実であることは言えると思いますね」
反町キャスター
「軽挙妄動してはならない。これをどう受け止めたらいいのですか?」
城内議員
「意味不明です。軽挙妄動してはならないというのは、黙っていろということですかね。どういうことか意味がわかりません」
秋元キャスター
「自分が撃っているのに意味がわからないですね」
城内議員
「ちょっと意味不明ですけれども」
反町キャスター
「日中韓外相会談の日にあててミサイルを発射していると見ています?だとすれば、この政治的なメッセージはどこにあると」
浅羽教授
「あとで議論になると思いますが、THAAD(地上配備型迎撃システム)という韓国のミサイル防衛システムと日本が導入したMDミサイル防衛システムが事実上、連動するということで、弾道が飛んでいくと、最初は韓国で捕捉して、次に日本が捕捉して、シームレスに情報をやり取りする必要性というのが、むしろこれで反証されたというか、実証されたということだと思いますね」
反町キャスター
「たとえば、THAADミサイル、韓国に配備されるミサイルに反発があるのならば、日本の部空識別圏ではなくて、韓国の方に撃てばいいではないのと思うんですけれど、これみよがしに日本に向けて撃って、それで軽挙妄動するなと、何か変だとしか言いようがないですけれども、どう見たらいいのですか?」
浅羽教授
「北朝鮮の意図を正確に読み解くというのは難しいですけれども、結果だけを見て、そのことの持つ意味ですよね。これを我々は受け止めて、着実に体制をとっていくということが重要だと思いますね」
反町キャスター
「宮本さん、中国側から見たら、このタイミングのミサイル発射をどう見ていると思いますか?」
宮本氏
「中国は非常に遺憾だと思っていると思いますよ。もちろん、一時期、韓国が、自分達の意向と違うことをやっているので、それに対し、韓国に対して嫌がらせ的な意味で、逆に北朝鮮に対して少し柔らかくなったかもしれませんけれども、基本は、北の核というのはいかんと。中国にとっても大変悪いことになるという判断ですから、こういう形で次々見せつけられることについては中国ももう1回、北に対して考え直さなければいかんと思い始めた。そういう契機になると思いますよ」

『北の脅威』への足並み
秋元キャスター
「今回の日中韓外相会談で話し合われた主な内容をまとめました。城内さん、北朝鮮への対応のあり方というのがメインだったと思われますけれども、日中韓、足並みは揃えられたのでしょうか?」
城内議員
「北朝鮮につきましては多少、温度差があるにしても、日中韓足並みを揃えることができたと。そういう点では評価できるのではないかなと思いますね」
宮本氏
「最低限の合意はギリギリできたのではないかと思います。中国の基本は、北の核は困るんです。今回、そのミサイル発射がなくても核の問題について一定の合意は可能だったのではないだろうかと思っています。G20を踏まえて、中国が全体を収束、収拾をさせる方向に運転を切り替えましたから。そういうことからすると今回はそんなにむちゃくちゃな結果になるという、要するに、王毅さんが来たという段階でまとまりをつけるということで来たと思いますから。北の核に関して言えば、一定の合意は、ミサイル発射がある、なしに関係なく、出されたと思いますよ」

中国『G20』への意気込み
反町キャスター
「王毅さんの発言を、9月に中国の杭州で行われるG20会合の成功に向けて、3か国は協力することで合意をしたと。これをドーンと、まさにG20に向けて皆が、要するに、日本や韓国が欠席というカードをちらつかせたという一部、観測も出ていますから、日本側が来ないと言うのなら行かないぞ、みたいなね。そういう中国で行われるG20会合が、ちゃんと行われるということを担保しに来たと。来ることによって担保されたということが最大の目的だった。そういう感じに見えるんですけれども、いかがですか?」
宮本氏
「結果的には、おそらく中国側のものの考え方はそうだと思いますよ。それほど、G20は、中国、とりわけ中国の指導者にとって重要な場で、これは確実に成功をさせないとダメなんです。そうすると、日中韓という近隣諸国がガタガタしたままで、G20を迎えるというのは外交的にまずいですよね。だから、いろいろあったと思いますが、最終的に王毅さんを派遣すると決めた段階で、当然、その次のG20についていい環境をつくると。そういうミッションを王毅さんに与えられたと思います」
反町キャスター
「日中の国家間の交渉において、たとえば、今日も尖閣周辺の接続水域に中国の海警や公船が4隻入っています。こういう状況が続いて、先日も尖閣の接続水域ではない、その内側の12カイリの領海内にも入ってきている。こういう状況がいろいろと頻発している中でG20を本当に成功させたいなら、中国が。だったら2度と船をよこすなというよな、そういう非常に強い姿勢でカードを切ったという話もありますし、切ったらどうなのかという話もあるんですけれども、日本外交はG20に対する中国の想いを逆手に取ってどこまで強く出られたか。出る可能性があったのか。ここはどう見ていますか?」
宮本氏
「間違いなく、日本の強い懸念というのは伝えていると思います。これは何度も中国に対して抗議をしていますし。それから、岸田大臣もわざわざ程永華大使を呼んで、強い日本の姿勢というのを伝えていますので。従って、これをやったまま安倍首相に来なさいと言っても、安倍首相が非常に行きにくい状況にあるというのはわかっていると思いますね。ただ、中国の場合は中央と現場というのは時間がかかるんですね。中央で決めても、末端が実施するのにちょっと時間がかかるという。従って、王毅さんが行って、こうやったのは本当、昨日、今日の話でしょう。慌てふためいてきたわけですよ、そうでしょう」
反町キャスター
「要するに、それが尖閣周辺への海域へ伝わるのに時間がかかるのですか?」
宮本氏
「だから、これはこの問題の決定でしょう。この問題の結果、海ではどうするかと言うと、次の、別の決定がないとダメです。そうですよ。応用問題でこちらを決めたら、全部、応用問題で、それにおいて現場が応用問題で解決するという国柄ではないですよ。個別の問題に別の指示が出ない限り、またわけがわからないと。だから、外交の面では、こういう結論が出たけれども、この外交の結論を海警の次の結論にするのには1日ぐらいかかるでしょう。下手すると2日ぐらいかかるかもしれませんよ」
反町キャスター
「2日、3日見ないとわからないということですね。一方、日本側は日本側で、今年は日本が当番国になっている日中韓の3か国首脳会議、サミット。岸田さんは前向きな話をしている。中国、韓国の外務大臣から、やりましょう、是非うちの首相なり、主席なり、大統領なりも行かせましょうという話になってはいないですよ。中国側にしてみれば、王毅さんを派遣するまではやるけれども、G20まではやるけれども、日本主催の3か国サミットには行くか、行かないか、参加するか、しないかは、まだダメだよねと、こういう感じですか?」
宮本氏
「これからの状況を眺めることになりますけれどね。日中韓の3か国首脳会議に来るのは李克強さんです。李克強さんは経済の責任者です。経済は、現場の声も含めて、相当きついですよ。中国経済は順調に進んでいるわけではないですよ。そうすると、経済の責任者としては、早く日本との関係をよくしたいですよ。特に地方の政府なんて日本の企業との経済関係強化を待ち望んでいますよ。しかし、行けという、そのシグナルが中央から来ないと全体の動きは鈍くなるんですね。ですから、日中韓3か国首脳会談に関しては、私は、李克強さんは行きたいと思っていますよ。だから、中国の中で、いろんなのがあって…」
反町キャスター
「行きたい人を止める人もいるだろうと」
宮本氏
「いるだろうし、それはこれからの状況がどうなるかによってどちらの声が強くなるかという面もあるということですね」

二階幹事長×王毅外相 笑顔で日本語の真意は
秋元キャスター
「さて、今朝、日中韓外相会談の前に王毅外相と自民党の二階幹事長が会談をしています」
宮本氏
「1つは、日本に来ることについて、ある程度の関係改善の仕事をしてこい、と言われたのがあったと思いますし、それから、もう1つは、二階先生ですからね。古い付き合いで、それで気心も知れているということもあるので、ついついああいう顔になったのではないですか」
反町キャスター
「これまで日本の話とかを聞くと、ケッとした顔をして、厳しいことしか言わなかった人から、とろけるような表情で二階さんと、しかも、カメラの前で日本語を喋る。大サービスですよね?」
宮本氏
「本当に硬かったですね、これまでは。私も王毅さんとは長い付き合いですけど、あんない硬い王毅さんを見るのは珍しいと思うぐらい硬かったですよ。ですから、何かの理由でそうやってきたのだろうと思いますけれど、今回その制限がちょっと取れたということと、相手が二階さんだったから、ついつい」
反町キャスター
「これは一過的なものと見ていますか。それともこれを契機に暫くこういう雰囲気をつくる努力をするのかどうか」
宮本氏
「こういう方法で、日中関係を処理すべしという指示が出たのであれば、時々、笑顔が出るのじゃないでしょうか」
反町キャスター
「指示が出たと見ているのですか?でも、個人の判断でにっこりはできない国ですよね?」
宮本氏
「そうですね。王毅さんは敏感に反応するタイプの方のようですけれども」
反町キャスター
「ですから、笑えというボタンを押されると、ああいう顔になる?」
宮本氏
「そこまで細かく指示が出ているとは思いませんけれども、そういう流れとしてはそういうことをやってもいいと王毅さんが判断をしたと」
反町キャスター
「二元外交とは、僕は申し上げませんけれども、官邸が比較的、中国に対しては話し合いのドアはいつでも開いているよと言いながらも、向こう側が言ってきた日中首脳会談の条件などを全部撥ねてきて、それでやるんだったらやろうよと言い続けて、少しずつやるようになってきた経緯があるではないですか。一方、二階さんというのは、非常に包容力のある対中姿勢をこれまで保たれてきているわけで、二元なのか、2トラックなのかというこのバランスは、城内さんのお立場からするとどう見えるのですか?」
城内議員
「問題ないと思いますよ。政府は政府、党は党ですから。二階先生は、自民党の幹事長なわけですから、政府ではないんです。だから、違ったアプローチがあっても問題ないと思いますけれども」
反町キャスター
「これはプラスになると思いますか?」
城内議員
「私はなると思います。日本の外交というのは別に政府だけがやっているわけではなくて、国会議員、あるいは党の外交もあるんですよ。そういう意味で、多様性があって、いいのではないですかね」

尖閣めぐる問題に中国は…
秋元キャスター
「日中外相会談のポイントは、岸田外務大臣から尖閣諸島情勢について事態の完全なる沈静化、再発防止、東シナ海全体の状況の改善を強く求めたと。東シナ海の状況が改善をすれば、大局的な観点からG20の際の日中首脳会談を含め、関係改善を進めたいと伝えたとされています。一方、中国の王毅外相からは、東シナ海の事態は基本的に正常に戻った。日中の連絡メカニズムは、日本側に積極的な意思があるのなら、すぐにできる、ということですけれども」
反町キャスター
「G20に関する岸田さんの発言は東シナ海の状況が改善をすればG20の際に日中首脳会談を含め、関係改善を進めたいと伝えたというのは、これはもしかしたら、東シナ海の状況が改善しなければG20に行かないぞ、というのを、まだ、ちらつかせているのですか?それとも、東シナ海の状況が改善しなければ、G20には、今日も3か国、先ほどの3外務大臣の話、協力は約束をしたのだから、行くには行くけれど、でも、首脳会談には我々の方からも応じるつもりはないよという、次の、行くまでは行くけれども、行った先では会わないよという、そういう形で中国の面子を潰すカードを、我々は持っているぞということを見せているのですか?」
宮本氏
「そこまで言うと身もふたもないんですが、少なくとも岸田外務大臣の発言を見る限り、その可能性は排除していないですよ。そうでなかったらこういう言い方をする必要がない」
反町キャスター
「そうすると、今日の日中外外相会談というのは、日本側は日本側で、尖閣を見ていると。ちゃんとした対応をしなければ、杭州のG20に行くまでは行くけれど、そこから先、何をするかわからないぞというカードを1枚腹に残し、中国側は中国側で、正常には戻ったものの、その正常というものが、もしかしたら接続水域に海警が行き、数百隻の大漁船団が行くということも含めて正常と言っているかもしれない。お互いに口先だけとは言いませんよ。お互い、口では安定した雰囲気を醸し出しながらも、腹には1枚ずつカードを持ちあった外交だったと、こういう理解でよろしいですか?」
宮本氏
「すなわち、なぜ尖閣問題が正面からぶつかっているかと言うと、それぞれ自国の立場だったら当然、やるべきことをやっているんですよ、お互いに。中国は、だって、自分の領海ですから。そういう立場に立てば、全部こういうことはやらなければいけないことになるんですよ。だから、日本から言われたから、それを変えたということは、公の席では口が裂けても言えませんよ。日本から言われたから、やらないことにしましたなんて、冗談ではありません。だから、これからの具体的なお互いの立場を言いあったと思いますよ。それを踏まえてG20をどう持っていくかという次の判断があって、その時に東シナ海でどういうような対応をするかという中国側の対応。それから、日本側のそれに対する意思決定とうものがなされていくのではないでしょうか」
反町キャスター
「決着でもなく、王毅さんが来たことに対して、総理が杭州に行くことまでは約束をした。そこから先はまだわからないよ、出方次第だねと」
宮本氏
「しかし、王毅さんが来なかったら、その話し合いさえ始まらなかったじゃない。だから、来たことによって、話し合いのプロセスがきちんとできたわけですから。それはいいことだと思いますよ」
秋元キャスター
「今回の日中韓外相会談に合わせて日韓外相会談も行われました。その主なポイント、日韓外相会談のポイントですけれども、元慰安婦を支援する韓国の財団へ10億円の拠出を決定したことを伝えた。韓国側に対し、少女像の問題の適切な解決のため努力を含め、日韓合意の着実な実施を求めたということですけれども」
反町キャスター
「敢えて聞きますけれど、自民党の中には防衛大臣になられた稲田さんなども含め、少女像の撤去、移設がないままでの10億円の拠出に反対する方がたくさんいます。城内さん、それをどう感じますか?」
城内議員
「私もどちらかと言うと、そういう立場ですよ、本当に。だって、約束して、拠出するけれども、まさに、だって日本大使館の前にあるんですよ。ですけど、韓国政府が賢明な対応、措置をとることを放置すればし続けるほど、日韓関係ですよね。政府レベルではいいかもしれませんけれど、国民のレベルで、これは韓国にとってよろしくない。対韓投資も含めてです。韓国はそういう国なのですか、約束を守らない国なのですかという話になることは、我が国というより、むしろ韓国にとって大きな痛手になることを覚悟してやるのだったら、どうぞその少女像をそのまま、ですけれど、それにしても大使館の前、これまで撤去しなかったこと自体が問題ですし、ここを日韓の合意があって放置するなんてことにもしなれば、これは第三国から見て、韓国はそういう国なのという話になると思います」

日韓関係は『未来志向』?
秋元キャスター
「8月15日、韓国の朴槿恵大統領は、日本からの独立を記念する光復節の式典の演説で、日韓関係の今後のあり方について『両国の関係も歴史を直視する中で、未来志向的な関係を新たにつくっていかなければならない』と話をしているんですけれども、浅羽さん、どう受け止められますか?」
浅羽教授
「ようやくこういうポジティブなメッセージが出てきたなという印象ですね。ここで未来志向と言うのは、これまで歴史認識問題1つで日韓関係全体が圧倒されるような中で、他の分野が全部止まっちゃったわけですよね。北朝鮮のミサイル発射や核実験で、安全保障の部分における協力というのは切実な課題になっているという中で、具体的に安全保障の協力を、日韓首脳会談するまでには進めるということですね。まず具体的には、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)をやると、日米韓ではなくて、日韓の間でダイレクトに北朝鮮のインテリジェンスに関する情報をシェアできるようにやるのかどうかというのが、この未来志向ということですね」
反町キャスター
「未来志向というのは、日本側からはたくさん投げかけてきましたよね、何度も、何度も。韓国側から未来志向という言葉が出るのは珍しいのですか?」
浅羽教授
「朴大統領になって初めてですね」
反町キャスター
「初めてですか?と言うことは、これまで未来志向という言葉を避けてきたということは、それだけ歴史問題が手かせ、足かせになって進めなかったという理解でいいのですか?」
浅羽教授
「李明博大統領の時の言い方で、歴史直視と未来志向とのセットで出ていたというので、その比重だったわけですけれど、朴大統領になってから、歴史の問題ばかりで、現在と未来が全部歴史に引きずられたと。それから、ようやく慰安婦問題が不可逆的に解決したことで止まっていた安全保障の部分での協力が、安全保障の環境が急変したことで、切実になったので、そこを進めましょうと。そのアイテムがGSOMIAということです」
反町キャスター
「要するに、朴政権の本気度ということに関してはかなり信頼をされている雰囲気を僕は受けるんですけれども、浅羽さんが。どうですか?」
浅羽教授
「非常に決めたら頑なにやるというタイプの人だったので、決めたら一途にやるという意味ですけれども、慰安婦問題は、私が解決したと。この私が解決したので、これ以外の解決策はないのだという自信を持っていますので、慰安婦問題はこれで解決したとなれば、日韓問題で、アメリカも含めて環境が変わったので、中国との関係も悪くなりましたし、北朝鮮の問題が切実になったので、その部分での協力を具体的に進展させると」

日中韓3か国の今後の関係 中韓関係悪化と日本の姿勢
秋元キャスター
「中国と韓国の間に温度差があるように感じるのですが」
宮本氏
「中国と韓国の関係というのは、韓国が押されるんですよね。歴史的にそういう関係にあるんですね。いろいろな局面で出てきていて、おそらく中国がTHAADに、ここまで断固反対するのは、果たして軍事的利用だけなのかと、アメリカの陸軍の参謀総長が中国に行って、中国の軍当局に説明しているんですけれども、これは中国の脅威にはならないと、軍事的に説明しているわけです。韓国でこのレーダーを使っても、中国については本質的に影響がないんだと説明しているわけですね。にもかかわらず、問題がここまで大きくなったというのは、配備しないでくれと中国が頼んで、韓国がノーと言って、アメリカ側についたことを1番怒っているのだと思いますよ」
反町キャスター
「ずっとしこりが残るものですか?」
宮本氏
「ただ、王毅さんが今回、日本に来ることになって、同じ日に新華社が論評を出していまして、それは近隣諸国外交を良好にしなければいけないというのを打ち出したんです。従って、アウンサンスーチーさんが行ったということも関係するのですけれども、周辺の関係が悪いですから、それをもう少し改善しなければいけないと」
反町キャスター
「周辺諸国外交を改善しなければいけないということは、南シナ海の問題に関して中国内部で反省の意見が上がっているのですか?」
宮本氏
「でしょう。反省しているかはどうか別として、批判の声は。進めていた人に対して強い反対があって、中国の外交は失敗したのではないかという声が大きいんですよ。それを踏まえて調整をした可能性はあるんです。ですから、ASEANとの関係で、行動準則ですか、そういうものをもう1回合意しましょうというふうに態度を変えてみたり、ですから、韓国に対しても基本は回復したいということはあると思いますよ」
反町キャスター
「習近平外交の修正の機運が、可能性が出てきているのですか?」
宮本氏
「今の中国の外交は状況対応型ですよ。従って、これまで強い姿勢でやってきた外交に対する批判が強いので、それに調整するものを出して。あまりやり過ぎますと、もっと強硬にやれと言っていた人たちがいるわけですから、なぜそういう妥協的態度をとるのだと、また批判が起こってきますよ。ですから、来年の党大会までは、その間を行ったり、来たりするのではないかと、中国外交は」
浅羽教授
「中国も、韓国もどちらも相手に裏切られた感いっぱいで、韓国にしてみれば、昨年の9月に軍事パレードに大統領自らが乗り込んでいくぐらいのコミットをして、北朝鮮に影響力を行使してくれと。ところが、今年に入ってからは中国が微妙な態度を続けると、THAADの導入を決めたと。中国からすると、韓国を完全に取り込めたと思っていたところが、飼い犬に噛まれたというような感覚があるぐらい、裏切られた感があるということで、中韓関係は非常に急転したと。とは言え、中国が韓国を追い込むと、米日の側に完全に戻ってしまうというのも困るということで、按配をはかっているのだろうと思います」
宮本氏
「経済は、韓国経済は大きく中国経済に依存していますから、中韓が対立関係になるのも限界がある。その範囲内で戻していくしかないと」
反町キャスター
「中国外務省がホームページに発表したコメントとして『韓国側が冷静に利害得失のバランスを取り、中国と向き合って進み、違う道を行かず、双方が受け入れ可能な妥当な解決方法を共同で探すことを希望する』と。冷静に利害得失のバランスを取って考えなさいよというのは、失礼ではないのですか」
浅羽教授
「対等な相手としては見ていないですよね。THAAD導入を取りやめて、戦略的部分で我々の陣営につけということですので、中国は露骨で、特に韓国に対してもともと中華秩序に、日本と違って、完全に取り込まれていましたし、それが近代、国際法秩序になったわけですけれども、中国の台頭と共に国際秩序がどのように構成されるべきかと。ある種の憲法なわけですよね。それに対して、ルールとか、規範を守る側がアメリカとか、日本。で、韓国どうするのですかということですよ」
反町キャスター
「恫喝しているように見えます」
浅羽教授
「そうだと思いますよ」
宮本氏
「恫喝的なところがないとは言わないけれど。1つの説明は、中国の外交部の発表というのは全部国内向けなんですよ。中国の国民が読んで、外交部は立派に主張しているという書き方をするんですよ。その結果、相手の政府とか、国民感情を傷つけるかということをほとんど注意を払わないというか。日本に対してもこれほどではないけれども、相当失礼と我々が感じるような表現を使うんですね。それは伝える相手が国民だからなんですよ」

カギを握る米国の存在
秋元キャスター
「城内さん、新しいアメリカの大統領が決まるまでの間、政治的な空白を利用して、たとえば、北朝鮮とか、中国が何か行動してくる心配はないですか?」
城内議員
「政治的空白と言っても、来年の1月まではオバマ政権が続いているわけですから、そこはしっかり対応していくと思いますし、クリントンさんが大統領になる可能性が非常に高いわけですよね。そうすると、同じ民主党でありますし、オバマ政権の国務長官もやっておられたわけですから、その際にアジアを重視する、アジア回帰という政策もとっていますので、私自身、空白期間はそれほどないのではないかと思っています。トランプ大統領になった場合というのは、可能性は少ないですし、半分冗談で言いますけれど、ショック療法で日本がさらに安全保障とか、外交に真剣に向き合う良いきっかけになるのではないかなと」
反町キャスター
「自前でやらなければいけない気運が高まるという意味ですか?」
城内議員
「それも含めて、申し上げています」
宮本氏
「アメリカは国防総省はしっかりしていると思いますよ。プロ集団ですからね。中国軍の動向というのは丹念にフォローして、どうしなければいかんということは考えて対応していると思いますので。中国が大統領移行期に、アメリカの意思決定がスムースに行われなくなると、これは中国が何か新しいことをやるチャンスだと錯覚しないことですね。もしそういうことが起こったら、アメリカはキチッと対応すると思いますよ。だけど、中国がアメリカの国内政治を読み間違えるのではないかと、そういう心配をしている人がいる。これはアメリカがそういうふうに思われるようなメッセージを出さないように。アメリカの国防総省は間違えるようなメッセージを送るとは思いませんけれど。ライスさんが中国に行かれたり、ケリーさんが中国に行っていますけれど、私の耳に入ってくるのは、何か違うトーンが伝わっているという気配もありますので。中国が誤解をしないような、誤解をして何かやったら問題が起こってしまうんですね。誤解をさせずに、そういう行動に出ないように、アメリカには気をつけてやってほしいと思います」
反町キャスター
「フィリピンに近い島での埋め立て工事を、中国は政権移行期の、アメリカが内側しか見なくなった時を、チャンスと思う可能性がある?」
宮本氏
「人民解放軍の中にそう思う人達がいるのはそうだと思いますよ。しかし、それが習近平さんの決定にならないようにしないといけないわけで、そのためには習近平さんにオバマさんもお会いになるわけですから、そういう時にはっきりと伝えて、間違った判断を中国がしないように、アメリカにやっておいてもらわないとアメリカ自身が大変な負担をその後、強いられるわけです。それさえやっておけば中国は大きな間違いは起こさないだろう」
反町キャスター
「北朝鮮は大統領移行期に何かさらに仕かけてくる可能性があると思いますか?」
浅羽教授
「核実験、ミサイルの開発は続けるでしょうからドンドン精度が高まるということに関して、日米、米韓だけでなく、日米韓としてしっかり三角関係ですよね。日米と米韓は近いけれども、日韓は遠かった。それを正三角形に近づけるという部分で、日韓GSOMIA進めるというような体制をとっておくことで抑止を効かせる、そういうやり方だと思います」

浅羽祐樹 新潟県立大学教授の提言:『(三角形を2つ繋げて頂点を直線で結んだ図)』
浅羽教授
「日中韓の関係を考える時に、三角形だけで考えたり、1つの辺で考えがちですが、違う三角形、日米韓とか、四角形とか、線とか、三角形とか、複数の関係で捉えないと日中韓の正しい関係性ができないと思います」

宮本雄二 元駐中国日本大使の提言:『成果を出す 日中韓関係へ』
宮本氏
「ASEANの傍らで日中韓の3国の首脳が会っていたのですが、独立して日中韓の3国首脳会談をやった時には大変喜びました。こういうメカニズムでやっと東アジアにも、将来が見えるなと。それから、ほぼ10年、何も成果がないんですね。成果がないと、制度そのものの効果が疑われますので、そろそろ成果を出していただきたいと。環境でもいいですから、成果を出す日中韓関係にしていただきたいと思います」

城内実 元外務副大臣の提言:『日中韓→経済、環境 交流/日中韓+米』
城内議員
「安全保障や歴史認識の問題になってきますと立場が全然違いますので、まずは優しいテーマから。経済交流とか、環境、あるいは人的な交流、こういうことをやっていこうとではないかと思います。同時に安全保障の問題になってきますと、日中韓ではなく、日中韓とアメリカを加えて、しっかりやっていかないと変な方向に行くと考えています」