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2016年8月19日(金)
東京五輪4年後への道 金メダル30個の現実味

ゲスト

遠藤利明
前オリンピック・パラリンピック担当大臣 自由民主党衆議院議員
為末大
元陸上五輪代表
玉木正之
スポーツ評論家

遠藤前大臣×為末大×玉木正之 2020年東京五輪『成功』への道
松村キャスター
「遠藤さんの後を受けて大臣となった丸川珠代オリンピック担当大臣は、4年後の東京オリンピックにおける金メダルの獲得目標について、できる限り過去最多、MAX30個を目指してもらえれば、こんなにすばらしいことはないと発言しています。これは遠藤さんが金メダル30個という発言を受けての発言ですけれども」
遠藤議員
「イギリスが、ロンドンオリンピックで29個だったんです。日本は、イギリスよりも人口が多いですし、目標として、ロンドンより少ないという設定はあり得ないかなと。それと、少ない金メダルを設定してしまうと、自分はどうもそこから外れているみたいだと。むしろ自分はがんばっているのだから、獲れるのかどうかは別ですよ。でも、自分もそれだけカウントされているんだ、だったら、がんばろうというモチベーションがむしろ上がるのではないかと。何人かの選手も、私はこれだったら可能性ありますよねと、期待されていますよねと言われて、私は、それで、実は敢えて30個と。だから、もし、それで、皆が努力してダメならダメでしょうがないんです。ただ、目標設定を上げないと、結果的には皆、何と言うかな、逃げ腰になっちゃうというかね。モチベーションが上がらないと思うんですね。だから、敢えてロンドンのイギリス29個を超えて30個。丸川さんがそうおっしゃっていただいたので、ありがたいと思っています」

『選手育成』と『コスト』の関係
松村キャスター
「為末さん、東京開催となると、がんばろうと気持ちも上がりますよね。選手達も」
為末氏
「そうですね。もう1つ、プレッシャーも増えていくので、両方ある気はするんですけれども、メダル数の最大化をするとしたら結局、お金をどれだけ使うかでメダル数はかなり相関するんですね。なので、強化には必要だというのはあるんですけれど、一方で、どこにどのぐらい配分をするのですかということは、これからシビアにやらなければいけない。予算が無尽蔵にあるわけではないので、選別というのはやらなければいけないと思うんです。たとえば、イギリスの時、陸上はある年齢で強化費を切ってしまったんですね。それより上の年齢から、新たにメダリストになる確率が下がるという年齢があったので、もうドライにそこから上はやめましょうとやったんですね。もちろん、批判もあったのですが、それを意思決定したんですけれども。そんなふうに30歳を超えた選手に、たとえば、18歳の子と同じ強化費をつけるのが同じ効果を引き出すかというと、どう考えても、10代の方が伸びる確率が高いわけですよね。こういう選択、ちょっと厳しい選択というのをこれから4年間の間に各協会、スポーツ庁、もしかしたらかもしれないですけれども、やっていかなければいけないところは、現実としてはあるのではないかと思います」
松村キャスター
「オリンピックの日本の選手強化費ですが、2013年に東京で開催が決定してから右肩上がりとなっていますが、ちなみに、金メダルの数は北京で9つ。ロンドンで7個。今回は12個。既に12個、今日の時点でですね。となっています。玉木さん、この金メダルとコストの関係をどのように見ていますか?」
玉木氏
「これは面白いことですけれども、強化費が増えるとメダル数は増えています。本当に相関関係がありまして、1964年も強化費がすごくあったわけですね。初めての東京開催です。そのあと強化費がなくなるわけですよ。もう済んだということで。そうしたら、メキシコ、その後の大会でどんどんメダルが少なくなって、それでアトランタ、シドニーあたりで、最低になって、そこから、また増えてくるんですね。増えたきっかけというのは、これは強化費が増えたからではなくて、これまでやっていた学校体育からスポーツクラブの方に移行がうまくいったところからメダル数が増えてきたわけです。水泳はそうですね。それがドンドン広がってきたところに強化費が追いついてくる。なぜ追いついてきたかと言うと、2020年東京招致ができたから。そういう流れがあるんですね。ですから、今87億円というのがありますが、来年は確か100億円を超えるぐらいの強化費になるんですね。ところが、2020年が目標ではなくて、それを通過したあとどうするのかという、そこまでを考えたうえでの強化費をどうして、強化をどうするのか、それを考えてほしいと思いますね」
遠藤議員
「日本はスポーツに関する国の支出、あるいは行政の支援というのは、比較的少なくて。だいたいスポーツは遊びだと。だから、それぞれ勝手にやればいいよと。企業やボランティアで、選手とか、コーチとか。ようやく私はスポーツ基金をつくったのですが、そこで行政もしっかり支援をしないと振興できないですね。もう1つ、予算をつけるためにいろいろ考えたのは、実はサッカーくじです。あれがかなり下支えをしているので、もう少し何か増やす方法はないかといろいろ考えているんですけれども」
玉木氏
「増えるのは良いと思うんですけれど、たとえば、外国のスポーツ強化費の中で、今度、日本が新国立競技場を建てますよね。あれなんかも入れていている国なんかもあるんですよ。競技場をつくるという、これもスポーツ振興のためのお金だというので。そういうことで比べにくいところがあるので実質を見るべきだと。本当に強化に使われているのかという。それは各協議団体がどのように使っているかになってくると思います」
遠藤議員
「そうですね。アメリカはほとんどビジネスと捉えていますから。公的な支出ではなくて、それはビジネスで稼げと、それで強化費を出せと」
玉木氏
「スポンサーを自分でとってこいと」
遠藤議員
「ちょっと考え方が違うので、なかなか現実に比較はしにくいですね」
為末氏
「税制が違っているとかがありますからね、アメリカの場合は」
松村キャスター
「強化費の中で、何が1番占めているのですか?」
遠藤議員
「実際に今、こういう世界でメダルと獲るアスリートは海外研修というか、遠征だと思います。大半がそれを占めるのだと思います。そうしないと、海外の選手と、しょっちゅう試合をしていないと相手の力がわかりませんから。もちろん、こちらの力も、手の内を見られるのかもしれませんけれども、そうやってレベルを上げていく。エディ・ジョーンズというヘッドコーチがきて、日本のラグビーが世界でも十何番目だったのが、一気に今回、ニュージーランドに勝ったりとか、この間は南アフリカに勝ったりとか。結局、そういう世界のトップのレベルを知っているコーチがいて、その人がトレーニングをしながら、世界のいろんなチームと試合をしていく。やはり金がかかるんですよね。それでも今回、志學館ですか。それから、スポーツクラブなんかは指導者が一定していますから。やはり良いコーチ、いわゆる指導者をきっちりつくるということは強化の1番重要なポイントだと思いますね。井村さんが来た途端に、また、メダルが戻りましたからね、シンクロで」
玉木氏
「井村さんには、次のコーチを育ててほしいと言っていますけどね」
松村キャスター
「コーチが次の指導者を育てるというのも大事になってきますよね」
為末氏
「ポイントが何なのかというのは、共有したいなと思いますけれど。なぜ強くなったのだろう。水泳はよく皆さん、言うんです。なぜ強くなったのだろうというのは。要は、これとこれとこれでしたというのは、実はあまりわかっていなくて。いろいろ選考だったりとか、全体で、オリンピックに向かうアレだったんですけれども。結局、競技間を越えて、どこが肝要で、どこに強化費を落とすと結局、効くのだろうというのは、もうちょっと競技間をまたいで、共有をした方が良いのではないかというのは、現場の実感としてはあるので。もしかしたらスポーツ庁あたりがそういうものの全体情報を把握したり、あるのかもしれないですけれど」
遠藤議員
「スポーツ庁、鈴木長官を中心にして、強化のチームをつくっていますから。そこで過去のデータとか、そういういろんなデータを集めて選択をする。だから、メダルを獲るだけだったら、たとえば、ロンドンがいっぱい獲ったと言いますけど、自転車8個、ボート4個だとか、セーリングに2個とか、馬術に3個とか、団体スポーツではなくて、そういう比較的少ない投資でメダルを獲っているんです。ですから、メダルだけを考えたら、そういう戦略もあるんですけれども、それは団体スポーツの、興奮して、皆さん、沸くパワーというのも大事なので、この兼ね合いですよね」
玉木氏
「それは日本のスポーツ庁ができたあとに、その他に、JOC(日本オリンピック委員会)とJSC(日本スポーツ振興センター)と体協と、スポーツ庁というのがあるわけです。どこで何をするのかという棲み分け、仕事の分担、これはきちんとしてほしいです。メダルの目標数を出したのはJOCですよね。これが果たして正しいかどうか。僕はちょっと疑問があるんですね」
遠藤議員
「全部をスポーツ庁でやるんです。やるのですが、オリンピックだけは、これはJOCの権限です、選手派遣は。スポーツ庁はできないです。だから、JOCが窓口。だから、JOCしか海外派遣の権限はありませんから。だから、JOCが当面、選手団をつくって、ここが出すというのは、あながちダメだとは言えない」
玉木氏
「目標メダル数?」
遠藤議員
「だから、戦略上はスポーツ庁が中心になって、きちんとやるべきだと思う」

2020東京五輪 『予算』の膨張
松村キャスター
「東京大会の運営費用なのですが、大会招致時には組織委員会の運営費が3013億円、東京都が会場の新設などで支出する額は1538億円、このように予定されていました。しかし、昨年12月の組織委員会の試算では、組織委員会の運営費がおよそ1兆8000億円。東京都の支出も2689億円に膨らんでいます。遠藤さん、かなり膨れ上がっていますが、なぜここまでいってしまったのでしょうか?」
遠藤議員
「まず3013億円という数字は、実は精査した数字ではなくて、ロンドンの時にこれぐらい施設をつくったので、そのぐらいは組織委員会で必要かな、あるいは東京都はこのぐらいは必要かなと。これは2013年の1月にこのぐらいと出したのですが、その時に猪瀬知事が出されたんですけれども、具体的に、1つ1つ精査して出した数字ではなかったです。それで、そのあとに決まりました、じゃあそれが決まった時に2013年の9月に決まりましたから。それから、さあこれについてはいくらかかりますか。それから、たとえば、補償費なんて考えていなかったわけです。補償費いくらかかりますかと。それから、昨年、おととしの暮れ、アジェンダ2020で、これまでの施設を新しくつくるのは大変だから、ちょっと広がってもいいから既設の施設を使おうと。しかし、今度使おうとしたら、補修費がかえってかかるとかね。そういうことをずっと整理をしてきたんですね。まだ1兆8000億円というのが、確定された数字ではなく、いろいろとやっていくとこうかかりますねと。これから削れるものはないですかと。これを当面、全部やったらかかりますよねと。これをどうやって削っていくかと。これがこれからの作業だと思うんです」
松村キャスター
「招致時には低く見積もっていたと。最低費用という形で出しているのですか?」
遠藤議員
「その段階でどれだけかかるかという、場所の問題もクリアできていませんし、それから、東京都がどういう形でやるかということもプレゼンテーションしましたけれど、1つ1つの施設、そこにどれだけのものがかかる。そんなに細かくは出していないですね。たとえば、ロンドンの時も最初は確かあそこに何千億円かの予算が、2兆1000億円ぐらいかかったんですかね。ですから、そうやって最初に出した時から、1つ1つ具体的に詰めていくと、それだけかかると。ただ、もう1つは、先ほども話ありましたけれど、どこまでがオリンピックのための予算なのかと。たとえば、もし武道館を直しましょうとすると、武道館はオリンピックのためだけ使うわけではなくて、これから何十年使うために耐震化しましょうかと。どうせやるのなら2020年に間に合わせましょうかと。そういう計算ですから、2020年のためだけにかかるのか。そうではなくてトータルとしてかかるのか。この精査を現在やっているんです。だから、2689億円、国と東京都の合意と書いてありますが、決して合意していません。そういうふうにいろんな数字を出して、これはできますか。これができなかったら、代替ができますか、そういう試算の最中でたぶん今年の暮れぐらいに、だいたい現状はこういう状況ですよと。組織委員会から、我々にも、政府にも、IOCにもしっかり出せるんだと思うんです。まだその途中なので。具体的な数字が1兆8000億円に決まった、あるいは2689億円に決まったというわけではないです」
松村キャスター
「中身があいまいで情報公開もあまりされていないので、なぜこんなにお金だけが膨れ上がっているのだろうと、皆さんは思っているのだと思うのですが」
玉木氏
「小池都知事がこれから精査したいとおっしゃっていること、是非ともやってほしいんですけれども、情報公開が少ないことは事実ですよ」
松村キャスター
「為末さん、どのように考えていますか?」
為末氏
「かかったお金と儲かるというのをちゃんと考えた方がいいと思います。1兆8000億円をかけて、毎年、一千数百億円儲かりますというんだったら、減価償却、10年とかで…ぐらいの、そういう発想ですね。民間も入れてね。ただ、現在できることで僕はやった方がいいなと思うのは、日本のスポーツ施設は、僕の経験上、世界一使いにくいんですよ。それは立派だけれども、手続きが面倒過ぎて使えないですよね。オリンピックを目指してた時も、僕ら借りるのに、市役所に行って、何とかしてというのをやって借りていたので、たとえば、パラの強化するとか、オリンピック、一般市民の方も含めて開放しちゃう競技場をつくって、市民の健康にインパクトもあるし、医療費抑制できますよね、というので開放をする。公園も開放して、放課後の学校も開放したら、実はそれだけで、結構、スポーツ施設ができて。そうなると、レガシーにもなってくる気がするので、ハードのレガシーよりは、制度運営上の問題が大きいと思うので、そこをきれいにするという、レガシーが現場の人間からすると1番ほしい感じはしますがね」

競技施設と大会運営の課題
松村キャスター
「東京オリンピックの会場の分布をどのように見ていますか?」
玉木氏
「最初はこの8km圏内に全部まとめてやるというのが、それではちょっと費用がかさむというので、外に出したら、また逆に費用がかさむのではないかということも言われているんですけれども、たとえば、水泳競技、辰巳の会場がありますね。あれは使えないんですよね。観客席が5000席ですか。少ないということですね。IOCの言っている通りに、そこをやらなければいけないものですかね。こちらから主張することを、あの施設、別に、いいではないですかと。おまけに2020年になったら、映像というものがもっと普及するはずですよね。そうしたら外とか、いろんなところに外で見られるリアルな大きなビジョンをつけるということで対応しますというような言い方をして、そういうことも考えたうえで、もっと削り様があるのではないかと思うんです」
遠藤議員
「我々もそういう気持ちはあるのですが、IOCはIOCで、世界、ロンドンも含めて、こういう形でお願いしてきましたよと。こういう、これだけ人が入りますし、是非こういうことでお願いしますと、これは交渉事なのですが、何回も何回もやり取りをしてやってきているので、それをもう1回全部変えていくというのはなかなか難しいですね」
玉木氏
「でも、IOCの不祥事も出たことですから、リオでチケットを他に譲っていたという、IOCの理事が。こちらからもう少し強く主張してもいいのではないかと思うんですけれど。それと、九十九里浜のサーフィンというのは、なかなか波は良いらしいのですけれども、東京都内の新島も手を上げていて、是非ともやりたいと言ってるんですね。だから、東京オリンピックですから、どちらかと言うと新島の方を優先してほしいのかなと私なんかは思ってしまうんですけれど。そのあたりをこういうオリンピックだから、こうしましょうという、もう少し基準が見えたら嬉しいなと思う。もう1つ、ペロドローム、かなり遠いですね」
遠藤議員
「そこは先ほど言ったように我々もこれは組織委員会として是非こうしたいと、日本の要望はもうかなり強く出していて、しかし、IOCとしては各競技団体、世界の競技団体と話をして、どうしてもこうしてくれと、この交渉で1つ1つ決まってきているので、たとえば、新島の話がありましたけれども、私は新島の話をあまり聞いたことがなかったんですけど、波が良くて、選手にとっては活躍しやすいということで、鶴ヶ崎海岸というのですか、をベースにと。確定はしていないわけですけれど、そういうことを前提にして、話を進めているようで、施設も含め、そうですけれど、全部交渉事ですから、日本でこれをやりますから、はい、これでというわけにいかないので、そこは力関係もあれば、それから、その時の情勢もあるので、1つ1つ積み重ねてきていることは間違いないです。ただ、無駄なものはもう1回見直していいと思っていますから」

『追加5競技』運営上の課題
松村キャスター
「東京五輪で新たに加わったのが野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンです。この5つの競技が追加になった背景について」
玉木氏
「日本でやりたいというか、東京が1番やりたいと思っていたのは野球・ソフトボールと空手ですね。IOCがやりたいと思っていたのが、スケートボードとサーフィンとスポーツクライミングで、これはどちらかと言うと、僕の判断ですけれども、IOCはマーケティングをしたいようですね。これがどれほどの人気の出るものなのか。IOCは、若者のスポーツ離れに対し、人気を捉えるということで、Xスポーツ系に足を踏み出そうとしているんですね。自分で踏み出すのはちょっとしんどいので、それをやってよというふうに東京の方に声をかけたら、東京の方は、だったら、野球とソフトボールを入れて、空手を入れて、それをまとめて採決してもらったらいいのではないかと言うので、妥協の産物でできたのではないかというのが、私の読みですけれども。これが正しいかどうかはわかりませんけれども」
松村キャスター
「人数ですが、野球が1チーム24人×6か国で144人、ソフトボールが1チーム15人×6か国で90人と、6チームで対戦するということでメダルが3つですよね。(参加チームの)半分がメダルとなっているのですが」
遠藤議員
「日本としては8チームぐらい入れたかったんですけれど、これは増やしていい人数を500人以内と絞られて。計算していくと8チームに持っていくのは大変だったと。ソフトボールと野球と両方ありますから。やむを得ないと」
松村キャスター
「野球・ソフトボールあわせて234人なっていますが」
遠藤議員
「全体で500人なので野球・ソフトボールだけでそんなにいっぱいとられるわけにはいきませんよと」
玉木氏
「なぜ北京を最後に野球・ソフトボールがなくなったのかというと、試合時間の長さなどがありまして。世界の野球・ソフトボール連盟が復活のために提案しているのが、野球の7イニング制です。野球の試合時間が長すぎるから、1回オリンピックで実験してみたら、7イニングでも結構面白いではないかと。それを言うと、元野球選手の野球評論家が、何を言うか、と反対されるのだけれども。1回そういうのもいいかなと思うんですけれど。2020年の次のオリンピックがどこになるかはわかりませんけれど、もしもパリとか、ローマとか、ヨーロッパにいったら、野球・ソフトボールはなくなりますね。ロサンゼルスにいったらどうなるかわからないというところですから。これが野球・ソフトボールの普及につながってほしいとは思いますけれども、将来のことを考えたら、特効薬にはなるようには思えない」
遠藤議員
「野球については世論調査をすると、野球を観たい、野球に関心を持っているというのが1番多いですね、日本人は。ですから、日本人としては野球をやりたい。それもあって、要望したのですけれども。大都市でなければできなくなってきたと。東京オリンピックは、手を挙げるところが少なくなって一昨年12月にアジェンダ2020ができて、東京に限定しなくても各都市でもいいですよ次からはと。場合によっては国をまたいでもいいですよと、そうしないと小さな国が手をあげられない。そういう意味では、冬季と夏季と違いますけれど、こういう形が確かに大きな曲がり角にはきているのだと思います。東京が手を挙げた時にはまだそういう形で進んできましたから。これまでのオリンピックの流れでやってきたんです。そういう意味では、IOCとしても次の時代のことについてはかなり考えています。日本も今度の大会の中でできることについてはね。2026年か2030年に札幌で冬季大会をもう1回と言っていますけれど、その時には国はまたがないでも、国内いろいろな地域でできるということが十分可能かなと思っています」

2020東京五輪の『グランドデザイン』
松村キャスター
「東京五輪では、ビジョンとして掲げているのが、『全員が自己ベスト』『多様性と調和』『未来への継承』ということですが、この3つのビジョン、いかがですか?」
玉木氏
「ビジョンがどうだと言う、その前に、これを知っている日本人が何パーセントいるでしょうかということが大問題だと思うんです。組織委員会のホームページに書いてあって、最初、組織委員会が発足した直後から、こういうのがあるんですよ、というのをメディアで出会った人に、いろんな人に話しかけるのだけれども、知っている人が1人もいなかったね。それと、もう1つは、中身の問題ですけれども、全員が自己ベスト、まあいいでしょう。多様性と調和、多様性、いろんな民族がある、いろんな人々がいるから、調和していく、まあいいでしょう。まあいいでしょうというようなあまり特徴のない良いことが書いてあるだけですね。未来への継承と言うならば、今更言っても遅いんですけれども、国立競技場を壊してしまったのは残念ですよね。あれをこう変えて何とかやるというので未来への継承というのは考えてほしかったというのは思うんですよね。こういうものが、たとえば、先ほど話になった各会場のつくり方、遠いとか、近いとか、仮設とか、きちんとつくるとか、というのにこういうビジョンが、ビジョンというか、根本的なコンセプトと呼ばれているんですけれども、これが反映しているかどうかというと、考えている人もこれと関係ないと思うんですよ。だから、もっと東京オリンピックはどんなオリンピックにするんだということを、皆に知らせることができれば1番いいのにと。1964年の、東京オリンピックはそんなこと言わなくても皆、わかっていたんですよ。戦争からの復興で、これを成功させて、日本人は、日本という国は、世界と伍する国になるのだということが皆の頭の中にあったから、日本の1番いいものを見せようとか、日本が1番できることをやろうとか、未来に向かって進んでいこうというようなことは何も言わなくてもわかった。今はこれをきちんと言ってほしいなと思うんですよね」
為末氏
「ニューヨークが2012年に立候補しているんですね。それは落ちたんですけれど、その時のコンセプトが、全てのニューヨーカーが歩いて10分で公園へ、というコンセプトですね。実際にそれを都市計画に落として、結果それがニューヨークを世界一の都市に押し上げていったと言われているんですけれども。満員電車をなくしますよ、とか。要は、そういうことですよ。明日の私達の生活がどう変わるのといったことがわかりにくい気がするので、全ての人にスポーツができる環境を15分でとか、健康寿命と実質寿命が近づくとか、具体的にありありと描くようなビジョンを持ってくるのは大事だと思いますね」

元陸上五輪代表 為末大氏の提言:『未来の社会』
為末氏
「パラリンピックの支援をしているんですけれど、パラの選手達で切断した選手達がよくいるんですけれども。たとえば、右足を切った選手は最初手術して、ショックを受けるんですけれども、ある時から左足があるではないかと気づいてやっていくそうですね。日本社会はこれからすごく財政が厳しくなって、高齢化して、国際的なプレゼンスも下がってくる中で、自信を失っていきがちなところが20年までに我々はこういう新しい価値観を見出せば、自信を持ってやっていけるのだという、日本が転換する、大きな価値観の分岐点になると思うんです。本質的な問題は2020年までには絶対解決されないはずですので、人口問題とかね。ただ、それに合わせた、新しい価値観を手に入れるための大きな舞台になればいいなと、それが1番感じているところですかね」

スポーツ評論家 玉木正之氏の提言:『体育からスポーツへの大変化』
玉木氏
「1964年の東京オリンピックの翌年に体育の日ができたんです。それ以来、日本人というのは体育=スポーツだと思っているんですよ。それで、命令されて、体を鍛えることもスポーツだと思っているんだけれども、スポーツというのは、本当は違うんですよね。それは遠藤さんともよく話したことあるんですけれども、スポーツ基本法ができて、スポーツでこれからはやっていこうと、日本はそうなった。ですから、為末さんの言われた未来の社会というのを、僕の言葉で言うならば、スポーツの社会へという言い方もできるんですね。自分から率先して、自分の頭で考えて、自分で計画を立ててやると。それが、スポーツですから。これを1つのテーマにして、もうすぐ確か体育の日がスポーツの日に変わるはずですから、これからはスポーツを中心に2020年の東京オリンピックはスポーツのオリンピックだということを皆に広めるというのはいいと思うんですけれど、どうですかね」

遠藤利明 前オリンピック・パラリンピック担当大臣の提言:『オール・ジャパン』
遠藤議員
「今回、まずは1つは選手も、それから、観客も、ボランティアの皆さんもね、皆一緒になってこの大会を盛り上げようと。あるいはオリンピック、その中でも特に障害を持っている人も、高齢者の皆さんも、アスリートも皆で一緒にやりましょうと。それは同時に東京も、地方も、東京オリンピックだから東京だけではなくて、東京も地方も皆でこのオリンピックを成功させて、為末さんがおっしゃるように未来の社会を皆でつくっていこうよと。それのきっかけに東京オリンピック、パラリンピックをしたいと。そういう意味で、オール・ジャパンでいこうという意味でオール・ジャパンにさせてもらいました」