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2016年7月13日(水)
石原慎太郎、堺屋太一、渡部昇一が世相を斬る

ゲスト

石原慎太郎
作家 元東京都知事
堺屋太一
作家 内閣官房参与
渡部昇一
評論家 上智大学名誉教授

石原慎太郎×堺屋太一×渡部昇一 『中国の強硬姿勢』を斬る
秋元キャスター
「昨日、オランダ・ハーグにあります仲裁裁判所は、南シナ海での中国の海洋進出について最終判断を下しています。最初のテーマ、強硬姿勢を取り続ける中国について聞いていきたいと思います。仲裁裁判所の最終判断のポイントは、九段線は歴史的権利を主張する法的根拠はない。スプラトリー諸島には法的な意味の島はない。排他的経済水域や大陸棚を構成しない。さらにはフィリピン船への危険な行為や環境破壊など、南シナ海での中国の活動は国連海洋法条約に違反している。こういったものだったのですが、この判断を受けまして、アメリカやオーストラリアからも反応が出ています。それがこのようになっています。アメリカのアーネスト報道官は『判断は、最終的で拘束力持つ。領有権争いの平和的な解決を望んでいる』と記者団に話をしています。オーストラリアのビショップ外相は『判断には法的拘束力がある地域が領有権をめぐる対立を平和的に扱うことができるかどうかのテストケースになる』と話をしています」
反町キャスター
「石原さん、国際仲裁裁判所が一定の判断を示しました。国際社会が、中国に対してどういう姿勢をとるのかというのが次の問題になってくると思うんですけど、たとえば、アメリカが航行の自由作戦と言い、南シナ海に駆逐艦や空母を走らせたりしていますけれども、アメリカがこれによって、さらに中国とより本気度を増した対峙の姿勢をとるかどうか、どう想像されますか?」
石原氏
「私は、この判決で中国がいきみかえって、ますます軍拡すると思います。やりたいだけ、やらせたらいいです。ちょうどアメリカのレーガン政権の時に、軍拡で、結局、経済を消費してロシアが自滅したでしょう。と同じように、中国は経済的に破綻すると思います。せいぜい怒らせればいいです。カッカさせたらいいです」
反町キャスター
「堺屋さんいかがですか?中国と様々な問題を抱えている東南アジア各国と日本の関係、どんなふうに進めていったらいいのか?」
堺屋氏
「それよりも1番の問題は、日本の中で、中国がちょっとモノを買わないとか、ちょっと旅行者を止めたら、たちまち日本の中が崩れる心配があるんですね。だから、中国はどうしても、たとえば、新幹線を買わないと言うのなら、それはそれで結構です、というぐらいの覚悟は必要だと思います」
反町キャスター
「つらいのではないかと思う人もいるかもしれないです」
堺屋氏
「いっぱいいます」
反町キャスター
「爆買いでいっぱい来てくれて、たくさん買ってくれる、という日本の観光業界とかがあります」
石原氏
「それは卑しい、本当に」
反町キャスター
「いやいや、生活がありますから。そこは国民の皆が我慢できるような国民的な合意」
堺屋氏
「従って、日本の景気を良くするように使わなければいけない」
反町キャスター
「渡部さん、いかがですか?関係各国と日本の関係」
渡部氏
「私は、あんなところにいろいろ軍事施設を設けるのは、本当の目的は、日本に対する政策だと思っているんです。現在の中国の人は、これは私の想像ですけれど、1番の敵は日本だと思って、仕返ししたいと思っているのではないかと思うんです。だから、民主党政権の時、ちょっと沖縄の方で問題があった時に、すぐにレアアースを日本に売るのをやめましたね。あれは国際法違反です。でも、すぐにやった。資源を止めれば、日本は参るという何か思い込みがあると思うんです。それは、太平洋戦争もそうでしたから。それでレアアースは失敗しました、日本がうまく対応をしましたので。今度、太平洋戦争と同じように、日本の首を絞めるのには、あそこを通る輸送船を止めるのが、1つの非常に有力な手であると思ってやっているに違いなく、あそこにあるのは何もフィリピンが敵だとか、ベトナムが敵であるのは二の次であると私は想像をしています」

中国『挑発』エスカレート
秋元キャスター
「国際法を無視する姿勢を崩さない中国の脅威は、日本の海と空にも及んでいます。先月9日、中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に入りました。中国の警察にあたる海警ではなく、海軍の船が入ったのは初めてのことです。また、先月の15日には、中国海軍の情報収集艦が口永良部島の沖合で日本の領海に侵入をしました。さらに、領空侵犯の恐れがある中国軍機に対する自衛隊機の緊急発進がこの4月から6月だけで199回と前の年の同じ時期に比べて1.7倍となっています。その多くが東シナ海で発生しているということですけれども」
反町キャスター
「石原さん、いかがですか?中国との向き合い方は。どのようにしたらいいと考えていますか?」
石原氏
「尖閣をめぐる中国のむき出している敵意というものを、私は認識した方がいいと思うんです。たとえば、かつて副幕僚長だった織田さん、飛行時間が1番長い、日本でも有数のパイロットですけれども、この人が自分の部下のパイロットから聞いた情報で、正面衝突を辞さないぐらい近づいてきて、しかも、ミサイルを発射するためのレーダーを放射してきて、それを避けるために日本のスクランブルで出た、日本の空自の飛行機が、レーダーを避けるための、要するに、金属(チャフ)をばら撒くんです。そこまでして、とにかく対峙したという事実を喋ったら外務省と日本政府が嫌がる。こういう姿勢というのは本当におかしいと思います」
反町キャスター
「それは、中国の問題ではなく、日本の心構えの問題?」
石原氏
「相手の敵意をというものははっきりしている。国民も認識したらいいですよ。だから、この尖閣に関して、彼らの侵犯を聞いて歴然となったので、東京で買ってしまうとなったら、民主党の総理が、東京がつけた言い値以上に買っちゃったんです。しかも、買った人間、所得税は払っていない。二十数億で買った。こんな事態が放置されて、日本は本当の法治国家と言えるのでしょうか。本当におかしなおかしな国になっちゃった」
堺屋氏
「私が沖縄へ復帰の日に赴任して、その時にすぐにやった仕事というのは、尖閣の石油、海底資源の鉱山区域を設定して…4万区域あったんです」
反町キャスター
「72年ですか?」
堺屋氏
「それを認可するのが最初の仕事だった。その時は、中国も何も言わなかったんです。日本も当然、日本のものだと思ってやったんです。その時、鉱業権を設置しているわけです。それは日本の鉱業権として主張すべきだと思うんです」
反町キャスター
「石原さん、かつて当番組でも港をつくれとか、灯台をつくれといった話をされたんですけれども、堺屋さん、この尖閣諸島に実効支配をより国際社会に対してだけでなく、中国に対して強調するためにあの島を何か活用すべきかどうかという、そのへんについてはどう考えていますか?」
堺屋氏
「私はモノをつくるべきではないと思います。と言うのは、経済的に価値があるものができるとは思えません。だけど、自分達が持っているということを譲らないという姿勢を示さなければいけない。それを、ややもすれば、経済的な理由とか、揺らぐところがある。たとえば、上海万国博覧会で出展したんです。私のパビリオンは、民間パビリオンですが、それには1日として日章旗が立たなかったことはない。ところが、日本政府館はなかなか立てない。私が言いに行ったんですね。お前のところ立っていないぞと。それはちょっと現在、検討中ですとか言って、立てないです」
反町キャスター
「民間パビリオンには立って、国設のパビリオンに日の丸が立たない?」
堺屋氏
「立たない日があった」
石原氏
「堺屋さんが言う通りで石油が出るならボーリングをして掘ったらいいではないですか。実際に灯台を建てるより、歴然とした事実の確認になります」
反町キャスター
「でも、堺屋さんは石原さんが言うような目に見える形での主権の誇示みたいなものはすべきではないという話ですね。そうでもないのですか?」
堺屋氏
「今、もし本当に石油が出るならやった方がいいと思う」
反町キャスター
「どうなっています?1972年調査した時、油が出ない」
堺屋氏
「やる人が嫌がった。権利は認めたけれど、実際、実行して経済的に引き合うかどうかわからないから、やらなかったのですが。やれるやつがいればやらせたらいいと思う」
石原氏
「政府が潰したのではないの?」
堺屋氏
「いやいや、そうではない」
反町キャスター
「ただ、中国側は尖閣周辺を実は我々の領土だ、領域だとなったのは、国連があのへんで、1972年に石油調査をやって、出るかもしれないという話を聞いたから騒ぎ出したのではなかったでしたか?」
堺屋氏
「そう。だから、国連が調査するというのは別に国連が船を出したのではなしに、日本のデータで言ったんです。その時に日本は出るだろう、日本の海域は出るだろうと」
反町キャスター
「もしかしたら、日本が調べて出るだろうと言ったものだから、中国が実は俺のものだと騒ぎ出した、そういう経緯なのですか?」
堺屋氏
「そうそう」
反町キャスター
「それは何というか、けしからんというか、そんなことを言わなくてもよかったのに。どういったらいいのか。かえって、騒ぎを大きくするために、調査をして、データを公表してしまった。そういう経緯なのですか?」
堺屋氏
「いや、データを公表したのかどうかは知りませんけれども、とにかく調査船が行って、ここは石油が出る可能性があるから、とりあえず申請しておこうということになったんです。それで申請してきたから、私は認めた。そうしたら、中国は、ここは俺の島かもしれないと言い出したんです」

大混迷『東京都知事選』を斬る
秋元キャスター
「世相を斬る2016夏。続いてのテーマは、明日、告示日を迎える東京都知事選挙です。現在、立候補を予定している、元防衛大臣の小池百合子さん、元総務大臣の増田寛也さん。増田さんは自民党の東京都連と公明党の推薦が決定しています。野党4党の統一候補として、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん。その他ごらんの方々になっているんですが、つい先ほど、元日弁連会長の宇都宮健児さんが会見で立候補の取り止めを表明されていますが、辞退されるわけです」
反町キャスター
「増田さんと、宇都宮さんは降りちゃいましたけれど、鳥越さん、この2人をどう見ていますか?」
石原氏
「増田さんは立派な人です。私が都立大学を解体して、3つの大学を統合し、首都大学東京という、現在、国立公立大学で1番人気のある大学にしたんです。この時に学長を誰にするかということで、東北大学の学長をした西沢先生がいまして、この人は東大の派閥に負けて、潰されて、本当はノーベル賞をもらう人だったんですけれども、潰されたんです、その人が岩手大学、地方の大学の学長をしていらしたんだけれども、増田君に、東京でこういう構想があるんだけれど、1つ、東京のために西沢さんを説得してくれないかと言ったら、彼がわかりました、物事に比重という問題があって、東京の大学というのがそれだけのことを考えていらっしゃるのだったら賛成ですから、わかりましたと言って、西沢さんを口説いてくれたんです。おかげで首都大学東京は立派なものになりました。これは、本当に増田さんの恩恵だと思っています。その時の彼の果断な判断にも本当に感謝をしていますし。そういう点では、私は卓越した人物だとは思います。ただいろんな評価もあるようですし、堺屋さんもちょっと批判があるみたいだけれども。私は、彼を非常に評価していますし、だからこそ日本の自民党内閣で総務大臣まで務めたので。私は、彼は立派な知事になると思っています」
反町キャスター
「鳥越さんはいかがですか?」
石原氏
「私はこの人のテレビに1回出たことあるけれど、頓珍漢だ。まったく勘の悪い人で。何か取材というのかよくわからなくて、全然、評価しなかった」
反町キャスター
「石原さんの目から見ると辞退した宇都宮さんというのは?」
石原氏
「全然存知あげない。面識もないし」
反町キャスター
「今回出れば3回目です。前回、100万票を獲って今回は、前回の落選以降、選対チームも、そのままずっと生かしておいて、都議会の傍聴もしょっちゅう行かれて。要するに、前回、共産党と社民党の応援だけで100万票獲ったので、今度はやるぞというふうにずっと準備をしていたんだけれども、事実上、野党4党が鳥越さんに乗っちゃったので、今日、降りちゃったんですけれども。おそらく、とても残念な悔しい思いをされていると思うんですけれども、その辺は評価されない?」
石原氏
「自民党憎しということだったんでしょう。結局自分の自我を捨てたのでしょう。これはこれで潔いいとは思わないけれども、はーっとは思った。それだけ」
堺屋氏
「東京都知事は随分、小物になったという感じがします。地方の知事というのは、そこに貢献する。生涯貢献をする覚悟がほしいです。だから、これまで地方の知事で、東京都知事に出た人で当選した人はなかったです。兵庫県も、宮城県もやりましたけれど。だから、地方の知事というのはその地方で全うしてほしいと思います。そうすると、非常に、今回の知事選挙は小物化したなということをつくづく思います」
反町キャスター
「小池さんの勝負のかけ方は?」
堺屋氏
「それは、勝負のかけ方は立派だけれど、あの方はちょっと政党を変わり過ぎていますね」
反町キャスター
「日本新党からスタートされてということですね?」
堺屋氏
「だから、本当の信念がどこにあるのか。ちょっとその点が私はよくわからない。私が大臣の時の政務次官だったんです。その時は日本新党でなしに、自由党といったかな、から来られたんですね。政務次官としての仕事は立派でした。NPO(非営利団体)をつくられ、その点では評価できるけれども、ちょっと政党が変わり過ぎているのではないかという気がしています」
反町キャスター
「増田さんはどうですか?」
堺屋氏
「あの人、岩手県の知事としての業績を見ますと大阪にはとても及ばない。橋下さんの経済も建て直し、職員もリードしというような、そういうような目覚しいことはなかった」
反町キャスター
「その意味でいうと」
堺屋氏
「ただ、学者としては、地方の人口の変化なんかをよくお調べになって、まじめな人だとは思います」
反町キャスター
「渡部さん、東京都知事選をどのように見ていますか?」
渡部氏
「石原さんの目の前でお世辞みたいだけれども、敢えてお世辞を言いますと、その前の知事の方は反対者が1人でもいれば、橋もかけないというようなことを話していました。そのため、ちょうど東京が膨れる時に、すごく都市の整備が遅れたと思います。あの頃の道路の混み方を考えると、ぞっとします。現在そんなことはないです。それから、石原さんの、ずっと長く続いて現在、自動車もすごく多いんです。しかし、黒い煙を出す自動車もないです。それから、昔みたいな混み方は、あれだけ自動車がうんと増えているのにないです。それを考えると、私は、首長というのは、保守系的な発想の人の方が、街全体をよくする力があるのではないかなと思います」
石原氏
「今度の候補者達はもうちょっとはっきりと強いことを言ってもらいたい。国を相手にして戦うぐらいの、それがない。そういうメッセージが伝わってこない」
反町キャスター
「比較的同じテーマ、高齢者対策、ないしは子育て支援とか、そういう街づくりとか、そういうものというのが比較的同じようなテーマの中で皆さん、公約とか見ていてされるんですが、1つぐらい同じ土俵に収まりきらないようなものがあってもいいのではないか。そう見ているということですか?」
石原氏
「そうですね。それで昔話をするみたいですけれども、東京にいくつか各種団体というのがあるんです。これは皆、保守系の人達、この人達が協力してくれなかったら、私の都政は運用できなかったんです。これはとても大事な存在で、各種団体の方々、ほとんど保守系です。そうでない立場の都知事が出てきた時に本当にその人達は動いてくれるのかとても心配です」

『憲法改正論議』を斬る
秋元キャスター
「続いては、憲法改正論議についてです。10日に投開票が行われました参議院選挙の結果、憲法改正に前向きな勢力が3分の2を超え、現憲法下で初めて憲法の改正の発議が可能な状況となりました。どの部分から手をつけていくべきかというのは、後ほど聞くとしましても、お三方とも憲法改正には賛成の立場でいるわけですが、まずは、渡部さん、この参院選の結果をもって、憲法改正の準備というのは整ったと考えますか?」
渡部氏
「3分の2で憲法改正するかどうかと言いますけれど、どうも私は根本から現在の憲法に関する考え方がありますので、ちょっと言わせていただければ、現在の憲法は昭和21年にできました。その時はアメリカ軍が占領をしていました。皇室も存続するかどうか危ないような状況でありました。もっと重要なことはポツダム宣言によって、天皇陛下がマッカーサーに隷属するというような形だったわけです。だから、日本は間接統治の国であって、完全な独立国ではなかったわけです。そこで完全なる憲法はできるわけがないから、憲法と称してもそれは最終的に占領軍の意思であったわけですから、これは占領政策基本法と言うべきであって、本来の日本から言えば、明治憲法停止状況であったと考えるのが正しいと思います。だから、サンフランシスコ条約の時にも、吉田首相がやめますと言ったら何の問題もなかったと思うのですが、それから、ズルズルと引っ張って70年になっているから問題なのですが、問題の本質は変わっていないと思うんです。ですから、私の考えでは、野党も与党も加わって、だいたい3分の2ぐらいの方が賛成できるような原案をつくりまして、某月某日、議会の、朝の11時59分でもいいな、明治憲法に還りますと言うんです。1分後に、天皇陛下の許可もちゃんといただいておいて、新憲法を発布しますという形が1番いいのではないかと思うんです。予め憲法は十分検討したのをつくっておく。その際に問題になるのは、この70年間の法律をどうするかということなのですが、それを引きずってきた現在ある法律は新しく発布した憲法によって変えるまでは有効とするというのをつけておけば何ら問題にはならないのではないか。どうしても私は明治憲法に1度、還らないと。1度、1分でもいいから還らないと、日本の憲法としての、本当の権威がないと思います」
反町キャスター
「明治憲法に1回戻して、明治憲法の改正という形での新憲法にもっていく。その手続きは1回戻してから、新しい憲法にいく手続きが大切だと。こういうことですね」
渡部氏
「案外、人は知らないんですけれど、明治憲法は改正が容易にできているんです。3分の2の人が賛成で、出席議員の3分の2の賛成があればいいです。ただ、天皇陛下の当時のことですから、許可があればですから。だから、そういう許可を現在、得ることは可能でしょう。だから、3分の2の数字があって、パッと、ガッツがある首相が変えてしまって、やった方がいいのではないかなと思うので」
反町キャスター
「石原さん、今回、参議院選挙の結果、衆参両院でいわゆる何から手をつけるか。各党バラバラですけれども、いわゆる憲法を変えてもいいという改憲勢力と呼ばれる人達が、党派が衆参両院で3分の2を超えました。これは憲法改正というものを考えた時に、いい環境が整ったと感じますか?」
石原氏
「そうですね。私は渡部さんが言うことに賛成なので。とにかく憲法改正という、憲法に関する論議のタイトルが良くないです。私はまったく日本の戦後というのは、屈辱的だと思うので。ドイツが、ナチスが崩壊、降伏した時に、3つ条件を出しているんです。ドイツは降伏するために3つ条件を飲まなければ絶対降伏しないと。1つは、戦後の新しい憲法はドイツ人がつくると。それから、国軍は数が少なくとも必ず残す。それから、教育の指針は絶対、ドイツ人自身が決めると。この3つを守らない限り、絶対に降伏しないと。これを連合国軍が飲む。日本は無条件降伏でしょう。私は、割と世の中に早く出ていったもので当時、文壇にいまして、文壇の行事がいくつかありまして、ゴルフの会とか、いろいろあったんですけれども、そこに小林秀雄さんと仲良かった白州次郎さんがよく来た。特にゴルフは一緒にやりました。白州次郎さんは、吉田さんの側近中の側近だったので、サンフランシスコ条約調印の時に一緒に行っているんです。その白州さんが吉田は要するに、政治家だったけれども、ダメだ、あいつはと。何でサンフランシスコ条約に調印した時に、日本の憲法を破棄する、自分達の新憲法をつくっていくと言わなかったのか。あれが最初で最後のチャンスだったんだと言ったんだけれど、私はその通りだと思います。ですから、憲法改正という憲法論議はいかんタイトルが。新憲法というのを絶対に考えるべきだ。その戦後の屈辱というのを、私は現在でも覚えていて、小さな話になるけれども、私は親父が券を取ってくれたので市ヶ谷まで東京裁判を聞きに行きました。隣のお兄さんに連れられて。雨の日で下駄を履いて行った。2階の傍聴席へ歩いていく途中、踊り場で、アメリカの憲兵、MPに突き飛ばされ、お前、小僧、履いているのがうるさい。下駄を脱げと言われて、脱いだら、下駄をパーンと飛ばされた。慌てて拾って、それを合わせて、濡れた階段を上がっていって席で自分の下駄を履いて、裁判を傍聴しました。当然、通訳はいなかったけれども。そういう屈辱の象徴が憲法で、こういう、つまり、アメリカ支配下の中にアメリカ人が、しかも、誰が翻訳をしたか。私も堺屋さんも、渡部さんもそうだけれども、モノを書く人間は日本語に対する愛着があります。前文ひとつ見ても、助詞の間違いがいっぱいある。こんな醜い日本語ない。これは日本人の文化は独特のもので、非常に誇り高いものですけれども、沽券にかけても、私は憲法の前文から、とにかく全部書き直してもらいたい」
反町キャスター
「堺屋さん、この選挙結果を見たうえでの、今後の憲法論議。どう見ていますか?」
堺屋氏
「私はまず現在の憲法の、誰が見ても不備があると思うところから変えるべきだと。1番議論のある9条から変えるのではなく、まず第8章、地方自治のところが誰が見ても不備です」
反町キャスター
「でも、堺屋さんの言う不備というのは、地方自治とか、国の形の部分ですね?」
堺屋氏
「そうです」
反町キャスター
「それは、たとえば、道州制を導入しようという前提からすると、これは不備だから直したいと。そういう意味ではなくて?」
堺屋氏
「いや、道州制にしようが、しまいが、たった4条しかなくて、全部の字数で200ないような。だから、昔の1番、昭和の、官僚主導の時の地方自治をそのまま引き継いでいるんです。と言うのは、おそらくマッカーサー司令部の連中は、地方自治までのところはあまりよく読まなかったと思うんです」
石原氏
「憲法の盲点がもっとありまして、たとえば、憲法の80条があるんです。これは国家の会計監査、会計検査院がこれを行う。その報告を内閣は国会に翌年提出しなければいけない。決算委員会なんてバカみたいなものがあるんです。会計検査院は役人でしょう。役人が役人のものを調べ、盲点を突つくわけがないです。いろんな間違いがありますけれども、たとえば、会計制度、日本みたいに複式簿記を採用せずに発生主義をとらずに単式簿記みたいなもので、隠れ蓑がいっぱいある。こういう会計検査が通る国は、私が知っている限り北朝鮮とフィリピンとパプアニューギニアだけです。気の利いた家の家庭の奥さんは発生主義です。子供が大学に行く、高校に行く時、授業料どうする。あるいは住宅を買った時、ローンはどうする。全部織り込みで、発生主義で家計をつけている。単式簿記なんてバカなことをやっている国は日本だけ、ましな国の中で」
反町キャスター
「そういう様々な地方自治の問題だったり、会計制度の問題だったり、いろいろあるにしても…」
石原氏
「単式簿記でないから結局、役人天国をつくっているんです」
反町キャスター
「国民の中における憲法改正に向けた成熟度をどう見ていますか?」
堺屋氏
「憲法改正にかかわらず、国民投票をすると反対派は1つでも疑問点があれば、反対ですよ。賛成派は全部潰さなければならないんですよ。これは大阪都構想の時につくづくわかった。たとえば、湾岸区という名称だけの話で2万4000人が反対したんですよ。それだけでひっくり返っているんですよ。だから、何か1つ言われたら潰れる可能性がある」
反町キャスター
「国民投票をしてはいけないと言ってるように聞こえますよ」
堺屋氏
「だから、1番、皆が賛成するところから改正して、改正というものが当たり前にならないといけない」
石原氏
「憲法に関しては、言い方が酷いかもしれないけれど、国民は無知蒙昧ですよ。憲法を読んでいる人なんてほとんどいませんよ。前文を見たって読みにくくて、前文だけでも読んだらいいけど、こんなに読みにくい日本語はないですよ。改正云々ではなくて、戦後の歴史というものを皆がもうちょっと振り返って見て、あの屈辱からくびきを断つために、もうちょっと政府なり、内閣が責任を持って、憲法を日本人の手で新しくつくりましょうと、任せてくださいと言えばいい」
渡部氏
「私の若い頃は憲法改正と言うだけで、議員は政治生命を失いましたね。最近、選挙権を若くしましたね。若い人達がきたら、もっと左翼の言うことを聞くかと思ったら、むしろ左翼ではない方に向いています。これは天下の体制としてあるべき姿の方に徐々に動いているという感じがします」

どうなる『憲法9条』改正
反町キャスター
「与党の中でも、維新の党を含めた改憲派の中でも、9条に対する熱意が整っていない、希薄な中、9条をどういうふうに変えていったらいいのか?」
石原氏
「それは、9条は一種のセンチメントで、憲法全体について歴史的に論じるべきだと思いますよ。改正という言葉が嫌いなの。新憲法と言ってもらいたいの。9条だけ論じるのは、私はあまり賛成ではないですよね」
渡部氏
「よく9条を言う人がいるんです。それは前文を見ないとわからないです。前文には日本国民の安全と存在を外国に任せると書いてあるんです。その前文を問題にしないで9条だけを問題視するというのは、それはアンフェアな話です。日本国民の安全と存在を外国に任せたらもちろん、9条でいいわけです。9条というのはそれを前提に立っているんですよということですが、日本の中では9条をドンドン拡大解釈して、自衛隊もできていますので、当然変える必要がないというのは、それは目先の政治的判断であって、国家の根本から考えた話ではないと思います」

評論家 渡部昇一氏の提言:『国家安泰』
渡部氏
「ひたすら祈るのは日本という国の安泰であるということです。それはいろいろな政治家が知恵の限りを尽くし、守ってくれるということを祈ります。国民も懸命な判断を、選挙という形でしょうが、示していただきたいと思っています」

作家 堺屋太一氏の提言:『アフター2020年』
堺屋氏
「2020年代、人材からも、技術からも、場所からも、何もないです。2020年以降のことを誰も論じていない。こんな時代はなかったですよね。本当にすぐですから、5年先のことを誰もわからない、考えていないというのは大変危険ですね。従って、人口が減る、高齢化が進む、場所も新しいプロジェクトがない。こういう状態は余力がないから、直ちに『アフター2020年』、オリ・パラですね、を是非早く日本国としてテーマ、プロジェクトを立てていかなければいけないと思っています」

作家 石原慎太郎氏の提言:『新憲法』
石原氏
「憲法改正反対。日本自身の、本当の日本語による新憲法の樹立ということです。自分でつくったらいいです、前文から全部」