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2016年6月10日(金)
慰安婦『2つの財団』 10億円と少女像の行方

ゲスト

小野寺五典
元防衛相 自由民主党政務調査会長代理 衆議院議員
古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員
金慶珠
東海大学教養学部教授

日韓『慰安婦問題』の今 韓国政府『財団』設立へ
松村キャスター
「昨年12月28日、日韓両政府が電撃的な合意に達した旧日本軍による、いわゆる従軍慰安婦を巡る問題。まずはその合意内容をおさらいしていきます。この合意ですが、合意文書は存在せずに、日韓の外務大臣がその内容を口頭で説明したものだったのですが、岸田外務大臣が表明したのはまず軍の関与のもと、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題として日本政府は責任を痛感。韓国政府が元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府が10億円程度の資金を一括拠出。これが着実に履行されることを前提に慰安婦問題が最終的、かつ不可逆的に解決されることを確認。さらに両政府は今後、国連など国際社会で本問題について互いに非難・批判することは控えるとあります。韓国の尹外相ですが、少女像に対し、韓国政府と関連団体との協議を通じ、適切に解決されるよう努力する、このように表明しました。2 つ目、この合意に基づいて先月31 日、慰安婦を支援する財団を設立するための準備委員会が韓国で発足しました。今月末の設立を目指しているのですが、理事長は、韓国女性学会会長などを歴任し、4 年前の大統領選では朴槿恵陣営の女性本部長を務め、現在は設立準備委員会の委員長を務めています、金兌玄氏が就任する見通しとなっています。資金は日韓合意に基づいて、日本政府が10億円を拠出することになっています。金さん、この理事長に就任する予定の金兌玄氏はどのような人ですか?」
金教授
「ご紹介いただいた通り、女性学会会長ということで、非常に学者的には評価が高いのみならず、一方で、今回の設立準備委員会というのは、韓国の外交部、それから、女性家族部が主導してやっているわけですけれども、女性家族部に対する政治的な助言、諮問委員というのもやってきた。ただ、彼女の本来の専門は老人福祉、あるいは女性福祉の部分です。ですから、どうしても外交ですとか、あるいは国際法的には相当弱い。その部分を他のメンバー、たとえば、柳明桓さん、元駐日大使でもあり、韓国外交部の大臣でもあった。そういった人物が補佐するという現在そういった人的構成になっていますね」
反町キャスター
「全体としていかがですか?方向性としては、ちゃんと進めていこうというメンバーが揃ったと見ていますか?」
金教授
「メンバーとしては、そうです。現在、11人ですけれども、将来的には15人まで増やしていきたいと。そこには挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)を含めて、市民団体の関係者も入れたいと。もっと注目すべきは、そもそもこの財団の存続のスケジュールというのが、ちょっと暗黙裏に決まっているところがありまして」
反町キャスター
「立ち上がる日も、終わる日も決まっているの」
金教授
「ある程度、現在のところのスケジュールとしては、何か何でも来年の12月までには全ての事業を終えて、財団も解散すると。言い換えると、朴槿恵政権の時に全ての、日韓合意を履行するという、そういうスケジュールで現在、動いていると聞いています」
反町キャスター
「政権が引き継ぐ案件ではないという、そういうことになるのですか?次の大統領にはこの問題を引き継ぐことはないよと言っているようにも聞こえます」
金教授
「と言うよりも、朴槿恵政権で合意した内容ですから、朴槿恵政権のうちにこれを何としても完遂するということでしょうね」
反町キャスター
「一方、10億円ですけれども、金兌玄さんの発言、これがぶれているというか、ぶれているとは言わないのかというのも含めて聞きたいですけれども、もともと初会合の時に、日本政府が出す10億円については、これは癒し、慰安婦の皆さん、元慰安婦といわれる皆さんの心を癒すためのお金であって賠償ではないという発言をしたあと、直後に外交部の報道官の方が日本政府の責任、謝罪と反省の立場を実質的に裏づける、この実質的という言葉が僕は鍵だと思うんですけれども、実質的に裏づける措置であると話をしている」
金教授
「そもそも、この10億円というお金が賠償金なのか、あるいはお見舞金なのかを巡っては、日韓の間で立場の違いが存在します。韓国側にしてみればこれは賠償金であるべきだし、日本側にしてみれば、これは法的違法性や行為などを考えるとお見舞金であると。そこでお互い玉虫色の解釈になるわけですけれども、韓国の中の専門家、日韓関係の専門家、これは純粋に法律的な問題ではなく、もはや政治的な問題になっているわけですから、おっしゃったように実質的な賠償金と解釈するということで、それぞれの異論を封じ込めたいという政治的な思惑が国内的にあると思いますね」

日本『10億円拠出』の意味
反町キャスター
「古森さん、韓国外務省の報道官が実質的という言葉を使って、いろいろ見た目はあるんだけれども、日本側が別の言い分があるだろうけれども、日本はそう言っているのかもしれないけれど、実質的にはそうだよと韓国国内をとりまとめようとする努力というのはどう感じますか?」
古森氏
「それはあると思いますよ。朴槿恵政権がまとめた合意だから朴槿恵政権が実質的に履行をしていきたいと。政治家も完結状態に持っていきたいというね。これは一種の表明であって、そこの部分は誠意というようなものを、私もちゃんと十二分に認めますよ。ただ、現在の韓国の状況を見ると、韓国内部の政争にこの問題が使われていると。民間の財団がやっている挺対協ですか。この団体がどういうものなのかということを考えたりすると、これは韓国の中の政治状況が単なる日本側の求めている人道とか、思いやりとかということとは全然違う次元で取り上げられ、拡大されて、よじ曲げられている。この実態を我々は見据えなければいけない。ただ、そこへ我々が入っていってどうこう言う必要はないけれども、ここで評論することは自由だと思いますよね」

『2つの財団』の行方
松村キャスター
「慰安婦問題で、日本政府に謝罪や賠償を要求している韓国挺身隊問題対策協議会、いわゆる挺対協が、政府が設立する財団とは別の財団『正義記憶財団』を昨日、設立しました。理事長に就任したのは、挺対協元共同代表で、盧武鉉政権で女性相を務めた池銀姫氏です。理事は挺対協の常任代表の尹美香氏。顧問には6人の元慰安婦が名を連ねています。資金は日本政府の拠出金は受け取らず、募金などで、およそ9000万円集まる見通しで4月の総選挙で最大勢力となった野党、民主党もおよそ900万円を拠出しています。この市民団体が新たに財団を設立したことをどのように受け止めていますか?」
金教授
「韓国政府も非常に慎重にはなっていまして、この新しい財団に対して、政府としてどうこう言う立場にはないということで、直接的なコメントは控えているという状況です。ただ、慰安婦問題に対する韓国社会での情報発信力というものを非常に持っている団体であることは間違いないので、今後、この動きが最終的に政府の動きと一緒に収斂されるかどうかということですけれども、現在のところ、気になるのはそこに1つの政治的な動きというものが非常に読み取れると。つまり、『共に民主党』ですよね、現在、野党。韓国の場合は与党のセヌリ党と、共に民主党というのは現在、非常に勢力が拮抗し、お互い対立している状況ですから。そういった意味では、なかなか収斂されるのは難しいだろうと。そうなれば、政府は単独でやっていくしかないということにはなるかとは思います」
反町キャスター
「世論への影響はどのぐらいあるのですか?この正義記憶財団」
金教授
「世論への影響、新しい財団が設立されて、現在の段階で、直に影響ということはあまりないと。ただ、その事業が具体化されていくにつれ、世論が醸成されていくことを期待しているんですけれども、ただ、韓国の世論が敏感に反応するのは、こういう財団ができたとか、韓国の中での動きよりは、日本側の反応によって、韓国の世論というのは、随分乱高下するんですね。この慰安婦合意に関しても、当初は韓国では5割、5割の反応が出ていた。肯定的評価が50%。否定的評価が50%。ところが、稲田朋美さんですね、政調会長がああいうふうに慰安婦像撤去が前提で、そうでなければ10億円を払わないと言ったあたりから世論が一気に悪化したと。今月、確か日本の読売新聞、それから、韓国の韓国日報、この2つが、日韓の共同世論調査というものを出したんですけれど、現在のところ、韓国の中で、賛成というのは2割ぐらいまで減っていると。ですから、今後、日本側の政府の立場が、そういう意味では、ずっと少女像に関しても曖昧なままですよね。同じ自民党の中でこういう発言が出ても、それを抑える、あるいは安倍政権としての立場というものを明確にしない。発言は発言でさせるとなっていくと、韓国の世論が好転するのはちょっと期待しにくい。日韓の合意が、そもそも本質が慰安婦の方々の尊厳と、それから、名誉を回復するための事業であるという、本来の主旨に立ち返って考えれば、もう少し私は日韓両国政府が、ただ外務大臣が読み上げたから、これで全て終わりではなくて、合意自体も未来形の合意になっていますので、少し一歩踏み込んだ、何らかのメッセージの発信が必要ではないかと思います」
反町キャスター
「両国政府が?」
金教授
「同じように思います。韓国もそうですし」
反町キャスター
「それは、たとえば、これがお見舞金なのか、賠償金なのかというのは、はっきりさせなくてはいけない?」
金教授
「そこまでではなくて。たとえば、前から言われているのは、韓国の中の要望として出て、声ですけれど、あるのは安倍総理が自らの言葉で、別に韓国に向けてでなくても必ずしも構わないと。ただ、国際社会で、この慰安婦合意に対する意味というものを、あらためて強調するなり、何なり。総理の言葉で自ら言うというのは、これはインパクトが全然違う話でしょう。そのぐらいは十分できるのではないかと思いますね」
古森氏
「でも、安倍さん、何回も語っていませんか。日韓合意については、安倍総理が語った言葉が結構、公式の場で、随分あるのではないですか」
金教授
「でも、一方、合意のあと国会の答弁だったと思うんですけれども、私の言葉で、自ら語ることはないというような答弁もされていますので、そこはもう少し、当事国ですから」
反町キャスター
「存命の元慰安婦と言われる方々、確か43人ではなかったでしたか?」
金教授
「日韓合意当時、確か46名。それが現在は42名ですね」
反町キャスター
「その42名のうち、この正義記憶財団が、言葉悪いかな、抱えているというか、その仲間にしているのは顧問の慰安婦6人だけですか?」
金教授
「と言うよりは、42人のうち、国内に在住している方が39名。平均年齢89.5歳ぐらいになっていますから。今年年末には平均年齢90歳です。そのうちの、39名の中の、ちょうど3分の1、13名がこの挺対協と一緒に、一貫して動いていらっしゃると。つまり、現在の政府の合意にも明確に反対ですという立場。残りの26名が、全国いろんなところに住んでいらっしゃるわけですね。韓国政府としてはもちろん、挺対協の方々も被害者ですけれども、そうではない、その他の方々も被害者であると。だから、そういう方々と接触していく。ただ、この26名の方々は挺対協と違う意見なのかというと、そうではなくて、ここはここでまちまちな、いろんな個人的な想いを含め、意見があるわけですから。そこを収斂していく作業を始めたと」
反町キャスター
「では、26人全員が日韓合意を支持しているわけではないの?」
金教授
「必ずしも、そうではないのは現状です」
古森氏
「だけども、一応、受け入れているのではないですか?」
反町キャスター
「受け入れていると」
金教授
「受け入れる声は相当あるというふうに金理事長は言っていますね」
反町キャスター
「もともと42人だか、僕は43人の時に聞いていたんですけれど、2対1ぐらいでうまく割れれば、過半数の3分の2の人達、元慰安婦の方々といわれる方々を3分の2ぐらいまで日韓合意の方に引き寄せることができれば、あとは何とか押し切れるのではないかなということを語る方が何人かいたんですけれども、数としては、韓国政府はそこそこまとめ切ったという印象は?」
金教授
「ただ、これは、私は何か交渉事のようにアプローチする問題ではまったくなく、誠心誠意を持って説得することで、日韓合意の意義を評価すると」
反町キャスター
「でも、挺対協側についた13人、説得できるのですか?」
金教授
「それは、たぶん実質的には難しいと考えます」
反町キャスター
「無理でしょう?」
小野寺議員
「私達がよく理解できないのは、本来、こういう非常に不幸なことでの被害者の方々です。この方々の心の傷を癒して、少しでも日本として何かできないかと、日韓両国として協力してできないかということでスタートした話であって、私達が対象としているのは被害に遭われた方々です。この方々というのは、私達日本人の感覚から言えば、日本政府は、お詫び、反省も政府として総理が言っていますし、今回の形で少しでも心を癒してもらうための政府としての支援もする。できれば、そういうことをある面では誠意を受け取って、あとはそっとしてほしい。そっとしておいてほしいというのが人間の感覚ではないかと思うんですよ。ですから、私達の像をまたあちらこちらにつくっていただきたいとか、この話を世界中でもっと言ってほしいと、普通、日本人の感覚で言えば、この経験というのは何しろ恥を含めた重い経験ですから、そういう経験についてもし癒されるのであれば、それを私達どもが受け入れて、これ以上、この問題については、もうそっとしておいてほしいというのが、私は普通の感覚だと思うので。完全に、政治的にこの問題を使うために、挺対協というのが、むしろ被害者の方々を、言っちゃ悪いですけれども、ダシに使って、これを政治的な意図として使っているとすれば、本来の人道的な考えからできた団体とはかなり逸脱しているのではないかという、そういう残念な印象を持ちます」
反町キャスター
「古森さん、いかがですか?この団体、どのように見ていますか?」
古森氏
「この団体が、どういう本質、血筋であるかというのは非常に重要ですよ。韓国挺身隊問題対策協議会、これは簡単に言うと反日、反米、親北朝鮮の系譜が、ビシッと記録にあるわけです。ここの代表だった人のお兄さん、夫かな、国家保安法で逮捕だか、摘発されて、起訴されているのは北との、韓国の法律の違反をした形の接触だったということがあってね。それから、十何年前に、アメリカ軍の装甲車が、女子中学生を轢いて死なせてしまったという。その時に挺対協がバアーッと出てきて、アメリカ軍、アメリカの大使館の前かな、何かに同じような像をつくってやるという、慰安婦ではないけれどもね。おそらく亡くなった少女の像を作ると言って、これはさすがにアメリカから反対され、韓国政府も反対して、やめていると。ですから、ずっと長い間、この政治活動団体であって、人道というものは、むしろそれを道具に使っているのではないかなという形跡が随分ある。たとえば、ソウル大学の名誉教授の安秉直いう人が一時、挺対協と一緒にやっていたんだけれども、やめたと。これは人道主義だとか、慰安婦の方々を救うということが目的ではなく、日本とケンカすることが目的だということを言っている言葉が残っているわけですよ。だから、反日、反米、親北朝鮮。場合によっては、反韓だという、韓国の多数派に対しての体制を覆すようなところまでの傾向がある団体であって。この団体と人道主義だとか、お互いの真ん中のところで、譲歩して、和解してまとめましょうというアプローチをとってみたところで、まったく無駄だと思うんです。だから、これは、政府はそういうことが言えないと思う。でも、私達日本の国民で、ちゃんとした真面目な関心を日韓問題に対して払っている人間がたくさんいるわけですから、それで、韓国のことをよく知っている人もたくさんいるわけですから。そういう人達は提起しています。私は韓国問題専門ではないから、こういう場所で、こういうことを言って、韓国に行けなくなっても、韓国に行っていじめられても、金さんから嫌われても、あまり失うものはないけれども」
反町キャスター
「ただ、3分の1いるというのは、数としては結構な印象はないですか?」
古森氏
「だから、この慰安婦問題を日本に対抗し、日本を敵対視して続ける運動。それはそれなりに、韓国で意味があったと思うんですよ。それの主役になってきたのが、この挺対協ですよ」

『少女像』移設の行方
松村キャスター
「慰安婦の少女像ですが、適切な解決とは具体的にどのようなことなのか?」
金教授
「いや、そもそも私は少女像を移転する意思が韓国側に十分あったと思います。だから、そんなような…」
反町キャスター
「過去形ですか?もうなくなっちゃった?」
金教授
「現在は現実的に無理だと。現在この段階で少女像を移転するとなると、これは韓国の中の反発必至です。いわばそれこそ稲田朋美さんがおっしゃるように10億円で少女像を売ったんだという話しか聞こえてこない。現在やっとなんとかそれでも肯定的に評価する世論21%、これすらたぶん0%になる、そういう現実ですよ。私は日韓間のこの合意の問題を考える時に、常に強調しているのは、政府間の合意と、それぞれの国内における様々な意見というのは、これは区別して考えるしかない。ただ、政府が責任を持ってこの合意を履行するためには国内の様々な意見の中で説得できる部分をなるべく説得していく。相手国においてもそういった環境を配慮するというのが必要です。そういう意味で、日本側の姿勢として私が非常に残念なのは日韓合意をして、それこそ唾も乾かぬうちに自民党の政調会長の稲田さんからああいう発言が出る。それから、未だにメディアを含めて少女像を移転せよ、移転せよと言うけれども、これは果たして日本政府の立場なのか、というとそうではないわけです。日本政府が明確に…」
反町キャスター
「世論の一部を新聞が伝えることは、それは止められないでしょう?」
金教授
「だから、それは自民党の中の意見でもあり、日本の多くの、普通の人の意見でもあるならば、それはそれでいいです。ただ、少なくとも日本政府であれば、一言これは日本政府の立場ではありませんと言えば、韓国の中の世論もずっと変わるはずですけれど、それをしない」
小野寺議員
「今回の両外相の会談にあるような形で、この慰安婦像については、これは韓国政府が適切な対応をするよう、適切に解決するように努力すると書いています。ですから、私どもとしては当然、これは努力してくれるものだと思っていますし、そこがすぐなのか、時間がかかるのか、そこについては明確に明らかにしていませんが、少なくとも私どもは、ボールは韓国政府にあるということで努力してもらうということ。これは国際的な対外的な発信で韓国が約束したことだと私どもは理解をしています」
金教授
「私は、そういった認識が非常に間違っていると思います。その時に合意したのだから、あとは韓国側がやることだ、こちらとしては10億円を拠出する、それ以外にないというような姿勢では合意の精神に反すると思うんですよ」
小野寺議員
「1つお話をすると、稲田先生のお話を主に取り上げてお話をされていますが、自民党内には様々な意見があります。政治家はそれぞれの考えで発言をしていますから、誰か1人の発言が党全体の考えとか、まるで日本の政治家全部の考えという形で、大きくされると日韓の関係によくないので、当然、日本の中にいろいろな考えがあるということは是非、理解をしていただいて」
古森氏
「おそらく国民の何パーセントかわからないけれど、かなり私自身も含めて10億円も国民の血税から出すのであれば、せめて違法な慰安婦像を撤去するぐらいの見通しはつけてくださいよと。そこは完全に交換条件ではないけれど、必ずこれをやったらこれをしますということはあるんですよ、ということを少なくともそういう努力をしてくださいというのは、これは国民世論、国民感情、金さん、いろいろおっしゃるけれど、日本にもそれはあるわけですよ。日本の国民感情というのがあるわけでね」
小野寺議員
「ですから、今回の合意の中に明確に韓国側が努力をすると書いています。当然、政府間の話の中で努力をするということは、私どもとしては明確に少女像と言っていますから、それは一定の時間がかかったとしても努力するということを私どもは信じることが政府間の約束です。韓国も国として成熟した国家ですから、当然、国家間の約束は重いものだと私どもは理解をしています」

『世界記憶遺産』登録申請
反町キャスター
「両政府は今後、国連など国際社会で本問題について互いに非難・批判することは控えるという点から見ても、これは民間団体だからしょうがないという話で終わってしまう話ですか?」
金教授
「私はそう見るしかないものだと思うんです。まず主体が違うと。政府ではなく、民間団体ですから、たとえば、日本でも、憲法改正を政府が進めるとしても、憲法9条をノーベル平和賞に、みたいな民間団体があるわけですね。それはそれで日本の、1つの国民の意見だと。これも韓国の中でそういうユネスコ登録に対する意見があっても、それはそれで自然なことだし、今回、特に韓国だけというものでもまったくなくて、そもそも昨年、中国がこれを単独で申請してダメになった。それに加えて、韓国や日本も含まれています。台湾なども8か国14市民団体ですよね、やっているわけですから、これを日韓合意違反だというのは上げ足取りになると。もう1つ大事なのは、私はいつの間にかこのユネスコへの世界遺産登録問題がお互い政治的な攻防の場になってしまっているように思うのですが、私はどのような世界記憶遺産の登録であれ、これは政治的に相手を責めたり、評価したりするものではなく、純粋に記憶を留める、記憶を共有するという原点に立ち返ってきちんと審査が行われ、皆が納得するような登録のプロセスを確立すべき問題だと思っています」

日韓関係『改善』か『悪化』か 歴史問題と国民感情
反町キャスター
「先日、オバマ大統領が広島に来ました。広島に来た時に韓国人の被爆者の方々がそこに参加して、オバマ大統領の謝罪を求めるとか、求めないとか、という動きがありました。このへんのところについて。日本人や日本政府が謝罪は求めない。静かに大統領の言葉を皆で待とうよと言っている時に、そういう形で入ってくることに違和感があるのですが、これは韓国の方々にしてみたら、当たり前の要求なのですか?」
金教授
「いや違います、そこはもうちょっと丁寧に見ていく必要があって、同じ被爆者ですよね。日本人もいて、だから、オバマさんが言ったように数万人ぐらい朝鮮人の人があった」
反町キャスター
「数千人?」
金教授
「いや、解釈は広いんです。数万人規模というところまで韓国では言っている。ただ、この人達が日本人の被爆者達と同じようなケアを受けてきたか、補償を受けてきたのかというと、そうではないですよね。戦後、結局、韓国に帰った人達とか、日本国籍を有しないとなると、被爆者であっても、それに対する支援は不十分で…」
反町キャスター
「日本政府に言えばいい話だと…。オバマ大統領にする話ではない?」
金教授
「だから、日本の民間団体とか、いろんな支援をしてきましたけれども、やっと最近になって、高齢者の人には日本の被爆者と同じような、たとえば、病院治療を受ける権利というのが、2013年頃に認められたわけです。ですから、その人々の想いというものを単純に、ここに来て騒ぐと、私は韓国政府であれ、日本政府であれ、あるいはお互いのメディアであれ、簡単に言うことはできないと。独特の歴史があるということがまず1点ですね」
古森氏
「ただ、この問題、韓国側ではオバマ大統領は広島に行くなと、そういうような世論というか、マスコミに体現される動き、声というのは随分強くあったんです。これは日本人を戦争の被害者として印象づけてはいけないという、私はこちらの方も同様に日本にとっては意味がある。韓国の人達の本音みたいなものがちらっと出てきたなという」
金教授
「オバマさんの広島訪問に対しては、中国政府は明確に誤ったメッセージを日本に出した。韓国は基本的に歓迎すると。核なき世界の実現に向けて協力していくのは大事であるということが韓国の基本的な立場です。しかしながら、一方で、慰霊碑から150m離れたところに、朝鮮人の慰霊のモニュメントがあるわけですから、あそこにも立ち寄ってほしいということ、一定の要望をアメリカ側にしたのではないかと言われています。結局は、それは実現しなかった」

安保『日韓連携』の行方 『GSOMIA』への壁
松村キャスター
「日韓防衛相会談では中谷大臣がGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を早期に締結することを要請しました。韓国側は当面、日米韓3か国の枠組みを使うということです。緊急連絡体制、具体的にはどのようなことでしょうか?」
小野寺議員
「現実にあるのは、いわばその次長級のレベルでのホットラインというか、そういう関係はあるので、それをもうちょっと上の大臣級までしたらいいのではないかということと、問題はその時にどういう情報をお互いにやりとりできるかということですが、当然、安全保障上ですから防衛機密に関わるような情報もあります。たとえば、大臣間で、ホットラインで話をする時に両方の秘密を守る協定がないと、実は具体的な防衛機密の話ができないわけです。そうすると実際、北朝鮮のミサイル対応をする時に、現在こういう部隊があって、こういう動きがあって、日本はこういう対応をしていて、韓国としてこういう対応でしょうかと。そういうやりとりが実はこういうGSOMIAがないとできないわけです。ですから、ホットラインがあっても実は深い話ができない。現在どうやっているかと言うと、日本はこういう情報をアメリカに伝えると、アメリカはその情報を韓国側に伝える。韓国側の情報はアメリカに伝わって、アメリカの情報は日本にくる。言ってみれば、お互いに1回アメリカ経由で話をしているということになりますので、お互いに北朝鮮の脅威を一緒に感じている国ですから、3つがそれぞれダイレクトでつながるようなこのGSOMIA、言ってみれば、防衛秘密をもらった場合にはそれは外に漏らしませんよ。こういう約束をしっかりして、この関係を強くすることが日本だけではなく、東アジアの安全保障に当然重要なことだと。ですから、中谷大臣からこの話を持ちかけていますし、私が防衛大臣の時にも何度も実はGSOMIAについては先方に話しています。ただ、本当にもう少しでこれはお互いに合意しそうな直前になって、韓国側からちょっと待ってと言われた。そういう意味では、韓国が常にこの問題については国内の世論も感じながら慎重になっているなという印象はあります」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の提言:『公正と平等』
古森氏
「日本には韓国統治が悪いことだったということで謝罪するなり、賠償するなり、国交正常化ということで、いろんな形で、日本に負い目がありますけれども、ある程度のケリはついているわけだから、これからは公正と平等ということです。たとえば、ヘイトスピーチの法律が日本でできたけれども、私は韓国でもヘイトスピーチの法律をつくっていただいて、日本のことを誹謗したら、これを罰するというようなことを提案したいです。それが公正とか、平等ということの極めて具体的な例です」

金慶珠 東海大学教養学部教授の提言:『まじめ』
金教授
「日韓関係はこの4、5年、あまりにも混乱を極めたと。やっと昨年あたりから前向きな方向に転じていった。しかしながら、今日の議論でもあるように、頭に血が重いというのがまだ残っています。しかしながら真面目に、それこそ粛々と日韓関係のお互いの存在意味というものを見つめ直しつつ、関係改善に向かっていくべきだと思います」

小野寺五典 元防衛相の提言:『長期視点』
小野寺議員
「長期的な考え方で行うべきだと思っています。先ほど来、従軍慰安婦問題もそうですし、それから、今回のGSOMIAもそうですが、急に何かが動くということは、そう簡単ではない。韓国の国内でも様々な世論がありますし、日本の国内にも世論がありますので、私ども政治の立場としたら、少し腰を落ち着けて、長期的な視点で、結果を急がずに、ただ、前に少しずつ進んで行く、そういうことが重要かなと私は思っています」