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2016年6月6日(月)
舛添知事精査を精査 ▽ 県議選での民意を読む

ゲスト

西銘恒三郎
自由民主党衆議院議員
赤嶺政賢
日本共産党衆議院議員
岩井奉信
日本大学法学部政治経済学科教授(前半)
伊藤惇夫
政治アナリスト(前半)
森本敏
元防衛相 拓殖大学総長(後半)
前泊博盛
元琉球新報論説委員長 沖縄国際大学教授(後半)


前編

第三者が見た『政治資金の使途』
秋元キャスター
「本日夕方、東京都の舛添都知事が政治資金を巡る一連の疑惑について、調査に当たった弁護士とともに調査結果の公表会見を行いました。その中で違法なものはなかったとしながらも、いくつか事例を挙げ、適切なのか、不適切なのかというのを説明しました。そのポイントを個別に見ていきたいと思います。まず、政治団体間の寄付については問題なしとされました。さらに、自宅を事務所とした家賃収入、自動車の購入について、これらも問題なしとされました。書籍の購入については美術書などについては問題なしとされる一方、時代小説や『クレヨンしんちゃん』などについては不適切とされました。絵画、版画の購入についてはあまりにも多すぎるということで、不適切となる一方で、書の購入については問題なしとされています。額縁の購入、まんじゅうの購入、ディスカウントストアでの購入、上海で購入した中国服やブランドバッグの購入など、これらについても問題なしとされました。宿泊代金6件については、主たる目的は家族旅行であり、家族同伴であるため不適切となっています。飲食代金についても、うち14件は家族との飲食代の可能性が強いとして不適切とされました」
反町キャスター
「第三者委員というのもに委ねて、自分のやったことを今回判断してもらったような形になっていますが、どう受け止めていますか?」
伊藤氏
「一言でいうとアリバイ工作だと思うのですが、舛添都知事、この前の定例会見で政治資金規正法に精通した検察出身の弁護士だと言っていますよね。当初から、政治資金規正法には引っかからないだろうと。政治資金規正法をよくご存知のはずですから。だから、それを権威づけしてもらうために、敢えて精通した弁護士の方に依頼するというところを強調したかったのだろうなと思いますけれども。誰が見てもそうですけれども、こういう結論が出るのはわかりきっていて、法的に問題がないから続投をしますよと、辞任をしませんよという、舛添都知事流のシナリオが普通に、予想通り進んでいると。そんな感じではないですかね」
反町キャスター
「アリバイ工作と言われると、これを検証していくのもどうかと思いながらも聞いていかざるを得ないですけれど、全体を見ると問題なしと言われる項目と不適切とジャッジされたものがいくつか混ざっているのですが、4つの問題なしとされた項目の中で、たとえば、毎月40万円ちょっとぐらいでしたか、家賃収入、あとは自動車の購入とか、比較的大きな金額で動いたものについていずれも問題なしとされているんですけれど、岩井さん、これはどう受け止めたらよろしいのですか?」
岩井教授
「自宅、事務所については世間的に相場よりも高いのではないかと言われている。これを家賃部分、それから別の部分で分かれるという形で、そうであれば相場と変わりはないのだという説明をした。ただ、根拠となるものがどうなのかというのは必ずしも明確でない。公認会計士に相談したとは書いてありますけれど、さあ、果たしてそうなのか。それから、自動車について見ると最後のところで政治団体間を自動車がこう動いていくんですよね。そこのところの説明がないですね。対象的には、泰山会に無償で提供されたと書いてあるのですが、ではなぜ4月30日にグローバル研究会が解散する日にわざわざグローバル研究会に車を動かしたのかというようなところについての、ちょっと不可思議なところがあるのですが、これについては説明がきちんとされていないなという感じはありますよね」
反町キャスター
「そういう問題を含めても違法性はなく不適切な問題もないという、問題なしと判断したところについては、ここはどう感じますか?」
岩井教授
「要するに、法律的、形式的な問題としては一応、報告はしていると。報告をしているから問題ないだろうということなので、では、なぜそういうふうに自動車がいろんな団体を動いていったのかという説明はない。確かに、動かしてはいけないことはないですけれども、なぜそうなったのか。なぜの部分がどうもはっきりしないなというのはありますよね」
反町キャスター
「ちょっと気にかかるのは、問題なしシリーズ。書とか、額縁とかありますが、まんじゅうとか、ディスカウントストアの物品購入とか、中国服とか、ブランドバックとか、ここのところがいわゆる公私混同の最たる部分の一部とも言われる中で、これは問題なしとされたのですが、岩井さん、我々はどう見たらいいのですか?」
岩井教授
「政治活動に使ったと言えば、何でも通ってしまうというのが政治資金規正法。確かに基本的には、舛添都知事のこの問題というのは政治資金規正法の欠陥の問題だと思いますよね。政治資金規正法という法律は収受、受けることについてはいろいろな規制があるんです。ところが、支出については不動産を買ってはいけないという規定はありますけれども、その他には何も規制がないですね。と言うことは、政治活動の自由という、憲法上の建前のもとで何に使ってもいいのだと」
反町キャスター
「まんじゅうを買うのも政治活動だと言ってしまえば、それまでの話?」
岩井教授
「言ってしまえばそうだし、それから、極端な話を言えば、家族旅行と書いても、別に問題はないですね。と言うのは、政治資金収支報告に嘘を書いてはいけないというのははっきりしているんですけれども、家族旅行というのは本当のことを書いているわけですから、政治資金規正法上、問題はないということになってしまう。視聴者の方は誰も納得しない問題だと思うんですけれども」
反町キャスター
「そこのところちょっと納得できないのですが、どういうことですか?」
岩井教授
「要するに、その支出については何も規定がないですね。何に使ってもいいと」
反町キャスター
「では、政治資金収支報告書と言いながら、政治活動以外の目的で使っていても問題にならない?」
岩井教授
「要するに、法律上は問題にならない。当然、政治資金というのは戦後の民主主義に資するためということですから、大目的、あるいは意義の点からすれば問題だけど、これはあくまでモラルだとか、道義的な問題であって法律上は問題ない。だから全てが法律上、問題はないということになってしまうんですね。今回のキーワードは不適切だけど、違法ではないということです」

政治資金『不適切な使途』は?
反町キャスター
「宿泊代金と飲食代金の不適切な部分なんですが、どのようになっていますか?」
秋元キャスター
「調査の結果、是正が必要とされた宿泊費、全て主な目的が家族旅行と判断されたものです。2011年1月の横浜市のホテルへの宿泊や、報道されてきました千葉県木更津市のホテルでの宿泊費等6件、金額およそ80万円にのぼっています。是正が必要とされた飲食費ですが、家族での飲食の可能性が高いとされたもので、舛添都知事の別荘近くの回転寿司店や、舛添都知事の自宅付近の飲食店など14件、金額がおよそ33万円にのぼります」
反町キャスター
「この宿泊・飲食費の中で、不適切にするのものと、問題なしとするものとの分別があったんですけれども、これは岩井さん、どう理解をしたらいいのですか?」
岩井教授
「要するに、政治活動の一環としてお泊りになっていると。よくあるのが、経済事情の視察とか、あるいは観光業の実態を見るだとか、いろいろ理由をつくるんですよね。そういうところについてみれば仕事だと認められる。しかし、家族と泊まっているということがあるので、これについてはあまり認められてはいけませんと。言ってみれば、世間の批判に対する対応に過ぎないですよね。これも実は家族で泊まったかどうかは本人が1番ご存知なはずですね。お正月、あるいは夏休みの時で、何年の正月にどうしていたかというのは、我々だって何年か前はすぐわかるわけですから。これはそもそも第三者の力を借りる必要なんかないわけですよね。だから、最初からご本人が仕分けの時に、何でこれを公的なお金の方に仕分けをしたのか。そこが本来、問われるべきだろうと思います」
反町キャスター
「伊藤さん、この飲食に関しては、政治家の皆さんの飲食の感覚って、どこで誰と会っているかが非常に大切ではありながらも、家族だけとの会合というのがその中に紛れ込んじゃうというのもある程度、仕方ないのかなと、ちょっと生活リズムを知っている者、多少理解している側からするとこの選別は非常に難しいような印象もあるんですけれども、ここはしっかりひとつひとつ検証していかなくちゃいけないものですか?」
伊藤氏
「今回、これだけ批判を受けたから敢えてやったのだろうとは思いますけれど、確かに反町さんの言う通りで、時々紛れ込んじゃう可能性というのはあるんですよ。ただ、それを勢いで、どこの領収書かわからないやつを全部、会計責任者に渡したのは舛添都知事ですから。より一層、混乱してしまうというのは当然のことで、プライベートの部分と政治活動の部分を、本来なら仕分けして舛添都知事が渡さなければいけないところをやっていなかったというところに非常に問題がある」
反町キャスター
「細々と金の話とかを聞きたいながらも、なかなか難しい話だなと思う部分もあると思うんですけれども、西銘さん、この分別の仕方とか、宿泊費や会合費の区別の話、どう感じますか?」
西銘議員
「政治家とお金という点では大変厳しく見ないといけないと思いますし、法律に違法性がないということとは別に自らの倫理感を厳しくやらないといけないとは思いますね。かつてともに国会活動をした先輩としては、もうこういう問題よりも本来の政治の仕事で話題になってほしいと思います」
赤嶺議員
「私達日本共産党の都議団としては、舛添都知事の政治資金問題については、まず自らが議会に説明をすべきだと。議会は百条調査委員会、強い権限を持った調査委員会をつくって、本当に政治資金の使い方が政治家として適切であったのかどうか。いわば政治家としての誠実さの問題と道義上の問題と、都知事としてこれでいいのかという都民の疑問とに答えていくというのを明らかにしようと努力しているところですが、今日の記者会見、私もチラッとしか見ていないですが、明日から始まる都議会の代表質問、一般質問に対して追及されたら、第三者委員会がこう言っていますと逃げまくって、自分の言葉では説明しないカモフラージュを、今日のうちに用意をしたという極めて不誠実さというのが見えてくる感じがしました」
秋元キャスター
「約1時間にわたって行われた舛添都知事の会見ですけれども、その中で今後の対応についてこのように触れています。不適切な宿泊費、飲食費については個人資産から慈善団体などに寄付する。美術品などについては美術館などに寄付する、もしくは東京都の病院などで活用し、湯河原の別荘については第三者に売却するとしています。さらに自分の進退について、現在は全力を挙げて都民のために働きたいと話をしています」

返金・寄付…『今後の対応』は?
反町キャスター
「様々な方向で対応策を打ち出してきた、この全体としてのイメージ、対応、どう見ていますか?」
岩井教授
「ここまで大きく問題になった時、国会議員の場合などは、役職を辞めるという形の責任の取り方をされていますね。しかし、国会議員を辞めていない。舛添都知事の場合、役職を辞めた途端に知事を辞めるわけですから、この責任の取り方はできないのだということになるわけで、となると、できる範囲のものは何だろうかという中で、当然、不適切なところはお金を返す。それから、ちょっと驚いたのは問題のある種原点であった、湯河原の別荘は売却をするというというような形でもって、これは納得できるかどうかわかりませんけれども、1つ、一定の責任はとるのだと。しかし、辞めない。前提にあるのは辞めないということを、有権者がどう納得をするのかというのを逆算していくような形で、この結論が出てきたのかなという感じはありますよね」
反町キャスター
「宿泊費、飲食費に関しては、返却とは何かなと最初思ったら、要するに、返金かと。それも、国庫に返納するとかそういう意味ではなく、その個人資産から慈善団体などに寄付をすると。これはどういう意味なのですか?」
岩井教授
「舛添都知事の問題になっている政治団体は既に解散して存在しないわけです。ですから、返金のしようがないと。行き場がないですね。だとすると、どうするかと言うと慈善団体に寄付。ただし、東京都は舛添都知事の選挙区になりますから、公選法上できないので、東京都以外のところで寄付をされるということになったのかなという感じがしますよね」
反町キャスター
「伊藤さん、舛添都知事の今後の対応。いろいろな寄付とか、絵を扱ってくださいとか、別荘売却ですとか、この様々な方策、どう見ていますか?」
伊藤氏
「今後ではないだろうと。問われているのはこれまでです。だから、逆に言うと、反省をするとかではなく、それでは何でこんなことをやったのですかと。そこの部分の説明が一切ないですよね。政治家、長年やってらっしゃる方ですから、政治資金規制法の中身もよくわかっているし、ましてや新党改革の時代というのは、7割以上が政党交付金ですから、税金ですよね。その税金をこういう形で使って良いか悪いかというのは普通に考えれば判断ができるわけでしょう。そういうことも含めて、何でこんなことをやったのかというのを説明してもらわないと、別荘を売るとか言われても、それではないだろうという話になってしまうので、これで納得をされる方はほとんどいないのではないのかなと思います」
反町キャスター
「確かに湯河原の別荘の売却というのが非常に違和感というか、驚いたんですけれども、伊藤さん、この別荘の売却で何をしたいのですか?」
伊藤氏
「要するに、自分はこれだけ反省をしているよと」
反町キャスター
「もう行かないということを言いたいわけですか?反省の証になる?」
伊藤氏
「これは定例会見の発言と極めて矛盾をするところがたくさんあるわけですね。この別荘にしたって、別荘に行かなければ頭がクリアにならないとか、散々おっしゃっていたわけですね。必要ならば、別に使えばいいですよ。そこがなぜここで売却という話になるのか。批判を受けたからと言うけれども、きちんと本人が説明をできるのであれば。たとえば、高額な海外旅行にしても、ファーストクラスにしても、スイートにしても今後、やりませんという話ですよね。そうではなくて、必要だったら、何でそのまま使うとは言わないの。逆に言うと、必要ではなかったのねと。だったら、それを正直に言いなさいという話になるんですよね」
反町キャスター
「今後の対応というか、様々な対応の最終的な狙いというのは、自分が知事を辞めずに済ませるにはどうしたらいいかというところから逆算しているような印象を受けるんですけれども、伊藤さん、そこはどう感じますか?」
伊藤氏
「当然そうだと思いますね。ですから、今日、会見の冒頭で盛んに自民党を持ち上げていたんですね。自民党時代、非常に厳しかったと」
反町キャスター
「政治資金の規制が、チェックが厳しかったと」
伊藤氏
「ただ、私の記憶では、自民党の議員もそうだし、他党の議員もそうですけれど、政党助成金で問題を起こした人はたくさんいるんですよ。にもかかわらず、ここで敢えて自民党時代は厳しかったと。新党改革になって緩くなっちゃったと言っているのは都議会自民党へのサインかなと思っちゃうんですね」
反町キャスター
「舛添都知事、このまま辞めずに最後までいけると見ていますか?」
伊藤氏
「最後がどこなのかね、それによると思いますけれども、少なくとも6月議会は、日程的な、物理的なことを考えても追い詰めるのはかなり厳しいと思いますね。総務委員会が集中審議を開けるとしても13日と言われていますから。もし追加で14日もやっても、15日で閉会ですから。ここで追い詰めるというのはなかなか難しいだろうということになれば、9月議会ぐらいに何か動きが起きる。あるいはそこまでに何らかの動きが水面下で進んでいくという可能性があると思います」
反町キャスター
「ただ、これまでの知事が辞めさせられる流れというのは、その直後に、たとえば、都議選があるとか、国政選挙があるとか、このままでは知事では戦えないぞという形がどこからか上がってくる時に、いろいろなパワーが働いてくる部分があったと思うんですけれども、今年9月、そういうモメントがあるのですか?」
伊藤氏
「いや、ないからそのへんで。現在やってしまうと知事選をすぐにやらなければいけないですね。参議院選挙のセットになるかもしれませんね。あまり遅らせると、来年、都議会議員選挙がありますよね。ですから、間をとれば、そのあたりということになるのではないですかね」
反町キャスター
「岩井さん、いかがですか?舛添都知事に残されたカード、どんなものがあると感じていますか?」
岩井教授
「なかなかないでしょうね。あとは百条委員会をどうやって開かないようにするか。舛添都知事のこの問題はほとんど国会議員の時の問題なので、百条委員会は地方自治に関することだから、都知事、都議、都の運営の問題になっているので、まだちょっと百条委員会を開くにはまだ弱い状態にあると。となると、これからまだまだ出てくることもあるかもしれないので、なるべく開かせないようにするというような形で先手、先手を打つと。だから、別荘の問題というのも都議会運営上の問題でしたから、先手を打ったのかなという感じはありますよね」


後編

沖縄県議選が示した民意は? 米軍基地めぐる翁長県政の行方
秋元キャスター
「今回の沖縄県議会選挙の結果をどのように受け止められていますか?」
西銘議員
「県政与党系が27、知事の言葉を借りると大勝利ということになった結果は、数字の上では事実だと思っています。ただ私が注目しているのは、いわゆるもともと保守系の市議団でオール沖縄と言って翁長知事についていった候補者が3名全て落選しているんですね。ここのところが今後どういう展開になるのかなという意味で、私自身はそこを注視しています。自民党は推薦を含めて1つ議席は増えましたけれど、象徴的なのは社民、共産、いわゆる県政与党系が1人ずつ会派を増やしているという意味で、知事は大勝利という言葉を使ったんだと思います」
赤嶺議員
「私達日本共産党はこれまでの5議席を6議席に前進させることができました。今回私達が県議会の過半数は絶対に確保しないといけないという強い想いで全力を挙げて戦ったのは、翁長知事が一生懸命やっている努力が妨害されるようになったら、せっかく前進してきた辺野古の新基地建設ストップの課題がまた混乱をしていくということだったのですが、私達の予想を超えて与党27議席、定数48の過半数ですから、かなり安定的な過半数を獲得したということで、これは知事がんばれという、県民の強いエール、あるいは知事とともに県民もがんばるぞという強い後押しがなければ出てこないような数字だったのではないかなと。これからの戦いに展望を切り開く県議会の構成になったと思っています」
森本氏
「沖縄の県民が投票されたわけですから、結果というものを我々は素直に率直に受け止めないといけないですけれども、政治の現実から言うと、これが次の国政の選挙にどういう影響を与えるのかなということを我々は非常に注意して見ています」
前泊氏
「自民党は本当によく生き残ったなという感じがしますね。ただ、5人の新人を立てていますけれど、これは全部落ちていますね。現職が何とか踏みとどまったという感じですけれども。意外に思ったのが、例えば女性死体遺棄事件、これは暴行殺人という疑いですが非常に黒い、残虐な事件ということがありました。それが起こって、なおかつもう1つ、覚醒剤の問題も出ました。それから、飲酒、暴走ですね、こういったものが立て続けに起こっているにも関わらず、それでも基地を認めるという意見がありますよね。消極的な政党が評価をされるんです。そこらへんが非常に難しいとこだと思いますね」
反町キャスター
「辺野古の移設についてはブレーキがかかった結果だと思いますか?」
前泊氏
「移設は困難ということですね」

沖縄の『民意』と基地負担 日米地位協定の問題点は?
秋元キャスター
「実情として、どのような関係者が軍属となるのでしょうか?」
森本氏
「これはこの言葉だけではなかなか難しいですが、アメリカは世界で四十数か国の同盟国とこの種の協定を結んでいて、たとえば、NATO(北大西洋条約機構)はNATO協定というのを地位協定でやっていて、その地位協定のもとに、今度は各国2国間の、たとえば、秘密になっているものもありますけれども、ドイツだったらボン協定のような協定があって、その中でそれぞれの定義が決まっているので。日米の地位協定についてはこういう表現になっているのですが、1つずつ厳密に、この人は雇用、この人は勤務、この人は随伴、というのは非常に難しいですよね。私も自衛隊にいる時、私の前に軍属が勤務して、ずっと一緒に勤務していました。軍人でもなく技術者ですね。特殊な技術を持っていて、それがいわゆる在日米軍に雇用され勤務している。それは一般の家庭に家族と一緒に住んでいて、軍の規則とはほとんど関係のない自衛隊の中に勤務していて、それが軍属です。軍属というのはいろんな種類があって、たとえば、イラク、アフガニスタンで軍属として雇用されている人というのは、米軍そのものを一般の民間会社が雇用して、さらにその軍隊の兵員を銃を持って守っている警備会社の社員みたいなもの。それも地位協定上の特権を与えて軍属になっている。いろんなケースがあって、この言葉だけでどういう人なのかというのはなかなか難しいですけれども、1番大事なことはこの3つの合意の中で表現が必ずしも適当ではないですけれども、地位協定上の軍属の明確化というのは定義を明確にするように見えますけれども、そういうことではなく米国人の取り扱いについて見直しましょうということを約束したんですね」
前泊氏
「今回の事件でも軍属という問題が出ていますけれど、軍属の明確な規定もないままに特権が与えられてきているんですね。たとえば今回の女性死体遺棄事件の場合、軍属ではないという話になったんです。なぜこれが急に軍属になったかと言うと、沖縄の米軍が彼に地位協定上の軍属の地位を、ステータスを与えたんですね。これは国防総省が、今回の事件が起こった時に、我々が雇っているわけでもないし軍人でもないと、これは地位協定の問題外とタカをくくっていたんですね。在日米軍司令官も同じようなことを言いました。彼は雇われている出入り業者に過ぎないと言ったんです。ところが、在沖米軍の最高司令官は、彼はステータスを持っている、軍属であると。我々が全責任を負うと言った。彼はカードを手にしていることを見せたんですけれども。軍属でなければ、公務中、公務外は関係ないですね。日本の法律で裁くことができます。ところが、軍属だということで、この容疑者が公務中だと言ったら、アメリカ側が身柄を帰せと言ったら、帰さなければならないです。今回の場合、軍属がとても重要ですけれども、誰が軍属の資格を与えたのかということです。つまり、国防総省も在日司令部も、彼が軍属の資格を得るような人間ではないということを思っていたわけです。しかも、それは、私も沖縄の米軍関係者になぜ彼が軍属なのかと聞いたんですけれど、そうしたら、ただラッキーだっただけだと。軍属の資格をたまたま誰かがくれたんです。特殊な能力がなければ本来は軍属の資格も与えられないし、彼でなければできない仕事、あるいは軍の中のどうしても重要な仕事があり、それは軍人ではないけれども、という場合だけ軍属なんですね。地位協定の運用改善という前に、軍属というものが恣意的に運用されて、勝手気ままに乱暴に使われていること自体が明らかになったから問題なんですよ。誰がこれを決めたんだと」
森元氏
「今回の場合は公務中ではないので、明らかに今回アメリカには第1次裁判権がない。日本側にある。本当に契約をして、米軍に勤務している人で軍属と見なし得る。日本側も見なし得る。アメリカもそうであるといった場合については特権が与えられるべきだけど、契約上もよくわからないというものについては、そもそもアメリカには裁判権がなく、日本側に全てあるんだというふうに仕切りをするということができないのか、それを話し合うことができないのか。そこで先ほど申し上げたように、軍属を含む地位協定上の地位を擁する米国人についての取り扱いをこれまでと違った見直しができないのかと」
反町キャスター
「地位協定についてどう思っていて、どこから手をつけたらいいのか?」
西銘議員
「地位協定のこの議論をしていても、見ている国民の方は全然ピンとこないと思うんですよ。ただ、沖縄県で米軍人、アメリカ国籍の人が何か事件、事故を起こした時に、米軍基地の中に逃げて行ってしまって、日本の法律が及ばなくて、うやむやになったという歴史が1945年の終戦以降、復帰するまでの間からずらっと表に出ない数も含めてたくさんあると。それで今回は1つ女性の死体遺棄事件をとって、地位協定を改善してくれというのは、県民感情としては日本の法律で裁きたいと。ですから、具体的に言うと17条5項のCの、起訴しないと身柄をとれないというのは感情ですよ、感情。とにかく我が国の法律でちゃんと捜査し裁かせてほしいという非常に強い感情があると。だから、運用の改善と言っても県民は納得しなくなっている。運用の改善ができるのであったら、なぜ運用改善したものを条文に上げて明確に出せないのかなというぐらいの感覚で。」
反町キャスター
「今回は、そういう意味で言うと…」
西銘議員
「今回の事件に関してはまったく問題はないですよ。まったくない。県民感情からすると、17条5項のCを削除して、A項の運用の改善をしても現場の警察だって何でもかんでも身柄をとろうとはしないと思いますよ。現場の警察に任せて、凶悪犯罪の際には運用の改善ができていると言いますけれども、運用の改善のものをなぜ17条5項のCを削除し、A項の運用の改善でできないかというような、ある意味、県民感情は歴史の中で様々な事件事故で積み重なっていると思った方が国民はわかりやすい」

西銘恒三郎 自由民主党衆議院議員の提言:『日米同盟は安全保障の基軸』
西銘議員
「使い古された言葉のように聞こえますけれども、アメリカの大統領選でトランプ氏の発言を聞いていると日米同盟についてアメリカ側から何か出てくるのかなと懸念すらするので、ここはしっかり平和な県民の国民の暮らしを守るためにも安全保障というのは日米同盟が基軸であると。それに沖縄も大きく関わっていきますけれど、この点を再確認しないと、トランプ氏が大統領になったら、どうなるのかなという懸念も含めての言葉にしたいと思います」

赤嶺政賢 日本共産党衆議院議員の提言:『基地のない沖縄』
赤嶺議員
「私は日米間の、基地のない沖縄、ここへの転換を真剣に歩み出す必要があると思います。安保条約の矛盾が1番集中している沖縄で、まったく安保条約が支持されていない。信頼されていない。それは基地あるが故にということですから、今一度、戦後の出発点に立ち返って、基地のない沖縄をあらためて日米両政府がつくっていくという決意を持つべきだと思っています」

森本敏 元防衛大臣の提言:『日米同盟に基づく抑止 強化の基盤とすべし』
森本氏
「西銘先生と基本的に同じですけれども、この3日間、日米で富士山会合というのを150人以上で議論してきましたが、アメリカのリバランス政策は今後どのような政権がアメリカにできようとも、日本側がこれを支え、日本の国家の安全を維持していかないといけないのですが、その際、重要なことは沖縄の持っている戦略的な位置というものを最も重視して、日米同盟の強化をはかる、この一言に尽きると思います」

前泊博盛 元琉球新報論説委員長の提言:『軍事基地から経済基地へ』
前泊氏
「軍事基地であり続けると沖縄にとって非常にダメージが大きいので、そろそろ経済基地に変えていく。これはアメリカにとっても、日本にとっても、アジアにとっても、プラスになるような、その拠点に沖縄があってほしいと思っています。日米同盟が基軸と言っていますけれど、そんな時代でもない。アジアも全部含めて、どういうふうに安全保障体制をつくるかという、多国間安保も含めて考えなければいけないのに、いつまでも日本はアメリカだけと思っていますよね。アメリカ以外にも視野を広げ、総合的な安全保障を考えるべき時期にきていると思いますね」