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2016年5月31日(火)
消費税政局核心を問う 石原大臣と野党の本音

ゲスト

辻元清美
民進党役員室長 衆議院議員(前半)
穀田恵二
日本共産党国会対策委員長 衆議院議員(前半)
田﨑史郎
時事通信社特別解説委員(前半)
石原伸晃
経済再生担当相 自由民主党衆議院議員(後半)
伊藤元重
学習院大学国際社会科学部教授(後半)

民進・共産幹部に問う 内閣不信任案の否決
秋元キャスター
「野党4党の内閣不信任決議案が否決されました。辻元さん、数の上で不利である野党がこのタイミングで内閣不信任決議案を提出した狙いは何でしょうか?」
辻元議員
「狙いというか、国会が閉じるにあたって、私達は、安倍政権、おかしいじゃないかという意思表示をきちんとすべきであるということで、協議した結果です」
反町キャスター
「もともと決議案の理由が示された時には、最初に立憲主義と平和主義への挑戦であると。次がアベノミクスだったんですけれども、今日、岡田さんが読み上げた時にはアベノミクスが1番上にきているんです。順番というのは当然、提案理由を説明するにあたって岡田さんがお決めになったと思うんですが、順番差し替えには何らかの民進党としての心がこもっていると思っていいですか?」
辻元議員
「特に伊勢志摩サミットを受けて、経済状況がリーマンショック直前のような状況というような、こじつけのような理解をされかねない状況がありました、直近に。それと消費税を先送りされるというように与党幹部にお伝えになったということで、この経済の問題。特に前回の選挙で消費税について安倍首相が再び延期することはないと、はっきりとそう断言すると。三本の矢をさらに前に進めることにより、必ずや、その経済状況をつくり出すと断言されたわけ。裏を返せば、消費税を上げられる状況ではないということは、そういう経済状況をつくることができなかったということを総理自ら認めたことになるのではないかと考えられるので、1番に経済を持ってこようということになったと思います」

『消費増税2年半延期』
秋元キャスター
「政府は消費税増税を2年半延期と伝えたということですが、これについてはどう受け止めていますか?」
辻元議員
「ちょうど2年半になると、次の参議院選挙、そしてその次の参議院選挙の後にもなるし、その直前の統一自治体選挙の後になる、それから、安倍首相自身の総裁の任期の後になるんですよね。ですから、ずるいというか、はっきり言えば、うまいこと考えたなというかですね」
反町キャスター
「穀田さんは、2年半の延期という与党の方針をどう見ていますか?」
穀田議員
「これは2つあって、アベノミクスが破綻したということ。もう1つは消費税の大増税路線が破綻したということですね。いろんな上げる状況をつくらなかったということが1つの理屈になっていますが、私達はそうではなくて、もともと失敗しているのだという立場をとっています。しかも、サミットの話を利用して、世界経済が大変だと。リーマンショックの前後みたいな話をしていたりして。しかし、首脳宣言は回復基調にあると言っているわけではないですか。結局、自分の失政をこんなことで覆い隠そうということ自体に問題があると。そこで結局、次、争点にならないのかと。私はそうではないと思うんだ。消費税が引き続き争点になる。自分のところには関係ないところまで延ばして、無責任に逃げようということです。しかし、社会保障の財源はどうするんだというようなことを含めて、まだ争点があるではないですか。そういう問題を含めて、これまでの消費税増税に頼るやり方を根本から変えなければならんという、根本問題をどうするかということが争点になってくると思うんですよね」
反町キャスター
「そこまで踏み込んだ時に、民進・共産の間で政策協定というのはできているのですか?」
穀田議員
「それは違いますよ。政策協定というのはこれからどうするかという問題であって、少なくとも、5月19日に党首会談でやりましたように現在のこういうもとで消費税増税については来年の消費税増税に反対すると決めているわけですから。そういう一致点はあるわけでして、そこに基づいて、どうするかということを今回、考えればいいわけ」
反町キャスター
「そこまでは一致しているという理解ですよね?」
穀田議員
「そうです」
反町キャスター
「そこから先の部分ではなかなか、これからの話?」
穀田議員
「これからの話をして、考えればいい話であって、そんな慌てなくて大丈夫ですよ」
田﨑氏
「お二人とも消費税のことを言われますよね。内閣不信任決議案の中で消費税については触れられているのですか?」
辻元議員
「今日の発言では消費税のことは触れられています、演説には。提案理由説明には。不信任決議案の提案理由説明には入っています」
田﨑氏
「どういう表現で入っているのですか?」
辻元議員
「消費税に対しては確かに我々も消費税を引き上げられる状況ではないと考えていると。しかし、総理としては、必ずその状況をつくると言ったことに対してどうかというように問うているので、私達は現在、上げられる状況ではないという一致した点を入れているということです」
田﨑氏
「そこは共産党も一致しているんですね」
穀田議員
「はい」

候補者調整の現状
秋元キャスター
「ここからは、選挙について聞いていきたいのですが、野党は、参議院の候補者調整は終わっていますが、衆議院の候補者調整というのはどうなっているのでしょうか?」
辻元議員
「これからやっていくということになるかと思います。既に加速しようということで、穀田さんも現場をやっていらっしゃると思うんですが、衆議院の方が難しいですね。選挙区もたくさんありますし。でも、やれるところは4党でやっていけたらいいなということです」
穀田議員
「大事なことは参議院選挙に向けて32の1人区全てで野党統一候補ができたということですね。これは2月19日に発表して、当時、世論というか、どのメディアも、そんな簡単にできるかいなと言っていました。でも、私は、絶対できると言っていたんです。こういう中で、しかも、32全部で出来たと。さらに、内容は非常に多岐に渡っていて、戦争法反対という取り決めで盛り上がった市民連合を1つの仲介にしながら、野党は団結をするという過程でしょう。ですから、そういう意味で言うと、中身が大事だということ。もう1つは、衆議院選挙はどうするんだという話ですけれど、私達は、少なくとも皆さん方はダブル選挙はないということを決めつけておりますけれども、ないと決めつける根拠はまだないわけですよね。それはまだまだいろんな可能性があるわけで、私達としてはそこで手を緩めるわけにはいかない。従って既に枝野さんも、鳥取、島根とおっしゃっていますように。水面下で私達は話し合いをして詰めていると。だから、もしそういう形でダブル選挙なんてことがあったとすれば、それは一気に統一候補をつくり上げるという自信を持っています」
反町キャスター
「田﨑さん、参議院における野党の選挙協力体制をどう評価していますか?」
田﨑氏
「これはよくまとめたと思いますよ、32選挙区。おそらく結果に結びつきますよ。民進党の議席は増え、共産党は複数区、あるいは比例区で議席が若干増えるかもしれないと思うんですね。その分、与党の議席も減ると思うんです。それが政権への道として近づくかというとどうも政権への道という点では遠のくのではないかと。それは民進党と共産党は非常に左に見えるわけですね。そうすると、この人達に政権を託していいのかと、気持ちは萎えてくると思うんです。ですから、参院選で勝っても、政権からは遠ざかるということだと思うんですね」
反町キャスター
「かつての社会党のようなマックス140議席ぐらいの感じみたいな意味ですか?」
田﨑氏
「それぐらいはいくと思うんですよ。衆院選をやっても。参院選だと、おそらく民進党は30議席に近づくかどうかというところではないかなと思うんですね。それは6年前の41議席より減るけれども、3年前の17議席よりはうんと増えると。そういう結果になるかと。いや、それで勝ったのかとなると、勝負には勝ったけれども、政権への道という点ではどうなのですか、ということですね」

衆院の選挙協力は?
反町キャスター
「一方で、さらに衆議院に向けた選挙協力についてはどう見ていますか?」
田﨑氏
「結果、やろうと思えばすぐにまとまると思います。それは共産党が候補者を降ろせば済む話なのだから。それはやろうと思えばできるんです。でも、それも同じことで、議席は多少増えるでしょうと。でも、それでよろしいのでしょうかと」
辻元議員
「私はよく申し上げるんですけれど、自民党は選挙せずに、社会党の総理大臣を誕生させて政権に戻ったわけですね。私もその時、自社さ政権も経験をしていますので、自民党とも一緒にやってきたんですね。その時と状況は違うわけですが、自民党には言われたくないですよ、そういうことを。言う資格がないとはっきりと申し上げておきたいと思うんですね。現在は経済をどう見るか。格差が広がっていますね。たとえば、収入100万円以下の人が非正規だと4割ですよね。そういう状況になってきている。それと憲法を巡る状況というのが、立憲主義の問題。あまりにも与野党のバランスを欠いているというか。それで好き勝手やっているように見えますよ。時々、安倍首相は立法府の長とか言って間違えて、わざと間違えているのか、何だかわからないけど、勘違いされているのと違うかなと。万能だと思っていらっしゃるのではないかと。総理大臣で、数さえ獲れば、何をやってもいいと思っているのではないかと。そういう危機感が強いと思うんですね。正直申し上げて、私達はいきなり、ドーンと政権にという強がりを言うつもりはないです。だけど、参議院はまず3分の2の歯止めをかける。そのうえで次のステップに行くと」
反町キャスター
「それは過半数を獲って、ねじれをもう1回つくるということですよね」
辻元議員
「なぜかと言うと現在バランスを欠き過ぎているし、政策の1つ1つの違いよりも民主主義とか、立憲主義とか、報道の自由とか、そういうことがちょっと危ういような危機感を持っているので、そこに対して野党がまとまることが大事だと思う」
反町キャスター
「共産党との選挙協力の延長線上には、政権も視野に入ったうえでの、共産党との候補者調整なのですか?」
辻元議員
「私は大前提として、共産党が現実的にどんどんお変わりなることは日本の政治にとって良いと思うんですよ」
反町キャスター
「辻元さんに言わせると、共産党は変わってきたと言いますけれども、穀田さんは、自分達は変わってきていると思うのですか?」
穀田議員
「変わってきていると思いますよ。変化をして、政策的にも提案をするんですよ」
反町キャスター
「たとえば、憲法に対するとか、皇室に対するとか、自衛隊とか、そういう部分についての姿勢は変わらないですよね?」
穀田議員
「皇室への姿勢がどういうふうに変わっていないのか私はわからないけれども、私達は少なくとも憲法の全条項を守ると言っているんですよ。第1章天皇です。だから、我々はそれを守ると言っているわけです。その意味で言いますと、わかり易く言えば、今年の開会式の日に出席しているわけでね。それは誤解を解くためにやっているわけでね。ですから、変わってきたというよりも誤解を解くためにやっているわけで、そのへんは自分達の宣伝の仕方も含めて、間違っていたとは思いますよ。そういうのをしっかり出していって、日本の未来にとって日本共産党はどういう政党かということについてわかっていただく努力をしたいと思いますよ」
反町キャスター
「民共連立政権というのは、あり得る?」
辻元議員
「そこはなかなか難しいと思う。どういうことかと言うと、私も何回か連立政権をやっているわけです。自民党ともやりましたし、それから、社民党時代に民主党と3党というのもやりましたが、なかなか難しいところがあるんですよね。ですから、将来、一緒にやるということを現在言うことは難しいと思うんです。ただ、現在、私達のやっていることは、少なくとも有権者は候補者を1本化してくれと。2人も3人もこの間の選挙の際もいて、選択肢が多かった。1本化してほしいという期待には応えようということで、参議院は本当に共産党さん頑張られた。それは批判もあると思うんですよ。原理主義的な人達から見ていたらね。ヨーロッパは共産党も含めて社民主義的、たとえば、サンダーズ氏という人が出てきているでしょう。民主社会主義者と本人は言っているわけだけれど、あれだけアメリカ社会の中で、票を獲っているではないですか。だから、私は共産党さんも過渡期にいらっしゃって。将来は現実的にいろんなことに対処すると。イデオロギーとかではなく、政権も担うところを目指す政党になろう、なろうとして一生懸命に脱皮しようとしてるなと」
反町キャスター
「その姿勢は有権者にどう見える?」
辻元議員
「ところが、有権者が望んでいることをどう見るかですよ。北海道もそうだったんですよ。多くの人達から1本化してほしいという声があって、池田まきさんが無所属で出られて、あそこまで戦えたのは1本化したからだと思うんですね。永田町に戻って来たら、事情通の人というか業界の人は野合だよ、野合、と。それと、自民党は1本化されるのが怖いから攻撃するけれど、野合ではなくて希望だという人もいるわけですよ。1本化して野党がまとまってくれることがですね。ですから、まずは現在、野党がこれだけ数が少ないと非常事態みたいなところにあるので、希望だという人達に届く連携のあり方をまずは探していくということではないかなと」
穀田議員
「それと、大事なことは実際に勝って見せることですよ。私はそこが大事だと思って。ただ、32の選挙区で統一しましたけれども、それで勝てるかと。それはそう簡単ではないです。だから、1+1が2ではなく、3、4になるような力を発揮しなくてはならんわけですね。つまり、この間の北海道5区で見られますように、当初メディアはダブルスコアと皆言ったわけではないですか。それを13万5000対12万3000ぐらいですか、そこまで追い上げたと。あの低投票率でね。これは彼らにとって、官邸にとって、自民党にとって、脅威ですよ。だから、それを具現化して、勝ちこんでいくという形を私達は見せたいと。そのことが新しい次の展望というのを打ち出すと。政権問題にならなくたって、現在の自民党がやっているやり方にノーと言うことに対する期待を一身に集めることによって政治が変わると」
秋元キャスター
「視聴者からの質問です。『野党に伺いたい。これだけ、安保法案反対、アベノミクス失敗、強権政治と批判を繰り返しているのに、なぜ野党の支持率も一向に上がらず、むしろ下がり続けているのか。そのあたりどう分析していますか』とのことです」
辻元議員
「下がり続けているということはなく、鳴かず飛ばずでずっときているということです。ですから、私達そこは声をしっかり受け止めてビジョンを出していかなあかんと思います」
穀田議員
「2つあると思います。対案、つまり、我々の提案はこれだと。先ほどの機会に申し上げましたけれども、税金の集め方を変えると。税金の使い方を変えると。それから、働き方を変えると。こういう私達が消費税に頼らなくてもいける道を探そうというような政策的定義。これが1つ浸透していないと。同時にもう1つは現実に政治を変えるという点での、我々自身のアプローチが皆さんに響いていないという点については、勉強をして、そのお声に応えていきたいと思います」

石原経済再生相に問う 内閣不信任案の否決
反町キャスター
「内閣不信案が否決されました。この会議場をどのように見ていましたか?」
石原議員
「率直に言って、盛り上がっていなかったと思います。野党の皆さんが盛り上がってなかった。辻元さんは穀田さんと親しくされていましたけれど、共産党の志位委員長が話をされても民進党の方は拍手しないみたいな」
反町キャスター
「会期末の審議の中で最も盛り上がらないような、1つになるような感じですか?」
石原議員
「そんな印象を持ちました」

『骨太の方針』の狙い
秋元キャスター
「経済財政諮問会議、産業競争力会議、1億総活躍国民会議、それぞれの計画はどのような関係になっているんでしょうか?」
石原議員
「骨太の方針というのは伊藤先生達を中心にまとめていただいたんですけれど、国のマクロの経済政策です。産業競争力会議というところでまとめていただいたのは国が成長していくには具体的に何をしたらいいかということをまとめていただいた。ニッポン1億総活躍プランというのは総理が現在の日本に何が必要なのか、希望出生率まで夫婦がお子さんを持てる環境をつくる、あるいは介護離職をなくす。そういうことで言ってみると骨太の方針と成長戦略が車の両輪で、そこにビビッドな話題としてのニッポン1億総活躍できるような環境をつくるというものがついていると。そういう分け方をしています」
秋元キャスター
「骨太の方針の狙いは何でしょうか?」
石原議員
「現在、子供さんが少なくて、高齢者の方々が増えてきた。しかし、私達政権に復帰して3年半経ったわけですけれど、経済を拡大させていこうと。経済を拡大させていくことによって、財政再建している。すなわち経済再生なくして財政再建なしと。そういう基本方針を毎年毎年、リニューアルしていって、何を重点にしていくのか、日本は何に向かっていくのか、ということを表すものであります。ですから、古い話ですけれども、三本の矢と言われた金融政策、財政政策、構造改革、これが古い方の三本の矢。この三本の矢を使って、600兆円経済を目指す。その下に2番、3番ということで、ニッポン1億総活躍プランでまとめていただいた、子供さんを育てやすい環境をつくる、介護離職をゼロにする、介護職員の方々が希望を持ってその仕事をできる、そういう環境をつくっていくというものがついてくるわけです」
秋元キャスター
「伊藤さん、この骨太の方針の狙いをどのようにお考えですか?」
伊藤教授
「要するに、マクロ経済政策は全てに関わるわけですよね。その全体の大きな流れの方向性について、明快にしていくと。中には多分重要なキーワードが幾つか入っていると思いますし、それから、特に大臣がおっしゃった経済再生と財政再建の両立をどうやって実行していくかということをはっきり示すということだと思います」

『消費増税2年半延期』の影響
秋元キャスター
「政府は消費税増税を2年半延期する方針ということですが、計画にも影響が及ぶということになりますか?」
石原議員
「はい、ただ経済成長なくして財政再建なしというアベノミクスのポリシーはまったく変わりませんし、2020年度の財政健全化目標、すなわちプライマリーバランスの黒字化という目標は目指していく。それは実現可能性が非常に高いと思っています」
反町キャスター
「2年間半先送りすることで年間5兆円の歳入の見込みがなくなるということで、その分は骨太の方針にしても、1億総活躍にしても、スケジュールを多少は直していかなければいけないと見ていますか?」
石原教授
「それは財政見通しがどの程度になるのかということも見ていかなければいけないと思います。安倍政権になりまして、2013年度、2014年度、2015年度の3年間でGDP(国内総生産)は名目ですけれども、30兆円、6.4%大きくなりました。消費税を5%から8%にさせていただいた分を除いても13兆円税収が伸びている。すなわち経済が活況になってきた。これがこの勢いでいくように仕込めば、さらに伸び率が高まれば、財政再建の目標達成は早まると、逆に遅くなってくる事態になれば、目標達成は厳しくなる。経済は生き物ですから、その都度、その状況を細かく見て、政策対応をしていくことが肝要だと思います」

『同一労働同一賃金』への期待
秋元キャスター
「骨太の方針には同一労働同一賃金の実現がありますが、具体的には何から取り組んでいくのでしょうか?」
石原議員
「生産年齢人口が1995年から減りだしている。その中で、女性の方、リタイヤされた方でもまだ仕事をしたい、70歳ぐらいまだ元気ですからね、そういう方々に仕事をしてもらえる、若い人も多様性が我々よりもありますので、その多様性を仕事の場に持っていく。そのために現在、問題になっている正規と非正規の方の賃金をどこまで調整するのが合理的なのか。ある組み立てラインの非正規雇用で働いている方に聞いたら、私は非正規がいいのだと。週4日以上働きたくないし、何か月か働いてそれで稼いだお金で自分は今度南の島で1か月暮らすんだ、そういう方と、普通に5日間働いている方の賃金に差があるのはたぶん合理的だと思うんですね。でも、どこまでが合理的で合理的でないのかというのは実はガイドラインも何もないわけです。まずこれをつくることから始まって、それで賃金全体が、あるAという会社に正規と非正規の方がいて、給与の総額が同じ中で、正規の方の給与を下げて、非正規の方を上げて、ということでは、今度は正規の方々の実収入が減ってしまうという、そういうクリアしなければいけない問題は、少し話をさせていただきましたけれど、たくさんある。これを1つ1つこれから整理していく形でつくっていくことになると思います」
伊藤教授
「これは現在の社会の働き方の大きな方向を一言で表すとこうなると思うんですよ。たとえば、短い時間働く人にもう少し社会保障を提供した方がいいのではないかとか、あるいは同じ仕事をしているのだったら合理性がないのにもかかわらず、下がるのは修正していく必要があるとか。結果としていろんな働き方を国民が選べるようになるということだと思いますね。現在の年功賃金の話に一言申し上げますと、年功賃金そのもの、それを選ぶことは決して非合理ではないと思うんです。ただ、そういうものを積み重ねて結果的に日本の労働市場の中でインサイダーとアウトサイダーに分かれちゃっている部分があるんです。つまり、いったんそういうところに入れなかった人達がずっと就職氷河期とかで困っている。だから、積み重ねてきた違いみたいなものを撤廃してかなければいけないと思うんです。そのうえで年功賃金が必要なところであれば、それは残せばいいということだと思いますから。そういう意味で、大きな働き方の変化を一言で表せば、こういうことになるのだろうと思います」

600兆円経済実現に向けて
秋元キャスター
「日本経済を成長させるためには何が必要だと思いますか?」
石原議員
「得意分野があると思うんですね、日本の中に。製造業やそういうものの生産性を上げていく。第1次産業革命が軽工業で起こって、そのあと、第2次産業革命が鉄鋼とか、蒸気機関を使ったもので起こって、第3次産業革命がアメリカで、情報の革命で起こって、現在、4番目の革命というものが起こっていると思うんです。先日、羽生名人とコンピューターのAI、人工知能の戦いの話をやっていましたけれども、そういうものを我々の産業の中に取り込んで、新しく飛躍していく。そういう分野というのは至るところにあるような気がします。そういうものを応援していく。もちろん、民が主導ですけれども、規制とか、そういうものを取っ払うのは官の仕事、また政治の仕事ですから、そういう分野で経済を大きくしていって、生活の利便性を高める。」
伊藤教授
「経済は需要と供給です。確かに大臣おっしゃったように供給力が伸びていて、これ極めて重要ですけれど、ただ、2020年までに600兆円を実現するとなると、これは間違いなく需要ですよ。2つあって、1つは賃金とか、物価が上がっていく環境をつくれるかどうかということ、もう1つは残念ですけれども、消費が弱く、投資が弱くて、それから外国が、特に中国が現在落ちていますから、厳しいということで、ここはどうやって伸ばしていくかと。だから、とりあえずは財政でやるけれども、それが消費や投資にどう跳ね返ってくるかということで、そういう意味で、需要を増やしていくことが当面は1番重要だろう。ただ大臣がおっしゃったようにサプライサイドをしっかりやらないと、今度はサプライサイドがネックになっちゃいますから、そこの両方をうまく回していくことが大事だと思います」

石原伸晃 経済再生担当相の提言:『4巡目、5巡目の賃上げ』
石原議員
「消費を喚起していくには4巡目、5巡目。3巡目まではきたわけです。ベースアップという労働組合の人が知らないことが現実に3年間起こった。2%程度ずつ賃上げができている。4巡目、5巡目になって初めて給与が増えることがわかって、消費が拡大していくのだと思います」

伊藤元重 学習院大学国際社会科学部教授の提言:『需要喚起』
伊藤氏
「とりあえず財政に喚起するわけですけれど、たとえば、民間のお金を公共事業に入れるとか、あるいはオリンピック・パラリンピックをもう1回活用してさらに需要を喚起するとか、とにかく需要をもう一段上げていくということが、非常に大事だと思います」