プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2016年5月30日(月)
消費増税再延期の足音 政権参謀と各党財政通

ゲスト

本田悦朗
内閣官房参与
後藤茂之
自由民主党政務調査会副会長 党日本経済再生本部幹事長 衆議院議員
斉藤鉄夫
公明党幹事長代行 衆議院議員
大串博志
民進党政務調査会長代理 衆議院議員

与野党&政権参謀に問う 消費税増税再延期の是非
秋元キャスター
「消費税増税の再延期について先週のサミット後から大きな動きがありました。安倍首相は先週行われたG7伊勢志摩サミット終了後の会見で消費税引き上げの是非も含めて検討し、夏の参議院選挙の前に明らかにしたいと発言をしています。翌日の土曜、総理公邸で、麻生財務相、菅官房長官、自民党の谷垣幹事長と会談を行い、2017年7月の消費税率引き上げを、2019年の10 月まで2年半再延期する考えを伝えました。昨日は石原経済再生担当相、今日は自民党の高村副総裁、二階総務会長、稲田政調会長、さらに公明党の山口代表などと会談を行い、増税再延期の意向を伝えています。大串さん、野党はこうした動きをどのように見ているのですか?」
大串議員
「アベノミクスが失敗していることをどうしても認めなくなかったから、国際経済に責任転嫁をしようとして、サミットの首脳の皆さんからは何を言っているんだと、白けた空気で見られたというのがサミットの結果だったと思うんですね。だから私は非常に姑息な感じがしていて、消費税の再引き上げを延期するのであれば、アベノミクスが失敗しているということを認めざるを得ないと思うんですね。IMF(国際通貨基金)の見通しでも、先進国、新興国を含めて、皆、プラス成長を見通されているんですね。マイナスなのは日本だけですよ。だから、アベノミクスが失敗したというのを認める。そこから始めざるを得ないと私は思います」
秋元キャスター
「本田さん、安倍首相の判断というのはどう見ていますか?」
本田氏
「昨年の夏以降、世界経済を見ると、中国を中心とする新興国の低迷、それから、ユーロ、これはもともとユーロシステム自身が矛盾を秘めたものでしたけれど、いろんな問題が出てきているという中で日本の株価が低迷し、為替が円高に振れてきたということで、いったい世界のリスクをどう評価したらいいのかということで総理がイニシアティブをとられて、国際金融専門家分析会合というのをヨーロッパへの出張前後を挟んで、4月、5月に開きました。ほとんど全てと言っていいと思いますけれども、専門家はグローバルリスク、世界経済のリスクをはっきりおっしゃいました。そこで先進国として一致団結をして、この世界経済のリスクをどう乗り切るかと。これがG7の大きな、最も大きなテーマだなと安倍首相が確信されたわけですね。その確信を持って欧州を歴訪されました。それぞれの首脳とまさに膝を付きあわせて会談をされまして、その時に現在リーマンショックが起こっているわけではないけど、対応を誤った場合にはリーマンショック級のショックが起こるかもしれないという下方リスクついて真剣に議論されました。その結果がG7のあの自由闊達な議論に結びついていると。私も伊勢志摩に同行しました。その会議の部屋には入れないんですけれども、隣の部屋でモニターを見ていまして、大変フランクな、和気あいあいとした気分の中で相当な本音で議論をしたと。その中で、たとえばドイツのメルケル首相については、ドイツは伝統的に財政均衡主義ですので、同意が得られないのではないかという懸念もありましたが、財政だけではなくて、金融、財政、成長戦略・構造政策の3つを総合的に駆使して、あらゆる政策を使って、世界経済の下方リスクに対応していこうということで合意ができたわけです。今回の総理のご英断というのはそのG7での合意の延長線上にあるということで、具体的な形として2019年10月まで延期しようと。もちろん調整中ですけれど、そういうことが出てきた。つまり、総理にとっては、あるいは日本国民にとっては大変なご英断ですし、現在もしも予定通り増税をした場合のリスク。これは非常に大きなものがあります。私の考えでは、来年予定通りやるとさらにもう一段、下方屈折します。また落ちます。L字型で元に戻ってこない。そうなると長期停滞が起こってしまう。ずっと需要不足の状態が起こってしまう。消費者も企業経営者も将来に対する明るい希望が持てない。そういう中でいろんな政策を打っても、効果が必ずしも十分に発揮できない。まず希望、将来に対する明るい展望を持ってもらって、デフレを完全に脱却したあと、増税すると。こういうのが定石だと」

首相『公約』の正当性
反町キャスター
「本田さん、1年ちょっと前に先送りするぞと言った時に、その1年後には何とか2ポイント上げる環境を整えるということを総理がおっしゃいました。今回2年半再延期です。ではこの2年半でどうですか、環境が整うのかどうか。それは整いますと絶対皆さん、おっしゃるんですけれども、どう感じていますか?」
本田氏
「正直言って誰もわかりません。わかりませんが、2019年はどういう時かということを考えるとまず現在から2年半以上あります。ですから、いろんな手を打てます。たとえば、経済対策。実質的な経済対策を、熊本震災プラス経済対策を、相当な金額で、規模でもってやろうとされています。追加緩和もあるかもしれません。これは中央銀行、日銀がお決めになることですけれども。そういったことも含め、いろんな手が打てます。それから、成長戦略、構造政策ですね。これも労働市場、働き方の改革、1億総活躍社会のプログラムにも基づいて、いろんなことをやっていきます。それによって、相当の期待ができると思います。それと同時に(2019年は)オリンピックの直前ですね。ですから、景気が回復してきているということは1つ言えると思います。それでも、100%確実かというとそうでもないです。ですから、そこは政治家である安倍首相が政治的な判断をされ、それで皆さんに調整されているところだと思うんですね」

『2年半延期』の意味
秋元キャスター
「消費税増税の2年半再延期ということについて、皆さんにも聞きたいのですが、後藤さん、2年半という期間。これはどう見たらいいのでしょうか?」
後藤議員
「私は合理的だと思います。増税はできる限り経済の負担のない時に、国民生活の負担のない時にやる方が好ましいので、そういう意味で、オリンピック効果がある時に、国民の痛みが少ないタイミングでやるというのも決して悪い話ではないと思いますね。ですから、私は延ばすということが前提でどのぐらいの日程をとるかということであれば、経済がある程度成長戦略で拡大していくだけの時間をとりながら、さらに経済対策でテコ入れもしながら、2年半の間に日本の経済をしっかりとした成長軌道に乗せていく努力をして、そこで増税という、そういうタイミングだと思います」
斉藤議員
「具体的ですね。もう必ずやりますと。この時に10%への引き上げをやりますと。背水の陣という感じが出てくるのかなと感じました」
秋元キャスター
「ただ、前回も必ずやりますということだったと思うのですが、そこは違うのですか?」
斉藤議員
「そうですね。私も与党として、その部分を国民の皆さんにわかりやすく説明していかなければならないと思うのですが、総理がおっしゃっている世界経済の大きなリスク。確かに中国や新興国の経済を考えると、これから潜在的なリスクがあるのは確かです。現在日本経済がここまで、日本経済そのものはエンジンがフル回転してうまくいっているのに、船全体が沈んでいるのは、世界経済の波間の谷にいるからだと思います。そういう意味で、世界経済のリスクを考えないといけないのが1つと、それから、デフレ脱却という、より大きな課題。この時に消費税を上げますという公約よりもデフレを脱却させますという方が次元としてはより大きな公約であって、より大きな公約を達成するためにより次元の小さな公約には少し矛盾が出てきたと。こう私自身は考えようとしています」
大串議員
「安倍首相の自民党総裁としての任期満了はその1年前ですね。つまり、自分の総裁期間中にもう上げないと言われていると。これは総理、総裁としての責任をある意味、放棄されているという気もするんですね。だから、その辺からして2年半というのは長すぎるのではないのかなという感じがします。それから、もう1つ、海外リスクのところですけれども、繰り返しますけれども、伊勢志摩サミットの宣言の中でリーマンショック級のことが起こるリスクが高まっているというような意識共有がなされていませんから。下方リスクが高まっているということは書かれています。しかし、リーマンショック級のことが起こる可能性があるということでの意識共有は1行もされていないので。今日、役所に聞きましたけれども、リーマンショック級のことが起こるリスクがあるということは役所も認めきれませんね。」
反町キャスター
「総理はそういうプレゼンはしたけれども、最終的な文書に盛り込むことはできなかったと見ていいですか?」
大串議員
「盛り込まれていないですね。だから、我田引水のような読み方を自分でして、海外の要因に責任を転嫁しているように見えるというのはそこです。だから、私は正しいやり方ではないなと思います」
反町キャスター
「総理が首脳会合場において、リーマンショック級の景気後退のリスクがあるのではないかといろんな資料をもって説明をされたというふうな説明を、僕らは受けているんですけれど、ただ、最終的な合意文書にはそのことが入らなかった。ここはどう説明されますか?」
本田氏
「リーマンショック級とは何かです。これを議論してもあまり意味がないですよ。これは比喩です、はっきり言って。最も激しいショックは最近ではリーマンショック。これは100年に1度と言われています。そうそう簡単にリーマンショックが起きるわけではない。東日本大震災、これも相当のショックですね。でも、これもそんなに頻繁に起きるわけではない。ですから、総理がリーマンショック級、あるいは東日本大震災級のショックがあった時は、それは、増税は無理でしょうというのは増税の条件を示したものではなくて、それほど大きなリスクがあったらそれはどう考えても無理でしょうという意味で、1つの比喩ですね。リーマンショック級のショックとは何かというと、細かく議論をしてもあまり生産性のある議論ではない。実質的なリスクにあれば、それでもって、消費者、あるいは企業経営者、投資家のマインドが落ちるんです。マインドを上げていくためには相当の時間がかかります。そういう意味からして、2年半という数字、私は合理的だと思います」

野党『不信任案』提出へ
反町キャスター
「野党4党は、明日、安倍内閣不信任決議案を提出されます。提出理由というのが3つありまして、まず①『安保法制を強行成立させ、憲法改悪を推し進めることは、立憲主義と平和主義への重大な挑戦である』②『アベノミクスの失敗は、国民生活を破壊し、格差と貧困を拡大した』③『甘利前大臣の疑惑問題やTPP交渉に関する情報開示のあり方、また沖縄問題への対応など、国民の声に耳を傾けない強権的な政治である』と。この3つをもって、不信任の理由だとしていますが、大串さん、この3つの理由について、どう感じていますか?」
大串議員
「もっともだと思います。安保法制の強行成立というのは、憲法の立憲主義を打ち壊してしまうような内容だったと思います。私も、安保特別委員会のメンバーとして体験しましたけども、憲法のあり方、立憲主義のあり方を、そもそもから覆すようなものだと思いますから非常に大きな問題だったと思います。アベノミクスの失敗、そして3番目に甘利前大臣の疑惑問題、TPP交渉の情報開示のあり方、沖縄問題への対応。この辺りは国会の中で、安倍政権がしっかり国民の皆さんに向き合っていない対応をしているようなことの表れだと思っています」
反町キャスター
「今日は消費税がテーマですが、今日、明らかになった不信任決議案の理由の中の、アベノミクスの失敗。これは安倍首相が消費税の先送りを決めたこともあると思いますが、文言として消費税を理由に入れることというのは、民進党は2年間先送りを言っているし、共産党は、消費税は廃止ですよね、先送りも何もなくて。野党の間で、消費税という言葉に関して共同歩調をとることが難しいから、②のような言い方になったのですか?」
大串議員
「選挙公約として、自民党さんから提示されたのはアベノミクス、この道しかない。これで経済回復するんだということでした。そこが国民の生活に直結する、1番の大きな論点だと思うんです。だから、1番大きな論点は、そこに書いてあるということです。消費税に関する野党各党も態度はもちろん、違います。そこよりも、しかし、アベノミクスが成功をしているか、失敗しているか。国民の実感がないというところが、より大きな論点だと私は思います」

成功?失敗?『アベノミクス』
反町キャスター
「斉藤さんはこの不信任の決議理由3点をどう見ていますか?」
斉藤議員
「①と②はまったく当たっていないと思います。③についても同様です。アベノミクス自体は各種の経済指標を見れば、確かにまだ大企業や東京中心かもしれませんけれども、確実に良くなっています。最近の例で言えば、昨年、就職を希望し就職できた大学生の割合は97.7%で過去最高。3年間増え続けている。税収も4年前に比べて、国税で15兆円と非常に伸びていると。税収というのは、経済パフォーマンスの結果ですから。これは地方に行き渡らせる、中小企業に行き渡らせる、家計に行き渡らせるというのが残っていますが、まさに道半ば。これを続けさせてほしいと。そういう意味では、この②というのはまったく違うと思います。安保法制については、公明党が入ってつくった安保法制ですから、戦争防止法案です。憲法9条の枠内。専守防衛の枠内。集団的自衛権をがんがんやられるところはありますけれども、これはあくまでも専守防衛にかかわる集団的自衛権であって、憲法9条、まったく立憲主義を侵しているということはない。そういう意味で、①と②はまったく違いますね」
後藤議員
「アベノミクスは、道半ばというのは斉藤先生が現在おっしゃった通りです。1つ付け加えたいのは、デフレ脱却ということで、アベノミクスの最初の三本の矢というのは、民主党政権時代の経済を一挙に円安、株高にすることに成功しました。その中で格差が固定化しないようにしなければいけないのではないか、あるいは若い、所得の低い子育て層が傷んでいるのではないかと。そういう層に対して、もうちょっとしっかりと光をあてていこうと。そのことが社会の不安を解消し、格差の固定化をはからないような、公平なチャンスを与える社会が、将来に向かって大きな展望と希望を与えるのではないかと。そのようなことを含め、新三本の矢のアベノミクスというのは、最初の三本の矢と新三本の矢というのは随分、内容の違うものになったと思っています。私は党で日本経済再生本部の幹事長で600兆円の対策をまとめて、その名前は新しい経済社会システムの構築です。だから、それは随分質の違ったものになってきているのではないか。そのことが成長と分配の好循環に必ず繋がっていくと思っています」
反町キャスター
「アベノミクスが失敗だから不信任だということについて、FNN世論調査ではこういう結果が出ています。アベノミクスの評価について、斉藤さんの道半ばという言葉と同じ言葉だなと思っていたんですけれど、アベノミクスへの評価について、失敗だというのは27.9%。道半ばであるというのが65.4%。民進党が失敗だと言っているアベノミクスを、FNN世論調査では道半ばである、もう少し様子を見ようではないかというのが65.4%。これをどう見ますか?」
大串議員
「これはそういうふうな結果になっていますが、私はずっと予算委員会でもアベノミクス問題を取り上げてきましたけれど、いろんな報道機関の、アベノミクスで効果を実感していますか、という問いに対してはだいたい一貫して7割から8割の方々が効果を実感していない」
反町キャスター
「確かにそういう意味でいうと、効果を実感している人達は3割から4割。下手したら2割ぐらい。非常に厳しいんだけれども、では実感していないから、もうダメかと言うと、これは評価では違う。野党の皆さんに聞くのも厳しいけれど、景気が良くなったと感じられないながらも、道半ばだと期待をせざるを得ない。もしかしたら、野党の責任ではないかなと」
大串議員
「それは、私達野党の現在の世論調査、あるいは支持率、政党支持率を見ても、上がっていないことからも、私達に対する期待値がまだ高まっていない。それも謙虚に受け止めないといけないと思います。ただ、一方、地方の皆さんも含めて、暮らしの現状を見た時に現在、国会で安倍首相が景気は良いですと言われているほど、常にあれほど言えるものかということは、きちんとした現状認識をした方がいいと思うんですね。現在、安倍首相と予算委員会で対峙すると、企業業績が良い、失業率が下がった、あるいは賃金が上がったというようなことから、アベノミクスは良いのだと。ここままやっていくのだとおっしゃいますけれど、本当にそうかと。もっともっと国民生活が厳しいという目線で、経済政策をやっていかなければならんと思いますし、そこのアングルがすごく私達と違うと思うんですね。アベノミクスを見ていると、どう見ても豊かな人がより豊かになれば、そこから景気の好循環が滴り落ちていく的なものを現在でも感じるんですよ」
反町キャスター
「トリクルダウンもいい加減、言わなくなりましたよね」
大串議員
「安倍首相はトリクルダウンではないですと言われますけれども、もっと直接的には、私達は人の投資とか、あるいは働き方改革、私達も働き方改革と言っていますが、働き方改革にしても、より安心できる働き方改革にもっていくべきだと思うんです。安倍首相が言われるような、いわゆる残業代ゼロ法案と言われるような、そういうものでなく、むしろ、派遣法の改悪をさらにもう1回、見直すとかね。そういった働き方が安心できるものになるような方向に、まず安心感と安定感を。特に中間層の皆さんにもたらすような方向に持っていくことが大切だと思います。政策の向き方の転換ができない限り、私は、アベノミクスはいつまでも失敗をすると思うんです」

財政再建への道筋
秋元キャスター
「今回、増税延期となりますと財政健全化の道筋も遠のくことにはなりませんか?」
本田氏
「近づきますね。まず基礎的財政収支試算のデータが古いんですね。1月に試算された中長期見通しですけれども、この前提になっている数字がおかしいということがあります。1つは名目金利が高すぎるんですね。この試算の前提になっている名目金利が、2021年、2022年、3.5%をたぶん超えてきています。ところが、その後日本銀行がマイナス金利政策をとりました。名目金利が随分下がっています。ですから、そもそもこの試算がおかしいんですけども、さらに名目金利を下げれば、というか下がっています。利払いが下がります。ですから、よりプライマリーバランスの黒字化に近づきます。それと2017年に消費税増税した時、その後相当腰折れ期間が続くんです、2020年まで。だけれども、総理が提案されたように、2019年10月にやるということになれば、ギリギリまで名目GDP(国内総生産)を引っ張ってこれるんです。その後で増税すると。増税したあとは成長率が鈍りますけれども、そういう意味では、プライマリーバランスの黒字がより容易に達成できる。実は増税しなくても達成できる可能性が高いです。2019年に増税しなくても。平均名目GDP成長率3.4%ぐらい続けば、増税がなくてもプライマリーバランスは黒字になります。と言うより財政収支自体が黒字になる可能性があります。つまり、成長率というのはそれだけ影響力が大きい、複利計算ですから。毎年3%ずつ成長していきますと。ですから、グッと後半になるに従って成長率が伸びていきます。それに税率をかけますから、非常に税収が大きく伸びるんです。もう1つ大事な条件は、いわゆるドーマー条件というのがありまして、名目成長率が名目金利よりもどれだけ上回っているか、これが非常に大事です。現在、名目成長率はアベノミクスのおかげで相当伸びています。仮に実質成長率が落ちてもインフレ率が高くなっているんですね、GDPデフレーターで見れば。消費者物価比率はなかなか伸びないですけれど、それは原油価格が下がっていますから、輸入価格が下がれば、むしろGDPデフレーター上がってくるんです。そうすると、名目GDPに換算すると、名目GDPが非常に伸びやすくなっている。それに対して名目金利は非常に低い。マイナス金利政策をとっていますから。そうすると、名目成長率引く名目金利が非常に大きなプラスになってきています。だから、債務の対名目GDP比率が落ちてきているんです」
大串議員
「私は楽観的だと思います。と言うのは、経済再生ケースという名目成長率がここで言うと、3.6%というところでもマイナス1.1%、約6兆を超えるギャップが残っているということですね。3.6%の名目成長率を達成する、ここ自体が非常に厳しいことだと思うんです。民主党政権の時には、実は中長期財政試算及び目標を考える時には、ベースラインケース、慎重なケースをもってしても達成できるようにという目標をつくるようにしていました。しかし、安倍政権になって、楽観的なケース、経済再生ケースをもって2020年にバランスよくしていこうと、一段甘くなっちゃったんです。甘くなっちゃったところでさらに現在の状況ですから、私はそう簡単ではないと思うし、それだけのキチッとした財政再建をやっていくのだという姿勢を示していかないと、一義的に国際マーケットで吸収されますから、マーケットの信任を失うということになりはしないかという気がします。ただ、現在のところは日銀の金融政策で財務省が発行する新規発行債とほぼ同額を日銀が引き受ける形になってしまっているため、現在、国債市場、国債金利は非常に低い形になっていますけども、これは極めて異常なことでいつまでも続くものではないし、明らかに日銀が財政ファイナンス、政府をファイナンスしてしまっているところに来てしまっていると思うんですね。この状況がいつまでも続けられると考えて政策運営をしていくというのは国民を将来的には大きなリスクにさらすと危惧しています」
後藤議員
「私は、経済再生ケースで考えること自体は合理的だと思います。それは働き方改革や、イノベーションすることによって、そういう社会を我々は目指しているので。目標にして、それを達成するということでやっているので。我々は潜在成長率をこんな低い成長率のままにしていていいのかということについても考えなければいけないと思っていますので、そういう意味で言えば、経済再生ケースが我々の目指している社会なので、ベースラインのケースでいいと思う社会を我々は目指しているのではないということの違いは申し上げたいと思います。あとは本当にどんどん経済が伸びていって、増税もしないで、財政収支も黒字化できるのであれば、増税は要らないとは思います。ただ、私は正直言って、そこまで経済の成長によって財政が、増税による構造的な税収、歳入構造を変えないまま本当に達成できるかなと。もし本当にそんなことができれば、それは増税するよりしない方がいいですから国民にも喜ばれますけど、私は経済再生ケースでがんばる、そういう社会を目指すということが前提であっても、それなりの財政改革の歳出歳入の改革をしていかないと、数字はできていかないのではないかと。それから、もう1つ。長期金利3.5%というのは、2020年までに高すぎるかどうかということへの議論はあるだろうと思いますが、長い目で見た時に、現在の財政の状況が続いていた場合に、長期金利が上がっていかないかどうかということについては2020年までの3.5%が高いか低いかという議論とは別にして、財政改革が非常に進まない中で長期金利が上がらないということでもないように思うので。ですから、そういう意味で、財政再建と経済成長は両立可能と申し上げたい」

『政治の責任』のあり方
秋元キャスター
「自民党総裁の任期と増税のタイミングをどう見ますか?」
大串議員
「先ほど申し上げたように、総理として、今回なにがしかの決断をした時に、自分の任期より先に消費増税がくるというのは、自分の任期中には関わらないというような日程感になってしまうので、極めて責任の薄い形になってしまっているという感じがします。ですから、もう少し自分で政策をグリップできる範囲内でなにがしかのことができるようにすべきではないかなと。政治の芯を考えるのであれば、私はそう思います」
反町キャスター
「民主党政権時の社会保障と税の一体改革があった時は、消費税も視野に入れながらも、政権が交代しても、社会保障や消費税を政争の具にするのはやめようねという合意でしたよね。この状況をどう感じていますか?」
斉藤議員
「私は社会保障と税の一体改革の精神は生き続けていると思います。私も3党合意のサインをした人間として、そうさせなければいけないと思います。ただ、増税の時期については、いろいろな社会状況、経済状況を見て、今回のような延期ということもあり得るのでしょうが。その根本に流れている精神は、少子高齢化社会を迎えて、社会保障をしっかりしていかなくてはいけないと。その社会保障をしっかりしていくことが安心にも結びついて、経済活性化にもつながってくる。これを3党でしっかり共有しようと。これは変わっていないと思いますし、自民党も民進党も同じ精神だと思います。細かい点でいろいろな違いはあろうかと思いますが、消費税、社会保障、税との一体改革を政争の具にしてはいけないというのは我々の考え方です」
後藤議員
「政権が変わっても、総理が変わったとしても、政権の国民に対する約束は、党として保持していくことだと思いますし、消費税の引き上げは必ず行われる。消費税を引き上げたことによって、国民に約束している社会保障の充実については、どんな総理の時であれ、責任を持ってやるということだと思います」

後藤茂之 自由民主党日本経済再生本部幹事長の提言:『経済再生と財政再建の両立』
後藤議員
「経済と言って増税ばかりに逃げているわけにもいかないけれど、しかし、経済再生なくして財政再建なしということは守ってやっていかなければいけないと思います。財政構造改革も決しておろそかにせず、責任を持って後代のために果たしていきたいと思います」

斉藤鉄夫 公明党幹事長代行の提言:『国民が納得して支持する消費税』
斉藤議員
「私は軽減税率の議論をしている時に強くこれを感じました。国民の皆さんは将来の社会保障のために消費税が上がるのは、これはやむを得ないと、このように思っていらっしゃいます。しかし、1%でも上がれば、非常に生活に大きな影響がある。そういう中で、たとえば、食料品だけでも軽減税率をということで消費税に対して納得し支持をする。それが社会保障を支えていくことになる。このように感じました。そういう意味で、国民の皆さんに納得して支持していただける消費税制度を目指すというのは、私の基本的な考え方です」

大串博志 民進党政務調査会長代理の提言:『社会保障と税の一体改革』
大串議員
「国民が納得するのは本当に大切なことです。そのために私は社会保障だと思います。斉藤先生は先ほどしっかりやってきていると、やるとおっしゃいましたけれども、国民の皆さんに社会保障は充実してきたなと、安心になったなと実感を持ってもらえるかというところが極めて大切で、残念ながら、3党合意の内容が変質してきているので、国民の皆さんの中で社会保障安心してきたなという状況になってないと思うんです。だから、消費税の引き上げを延期することに対して、そちらの方がいいなとなっちゃう。社会保障をキチッと充実するという原点に立ち返るべきだと私は思います」

本田悦朗 内閣官房参与の提言:『希望ある社会を造って増税』
本田氏
「消費者の皆さんに対して明るい将来に対する展望を持っていただくことが先決です。企業は史上空前の収益を上げているという中で、なかなか賃金が伸びてこないと言われてきました。やっと実質賃金がプラスになってきています。だから、良い循環が生まれつつあるんです。そういう時に増税をするというのはタイミングがいかにも悪い。まず明るい、将来に対する希望を持った、社会ができる。その筋道を感じたうえで、増税、国民に負担増をお願いするというのが筋道であります。もう1つ、アベノミクスは失敗していません。それは国民にはっきり申し上げたいんですけれど、金融と財政に思い切りふかしてデフレから脱却して、それを持続的成長に結びつけるというやり方は、それ以外の方法はないです。第三の矢、成長戦略はいろんなやり方があると思いますけれども、第一、第二のやり方はこれしかありません。海外リスクはアベノミクスと関係ありません。中国経済をアベノミクスで良くするわけにいきません。ですから、アベノミクスは、国民に申し上げたいんですけれども、失敗してはいないということですね」