プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2016年5月27日(金)
検証・オバマ広島訪問 歴史的意義…核と平和

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛相 衆議院議員
ケビン・メア
元米国務省東アジア・太平洋局日本部長

オバマ大統領 広島訪問 緊急検証『平和と核』
松村キャスター
「オバマ大統領の広島訪問、17分に及ぶスピーチをどう見ましたか?」
小野寺議員
「良いスピーチだったと思います。オバマ大統領、広島に来たかったんですね。あそこで自分の想いをしっかり、本当はずっと言いたかった。そういう想いが溢れたスピーチだったと思います。私も当初、役所側からは5分ぐらいと聞いていたのですが、それが17分という大変長い時間と、個人の想いがこもったスピーチですから、あれは急につくったというよりも、もともと自分がこの場に立って言いたい。そのことを、しっかりと今回は伝えた。私としては歴史的なスピーチを、しかも、広島の地で、世界に向かって発信をしてもらったということ、これは日米関係にとっても大きな良い影響があったと思います」
松村キャスター
「メアさん、いかがでしょう?オバマ大統領の所感の内容、または表情」
メア氏
「感動しましたね。生で見ていた、テレビで。いろいろ複雑な歴史があるから、これは1番強調をしていることは、日米は悲劇の第二次世界大戦からここまで来ましたということを示していると思います」

検証『スピーチ』の中身
反町キャスター
「これは、メアさんから見て、あからさまな謝罪とか、そういうことを、この件に関してオバマさんが広島で言うということは、アメリカ、国としてももたない。これがオバマ大統領の言える本当、ギリギリまで、自分の気持ち、言える部分のギリギリまで踏み込んだスピーチだったという印象で聞きましたか?」
メア氏
「でも、アメリカ政府の立場も表れていると思います。だから、謝罪するかどうかという問題ではなくて、この前、初めてルース大使が8月6日の平和記念日に参加した。その時、私、日本部長でした。すごくアメリカ政府内で議論されていることでした。行くべきかどうか。私は絶対に行くべきだという立場でした。微妙なことは、謝罪したと解釈されたら、第二次大戦のアメリカの退役軍人が反発する。私の命を助けたという気持ちが強いでしょう、軍人の中で」
反町キャスター
「それは原爆投下によって(戦争が)早く終わった?」
メア氏
「そうです。たとえば、私は2004年に科学技術担当公使として、東京でベーカー大使を連れて、広島の指令官と平和記念日に行って、彼がすごく感動をしました。絶対にまた起こらないように努力しないとならない。もちろん、当たり前に決まっている気持ちですけれども、ベーカー大使は第二次大戦、軍人でした。九州の上陸訓練をしていた。原爆の日、これは大変な悲劇ですけれども、軍人として見ると、私の命を救ったことだと言う。でも、アメリカ政府として謝罪するかどうかという問題ではなくて、なぜかと言うと、日米がサンフランシスコ条約でけじめをつけたから。歴史家と学者がいくら議論してもいいですけれど、正しかったか、正しくなかったかとか。でも、日米両国、考えるべきことは、これは前向きに考え、こういう悲劇のことをまた行わないように、どうやって努力をしないとならないかということが1番のポイント。(それが)ずっとアメリカ政府の立場です」
反町キャスター
「アメリカは、世界で唯一の原爆投下国ですよ。世界で唯一の原爆投下国の、現職のリーダーが広島に来て何を喋るのかと言ったら、世界で唯一の原爆被爆国である日本にしてみたら、どこかにお詫びの言葉があるのではないかなと。あるいは本当は遺憾であったということも、何もかも含めて、何かあるのではないかなということを期待するところが僕にも、たぶん何人かの人にもあったかと、勝手に思っているんですけれども、一方で、被爆者の皆さんのインタビューを聞いていると、原爆投下は歴史のひとコマとして未来に向けてがんばりましょうという感想を述べているし、大統領に対して、オバマさんに対しても、そういうことを言っている人もいると。たぶん我々も整理をつけなくてはいけない場面に今回、立たされているような印象があるのですが、どう感じましたか?」
小野寺議員
「私は、被爆者の方の発言、インタビューを聞いて、感銘を受けたというか、おそらく私達以上に1番、この問題については心に大きなものを抱えていらっしゃる方が、この問題を、たとえば、ずっと引きずって、歴史の問題も含め、常にこの問題が表に出てくるということが決して国際社会、平和な世の中にとっては前向きではない。そこは1つ、自分達の気持ちは気持ちとして整理して、今回、わざわざアメリカの大統領が来てくれて、お花を手向け、核なき世界について、さらに追及するという発言をしたこと。この大きなことをもって、1つ自分達は心のけじめをつけよう。むしろ被爆者の皆さんにこういう積極的なメッセージを出していただいたことが、政治が前に向かってこれから進むということに関して、強い後押しをいただいたのだなと思います。ですから、私は今回の問題で、1番大きなメッセージというのは、日本もアメリカもそうなのですが、2度とこういうことを繰り返さない。日米、逆に言えば、当事者同士ですから、このリーダーが核なき世界を共に追及していくのだと、このメッセージは世界に1番広がる話です。先ほど、言ったように、唯一の原爆の投下国と唯一の原爆を投下された国。この当事者以上の発信をできる国はないわけですよ。この両方のリーダーが今回、これだけのメッセージを発するということは、私は世界の平和と、それから、世界のこれからの問題に対して強いメッセージを出した。私はこういうポジティブなことを、ある面では受け止めて、今回の広島訪問は大変成果があったと評価すべきではないかなと思います」

中国・韓国の反応は…
松村キャスター
「さて、オバマ大統領の広島訪問に関して韓国、中国から反応が入ってきました。今日、まず韓国の外務省当局者が『核兵器なき世界を通じ、平和と安全を追求するオバマ大統領の信念で実現したもの』。対して中国の王毅外相は今日の会見で『広島は注目に値する。もっと忘れてはいけないのは南京だ。被害者は同情に値するが加害者は永遠に自分の責任を免れない』。このような発言となっています」
反町キャスター
「王毅さんのこの発言。要するに、まだ歴史問題に対し日本とギシギシやり続けるぞと。まだやるぞと、そういう意味なのか。ないしはただ単にG7、外相、今回の首脳会談にしても、南シナ海における中国の海洋戦略における拡張主義に対して、それぞれ国の名前を挙げないにせよ、批判をした。その部分でのワンポイントの反論なのか?ないしは日本に対しては、まだまだギシギシやるぞという、その意味なのか?どう受け止めたらよろしいのですか?」
小野寺議員
「これは中国のこれまでの外交筋、最近ずっと日中の関係が複雑化した時から、ずっと一貫をしています。広島の問題とか、様々な問題が起きた時に、これで、たとえば、日本が加害者であるということを忘れちゃいけないよ。実は、中国側はこれを繰り返し、繰り返し、必ず外交の場で言っているので、それについてトーンは一定しているのだと思います。ただ、広島でのオバマ大統領のこの姿というのを世界の方が映像で見ます。核に関しての発言も見ます。その時に、世界の方が見ている印象、わざわざそのタイミングで、この発言をすることは決して中国の外交として良いことではないなと私は思います」
反町キャスター
「まさに、原爆を投下した国と唯一原爆を投下された国の首脳が広島でスピーチ、同時に献花をする状況をつくって、いわゆる戦争というものの傷を、歴史問題をこういう形で解決するというのに対し、いろいろ歴史問題を中国が言ってきている。韓国もあるとしましょう。中国や韓国に対して、こういう形、解決の仕方を見せたこと。日中や日韓の関係の改善に向けた、1つのアシストになりますか?それとも今回、王毅さんが言ったみたいにさらに問題がこじれていくのかとか。どう見ていますか?」
小野寺議員
「これはその国が現在、どういう社会、どういう国づくりをしようと考えているかで大きく変わるのだと思います。韓国は日韓に様々な歴史の問題があったとしても、韓国は韓国で平和な社会で、経済的な成長をし、民主国家としてこれからも存在意義を出していきたいとすれば、おそらく今回のような日米の被爆、あるいは加害者が和解をした形での、ああいう見せ方というのは、これは評価すべきだという、そういうストレートな考えで向かい合えますから、たとえば、従軍慰安婦の問題でも、日韓が1つの解決策を見いだして、次にどうステップを踏むか。これは時間がかかりますが、でも、階段は1つ1つ登ろうと努力をするんだと思います。ただ、問題は中国。中国が目指す国づくりというのはまだ残念ながら、現在、私達が思っている方向ではなくて、現在でも中国は大きな国になっていき、大国主義になっていき、現在でも中国は中国共産党の一党支配で、たとえば、報道の自由も認めない。個人の様々な自由も制限する。こういう中で大きくなろうとしている。その向かっている方向からすれば、この問題でどうも日米が協力関係を持ち、歴史の問題というのを1つ乗り越えてということは、決して彼らはあまり受け入れられない。もっと言うと、中国共産党が一党支配している国の1番の存在意義は、先の大戦から中国がこうして大きな国になって、独立をしていったのは、中国共産党が日本と戦って勝ったからだと。そういうことを繰り返し、繰り返し、国民に教えているわけです。ですから、歴史問題を乗り越えるというのは、逆に言えば、中国の政治体制に影響してくることなのでなかなか飲み込めないということなのだと思います」

安倍首相『真珠湾訪問』の可能性
松村キャスター
「一方の、安倍総理大臣ですが、25日の日米首脳会談後の共同会見で、記者から真珠湾を訪問するかと聞かれました。それに対して安倍総理は、現在、ハワイを訪問する計画はないと答えています。小野寺さん、安倍総理がハワイ、真珠湾を訪問することについてはいかがですか?」
小野寺議員
「これは官邸の方でそういう計画はないということなので、たぶんそういうことです。私どもは特に真珠湾、私も防衛大臣の時に実は真珠湾を視察させていただいて、そこで献花をさせていただいたり、その時の様々な状況についてお話を聞いたりしました。ですから、そこは政治家がそれぞれの役目で、いろんなことをすればいいと思いますので、おそらく安倍総理も今後いろんなことを検討する中で、どうやってこれから日米関係を、さらに緊密にしていくかと。そういうことをいろいろ検討されるのだと思います」
反町キャスター
「行ったら、でも、日米関係、また一歩良くなるという期待感というのがあるから、こういう質問も話題も出ると思うんですけれども、効果についてはどう見ていますか?」
小野寺議員
「これは総理が総合的にお考えになると思いますし、それから、今回オバマ大統領が広島に来られたのもあくまでも核を含めた、戦争の惨禍についての慰霊の気持ちがすごくあったのだと思います。ですから、もし安倍総理が今後いろんなことを検討する中でも、これは政治的なスタンスというよりは、むしろ政治家や安倍晋三個人としての気持ちの中から出てくる中で、いろんなことを検討されるのだと思います」
メア氏
「真珠湾に行ってもいいですけれども、オバマ大統領が広島を訪問したから、行かなければならないという取引はよくない。必要ではまったくないです。なぜかと言うと昨年4月に訪米した時に、議会の演説の直前にワシントンにある第二次大戦のメモリアルに訪問して、議会の演説ですごくいい言葉を使って、英語で、deep repentance in my heartというと、心の中で、悔い改め、悔悟という気持ちで、そういうことがあったから、もう十分です。これから日米の間で、特に政治家のレベルで第二次大戦の歴史とか、議論するとか、謝罪する必要もなくなってきています。こんなに緊密な同盟関係になったから、政治家と政府レベルだけではなく、日本の国民とアメリカの国民が本当に親しい関係になっているから、こういう過去のことを議論することはまったく必要ではなくなりました。両国ともけじめをつけたから。これから前向きにどうするか。どうやって過去の過ちを、また、起こさないように、過去の戦争の悲劇がないように一緒に協力してできるかということを考えるべきです」

『核なき世界』の実現は
反町キャスター
「今日の演説、スピーチを踏まえたうえでの話ですけれども、メアさん、オバマ大統領はノーベル平和賞を貰いました。オバマ大統領がノーベル平和賞を貰ったのはプラハにおける演説で貰ったというよりも、プラハにおける演説を受けて、この大統領は核軍縮、核廃絶に向けて、本当にやるだろうなという、いわばノーベル平和賞の先払いみたいな、これからやるよねという意味においてのノーベル平和賞だと僕は思っているんですよ。2009年からだから、もう7年経って、では、この7年間のオバマ大統領の核廃絶に向けた努力、これはどうだったのかという、辞める時にその決算をしなくてはいけないですよね。8年間も大統領をやって、それでノーベル平和賞を貰ったのであれば、どう我々は見たらいいのですか?」
メア氏
「ノーベル賞をもらった時は多くのアメリカ人も、少しおかしいと思った。まだ、成果がないから。ノーベル賞を貰う人は成果があって貰うでしょう。おっしゃるように。でも、これはずっと前からアメリカ政府の基本的な立場は核兵器に関して、NPT、非拡散防止条約でしょう。その究極の目的は核兵器をなくすと。全てをなくす。そうすると、前からアメリカ政府は全員が支持しているところ。あまり進歩がないのだけれど、この7年間であまり成果がない。なぜかと言うと、ロシアが協力しない、中国、イランもある程度解決されないまでも少しは進歩したんだけれども、あと北朝鮮。だから、アメリカだけが独自でできることではないです、残念ながら」
反町キャスター
「その意味で言うと、でも、敢えて聞きたいのは、オバマ大統領というのは学者とか、思想家ではなくて、政治家ですよ。日本において政治とは何かと言ったら、結果責任だと言われます。結果何ができたのかということで、政治家は評価されるものだという観点に立った場合に、核廃絶に関して、オバマ大統領というのはどうだったのですか?できた人だったのですか?できなかったのですか?その部分、僕らから見ると、うん、どうだったのだろうと」
メア氏
「はっきり言うと、正直そんなにまだ成果は出ていないです。時間がかかる」
反町キャスター
「その成果が上がっていない核廃絶の取り組みにおいて、オバマ大統領、今回、また、広島に来て、同じ核廃絶に向けた想いを述べられました。これから任期が始まる大統領がやるぞというのと、任期を終える大統領ががんばろうと言うのとは、全然違っていて、今日のスピーチは、非常に嫌味な言い方になってしまうかもしれないけれども、できなかったよという部分も含めてのスピーチに聞こえてしまう。そういう意味ではないですか?」
メア氏
「今日のスピーチの目的は、もちろん、1つは、おっしゃられたように、核兵器をなくすということを考えているけれども、それより考えていたことは日米関係と、日本の国民に対する立場ということが1番重要だったと思いますね」
反町キャスター
「小野寺さん、一方、日本はどうだったのだという話になります。安倍総理もオバマ大統領の所感を述べられた、そのスピーチのあとに総理も話をされ、核廃絶に向けた熱意を語られました。よく日本が核廃絶の話をする時に、当然、議論に出るのは、日本はアメリカの核の傘で70年間、平和があったのだろうと。日米安保とアメリカの核の傘の下で平和があったにもかかわらず、それが核廃絶だということはおかしいではないかと。この議論については、どう感じますか?」
小野寺議員
「まず現在の核。米ロで95%を持っている状況ですから、基本的に核の廃絶というのは米ロ、両方を減らしていくのが基本になります。オバマ大統領の話も当初2年ぐらいの間はかなり米ロの関係も良かったので、前に進んでいったのですが、残念ながら、ウクライナ問題を含めて、相当ロシアとの関係がぎくしゃくした。そうすると、政治家としては自分のところだけは減らすことはできないので、現在少し膠着状況にあるということ。これはオバマ大統領も認めています。私どもとしては、核廃絶という、日本国民皆がそう思っているのですが、現在おっしゃられたように、日本の傍に北朝鮮や中国、あるいはロシアもたくさん持っていますから。これがある日本としては本当に核廃絶をすぐに現実問題としてできるのかどうか。いつもこれで日本政府は迷って、悩んでいます。大切なのはロシアにその方向を向いてもらって、まず1番持っているこの両国が減らすということになれば、当然、周りの国も減らす努力をこれからもしていくと思うので、その努力は必要だと思います。オバマ大統領の言葉の中でアッと思ったのは、今日のスピーチの中で自分が生きているうちに実現しないかもしれないというお話を言っていました。あれはおそらく心の本音から出た話で、現在でもその想いは変わっていない。だけれど、現実と向き合った時に実際はこうだ。私は、正直にお話をされると思いますし、政治は結果責任ではありますが、だけど、1つの意思を示すことも大事な政治のスタンスですから。このスタンスを続けていく中で、どこかのタイミングで、環境はガラッと変わって、世界中が核の廃絶に、急に向かう可能性もあると思います。粘り強くこれからやっていくのも政治の大事な仕事だと思います」
反町キャスター
「そうすると、話を聞いていると、日本が核廃絶に向けてやれることで言うと、もしかしたら、アメリカと話し合うよりも、まずは安倍、プーチン会談における可能性。ロシアに話しかける方が重要ではないか。そんな意味もありますか?」
小野寺議員
「それと、北朝鮮ですね。今回G7の文書の中でも、明確に北朝鮮に対しての強い表現が出ています。不確実性があって、たとえば、皆でこれをやめましょうと言っても従わない国。それが実はすぐ日本海の向かい側にいるということ。これがある限りは、なかなか日本もこの問題については非常に難しい判断になると思います。ですから、日本がまず率先してやるべきは、北朝鮮の核の廃棄。核技術の放棄。これを国際社会で強く求めていくこと。これが第一歩なのではないかと思います」

伊勢志摩サミット閉幕 『海洋安全保障』は
松村キャスター
「G7伊勢志摩首脳宣言で、『東シナ海及び南シナ海における状況を懸念』と明記されたことについてはどう感じますか?」
小野寺議員
「これは大変大きな意義があると思います。まず1つは仲裁を含む、法的手段を含む、これをちゃんと守りなさい、仲裁を守りなさいというのが、間もなくおそらく出る、中国とフィリピンの仲裁裁判、これを中国は結果が出ても守らないと公然と言っていますが、それはダメですよと。G7としてはちゃんとこの仲裁が出たら仲裁に従いなさいということをメッセージとして出しています。もう1つ、G7の外相会談でかなり強い表現で、中国に対しての非難をしていました。たとえば、1番大きなところは拠点構築、その他軍事利用で、たとえば、埋め立てをしてはいけないとか、こういうことを明確に書いて、これはもう中国に対してのことですが、G7の外相会談の内容について私達は支持をすると。首脳も同じ考えだということを示しています。と言うことは、相当強くこの問題については、日本はイニシアチブをとって、中国に対しての一定の強い表現を勝ち得た、そんな印象を持っています」
メア氏
「私もそう思っています。特に数年前から中国が明らかに狙っていることは、東シナ海と南シナ海の覇権ですから、もちろん、アメリカ、日本はそれを認めない。オバマ大統領は前回訪日した時も明確に中国がやろうとした威嚇的な、暴力的な、武力的な現状変更を認めないということは、今回アメリカと日本だけではなく、中国のやっていることを認めないということを考えている、G7各国が同じ意見をはっきりしているから、すごく有意義な宣言になると思います」

『中国の海洋進出』
反町キャスター
「日本は今回のサミットではロシアに対して気を使っていると感じます。中国とロシアを分けて処理をしようとしていると見えませんか?」
小野寺議員
「G7の中でも、ロシアに対してのしっかりとした合意ができていますから、基本的な方針としては同じだと思います。ウクライナを巡る問題については、これは同じ三原則でやるべきだと。日本は一貫して変わっていません。その中でおそらく日本として、しかも、日本開催で行う中で、どちらがよりこの場にいて、力による現状変更を感じるか、というふうに考えると、身近にあるのは南シナ海、東シナ海の問題である。ただ、少なくともロシア問題についてもしっかり触れていく。これは開催地のホームというところから見た場合には一定のこういう表現、どちらをハイライトするかというところは出てくるのかなと思いますが、少なくともロシアに対してもしっかりとG7としての一定のメッセージは出していますし、何よりももともとG8と言っていたではないですか。G7ということはロシアを呼んでいないわけですよね。そのスタンスでも既にロシアには、日本としても一定の対応をしていると理解していただければと思います」
メア氏
「ある人は懸念しています。何を懸念しているかと言うと、最近、別に強い懸念でもなくなったけれど、安倍政権が登場してからエネルギーの問題を考えると、もしロシアのエネルギー開発に投資したら、関係改善して、北方領土を戻すかなという、私は、それはちょっとナイーブな考え方というか。そのあとで安倍政権もちゃんとロシアの行動を見て、クリミアとか、ウクライナで。あれはあまり現実的ではないと。プーチン氏の考えていることは別に領土を返すのではなくて、獲る傾向ですから、だから、それはちゃんと日本政府が解っていると思いますけど。でも、話してできるだけいろんな分野で改善しようとしていることは別に悪いことではないと思いますね」

『沖縄女性遺棄事件』 日米両国の対応
松村キャスター
「サミットの前に行われた日米首脳会談で、沖縄県のアメリカ軍関係者による沖縄女性遺棄事件についても話し合われました」
小野寺議員
「まず今回、これは本当に少人数でかなり突っ込んで、時間をかけて、この問題だけに関して総理は相当、オバマ大統領との話し合いをしたということだと思います。日本としてはこの問題をアメリカ政府に強く深く思ってもらいたいという強いメッセージを発することができたのだと思います。この問題が複雑なのは、確かにこの犯人と言われる方、容疑者は完全に遺体遺棄事件だけでなく、殺人だろうと誰もが思っていますが、まだ否認していますし、本人が。二転三転、証言していますから、日本も司法国家でありますので、キチッとこれが法と証拠に基づいて、しっかりとした形で結論が出れば、これはこの犯人がこういうことをしたということで明確にさらに米側に対して強く発言はできますが、まだ仮定の話になっていますので、そこは言い方もそれなりに気をつけてお話をしなければいけないのだなと思っています」
メア氏
「まず許さないことでしょう。アメリカ人もそう思っていますし、米軍の人達もそう思っています。亡くなられた方とご家族にお悔やみを申し上げます。でも、日本ですから、日本の司法のもとで扱う事件、犯罪ですから、有罪になったら日本の手続きのもと、裁判権は日本ですから、米側ではないのですから、厳しく罰してほしい。それは、犯罪はそうですから、組織的な問題ではなくて、犯罪を起こした人が有罪になればという問題ですから、あくまでも許せないことですから、厳しく罰するしかないと思います」
反町キャスター
「今回の事件が結果的に、重要な局面を迎えている普天間基地の辺野古移設問題への影響とか、あと今年は県議選もあれば参議院選挙もあります。沖縄における様々な政治的なイベントに関してはどういう影響をもたらすのか。どういう懸念を持っていますか?」
小野寺議員
「まずこの事案に関しては、これは政治的問題の有無にかかわらず、あってはならないことですし、憎むべき大変大きな犯罪だと思っています。それが前提ですが、そのうえで考えると、沖縄県民の皆さんの気持ちというのは本当にこれでまた大変複雑な、あるいは大変怒りに満ちた形になっていると思います。それは当然、たとえば、基地問題や、あるいは政治的な方向に向かってくるということは、これは避けられないことだと思いますので、私どもとしてはその気持ちを受け止めながらですが、日本の安全保障の問題とか、あるいは沖縄が持っているような、安全保障の重要性の問題とか、そういうことをこれからも繰り返し説明していくしかないんだと思います」

スピーチを終えて両首脳は
反町キャスター
「広島でスピーチを終え、原爆ドームに向かう途中のやりとりについてオバマ大統領が、『これから晋三と一緒にやるべきことがたくさんある。今日はあくまでスタートだ』という話があったとのことですが、どう感じますか?」
小野寺議員
「これは相当、オバマ大統領と安倍首相というのは個人的にも深い信頼関係があるのだなということがありますし、それから、オバマ大統領がこれからも晋三と一緒にやることがあるということ、これは確かに大統領任期というのはあと半年になりますが、ただ、これは大統領が終わったあとも、政治家としての、たとえば、ライフワークとして、オバマ大統領は核なき世界をこれからも追求するということを、むしろ安倍総理にお話をしたことではないかと。私どもとしたら、むしろ大統領が終わったあとでも大きな政治力を持ち、大きなメッセージを持つことになりますから、これはむしろオバマ大統領の政治家としてのライフワーク、これにこれからも協力してくれという、そういういいメッセージではないかと思います」
メア氏
「その通りだと思いますね。オバマ大統領はまだ若いです。安倍首相も任期はこれから何年もあるかもしれないけれど、安倍首相もかなり若い。でも、これからはいろいろ協力するところはある、政治家ではなくても、首脳ではなくても、まだこれから両者の影響力は大きいと思います」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言:『ポスト オバマ戦略』
小野寺議員
「今日の演説を見るとオバマ大統領にもう少し大統領を続けてほしいなと私はちょっと感じてしまいました。ただ、そうは言っても半年後には新しいアメリカの大統領が選ばれます。そうすると、オバマ大統領の次の大統領に対して日本がどういう形で向き合うか。その戦略をしっかりと私どもも立てて、日米関係がせっかく良い関係になりましたから、その関係をこれから継続していくための戦略や対応、これが現在必要になってくるなと思っています」

ケビン・メア 元米国務省東アジア・太平洋局日本部長の提言:『前向き』
メア氏
「どういう意味かと言うと、日米にいろいろ悲劇的な歴史があるのだけれど、歴史を忘れてはいけないですが、でも、歴史の教訓を学んで、前向きな態度で、これからどうするかというのが1番重要だと思います。幸い日米がこんなに緊密な同盟関係、友好関係になりましたので、これは世界に対するすごくいい教訓になると思います」