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2016年5月3日(火)
与野党論客と憲法の軸 選挙で問われるのは何

ゲスト

下村博文
自由民主党総裁特別補佐・特命担当副幹事長 衆議院議員
辻元清美
民進党役員室長 衆議院議員
國重徹
公明党憲法調査会事務局次長 衆議院議員
宮本徹
共産党政策委員会副責任者 衆議院議員

自・公・民・共に問う 『憲法改正』の是非
秋元キャスター
「憲法の改正の是非について聞いていきたいのですが、まず各党の憲法改正に対するスタンス確認をしておきたいと思います。自民党は改憲。民進党は現在必要なし。公明党は加憲。共産党は現状維持ですけれども、まずは、下村さん、自民党はなぜ、改憲が必要と考えているのでしょうか」
下村議員
「自民党は結党の時から、自主憲法制定を党是にしているんです。それはなぜかと言うのは、現在の日本国憲法が制定された時は占領下で、GHQの強い影響のもとで、憲法がつくられたと。一方、世界で現在189か国がこの聖典化された憲法がいるんです。この中で、日本は新憲法と言っても、実際は古い方から14番目で、1度も修正も改正もしていないというのは日本ぐらいです。189か国は時代の変化に応じて修正、加憲しながら、より良いものを目指してきているわけです。我が国は、そういう状況の中で憲法が制定されたということを考えた時に、我が国の法律の基本法ですから、その基本法たる憲法を自分達の手によって、自分達の未来を考えて、自分達の考えで変えていくということ自体が独立国家として、また、日本の未来に対して正しい方向性をつくっていくという意味で、結党の時から60年経ちますけれども、憲法改正というのを党是としてきて、これまでも憲法改正草案、第2回目が平成24年の時ですが、日本国憲法改正草案というものをつくりながら、より良いものを目指して、より良い国をつくっていこうということを進めていきたいと思います」
秋元キャスター
「これに沿って一気に変えていくということになるのでしょうか?」
下村議員
「これは現行憲法103条あって、その前文から全部それぞれ対案というものをつくっています。ただ、現在の国会においては全部変えることはできないので。それぞれの項目、条文ごとに1つ1つ変えるということですから、本当は全部変えたいと思いますが、しかし、3分の2の賛同がなかったら、変えられませんから。自民党だけで変えられる話ではないので優先順位を。1つは緊急条項。それから、あとは環境権など、70年前にはちょっと考えられなかったような新たな環境権。それから、財政規律。この3つを特に我が党としては憲法改正の優先項目として、各党に呼びかけていきながら、あくまでもこれは自民党の憲法改正法案ですけれども、3分の2、衆参で賛同がなかったら、発議できませんから。発議しても実際は国民の過半数の賛同がなかったら憲法改正できませんので、これをたたき台に、固執するわけではありません。これはたたき台に、より国会の中で3分の2の賛同が得られるような、そういう議論をやっていきたいし、やってほしいと思います」
反町キャスター
「辻元さん、こういう憲法改正、熱心な自民党、安倍首相といいますか、(自民党)総裁です。今日、憲法に指1本触れてはならない、議論すらしてはならないなどといった『思考停止』に陥ってはなりませんというビデオメッセージをよこしているのですけれど、民進党の憲法に対する姿勢、これはどういうことになりますか?」
辻元議員
「現在、直ちに憲法をこう変えないと、国民の権利が制限されるとか、ここを変えないと政策がうまくいかないというところはまったく見当たらないので、変える必要はないということです。憲法というものは国民の権利を保障しているものですから、国民の側から、主権在民ですから、ここを変えてくれないと、自分達の暮らしのここが困ってしまうとか、人権が制約されて、もう生きていけないとか、国民の側がデモをし、ここを変えろという具体的な指摘があって初めてこの国会の方で、それでは議論をしましょうということで、国会での3分の2(の賛同)を経て、発議をしていくということです。世界中そうです。私は16、17年前の憲法調査会から、中曽根元首相と土井たか子元議長がいらっしゃった時代から議論しているわけですけれども、世界中いろいろな国に行きました。そうすると、よく言われるのは国論を二分していることとか、そういうのは憲法改正に附したらあかんと。どちらかが勝っても、どちらもすごいことになってしまう。ですから、多数の国民が望むこと、現在、多数の国民がこの憲法を変えてくれないと、本当に支障を来すという声も上がっていないので、それは必要ないのではないかということです。衆参の前は憲法調査会、憲法調査特別委員会、そして現在、憲法審査会で議論をしてきて、例えば、押しつけ憲法論も俎上に上がりましたが、衆議院の報告書でもGHQが作成したという議論が行われたと。この点については、日本国憲法の制定に対する一連のGHQの関与を押しつけと捉えて問題視する意見もあったが、その点ばかり強調すべきでないということで、70年間定着してきただろうと。ここでずっと国会で議論をしてきた人達のコンセンサスというのは、まるごと憲法改正草案を出すというのは、ちょっと異常。そんな国の政党はどこもないです。自民党だけです。だから、そちらの方が異常、むしろ普通の国の憲法改正をされているところと同じように、必要があれば、それはよく議論をすればいいと。でも、現在、声もあがっていないし、ここは必要だということない。たとえば、環境権とか知る権利。だって情報公開法に知る権利という言葉を入れるのに反対をしたのは自民党なわけ。そうしたら法律に入れるのは反対しておいて憲法に、とか、環境権の方もこれは公明党だったか、たとえば、辺野古の問題があるでしょう。ジュゴンとか、海を守る。環境権を憲法に入れたら、原発をつくるとか、さらに難しくなるのではないのかということでネガティブな声も議論をされているというように聞きますし、かつ現在、財政健全化とおっしゃいましたけれど、私達、財政健全化法、まず法律でやろうではないかということを自民党に呼びかけているけれども、これも反対。それを憲法に書いてどうするの?何がしたいのというのか。ですから、何か不幸なところは変えたという爪痕を残したいというような、お試し改憲とか言われているけれど、そういうことで、この国の基本法の憲法を翻弄するということは、私は社会全体が不安定になると思っています」
反町キャスター
「辻元さん、先ほど、下村さんが言われた緊急事態条項とか、環境権とか、財政規律というところからどうだろうかというアプローチがありました。そういうところも必要ないですか?」
辻元議員
「というか、法律で対応できると思うんです」
反町キャスター
「敢えて、憲法を改正する必要がないだろうと」
辻元議員
「あとで緊急事態条項の話あると思いますけれど、この間、私、安保委員会でだいぶ議論したんです。東日本大震災というのは、死者で言えば1万8000人以上。これは世界の災害の死者数で、2位です。そこに1番過酷な原発事故が複合しましたでしょう。ですから、人類が経験したことのない災害をあの時に対応した、中谷大臣とやったんですけれども、その結果、これ緊急事態ですね、まさしく国の。特に原発は。その結果、自衛隊法とか、災害対策基本法とか、ここを直さないと対応できなかったというところはありましたかと聞いたら、一切ございませんと。そうすると、現在の法律でも対応できるわけなのに、何で憲法にわざわざ入れなければいけない。それから、被災地の首長さんは、たとえば、宮城の首長さんも含め、まったく必要ないと。むしろ自治体の独自性をもっと法律に入れてほしいと言っていますから。そういう意味でも、現実離れ。現実をよくご覧になったら現在、直ちに必要ないと思います」
秋元キャスター
「FNNの世論調査で、憲法改正に賛成か、反対かと聞いたところ、去年7月の時点では、賛成が37.6%。反対が54.1%だったんですけれども、先月の調査では、賛成が45.5%、反対が45.5%と拮抗している状況です。國重さん、公明党は改憲ではなく、加憲ということですけれども、改憲と加憲、どう違うのでしょうか?」
國重議員
「改憲とは、憲法改正についての考え方とか、手法が違うということです。我々は現在の憲法というのが戦後日本の発展において極めて重要な役割を果たしたと思っています。非常に良い憲法だということで積極的に評価をして、これを守っていこうという立場です。特に基本的人権の尊重、また、国民主権、平和主義。この3 原義について堅持していくという立場です。そのうえで、時代の進展に伴って、また、変化に伴って新しく確立された価値とか、国民の皆さんが望むもの。こういったものについては新しく加えていこうというのが加憲という立場ですけれど、憲法改正自体をタブー視するわけではないですし、憲法改正を否定はしないですけど、憲法改正ありきという考え方ではありません」
反町キャスター
「加憲とは何を加えていくのですか?環境権とか、プライバシーとか?」
國重議員
「そうですね、様々あるんです。これまで諸先輩が議論された環境権もあるでしょうし、地方自治の規定もあるでしょうし、これは様々。党内で。」
反町キャスター
「でも、プロセス的に言うと、先ほど、下村さんが言われたみたいに3分の2で発議をして、国民投票の2分の1という、このプロセス自体は同じですよね?」
國重議員
「同じです」
反町キャスター
「加憲も改憲もやり方というか、流れは一緒ですよね」
國重議員
「ただ、抜本的に変えるということではなく、現在の憲法自体を評価しているという、基本的に全て変えましょうとかいうことではなく、国民の間でも定着しているというようなことで、現在の憲法を大事に守っていきましょうという、このスタンスの違いというのはあるのだと思います」
秋元キャスター
「宮本さん、共産党は現状維持ということですけれど、これはどういうことでしょうか?」
宮本議員
「共産党として、憲法は全条項、しっかり未来に渡って守っていくというのが立場です。やるべきは憲法に書かれている権利が守られていない現実を、憲法を力に正していくということこそが必要だと思うんです。たとえば、教育の機会均等と憲法に書かれていますけれども、実際は世界で稀に見る高学費、給付制奨学金もない、こういう世の中で、お金の有る無しで大学に行けないという事態はあるわけですね。あるいは今年、保育園の待機児童問題、大変大きな問題になりましたけれども、働く権利というのも当然です。憲法27条にあるわけですけれど、保育園の整備ができていないということも政治、行政の責任によって、当然の権利が保障されていないというのがあるわけですから。この憲法を活かして、政治を正すと。政治の異常を正すことこそ私達がやらなければいけない仕事だと思っています」

『憲法9条』と『自衛隊』
秋元キャスター
「憲法9条について聞いていきたいと思うですけれども、2項には、陸海空軍その他の戦力は、これは保持しないとあるんですけれども、果たして自衛隊は合憲なのか、違憲なのか。自民党はどちらの立場なのでしょうか?」
下村議員
「それを素直に、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しないということを、それを普通の人が読めば、憲法学者が言っているように、それは自衛隊は憲法違反でしょう。しかし政府は、前項の目的を達するためというのは、つまり侵略戦争だと。侵略戦争については、これはその通りだと。しかし、自衛の戦争というのは、これは否定しているわけではないと。現在の自衛隊というのは戦力ではなく、これは実力だと使い分けをすることによって、政府は合憲だと、この2項についても位置づけているわけです。これについては自民党も、その考え方なわけですけれども、国民に基本的な理解を得られているのではないかと。今日、憲法記念日だということで高校生の集まりがあったんです。60、70人ぐらいの。今時、すごいなと思って喜んで行ったのですが、このことを聞いたの、高校生に。憲法では、こう書いてありますと。これについて皆さん、自衛隊は違憲だと思いますか、合憲だと思いますかと。私はその場で60人ぐらい聞いたんです。そうしたら高校生の3割ぐらいが違憲だと。7割は合憲だと。ですから、政府のそういう解釈については結構、国民的なコンセンサスが得られているのだなと思いました。しかし、私は、本来の言い方をすると、これは素直に読めば、それは違憲だろうから、憲法というのは基本法だから、誰が読んでもそのように読めるような憲法改正というのは今後目指していく必要はあるのではないかと思います」
秋元キャスター
「先ほどから、下村さんから紹介していただいています、自民党の野党時代の2012年にまとめました憲法改正草案の第9条2項というのが、『我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する』というものですけれども、これはなぜ自衛隊ではなく、国防軍にしているのでしょうか?」
下村議員
「自衛隊というのは海外では軍として訳されているわけです。国内的に自衛隊と言っているだけで、実際、機能的には戦力ではないけれども、実力を持った主力部隊ということです。それから、財政的な規模も他の国にある意味では遜色しない。それから、そもそも独立国家で、自国を自衛する、防衛をするという軍隊がないところなんてないわけです。ということでは、素直にそのまま、憲法改正の中では、それは自衛隊ではなくて国防軍と書く方が海外からも、それから憲法を正しく理解されるということからも、ふさわしいのではないかということで、国防軍と名前を変えた方がいいのではないかと草案として出しています」
反町キャスター
「スッキリさせたいという言い方はちょっと下品なのか。そういう印象を受けるんです」
下村議員
「そういうことですね」
反町キャスター
「戦力は保持しないと言いながら、自衛隊は戦力ではなくて実力だからどうこうという、その解釈によって自衛隊を認めるのではなくて、きちんと憲法上も何か認めるというか…」
下村議員
「それは改正草案ですね。だから、内閣総理大臣を最高指揮官とするというのもシビリアンコントロールで軍隊を勝手に動かさないと、動かせないという意味でもあるわけですけれど、それは名実共に憲法第9条の第1項は変えないわけでしょう。だから、侵略戦争とか、そういうのはこれからも変えないと。あくまでも自衛のためについても、ごまかすような言葉ではなくて、国防軍として、自らを自衛するということを改正案として出したんです」
辻元議員
「9条の自衛隊の改正案は、2項はこうなっているんですけれども、1項と2項と3項と4項セットになっているわけです。どうして国防軍になっているのかと言えば、この1項が肝なわけです。この1項では、自衛権の発動を妨げるものではないと。先日の予算委員会で、安倍首相がはっきり答弁をされて、これはいわゆる集団的自衛権の行使。これはフルスペックの集団的自衛権の行使。いわゆるイラク戦争みたいなものに、イギリスが行ったように、一緒に行くとか。そこまで認めるというように、安倍首相がお答えになったわけです。そうすると、自衛隊の立場をスッキリしたいという話だけでなく、普通に戦争するという国に1項で変えましょうということです。それはアフガニスタンの空爆に行くか行かないかは政策判断と。現在の条文ではできませんから。それで国防軍になっているわけです。その次に来ているのが、軍法裁判所のようなものを置くと。自衛隊というのは普通の軍隊とは違うんです。要するに軍の体系が全部違ってきますから、国防裁判所みたいなものもないです。軍法裁判所みたいなのも。これも置くというのが3項に出てくるわけです。4項に国民と協力してというのが出てくるわけです。これは徴兵制ひける解釈、いくらでもできるような書きぶりになっていますから、全部ひっくるめて単に自衛隊の存在のもやもやする部分をスッキリしたいというわけではなく、体系的に日本の国のあり方を変えようというのが自民党の草案ということです」
下村議員
「曲解というか、正確に私から申し上げますと、第1項にそんなことは書いていないです。第9条の第1項で、『日本国民は正儀と秩序を基調とする国際平和を、誠実に希求し、国権の発動としての戦争放棄し、武力による威嚇、及び、武力の行使は国際紛争を解決する手段としては用いない。前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない』と。これが第1項です。先ほど、辻元さんがおっしゃったのは第9条の2項のところを最初に言ったんです。その2項のところに『我が国の平和と独立、並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高司令官とする国防軍を保持する』ということを言っている。だから、まず1項のところで、これは戦争放棄すると、侵略戦争、という戦争は変わっていないです。これまでと変わっていない。国防軍という意味では、これは集団的自衛権を認めています。集団的自衛権を認めるけれども、しかし、あくまでもその前に侵略戦争としての戦争は放棄しているのだということは、現行の憲法と何ら変わっていないところです。それから、国民と協力してとあるから徴兵制だと。それは言いがかりもいいところであって、第9条の3で、『国は主権と独立の守るため、国民と協力して、領土、領海、及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない』となっていて、これは他のところでもそう、現行憲法もそうですが、徴兵制は認めていない。自民党の憲法改正の中でも徴兵制を認めるような文言の改正はされていません。ですから、それは言いがかりです」
辻元議員
「私が問題にしたのは先ほどまさしくおっしゃった9条の1項の2です。自衛権。これを巡って、この間、議論があったわけです。下村さんが現在おっしゃったように、安倍首相は、『国連で認められている個別的自衛権、集団的自衛権が含まれている』と。これは、要するに、一般でいうところの同盟国などが戦争をした時に行くという戦争。ですから、私が申し上げたいのは、たとえば、イラク戦争にしても、アメリカは侵略戦争だと言っていません。言ってないでしょう?日本も認めていないではないですか。しかし、そういう戦争に行く国に、戦争に参戦をしていく国に変えましょうというのが自民党の草案ですねと。安倍さんもそうおっしゃっているわけですね。国連で認められている集団的自衛権の行使は認められるということですから。同時に現在、徴兵制のお話をされましたけれども、現行憲法でも徴兵制は憲法19条の苦役にあたるという解釈。単なる解釈です。ただ、この前の集団的自衛権の行使を容認ということも、憲法解釈を変えるということでできるとしたわけです。ですから、どこにも、現行憲法にも徴兵制はできないとは書いていないから、解釈を変えようと思えば時の政権が変えられるということを今回やってのけたから、国民と協力してという言葉が入れば、さらに、その可能性が強くなるのではないですかということを、私は申し上げたい」
下村議員
「それが言いがかりだと言うんです、世の中的に。つまり、安倍首相も苦役について徴兵制、憲法違反だということを明確に言っているわけですから」
辻元議員
「でも、集団的自衛権行使も憲法違反と言ってきて解釈で変えはったから心配しているわけです」
國重議員
「フルスペックの集団的自衛権ではないですので、あくまで今回、平和安全法制で認めた自衛権というのは、あくまで自国防衛に限っているということで、他国防衛のものを目的としているものではないですので、いまのところ(辻本議員の発言)というのは訂正させていただきたいと思います」
反町キャスター
「北朝鮮の核開発とか、ミサイル開発、中国の領土的な拡張政策というものを僕個人は脅威に見ています。現在の9条で日本を守りきることができるのか?」
辻元議員
「私は専守防衛の範囲できっちりと守るところを強化していくと。たとえば、これは先制攻撃をするかという話ですよ、結局は。そこにつながっていくわけで。」
國重議員
「今回の9条の改正ということではなく解釈変更ギリギリということで、9条のもとで許容される自衛の措置の限界ということで、これを閣議決定して昨年、平和安全法制を成立させました。それによって日米同盟の信頼性とか、実効性が向上されたので、現在おっしゃったようなミサイル、弾道ミサイルの共同対処、こういったもののシステムが向上したというのがありますので、そういう意味においては昨年の平和安全法制が成立したことによって現在おっしゃられたような日本防衛というのは高まったと思います」
辻元議員
「1つだけお聞きしたいことがあって、あの時抑止力が高まるという議論だったわけ。抑止力は日本とアメリカの関係がさらに強固になったから、ミサイルの実験やめとこう、中国が船出すのやめとこうということなわけですよ。ところが、あれは施行もされているのにさらにエスカレートしているわけです。安全保障を考える時には、安全保障のジレンマというのがあるんです。これはセキュリティージレンマ。でね、抑止力というのは、明確に線をはっきりしておかなければダメですね。これまで日本は専守防衛で、日本を直接攻撃しない限り攻めてこない国だった。しかし、これからは、アメリカの艦船がやられたり、現在よりも曖昧なラインで日本を攻めてくるかもしれない。となると日米の結びつきがさらに強くなったので、日本を攻めてなくても攻めてくるかもしれない。したらもっとやろうか。これは日本と北朝鮮の関係だけではなく、世界中の安全保障のジレンマをどこに線を引くのかという、これが安全保障です」
下村議員
「抑止力の話ですが、フィリピンが外国軍事基地の非設置というのを決めたんです。そのことによって、アメリカ軍がフィリピンから撤退した。そのあとですよ、中国が南シナ海入ってきて、岩礁を島にして、軍事基地にし、3000メートルの滑走路をやって、結果的に南シナ海は中国の領海であると。まさにこのことによって明らかになったという意味では、あとの祭りになったら困るわけです。そういう意味で、今回の70年前に比べて国際情勢、特に北朝鮮の暴発や中国の覇権主義的な野心というのがますます顕著になっている中で、それは我が国だけでは守れないということの中での日米安保条約や、あるいは部分的であっても集団的自衛権を強化することによって、そういう抑止をすることが大変重要だというのが明らかだと思いますね」
宮本議員
「その論理で行けば、安保条約があって自衛隊があって、安保法制をつくったにもかかわらず、尖閣には中国の工船が次から次へと来続けているという事実をどう説明するのかという話になっていくわけですよ」
反町キャスター
「尖閣の問題をどのように解決すればいいと思いますか?」
宮本議員
「私達は話し合いで解決するしかないわけですよ。どんな問題でも軍事で対抗したらお互いどんどん軍事的にエスカレーションするだけだというのがこの間のあらゆる紛争だと思うんですよね。ですから、根本的な解決は外交でしかできないと思うんですよ。そのための努力をしなければいけないというのが1つです。それとあともう1つ、先ほど集団的自衛権で抑止力が高まったかのような話がありましたが、これはまったく私は逆だと思うんですよね。集団的自衛権の行使というのは我が国に攻撃がないもとで、アメリカなり、どこかの国が、戦闘状態に入った時に一緒になって闘うということですから、相手側の国からすれば日本が先制攻撃するというのが集団的自衛権の本質です。そうすれば、相手国からすれば日本が先制攻撃してきたと、日本に攻撃する口実を与えることになると」
反町キャスター
「民進党としても話し合いが1番なんですか?それでしたら対案は出しませんよね?」
辻本議員
「私たちは領域警備法案を出したわけです。今必要なのは領域警備法と、もう1つは周辺事態法の改正案なんですよ。守るべきは守ると。自衛隊を出すのは最後にしないと衝突になるから。国境警備は基本的には海上保安庁でしっかりやると」

『緊急事態条項』の是非
秋元キャスター
「ここからは緊急事態条項について聞いていきます。『内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認める時は、法律の定めるところにより、閣議にかけて緊急事態の宣言を発することができる』というものですが、下村さん、なぜ自民党はこの緊急事態条項が憲法に必要だと考えているのか」
下村議員
「まず災害に想定外というのは許されないことだと思うんですね。先の東日本大震災がそうだと思う。ちなみに各国を調べてみましたら、1990年以降2015年までの間で各国憲法が新しく103か国でできているんですね。103か国でできているうち、国家緊急事態法を制定しているのが103か国、つまり、全ての国が1990年以降は緊急事態条項を入れて、何かあった時は対処すると。我が国において、確かに東日本大震災は大変な災害でしたけれども、しかし、日本は世界の中で、災害大国で、直下型の大地震とか、南海トラフとかがこれからも起きることがあるかもしれないという中で、こういうようなものを憲法の中できちんとやることによって、国民の生命、財産が守られるように憲法によって担保するということについて反対するようなことではないし、逆に、そういうことを対処するということが国の構えとして重要なのではないかと思いますね」
反町キャスター
「具体的にはどういうことが総理はできるようになるのですか?」
下村議員
「たとえば、東日本大震災の時に、自分の敷地に、津波等で車が流されてきた、いろんな他の人のものが流されてきた。しかし、それは私有権だから、勝手に撤去したり、片づけたりすることができなかったというような超法規的に、その時はそれをやるということですね」
辻元議員
「現在、下村さんがおっしゃった東日本大震災の時の、私権の制限というのを議論したわけです。そのうえで、災害対策基本法も変更する必要はないという結論に国会で議論されて、なっているわけですよ。まず法律で対応できることはした方がいいと思うことと、それから、緊急事態条項についてはこの日本国憲法ができる時の議会でもかなり議論をされているわけです。その中で、昭和21年、当時の金森国務大臣という人が、緊急事態条項は行政当局者にとりまして、まことに重宝なものだと。重宝というのは、国民の意思をある期間、無視できるという制度ということで、ない方がいいとなくしているわけですよ。自民党の案だと、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができると。要するに、議会を開いて議論をしなくても、内閣が決めていく、これはいわゆる飛躍という意見もあるけれども、要するに、ヒットラーも緊急事態条項を利用して、悪用して、独裁を敷いていったわけですよ。過去の先人達は、そういう経験のもとに必要ないという結論をされています。確かに、安倍首相はご立派かもしれませんけれども、このあとどんな人が出てくるかわからない」
下村議員
「だから、ヒットラーのような人が出ないような憲法をつくればいい」
反町キャスター
「宮本さんは緊急事態条項をどう考えていますか?」
宮本議員
「私達は大変危険だと思っています。先ほど、ナチスの話がありましたけれど、自民党は緊急事態だと宣言したら、内閣が法律と実質同じものをつくれるようになると。国民の基本的人権も制限できるようになるということになっているわけですね。ですから、誤った権力者がこの緊急事態条項を使ったら、文字通りの独裁への道を開くことができる」
國重議員
「東日本大震災という大規模災害を経験しましたので、それを踏まえて、そこに不備があったのかということをまず徹底的に検証する。法律はあったんだけれど、事前準備とか、運用に問題があったのであれば、運用等をしっかりやると。法律が足りないという感じであれば、あらたな法改正とか、立法措置を講じると。それでも、法律の問題では解決できないというようなことが、検証のうえで明らかになれば、その段階で憲法改正ということに踏み込みますけれど、その時においても様々な手続き論とか、どういう場合が緊急事態なのかとか、誰が宣言するのかとか、効果はどうなるのかというようなことはしっかりと衆参の憲法審査会で落ち着いて議論しないといけないと思います」

下村博文 自由民主党総裁特別補佐の提言:『憲法改正でより良い国創りを』
下村議員
「より良い国を目指すということが、政治で求められていることだと思うし、国民が期待することだと思うんですね。そのためには現在の憲法がパーフェクトで、もうこれ以上ないということはあり得ない話で、常に努力しながら改正、修正していくということが民主主義国家として求められることだと思います。その象徴が憲法改正ですね」

辻元清美 民進党役員室長の提言:『活憲』
辻元議員
「憲法を活かすという意味なのですが、特に気になっているのが、憲法25条で、生存権全ての人が幸福で文化的な生活ができるという条項もあるんですけれど、現在子供の貧困とか、それから、親の経済格差によって学校進学を断念しなければいけないというような国になっていますから、憲法に書かれていることをしっかり活かして、政治、政策づくりをしていく、まずそれが第1ではないかと思っています」

國重徹 公明党憲法調査会事務局次長の提言:『三原理の堅持と加憲 国民の理解』
國重議員
「基本的人権の尊重、平和主義、国民主権、この三原理に関しては堅持すると。そのうえで、時代の要請に伴って、新たに国民の皆さんが必要だと考えるものについてはつけ加えていく加憲という立場です。そのうえで、憲法は国民の皆さんのものですから、しっかりと国会で衆参の憲法審査会で議論をして、その議論の成熟を国民の皆さんと共に進めていくというやり方で議論をしていきたいと思っています」

宮本徹 共産党政策委員会副責任者の提言:『憲法をくらしに生かす』
宮本議員
「先ほど、憲法25条のお話もありましたけれど、全ての人が健康で文化的な生活をおくる権利というのが憲法に書き込まれていますが、それが実際は現実のものとなっていないと。シングルマザーの方がトリプルワークをしなければいけないような事態があるわけです。最低賃金を直ちに1000円にして、1500円を目指して引き上げて、誰もが人間らしい生活を送れるようにする、こういったことだとか、あるいは年金も、あまりにも低すぎて老後破産ということも言われているわけですけれども、年金の底上げを図るために税金の使い方も社会保障を最優先に切り替えていく。不採算の高速道路づくりはやめると。こういう本当に憲法で保障された国民の権利が活かされるために政治は仕事をしなければいけないと考えています」