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2016年4月27日(水)
LGBTの苦悩と政治 性的少数者向き合いは

ゲスト

江田五月
民進党最高顧問 元参議院議長 参議院議員
橋本岳
自由民主党「性的指向・性自認に関する特命委員会」事務局長
衆議院議員
八木秀次
麗澤大学教授
増原裕子
LGBTアクティビスト

性的少数者との向き合い方 当事者達の苦悩と現実
秋元キャスター
「増原さんは自身がレズビアンであることを公表されていますが、最初にカミングアウトされたのが大学の卒業時、友人に対してだったということですね。フランスのパリ留学時に、ご両親にもカミングアウトされたということです。2013年には、元タカラジェンヌの東小雪さんと結婚式を挙げられています。そのあと、LGBTの人々を支援する会社を設立し、昨年の11月渋谷区のパートナーシップ証明書交付の第1号となりました。現在は、LGBTの支援者として活躍されているわけですけれども、自身が、レズビアンであることを自覚されたのはいつ頃だったのでしょうか?」
増原氏
「小学校4年生の時で、現在から30年近く前なので、そういうこともあって自分が女性のことを好きだということを周りに言い出せるような状況ではとてもなく、まず、これは自分で変だなとすぐに思いまして。気づいてから、友達に言えるようになるまで、大学の卒業の時だったんですけれども、その時までずっと1人で抱え込んで、とても孤独を感じでいました」
秋元キャスター
「どういうきっかけで気づいたというか」
増原氏
「小学校高学年になると、皆さん、あの子が好きというような話をしだすのですが、その恋話をしている中で、好きな男の子の他に好きな女の子もいるということに気がつきまして、これはおかしいなというか、あれ、というふうな、気づきでしたね」
反町キャスター
「カミングアウトするまでの部分の話ですけれども、大学生活は、増原さんの時にどういうのがあったのかは知りませんけれど、合コンとか、皆で一緒に、そういうのありましたでしょう」
増原氏
「ありました、もちろん」
反町キャスター
「でも、そういうのを隠していたということは、そういうところに行き、男子学生とわきあいあいやる、雰囲気をつくりつつ、でも、これは、私は全然違うのよと心で非常に冷めた目を持ちながら、その場にいて、でも、プライベートはプライベートな部分で、ちゃんとした自分の恋愛というものを、いわば二重生活をずっと営んできた」
増原氏
「まさに、そうです。仮面をつけているような感じで、男性のことも好きにならないわけではないですけれども、本当に惹かれるのは女性だという想いがありまして、何となく好きな男性と付き合ってみたりとかするんですけれども、長続きしなかったりとかして。あの子、好きだなという女性に対する気持ちを、本当に週6ぐらい一緒に、部活をしている友達に話せないということで、友達に対して隠し事をしているとか、嘘をついているような感じがしまして、そこで、特に大学生はもう大人ですから、引き裂かれるような想いをしていましたね、それが1番」
反町キャスター
「引き裂かれるというのは」
増原氏
「自分の中で、本当はこちらに行きたいし、自分のことを知ってもらいたいのに、それを伝えられない。話すこともできないという。自分で自分の中にとても偏見があったというか、その期間がすごく長かったので」
橋本議員
「すごく話をしてはいけないことみたいなことをずっと想っていらっしゃるんですね」
増原氏
「そうです。自分の中では、差別をする心があったんだと思うんですよね」
反町キャスター
「自分の中に差別する心があった?」
増原氏
「そうですね。それを友達に恐る恐るというか、話をして、受け入れてもらえたことで少しずつ大丈夫なのかなと思えるようになりました」
反町キャスター
「楽になるものですか?」
増原氏
「すごく楽になりました」
反町キャスター
「それはもっと早くカミングアウトしておけば良かったと思うぐらい楽になるものですか?」
増原氏
「そうですね。ただ、本当に怖かったので、そこまで積極的にはなれなかったんですけれども、いろんな映画を観たりだとか、本を読むとか、文学をやっていましたので、大丈夫なのではないかなと次第に思ってきたんですね。それで、話せるようになりました」

『パートナーシップ証明書』
秋元キャスター
「東京の渋谷区は、LGBTの人権を尊重する社会形成を推進するとして、条例に基づいて昨年11月から区民に対して、パートナーシップ証明書を交付しています。このパートナーシップ証明書というのはどういうものなのか。渋谷区はこのように定義をしているんです。『男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える。戸籍上の性別が同一である二者間の社会生活関係をパートナーシップと定義し、2人がパートナーシップの関係にあることを確認して証明するもの』と、つまり、同性のカップルを結婚と相当する関係と認める証明書ということですけれども」
増原氏
「その第1号をいただいたんですけれども」
秋元キャスター
「名前とそれぞれの生年月日が入っているという証明書ですけれども、これはどのようにして申請をして、どのように交付されるのですか?」
増原氏
「渋谷区の場合にはこちらを申請するために、まずカップル、私とパートナーの関係が真摯なものであるということを証明するために公正証書というのをつくらなければいけなくて、なので、2人揃って公証人役場に出向いて、それを誓いまして、公証人の前で。1万5000円ぐらいかかります」
反町キャスター
「それは婚姻届よりはるかに手間がかかりますね?」
増原氏
「そうです。すごくハードルが高くて、その公正証書を持って、所定の様式で、渋谷区に申請をしていただけたということですね」
江田議員
「公正証書に何が書いてあるのですか?」
増原氏
「公正証書には別に絶対こういう形式というのはないですけれど、義務だったりですとか、協力して家庭生活を営んでいくですとか、たとえば、子供ができた時に子供を虐待しないとか。要は、婚姻契約書のような形で婚姻生活、結婚生活の中で、2人で守っていくものを書類に落としたということですね」
江田議員
「お二人の契約を書面にして、それを履行するのが公正証書」
反町キャスター
「証明書を取ったことで、何か生活するうえで、いいことは?要するに、非公式な女性同士の結婚生活ではなくて、いわばこういう証明書を取ることによって何かメリットがあるのですか?」
増原氏
「個人的にメリットを感じることは少ないですけれど、実はこの証明書を取ったところで法的な拘束力はゼロですよね。ただ、効果として期待されているところが渋谷区なので、渋谷区の病院だったり、不動産屋さんだったりで、ここの夫婦関係を家族として認めてもらうという効果が期待されていまして、片方が重病になってしまった、意識不明になってしまったという時に面会ができなかったとか。これまでの先輩達のお話をたくさん聞いているんですけれども、そういった時に渋谷区の病院で、渋谷区の証明書があればということで、できるということと、こちらの同性パートナーシップ証明書の動きというのが、渋谷区と同じ日に世田谷区でも始まりました。それをきっかけに企業がLGBTの人達への対応をかなり加速化してきました。1番大きいと思ったのが、生命保険の死亡保険金の受取人に、これまでは同性パートナーというのは基本的に指定できないことが多かったんですね。私も実際に、過去に自分のもともと母親を指定していたものを、パートナーに変えたいなと思って問い合わせた時、それはもう3年前ぐらいですけれど、その時、婚姻ができないのでダメとはっきり断られてしまったことがあるのですが、今回これをきっかけに生命保険業界が一気に動きまして、同性パートナーも保険金の受取人に指定できるようにしようということで、会社によってこういった証明書がないとダメと。証明書がないと言いますと、まだ、渋谷区で8組だけなので、ハードルが高いですけれども、一応、流れとしましては、そういう方向で動いてきました」
反町キャスター
「社会保険、たとえば、扶養とか?」
増原氏
「ダメですね。ダメですし、要は、法律で決まっていることに関しては」
反町キャスター
「この範囲だけですね。そうするとどちらかが亡くなられた場合、遺産相続とか。それももちろん、国の法律に関係することだから…」
増原氏
「ダメですね」
反町キャスター
「あくまでも区の中の話だったらば、これによって効力を発揮する部分はカバーできると。こういうことですね?」
増原氏
「なので、相続権だったりとか、配偶者控除だったりとか、そういう国の法律で決まっていることに関しては一切、関係ないと」
八木教授
「法律に反することはダメです」
反町キャスター
「渋谷区がこういうパートナーシップ証明書を発行した、このことの、メリット、デメリット、いろいろ聞いてきましたけれども、どのように感じますか?」
八木教授
「私はそもそもこの条例がなぜ必要なのかというところの、区側の最初の説明がアパートに入居できないとか、病院で面会ができないとか、そういう個別の問題が出てきたんですね。それが理由に挙げられたんですけれども、であるならば、その個別の対応で良かったのではないのかと。すなわち不動産の入居については別に家族でなくてもよいと。現にそうなっていますけれど。病院の面会も1人暮らしの高齢者が多いわけですから、ですから、別に親族関係でなくてもよいだとか。そういう個別問題解決でよかったと私は最初、思ったんです。それが一般原則の変更に近いことに発展しているというところに、ちょっとそこは解決策として行き過ぎではないのかなと思うんですね。それは結婚に相当する関係と言っているんですけれども、相当する関係というのは、一般にそれそのものではないけれども、それに限りなく近い関係だということですね。つまり、現在の、我が国の憲法や民法をはじめとする、法体系の中における結婚というのは、これは男女のものと限定をしているわけですね。それを同性のカップルとの関係がそれに限りなく近いとまで言ってしまうのは、それはいろんな意味で、齟齬というか、抵触があるのだろうと」
反町キャスター
「それは自治体がそういうことを言うこと自体に対する違和感というか、異議というのもありますか?」
八木教授
「あります。法律のところで議論がされないままに一自治体の施策で、そんなことをしてよいのかと。もっと国民的な議論があって、国民の大多数が、あるいは国民の代表である国会議員がそういった判断をするのならば、また、それは1つの考え方だと思いますけれども、しかし、渋谷区という非常に限定された自治体における、そこの議会で、それほど議論もなく、私に言わせれば、拙速ででき上がったと。だから、それ故にあまり広がっていないという逆効果面もあるのであろうと思いますね」
反町キャスター
「いかがですか?自治体が決める問題ではないという八木さんの話」
江田議員
「そんなことはないと思います。だいたいこれはそれぞれの個人個人の生活の話です、基本的には。生活者の政府というのはいったいどこなのかと。自治体が生活者の政府なのではないかと。だから、自治体の中で、こういう生活ができますよというのを決めるのは、私は条例が決めて、それで十分かなと思いますね」
橋本議員
「ただ、そこは憲法24条というのがありまして、両性の合意のみに基づくことで成立をすると書いてある。解釈でいろんな言い方をする人もおられるけれども、素直に読むと、私は、それは両性というのは男性と女性でという意味だよねと思うというのが、大原則なのだと思っています」
反町キャスター
「そうすると橋本さんは渋谷区の決定というのは、これは憲法に反すると見ている?」
橋本議員
「先ほど、江田先生がおっしゃったように民法上、結婚をするといろんな権利も、家族としての権利も認められるのと同時に義務がかかりますねと。かつそれが公に皆、そういう関係になっていいよねということを認めるということが要るんだと思っています。要するに、憲法は一応、男性と女性ということを想定しているだろうと私は思っていますので、その中でもっと議論があって然るべきなのだろうと。逆に言うと、先ほどの渋谷区の話で公正証書にいろんな義務まで書いて約束をしていますと。ある意味で、男性と女性が結婚しようという時よりも、きっちりと考えていらっしゃる面というのはあるのだろうなと思いましたけれども」
江田議員
「素晴らしい婚姻関係ではないですか」
橋本議員
「素晴らしいかもしれない、男性女性よりも素晴らしいカップルかもしれないと思うのと、結局、憲法の要請でこうなっているということ。それはもちろん、生活の面だと言う面もありますが、同時に親から受け継いできて、子にこの国を渡していくという国民という中で、一応、現在持っている憲法ではこうなっているのだということは、それはそれで意味があると。大事なことだと思うので、もし、たとえば、きちんと認めようということにするのならば、たとえば、憲法を、ここに両性の合意ということを別の日本語に直し、どちらでも読めるようにしようと。そのぐらいの国民的議論が湧いた時に、それは考えられてもいいことなのだろうと思います。ただ、まだそこまでには至っていないのかなと」
江田議員
「いや、だから、それは憲法とか、民法で規定している婚姻関係をそのまま持ってくるという話まではなかなかいきにくいだろうと。だけれど、それと同様の保護というのを社会的に受けるような、そういうシステムを条例でつくっていって、別に。先ほどの、八木先生の憲法や法律の範囲の中で条例というのは決められるんですよというお話がありましたよね。だけど、これは両方あって、その範囲の中でしか決められなくて、その外側は決めらないんですよという法規も、法規範もある。だけれど、そうではなくて、憲法や法律は、こういう規範ですが、それは国としてはこういう規範だけれども、それの外側のものは別につくったって、はみ出して構いませんよというのもあるわけですよ」
反町キャスター
「たとえば、現在言われたような、当然、そういうふうにあるべきだというベースがあるにしては、渋谷区の動きというのはなかなか全国に広がっていかないという雰囲気がある。これはどう見ていますか?」
江田議員
「第1歩としては、これはボコボコにされることはあるでしょう。だけれど、だんだん広がると思いますよ、これは。だって、世界中を見たら、そういう方向、大きな流れなのだから」
橋本議員
「江田先生がおっしゃったことは民民の契約としては、それはそうだと思うということと、自治体もまた地方の行政を担う、政府という公の主体ですから、それは憲法の考え方との整理というのは守ってもらうべきだろうかと思います」

同性婚は認められるのか?
秋元キャスター
「日本では現在、法的に同性同士の婚姻、同性婚というのは認められていないわけですけれども、世界では同性婚を認める動きというのが広がっています。2001年にオランダが同性婚制度を導入しまして、そのあと、ベルギー、ノルウェー、スウェーデン、フランスやイギリスも同性婚を認めています。アメリカは現在も認められていない州があるものの昨年、連邦最高裁が、同性カップルが結婚をする権利は憲法で保障されているという判断を示しています。橋本さん、日本の場合は同性婚について今後、どういう方向に向かうのでしょうか?」
橋本議員
「現時点での政府の考え方、憲法24条は両性と書いてあるので、男性と女性の異性同士の結婚というものなのだということになっていますし、私達もそう考えています。同時に、たとえば、宗教によってはダメという宗教も、たとえば、イスラム教とか、カトリックとかがあったりすることも、それもまた事実で。そういうことまで含め、どうするのかということはきちんと考えないといけないのだろうなと。現在の原則というのがある現状で同性婚を、たとえば、認めるべきということはそうした方々との考え方をどう整理をするのかという議論がきっと要るのだろうと。もちろん、渋谷区の取り組みを踏まえたように、あるいは、まさに、されたように、そういうニーズというのか、そういうお声があるということは承知をしていますし、しっかり議論をしていかなければいけないことだと思っています」
反町キャスター
「江田さん、いかがですか?今後の日本における同性婚が認められるかどうかというこの流れ。どう見ていますか?」
江田議員
「憲法は確かに両性の合意と書いてあるので、これは両性だから、男男、女女、ということになると両性とはならないでしょう。だけど、両性と書いてあるから、だから、同性の婚姻制度というのを別につくったら、それは憲法違反になるというほど憲法は排除的なものではないという気はするんですね」
秋元キャスター
「あらためて憲法24条ですが、『婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない』となっているんですね。先ほどから話がありますけれど、両性と書かれていると、これは男女ということになるという、八木さん、これはそう読めるということですね?」
八木教授
「そうとしか読めないですし、大多数の学者は、それは男女と、あるいは民法も、夫婦は、男とは、女とは、そう言っていますから、それは男女の組み合わせを婚姻と理解するのが、大多数の意見だということですね」
反町キャスター
「江田さんは、憲法では両性の合意とは書いてあるけれども、たとえば、同性間の結婚というものを認めることは、これは決して憲法に背くことではないだろうという趣旨の発言がありました」
八木教授
「先ほど、同性婚を認めている国がありましたが、かつてはこれらの国で同性愛者というのは結婚からの自由ということを言っていたわけですよ。結婚というのは男女のものであって、それでいろいろな縛りがあるわけですね、結婚制度というのは。ここに拘束をされないような自由な関係、パートナーシップを築きたいということで、婚姻制度を、あるいは結婚からの自由、解放ということを言っていたわけです。それが30年ぐらい前からですかね、婚姻制度というのは他の人間関係と比べて、特別に保護をされているんです。たとえば、男女の関係というのもいろんなパターンがあります。恋愛関係もあれば、内縁関係もあれば、現在、流行りの不倫関係もある。しかし、婚姻関係だけは特別な関係になっているんです。それはなぜなのかというところが、あとで議論になるかと思いますけれど、この保護されている関係の中に同性愛者も入れないかという、その流れになってきて、同性婚を認めているという、そういった大きな流れがあるんですね」
反町キャスター
「それは、八木さんから見ると認めるべきではないという」
八木教授
「私は、婚姻制度というのは、これは子供を産み、育てるための制度として、そもそも構築をされていると。もちろん、例外はありますよ。結果として子供ができない、あるいは子供を産まない選択をしながら結婚をするだとか、あるいは高齢者で子供がどうしてもできない年齢で結婚をするということもありますけれども、しかし、基本の部分は子供を産み、育てる制度としてつくられたと。それが昨年の12月に、最高裁の法廷で判決がありましたけれども、再婚禁止期間を6か月間から100日にすれば、合憲だという判断が出ましたが、しかし、それでも100日間、再婚禁止期間を設けたわけですよ。これは、父親が誰なのかということを容易に推定するための制度だと。これは、つまり、妊娠し、子供を産むということを前提とした制度になっているわけですね。ここのところを、最近、多くの人はあまり言わなくなっているんですけれど、その原点をまず踏まえて。すなわち婚姻は男女のものだと。ですから、これとまったく違うカテゴリーであれば、それは検討の余地はあるとは思うんですけれども。相当する関係だとか、同じような扱いとか、そういうことになってくると社会全体のあり方に大きな変化が生じると」
反町キャスター
「増原さん、いかがですか?結婚というのは子供を産み、育てるための制度であるという、現在、八木さんからそういう話がありました。結婚に対してそういう考えを持っていますか?」
増原氏
「少なくとも現状そうなっていると思うんですけれども、ただ、同性婚が、仮に法制化されようが、されまいが、私は変わらないですよね。なので、よく同性婚を認めると少子化になる。だから、絶対に認めてはいけないのだというお話があるかと思うんですけれども、それって違うのではないかなと思っていて、制度がまず、既に少子化になっているということと、仮に同性婚が法制化、このままされなかったとしても私は男性と結婚して、子供を産むということはないので、まずそこは分けて考えなければいけないのかなということ。あと先ほどから、憲法24条の読み方ですけれども、一応こういう読み方もあると思うんですよね。憲法が制定された当初は、同性婚というのはまったく想定されていなかったので、要は、男女というか、両者間の自由な契約によって婚約を成立させようと…」
反町キャスター
「この両者というのは、男性、女性ではなくて、人間二人という意味?」
増原氏
「2者間と。それが両者ということで、そういう読み方もできるのではないのかという、そういう説もありますよね」
橋本議員
「私達とすれば、だとすれば、その解釈で漢字を読みかえるのではなく、是非、改正をしようという議論をしていただければ、また、それはそれで国民の皆さんの議論になるのだろうと思います」
反町キャスター
「自民党は、そういう意味で言うと、憲法改正が前提となって同性婚の議論に入りたい。こういうスタンスなのですか?」
橋本議員
「だから、前提というか、憲法改正ができるぐらいの国民的議論。要するに、それは国会の3分の2の発議、国民投票で2分の1の、というハードルがあるわけです。少なくとも国民の半分以上の方がそういうことも1つの関係のあり方として認めてもいいよねと。たとえば、婚姻というのはそうだねと。もちろん、それが八木先生のご指摘もあるでしょうし、いろんな方のご思想に、そういうような意識になって、憲法改正するのだということになって、されれば、婚姻は両者の合意に基づいている、ということになれば」
反町キャスター
「なれば、それは同性婚もOKだろうと」
橋本議員
「新しい憲法下で、行政体としてはやるのは簡単ですよね」
反町キャスター
「現行の24条のままの、解釈改憲とはまったく違うのでしょうけれども、この24条の解釈によって、同性婚を自民党が認めるというのは現状としてあり得ない?」
橋本議員
「現状においては、それは考えていません」
反町キャスター
「民進党はいかがですか?民進党は24条のままで同性婚を認めるべきだという立場なのですか?」
江田議員
「だから、憲法や民法に基づく制度が1つあって、それと並ぶような特別法による、そういう制度をつくるということは、私はあり得る話だと。それは憲法違反というほどのことではないと」
反町キャスター
「党内での議論、そのへんはどうなのですか?」
江田議員
「そこまでは、まだしていません。そこまでは行っていません」
反町キャスター
「現在の話を聞いていると、永田町、少なくとも政治の場においては、この24条のままで同性婚を認めるというところは、大きなうねりとしてまだ起きていないという感じを僕は受けるのですが」
増原氏
「確かに現状は難しいことでもあるのかなと思いつつも、同性カップルでもう30年、40年と長いパートナーシップを結んで、一緒にお爺ちゃん達になって、お婆ちゃん達になっている人達…」
反町キャスター
「養子縁組とかになっている人、結構多いですよね?結婚できないから、養子縁組になって、親子関係になって、そういうのをやるんですよね?」
増原氏
「本当に愛するパートナーにどうしてもお金を残したいからということで、本来の趣旨とはまったく違うんですけれど、普通養子縁組で親子になったりしているケースはあるんですけれど、相続の問題はとても大きいと思うんですね。安定した同性パートナーシップを築いている方は既にたくさんいるんですよね。その人達を法的に保障するということで、その人達の幸福度が上がるということは、日本にとっていいことではないかなと思っていまして、逆に同性婚、その手続き的な問題、いろいろあると思うんですけれども、同性のパートナーシップの法的保障をすることのデメリットは何だろうとすごく思います。いいことの方が多いのではないか」

差別に対して政治は…
秋元キャスター
「民進党は、雇用の場などでの差別を解消するため、LGBT差別禁止法案を提出する準備を進めています」
江田議員
「現在のLGBTの皆さんは、個性なので、個性を持った少数者が社会から排除されるのというのはまずいと。そうではなくて、たとえば、色盲の人がいろいろ苦労する、だけど、色盲の人もよくわかる道路標識をつくるとか、そちらの社会の方がいいではないか。日本は色盲の人は1人もいませんという社会にするよりは色盲の人が生きやすい社会にするという方がいいのではないか。それなら、性的少数者の皆さんも、たとえば、雇用の場や子供の学校でハラスメントがない、あるいはストレスのない、そんな社会にする、それを民進党としては目指していこうということで法制化を準備している、大きく言えば」
八木教授
「ここで言っている差別とか、ハラスメントというのが何を意味するかによるわけですね。その差別の解消、ハラスメントの防止に反対する人は1人もいないはずです。問題は中身です。たとえば、男女で分けた方が指導で合理的な場合もあるわけです。そういうことができるのかどうか。性同一性障害、あるいはどちらにも自分は分類できないのではないかと考えている少数者がいます。しかし、大多数はどちらかに分類できる」
反町キャスター
「成立した場合、社会にどういう影響をもたらすのかについては?」
八木教授
「当事者がどういう困難に直面しているのかというリストが発表されているんですね。それを見ますと、性的少数者がこういったことには困った、不愉快だという一覧ですが、その中で認められるであろうという、たとえば、人前でLGBTということで侮辱されるだとか、そういうことはあってはいけません。しかし、ここまで譲ると先ほどまでの議論ですけれども、婚姻制度の根幹にかかわるという部分が出てくるわけですよ。たとえば、法定相続です。民法は優遇なければ、配偶者が亡くなれば、2分の1を相続できるということになっています。男女の間柄だけです。これも困難ということで挙がっていますが、私は婚姻制度の根幹を守るという意味でも、そこまでは認めるべきではないだろうと」
橋本議員
「程度論ということと、順番とか、段階論という見方も要るのかなと。LGBTをテーマにしている時に、同性婚のところがどうなのかから入られている、この番組では。同性婚は現在、議論が最も分かれていて、いろいろな議論があるよねと。議論が必ずしも煮詰まっていない。というところと、不当な、不合理な差別だとか、いじめみたいなことについて、それはあってはいけないよねということは、おそらく…」
秋元キャスター
「自民党の基本的な考え方です。現行法を尊重しながらカミングアウトする必要がない社会、とはどういう社会ですか?」
橋本議員
「カミングアウトが何かというと、当事者は親にもなかなか言えない、周りにも言えない、言ってはいけないという中で葛藤してしまうというのがあって、そこを何かのきっかけで言うというのがカミングアウトですよね。だけど、それはご自分の中、あるいは周りが、いけないのだ、という思い込みが強いから起こるんです。あるいは言った時に受け止めてもらえないというのは、親御さんの頭の中にそういうことはいけないのだということがあるということが問題なのだろうと思うんですね。その思い込みが社会の中でなくなっていけば…」
反町キャスター
「その方針と、現行法を尊重しながら、は矛盾していないですか?」
橋本議員
「違うんです。現行法の中でももちろん、差別の解消だとか、たとえば、労働雇用の中で不当な目に遭うということがある。現在の厚労省の取り組みでも、公正な採用、選考をしなさいとしているわけですね。そういうことをやっているとか。解雇についても労働契約法16条があって、客観的、合理的な理由を欠くとか、社会通念上相当であると認められない場合、その権利を濫用したとして無効とするという規定があるわけです。こういう規定の中で、社会通念というのは、だんだんとLGBTの方がおられるのだと、1億総活躍と言っていますが、1億の中におられるよねと。皆で活躍しなければいけないねということを言っていくということで、現行の法制度の中でできることがいっぱいあると思っているんです。それがきちんとできて、理解が進む。その中でまだ法律上足らざるところがあるねと、あるいはここは直した方がいいことがあるよねということになったら、それは変えていこうという方がスムーズに通りやすくなると思います」

増原裕子 LGBTアクティビストの提言:『アライ(Ally)』
増原氏
「アライという言葉を覚えていただきたいと思います。LGBTの文脈でアライというのはもともと英語のアライアンス、同盟という言葉からきていまして、LGBTの当事者ではないのですけど、LGBTを理解して、支援していきたいという人達のことをアライと言います。LGBTの人達が7.6%いるとしたら、そうでない人達は92.4%になるんですね。何かこんな生きづらさがあるよというお話をしても、当事者の数が少ないので、なかなかいろいろなことが動いていきづらいというのが現状ですので、92.4%の人達にできるだけ、こういう問題があるとか、こういうことで困っている人達がいるということをまず知ってもらったうえで、一緒にできることはないですかということを一緒に考えていただきたく、その延長線上に法制度とかがあるのかなと思っています」

八木秀次 麗澤大学教授の提言:『制度としての婚姻を守る』
八木教授
「差別はダメです。差別は行ってはいけませんが、しかし、男女の婚姻制度を守ることは、私は差別には当たらないと考えます。男女の違いだとか、男女を前提とした異性愛の価値、これについてもしっかり目を向けるべきだと思います」

橋本岳 自由民主党衆議院議員の提言:『まずお互いに理解と受容を』
橋本議員
「いろいろな議論があります。だけど、こういう方がおられるのだということについてきちんと皆で共有していけば、受け入れらやすい、皆でハッピーな社会になるのではないのかなと思っています」

江田五月 民進党最高顧問の提言:『少数者の包摂!!』
江田議員
「たとえば、この4月1日から障害者差別解消法が施行されたんですよね。障害者であるとか、性的マイノリティとか、いろんな少数者がいて、お互い皆、社会で住みやすい、そういうことにしていくのが大切なことなので、家庭制度をどうという話もあるけれども、まず少数者が生きやすい社会にしようというのが1番大切だと思いますね」