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2016年4月20日(水)
自動運転・燃料電池車 日本のクルマの未来は

ゲスト

古屋圭司
元国家公安委員長 自由民主党モータースポーツ振興議員連盟会長 衆議院議員
永井正夫
日本自動車研究所所長
清水和夫
国際自動車ジャーナリスト
町田徹
経済ジャーナリスト

新技術が変えるクルマ社会 『自動運転』で何が変わる?
秋元キャスター
「まず自動運転というのはどういったものなのか。あらためて確認しておきたいと思います。自動運転とは、カメラやレーダーやセンサーなどを使って、周囲の状況をコンピューターが認識して、ハンドルやブレーキ、アクセルを自動で制御して走るシステムのことですね。この図のように車に備え付けられた、こういったカメラで道路上の白線や前の車を認識し、GPS(全地球測位システム)を使って、絶えず正しい車の位置を確認しながら走行しています。また、レーダーですとか、センサーで周囲の車との距離や障害物を認識し、危険とみなせば、自動ブレーキをかけるということなんです。さらに、コンピューターが安全を確認すれば、車線変更や追い越しも行います。こうした自動運転は、高齢者や障害を持つ人の運転支援だけではなく、交通事故の減少や渋滞の解消にも大きな効果を発揮すると言われています。安倍総理はこのような自動運転を成長戦略の柱の1つに位置付けていて、2020年までに1部の実用化を目標としているわけですけれど、まずは古屋さん、これは2020年までに完全無人化を目指すということなのでしょうか?」
古屋議員
「いや、そうすると、皆さん、ちょっと誤解をしているんですね。そのまま、自動的に走って、ドライバーの責任は何もないというイメージを持つと思うんですけれど、それが目指しているのはもっと先で2025年以降です。現在レベル1、レベル2、レベル3、レベル4と分けているんですけれども、総理が言っているのはレベル2ですよ。要するに、ハンドルを回してアクセルを踏んだり、ブレーキをかけたり、障害物を避けたり、そういう一連の動作が自動でできますけれども、しかし、ちゃんとドライバーが、いざという時にはいてくださいねと。それが2020年までに実用していこうという、いわゆるレベル2という段階です」
反町キャスター
「手離し運転にはなるのですか?ならないのですか?」
古屋議員
「それは自動運転をしている時にはハンドルにさわらない。これは昨年の11月でしたかね、総理自身も自動運転の車乗っていますよね」
清水氏
「シェアードコントロールと言って人間も運転をする。コンピューターシステムも運転をする。一緒になって、二人羽織でそばを食べているような感じですけれど。自分の目が2つあって、車にもカメラがありますからね。目が4つになる。自分が脇見をした時には、人間のミスが起きやすい時には、システムがカバーをする。そういうところが、暫くずっと続きながら、完全にシステムに任せられるところは、高速道路、自動車専用道で、条件が良ければシステムに任せます。その間、手持ち無沙汰になりますから。監視役として自動運転をしていたら、ずっと前を見ていなければいけない。他のこと、ちょっとスマホをいじりたくなりますよね」
反町キャスター
「だから、他のことをやるか、もっと眠くなるかどちらかですよ」
清水氏
「他のことをやらないと、アメリカなんかでは意味がないと言っているんですね。ティーンエイジャーの事故の、かなりの原因がスマホ事故というのがありますから。そこを、サブタスクをとって、他のことをするとその瞬間、システムが監視する。その時に、責任はどちらにいくのかという話を実は自動車メーカーの人達とオフ会で話していると、もしシステムに責任を持てと言ったら、自動車メーカーはやりたくないねと。もらい事故とかがありますから。その時にドライバーの責任なのか、自動で運転していていも、自動運転というスイッチをドライバーが使ったのだから、まだ、ドライバーの責任の範疇だよねと。手は離してもいいよと。でも、いざという時にドライバーがシステムをカバーする、システムがミスをしやすい時に。人間がミスをしやすい時はシステムがカバーする。暫く、そういうところを折り重ねながら、いろいろなことを経験して、社会に対して10回のうち9回うまくいくかもしれないけれど、1回は失敗するかもわからないと。皆、認めますか」
反町キャスター
「その問いかけをずっとしていた?」
清水氏
「しないと。薬と一緒でちょっと副作用はあります。でも、被害は大きくしないようにしましょう。だから、ただ、100%を求めていくとなかなかできないんですね」
反町キャスター
「実際の事故は先ほど言われた、ハンドルを触るようで触らないようなこの状態ではなくて、究極の無人運転にいった時まで考えた時に、事故は減ると思ってよろしいのですか?」
清水氏
「現在の交通事故の、実際の事故分析をすれば、ほとんどがヒューマンエラーと言われていますから、ですから、IT(情報技術)の連中はヒューマンエラーなので、人間がバグだと思っているんですね。コンピューターのバグと一緒だと。だったらバグは自分達が直すというのがグーグルの考え方です。人間にやらせない方がいいだろうと。ただ、車の好きな人達は自分で運転したいから、その時はスイッチを切って自分で楽しめばいいよねと。もう1つは、無人の話は遠い未来にあるのだろうなと僕は思っていたんですけど、実はグーグルあたりが無人タクシーとか、日本でも小泉進次郎さんが一生懸命押しているプロジェクトがありますけれども、これはこれで、タクシーで、もし人がいないで、無人タクシーだったら料金が下がるし、過疎地も使えるし、小さな電気自動車も走らせられる。たぶんいろんなことが、できるところからやりながら、社会と話をしながら、社会情勢を考えて、同時に、法律のところもきちんと議論をしながら。こういうことがたぶん課題がいっぱい出たということは、これまでやってなかった時には課題はわからなかったんですけれども。課題が出たということは…」
古屋議員
「まったくその通りで、これは政治、総理が2020年にやるとはっきり宣言して、関係閣僚会議でもやって。要するに、国の意思として進めますよということを、はっきり宣言をしたんですね。そうすると皆、民間の人達はそれに向かって必死にがんばっていく。だから、今度も、たとえば、5月の連休明けぐらいには安全基準とか、そういう実証実験をまず始めないといけない。そのガイドラインはどうするの。これは第一義的には警察ですよね。だから、現在そのガイドラインのパブリックコメントを、ずっと皆から求めながら、確か5月7日か8日だったかな、締め切って、示すわけですよ。その時あまりにも非現実的なものでは実証実験の実態に合わないだろうし、警察としては安全対策を担保しながら、実証実験をやりやすいものにしようと。確か8項目か、9項目のガイドラインになると思いますので、それに合わせて、実証実験に向けてやっていく。2017年度ですね。実際2018年度からそういったものが入っていくということになります」

日本の自動車産業の未来
反町キャスター
「最終的な無人運転までも視野に入れて将来を語った時に、そうなると、たとえば、ドライバーという仕事はなくなるのかとか、あと本当に余計なお世話ですけど、自動車評論家という仕事もなくなるのではないかという、皆、同じ車。どうですか?どういう影響が出てくると感じますか?」
清水氏
「車が自動化して認知、判断、操作を、ドライバーがやっていたものがシステム、コンピューターになりますと。その時それは、僕はたぶん手段だと思って、社会の中で、個人が自由に移動できる。誰しも移動できる。体の悪い方も、お年寄りも。そういう社会が来た時に、もう1つ先にもっと楽しいものがあるのではないのかなと思うんです。馬車の時代が終わっても、乗馬というスポーツが残ったように、たぶん車はピストンエンジン、たまにはちょっとエンジンをかけてみるとか、ガソリンを入れてみようとか、ちょっとCO2(二酸化炭素)を出してみようとか。自分でタイヤを鳴らしてみるとか。たぶんスポーツとしてはあり得るのであって、逆に自動化をしたことによって、ドライバーがあるところから解放をされるともっと移動が楽しくなる。たとえば、リッター100kmキロの車で、1時間富士山から御殿場までかかるんですけれど、その間、自動運転できれば、会社の伝票を見たり、メールをチェックしたりすれば、わざわざ東京に住まなくても、100km離れたところに住んで、環境の良いところで子育てし、お父さんは1日3時間かけて通勤すると。それが自動運転であれば、皆そこをチョイスできると思うんですね。大きいショッピングモールでもお年寄りは車庫入れが面倒くさいですよね。公道ではないですから、車から降りて、スマホでボタンを押したら、自分で探して止めにいく。オートバレーです。これは技術的には可能ですね。となると、もっと社会が、世の中が面白くなって、もっと車社会が魅力的になっていくのではないかなと思うんですね」
反町キャスター
「その状態というのはもしかしたら、たとえば、ガソリン車を持つことに対して、すごく税金がかかる、普通の、自分のマニュアル、ないしはオートマでもいいです。自分で運転する車に対する社会的な負担。税にしても、保険料にしてもすごく高い、車を持つことが高級な趣味になっている。そういう時代ですかね?」
清水氏
「そうかもわからないですね。古屋先生が前に国家公安委員長の時に速度見直しとか、交通事故抑止の話をずっとしていましたけれども、僕はもうこてこての車の世界で生きてきた人間ですけども、年間4000人も交通事故で亡くなって、70万件の交通事故があって、実はその上に乗っかっている産業です。ですから、車が楽しいとか言っていますけれど、ふと足元を見るとそれだけの犠牲者がある。これが許されているのはプランBがないからですね。個人が自由に移動できる乗り物が公共交通以外にはないです。それに甘えて事故の上に乗っかっていたとしたら、事故は限りなく減らしていかなければいけない。その方向、この技術で可能性が見えてきたと思うんです。ですから、これは未来をつくる、未来の社会をつくる、大きな社会イノベーションではないのかなと思っています」
古屋議員
「その通り、現在、私は本当に車好きですし、趣味にしていますけれど。昭和30年代の方が車は300万台ぐらいしかなかったけれども、交通事故死者は1万人を超えていたんですよ。現在、9000万台あって、死者が4300人ぐらいになっていると思いますが、減っているんです。だから、車社会という利便性の犠牲。コストは80分の1になっている。でも、理想は現在、清水さんが言ったようにゼロですよ。でも、現在のこのシステムで、交通事故死ゼロに、というのは非現実的ですね。だから、究極の目標は、たとえば、そういった交通事故死という意味からすると、限りなくゼロに近づけることはできるかもしれないですね」

『自動運転』と自動車産業 日本の技術は世界に勝てるか
秋元キャスター
「さて、自動運転の実用化を目指して、世界では自動車メーカーだけでなく、IT企業も参入して、技術開発にしのぎを削っている状況です。こちらが主な企業の開発状況ですけれども、自動運転に関する開発状況ですね。トヨタは、2015年に既に高速道路での合流、車線変更などのデモ走行を実施しています。日産は、自動運転で走行する実験車両での公道実験を2015年に開始しています。ホンダは、高速道路における自動運転車のデモ走行を2015年に公開しています。一方、海外を見てみますと、メルセデスベンツが自動運転のコンセプトカーを発表していて試乗会も2015年に実施しています。アウディはシリコンバレーからラスベガスへのおよそ900kmを自動運転のみで、2015年に走行をしています。BMWは、自動駐車が可能な新型車の発売を、2016年に予定しているということですね。こうした既存の自動車メーカーに加えて、アメリカの世界的IT企業グーグルも人が操作するハンドルやブレーキのない試作車で、公道の走行実験を2015年に実施しているということですけれど、清水さんはこの日本の開発の状況。海外と比べるとスピードはどうなのでしょう?遅れているのか、早いのか?」
清水氏
「少し出遅れ感はあったんですけれど、現在、一生懸命、キャッチアップしようとしていますけれども、実はこの情報が結構、1年経つと、5年ぐらい前の感じになって、そのぐらいのスピードですね。今年2016年1月に、日本で売られているテスラが、ウィンカーを出せば、自動的に車線変更ができるのがもう認可をされ、日本で走っているんですね」
反町キャスター
「それはどこですか?ウィンカーを出すと自動的に車線変更をすると。それはレバーを落とすと、ハンドルをいじらなくてもレーンチェンジするのですか?」
清水氏
「そうです。ミリ波レーダーで隣のレーンにいないことを確認して、自分で勝手にレーンチェンジをしてくれるんです。そういうような自動車線変更が今度のメルセデスベンツにも、日本に4月に入るものに認可する予定です、国交省が。警察庁はもっと柔軟で現在ハンドルから手を離してもいいですと。ただ、いつでもすぐにドライバーが責任を持って運転できる状態であれば、手を離してもいいですと。ハンズオフをOKしたんですね。ドイツはまだハンドルを握っているようですね。ですから、このへんの車はかなり1年でアップデートをしていますし、自動駐車は当たり前になってきています」
反町キャスター
「ハンズオフは楽ですか?手だけを離していればいいだけ?前をじっと見ていなくてはいけないですよね?」
清水氏
「だから、握りたい方は握ってもいいですね。だから、自由だよということですね」
反町キャスター
「それはあくまでも先ほどの、古屋さんの話ではないけれど、あくまでも過渡期、途中であって、ゴールではもちろん、ないわけで。それは車を売るにあたって、手放しでいいですよ。でも、前を見ていてねと…売り物になるのですか?」
清水氏
「ですから、自動で運転をするには、ずっと持ってなければいけないというのがある種矛盾しているので手を離してもいいと。でも、まだ他のことはやってはいけませんと。これは例のジュネーブ条約の問題があるので、法律家とうまく折衝をしていかないといけない。メルセデスベンツが面白いのは、ドイツはまだハンドルを握っていなさいですけれども、離すとアラームが鳴るんですね、10秒ぐらい。で、握りなさいと。それを無視していくとどうなるかというと、自動的にスピードを落とし、自動的にハザードがついて、自動的に止まるんですね。つまり、走行中に心筋梗塞とか、脳梗塞の、体の異常があった時に車が自動で止めますという車がもう売られているんですね」
反町キャスター
「そういう現在のテスラの話とか、メルセデスの話をされましたけど、日本のメーカーはそこのところの状況をキャッチアップできているのですか?」
清水氏
「技術的にはできているんですね。ただ、どうしても自動車工業界という団体があるので、皆で渡りましょうという感じなので」
反町キャスター
「日本がちょっと遅れている理由というのは皆で横一線でいこうとしているから遅れている?」
清水氏
「いや、私は遅れているのは、そこではなく、むしろもっと大事な、認知、判断、操作で言えば、操作のところはハンドル、ブレーキは日本の技術にあるんです。センサーもだいたい揃っていると。その脳のところですね。頭のところ。つまり、コンピューターをどこの企業がつくって、AI(人工知能)とか、ディープランニングみたいな技術が必要になってきますよね。その時、日本にこれをできるベンチャー企業はあるのか。あるいは産学連携で言えば、そういうことに長けた大学、機関があるのかというところが、ドイツとか、アメリカと比べると、ちょっと日本の産学のところが、特にアカデミーのところが足りないような気がしているんですね」
永井氏
「おっしゃる通りですね。私もドイツ、アメリカにいたことがあるんですけれど、ドイツの場合、大学の先生は企業の研究所出身の方が多く、企業でニーズオリエンテッドな研究を大学でやっていると。その場合、協調領域というんですか、商品からの競争技術ではなくて、安全設計技術とか、いろいろそういうところは結構、共通領域なので、大学と一緒になってやれば、あるメーカー単独技術ではなくて、他にも広がっていると。そういったのが特にドイツの場合は、標準的な技術はメガサプライヤーというところがかなり担ってやっているんですね。ドイツはそのへんの産業構造はだいぶ強いところです。日本ではなかなかないです」
反町キャスター
「古屋さん、いかがですか?国を挙げての取り組みの力が足りないのではないかという話ですけれど」
古屋議員
「SIP(内閣府戦略的イノべーション創造プログラム)でも実際の取り組みを始めていますし、それから、総合技術開発会議の中でも議論の柱になっていますので。正直言って、やや出遅れた感は否定できないけど、でも、それは確実に毎年、毎年、キャッチアップをしてきていますね」
反町キャスター
「町田さんはいかがですか?日本の状況を見て。アメリカの状況を見て」
町田氏
「反町さんと私がワシントンで特派員をやっていたころ、1990年代後半。あの頃から、こういう自動運転の技術というのはずっとやっていたんですね。アメリカ運輸省の話として、私は随分それこそ新聞の一面トップの段を書きましたけれども。当時からごく最近まで、実は日本の自動車メーカーに限ったことではないと思っているんですけれども、こういう話は嫌でしたよね。事故ゼロの車なんてますます車が売れなくなるわけですから、自動車メーカーから積極的にやりたい話ではなかったんです。そういう意味では、最近、大きく環境が変わってきたのは、別の世界から、別の概念を持ち込んでいる人達がいて、これ以上、手をこまねいていると、あっと言う間に違う次元で追い越されてしまうから、やらざるを得ないよねというムードが盛り上がってきた」
清水氏
「つまり、ライバルが出たということですよね」
町田氏
「そこを政府がきちんと捉えて、新しいことだからやろうよと、やっていくと。あとで申し上げますけれど、そうではない伝統的な部分で、私は政府のやり方で間違っているところがいっぱいあるんですけれども、だから、そういうことは、たとえば、2025年、2030年に向けて、グローバルな競争になります。協調でできるところは当然、永井先生がおっしゃったように協調でやればいい。競争をするところはすればいい。ただ、アメリカの場合、いつも同じだけれども、連邦制でありながら、州が大きな自治を持ち、それから、民間が圧倒的に公共機関、公的存在の介入を嫌いますので、協調性の部分の協調すらできない。たとえば、現在これを、通信を使って、AIを使って、通信を使って、いろんな形で、たとえば、何台かつながって走るとしますと。これはハッキングされたら大変なわけですよ。だから、セキュリティを高めましょうという議論をしても、グーグルもアップルも、この世界のIT企業は嫌と。我々は自分で勝手にやる。あなた達なんかに教えることはないとなっちゃう。ここまで競争をさせて、デファクトスタンダードづくりでいいのかというと、これは瞬間、瞬間、大混乱、大事故につながるおそれがあるわけですよね。こういうところをどうやって調整をしていくのか。そこにアメリカ政府が期待できない、いつものパターンなのですが、ここにあるんですよ」
反町キャスター
「その時に、たとえば、政府ではなくて、日本の自動車メーカーの努力とか、自動車メーカー同士の競争ではなくて、IT企業も視野に入れて、もしくは他の電機メーカーとか、異業種のところも全部含めて、そういうところも含めて、いろんなところと競合をしていくという中で、日本の自動車メーカーがやらなくてはならないことというのはどういうことですか?」
町田氏
「これはトヨタがシリコンバレーに出ていって研究所をつくるということの中で、シリコンバレーの企業カルチャーの中に、コミュニティの中に入っていく努力を日本勢は始めているわけですよね。そういうものが積み上がってくれないことには、あるいは政府サイドからいろんなプレッシャーを、グローバルに国際機関を使うということも含めて、やっていただかなければ、そこはなかなか規格の統一みたいな話だけれども、全部、競争でということはないはずで、協調でやる部分をどうやって協調でやるかというこのムードづくりは、これは世界的な課題ですけれどもね」
反町キャスター
「一応、聞きますけれども、日の丸で全部揃えるのは難しいと思った方がいいのですか?」
町田氏
「日の丸で揃えようとしたら失敗しますね。だって、それはよその国が嫌ですよ。お互いに協調できるようにしないといけない」
古屋議員
「海外の自動車メーカーは実際に、自動運転で日本のメーカーとヨーロッパのメーカーとどんどん連携をしていますからね。だから、それは国内だけでやるというのは、それは不可能ですよ」

『燃料電池車』は普及する?
秋元キャスター
「現在500台程度しか走っていない燃料電池車、あと4年で4万台にという普及目標は本当に実現可能なのでしょうか?」
古屋議員
「最初に燃料電池をやったのは小泉総理の時ですよ。たまたま私は経済産業省の副大臣で、国会の中で初めて小泉総理に試乗してもらって燃料電池車を走らせたんですね。1台いくらしますかと言ったら、1億2000万円の世界でしたよね。もう現在は700万円で売られてきているということですから、技術革新し、分母が増えていくことによって、革命的に値段も安くなるし、増やしていくということは可能だと。そういう方向に我々は政策を進めていますので」
反町キャスター
「水素ステーションはなかなか計画通りに増設というか、建設ができていない現状については」
古屋議員
「ただし、足は長いですね、700kmとか。それから、水素ステーションができますと当然、車にはカーナビとかで、どこに水素ステーションがありますよというのは、そういう情報というのは丁寧に説明をして、できるだけ水素を欠かないように取り組んでいくことができるでしょう。いずれにせよ、台数が増えれば、それに伴って、加速度的に水素ステーションは増えていきますよ。現在、水素ステーションを1個つくるのに4億円ぐらいかかります。これは新しいから、それだけかかるのです。機材だとか、資材が高い。しかし、それがどんどん量産されて、値段が下がってくると」
永井氏
「古屋先生がおっしゃったように、スケールメリットは当然できるし、燃料電池車と言っても、走るのは電気自動車ですよね。要するに、電気にしてモーターを動かすと。そういう面白い車になる可能性は十分にあって魅力的な車づくりはあり得ると。もう1つ、水素というのはエネルギー密度が貯められるんですね。車の中に貯められる、それが純粋なバッテリー電気事業者と比べて、はるかにエネルギー密度が大きいので、その安全設計をもっと突き詰めれば、もっとコンパクトで、燃費のいいのができる可能性はまだ十分にあるのかなと。そのへんは安全基準というか、その見直しをして、より品質のいいものをつくれる可能性はまだまだあるかなと思っています」

『燃料電池車』可能性と課題
秋元キャスター
「電気自動車と燃料電池車には一長一短があるのですが、燃料電池車が有望なのですか?」
清水氏
「マラソンランナーと短距離ランナーを比べ、どちらが速い、どちらの航続距離が長いと言っているようなもので、両方必要ですね。たとえば、燃料電池車は、ガソリン車ではできないことは小さく安くつくりなさいと、これはEV(電気自動車)の方がはるかにいいです」
反町キャスター
「燃料電池車も大量生産すると、スケールメリットが働いて、EVよりも安くなったりするという希望は持ってはいけない?」
清水氏
「いや、持っていいです。だけど、人によって1日せいぜい20kmしか走らない。スピードも街中で(時速)40kmで十分ですという人達がいたら、そこにピシャッとあう車をつくれば、1番安くつくれるんですね。それはEVの方がはるかにいいですね」
古屋議員
「次世代自動車には5種類あるんですよ。スーパークリーンディーゼル、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池、電気自動車。この競争が現在、始まっている。スーパークリーンディーゼルはもう定着している。現在それが1番先行している。今後は、燃料電池車、あるいは電気自動車、プラグインハイブリッド、こういったもの。どこが勝つかも大切だけれど、どうやって使い分けをしていくかという、そこも結構大切です」
反町キャスター
「水素のつくり方、政府としてビジョンは?」
古屋議員
「たとえば、電気事業法を改正し、誰でも参入できるようになりまして、たとえば、太陽光をつけたと、そこで水素をつくって、燃料電池で発電して、ついでに蓄電池も入れようかと。場合によっては完全にコージェネレーションでやっているというふうにしたら、水素は全部、家でつくりながら、なおかつ太陽光も活用して、バッテリーも使いながら、自宅の電気を賄うと。すぐそこまできていますよ。水素社会実現は、何年も前に国の方針として立てた、相当前ですよ。その旗を降ろしたわけではないですから」
秋元キャスター
「国内新車販売台数が500万台を割りました。若者の車離れが言われて久しいです。自動運転とか、燃料電池車、新しい車が自動車の売上げアップにつながっていくのでしょうか?」
町田氏
「もちろん、つながるとは思いますけれども、これまでの減少ペースと比べて、カバーできる分より大きいとは言えないですよね。昔に戻りますと、国内販売がピーク777万台で、500万台ぐらい輸出していたので、十数年前ですけれども、日本国内で1300万台をつくっていたんですよ。現在これが、海外に出しているものも含め、900万台まで減ってきてしまって、これは日本の自動車産業を支えるという意味ではかなり厳しいので、その意味で、日本の消費者が車を買うのには重税だという状況、そこをまず変えていただいて、結果的にエコな車を買ったら、税金をまけてあげますよ、みたいなことでやるのではなく、そもそもベースから車は買いやすいという方向に変えていただかないと自動車産業を育成することも、消費者の自動車を買うという購買意欲も刺激することも難しいのだろうなと思っています」
古屋議員
「それは否定できないと思いますよ。世界スタンダードから見たら日本の車に対する税金はむちゃくちゃ高いですよ。でも、それには理由がありますよね。と言うのは、日本は高速道路をつくり始めたのが昭和29年ですよ。ヨーロッパは戦前から、植民地時代から植民地で稼いだお金を全部、自国の社会資本の整備に使っていた。車を売るには道路がないと車は走れませんので、日本は7割が山間地ですから、そういうインフラの整備にお金がかかると、同じ高速道路を1kmつくるのに、イギリスの真っ平らな土地と日本ではケタが違いますから。そういう事情があるというのは現実ですね。でも、私も車が好きな人間として…、高いね」
反町キャスター
「車が新しい世代に入っていく中で、日本の自動車メーカーがその流れに乗り遅れて、現在の、日本の家電業界のように苦しい状況になる可能性があるか、どう見ていますか?」
町田氏
「たとえば、人口が減っているとか、似たような環境があることは一面あるとは思いますけれど、決定的に違うのは自動車メーカーと家電メーカーではチャレンジングさが違いますよね。家電メーカーはずっと国内の高い製品を買ってくれる贅沢な消費者だけを見て、グローバルなところで価格破壊が起きて、価格競争をやらなければいけなかったのに逃げ続けましたよね。その結果、小さな日本国内でしか商売ができなくなって、自分達の首を絞めたというのが家電メーカーで、たとえば、スズキ自動車のインドでの健闘を見ていただければ、明らかですけれども、そういう価格競争に、果敢に自動車メーカーはチャレンジしていますので、家電メーカーみたいなことには簡単にはならないと思います。ただ、国内のマーケットで、税金でいじめるのはやめた方がいい」

国際自動車ジャーナリスト 清水和夫氏の提言:『大きな社会イノベーション』
清水氏
「つまり、今日のテーマは自動運転と燃料電池車ですけど、ある時期になったら、これは一緒になっていくと思うんですね。次世代のテクノロジーで言えば、水素燃料電池のような電気駆動で走るような車と、自動走行、モーターの方は、自動走行は加速、減速がやりやすいです。ですから、こういうものが合体して1つの大きな流れをつくっていく、それができるのが日本なので、そこをしっかり見ていければ、日本は強いなと思います」

経済ジャーナリスト 町田徹氏の提言:『高い税負担の軽減』
町田氏
「しつこいようですけれども。新しい競争の分野では十分に勝てます。伝統的なガソリン車やディーゼル車のところではなかなか消費者が車に手を出せない。自動車メーカーの足を引っ張るという状況を変えていただきたい。政府にお願いしたいと思います」

永井正夫 日本自動車研究所所長の提言:『イノベーション 基準・標準化』
永井氏
「日本は新しい技術革新をして時代をリードすると、それがまず第1点。それとともに世界に打って出るためには基準・標準化をしっかりし、グローバルな商品をやっていくと。それが、日本が打ち勝つための1つの方法かなと思います」

古屋圭司 元国家公安委員長の提言:『技術革新が新しい世界を創造する』
古屋議員
「車が売れなくなったと。車を売るだけがメーカーの仕事でしょうか。違うんですよ。もっと新しい社会や世界を創造することも車のメーカーの責任ですよ。そういうところにチャレンジしていくことが成長戦略につながるんです。これも技術革新の1つ。新しいものにどんどんチャレンジをすることによって、新しい世界を創造していくことができる」