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2016年4月19日(火)
フィンテック徹底解説 金融ITの懸念と効用

ゲスト

平井卓也
自由民主党衆議院議員 FinTech推進議員連盟会長
野村敦子
日本総研調査部主任研究員
加納裕三
日本価値記録事業者協会代表理事 bitFlyer代表取締役

ITを活用した金融サービス 『フィンテック』の現状
秋元キャスター
「まずはフィンテックの現状について聞いていきたいと思うのですが、そもそもフィンテックは金融、Financeと、技術、Technology、これを合わせた造語です。IT(情報技術)と金融を組み合わせることでこれまでになかった金融サービスが生まれているということですけれども、まず野村さん、たとえば、この新たな金融サービス、どういったものがあるのでしょうか?」
野村氏
「現在成長著しいのがこちらの決済サービスになると思います。決済サービス、大きく3つに分けることができると思います。1つが、たとえば、ネットショッピングする時に皆さん、口座番号ですとか、クレジットカード番号を入力するのにすごく抵抗があると思うんですね。そういったものを入力しなくても予め登録をしておけば、そのあとは、メールアドレス等で決済できるという、いわゆるオンライン決済サービスというものですね。それから、2つ目がスマートフォン。スマートフォンで支払いする時、レジの読み取り装置にかざすだけで、それですぐに支払いができてしまうという。これは、たとえば、モバイル決済と言われています。3つ目ですけれど、これが現在、申し上げた2つとは少し違うものでして、スマートフォンがクレジットカードの読み取り装置になってしまうと。スマートフォンに小さい読み取り端末をつけるんですね。そうすると、たとえば、お店の中でなくて、郊外で、外で、たとえば、フリーマーケットなどの時にもクレジットカードで支払いをしたと言えば、相手の、たとえば、個人の事業主の方だとか、小規模店主の方がスマートフォンの読み取り装置をつけて、お客さんのカードをピッとやるだけでサインをすれば、それで決済ができてしまうという、いわゆるスマホ決済ですとか、MPOSと呼ばれるようなサービスがあります」
反町キャスター
「スマホにクレジットカード、こするとか、そういう?」
野村氏
「そうです。スマートフォンにイヤフォンをつけるところがありますよね。そこに小さい、クレジットカードを読み込むことができる装置をつけるんです。そうしますと、そこがクレジットカードの磁気ストライプを読み取ることができるようになっています。あとはスマートフォンの画面の中に、いくら支払いますというのが出てくるので、それでOKだったら、そこに皆さんがサインをして、決済が完了です」
反町キャスター
「スマホの液晶画面のところにサインをする。それで認証ができる?」
野村氏
「そうです。できます」
反町キャスター
「ビジネスで売る側と買う側、両方にメリット、デメリットがあると思うんですけども、現在言われたようなスマホで支払いができるようになる。ないしはスマホでクレジットカードが読み取れるようになるということによって売る側はどういうメリットがあるんですか」
野村氏
「売る側の人、たとえば、お店の方の人にとってはこれまでだったらクレジットカード専用の端末を自分が導入するのはある程度、お金がかかっていたんですね」
反町キャスター
「いくらぐらいかかるのですか?クレジットリーダーというやつですよね?」
野村氏
「10万円ぐらいですとか、そういった値段がかかっていたと。ところが、小さい読み取り端末ですと、たとえば、数千円だとか、業者によってはタダで配るということがあります。そうすると、クレジットカードを利用できるような、そういうお店になるハードルが低くなるということが1つあります」
反町キャスター
「今度、買う側、お客さんの側から見た時のメリットは何があるのですか?」
野村氏
「たとえば、フリーマーケットでほしいものが出てきたとしますね。ところが、現金がなかった。これまでだったら、それを購入するのを諦めていた。ところが、そこでクレジットカードが使えるようになりますということになると、そのほしかったものを、その場で買える。機会を失うことが減っていくということになりますね」
反町キャスター
「ほしいものがあって、なおかつお金がなくて、でも、スマホがあって、リーダーがある時には、そこでビジネスが、買い物ができる」
野村氏
「そうですね。購入をしようと思っている人はクレジットカードを持っていれば、相手の商店の方がスマートフォンと読み取り端末を持っていれば、支払ができてしまうということになりますね」
反町キャスター
「クラウドファンディングというのは、何ですか?」
野村氏
「クラウドファンディングというのは、たとえば、インターネットを介してお金を集めようという、そういうシステムになっているんですけど、たとえば、プロジェクトを企画しているとか、イベントを企画している。あるいは事業を始めようという方。そういう方々がインターネット上で、自分のプロジェクトの目的であるとか、理念、あるいは事業の内容、計画、そういったものを、インターネットを介して皆さんにお伝えをしようと。それに、たとえば、理念に共感をした人…」
反町キャスター
「呼びかけるのですか?」
野村氏
「そうですね。呼びかけるという形に、基本的にはなるかと思います。もちろん、そこにはクラウドファンディングの事業を運営している事業者が間に入っているのですが、インターネット上で皆さんに呼びかけて、賛同を得られた人はお金を集めることができると。大きくクラウドファンディングって4つの形態に分けられると思うんです。まずその理念、あるいはプロジェクトの内容に共感した。ですから、どうぞお金を使ってくださいという形で寄付をするやり方。それから、もう1つ、たとえば、お金をいただいた代わりに将来、何かイベントを行う時にはそのチケットを優先的に差し上げます、あるいは作品ができましたら、それを優先的に購入する権利をあげますという報酬型です。それから、もう1つは、お金を集めました、それは将来的に金利をつけてお返しします。これが融資型」
反町キャスター
「そういうものを、今度フィンテックを活用することによってできるということなのですか?」
野村氏
「そうですね」
反町キャスター
「それは、たとえば、僕はそうではないですけれども、僕が、たとえば、何億円かのお金を持っていて、何か使いたいなと思っている人がいるとしますね。その人のところにはどういう形で情報が入ってきて、僕はどういう情報をもとにどこそこにお金を入れてみようかなと。そのプロセスはどういうプロセスなのですか?」
野村氏
「まず、たとえば、2億円持っていらっしゃるとして、でも、現在銀行に預けても、お金に全然ならないなと。どこかで運用したいなとお考えになられるかと思います。その時にまず自分からクラウドファンディングをやっている事業者の、まずサイトに行かなくてはならないですけれども、その中で、たとえば、融資型だったらお金が必要な人のプロフィールとか、お金を使いたい目的ですとか、どのぐらい集めたい、いつまでに集めたい、そういったものが出てくる。それぞれの人により返す能力に少し違いが出てきたりしますね。そうすると、クラウドファンディングを運営している事業者がそれぞれの人に対して、格付けというものを与えます。リスクが高くても、リターンが多ければいいなと思ったら、格付けが低く、でも、リターンが大きい人を選ぶと。でも、私は安心、安全なところに投資をしたいということになれば、格付けが高い人にお金を融資すると、金利は低いけれども、確実に返ってくると。そんな形で自分が融資、出資したい先を選ぶと。しかも、1人にたくさんを融資するというよりも多くの人達に一定の限度額を分散して融資するという、そういうパターンの事業者が多いと」
反町キャスター
「報酬とか、聞いたことがあるのは、映画とかをつくる時に、クラウドファンディングによる、たとえば、映画をつくるので、お金を集めたいのだけれど、これまでは、要するに、プロデューサー、映画をつくるにあたってプロューサーが、どこかの会社をまわって、1本つくるので、いい俳優を揃えているので、何億か出してくださいと。これを今度、報酬制度にすることによって映画のつくり方とかが変わったりするのですか?」
野村氏
「そうですね。たとえば、世間の皆さんにウケる内容でないと、お金を集めるのがすごく難しくなると思うんですね。と言うことは、いわばマーケティングを、クラウドファンディングを通じて行うことができると、より世間の人達にウケるような内容、共感を貰える内容のものにだんだん内容をつくり変えていくということもできるかと思います」
反町キャスター
「その意味で言うと、たとえば、融資とか、投資というのも、クラウドファンディングの、その母体となっている会社の情報をもとに、この人はこういう事業をやろうとしている、お金を求めている。ちょっといいものもありそうだし、当たりそうな気もするから、では、ここに1000万なら1000万をつけてみようかとか。そういうことを皆が考えながらやるようになる?」
野村氏
「そうですね」
反町キャスター
「それが結果的に利潤を生むだろうと皆、思ってやっている?こういう理解になるわけですね」
野村氏
「そうですね。はい、そういう形になります」
反町キャスター
「お金を融資できる人、寄付できる人、投資したい人というのを集めて、そのお金がフィンテック企業を通じて、その本人に渡って、事業が行われ、いろんなことに使われたりすると。そこでそのお金がちゃんと目的通りに使われているのかどうか。ここの検証はどうするのですか?」
野村氏
「その点は非常に問題になると思います。インターネットを介して、不特定多数の人にお金を出資してくださいと。お願いするシステムになっていますから、もちろん、その中には借り手自身が信用できるか、できないか。あるいはその事業者が、信用できるか、できないかというのがあります。ですから、クラウドファンディングのサイトを運営している事業者が果たして信用できる事業者なのかどうかということを見極めていく必要があると。その1つの方法としては、たとえば、業界団体がありますので、その業界団体に加盟している事業者かどうかというのも1つの判断材料になるのではないかと思います」
反町キャスター
「ただ、この場合、たとえば、慈善事業みたいなものをやってどこそこに学校を建てたいと思っているのでお金を寄付してくださいというのがあるとして、ありそうなパターンでしょうけれども、結果、お金を渡したところで持ち逃げされてしまったような場合。中間に立ったフィンテック企業は、賠償責任を出資者に対して負いませんよね?」
野村氏
「そうですね。ただ、そういう事態が起きた場合に、クラウドファンディングを運営している事業者の風評が損なわれるということになりますね。そうすると、誰もその事業者を利用しなくなるということがありますので、その点ではクラウドファンディングのポータルを運営しようとする事業者にとってはきちんとお金、資金調達をしたいという人を、きちんと審査しようという動機は生まれてくるに違いないと思います」
反町キャスター
「加納さん、現在、風評と言われたので、つい言葉に反応してしまうのですけれども、クラウドファンディングを行っている事業者が、この人達がやったところが何か怪しいよ、ちゃんと使っていないかもしれないよというような風評が立って、そのクラウドファンディング事業者にお金が集まりにくくなるというのが正しいメカニズムだとした場合に、悪意のある人が、これは別の言い方をすると風評被害というやつですね。風説の流布の類ですよ。あそこ怪しいよと、お金をちゃんと渡していないらしいよということを意図的にネット上に流すことによって、ライバルのクラウドファンディング企業を叩く。そういう可能性も僕はここに感じるんですけれども、いかがですか?」
加納氏
「可能性はあると思うんですけれども、それも含め、正しい情報かどうかを顧客がチェックする」
反町キャスター
「そういうことですね。お金を出す側がそれを風説の類なのか、きちんとした評価なのかというところも含めて、お金を出す側がちゃんとリテラシーをもって、本当の目利きになっていないと、クラウドファンディングに本当に突入をしていくところの準備ができていないのではないかと現在感じてしまったのですが、そこはいかがですか?」
加納氏
「その通りで、リスクはあると思っています」
反町キャスター
「平井さんはいかがですか?クラウドファンディングについてちょっと心配があるのではないかなと思って、いろんな話を聞いてきたんですけれども」
平井議員
「各事業者、これまでの実績は割と全て公にやるから、要するに、クローズではできないんですよ。情報開示は全部されていて、お金を集めようと思ったけれども、集まらなかったら流れるんです。なしになっちゃうわけ。そういうことも含め、全部、正直に出しているので意外と皆さん、自分で判断しやすいと思います。こういうプロジェクトタイプはダメなのだとか。また、このプラットフォーム事業者だとこういう大きいお金でも集められるのだなという、実績が明らかになっていて、割ともう時間も経ってそういう事業者のランクづけみたいなものをできているので、それは心配しなくてもいい」
反町キャスター
「心配をしなくてもいい?要するに、詐欺に遭わないリスクは、あまりないだろうという、この話です」
平井議員
「いや、詐欺に遭うのは別にこれに限ったことではなくて、街角の募金だってそうだし、全部そうだと思います。そういうものに比べて結局、トレースできるんですよ、これは。要するに、ネットの世界というのはどこにいったか。そういう意味で、アナログの世界よりは透明性が担保されるという意味では、最後まで見極められるということですね」
反町キャスター
「このビッグデータ与信システム、言葉が難しいんですけれども、どういう機能なのですか?」
野村氏
「ビッグデータ与信システムというと、非常に難しいですけれども、これまで、たとえば、銀行からお金を借りる時は、その人の、たとえば、これまでお金を借りていた実績ですとか、あるいはクレジットカードの利用の履歴、あるいはその人の収入、勤め先。そういったところで審査をしていました。不動産の担保などもありますよね。そういったところで審査をしていたのですけれども、もっと違う情報でその人の信用力がはかられるのではないか。たとえば、ソーシャルメディアの中で流れているいろいろな口コミの情報、あるいはその人の行動の履歴、あるいはその人が投稿をしているような内容、そういったところからも割り出すことができるのではないかということで、世の中にありふれているような、いろいろな人に関する情報を集めて、その人にどのくらいのお金を借りる能力があるのかというのを審査してみようというのがビッグデータ与信システムだということが言えると思います」
反町キャスター
「ネット上に飛び交っている、たとえば、僕がお金を借りたいと、野村さんにお願いをした場合に、野村さんが、僕の、たとえば、住民票とか、収入どうのこうのとかを見る。担保がありますかという話ではなく。それはこれまでの金融機関がやってきたことです」
野村氏
「それも1つあるんですけれども、それ以外に、反町さんがソーシャルメディアでどんな噂が流れているか。あるいはご自身で、どのような投稿をなさっているか。あるいは普段の行動の履歴がどうなっているか。たとえば、たくさんのお給料を貰っていても、お金使いが荒いとちゃんと返してもらえるかどうかがわからないというところも出てくるんですね」
反町キャスター
「そんなことがわかっちゃうのですか?ネット上でわかってしまうと。クレジットカード履歴で」
野村氏
「現在はわからないですけれど、もしかしたら初来的にはそういうこともわかるということもあるかもしれないですね」
反町キャスター
「そういう意味で、そういうネット上において審査を、ネット上に飛び交っているデータで審査をして、その人が融資に耐え得る人材か、人物か、会社かどうかというのを判断する」
野村氏
「そうです。もしかしたら、これまで銀行から借りることができなかった場合でも、きちんと返す能力を持っている人だということをわかってくるかもしれない。そうなってくると、より多くの人に、たとえば、借入れをする、そういう機会を与えるチャンスにもつながると思います」
反町キャスター
「加納さん、このビッグデータ与信システムの可能性をどのように見ていますか?」
加納氏
「非常にあると思っていて、アメリカで流行っていておそらく最短で借りられるのは、15分ぐらいで審査が下りて、お金を借りられるようなサービスが、アメリカではあるみたいです。これまで取れなかった情報を、まさに取りますと。具体的には、購買履歴、web上の画面をどのように入力したとか、マウスをどのように動かしたみたいなものを、データにしていると聞いています」
反町キャスター
「マウスの動かし方で、その人の信頼度がはかれるのですか?」
加納氏
「と言うふうに聞きました。そういった取れるデータを全部まず取りましょうと。それの傾向を分析して、より信頼が高い行動を取る方と、そうではない方というのを結びつけて、ビッグデータ解析をして、その結果、審査をして貸せる人と貸せない人に分けると」
反町キャスター
「それによって、たとえば、これまでの伝統的な日本の、日本でなくても、アメリカでも結構です。伝統的な金融機関の審査では弾かれていた人達に、融資が行われているケースというのがアメリカではあるのですか?」
加納氏
「はい、あると思います」
反町キャスター
「それによって新規のビジネスがそこに展開していく、経済活動がそこに生まれている、こういう理解でよろしいのですか?」
加納氏
「そうですね。学生ローンとかが多いと思うんですけれども、たとえば、大学によってまた分析をして、この大学であれば返済率が高いとか、低いとかという分析をして、そこに貸しつけをするというような仕組みだと思います」
反町キャスター
「日本の消費者金融とかで結構、早めに判断、審査が早いとかをウリにしているところがありますね。あれとビッグデータ与信システムというのは同じものなのですか?」
加納氏
「同じですけれど、より多くのデータを取っていると考えてもらっていいのかなと。日本だとCICでしたっけ、情報のシステムがあって、アメリカだとFICOというシステムがあって、それによってスコアリングをしたりするのですけれども、これまで取っていた以上の情報を取って…」
反町キャスター
「CICというのはこれまで借りたお金を返していますかみたいなデータの蓄積ですよね」
加納氏
「ええ。返済履歴等が、それが基本的なデータだと思うんですけれども」
反町キャスター
「そういうものではなくて、今回ビッグデータ与信システムというのを、先ほど言われたマウスの動かし方まで含めて、それをもって人の全人格的な判断をそこでなるべくしようとしている、そういう新しいシステムと思っていいのですか?逆に言うと、これは怖いですよ?」
平井議員
「これは気持ち悪いと言われるかもわからないけれども、このビッグデータで誰かの与信をやるといった時に、項目は2万とか、3万とかの項目でやるんです。位置情報も含めて。どこでどう動いているのか。それは日本の企業ではないですよ。これはドイツだったっけ、確か。そういうことも含めて、そういう独特なアルゴリズムでその人の信用を決めていこうと。そういう考え方ですからね」
反町キャスター
「ただ、ビッグデータと言っても、それはビッグではなくて、ほとんど、パーソナルデータですよね。ビッグデータの言葉の定義、僕がもしかしたら間違っているかもしれないけれども、ビッグデータというのは、マスとしての流れを捉える中で全体のトレンドを分析しようというのがビッグデータだと思っていたのですけれど、現在の話を聞いていると、まさに個人そのもの、個人、調査対象がどういう動きをしているのかというのをきちんとトレースして、使い方まで全部取って、それでもって、その人間の信頼性が5なのか、4なのか、3なのかを決めていくという、こういう意味ですよね?違いますか?」
加納氏
「そうです。もとになっているのは全体の統計データだと思います」
反町キャスター
「ビッグデータとの相関性においてジャッジしていくということですね?」
平井議員
「1人だけだと全然判断がつかないので。ビッグデータの分析の中で、そういう項目がちゃんと出てきたということですね」
秋元キャスター
「新たな金融サービスは銀行にとって脅威ではないのですか?」
野村氏
「確かに、脅威の部分もあると思います。たとえば、先ほどのビックデータ与信システムと似たようなことをAmazonとか、楽天のような電子商取引市場を運営している事業者が融資で使っています。つまり、自分達の電子商取引市場の中でいろんな事業者が商取引をしたりとか、決済を行ったりしています。そういったデータというのはどんどん運営事業者にたまっていくわけですね。こういった情報というのは、銀行は入手できない情報です。そうすると、加盟している事業者が確かにきちんと商取引を行っているのか、きちんと決済をしているのか、あるいは資金の流れというのがどうなっているのかということを考えながら、その事業者の必要なタイミングで、これだけの金額を、このレートで融資できますよと申し出をする、そういった融資サービスまで行っているんです。これはなかなか銀行にはできないサービスということで、銀行が脅威に感じる部分だと思います」
反町キャスター
「ネット上での売買と、対面販売している部分の割合がどのくらいかによって、ネット上の取引だけで信頼度というのが高いか、低いかというのは決めきれるのですか?」
野村氏
「ただ、長い期間、きちんと取引をしている事業者ということであれば、在庫を仕入れようというタイミングがわかってきますので、そうすると、そろそろお金が必要になる頃ではないかということで、これまでだったら事業者がお金を貸してくださいと申し出をしていた。ところが、タイミングがわかるので逆に必要になりそうな時に先に事業者に申し入れできるというところが大きな差になってくるのではないかなと思います」
平井議員
「まず銀行業というのは何業かと考えた時に、広義のサービス産業の一角ですよ。現在ざっくり日本のGDP(国内総生産)が500兆円、安倍政権は2020年に名目600兆円。あと100兆円伸ばさなければいけないとなった時、広義のサービス産業というのは75%ですよね、現在の比率だと。と言うことは、75兆円はサービス産業を伸ばさなければいけない、少なくとも。その中で金融業は全体でいうと5%ぐらいしかない、現在のところ。だいたい金融とか、運輸とか、情報通信を合わせて15%ぐらいで、結局フィンテックとか、そういうのが進んでくると既存の小売とか、サービス産業の生産性が上がっていくのですよ。ですから、単に金融業に閉じこもっているのではなく、サービス産業全体のレベルが上がっていくことによって、成長戦略につながっていくと我々は見ているんですね。ですから、そういう意味では、要するに、売る方も便利になる、買う方も便利になる、新しいマーケットができるというようなことをどんどんやっていかないと、この600兆にはなかなか届かない。そういう意味で、フィンテックとか、金融というのはその基盤になるので、大事だと思っているんです。一方、銀行というのは、時間も短いし、現在一軒一軒小さな八百屋を自転車でまわって話を聞いて、寄り添っているかというと、そんな時代ではないですよね。そうなってくるとサービス業としてのレベルは、はっきり言ってインターネットを使うことが前提となった社会の中で相対的に下がってきちゃっているんです。ですから、サービス業としての金融機関と見た場合、このままではまずい。そこにつけ入る隙があるからフィンテックというのが注目されているのだろうと思うので、ですから、金融機関がそういうものとうまくwin-winの関係をつくっていけば、それでいいし、逆に技術とか、そういうフィンテックに呑み込まれちゃうケースだって可能性としてはある。これはこれからの進み具合だと思います」

仮想通貨『ビットコイン』 現状と今後の可能性
秋元キャスター
「ビットコインを一言で言うとどういったものなのでしょうか?」
加納氏
「一言で言うと、世界共通の電子マネーだと思っています。特に、特徴としては発行体がないと、中央で何か管理する人がいないというような電子マネーです」
反町キャスター
「円からビットコインに換えるメリットは何があるのですか?」
加納氏
「国際送金が安くできる可能性があると。あとは送金手数料等が非常に安いです。数円で送金できると」
反町キャスター
「自国の通貨に自信がある国に住んでいる人、持っている円が暴落する可能性はあまりないよなと思っている人達はあまりビットコインに頼らなくてもいいなと思ってしまうのですが、そこはいかがですか?」
加納氏
「そういう見方もあると思っていて、ビットコインを支持している人達というのは通貨が不安定な国の人の方が多いような気がしています」
反町キャスター
「ドルに変わる安心の通貨がビットコインになるのではないかと、こういう理解でよろしいですか?」
加納氏
「なる可能性もある」
反町キャスター
「ならないリスクもある?」
加納氏
「ならない可能性もドルと比べると…。ドルで持っておいて、そのあと使えるかどうかということもありますので、一長一短あるかと思っています」
秋元キャスター
「マウントゴックス社が、大量のビットコインを消失させて、世間を騒がせた事件というのはどういう事件だったのですか?」
加納氏
「これはビットコインと関連づけて報道されることが多いんですけれど、まずビットコインとこの事件は無関係だったと考えています。まさに報道にある通り、横領だとか、会計システムを不正に操作したということであれば、単に会社の持っているビットコイン資産を社長が横領した。これはたまたま盗ったものがビットコインですけど、これが現金であろうが、何だろうが会社のものを盗ったという意味では、横領だと思っています」

信用をどう担保するのか?
秋元キャスター
「なぜ政府は仮想通貨を認める方向になったのでしょうか?」
平井議員
「まず先ほどの加納さんの話だけれど、結局、仮想通貨の信頼性と、預け先の信頼性はまた別なので、預け先の信頼性を今回は登録制にすることによって消費者の安心できるレベルがずっと上がったと思います。それと先ほど、話が出ていなかったけれども、前に我々の委員会でビットコインはモノか金かという話は、経産省所管か、金融庁所管か、結局、どちらも所管せずに真ん中にいたままだったんです」
反町キャスター
「これは両方が所管を嫌がったのですか?」
平井議員
「というか、ビットコインを法律で定義する時に、では、アルゴリズムを書くのかみたいなバカな議論もありつつ、結局、日本の法律にぴたっと当てはまらなかったんですね。そこで結局、モノでもない、金でもない価値記録という知恵を出して、各省庁でそれをこれから見ていきましょうというような状態でした。ですから、交換所でビットコインに換金する時に消費税がかかるんですよ。通貨ではないから。モノを買った時の消費税と差し引きするんだよね、確か。そういうようなシステムだったものが、各国どんどんビットコインというのが、たとえば、マネーロンダリングだとか、麻薬に使われるという当局の話もあり、そこは各国が仮想通貨、通貨に近くして管理しようという方向性が出て、国際的にそうしようということの中で日本もそちらに寄せようという話になって、今回の法改正になったということです」

平井卓也 自由民主党衆議院議員 FinTech推進議員連盟会長の提言:『ITリテラシー・金融リテラシーを高めること!詳しい人に聞く!』
平井議員
「少しは関心を持って、スマートフォンを使う人はスマートフォン=パソコンなので、パーソナルコンピューターの持っている機能はできるだけ使おうよと。どうせ、そんな高い買い物をするなら。そうすると、使いこなすということだと思いますね。タブレットに触れれば何でもできてしまう時代なので、そういう意味で、ITリテラシー、金融リテラシーというのは、これから自己責任でいろいろなものを運用したりする時代になってくると思うんですね。選択肢が増えたので、とりあえず選択肢を知るということが大事で、その時にこういうの好きな人がいるので、詳しい人に聞くと。詳しい人に簡単に優しく説明してもらえる環境というのをもっとつくりたいなと私は思っています」

野村敦子 日本総研調査部主任研究員の提言:『OPENNESS DIVERSITY NETWORK』
野村氏
「まずはオープンになりましょうということです。つまり、既存の金融機関ですとか、行政はもちろんのこと、社会がより視野を広げる、間口を広げて受け入れましょうということです。それによってダイバーシティー、つまり、多様性ということで、消費者にとっては多様な選択肢が生まれると、一方、既存の金融機関にとっては多様なビジネスの機会が生まれるということです。そのためにはネットワークが必要でしょう。つまり、外部の人達とつながることによって知識や技術、そういったものを吸収していきましょうということで、この3文字を選びました」

加納裕三 日本価値記録事業者協会代表理事の提言:『まず使ってみる。』
加納氏
「IT技術の進化によって、より便利なサービスがたくさん出ていますと。中には、たとえば、銀行の残高がスマホで見られると。複数銀行ある時にそれを管理するのが大変ですけれど、一覧性があってすぐわかる。ビットコインであれば、ビットコインを使ってみるとか、少額でもいいからクラウドファンディングをやってみると、どういったリスクがあって、どういった便利さがあるかというのがわかると思っています。なので、まずは使ってみてくださいと」