プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2016年4月15日(金)
30分拡大SP④日米国防論 アーミテージ×防衛相

ゲスト

井上哲士
日本共産党参院幹事長・国会対策委員長 参議院議員(前半)
中谷元
防衛大臣 自由民主党衆議院議員(後半)
リチャード・アーミテージ
元米国務副長官(後半・中継)
長島昭久
民進党衆議院議員
岡本行夫
マサチューセッツ工科大学シニアフェロー

民進・共産に問う『北朝鮮の脅威』
松村キャスター
「北朝鮮は今朝、中距離弾道ミサイル、ムスダンと推定されるミサイルの発射を試みたのですが、失敗したと韓国軍が明らかにしました。発射したのは北朝鮮の東部、元山付近と見られています。ムスダンの最大射程距離は4000kmと推定されていて、米軍基地があるグアムが射程に入ります。この北朝鮮のムスダン発射失敗のニュース、どのように受け止めましたか?」
長島議員
「まだ、韓国しか情報を出していないので、真相はどうなっているのかわかりませんが、4月15日、今日は、金日成、お爺さんが誕生日ということで、それに合わせてということでしょうけれども、ここのところ、ずっとミサイル発射や核実験を繰り返してきました。その一環だと思いますが、相当、北朝鮮そのものが不安定になっているのかなと。そのために、引き締めるためにやらざるを得ないのかなと。追い詰められているのではないのかなと。そんな印象を持っています」
井上議員
「失敗をしたと言っても今日、行われたということは大変遺憾に思っています。この問題の解決は対話しかないと思っています。対話の、最も相応しいテーブルは6か国協議のわけで、北朝鮮は6か国協議のテーブルに着かせるといううえでの国際社会の一致した対応というのが現在、外交努力が何よりも大切だと思っています。3月3日の国連安保理の決議が、この点では全会一致で決議をあげられて、かつてない厳しい制裁とともに、事態の平和的、外交的、かつ政治的解決が、対話を通じた平和的かつ包括的解決と言ったうえで、緊張の恐れのある、いかなる行動も差し控える、そのうえで6か国協議への支持を再確認したと。これは非常に大事だと思っていまして、国際社会は現在この方向で外交的に解決をしていくというのが必要です。制裁措置もそういう対話のテーブルに着かせるために行うということが非常に大事だと思っています。北朝鮮との対話が可能かという声もありますが、彼らの最優先の課題は現在の体制の維持であり、国際的な援助がほしいということですから、そのため、いわゆるこういうミサイルなどを使いながらの瀬戸際外交ということを考えれば、対話だし、これを理由に何か軍事的な対応をしますと結局、軍事対軍事の悪循環になっていく。これは避けなければいけないと。あくまでも国際的な対話の努力。これが必要だと思っています」
松村キャスター
「今週、広島で開かれた主要7か国外相会合でも議題となった北朝鮮の核ミサイル開発問題ですけれども、G7では、北朝鮮の核開発、核実験や弾道ミサイル発射を最も強い表現で非難をするという声明が出されました。長島さん、最近の北朝鮮の挑発的な動きをどうみますか?」
長島議員
「先ほどの話、確かに、最終的に6者協議は大事だと思うんですけれど、先日、武大偉さん、中国の6者協議の代表が来られましたね。私もお目にかかったんですけれど、相当、悲観的でした。私が6者協議大事ですね、と水を向けてみたんですけれども、いやいや、まず制裁をきちんとやらなければいけないと彼も言っていました。今度の制裁は、井上さんもおっしゃったように安保理決議第2270号。これは非常に厳しい制裁ですね。いまだかつてないぐらい厳しい制裁。これをちゃんと中国が守ってくれれば、ある程度、北朝鮮にも影響力があると思うんですね。そのことを私からも釘を刺させていただいたんですけれど。彼らは結構本気で今回この制裁を自分達は守ると。ただ、人道的なところはと言っていましたけれども、この部分はしょうがないですよね。人道的な部分については」
反町キャスター
「人道的な石油の支援ですか?そんなことを言い出したら、北朝鮮が生き永らえる。生きるとかの問題ではないですけれども」
長島議員
「彼らとしては、そこは譲れない一線だけれど、しかし、北朝鮮の現在の体制にある程度の、国際社会の現実というものを理解してもらわないと、先ほどおっしゃった、6者協議のテーブルにも着けませんねということは、中国の武大偉さんもおっしゃっていた。これは結構、印象的でしたよ」
反町キャスター
「その意味で言うと、武大偉さんから受けた印象というのは、中国は、本当に北朝鮮に制裁を、言い換えると、締めるというか、締め上げるつもりはあるのですか?」
長島議員
「現在の金正恩体制。中国に対する批判もかなり高まっていますけれど、彼ら、自分達のコントロールがまったく効かなくなっていることに対する苛立ちはすごくあると思う」
反町キャスター
「井上さん、いかがですか?中国の本気度。話し合いとは言いながらも中国は本気なのではないかみたいな話が現在、出ていますけれども」
井上議員
「制裁か対話かという話ではないと思っているんですね。制裁のための制裁になってはならない。我々は対話をさせるための実効ある制裁というものが必要だと思っているんです」
反町キャスター
「それなら、制裁は基本的にはOK?」
井上議員
「もちろん、国会で、全会一致で決議していますから、これは実効ある制裁を求めるということを我々も含めて賛成してやっているわけなので。そういう形で、要するに、対話のテーブルに着かせるための制裁で、これまでいろいろやってきましたけれども、現在もありましたように実効ある制裁を本気でやっていない国があったりして、抜け道があったと。今回、非常に安保理決議が厳しかった。これもしっかりやっていくというのは非常に大事だと思っています。そのうえで中国がどうかということですけれども、安保理決議があった直後に、王毅外相が記者会見を北京でされていますけれども、『制裁は必要な手段だが安定の維持が急務で対話が根本的な道だ』と。こう言われています。制裁をやりながら対話に導くと、こういう姿勢だとは思いますね。これまで6か国協議でも、北朝鮮抜きの5か国とか、そういうのもありましたけれど、中国はそういう5か国でやるのは北朝鮮を刺激するということで、これまで消極的だったのですが、それも含めて考えるということを王毅さん、言われましたから、そういう点ではかなり実効性あるものに踏み込んできているのではないのかなと。これをしっかり国際的にやっていくことが必要だと思っています」

安全保障政策のあり方
松村キャスター
「ここからは民進党、共産党の安全保障政策について聞いていきます。菅官房長官は今月の10日、札幌市内での演説でこのように発言をしています。『共産党の綱領は日米安全保障条約の破棄、自衛隊解散だ。日米同盟を破棄して、自衛隊を解散して、国民の皆さんの安全を守ることができるのでしょうか』。このようになっていますが、井上さん、菅官房長官のこの指摘はいかがですか?」
井上議員
「これは現在、補選が戦われている北海道での演説なわけです。現在、市民の皆さんと野党が共同して、この安保法制、戦争法の廃止、立憲主義を取り戻す。安倍さんの暴走を止めよう、こういうことで力を合わせているわけですけれど、この演説は、共産党と他の野党との、こういう政策の違い、意見の違いを、いわば批判の対象にしているということですから現在、野党の力を合わせてほしいという、市民の皆さんの声が聞こえていないのだなということをまずは思いました。そのうえで我々の綱領のことですけど、私どもの綱領でありますが、党として目指す基本的な方向を定めているということと、これをどうやって実現をしていくか。私達は常に国民多数の合意のもとに一歩一歩やっていくのだということ。その途中の段階で全体では合意できなくても、さしあたって一致できることについては力をあわせようではないかと。こういうことも含め、この中で言っているわけですね。この中で、外交政策としては日米安保条約を、国民多数の合意で廃棄をして、現在みたいな、アメリカに従属したような形ではなくて、むしろ対等、平等の立場の平和条約を結ぶ。そういう中立、独立の日本をつくっていこうではないかということを、この中で書いています。現在、安保のもとで、たとえば、首都の横田基地。首都に他国の基地がある国なんてありません。沖縄でああいう様々な被害が起きていますし、その下で莫大な、日本は駐留経費を世界でも突出して支払っているということがあります。その基地を使い、アメリカは中東からアジア太平洋、かつてはベトナム、この間はアフガン、イラクなどにも出撃をしていったということがあるわけですね。そのことによって逆に日本が狙われることも出てくるわけですから。私達はこういうものはなくしていくべきだという、こういう基本的な考え方を持っています。自衛隊についても現在は、専守防衛の建前も変わっていて、最近は海外にどんどん行くような装備や体制になっていますね。これをまず正していくと。ですから、海外派兵立法をやめて、軍縮の方向に向かっていく。それから、9条に基づいた平和外交や、安保廃棄をしたあとのアジアの情勢というのを踏まえたうえで、国民の皆さんがもう自衛隊がなくたって日本の平和と安全は大丈夫だと。こういう大きな合意ができた段階で、憲法9条の完全実施たる解消に向かっていくと。こういうのが私達の考え方です。だから、菅さんが先ほど、日米同盟を廃棄し、自衛隊を解散して、安全を守れるかと、こういう話をされていましたけれども、国民の皆さんがそれで安全が守れると、皆さんが思わなければ、できませんし、できないわけですよ。いずれにしても現在、問われていますのは、安保反対ではなくて、要するに、反安保条約ではなく、反安保法制。現在、戦争法の強行によって立憲主義というのが蹂躙をされてきたと。戦後、自民党自身が60年間言ってきた解釈についてもひっくり返してきたということがありましたし、それから、戦後、自衛隊は戦場において銃を撃って他国の人を殺したこともなければ、戦車を出したこともなかったと。これが現在変わろうとしてきているわけですから、これをまずなくしていこうと。これが私達の想いです」
反町キャスター
「井上さん、そうすると、具体的な問題としては、たとえば、尖閣を含めた東シナ海における、東シナ海に対する中国からの圧迫感を共産党さんは感じていない?東シナ海、南シナ海に対する中国の膨張政策というふうに敢えて言うならば、それを圧迫、脅威として感じているのであれば、それに対して、たとえば、日本は現状においては日米安保条約に基づいて共同で対応をしていこうと。たとえば、北のミサイルに対しても日本の海上自衛隊だけではなくて、日米のイージス艦が連携をして、いろいろ対応をしていきましょうと。日米連携において、北の核やミサイルに対応をしていきましょうと。この日米が連携してやってこうということというのは、これはアリなのですか?ナシなのですか?」
井上議員
「私達は、日米の、たとえば、そうやって、この間の安保法制でも、そのことによって抑止力を高めてやるのだと言いましたけれども、では、逆に、北朝鮮のこういう挑発行動がむしろ進んでいます。中国の動きが止まったかというと、そうではないわけで、軍事に対して軍事的な対応をするというのでは結局、うまくいかないし、いっていないということだと思うんですね。尖閣の問題で言えば、ずっと日本が、日本の領有の正当性というものを中国に対しても、国際社会に対しても、きちんと言ってこなかったというのが1番の問題で、私も日中議連で一緒に与党の皆さんとも行ったことがありますけれども、ああいう場になるとちゃんと言わないんですよ。むしろ向こうから言われて、共産党どうですかと言われて、我々はこういう状況だ、歴史的にもこうだということをはっきりと言いましたけれど、そういうことをきちんとしていくということを何よりも日本がやるべきことだと」
反町キャスター
「それは過去の話。これから先も話し合いをしていくべきだと。こういうことでよろしいのですか?」
井上議員
「あくまでも平和的、外交的な解決を目指していこうと」
岡本氏
「ずけずけ言わせていただくと、現在、井上さんがおっしゃられた共産党の綱領には、アメリカのことを横暴ほしいままにして、侵略と、それから、干渉を繰り返す国で、世界の平和と安全にとって最大の敵であると、こう書いてあるわけです。現在の綱領ですよ。アメリカが日本の独立を踏みにじっていると。こういう書き方ですね。アメリカさえいなければ世界は平和だということが綱領の中に、アメリカという言葉が何回出てくるか。私は数えました。45回。それで尖閣を脅かしている中国は何回か。0回ですよ。ミサイルを発射して核実験を繰り返す北朝鮮は何回か。0回。とにかくアメリカさえこの世の中からいなければロシアがいようと、中国がいようと、北朝鮮がいようと、イスラム国がいようと世界は平和だと言っているとしか考えられない。私はそのことを共産党の人と現在議論をするつもりはないんです。だって、国民の間で非武装、中立論は2.6%しかないし、隔絶された世界の方々の話かなと思って、だから、余裕を持ってお聞きしてきたのですけれど、今度は民主党という大きな政党と一緒におやりになると。さあ、これは、事態はもう少し深刻になってきて。ですから、むしろ聞きたいのは、長島さんがどうしてこういう綱領の党と一緒になって、さあ、アメリカを世界から放逐するための企てに参加されるのかどうかということですが」
長島議員
「まったくそのつもりはないですから。それはご心配なく。民進党もいろんな考え方がもちろん、あるんです。参議院の選挙協力というのも現在少しずつ増えていますけれども、問題は衆議院です。今回、本当にどういう政権を、自民党、公明党に代わってつくっていくか。ここの段になってくると、現在の井上さんのお話を伺う限りはなかなか、これは一緒にやるというのは難しい」
反町キャスター
「確かに、岡田さんも一緒に政権をつくるつもりはないと言っていますよね」
長島議員
「日米安保、あるいは自衛隊に対する考え方。何年、先のことをおっしゃっているか。それはわかりませんけれども、これだけ国際情勢が厳しくなっている中で、アメリカとの安全保障条約に基づいた同盟協力、これは強化していくという方向というのは、民進党としてもコンセンサスができています。従って、安保法制について、我々は相当、批判をしましたけれども、それは国民の理解をもっともっと深く求めるべきだとか、あるいは安倍さんが集団的自衛権の根拠として言ってきたことについて、いわゆる我々、立法事実と呼んでいますけれども、ホルムズ海峡の封鎖とかですね」
反町キャスター
「根拠ですよね。なぜ必要なのかという」
長島議員
「そこが少し曖昧ではないかとか、そういう批判をしてきたんです。従って、集団的自衛権をまったくゼロから批判するということではないんですね。否定するということではないです」
反町キャスター
「でも、共産党さんはゼロから否定ですよね?」
井上議員
「ええ」
長島議員
「我々、自衛権の行使の仕方というのはいろいろあると。集団的自衛権に一足飛びに行く前に、個別的自衛権でも、日本を守るために展開している米艦に攻撃があった、これは我が国に対する攻撃とみなし得るではないか。実際そういうこれまでも答弁、政府答弁あるんですね。それは個別的自衛権で説明ができるではないかと。こういうところをきちんと詰めていったうえで、それでもさらに足りない部分があるのだったら集団的自衛権の問題も議論をしましょうというところが、ここが大きく違うんですね」
反町キャスター
「井上さん、そうすると現在、安保条約と安保法制は違うのだと、冒頭の話で言うと民進党さんと共産党さんは今度の参議院選挙に向けても、安保法制は廃止でいきましょうと。それは共闘を組まれているわけではないですか。2人がそれぞれ党の意見の全てを代表されているかは、これは別の話かもしれない。ただ、それでも安保法制は廃止ですと2人は言う。いろいろ理由は別々にあるとしても、そこから先。廃止のあと、廃止の先。どうするのかというと、民進党は民進党で独自案を出される。共産党はたぶん民進党の安保法制の対案に対してはとても乗れないですよね?」
井上議員
「そうですね。現在、出されているものについては。我々は」
反町キャスター
「そういうことですね。選挙に訴えるか、要するに、たぶん国政を担うための意識とは思うんですけれども、その先、法制廃止までのところで反対するのはいいのだけれども、そこから先の、政権に向けてのビジョンを共有しないで、ここの部分だけで選挙を戦うことに対する…少なくともそこを説明していただけますか?」
井上議員
「現在の話で言いますと、結局まずやり方として、安保法制というこれまでの、ずっと歴代自民党が言ってきた憲法解釈もいっぺんの閣議決定で変えてしまったし、それから、質疑のやり方の中でも、憲法学者やら、歴代法制局長官、それから、最高裁判事も含めて、多くの専門家が憲法違反だと言っていることに結局、聞く耳を持たないで、特に参議院で言いますと大変な強行採決だったと。どんなに多数を獲った政権であっても憲法の枠内でやらなくてはいけないという立憲主義が蹂躙されたままでいいのか。できたものだから仕方がないというわけには、これはいかないと思っているんです。これは本当に、多くの皆さんが一致するところであり、まず元に戻そうではないかと。ですから、まさに安保法制ができる前の状況まで戻そうと。私達はそのための一致する政党、個人、団体の方に呼びかけています。一致すれば国民連合政権もつくれないか、こういうことも言っているわけで。その際は、つまり、そこまで戻すと」
反町キャスター
「廃止まで?」
井上議員
「廃止まで持っていって」
反町キャスター
「廃止までが目的の政府をつくる?」
井上議員
「そのうえで、ですから、いわば安保条約について言えばそこに持ち込まないと。ですから、それ以上、廃止の手続きもしないし、許可の手続きもしないと。その枠内でこれまで通りやっていくと。ですから、もしその際に何か日本に有事があった際には当然、自衛隊も出動させるし、それから、日米の共同対処も安保条約に基づいてやる。そこまでやろうではないかと。そのうえで今後どうしていくかというのは、民主党さんが出された、維新も出された対案というのは、この間の国会ではほとんど議論をされていないわけですよ。そこも含めて、大いに議論をしていこうと、国民的に。少なくとも、しかし、現在、立憲主義蹂躙という、違憲の法律がつくられたという、この状態を放置できないよというところで多くの皆さんで一致して、そこまでやっていこうというのが現在、私達が言っていることです」
長島議員
「黙っていようと思っていたのですが、立憲主義の蹂躙というのは、言い過ぎですよ。立憲主義というのは、別に政府解釈を変えたから立憲主義の蹂躙というのは、僕は党内でも言っているのだけれども、それは言い過ぎですよ。最終的に憲法の規定を解釈する権限を持っているのは最高裁だから、最高裁が出るまでは、有権解釈というのはそれぞれの立法府にも認められているし、行政にも認められているんです。だから、閣議決定もしないで、いきなり総理が出てきて、我々はこれがやりたい、だから憲法はこうだというのは、これはさすがに立憲主義の否定だけれども、ちゃんと手続きを経て、憲法解釈を変えて、しかし、それでつくられた法律が違憲という判断が最高裁から出たら、それは違憲ですよ。それを、全体を立憲主義と言うんですよ。だから、1つの部分だけを捉えて、自分達が気に入らない解釈をしたから、立憲主義の蹂躙だと言ったら、僕はちょっと短絡的な議論だと」
反町キャスター
「井上さん、最後に一言、この件についてはどう思いますか?」
井上議員
「この問題は個々の解釈によって、60年間ずっと積み重ねてきたことですよ。それがもう国民的コンセンサスにもなったしということを変えるというのは、普通の憲法解釈の変更に留まらない大きなこと」
長島議員
「丁寧にやらなければいけないというのは確かですよ」
井上議員
「それは、私は立憲主義の蹂躙だと思いますよ」

『北朝鮮問題』&日米の対応
松村キャスター
「今朝、北朝鮮がグアムも射程に入る中距離弾道ミサイル、ムスダンと見られるミサイルを発射して失敗したと報じられました。このニュースをどう受け止めていますか?」
アーミテージ氏
「北朝鮮に関するニュースですが、今回は大失敗ということになると思います。ただ、私自身の考え方として、おそらく今度は5回目の核実験が将来、近いうちに行われるのではないかと見ています」
中谷防衛相
「今年になって核実験があり、また、弾道ミサイルの発射。しかも、能力の向上をするための実験ですね、燃焼実験とか、エンジンのテストとか、そういうのを繰り返してきています。こういうことをなぜ続けるかというと、米韓の合同軍事演習もやっているし、また、世界各国からのいろんな批判に対する反発ですね。そういったことでさらなる挑発行動に出る可能性も否定できないということです」
松村キャスター
「北朝鮮は今年に入って1月に水爆と称する核実験を実施。2月に長距離弾道ミサイルを発射、その後も挑発的な行動を見せています。一連の北朝鮮の動きをどのように見ていますか?」
アーミテージ氏
「北朝鮮の最近の動きですが、金正恩がいわゆる緊張を引き起こそうとして行っている行動に過ぎないと思います。また、最近は政府の高官が処刑されたのではないかというニュースも現在いろいろな形で報道されています。ですから、現在、金正恩の存在なくしてこのようなことは起こり得ないということだけは言えると思います」
反町キャスター
「北朝鮮が緊張を起こそうとしている狙いはどこにあると見ていますか?」
アーミテージ氏
「アメリカと対話を望むと北朝鮮は言っています。私どもの同盟国は、そうしたやり方に反対しているというのは事実でしょう。現在の地域の状況というのを考えた場合、たとえば、中国との関係ということを考えた場合、そのような姿勢をとりたいと北朝鮮は考えているでしょう。何らかの形の緊張を引き起こしたい。いわゆる間違いが起こって、戦争が起きる状況は避けたいけれども、何らかの緊張関係を保っておきたいと考えていると思います」
反町キャスター
「では、そういう状況の中で、北朝鮮問題を解決するのためにどういう動きが必要だと見ていますか?」
アーミテージ氏
「北朝鮮がアメリカと対話をするということにおいては、今後こうした核開発、長距離弾道ミサイルをどう考えるのかということを議題にしていかなければいけないと思います。韓国との関係ということも北朝鮮はいろいろな形で求めてくるとは思います。日本との、拉致の問題ということも当然、議論の題材にしなければいけないと思います。それがなければ対話には応じられないというのが私どもの立場です」
反町キャスター
「仮に、北朝鮮が現在開発しているのミサイル、これがうまく成功して、ハワイ、西海岸に届くような核の長距離弾道弾の開発が成功した場合、その時、アメリカは北朝鮮との対話に応じざるを得なくなるのですか?」
アーミテージ氏
「アメリカは北朝鮮と対話をしたいと考えています。6か国協議の枠組みの中でも、常に対話を進めようという努力は進めてきました。こうした枠組みを用意してきました。韓国、日本にとって、アメリカよりもミサイルの脅威は大きいはずです。そうした脅威があるとはっきりと述べてきたつもりです。まず対話が必要だと思います。まずは6か国、2か国の協議に続けていく、そういうステップが必要だとは思います」
反町キャスター
「そうすると、北朝鮮がアメリカ本土やハワイに届く長距離核ミサイルを開発したとしても直ちに2国間の話し合いに入るのではなく、まずは6か国の話し合いをやったうえで、そのうえで必要に応じて2か国をやるというのが、アメリカの基本的な姿勢であると思ってよろしいのですか?」
アーミテージ氏
「このような脅威はアメリカより韓国や日本にとって1番の脅威になると思います。アメリカの脅威になるというところまで現在は想定していないというのが実情です。確かに、防衛のためのミサイルというのが必要になってくるのかもしれませんが、韓国への脅威というのをまずは止める。そちらの方が先決だというのが私どもの立場です」

中国『南シナ海問題』
松村キャスター
「今週、広島で行われたG7外相会合での声明ですが、東シナ海・南シナ海の状況を懸念。現状を変更し緊張を高めるあらゆる威嚇的、威圧的挑発的な一方的行動に対し強い反対を表明。埋め立て、拠点構築、その軍事目的での利用といった行動を自制し、国際法に従って行動するよう要求するという声明がありました。このG7声明をどう評価していますか?」
アーミテージ氏
「私の考えではこのG7の宣言、ステイトメント、素晴らしいと思います。中国に対する抑止力になると思います。G7外相の中国、南シナ海における取り組みは素晴らしいと思います。中国のような国が常に非干渉ということを謳っていますが、そういった中でG7の頭の痛みになっていますね。中国はG7の加盟国ではありません」
岡本氏
「非常にいいステイトメントではないですか。アーミテージさんが言ったように、これは合理的に考える国に対してはとてもよい抑止力になると思いますが、ただ、現在の中国に対してどこまで実効性があるかというのは別の問題ですよね。中国自身が参加したコード・オブ・コンダクト、行動準則、そういうものに彼らを引っ張り込み、連れ込んで、合意させて、少なくともこれ以上はつくりませんと。まず現状を凍結して、これまでたくさんの珊瑚礁の上に滑走路をつくっていますので、これをこれからどうするのだと彼らをとにかくテーブルにつかせないといけないですね。だから、これまでG7としてやれることは、もう精一杯やってきているし、それから、アメリカが海軍の軍船を、駆逐艦をすぐ近く、3海里の中を通すとか、いろんなことをやっていますけれども、それだけでは中国の動きは止まっていないわけですから。ですから、彼らをこの中に引っ張り込んでくるための政治的な仕かけ。それは単に、これは南シナ海だけの問題ではなく、もっと世界の安全保障全体について中国と四つに組んで、ここはどうするのだ、ここは行動準則、一緒に乗ってきてくれという話ではないとダメでしょうね」
反町キャスター
「これで中国の動きを止められると考えていますか?」
アーミテージ氏
「私の考えでは、なかなか難しいと考えています。中国は通常の国家のような行動をしていません。まるで帝国のような行動をしています。帝国としては等しい権利で各国を平等の国とは見ていないからですね。従って、長年かければもう少し行動を抑えることはできるかもしれませんが、しかし、現在の関係において、南シナ海においても中国を喜ばせることしか、彼らは考えていないわけです。従って、この中ではっきりと我々は航行の自由作戦を使い、国際的な法律に基づいて行動させることが重要だ思います。現在、中国がやっていることは、こういった軍事活動に対する、各地域における行動に対する、たとえば、潜水艦を各国が現在所有していますね。日本、ベトナム、インドネシア、そういったところも検討しています。従って、それに反応しているわけです。中国自身もそういった各国に対して反応しています。日本のフィリピンにおける潜水艦に対する行動を考えています」
反町キャスター
「日本政府としては航行の自由作戦に参加する可能性はありますか?」
中谷防衛相
「米国はこういった重要性から航行の自由作戦といった取り組みをしているわけでありますので、これは我が国としては国際社会と機を一にする考え方として支持を致しているわけです。我が国も、東シナ海の問題、アジアの太平洋の平和と安定に資するような大変重要な問題だと認識していますので、こういった緊張を高めるような行動を慎んで、法の原則に基づいて行動するように、我が国なりに、多くの国々にそういうことをお話し、また、防衛的な交流とか、共同訓練とか、また、開発支援とか、そういったことを通じて、こういったことを中国がわかってくれるように努力をしたいと思っています」

中国『尖閣諸島問題』
松村キャスター
「尖閣諸島を巡って、日中の衝突が起きた時、アメリカは日米安保条約を発動させて、日本と共に戦うのでしょうか?」
アーミテージ氏
「第1に言わなければいけないことですが、G7の外相会合に関しての、その声明に関して申しておきたいことがあります。中国は大きな間違いを、そこで侵していると思うんですね。南シナ海、また、東シナ海の声明は日本がつくった文書だと言っています。それは違います。G7の文書で、日本だけが言っていることではないです。中国はそこをちょっと過小評価しすぎている部分があると思います。これは単に尖閣に関しては日本と中国だけの問題ではありません。アメリカは、そこを防衛する責任を持っているということで、これは日米安全保障第5条の枠組みの中で責任を負っています。日本に駐留している以上、それはアメリカにとっても紛争となるわけです。中国は何かの紛争や戦いを望んでいるとはもちろん、ないと思います。ただ、現状の変更はしたいと考えざるを得ないと思います。中国はそこに日本の船が入ったら、それは中国にとっては弱みを見せたということになるんです。中国はそれに何らかの形で対抗しなければいけないと、それを示さなければいけないということで行動してくると思います。ですから、そこで自衛隊が毅然とした態度をとるということ。それは絶対的に必要なことだと思います」
反町キャスター
「尖閣諸島の衝突が起きた時に、アメリカの世論がブレーキをかけるのかどうか。いかがですか?」
岡本氏
「尖閣、つまり、東シナ海の無人島を巡って中国と戦争を始めるかと、アメリカ人に聞けばまず90%以上はノーですよね。それはわかりますよ。一方で、日米安保条約、安保体制というのはアーミテージさんのような人がこれまでずっと主導して、いかにこれがドナルド・トランプ氏の言うような片務的なものではなくて、日本とアメリカの双方にとってメリットのあるものだということをこれまでずっと説得してきてくれたわけですね。それで、そういう人達の立場というのをこれからますます強化しなければいけない時に、では、日本が一緒に守ってくれるんですねとあまり言わせることがどうなのか。安保条約第5条のもとで、日本とアメリカは共同行動を取ります。それは必ずしも第七艦隊が人民解放軍に大砲をぶっぱなす話ではなくて、たとえば、アメリカの早期警戒機が飛んできて、そして中国海軍の動勢はこうなっているよということを自衛隊に教えてくれる。これでも立派に共同行動になるんですね。ですから、我々イメージ的に、海上自衛隊と第7艦隊が一緒になって砲弾を撃ち合うのだ、相手に対して発射するのだという、それは政府も少し国民に対してそんなものではないということは言うべきだと思うんですね。だって、世界有数の装備を持つ優秀な海上自衛隊、あそこを守るのは基本的には海上自衛隊、狭い海域ですし、海上自衛隊の任務ですよ。ですから、アメリカの中で、ドナルド・トランプ氏のような人に『俺達はこんなことに命をかけるのか』と言わせないよう、彼は説得できないにしても、もっと穏健な人達にはちゃんとこういうものかとわかるようにしなければいけないと思いますね」
長島議員
「日本の領土ですからね、最後まで日本が守り抜くんですよ。それに対してアメリカは安全保障条約の第5条にもとづいて協力をしてくれるということです。主体は日本です。アメリカは当然のことながら副次的な支援ですよ。それは当たり前です。それ以上のことを日本人が期待すること自体が感覚として誤っていると思いますね」
アーミテージ氏
「私の方からも3点コメントしたいと思います。まずはドナルド・トランプ氏に関してですが、候補者の中で1番人気がない人です。デビッド・デュークというKKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーがいます。差別主義者ですが、それと同等の人気しかありません。トランプ氏は外交経験もない、そうした資格もない人間だと思います。2番目ですが、緊急事態ということに関しては前後関係が重要であるべきだと思うんです。日本が特定の状況の中で何をしたいのかということがまず重要になってくると思います。日本がアメリカに何もしてもらわないということを望んで事態を悪化させてしまうようではいけないと思います。前後関係を見失わないことが大事だと思います。3番目ですが、日本が攻撃を受けるかどうかということに関しては、尖閣も含め、まったくそうした可能性は現在見えていないわけです。ですから、アメリカがそれに対してどう考えるかということも憶測に過ぎないというのもあると思います。アメリカ人の基本的な見方として、たとえば、あれだけのアメリカの部隊が駐留しているわけであるから、たとえば、日本が攻撃をされた時に、アメリカがそれに対して防衛措置をとった場合は何らかの犠牲が出ると考えているのは当然であります。それをどう認めるかという問題もあるわけです」

日米同盟と日本の国防
松村キャスター
「2012年に国際政治学者ジョセフ・ナイ氏と共に『第3次アーミテージ・ナイ報告書』と呼ばれる日本への提言をまとめたレポートがあります。内容ですが、『地域の平和への脅威に対する多国間での努力に積極的かつ継続的に関与すべき』『平時、緊張、危機、戦時といった安全保障上の段階を通じた米軍と自衛隊の全面的な協力』『航行の自由を確立するため、米国との共同による南シナ海における監視活動にあたるべき』とのことです。先月に日本で安保関連法が施行されたわけですが、レポート提出以降の日本の安全保障への取り組みで『アーミテージ・ナイ報告書』の中身が実現可能になったと考えますか?」
アーミテージ氏
「ナイ教授と私の報告書というものは考察でありまして、何か命令しているわけではもちろん、ありません。方向性としては日本がとる方向性というのは、そういう方向性に向かっていると思います。日本はフルにエンゲージをして、いろんな課題に取り組んでいます。特に安全保障に関しましては多国間の間での取り組みをしています。アメリカ、西海岸においてもそういう取り組みがあります。また、よりよい理解を深めていろんな取り組みをしています。また、航行の自由に関しても理解を深めています。この中で大幅に日本にも役立つような取り組みもあります。従って、それはむしろ進んでいると思いますね。そういった課題点を認識し、そういった中で日本は安全な国として活躍をしています。また、意識調査においても、そういったことがだんだんと表れ始めていると思います。アメリカからの日本に対する好意も非常に高くなっていますし、そういったことが両国の関係においては表れています」

リチャード・アーミテージ 元米国務副長官の提言:『Japan continues to normalcy to assure the peace and security of the people of Japan』
アーミテージ氏
「日本は今後も、平時から日本国民の平和と安全保障を守ってほしいということです。どういうことを意味しているかと言うと、日本がアメリカのようになってくれと言っているわけではないです。アメリカは確かに世界の各地にいろいろな利益、また、利害をもっています。アメリカが直接参加をしていないけれども、利害を抱えている地域もあるわけです。つまり、ここで言っていることは、日本の利害もそこに常に関わってくることだということをきちんと理解したうえで、アメリカとの関係も重視をしながら、日本は平時よりこうした日本国民の平和と安全保障を自分達の船の船長として守っていっていただきたいということです。たとえば、ジブチでの展開、それから、また海賊に対する国際的な責任を果たしたことも、そうでもあるのですが、日本は世界の中でも1番尊敬されている国でもあります。また、歴史的にもいろいろ世界からも注目されています。また、日本のいろいろな関与というのは世界の各地で感謝もされています。ですから、今後もこうした平和と安全保障を守るという努力は、政治的にも、また、人道援助も含めて、災害などへの対応も含めて、日本はそういうところにフルに参加してほしいということです。それが私の提言です」
中谷防衛相
「日本は自らの国の防衛にその責任を果たしていくことに加えて、日米同盟というものを使って、より世界に対して平和と安定のために寄与していくと。そのために平和安全法制もより緊密な連携という意味があるわけでありますが、その他にも装備の協力ですね。宇宙とか、サイバーとか、新しい技術、こういった共同開発、共同研究、それに加えて、人的交流、そういうものを加えて、より日米同盟が世界の平和と安定のために機能できる。そういうことをこれからも果たしていきたいと思っています」