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2016年4月7日(木)
石原慎太郎 堺屋太一 渡部昇一が世相を斬る

ゲスト

石原慎太郎
作家 前衆議院議員 元東京都知事
堺屋太一
作家 内閣官房参与 大阪市特別顧問
渡部昇一
評論家 上智大学名誉教授
 

どう見る?日本政治の今
秋元キャスター
「世相を斬る2016春と題して石原慎太郎さん、堺屋太一さん、渡部昇一さんを迎えた今夜のプライムニュースですけれど、まずは現在の政治について話を聞いていきたいと思います。今年度の予算も成立、夏の参院選を見据えて後半に入りました国会ですけれど、最大の争点となっていますのが、『保育園落ちた日本死ね!!!』というネットへの書き込みですけど、これがきっかけとなって国会前での抗議集会が行われ、また2万8000もの署名が集まりました。これを受けて野党は待機児童問題を争点化。政府も緊急対策を発表するに至りました」
石原氏
「これは、親としては当然のことで、私は都知事の時代の時に認証保育所というのをつくったんですよ。これは、国の保育園に関して設けている規定というのは非常に厳しくて、非常につくりにくいんですよ。ですから、当時のJR東日本の社長と話をして、JRが持っている駅の前のビルで空室がたくさんあるので、それを利用して、屋上に人工芝生をつくって、遊園地みたいなのをつくって、とにかく規格を設け、それに適うものは認証保育所という形で認可することにしたんです。ですから、これは東京都だけですけれども、非常にたくさんできまして、1つの協会ができちゃった。そういうことを国が知ってやったらいいと思うんですよ」
反町キャスター
「待機児童の問題というのは、塩崎(厚生労働大臣)さんとか、政府が、いろいろ対策を発表したりしていますけれども、それは政府の問題なのですか?」
石原氏
「だから、東京がやったことを、国が見習ったらいいですよ」
反町キャスター
「たとえば、スペースや予算に、余裕があったり、なかったり、自治体によっていろいろムラもあると思うんですけれども、それぞれの自治体が対応すべき問題なのか、国が一括的に規制緩和をドンと全国的に網をかけたらいいのか。そのバランスというのはどう感じますか?」
石原氏
「少なくとも国が設けている規定というのは非常に厳しく、都市では通用しないものがたくさんあるんですよ。私はそういうことを国全体が反省すべきだと思うし、どこの役所が決めたのか知らないけれども、保育園に対する、国が決めた規定というものを変えない限り、この問題というのは解決できないと思う」
堺屋氏
「それと、保育士。これがまた厳しいですね。保育士の試験というのはなかなか通らない。保育の課程を出て、大学を出た人は簡単ですけれども、途中から主婦がなろうというのはすごく試験が難しいです。これも緩和すべきだと思います。緩和したと、現在、東京の話ですか、落ちた人。石原さんが緩和されたにもかかわらず落ちた人がいるんです。それは運が悪かったので。それだけで『日本死ね!!!』というのはよっぽど甘えていると思う。それは落ちたのには落ちた理由があるのだろうし、運が悪かったか、場所が悪かったか、探し方が悪かったか。もっと分散して、お婆ちゃんに見てもらうとか、考えるべきですよ」
反町キャスター
「でも、そうもいかなくて共働きでないと生活が成り立たないお母さんが保育園にようやっと入れたいと思ったのに落ちたら、がっかり…」
堺屋氏
「わかりますよ。わかりますけれども、私達が子供の時は皆、すごく貧しい中で、子供を育ててくれたんですよ、3人も4人も。そういう日本人の努力を考えたら、保育園に落ちたぐらいで『日本死ね!!!』というのは、いかがなものかと思いますよ」
反町キャスター
「与党も、政府も、皆がワッと浮き足だってしまった印象がありますが、石原さんはどう感じますか?」
石原氏
「これは、ここにいる3人とも物を書く人間ですからね、我々物書きからすると、言葉のすごさだと思いますね。ある意味で、キャッチフレーズという言葉があるけれども、名キャッチフレーズだね、これは」
反町キャスター
「これは言葉の勝利だったのですか?もしかして」
石原氏
「言葉の勝利だね」
反町キャスター
「石原さんは、作家としてだったら、この言葉というのはすごいと評価されるのですか?」
石原氏
「評価はしない。これを書いた人間にバカ野郎と言いたい。だけど、甘ったれるなと言いたいけど、その前に保育園というもののあり方、それがこういう言葉を生まざるを得ないみたいな、実態と受け止めて、国の規制を変えない限りは、つまり、官僚の支配というのはこういうことに及んでいるわけですよ」
堺屋氏
「まさに、官僚支配に対する抵抗としてはわかりますよ。戦後官僚がやってきたことが現在、全部、行き詰っている」
反町キャスター
「でも、『日本死ね!!!』というのは言い過ぎだと言いました」
堺屋氏
「私はもちろん、『日本死ね!!!』は言い過ぎだから、言うべきではないと思う」
渡部氏
「僕がもっと心配するのは、老人達が『特養老人ホーム落ちた日本死ね!!!』なんて、老人も出てくると思うんですよ。『会社の試験落ちた日本死ね!!!』なんて…結局、簡単に言うと、発想が社会主義的なんですよ。だから、全部、自己責任がない社会が1番楽ですよね。ですから、野党は何と言っても社会主義的な発想から現在の政府を攻撃するのが1番有効と言いましょうか。これは堺屋さんもおっしゃるように、官僚は社会主義的な動きをするわけですよ。そういう政策をするわけですから。そこを攻撃するのが1番いいと思いますけれど、『日本死ね!!!』に引っかかりますよ」
石原氏
「でも、官僚が、自主的に国家を支配すると、社会主義ですよ。ですから、日本の官僚制そのものを、私は反省する時期に来ていると思います」
堺屋氏
「日本の官僚は戦後、何をやってきたか。これだんだんに話をしますけれども、現在、官僚がやってきたことが全部、裏目に出ている」
反町キャスター
「ただ、この子育てに関して、堺屋さん、非常に経済的に苦しくなってきていて、核家族にもなってきて、おじいちゃん、おばあちゃんが家にいなくて、夫婦で、子供を育てる。しかも、共働きでないと生計が立ち行かないという状況になってきている中で、子供を育てるのは親なのか、ないしは社会が育てるのかと、こういう議論が自民党の中でもありました。親が0、1、2、3(歳)の子供達を育てるのは、これは負担だから、社会がある程度、手伝っていかなければいけないのではないかという議論の中で保育園…」
堺屋氏
「それは官僚議論です。官僚が、子供が生まれるなり、社会が育てるのだ、家庭から切り離せと。近所からも切り離せと。人を付きあわせるな。全部社会がやる。つまり、官僚に任せろと。こうなったんですよ。このことは善いか悪いかです。全て官僚に任せろと。やはり家庭の味。これを官僚に任せたら、国がどうなったのか。それはソ連であり、キューバであり、キューバもすごく官僚に任せているのですから。キューバだけが出生率が低い。東ヨーロッパも低い。それはなぜかと言うと、官僚任せがいかに子供を育てないかですよ」

どう見る?野党第1党『民進党』
秋元キャスター
「参院選を見据えて、後半の国会では、野党に大きな動きがありました。それが先月27日に民主党と維新の党が合流して発足した民進党です。石原さん、こうした野党の動きをどう見ていますか?」
石原氏
「僕は、醤油とソースを混ぜても良いスパイスにはならないと思いますよ」
反町キャスター
「それは、民進党と言っても、民進党の中に右派的な人と左派的な人と、ごちゃごちゃになっていてダメだろうと、そういう意味で言っていますか?」
石原氏
「あまり期待できないですな」
反町キャスター
「石原さん、民進党の執行部を見るともともと岡田(代表)さんが民主党でやっていた執行部から、たとえば、辻元(清美)さんがそこに入ったり、江田(憲司)さんが入ったりして比較的、リベラル色が強まったと。実際その中の党幹部の方も、今度の新執行部はリベラル色が強くなったという方もいるんですけど、これはどう見ていますか。安倍さんに対するアンチとしてはリベラル色を強くするのはしょうがないと見るのか。民進党の体質的なものなのか。何か感じる部分はありますか?」
石原氏
「僕は、あなたがおっしゃっていた人のことをよく知りませんけれど、リべラルというのかな、リベラルとはどういうことなのですか?」
反町キャスター
「この場合で言うと、言葉を言い換えれば護憲色が強いというのがいいかもしれません。憲法改正に反対の姿勢を持っていると言ってもいいかもしれませんが」
石原氏
「それがリベラルですか?」
反町キャスター
「この場合で言うと…。アメリカで言うリベラルというのはどちらかと言うと、自由を貴ぶような感じになってしまうんですけれども」
石原氏
「おそらく、そのうちに民進党の党首の選挙をやると思いますけどね、全然違う人が出てくると思うな。枝野(幸男)君がなるのではないかと思いますね」
反町キャスター
「でも、枝野さんだとさらに護憲色が強まるのではないですか?」
石原氏
「それはそれでいいではないですか。どんどん衰退するだけ。期待も集まらないし、国民はそんなバカではないですよ」
反町キャスター
「それは保守派、保守性の強い安倍さんが現在、自民党の総裁で、総理でいる時にどうしてもそれに対する対抗軸を立てる野党というのは、我々は安保法制反対であり、憲法改正反対であるという立場を取らざるを得ない。そういう未来のイメージ…。そういう意味で、できているという党というイメージですか?それとももともと日本には、そういう護憲政党というのは成長する余地はないだろうという意味で言っていますか?」
石原氏
「思いますね。民進党の連中を見ていると、正しい歴史観を持っていない気がする。これは致命的な欠陥だと思いますね、政党としても、政治家としても。そういう意味では、自民党にどういう人がいるかというとなかなか見つからないけど、まだ自民党の方が、ある意味で、正当の歴史観を持っているし、戦後というものに対する1つの批判というものを構えていると思うけれど。他の野党にはそれを感じませんな」
反町キャスター
「渡部さん、岡田さんは、二大政党制の一翼を担う政党をつくりたいと、岡田代表は言っています。民進党がそこまで二大政党制の片方、要するに、政権交代可能な政党にまで成長できるかどうかという、その1点についてはどう感じていますか?」
渡部氏
「だから、どちらかと言えば、かつての民主党の続きなわけですよ。出戻りさんが戻った党でしょう。そうすると、あの人達のために、どのくらい日本が迷惑をしたかと言えば、辺野古はあれがなければ、もう(基地が)できていたかもしれないですよ。それから、日韓問題だって、また別の発展があったのではないかと思われるんです。ですから、現在のところの安定政権が暫く長く続くことが、日本の安全のために1番良いことではないのかなと思いますので。野党の方の気持ちはわかりますし、野党というのは政権を批判するのが職業ですから、盛んに批判をして、与党を引き締めてもらいたい」
反町キャスター
「堺屋さんは民進党をどう見ていますか?」
堺屋氏
「政治を右だ、左だという時代ではないと思うんですよ。それは冷戦の時代で終わったんです。それを依然として、右だ左だという考え方で分析するのは間違いになっていると思うんですね。それで、民進党は自民党より左だと言いたがっているんです。それともう1つ、進歩的であるか、保守的であるか、墨守的であるか、地球的であるか。それで言うと、民進党は非常に保守的であるというか、墨守的ですよ。と言うのは、憲法も守ろうと言うでしょう。何も変えたくないという政党です。右か左かというのがなくなったら、改革か墨守かと言うと、民進党というのはすごく保守的というのか、墨守的な政党にならざるを得ない。これは宿命的にあの政党の欠点だと思うんですね。従って、結局それぞれの議員が現在の自民党に対抗してどうしたら票が集まるかということだけで集まっているという気がしますね」
反町キャスター
「堺屋さんが、深くコミットされた、おおさか維新の会の流れを組んでいる人達も割れ、一部の方々が今度、民進党に合流されました。日本維新の会からの流れを組んでいる皆さんの中で、その感覚を持って、何か前向きに改革をしていく、機構改革も含めて、想いを持った皆さんが民進党に行った?」
堺屋氏
「いや、行っていないです。いささかでも統治機構改革を考えたなら、おおさか維新に残ったはずです」
反町キャスター
「維新の会の流れの方々で、民進党に行った人達は統治機構改革、すなわち改革の構えのある人達はいない?」
堺屋氏
「いないと思います。そうでないと、憲法もこのままにしておこう。憲法をこのままにしておくということは、もちろん、第8条の地方自治をそのままにするということですから。こんなことを変えるはずがない。従って、全部このままにしておくということですよ」
反町キャスター
「民進党が保守的だという意味で言っていますよね?自民党の方が改革政党なのですか?」
堺屋氏
「自民党の中も改革から保守まですごく分かれていると。自民党の強さというのは1番保守的な官僚とか、業界団体、そういうものと、フワッとした民意みたいな改革がいる。そういう政党ですよ。だから、多数党がいるんです。小沢(一郎)さんはそういう政党をつくりたかったんです。ところが、結局、また労働組合の保守派にまとまったのが民主党です。そこへ維新の中の保守的な奴が来たというのが現在の状態です」

どう見る?『安倍政治』
反町キャスター
「安倍政権の政権運営のやり方については、数にものを言わせて強権的な政権運営が多いという批判が野党の側から出ています。一方、そうはありながらも政権の支持率は50%にいっているという、野党の批判と実際の支持率の高さ。どのように理解をすればいいのですか?」
渡部氏
「普通の人から見ますと、安倍さんがやっていることは、日本のために安全かなということだと思います、安心感。他の野党が言っていることは、部分的にはそうかなと思うけれど、そんなことを言っても大丈夫なのかなというようなところがあると思います。比較的安全な、世界が乱れに乱れかかっているような世界において安倍さんのやっていることは1番安全かなというようなことですから。反対しようと思えばいくらでも反対するところはありますよね」
堺屋氏
「少なくとも野党がこれだったらもっと安心だろうという案を1つも示してないですよね。1つでも示してくれたら、経済でもいい、政治でもいい、外交でもいい。1つでも示してくれればいいのだけれど、1つも示していない。それで、ただ憲法を守ろうというだけでしょう。これは政党として欠陥があるのではないですかね」

次なる日本のリーダーとは
反町キャスター
「石原さん、現在の自民党についてですけれど、安倍さんは非常に強い総裁です。その強いリーダーシップをもって自民党を引っ張っていると。これはいいです。わかります。一方、かつては石原さんが、現役の自民党の国会議員であった頃の自民党と比べると、復元力というのか、角(田中角栄)さんが、ロッキード事件で倒れた時、三木(武夫)さんが出てくるとか、右左のバランスというのか、復元力というのか、次の人がスタンバイしているような印象があったではないですか。現在の自民党は、安倍さんが、たとえば、任期満了やら何やらで出なくなった時に、次の自民党はどうなるのか、そもそもバランスが取れるようになるような人材が育っているのかどうか。そこはどう見ていますか?」
石原氏
「難しい問題ですね。現在の自民党、他に人材をよく知りませんが、ただ、安倍総理に関して言うと、彼に対する日本国民の支持というのが、彼が高いというのは、彼は捨て身でやっているよね。それで、彼の外交日程を見ても決して健全とは言えない体を抱えながら、よくあれで続くなと思います。それから、外交問題でもなかなかボクシングでいいジャブを放っている。たとえば、カムラン湾に対潜哨戒の空母を送る。これは海南島で、中国は潜水艦の基地をつくっているわけです。これに対する牽制とか、南シナ海で問題を起こしている中国に対してフィリピンに日本の潜水艦を送るとか、こういったこと、なかなかうまいジャブを放っていると思いますね」
反町キャスター
「堺屋さん、現在の自民党の、かつてあったようなバランス感覚、復元力。それが僕はかつてに比べて、現在の自民党はあまりにも、安倍さんのところにギュッと集まり過ぎているという印象を受けるのですが、そこはいかがですか?」
堺屋氏
「その通りだと思います。安倍さんの次に誰がなるのか。現在1番心配しているのは2025年問題と言いまして、10年後に日本はどうなるのか。その時のリーダーがどういう人が、どういう政策かというのは現在見えないですよ。この年が明けてから、だいぶ不況になっていますよね。これに対する対策も見えないですよ。だから、せいぜい消費税を延ばすかというぐらいで。これははっきりと戦後体制から脱却しなければいけない」
反町キャスター
「いろんな政権が戦後政治の総決算とか、戦後レジームからの脱却と…」
堺屋氏
「言ってきたけれども、何で脱却できなかったかというと官僚主導です。官僚が全部決めたんです。まず規格、大量生産をやります。これで日本を統一します。終身雇用にします。だから、現在でも終身雇用以外は良くないというのが続いていると。東京一極集中します。これも現在でも続いている。特にマスコミ、文化創造とそういうものは東京に一極集中していますね。それから、住宅は小住宅だけにしますと、全部持ち家にします。これも現在でも続いている。買い物は無言にします。スーパーの方が小売店より良くて、コンビニはスーパーより良く、1番良いのは自動販売機だということです。この無言の買い物が続きます。それは経産省がずっとやってきた政策を依然として続けています。最後に人生を、日本人の人生を全部規格化しますと。これが続いているんですよ」
反町キャスター
「堺屋さん、通産官僚の出身ですよね?それはダメなのですか?」
堺屋氏
「1番言ったのは、規格大量生産の製造業依存でなくして、万博をやって、楽しみながらやりましょうということを提案した。そうしたら、省内では甚だ評判が悪かった。それをその時に規格大量生産を主導していた人は何と余暇開発センターに天下りをしたと。こういう幕切れですわ」

『核武装論』と日本の自主防衛
秋元氏
「アメリカの大統領選、トランプ候補の言動をどう見ていますか?」
石原氏
「非常に興味がありますな。特に日本の核保有に関しては、もともと核保有論者ですから。そういう意味では、逆に評価しているのは佐藤栄作という人は、見事な二枚舌を使った人で沖縄返還の時も、核の持込みは秘密にと約束したでしょう。佐藤さんがあとになってわかったんだけれど、外務次官をやった寺田さんという人が言っていたけれども、ニクソンの前のジョンソンが大統領の時に、日本は核保有したいから、認めてくれと申し込みをしているんです。そのあとニクソンと沖縄返還で核の持込み云々で丁々発止やっている時に、ドイツに一緒に核の開発をやろうではないかと申し込みしていて、シュミットは嫌厭して断るんですね。その代わりシュミットはNATO(北大西洋条約機構)の強力なメンバーになってNATOの持っている核の引き金に手をかけると条約の中に入れたんですよ。そういう政治家が日本にいたというのが私は現在になって興味深く思い出すんですのですが。あの時代に日本が核を保有したら、現在の日本の立場はもっと違ったと思います」
反町キャスター
「トランプ候補の、日本が核を保有することを容認することもあり得るという発言を、歓迎される?あるいはアメリカの都合で言われても困るよという感じもありますか?」
石原氏
「そうですね。それから、アメリカが小型の核弾頭というものをつくっている。それを開発している。これは日本にとって非常にサジェスティックですね。社会の通念になってくると思うし、GPSの技術が非常に世界で発展していると、私は場合によったら、アメリカは、北朝鮮の出方によっては平壌を一撃するみたいな攻撃をするかもしれない。わかりません。ただ、現在アメリカと韓国は大規模な合同演習をしていますよ。その中で何をやっているかと言うと、ソウルとか平壌の近くに大きな川があるんですよ。この川を小型の船艇で遡って、首都に入って、現在の北朝鮮のリーダーを暗殺する計画まで本気で考えて、そういう練習をしているね。北朝鮮も掴んでいるわけですよ。非常に反発するでしょう。場合によってやるかしら、やらないかもしれない。アメリカの出方1つでしょうけれど。アメリカはいろんなことをやっていますよ、これまで。たとえば、自分の都合のために田中角栄さんだって、それで政治的に殺されたわけだ。たとえば、イランも新しい指導者が、石油国有化を行ったモサデック首相がいた。これも結局、CIA(中央情報局)が策を巡らせて失脚させて、最期は野垂れ死にさせる。それから、アフガニスタンだって、ロシアが侵犯して、そこに傀儡政権をつくった時に、CIAがこれを倒すために何をやったかと言うと、ビン・ラーディンを育てて、アルカイダを。アメリカは場合によってすごいことを平気でやるんだね」
反町キャスター
「そんなアメリカが日本の核保有を容認するというのは」
石原氏
「日本のリーダーが世界の情勢を眺めながら、自分の近辺をまわりなおし、どう判断するかというのは見ものでしょう。その頃、誰が日本のリーダーになっていのるかはわかりませんが。日本にとって大きな、大事な選択になると思います」

韓国『核武装論』を斬る!
秋元キャスター
「韓国で沸き起こる核武装論について」
渡部氏
「韓国は北朝鮮と対立しているけれども、韓国人の多くの人は普通の庶民と言いますか、北朝鮮が核を持っていることに対して誇りを持っていると思うんです。同じ朝鮮人として。一緒になったら日本を脅せるなと必ず思っていますよ。自分達には核があるんですよ、日本はないです。ですから、韓国は持つ可能性もあるし、持ったら日本も当然、持たなければならないから、国を守る政府としては、核の準備はしておくべきではないかなと。現在はつくる必要はない。核の傘で安定しているから、それはそれでいいですよ。しかし、核の傘が破れ傘で、あるいは傘を差してくれないという可能性があるわけです」
石原氏
「これはとても大事なことで、渡部さんが言ったようにアメリカの日本に対する核の傘はないですよ。私は沖縄返還交渉の時、なぜか私と竹下登さんだけ随行を許された。その時に若泉敬が喜んで『石原さん、行ったついでにアメリカの戦略基地を必ず見てきてください』と。私は、NORAD(ノース・アメリカン・エアロスペース・ ディフェンス・コマンド)とSAC(ストラテジック・エア ・コマンド)に行きました。その司令官にくまなく案内してもらって『何だ、結局、日本に対する核の傘なんかないではないですか』と。『当たり前ではないか、NORADはアメリカの本土と、カナダのトロントを含む一部だけをカバーリングしているので、日本は遠過ぎて我々のウォーニングシステムが働くわけがないではないか。だから、日本は自分で核を持ったらいい』と逆に言われたんです。私はその時に核の傘は神話だと思って、帰ってきて論文を書いたら、いきなり核の保有論者にされたんですよ。私は現在でも日本は核を持つべきだったと思っています。すぐ持てるんです。ただ、その前提として、日本はアメリカの核の傘の下にないということを日本人は知るべきだと思う」
堺屋氏
「核を持つ必要はないと思う。核の傘なんて要らない。日本に核の傘があろうがなかろうが攻撃してくる奴は攻撃してくるし、しない奴はしないし、まずしないだろうと思います。と言うのは、日本を攻撃することは世界的戦争になると思わなければいけないです。日本だけをやっつけるということにはならないで、大戦争を覚悟しないと北朝鮮であろうが、どこであろうが日本を攻撃することはできません。核戦争を起こすということ。これは大決断ですよ。だから、日本自身が持っているかというよりも、全世界的に核は使わないということになっているからいいので、いったん誰かが使ったなら、俺も、俺もになって、収集がつかなくなる。従って、核はあるぞ、あるぞというだけで意味があるので、実際は使えない兵器です。使えない兵器を日本が敢えて持って、使えないようにするのか。持たないで、使えないようにするのか。どちらでもいいことだと思う」
石原氏
「堺屋さんの言うことはほぼ正しいと思います。それは、核を持つ国がたくさんできすぎて、結局、持ちながら睨み合いが続くだけで、核を1回使ったら、世界は核戦争に巻き込まれて地球そのものが全滅しますよ。それは皆、わかっているから、この核時代に核兵器を使うことは有り得ない」
反町キャスター
「石原さんは、核は保有すべきだけれど、使わないだろうという意味ですか?」
石原氏
「そうです。持つことが抑止力になりますし」

作家 石原慎太郎氏の提言:『世界を見よ』
石原氏
「人間の歴史の大きな転換点にきているんですよ。それは中世以後の世界の歴史は白人による有色人種の支配だった。その世界を唯一免れた日本は列強の真似をして軍事国家になりましたけれども、そう言った意味で、韓国や中国に迷惑をかけたかもしれないけれども、いずれにせよ、ヨーロッパは衰退してもたないでしょう。白人の有色人種支配が終わったことはとても大事なことで、イスラム国に世界中手を焼いているけれど、あれは1つの歴史的な蓋然性があるんです、必然性が。世界全体が動きつつある。もう1つは、温暖化というやっかいな現象は際限なく、続いている。これは下手すると、地球という、文明を持ちすぎた惑星が、そこにある生命が消滅する危機を孕んでいると思います。そういうものを眺めながら、これからの将来を考えないと。これからの若い人達はやっかいな時代を迎えると思います。世界の歴史の転換点を、政治家も含めて、日本人全体がよく見つめていく必要があると思う」

作家 堺屋太一氏の提言:『3Yない社会』
堺屋氏
「現在の世の中で1番困るのは、3Yない社会。3Yというのは、意欲ない、夢がない、やる気ない。日本人の特に若い人が、意欲がなくて、別に出世もしたくない、ほしいものがない、車も要らない、いい格好もしたくない。全然やる気がないと。これで日本はどんどん落ちていく。こんなに低金利にしてもお金を使わない。給与が上がっても貯金が増えて、日銀発行券がどんどん増えている。これは箪笥預金ですよ。皆、やる気がないと。やる気がないと、いくら金融緩和しても景気が良くならないし、新しいものは生まれない。何とかして人々にやる気を持ってもらわなければいけない。この3Yない社会を何とかして、もっとやる気のある社会、つまり、おもろい社会にしないといけない。東京オリンピック、もっともっともおもろいことをどんどん日本中でやることが必要だと思いますね」

評論家 渡部昇一氏の提言:『安全第一』
渡邊氏
「政府に国家としての安全第一を考えてもらいたいですね。いろいろな意味の安全がありますが、第一はエネルギー。南シナ海は、日本のエネルギーのルート。だから、閉められても大丈夫なような準備はするべきである。それから、食料もいつ来なくなるかわからないです。そうすると、食料輸出国に国家が左右されることになる。そういうことは現在はない。ないうちに少なくともエネルギーと食料の心配のない国づくりをしていただきたい。石原さんは世界を見よと言ったけれども、世界を見て、エネルギーと食料の安全を、日本が大丈夫なように、やってくださる政府がほしい」