プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2016年4月5日(火)
米『対日強硬論者』が バラ色日本像説く理由

ゲスト

山際大志郎
自由民主党衆議院議員
細野豪志
民進党衆議院議員
クライド・プレストウィッツ
米経済戦略研究所所長
 

『日本叩き』論者が大胆予測! 2050『バラ色』日本
秋元キャスター
「クライド・プレストウィッツさんの経歴を紹介したいと思います。1941年アメリカのデラウェア州でお生まれになったクライド・プレストウィッツさんは、1965年、ハワイ大学イースト・ウエスト・センター在学中に慶應義塾大学に留学し、日本語を学びました。レーガン政権下では商務長官の顧問として自動車や半導体など日米貿易交渉の最前線に立ち、辣腕を振い、日本の閉鎖的な市場を批判されてきました。現在は、アメリカのシンクタンク、経済戦略研究所所長として、アジア地域や経営戦略、外交政策などを専門に研究されています。そんなプレストウィッツさんですけれども、冒頭でも紹介をしました本『JAPAN RESTRED(日本復興)』の中で予測する2050年の日本というのがこちらです。経済成長率は毎年4.5%、GDP(国内総生産)は中国の2倍強。出生率2.3%、総人口1億5000万人超。平均寿命95歳、健康な高齢者が大幅に増加と。大企業の役員の半数近くを女性が占める。憲法改正、防衛費がGDPの3%、核兵器を保有。英語の公用語化ということで、これが2050年の日本の姿だと言っているのですが、なぜ現在、この本を書こうと思われたのでしょうか?」
プレストウィッツ氏
「最初に日本に来たのは1965年のことでした。先ほど、紹介をしていただいた通りです。それから、日本は非常に豊かになりました。1970年代に日本に住み、日本でいろいろ仕事をしました。1980年代には、日本に何度も来て貿易交渉もしました。その時から日本の産業は非常に強くなって、また、世界に進出をしていきました。でも、最近になって、日本がいろいろ心配にもなってきたんですね。私はこの生涯において日本といろいろな関係を持ってきました。日本を私は好きだったんです。日本が好きなことが、心配になり始めた理由です。日本が昔ほどのエネルギーを持っていない。また、昔ほどの競争力を持っていない。たとえば、人口の動態を見てもそうです。日本の人口は現在減少に転じていますね。元気がなくなっているのです。ある意味、日本は死にゆく国だということが言える。死に向かっているというような状態だと言ってもいいと思うんです。何らかのアイデアを出せればと思ったんです。ただ、アイデアを出すだけではなく、この中で強調したかったことが幾つかあります。先ほど、数値をいくつか紹介していただきましたがこれはあくまでも私の予想値、ラフな見方で計算に基づいた厳密な数値ではありません。何らかの提案に基づけば、こういうことも可能だということを言いたいのです」
反町キャスター
「と言うことは、つまり、現在ここに数字を出したような4.5%成長とか、出生率2.3%、人口1億5000万人というのは、現在の日本がそのまま35年経ったらそうなれるということではまったくないということだけははっきりしていますよね?」
プレストウィッツ氏
「人口は減っていると。成長率も極めて低いというのが現状です。ですから、私が提案をしたいのは、日本はやろうと思えばこうしたトレンドを逆転できるということを言いたいんですね。何を言いたいかというと、私がこの本の中で書いている基本的なことは、日本を新たな姿に変えることができるのではないのかということを提案したいんです。過去150年の中で、日本は2回、大改革を行ってきた。第1回目は、明治維新の時。また、第二次世界大戦後、それが2度目でした。過去から学ぶことはできると思うんです。そうした大改革をしたのと同じように、3度目の大改革をできるのではないかということを提案したいです。そうすることによって将来は明るくなる、バラ色になると言いたかったんです」

尖閣諸島と日米安保
秋元キャスター
「安全保障について聞いていきたいと思います。プレストウィッツさん、日本が再生するためには日本に劇的な変動が必要だと言っていたんですけれど、本の中で、その劇的な変動にあたるのが尖閣諸島での有事です。尖閣諸島を中国が軍事占領をする。アメリカは武力で防衛しない。アメリカは日中が尖閣諸島を共同管理するよう促すと予測されているんですけれど、プレストウィッツさん、こう予測される根拠を教えてください」
プレストウィッツ氏
「尖閣諸島はまさにフラッシュポイントとして、これにより実際の大きな機になり得る可能性があると思います。まさに発火点です。日中関係においてそれぞれが領有権を主張する中で、アメリカとしては日本を守る。確かにオバマ大統領がそういったことを言いましたけれども、オバマ大統領が相互の安全保障条約において尖閣諸島の際に、日本有事の際に、日本を守るということも言っているわけですが、ただ私が予測しているわけではありませんが、示唆しているのは、こういった可能性もあり得るということです。中国が何らかの武力行動をする。上陸する、もしくは尖閣諸島に介入をするということがあるわけです。そう言った際に中国がもしそういったことをしたらどうなるか。その際、オバマ大統領としては、アメリカは日本の主張を守ると。日本にも自衛隊があるわけですが、最初に日本の自衛隊がおそらく中国の動きに対して反撃をするとは思いますが、ただ、その中では、もしかしたら何らかのアメリカからの関与も必要になってくるという事態もあり得るでしょう。その結果、もしかしたら、交渉が行われ、アメリカと日本、中国の間で交渉が行われる。そういった中では、この尖閣諸島を共同管理するように促すというのが十分にあると思います。ただ、もちろん、これはあくまで予測ではありません。ただ、日中関係の緊張状態というものが、あるいは米中関係の緊張が非常に強くなり得ることがあり得るということで、そうすると、中国が日本との共同管理に合意しないかもしれませんが、もっと大きい点を言いたいのです。単なる尖閣諸島だけの話ではなくて、これはあくまで発火点でしかないわけですね。もっと大きな点は、日本の安全保障上の将来はどうなるかということです。日本の過去71年間の安全保障というものは非常に強力にアメリカに依存してきました。その中で疑問としては、果たしてこの同じ状態がこれからも続くのかどうか。すなわち日本がアメリカに依存するという形がこれからも継続するのかどうかということですね。ご存知のように共和党大統領候補のトランプ氏が、この点を指摘しています。すなわち日米安全保障条約が本当に、相互の利益になっているのかどうかという点を疑問に附しています。もちろん、彼の意見に同調するわけではありませんけれど、しかし、アメリカがその約束を果たさないというわけではありませんが、しかし、トランプ氏の指摘している点もある意味、アメリカの中ではそれを支持する意見もあるわけです。ですから、もし私が日本人であるなら、自分自身を日本のリーダーとして考えるのであれば、将来を考えますと確かに日本の隣国としては韓国、フィリピン、ベトナム、インドといった国々が直接、彼らも中国に対峙していると。中国からの影響が我々に直接、来ているというか。しかし、アメリカはそこまではいかないですね。アメリカにとっては、中国は確かに影響を受けますが、しかし、直接的な影響ではありません。エネルギー問題、あるいは原油の問題は南シナ海から来ているわけではないわけですね、アメリカにとって。中国はそういったエネルギーをアメリカに輸出しているわけではありませんから。従ってアメリカの観点は日本の観点とは少し違うということも申し上げたいわけです。だからこそその人達が日本人であるならば、アメリカと良い同盟を持っている。これはもちろん、維持していきたい。しかし、アメリカ側は約束をしていると言っているではないかと。しかし、もう少し同盟関係、もっと緊密な関係を、たとえば、韓国と築くとか、フィリピンと築く、ベトナム、インドと築く、ということも重要になってくるわけです。もちろん、安倍首相はそういう方向に向かおうとはしていますけれど、すなわち私が示唆しているのは、日本としては二重の同盟システムを使って地域的な同盟関係と、また、対米の同盟関係を築いて、継続していく必要性があるという意味です。従って、いったんクライシスになりますと日本としてはそれに対応する能力を持つことができると。即座にアメリカだけに依存をするのではなく、対応できる点です。危機が非常に大きくなった時においてはもちろん、アメリカからの指示、サポートが必要になりますけれども、その点を提唱しているわけです」
反町キャスター
「つまり、アメリカの国力、特にアジアにおける軍事的な力というのは、これから先はこれ以上、強くなることはない。弱くなることはあっても、強くなることはない。アジアにおけるアメリカの軍事的なプレゼンスはこれから先確実に弱体化していくという考えで見なくてはいけないかというのが1つ。もう1つは、アメリカから見た時に、尖閣というのは、たいして重要な島ではない。そう思ってよろしいですね、この2点です」
プレストウィッツ氏
「大々的な支配を、過去71年間の間、太平洋においてしてきたアメリカの軍艦が中国の国境沿い近くを運行していたんです。1996年に台湾海峡の危機があったわけですが、クリントン大統領は、この台湾海峡に航空母艦を送ったわけであります。2隻送っています。航空母艦を台湾海峡に送ったわけですね、1996年です。中国のミサイルの攻撃能力は非常に強く、それに対峙するためにも、バランスをとるためにも、クリントン大統領は航空母艦を送ったわけですね。従って、アメリカとしてはもし支配をずっと継続していくのであれば、大幅に軍事力をさらに強化し、テクノロジーのレベルを少し上げることも必要になる。それには非常にコストがかかってしまうという問題があります。ですから、どれだけアメリカにゆとりがあるかどうか。あるいは長い期間、そう言った経済力が続くかどうか。一方的にアメリカだけでできるかどうかという問題があります。だからこそアメリカとして強力な同盟国が必要であるということであります。尖閣諸島の問題のもう1点としては、ある意味、大部分のアメリカ国民は尖閣諸島というのがどこにあるのかも全然、知らないわけですね。従って、アメリカの一般的国民にとっては、アメリカ全体としては尖閣諸島というもの自体の意味はほとんどないわけです。しかし、そうは言っても、オバマ大統領は日米の、あるいは安全保障条約上、非常に重要であるということは国家安全保障上言っているわけです。と言うのも、なぜかと言うと、尖閣諸島がその紛争の発火点になり得るからです。だからこそ何らかの形でアメリカとしてはそう言った緊張感関係、その可能性を下げる必要があるわけですね」
反町キャスター
「トランプ候補の話が出ましたが、トランプ候補の発言、最近で言うと、こういう発言があります。『アメリカが、日本の防衛に巨額の資金を費やす余裕はない』 『日本は駐留米軍の費用負担を増やすべきである。さもなければ米軍撤退も止むを得ない』『日本の核保有を容認する事もあり得る』。最後の部分は、先々の話ですけれども、こうしたトランプ候補の発言を、要するに、アメリカはもう経済的にも軍事的にも余裕がないので、日本の防衛にお金を費やす余裕はもうないのだよというこの話。僕らは、こういうトランプ候補の発言、こういう発言をニュースとして扱いますけれども、アメリカの一般世論として、国の方向性として、こういった考え方が受け入れられる可能性が現在、高まってきている。そう思ってよろしいのですか?それともトランプ候補の発言というのは、これはマジョリティにはまだまだ遠い、時間がかかると思ってよろしいのですか?」
プレストウィッツ氏
「トランプ氏は非常にうまい政治家だと思います。そういった意味からも、トランプ氏自身がもちろん、こういう問題、日本の問題は特に熟考しているわけではありません。しかし、トランプ氏としても、かなりの部分、アメリカの選挙民をよくわかっているわけです。認識しているわけです。第一、アメリカ国民が感情的にグローバル化によって、少しデメリットを感じているのではないかという感情があるわけですね。そうして相互の安全保障条約でありながら、日米安保条約はアメリカが日本を守るということにコミットしているけれど、必ずしも日本はその逆ではないわけですね。従って、アメリカの国民に対して、そういったことを言いやすい。そうすると、何で日本は我々を守ってくれないのだという話になってしまうわけですね。それはもちろん、アメリカの大多数の意見ということではありません。アメリカの政策決定者としてそういう意見を持っている人もいるということで。ただ、ポイントとして申し上げたいのは携わったのはこちらの方です。もし、私自身が日本人であるならば、私としてはこれを長い、より長期的な将来においてどうなるかということを考えなければいけないのだと思います。すなわち日本人として、本当に日本が自国の能力を持つわけではないのかどうか。あるいはもっとさらに他の同盟国を模索するべきではないかと考えるべきだと思いますね。そうした方が日本にとってもいいし、またアメリカにとってもいいことになると思います」
秋元キャスター
「細野さん、尖閣諸島を巡るプレストウィッツさんのシナリオを、どう見ていますか?」
細野議員
「尖閣が、我が国の安全保障上の最も懸念される事項であることは間違いないですよね。ですから、私も、あれは2010年でしたけれど、尖閣沖で漁船衝突事故が起きた時に中国に行って、かなり長時間交渉することもやりましたけれども、私はあの時感じたんですけれど、明確なことは尖閣諸島については我が国の海上保安庁、さらには海上自衛隊、我が国のそういう実力部隊がそれを守る意思を持たなければ、米国はサポートして、守ってくれることはありません。まずは自国がしっかりやると。その体制や気概を持ったうえで米国がどう関与するのかということですから、そこをまず間違えないことが極めて重要だと思います」
反町キャスター
「将来的に…これから30年ぐらいの将来を見た時に、プレストウィッツさんが言われたみたいに、アメリカの軍事力と国力の衰えを前提として、日本の安全保障を考えなくてはいけない。そこのポイントはいかがですか?目の前にある尖閣の話でなくて」
細野議員
「2050年ですよね。現在から三十数年後ですよね。それぐらいのタームで見るならば、米軍のプレゼンスがアジアで現在以上に高まっているということは、これはなかなか想定はできないでしょうね。ただ、私は尖閣に加えて、もう1つ朝鮮半島有事というのが、明確に認識をしなければならない事象としてあり得ると思っていまして、その時に、たとえば、朝鮮半島をどのようにして非核化をしていくとか、不拡散ですね。さらに日米というのは同盟関係にあるわけですけれど、これはある種の引っ張り合いになるわけです、両サイドの。その時に朝鮮半島が日米同盟により近い形で、国家として再スタートをするのかどうか。これは極めて重要だし、これは尖閣の問題よりもはるかにアメリカそのものの、利益そのものにも合致しますよね。ですから、そこまでは米国というのはコミットし続けると思います。これはアメリカの国益そのもので。つまり、トランプ氏の発言というのはある種の、我々の新しい視点を提供していると思っていて、アメリカの世論の中に、我々がなかなか見えてこない、ワシントンの関係者から聞こえこない世論の中、もうそろそろいいのではないのみたいな世論があると。ならばアメリカにとってどういうメリットが日本と同盟を組むことによってあるのかと。たとえば、朝鮮半島有事のようなことをお互いに腹を割って話し合える環境をつくることで、アメリカにとってはメリットがあるのだということについてはしっかり彼らにも理解してもらう必要があると思います。それを乗り越えたうえで、たとえば、朝鮮半島を民主化すると、全体がですよ。さらには中国も軍事的な野心を持たなくなると。そのうえで、米国のプレゼンスがアジアそのもので安全保障上、下がってくるとするなら、それは極めて自然なことだし、我々としても受け入れ可能だと思います」
山際議員
「尖閣の話に言及するならば、実効支配しているというのがどういうことなのかということをもう少し、我が国はしっかり考えた方がいいと思うんですね。細野さんが現在おっしゃったように、まず我々がしっかり守るという意思を持ち、実際にそれを行動に移すということをなかりせば、それはアライアンスも何もあったものではないと思うんです。ですから、現在、自衛隊の船と海上保安庁の船が尖閣の周りにいると。これで実効支配しているともし考えて、我が国がずっとそれでいいのだと思っているとすると、そこは少し甘いのではないかと思いますね。そこで日本人の活動が普通に行われているという状況まで持っていくということが大事だと思います。それと、この極東アジアの平和を、安定というものをずっと続けていこうとする時にどこまで日本がそのプレーヤーとして力を発揮していかなくてはいけないかというのがぼちぼち正面から、これを議論しなければいけない時期にきていると思います。しかし、その時のプレーヤーや、韓国もあり、台湾もあり、フィリピンもありと。もしかしたらロシアあたりも含め、いろんなことを考えていかなければいけないのだろうと思うんです。その議論すら、先ほどと同じですけれども、何となく憚られるような、そういう雰囲気でこれまできたではないですか。我々の世代の政治家は正面からきちんと議論をして、議論をするだけではなく、行動にして示していくというのが必要なのかなと思います」

『沖縄独立』と日米関係
秋元キャスター
「沖縄独立に触れた想いは?」
プレストウィッツ氏
「日本の人をびっくりさせようと思ってこういうことを言ったまでです。可能性が高いとは思っていません。沖縄が独立を宣言する可能性がそんなにあるとは思っていませんが、ただそういう考えを持っているグループがいることは確かでしょう。根本的な議論の土台にあるものとして、沖縄と東京、日本の政府です。また、沖縄とアメリカの間には基地を巡っていろいろな議論、対立がこれまでにも起きてきています。沖縄は、基地は要らないと言っている、でも、日本政府とアメリカはそこに基地を持ちたいと言っています。こういう議論が長年にわたって行われてきました。私自身も1980年代に、そうした話し合い、交渉に参加しました。当時と比べると、状況は良くなったのかもしれませんけれども、問題が根本的に解決されているわけではありません。沖縄には根本的に不満がある。また、不満というというのはだんだん高まっているとも言えると思います。沖縄の経済は、アメリカの米軍によって、また日本の本土からのそうした観光によって支えられてきました。最近では中国との関係も強くなってきています。中国からの観光客も増えてきている。そういうところから中国との関係もだんだんと密接になってきている。ですから、日本の方々に目を覚ましてもらいたいという感じでしょうか。こういう問題があるのだということを知っていただきたかったんですね。考え方によっては沖縄が独立を宣言する可能性だってあるよということで注意を引きたかったんです。これが真意です」

『米軍日本撤退』の現実味
反町キャスター
「沖縄からの、日本からの米軍の撤退を視野に入れて我々は考えるべきだと?」
プレストウィッツ氏
「私の考え方ですけれど、21世紀における安全保障の環境を考えると、これまで私どもは、たとえば、空母を配備して部隊を展開させればそれでいいという考え方に慣れっこだったのかもしれません。でも、第二次世界大戦を考えてみましょう。アメリカはその時、戦争が始まった当時はこのように考えていました。1番重要なのは戦闘に加わる艦船だと考えていたんです。日本は空母が1番重要だと考えていました。それと同じように、現状において空母という考え方はもう時代遅れになっているかもしれません。沿岸部にミサイルを配備する方が効率的かもしれないです。テクノロジーはそれだけ日進月歩で進化を遂げています。ですから、何よりこうした新たな戦略的な考え方というものをしっかりと考えていかなければいけないと思うんです。第二列島線の防衛ということを考えた場合に、たとえば、第一列島線に潜水艦を配備しないとか、あるいはそこまで偵察をしないということを意味しているわけではないです。第一列島線を無視するということではないです。でも、海で直接、中国と対面しているのは日本だというのが現実だということ。たとえば、私はサンフランシスコで最近こういう話もしました。たとえば、中国が第七艦隊を持ったらどうなるか。想像だけれど、中国の第七艦隊がカリフォルニアの沿岸部を警備したらどうなるか。たとえば、50マイル100マイルぐらい、サンフランシスコやロサンジェルスの沖合を警備していたらどう考えるだろうかと。おそらくアメリカ人は、これは大変だと、こんなことはやめさせろということになるでしょう。でも、それと現在、話をしていることというのは次元が違う話です。中国が経済成長を果たし、国力をつけてきている。その中で考えなければいけないのは、どのような戦略を私どもが考えるにしても、たとえば、冷戦から生まれてきた戦略、それから、また過去の経験から生まれてきた戦略も確かにあるでしょう。でも21世紀には新たなパワーバランスというものが出てくる」
細野議員
「日本の世論というのは、私は本当に極めて冷静だと思っていますので、三十数年後、三十数年後というと私はまだ生きているかな?そこで核武装という議論には私はならないと思います。むしろ私もそこはまったく山際さんと考えが一致していて、新たな時代がきている可能性があるから、いろいろと日本として安全保障上の手段は多様化しているでしょうから、その中で何を選択するのかという話だと思いますけれども。ただ、先ほどのプレストウィッツさんがおっしゃった第一列島線、第二列島線の指摘は極めてこれは重要で、しかも、深刻ですし、第二列島線の外側にグアムとハワイがあるわけですね。ですから、アメリカにとって直接的な安全保障上の脅威という意味では第二列島線でいいわけですよ。しかし、我が国は第一列島線が極めて大事だと。ただちょっと視点をさらに広げて考えるならば、中国が現在のような様々な膨張主義というのか、そう言った部分がある中で、では、アメリカが第二列島線までいいですと言った場合に、当然ですけれども、中国のいろんなプレッシャーというものを日本もより強く受けると。ASEAN(東南アジア諸国連合)はさらに受けますよね。もう南シナ海なんか完全に中国の海になるんですよ。そうなった時、アメリカとの同盟関係というのも相対化する可能性がある。これはある種の圧力等によってね、さらにはASEANが中国との関係において相当、この10年、20年で中国に寄りましたね。これはさらに抜き差しならなくなる。それがアメリカにとって本当にいいかというのは、私はアメリカ自身も判断すると思いますよ」

『移民』積極受け入れ
反町キャスター
「日本が移民を大量に受け入れる可能性をどう見ていますか?」
プレストウィッツ氏
「移民に関して言えることですけれども、これは非常に微妙な問題だと。これは日本にとってだけでなく、アメリカの大統領選挙においても移民問題というのは、アメリカにとっても大問題になっています。アメリカはそもそも移民で成り立っている国なのに、アメリカでも移民の問題というのは議論の種になるんですね。ただ、日本にはニーズはある。また、チャンスはどうかと考えてみる必要はあると思うんです。高齢化してきていることは確かでしょう。高齢者のためのいわゆる介護も、これからは必要になってきます。介護する人というのは日本の国内だけでは不十分かもしれません。と言うことになると、また日本の人々がやりたがらない仕事かもしれません。既にインドネシアやフィリピンからこうした介護士が日本に来て仕事をしているということを伺っていますが、そういう手段を日本政府はある程度講じているということは、これは正しい方向に向かっているとは思います。さらにこの歩みを進めていくということがもっと必要になるというのが私の考えです。それと同時に言えることなのですが、日本においては起業家精神に満ちたような人の母集団が減っていると言えると思うんです。アメリカには特別なビザがあります。たとえば、他の国からアメリカに行く人が、たとえば、アメリカに5万ドル以上のビジネスで投資をしてくれる人であれば、あるいは生産性のある企業を立ち上げてくれる人であれば、アメリカに永住できるようなビザを与えるというような制度もあるんです。それと同じような措置が必要だと思うんです。日本も海外から投資をして貰う必要はありますよね。また、日本にも起業家は必要です。そのために、それをベースにして、新たな取り組みを進めて、また、ダイナミズムを高めていくということが必要です。そういう場合は、海外から移住しやすいビザも提供する必要があるでしょう。たとえば、一例ですけれど、フランスはワインでよく知られている国です。どうやってワインをつくるのかということを教育している学校もたくさんあります。ただ、フランスでは問題を抱えていまして、この学校を卒業する人が、フランスのワイン業界だけでは受け入れるのに数が増え過ぎてしまっているというのがあります。たとえば、アメリカとか、オーストラリアとか、かなり質の高いワインをつくっている国にそうしたフランスの学校を卒業した人が流れているというのも現実ですね。たとえば、日本の経済産業省がパリのシャンゼリゼのように、たとえば、ワインメーカーのこうしたワイン専門学校を卒業した人に日本に来て貰う。たとえば、北海道のソービニヨンブランのワインをつくってもらうような人を呼び込むということも必要だと思うんです。シャンゼリゼでスカウトをすることもできると思う。これが日本の産業を支えてくれるでしょうから」

『GDP4.5%成長』
山際議員
「安倍政権がやらなければいけないということをズバリ言っていただいたわけですね。出生率を1.8%、これを希望出生率という言葉で呼んでいますけれども、そこまで上げていくために何ができるか。あらゆることをやろうと。子育ても社会全体でどこまでサポートできるかという形で施策を進めています。また、移民の話も、移民という言葉ではありませんけれど、これまでも高度外国人材という形で受け入れを進めてきただけではなく、そうではない方々にも、期間を限定しますけど、入っていただくことは進めつつあります。しかし、規模感は1億5000万人ではない。大事だと思うのは、日本は課題先進国と言われているわけです。ですから、高齢化も、少子化も、それは他の国に先がけて我々は直面しているけれども、必ず世界があとを追って体験しなければいけないことであると。そうすると、それを、人口を増やすということだけでこれを解決することには無理があるというのはわかっている話ですから、それ以外のいろいろなファクターをあわせて、それを解決し、さらに豊かなものにしていくということに、現在積極果敢にチャレンジをしているところだと思うんですね。ですから、これまでとはまったく違った革新的な、階段を一段上がるような技術というものを訴求しながら、あらゆるファクターを使って、それで現在のことを解決していくということで、人口だけ増やせばというところにはちょっと与せないかなという気がします」

クライド・プレストウィッツ 米経済戦略研究所所長の提言:『REVERSE POPULATION TREND』
プレストウィッツ氏
「私の提言は日本が直面している重要な問題、人口減少のトレンドを増加に転じるということです。日本が幾つかの手段を講じて、フランスやスウェーデンの例に習って人口を増やすことが大事です」

細野豪志 民進党衆議院議員の提言:『人生前半の社会保障』
細野議員
「私も人口問題は根本的な問題だと思うのですが、それを実現するために社会保障の中でも人生前半の社会保障に力を入れる。これが遅れてきたんですよね。ですから、高齢者の皆さんにも特に資産のある方については、一部負担をしていただくことも勇気を持って説明して、ここに我々はしっかりと政策資源を投入する。こういう決断をすべきだと思います」

山際大志郎 自由民主党衆議院議員の提言:『成長志向』
山際議員
「人口問題も含め、我々が課題先進国であるということをしっかりと踏まえて考えるなら、我々1人1人がこのまま沈滞していくのではなく、成長していかなければいけないんだという、そういう想いを強く持つことが重要だと思っていまして、1人1人の成長志向というものがあれば、この難局は必ず切り抜けられると、このように思います」