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2016年3月31日(木)
核武装論と拡散の波紋 北朝鮮・中東テロ組織

ゲスト

猪口邦子
元軍縮会議日本政府代表部特命全権大使 自由民主党参議院議員
渡辺周
元防衛副大臣 民進党衆議院議員 元防衛副大臣
宮家邦彦
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

『最悪の未来』を回避せよ 核兵器めぐる国際情勢
秋元キャスター
「現在アメリカのワシントンで開催され、日本からは安倍総理が参加をしている核セキュリティサミットですけれど、そのきっかけとなったのが、アメリカは核のない平和な世界を追及すると宣言し、後のノーベル平和賞受賞にもつながったオバマ大統領の2009年、プラハでの演説です。この中で、核テロは地球規模の安全保障に対する最も緊急かつ最大の脅威であると述べ、核セキュリティサミットの開催を提唱しました。翌2010年の第1回から今回の第4回まで核関連施設の防護、核及び放射性物質の安全管理、核関連物質の不正取引防止などを協議しています」
反町キャスター
「まずこの3つあるうち1番上の核関連施設の防護というところから聞いていきたいんですけれども、ベルギーの、先日の爆破テロ。これに関してもロイターのフラッシュでもパッと出てきたんですけれども、ベルギー南部のティアンジュ原発で、大半の作業員へ避難命令が出たと。テロ実行犯のアジトで原子力関連施設の従業員の動向を盗み撮りした10時間余りの映像を発見したと。こういう情報が飛んでいます。つまり、あの時は駅とか、空港での爆破テロだったんだけれども、本当の狙いは原発だったのではないかというような報道が現在出ているんですけれども、現在、核セキュリティサミット、これまで何回も、何回もこうやってきた歴史が繰り返してくる中で再度、第1の柱である核関連施設の防護。どうですか?クオリティは上がっているのですか?どう感じますか?」
猪口議員
「日本としては核軍縮、核不拡散、これについてのリーダーシップをとりたいと。これは一貫した政府の立場であるし、私達国会側の決意でもあると思うんです。日本からとしては、核物質防護条約というのがあるんですけれど、その改正を実現したくて、その対象範囲を単に核物質の移送であるということから、原発などの施設含む、そういうことを対象にすると。完全に防護をしていこうという考え方を条約の改正の中に盛り込みたい。そういうイニシアティブをとりたいと思っていると思います。ですから、どんどん防護しなければならない対象範囲を広げていくなかに原発施設もあります。原子力発電というのは核兵器を廃絶し、不拡散にするということとセットで、原子力の平和利用という、核兵器は永久に持ちませんと、これをNPT、核不拡散条約の中で宣言し、核兵器保有国として批准した国に提供される権利ですよね。ですから、原発の脅威というのは不拡散条約の中で核兵器を持たないといった国にある権利ですけれど、今度、核テロで狙われる危険性ということから、もう1つの条約をもって防護体制、不拡散体制をさらに強化すると。そのためには技術的なレベルの協議も必要ですけれど、首脳レベルの本当の強い政治意思です。主権国家の団結、そういうことを呼びかけたのがオバマさんのプラハ演説の内実であり、その実態がこの核セキュリティサミットの会合の累積であり、それが現在始まろうとしているというのが今日、この瞬間の状況です」
宮家氏
「確かに核セキュリティサミットの意義については現在、猪口さんが言った通りだけれど、実際に僕は、場所は言わないけれども、日本の国内で、原発に行かせてもらうわけですよ。見せてもらうわけ。そうするとちょっと恐ろしい話ではないのだけれども、敢えて言うんですけれども、確かに津波とか、それから、地震とかの対策はしっかりしている。これはなかなかお金がかかっている。ところが、入口は本当ごろごろとやっている車止め1個でやっているんですよ。僕は、そちらの方はよくわかるから、これはまずいよと。また、日本はこれまでテロについては水際でちゃんとできる。治安当局もしっかりとしているから、一応、守ってこられたんですね。だけれども、本当は弱いと思われたら、それを放置すれば、卑劣な連中は必ず狙ってくるということは忘れてはいけない。それが今回のベルギーの教訓だと思いますよ」
秋元キャスター
「原発テロへの対応などと並んで協議されているのが核関連物質の不正取引防止という項目ですけれども、渡辺さん、これ具体的に、どういうケースを想定して協議をされているのでしょうか?」
渡辺議員
「1998年から2008年の間に確認されているだけで、ウラン、プルトニウムの不正取引というのが、IAEA(国際原子力機関)は1562件あったと発表をしているんです。それと、一時期、北朝鮮の核開発、提供したのはパキスタンのカーン博士です。この人がオランダで分離器を盗んだものが、それが結果的に、世界各国から闇のマーケットがある。リビアであるとか、いろんな国の。そこで20か国とも、30か国とも言われているのですが、要は、いろいろな独裁体制が壊れたりすると、武器もあちこちに出まわりますが、その核物質のようなものもの出まわったと。いろいろな部品が集まって、その人の主導で、北朝鮮やら、イランやらにそういうものが…。闇のマーケットがある。それに対してテロリストに渡らないように。それは当然、国際警察、インターポールを含め、これはIAEAであるとか、そういうのだけではなく、警察を含めた形で、これを見つけて、根こそぎなくしていくかと。当然こういうことが議題になると思うんです。特に現在の欧州各国でこれだけのテロが起きていますから、当然テロリストの手に渡ったら、どういうことになるのかというのは火を見るよりも明らかですよね。これが大きな主題になると思いますね」
反町キャスター
「北朝鮮とイランと言いましたけど、北朝鮮とイラン、核セキュリティサミットのテーマ、核関連物資の不正取引防止という観点から見た時に、この2か国が核関連物質の不正取引にどう関与をしていると見られているのか?」
宮家氏
「イランにせよ、北朝鮮にせよ、核ウランを濃縮するとか、それから、これだけではないですよ。核物質だけではなくて、運搬手段、ミサイル。この技術は北朝鮮よりもおそらくイランの方がミサイルの技術の方は進んでいますから、人工衛星を上げていますからね。ですから、この2つが一緒になった時に、片やウランの濃縮が終わって核爆弾ができる。核爆弾はこれまでやっていないけれども、ミサイルの技術だけは仲のいいイランがどこかでつながっていたら、これは両方ともレベルが上がるということですよ。先ほど、おっしゃったようにカーン博士がいた頃は、あの頃はまだ緩かったわけですよ。ですから、前よりは随分よくなったとは思うけれど、現在でもイランと北朝鮮の間で協力をしているのではないかと、まことしやかに言われていますから、それはそうでないと否定しようがないのだけれども。たとえば、北朝鮮でミサイルの発射の実験があった時に、イランの人達が来ていたとか、いなかったとか。そういう話がまだ聞こえてきますから。おそらく北朝鮮はイランも含めて、いろいろな独自技術を駆使し、何とかつくろうとして、もしくはこれを拡大しようとしていると私は思いますよ」
反町キャスター
「それは現在のイランの例は、ここに濃縮技術と書きましたけれども、たとえば、運搬技術、ミサイルも」
宮家氏
「運搬技術もあります」
反町キャスター
「イランが濃縮技術の運搬技術もある。北朝鮮にはウラン鉱山がある。その意味で言うとモノがあって、技術があって、モノが行ったり来たり、技術が行ったり来たりして、戦略核兵器が双方にどんどん成長をしていく?」
宮家氏
「長い目で見れば、そうでしょうね。意図がある限り」
渡辺議員
「2007年にイスラエルだったと思いますが、シリアの原子炉を空爆したんですね。その時に、これは北朝鮮のいろんな素材というか、モノがあったんですね。だけど、結果的にいったいどこから調達されたものかは全然わからなかったんですね。ですから、どういうルートなのかですけれど、そういった秘密裏の核研究施設、あるいはウラン濃縮施設が、そういう意味では、運搬手段だけではなくて、原料だけではなくて、建屋の中の、そういう様々な機材が、どこからの国から運ばれて来たと。現在は宮家先生がおっしゃる通り、あの時代ほどは緩くない、もっと厳しいけど、彼らにしてみれば、国を存続させるためには、どういう形を使っても核を持ちたいと思えば当然、連携をしていると。それで外貨を稼ぐ大きな…」
宮家氏
「現在言ったシリアで破壊された原子炉というのは、どうも北朝鮮と形も施設もそっくりだと」

『核』めぐる国際情勢 人類の理想と世界の現実
反町キャスター
「核関連不正取引防止というのは、ビジネスでもあり、それぞれの国で核兵器開発の思惑、こちらに行ったり来たりして技術や資源をあちこちでキャッチボールをして、技術や資源が流出している?」
渡辺議員
「当然、闇のマーケットですから、金にもなりますし、それでテロという恐怖を植えつけることによって、ある組織が存在感を示したい、発言力を増したいということもあります。ですから、僕は核関連物質というのはあらゆる面において当然、当てはまると」
猪口議員
「ですけど、まずイランにつきましては長年の外交交渉の成果が現在出たわけです。つまり、イランはこの1月になって、これまでの経済制裁などを加えられた、そういういろいろな流れの中で遂にそのような、今後の開発を放棄して、それで合意に至ったと」
反町キャスター
「放棄だったのですか?中断だったのですか?中断ですよね?」
猪口議員
「でも、それについての合意履行、インプリメンテイションデーというのが、この1月にあるわけですね。それに伴って、国連の様々な制裁、有事の制裁。これが初期の目的を達成したということで、今度はインプリメンテイション、その履行というのを、徹底してやりましょう、やってもらいましょう、そういう新たな今度の国連の安保理決議に切り替わっていっているわけですから、ここはもちろん、いろいろな核分裂物質が盗難され、それは阻止しなければならないと。スパイ映画もどきの議論を一方ではしなければいけないけれど、同時に外交の世界というのはかなり真っ当な形で存在していて、長年の交渉の結果、10年越しですよ、イランの核問題は。でも、成果をあげることができているわけですから、今後はそこを確実な履行に向けて…」
反町キャスター
「猪口さん、イランのケースでそれは、たとえば、核開発の放棄なのか、中断なのか?査察がどこまで徹底されているのか?疑義が指摘をされていませんか?」
猪口議員
「でも、イランはIAEAとの保障措置の査察を受けているわけですから。ただ、包括的な協定というものには至っていないと言われていますけれども、最後の段階では、EU(欧州連合)の交渉団が大きな成果をあげて、イラン側の外交関係とインプリメンテイションの合意というのを現在、達成したわけですから、完全ではないかもしれないけれど、そこは評価しながら履行を確実にさせていくという流れをつくらないと」
反町キャスター
「ポジティブに評価をすべきであると」
猪口議員
「そうです。核セキュリティサミットが始まるわけですから、そういうところで確実な履行というのをさらにあと押しして、それで国連の安保理の決議も履行をちゃんとせよという方向に制裁をするということから切り替わったわけですから。現在そういう切り替わった段階であるというわけですから、現在お話にあった通り、いろいろな核拡散の危険性の中核のところに、イランは能力と技術が高いですから、あったとするならば、その肝心なところについてNPTの枠組みの中で、きちんと議論をする国家として今後発展するという、こういうコミットメントをイランは示したのだから、それは評価しなければダメですよ」
宮家氏
「私は中東屋ですから何も信じない。イランは、成果がなかったとは言いません。ただ、あそこにできているのは、読み切れないので、何百ページもあるので。少なくとも部分的に読んでわかったことは、彼らはまず濃縮ウランを最終的にゼロにはしていない。減らしただけ。遠心分離器も減らしただけ。ゼロにしていないです。施設も残っています。そのうえで8年から15年でしょう。8年も15年もイランの核開発を止めたのだという人もいれば、15年経ったら始めるということです。それはこの核合意についてまったく違反もなく、彼らがその権利を留保している。アメリカの一部の人が怒っているならともかく、実はイスラエルも怒っているし、イスラエルが怒っているだけならまだいいです。サウジアラビアも怒っているんですよ。ですから、誰も信じていないわけ。ですから、その意味では…」
反町キャスター
「要するに、誰が喜んでいるのですか?話をまとめた形を喜んでいる人達が、どこかの国のリーダーに何人かいるということですか?」
宮家氏
「どこかの国というのは1つしかないですね。あの人達、あまり言いたくはないのだけれども、この間、キューバに行ってやったでしょう。キューバは大変素晴らしいと言うかもしれない。そうか?と。任期が僅かになって、成果を出したいのではないのと。だから、多少はもっととれたかもしれないけれども、妥協を早くやっちゃって、合意を、成果をつくりたいという気分もあったのかもしれない。僕はイランの合意を見ていると何か急いでいるなという気がするんですよ」

『核保有の削減』と『拡散防止』 NPT条約の実効性は?
秋元キャスター
「核サミット以前から続く国際的な取り組み、NPT、核兵器不拡散防止条約について、経緯と今後の課題について聞いていきたいと思います。このNPT、核兵器不拡散防止条約ですけれども、3つの基本理念、既に核兵器を持っている国々による核軍縮。対象となっているのが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国。この5か国が、条約発効時に核の保有を認められた国々で、通称、N5です。それ以外の国々に関しては、核兵器を持たないという核不拡散、合わせて原子力の平和利用は可能という、この2つの柱が協議の中心テーマとなってきました。ただし、自ら核兵器の保有を認めているインドとパキスタン、さらには核兵器を保有しているのではないかと言われているイスラエルはこの条約には入っていません」
猪口議員
「核分裂物質、ないし核兵器が拡散することで、万が一のリスクというのは、確率的に増えますから、戦後世界は核保有国を限定することによって、万が一のリスクを最小化すると。ゼロにはできなくても、確率的に最小化をすると。それが根本にあったと思います。それで条約上は、このN5、5か国で1967年1月1日以前に核実験をした国が核保有国としての条約上の地位を得、それ以外の全ての国は非兵器国としての地位であると。そういう意味では、不平等条約ではあるけれども、皆がこの条約に参加している理由は未加入の3か国以外は、その理由は核拡散が無限に広がることで、自分の安全保障も、万が一の時はより脅かされる立場になるだろうと、これを考える。たとえば、日本が、東アジアの中でNPT条約がなかったら、能力的には持てる国というのがどんどん出てきますから確率的に脅威は高まるだろうと。不平等条約でよろしくないですけれど、皆でそこは自分の安全保障との関係でNPTの維持、発展に努力したいと。ただ、条約の中には6条に、核兵器を持っている国は誠実に核軍縮の交渉をする約束をしなければならないという6条規定というのがあります。ですから、核軍縮をしなければならない課題というのを核保有国は持っている。それを誠実にやっていないだろうということから、非核兵器国は不満なわけです。だから、NPTの会合というのはしばしばうまくいかないということがありますけれども、不拡散を徹底した方が自分の安全保障に資するから、そのために皆が協力していると」
宮家氏
「この条約は不平等ですよ。悪いやつが5人いるわけ。こいつらだけは悪いことをやっていいとなっている。他の連中はあいつらはやってもいいけれど、俺達はやらないと約束している。これは不平等。だけど、なぜかと言ったら、悪いやつを増やさないためです。それなりに意味はあるのですけれども、問題は現在のNPTはどうなっているのかというと、5人だけではないかと。何か知らないけれども、インド、パキスタン、イスラエルとかは持っているではないかと。そうしたら、この条約に入っていなくたってやれるのではないか。だったら、こんなのに拘束されたくない。さらに、イランからすれば、インドが持っていて、パキスタンが持っていて、隣のイランが持てない。そんなバカな話はないだろうとなって、どんどん広がっているわけです。そういう意味では、あのイランの合意というのは、あの地域での核拡散の始まりだろう、危険だと思っているわけですね。その意味では、NPTに対して、これは本当に非常に逆風になっている」
渡辺議員
「私も実は宮家先生が言う前に、例えを出そうと。やばいことというか、秘密を握っている人間は少ない方がいいと。俺達だけで持っていればいいと」
反町キャスター
「おいしいものは少人数で食べようと」
渡辺議員
「結局、持ち手がどんどん増えれば、ありがたみがなくなるのですが。しかし、冷戦が終わったあと、たとえば、ソ連が崩壊していろんな国にバラバラになってしまったという中で、冷戦が終わったらハッピーな世の中がくるのかと思ったら、ややこしいことになってきてしまったと。その中で核を持っているということが発言力を増すことになる。まさに北朝鮮もそうですけれど、自分の国を守るには核を持っているべきだと。あの人達だけが決めちゃって、核クラブをつくって、持っていない人間は発言力がなかなかないではないか。国として強く出られないではないかということで、なぜイスラエルがいいのか。アメリカの同盟国だから。だとすると、ダブルスタンダードになってくるんです。それで、うちも、うちも、と言います。何よりも原子力平和利用3本の中の1つは、平和利用ですけれども、原子力の平和利用から入っていけば、たとえば、濃縮ウランと言うけれども、ある意味、N5の中のどの国と親しいか、あるいはどの国と話が2国間でできるかによって、原子力の平和利用というのを突破口にして、あくまでも平和利用です、我が国はこれから発展していく、人口が増えていく、だから、どうしてもウラン濃縮をして、やっていくのだと、大義名分にすれば、それをダメだと言えない。その1つの抜け道ができてしまっている」
反町キャスター
「それはどこの国?イラン。現在はイランの話ですよね?」
渡辺議員
「もっと言うと、保有国が核軍縮していないではないかと。結局、大野さんも言ったけれど、クリミアのことで、ロシアが実は核を用意していたなんて言うものだから。また、ややこしい、おかしなことになってきたと。ちっとも上の国が、他の国が放棄しない限りはうちもしませんで、行ったり、戻ったりで、ちっとも進まない。本当に核不拡散をする、真面目な非保有国にしてみると、俺達、こんなに人道主義だとか、あるいは時間を区切って、核廃絶条約みたいなものはどうかと言っても、。ちっとも安全保障を建前にしてやってくれない。そう言う中で、保有国と非保有国の溝がだんだん大きくなってしまっていると。その間に野心のある国にしてみると原子力平和利用というところから入っていて自分に核を持てる可能性を見つける。と言うことで、NPT自体、私は結局、昔と変わっていないと」

『核なき世界』は実現するか? NPT核兵器不拡散条約の課題
猪口議員
「不平等条約の問題、これを究極的に解決する方法があるわけですよ。それは核分裂性物質生産禁止条約を成立させることですね。多国間条約ですから。これから交渉して締結に向かわせるべき条約です。カットオフ条約(FMCT)という、新たなNPTを超える条約はインド、パキスタン、イスラエルももし条約ができれば参加すると言っているわけですから。生産を禁止する条約」
反町キャスター
「既得権の保護に聞こえます。違いますか?」
猪口議員
「違うんですよ。まず生産を禁止しなければダメですよ」
宮家氏
「国によって違うんです。アメリカとか、ロシアの場合は老朽化が進んでいますから、減らすんですよ。イギリス、フランスはこれ以上持ってもしょうがないですよね。中国はどうですかね、もっと持ちたいと思っている、ですから、反対する可能性がある」
反町キャスター
「核兵器を保有していない国に対して核攻撃はしないということぐらい、核保有国が約束してくれないと、NPTに入るメリットはない、違いますか?」
猪口議員
「おっしゃる通りで、実際に強化された消極的安全保障という考え方があって、それはまずNPTのメンバーであると、非核兵器保有国であると、IAEAの保障措置の協定にフルに結んでいて履行している、そういう国に対して核攻撃はしないと約束していますから」

国の存亡をかけた選択 日本の『非核三原則』は…
反町キャスター
「この間、国会で民主党(当時)の白眞勲議員と安倍総理との核兵器の保有についてのやり取りがありましたが、それに対して横畠裕介内閣法制局長官の答弁で、2016年3月に『我が国を防衛する必要最小限度のものに限られるが、憲法上、全てのあらゆる種類の核兵器の使用が禁止されている、というふうには考えていない』とありましたが」
渡辺議員
「この答弁というのは過去にもありました。核兵器を所有しないということは、憲法上は必要最小限度の核兵器であれば…」
反町キャスター
「必要最小限度の核兵器とは何ですか?」
渡辺議員
「必要最小限度というのは、相手が攻撃したものと同等のという意味だと思うんですね」
宮家氏
「抑止力のある」
渡辺議員
「この話に戻しますと、ただし、政策として、非核三原則と原子力の基本法で、これは平和目的なので、核は持てない。政策としての三原則であり得ないと答えているのですが、ただ、法制局長官は、安倍政権で言うものだから、何か考えているのではないかと。安倍政権の一連の流れの中で核兵器の使用までも考えているのかとなったので、物議を醸したと、そういうことだと思います」
猪口議員
「答弁として不十分であって、直ちに付け加えなければいけない文言があって、我が国は憲法上、国際条約を遵守する義務がありますと。NPTの加盟国であり、国際法を遵守する義務があるので、政策的にということではなくて、法的に保有をしません、使用しませんということです」
反町キャスター
「上位概念ですか?」
猪口議員
「国際条約を遵守する、その根拠が憲法に書いてあるから、憲法を守るということは国際条約を遵守しなければいけないわけだから、NPT、核不拡散条約の非核兵器国としてその条約に入っているわけですから、その立場を遵守することが憲法上要請されているということです」
宮家氏
「NPTに入っている以上、脱退しない以上は当然、国際法上の義務があるんですよね。問題は、この答弁というのは、憲法解釈の議論の中で出てきたものだから、これはこれで正しいと思うんですよ」

猪口邦子 元軍縮会議日本政府代表部特命全権大使の提言:『核不拡散体制を守り、 核兵器廃絶をめざします』
 猪口議員『核不拡散体制を守り抜くということです。そして、その先の核兵器そのものを廃絶する。日本は国連の総会に核廃絶決議案というのを毎年出して、圧倒的多数で採択されていますので、核兵器を廃絶するという旗手で日本はあり続けなければならないと思います。ただ、プロセスにおいては、現在ある核不拡散体制、NPT体制というものを守り抜かないといけない」
渡辺周 元防衛副大臣の提言:『透明性』
渡辺議員
「透明性ですね。削減交渉をやるにしてもどの国がどれだけの核弾頭を持っているのか。と言うことは当然はっきりさせないといけないし、そのうえで交渉のスタートが成り立つわけですね。それから、様々な国にテロの脅威がある中で、これからテロが起きる、その組織がどのように核を使うのかということについて、国際社会に協力するためにはお互いの情報をもっと交換しあわなければいけないと思います」

宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の提言:『現実 直視』
宮家氏
「NPTがあるから、必ずしも拡散が防止されたわけではないです。それは力関係で決まる。日本国憲法があるから平和が守られたわけではないです。安保条約を含む体制があったからです。ですから、その意味で、核の問題について我々が特別な感情を持っている。だけども、それと日本の安全を守ることを考えた場合、どちらが大事かと言ったら、それは現実をまず見て、現実を優先する、それが政策のあるべき姿だと思います」