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2016年3月18日(金)
中国出身3論客に聞く 軍事&経済『新戦略』

ゲスト

凌星光
日中科学技術文化センター理事長
石平
拓殖大学客員教授
韓暁清
人民日報日本語版『日中新聞』社長

過去最高『国防費』の狙い
松村キャスター
「全人代(全国人民代表大会)で発表された2016年の国防費は前年実績比7.6%増の9543億元。日本円でおよそ16兆7000億円と過去最高を更新しました。一方、その伸び率なのですが、これまではほぼ毎年2ケタの伸び率できていました、今回は2010年以来6年ぶりに1ケタ台という伸び率となりました。この国防費が発表された日、李克強首相は政府活動方向で『軍事衝突への備えを進め、平時の戦備と国境・領海・領空の防衛管理を計画的に行う』と、このように述べています。凌さん、今年の国防費、過去最高額となりましたが。また、李首相のこの発言、どのように見ていますか?」
凌氏
「伸び率が10.1%。2ケタが6年間続いている。6年ぶりに、また、1ケタになったということですけれども、これを大変、海外では重視していますよね。海外では、今回20%ぐらい伸びるのではないかと。あるいは十数パーセント。と言うのは、米中関係が大変厳しい環境ですね。それから、日本と中国の関係、南シナ海、東シナ海、問題があるから、そういう予測が出てもおかしくないんですけれども、それが7.6%。これは名目ですから、実質ですとインフレ率が1.5%から3%になりますから、実質ですと5、6%になるんですね、実質の軍事費の伸び率は。これは思ったよりも伸びていないと。こういう評価で、中国の人達も、なんだ、現在のこういった状況では軍事費を抑えなくてもいいのにどうしてかという質問があって、それの解説などしていましたけれども、この伸び率がこういう時期にこれだけ下がったということは、これは大変注目すべきことだと思うんですね」
石客員教授
「それに関しては、ちょっと1つ理由はあるんです。要するに、伸び率が落ちていることが。中国の経済事情とか、その他やむを得ない事情があるんです。たとえば、グラフを見ると、軍事費の伸び率が1番高かったのは2007年、2008年、あのへんだったでしょう。実は2006年から2010年まで中国の国家の財政収入で伸び率が1番高かったんです。毎年、21%前後だったんです。しかし、2010年以来、経済成長率が落ちていくと。そうなると、たとえば、昨年の中国の国家の財政収入の伸び率は8.6%まで落ちたんです。要するに、財政収入は落ちたから。しかし、その中で、社会的不安は高まって、いわゆる治安維持費も結構大きなお金を使っていますから。そういう意味では、軍事費の伸び率が落ちていることは、むしろ中国経済自体が現在落ちていることと非常に相関関係にあるんです。決して中国がこれで軍備拡大をやめたわけではないです」
反町キャスター
「凌さん、李克強さんの発言。先ほど、紹介しましたけれど、軍事衝突への備えを進めと。軍事衝突、中国が備えを進める軍事衝突って、どことどこの軍事衝突を念頭においているのですか?」
凌氏
「それはアメリカもあれば、日本もあれば、ベトナムもあれば、フィリピンもあると思いますけれども。しかし、これはあくまでも備えであって、この軍事衝突はお互いに、現在避けようとしている。日本もそうだと思います。もし東シナ海でどちらかが軍事衝突を起こそうと思えばすぐにできますね、お互いに実効支配していますから。そういう角度から見ると、私個人はこの軍事衝突の現在1番、危険性があるのは、日中間だと思いますね、南シナ海とかで」
反町キャスター
「李克強さんは、日本との軍事衝突への備えを進めなさいというふうに言っているのですか?」
凌氏
「いや、そういう意味ではないですけれども、日本も含まれていると思いますよ」

『海洋強国』建設の狙い
松村キャスター
「一昨日、閉幕しました全人代で、李克強首相はこのように宣言をしています。『海洋戦略を制定し、海洋強国を建設しなければならない』。凌さん、この李首相の言う海洋強国。これはどういったものを指しているのでしょうか?」
凌氏
「これは、中国はこれまで主に陸軍中心でしたよね。それはなぜかと言うと、力がないというか、海軍力とか、空軍力が、高度な技術を必要としますし、確かに海軍と空軍をつくりましたけれども、実力は伴っていない。しかし、経済が発展し、科学技術の力もついてくる中で当然、中国はこれから、現在(世界)第2の経済大国。そのうち世界最大の経済大国になるでしょうね。それにふさわしい海軍、それから、空軍も持って、国際的責任を果たすと。世界の平和と安定のために果たすと。そういうためには、海軍も強化をしなければならない。とりわけ現在、アメリカは一極支配、絶対的な軍事大国ですよね。そういう中にあって現在、世界の公海を我が物にしているけれど、そうではなくて、全ての国に公平に使えるようにすべきと。私に言わせれば、太平洋も実際にはアメリカ、それと軍事同盟を結んでいる日本にとっても内海みたいな状況ですよね、実際には。しかし、そうではなくて、世界は国連の原点に戻って5か国の安全保障理事国が世界の平和の秩序、そういうアレをやらなければいけないので。現在アメリカは国連を利用するけれども、国連の安全保障理事国、5か国。これはアメリカの意に沿わなければ、もう使わないですね。公然とそういうことをアメリカの学者は言いますよ。これでは世界の平和と安定はないのでありまして。アメリカに覇権を放棄させるためには、中国がそれなりの軍事力を強化しなければいけない」
石客員教授
「私なりに、海洋強国を解釈しますと、ある意味では、中国の1つの歴史的な戦略の転換ですよね。中華帝国は秦の始皇帝以来ずっと大陸帝国だったんですね。海にはあまり関心がなく、海にあまり進出しなかった。しかし、近代になってから中国は海洋強国にそれこそ負けたんです、まずイギリスね。イギリスに散々打ち破られまして。それで、アメリカは世界を、彼達からすると支配をしたと。あとは、そこから中華帝国が得た教訓は、今後の帝国になり得るために、昔の伝統的な大陸国家としてではなく、海洋国家として、要するに、海を制すれば世界を制するというような考え方。ただ、現在具体的な話になりますと、有名な話ですけれども、中国は散々アメリカに対して、太平洋の、日本に展開しているでしょう。太平洋の向こう側はアメリカさんにお任せします。こちら側はこちらに任せて。要するに、アメリカと太平洋を山分けではなくて海分け。海分けをして、中国のアジア太平洋地域における覇権を確立する。そうすることによって現在習近平政権が目指している、民族の偉大な復興は、まさに中華帝国の復権です。要するに、中華帝国は海の強国として復権するというような、私はそう思うし、それしかないですね」
韓氏
「私の認識はちょっと違うので、これまでの中国はそういう国の力があまりついていなかったんですね。長い内戦をして、中国の経済力はなかった。現在は、改革開放以来、中国が強い国になったので。現在そもそも出入りするのに、中国の海の道が通れないですね。それはすごく海の、海洋戦争ということは大切にしなければいけない。だから、現在は国の戦略は海洋強国になるのが非常に中国として1番大事な国のそういうプロジェクトですね。それを超えれば、中国は世界どこでも通航できるような、そういうパスポートができる、そういう許可書ができると。そういうような国を建設することが中国は現在1番大事なことですね」

独自の『国際ルール』
反町キャスター
「海に対する思いというのも表れとして、1つの例として今回、全人代において日本の最高裁にあたる中国最高人民法院の院長、周強さんという人らしいのですが、活動報告をしています。その中で明らかになっているもので、1つの例を今日取り上げますけれども、こういう話がありました。周強さんの話の中では、2014年の9月に中国の漁船がパナマ船籍の貨物船と衝突をしました。その時にその問題、事故の処理に関して、これが尖閣の周辺海域だったんですけれども、その事故に関しては、中国漁船とパナマ船籍の衝突事故について中国が海難審判を行いましたと。それをもって、周強さんは尖閣諸島海域での司法管轄権を明確にしたというふうに全人代で、このように報告をしています。これに対して岸田外務大臣は、発生場所は尖閣諸島の領域外で、接続水域でもないと。国際法上、尖閣諸島と関係ないものである。中国の尖閣諸島に関する独自の主張は極めて遺憾であると抗議を行っています。その領域外かどうかということですけれど、地図をつくってあるんですけれども、今回パナマ船籍の貨物船と中国の船がぶつかったところというのは尖閣諸島から40海里。一応、国際法上言われている領海というのは12海里です。このへんのものです。領海からはるかに外の40海里離れたところの衝突現場。そこの、いわゆる公海上において中国の船とパナマの船がぶつかって、その処理を中国側がやったということが、これが果たして、中国のこの地域における司法管轄権を証明したことになるのかどうか。凌さん、どうですか?」
凌氏
「中国が現在、なぜここを、主権を行使したかということを強調したのか。そこが正しいかどうかは別として、それは現在、日本との主権の争いがあるからですね。係争が棚上げだった、もともと日中関係が良かったのを、係争が棚上げでなかったということで、日本が実効支配を強化する。中国は初め、ずっと大局的な見地に立って我慢していたんだけれども、もう我慢できないとやったのが、2012年の9月ですよね」
反町キャスター
「石さん、この中国の最高人民法院院長の発言をどう見ればいいのですか?」
石客員教授
「それは、1つは国内向けの要素があるんです。国内向けにして、それで我々がちゃんと尖閣に対して中国政府がちゃんと実効支配やっていますよという。それが1つのメッセージ、国内への」
反町キャスター
「でも、国内向けでも40海里も離れていたら、領海でも…」
石客員教授
「いや、でも、国内で詳しいことは誰もわかりませんよ。政府が実効支配の、1つの例を挙げ、我々が実効支配していると説明をすると国民は大半が納得するということ。要するに、政府がちゃんとやっていますということ。もう1つその論理でいけば、要するに、中国は潜在的意識の中で、はっきり言って、そのまま太平洋全体、先ほどの話に実はなるんです。もっと広範囲的に、中国が将来的に司法権、あるいは行政権…」
反町キャスター
「いわゆる国際法上は、領海は12海里、20kmで決まっているわけですよ。中国の国内においては、領海、12海里という概念はないのですか?」
石客員教授
「もっと、要するに、大雑把に言えば、中国人の概念の中で、そもそも領海は関係ないです。ほしいものは中国のものですからね、冗談半分で言うのですが」

南シナ海…米国とどう対峙?
松村キャスター
「今回の全人代で、海洋強国を目指すことを打ち出した中国なのですが、王毅外相は南シナ海の動きに関して『軍事化のレッテルは、中国よりも相応しい国がある』と発言し、フィリピンが中国の南シナ海における領有権主張は不当だと常設仲裁裁判所に提訴したことについて『フィリピンの独断専行には明らかに黒幕の指示と政治的な動きがある』とこのように発言をしています。凌さん、この軍事化のレッテルは中国よりも相応しい国、黒幕。これはずばりどこを指しているのですか?」
凌氏
「先ほども言いましたけれども、アメリカを指していると思いますね」
反町キャスター
「こんなにはっきり言ってしまっていいのですか?はっきり言っているようなものですよね」
凌氏
「私は言っているようなものだと思いますね。これは中国が、アメリカに対して、1つの姿勢を示しているんですね。そんな言いなりになる時代ではないよというね」
石客員教授
「ただし、中国の現在のアメリカを指して使っている、そういう表現。そういったものはだいたい私の記憶では毛沢東時代に戻っている感じです。要するに、毛沢東時代のアメリカ帝国主義。それが全ての黒幕であって、1番悪いやつであって、日本の後ろもアメリカ帝国主義があって、要するに、世界一の悪徳の国という。ある種、中国はアメリカに対抗しなければならない。それで鄧小平時代になりますと、改革開放ということでアメリカと基本的に協調路線をとるんです。それ以来、アメリカを指して黒幕という言葉はあまり使わない。もっと紳士的な言葉。現在この状況で見ますと、徐々に習近平政権で何か逆戻りをするんですね。毛沢東的な、ああいう発想で、要するに、攻撃的な発想で、アメリカと対立しなければならない、というような意味で、私からすれば、鄧小平が現在、生きているならば、彼を叱ることになるんです」
反町キャスター
「そんなにアメリカを悪者にしなければならないのですか?要するに、習近平政権は強い、僕らもそう思っているのですが、強い政権なのに外に悪者をつくって、中を強く引き締めなければいけないのですか?」
石客員教授
「それが1つですね。昔からの伝統的な毛沢東時代の対米強硬路線で、ある意味、国内を締めつける。もう1つは、根っこのところで、先ほどの論議と関係があるんですよ。本心では、アメリカの秩序をひっくり返したいんです」
韓氏
「現在の時代は多少、毛沢東時代を、スケールは及ばなかったんですね。だから、本来は、日本はアジアの、中国は儒教の国で、本当は心をつなげるんです」
反町キャスター
「日中はね」
韓氏
「はい。もっと説得力は、親しみやすいわけですけれども。ちょっといろいろ政策は多少間違っていたところがあって、世界が、アメリカがいなければならないという何か誤解というか、不安な要素を感じたんですね。本来はアジア独自の安全保障があれば、1番、世界の平和につながる1番の知恵と道だと思うんですけど、最近はいろいろ政策の衝突で、敢えてアメリカを離れなくなったというのは事実ですので、それは中の、そういうミスを検査して、もう1度、政策的に一方的ではなく、少し皆、握手をするのが基本だと思っています」

成長率『6.5%』の評価
松村キャスター
「中国はGDP(国内総生産)成長率の2016年の目標を6.5~7%と発表しました」
凌氏
「妥当だと思いますね。実は中国の高度成長は終わっているんですよね。ですから、5%前後が中速度ですけれども、高度成長の8%~9%、それが中速度にタームするプロセスにある。ですから、現在の数字が妥当だと思うんですけれど。なぜ高度成長が終わったかというと発展途上国がキャッチアップする段階で起こることでして、戦後の日本もそうだし、韓国、台湾もそうだと思うんですけれども、それで労働力、労働力の質がいいのが1つの条件、先進国との関係において、いろいろと技術とか、資金を受け入れられる、後発性利益というのか、キャッチアップのメリット。これがだんだん追いついてきましたから。もう1つは改革ですね。中国は日本からも学んだんですけれども、それがキャッチアップしてくると、幅が狭く、効率のメリットが。ですから、高度成長から中速度に陥る、これは必然性ですよ。そのうち低成長に陥ります、中国も。これから中速度がたぶん15年から20年続くと思いますけれども、その間に中国が世界一の、1人あたりは無理ですけれども、世界一になるでしょうね。現在その転換期にあるんですね。その転換期が、労働力について言いますと、一人っ子政策をやったために労働力不足が急激にきて、経済のアンバランスが1つありますね。構造的な要因によってダウンする。この構造的な要因以外にもう1つは経済的なミス。中国は目覚しい発展を遂げたのだけれど、途中いろいろなミスをやっていまして、現在の過剰設備、これも明らかに当時の計画性に問題があった。コントロールがちゃんとできていなかった。これもミスだと思うんですね」

『ゾンビ企業』改革の行方
石客員教授
「1番の問題は生産能力の過剰とか、そういう問題をつくり出したのは、これまでの歪んだ形の成長です。中国経済成長の1番の問題点は、消費が徹底的に不足しています。中国の個人消費率は37%前後。日本は60%前後でしょう。国民の消費率が低いですよね。消費が低い状況の中で、投資の過熱化で何とか高度成長を支える。そのために金融緩和政策をやり、財政出動をやったりして、そうなると人為的に不動産バブル、公共事業の拡大をつくり出すと。その中で、公共事業が盛んになると、鉄鋼の需要も増える。その鉄鋼産業も一生懸命設備投資をやる。それで何とか高度成長を支えてきたでしょう。このような形の高度成長は完全に頭打ち、もう無理です、これ以上の過剰投資は。そうなると、これまでやってき成長のツケはこれから全部まわってくると。しかも、消費不足の問題は何も解決していない。過剰生産能力も、これまで財政が豊かな時には国有企業を支えることができる。現在できなくなって、削減するしかない、そんなことをやると失業者が増える。給料も減る。その分ますます内需不足に拍車をかける」
韓氏
「どこの国でもずっと大きな成長率を続けるのは有り得ないですね。現在アメリカと対抗できる力がつきました。中国は国の生産能力は、現在は比べることはできないですね。中国はいろいろな政策を出しました。中国はメイド・イン・チャイナという安いモノを海外に大量に輸出しました。現在、内需に戻って、近代的な農業とか、新たに国が必要」

年金・社会保障の実態
反町キャスター
「中国の失業保険とか、社会保障をあまり聞いたことがないのですが」
凌氏
「中国には5つの保険があるんですよ。1つは日本の年金にあたる養老保険、2つ目が健康保険、3つ目が失業保険、4つ目が災害保険、5つ目が育児保険。日本には介護保険がありますよね。その介護保険をやろうとしているんですね、今回議論されている。一応、日本は国民皆保険、中国もそれを目指していまして、統計で80%カバーするようになったと聞いています。現在、賃金をもらっても、保険とかの負担が大きすぎると、40%~50%です、賃金の。現在それを軽くしようという議論が今回なされています。いずれにしても、中国の保険はここ10年ぐらいでかなり改善し、もっと充実させるという方向できています」
石客員教授
「保険は、形は整備されています。たとえば、養老保険、年金制度ですね。制度はつくっておいて、問題は資金不足です。たとえば、皆、一斉に定年退職をすれば、何千万人の人々に年金をあげるお金自体がない」
韓氏
「そういう年金生活のための補助金、政府はそのためにたくさんの貯蓄があって、それを全部用意しています」

『格差』解消への道筋
松村キャスター
「貧困層への対策、格差対策の効果についてどのように見ていますか?」
石客員教授
「農村地区から都市部に移住させる。それでは格差対策にはならないです。農村部から都市部に移住したとしても、都市部の貧困層になるだけであって、移住するだけでは何も意味はない。むしろ産業を発展させて経済を振興させる。そのうえで都市化を進める。現在打ち出している対策はある意味、中国の伝統的なやり方」
韓氏
「これからは大農業にして、工場みたいにし、農業の現代化を実現する。皆が都会に行くと、これまでの貧富の差、農村と都市の差がなくなるんですね。農村の人は戸籍がないですね。全部それをあげるようになるんですよ。だから、気持ち的に、教育的に平等になりますので、むしろ自分ではできない農業の畑を全部、国に任せて、現代農業を実現させようと」
反町キャスター
「2020年までに貧困層をゼロにとありますが、貧困層をゼロにというのはどういう意味なのですか?」
凌氏
「基準がありまして、随分貧困をなくしたんですね。昨年7000万人、貧困があると言われていた」
反町キャスター
「一定の所得水準…」
凌氏
「そうですね。それで昨年は1400万人貧困から脱皮したので、現在残っているのは5400万人あまり。それで5年間に毎年1000万人以上の貧困をなくすということで、5年後にはゼロに」
反町キャスター
「ゼロというのは無理なスローガンではないですか?」
凌氏
「貧困というのは国連の水準がありますよね。基本的にそれを参考にしていますが、中国の事情がありますから、中国の貧困ラインを引いているんです。それは時代によって調整していますけれども。現在の中国の最低貧困ラインですね、それをクリアするという意味で、それで貧困層をなくすと」

日中関係『新シナリオ』
松村キャスター
「日中関係をどのようにしていくべきですか?」
凌氏
「政治的な信頼をお互いに確立するというか、もう1度、戻すことですね。現在、政治的な信頼、日本も中国を信頼していないだろうし、中国も日本を信頼していないと。そこが1番大きな問題だと思いますね。ただ、今回、岸田外相が王毅さんと電話できて、今度は訪問するようですから、これがいい方向にいってくれればいいかなと思っています」
石客員教授
「私は、信頼関係をつくることがそもそも不可能ですし、信頼関係のうえで両国関係を考えることはやめて、要するに、信頼関係がなくても是々非々でリアリズム的に、外交戦略的に、もちろん、冷静にいろんな駆け引きをやればいいです。信頼関係から始まると、全てがややこしくなるんですよ」
韓氏
「何よりも草の根の力が大きいですので、日本と中国の原点は儒教の国、同じ文化を持っていますので、どんなに経済が強くても一時のものですので、だけど、文化、精神というものはいつまでも。だから、中国は原点に戻って、お互いに、そこから共通のものを探す。現在、(中国から)観光客がたくさん日本に来て、どんなに宣伝されていても真実の日中関係を自分の目で確かめて、それが日中友好の原点だと思います」

凌星光 日中科学技術文化センター理事長の提言:『謙虚な姿勢で』
凌氏
「謙虚な姿勢でというのは、中国はますます発展し、先ほども言いましたように、GDPでも世界一になるでしょう。1人あたりはまだまだ先の話ですけれど、そういう中で謙虚な姿勢で臨む、国際的に。これは指導者も、中国の国民1人1人が謙虚な姿勢を持つことが中国にとっても、周辺諸国、あるいは世界にとって大変重要だと思います」

石平 拓殖大学客員教授の提言:『天下七分 返樸帰真』
石客員教授
「私の認識では、中国という国が間違ったのは秦の始皇帝からですね。ああいう大国を無理やりにしてつくる。統一の中国ではなくてはならない、そこから間違ったということで、世界にとって、中国人自身にとって1番理想像は、秦の始皇帝以前に戻るんですよね。春秋時代です。いくつかの中国があるんです。たとえば、韓さん(の出身)は河南省、河南省は人口1億人ぐらいで、1つの国として十分ですよ。私は四川省出身です。四川共和国をつくれば1番面白いですよ。たとえば、秦の始皇帝以前、儒教とか、孔子も、孟子も中国の素晴らしい文化があの時代に生まれたんですよね。ああいう中国に戻った方が、中国にとっても、世界にとってもいいということですよね」

韓暁清 人民日報日本語版『日中新聞』社長の提言:『儒教精袖 世界の華になる』
韓氏
「中国は、昔は道教、そういう国でしたので、その途中で、孔子が生まれて儒教をつくりました。さらにインドから仏教が入りました。その宗教が精神力となって、中国はいろいろ戦争がありながらも、平和と発展が今日まで届きました。将来、中国はますます発展が、世界1番の強い国になれると思うのですが、それを願って、儒教の謙虚な精神力に戻って世界が本当の平和を守れるようになった日には、その時、中国は世界の華になれると思います」