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2016年3月16日(水)
『炎上』する大統領選 トランプ旋風と大票田

ゲスト

林芳正
自由民主党参議院議員 元防衛相・経済相
長島昭久
民主党衆議院議員 元防衛副大臣
ケント・ギルバート
米カリフォルニア州弁護士
中山俊宏
慶應義塾大学総合政策学部教授

米大統領選『運命の火曜日』 勝敗の背景と今後の見通し
秋元キャスター
「民主党の予備選、党員集会の結果から見ていきたいと思います。18時50分現在、クリントン氏は、オハイオ、フロリダ、イリノイ、ノースカロライナの4つの州で勝利していて、サンダース氏との差をさらに広げています。一方、共和党を見てみますと、今回、最大の焦点となっていたのが、勝者が全ての代議員を総取りするフロリダ州とオハイオ州でした。フロリダ州はトランプ氏が、主流派で地元のルビオ氏を大差で制しました。ルビオ氏はこの敗北を受けて選挙戦からの撤退を表明しました。もう1つの焦点のオハイオ州ですけれども、こちらではトランプ氏が地元のケーシック氏に敗れました。しかし、他の州を見てみますとトランプ氏の勢い、まだまだ衰えておらず、トランプ氏は候補者指名に向けて、さらに、一歩前進したという形です。長島さん、今回の結果を受けて今後の展開をどのように予想されますか?」
長島議員
「民主党はおそらくクリントンさんの方に集約していくのだろうと思いますが、トランプさんが過半数を、7月の党大会までにどうやってとらせないかというのを、たぶん共和党の主流派は画策してくるのだろうと思うんですね。だから、クルーズさんに乗っていった方がいいのか、それとも勝てそうな州でケーシックさんに乗ったり、クルーズさんを応援したりして、何とか代議員をトランプさんに集めないようにするという、こういうことなのだろうと思いますね。もう1つ言うと、僕はルビオさんが極めて正統な候補だと思っていましたので、個人的には、ルビオさんの撤退は残念だなという気がします」
秋元キャスター
「ケントさん、共和党を支持されているということですけれども」
ケント氏
「基本的にはね」
秋元キャスター
「勢いが衰えないトランプ氏。このまま過半数を獲得すると見ていますか?」
ケント氏
「獲得することは少し難しいという気がしますね。党大会前までは、60%以上彼が獲れないといけないので。60%を獲っていないでしょう。どの州でも35%とか、38%とか、多くても40%とか。そういう感じですから、これは無理でしょう。と言うことは、党大会にもつれ込んで、それでどうなるやらということですよね。暫くないですよ、これが」
反町キャスター
「党大会決戦という歴史がですね?」
ケント氏
「党大会決戦というのは、1948年に1度あったんですけれども、それは民主党だったんだよね。ですけど、あれは時代が違いますからね。その時代には党がすごく力を持っていたんですけれど、現在はよっぽど国民の方が力を持っているので。党をそんなに尊敬をしていないみたいですね。ですから、党のお偉いさん達が選んだ候補を、果たして受け入れてくれるのかどうか。特にトランプの支持者はそれが無理かもしれない」
反町キャスター
「抑えられない?中山さん、いかがですか?」
中山教授
「1948年も共和党で(ロバート)タフトと(トマス・E・)デューイ。いずれにしても、実際に見て、記憶している人はいないということですね。今後、全然どう進むかわからないという」
反町キャスター
「現状、どうなっていますか?」
中山教授
「ヒラリー氏の勝利演説を聞くと、サンダース氏をほとんど無視していますね」
反町キャスター
「トランプ氏の話だけですよね」
中山教授
「だから、完全に、本選挙狙いだなという感じですね」
ケント氏
「ヒラリーに決まっていますよ」
中山教授
「ただ、ヒラリー陣営はサンダース支持者を取り込まなければいけないと思うんですよ。サンダース支持者は相当、ヒラリーに対して距離感を感じているので、そこがヒラリーの今後の課題だと思うんですよね」

変わるアメリカと日本
秋元キャスター
「林さん、今回の結果を受けて、今後の展開など、どう見ていますか?」
林議員
「今日は、ある意味で、予想通りというような感じで、長島先生もそうだと思いますけれども、ルビオさんが、結構、この人がなってくれるといいなという雰囲気でしたが、残念ながら、地元で勝てなかったと。ルビオさんがいなくなったあと、ケーシックさんに少し注目したいと思うのは、クルーズさんではなかなかいけないなと思っている人も、ケーシックさんというのはこちらにいろんな会議で来られるような、いわゆる主流派の共和党の人は、皆あの人がいいと。ルビオさんがいる頃から結構いろんな人が言っていたので、この人がここに出てきてきたというのが1つの注目点かなと、共和党の方は。民主党の方は予想通りで、ミズーリだけが決まっていませんけれども、このままクリントンさんが優位で。ただ、どこまで引っ張るかというので、クリントン陣営としては早く決めて、本選に備えたいと思うんですね。これは日本シリーズと似たようなもので、ペナントレースを引きずっていると疲れちゃうのでね。そういう意味では、もう少し差をつけたかったと思いますけれど。いろいろこれからがんばっていくのではないかと思います」

共和党に波乱はあるのか?
秋元キャスター
「共和党のトランプ氏について、指名獲得は確実とはまだ言えない状況。民主党はクリントン氏で決まりそうという状況なのですが、どういうことかと言いますと、共和党候補者指名までの流れですけど、全米各地で行われる予備選や党員集会を終えますと、いよいよ7月に、党大会で代議員の投票により候補者が決定することになるわけなのですが、仮にトランプ氏が最も代議員を集めたとしても、1回目の投票で過半数を獲得できない場合は決戦投票となります。つまり、投票やり直しということですね。この決戦投票では代議員の拘束は解かれ、誰に投票をしてもいいというルールに変わります。自由投票ということになります。そのため、共和党内で、反トランプが結束し、トランプ氏に過半数をとらせないということも可能になるわけですけれども、ケントさん、この決戦投票の可能性をどう見ていますか?」
ケント氏
「決戦投票になる可能性は非常に高いと思います。しかし、決戦投票になったからと言って、クルーズ氏とケーシック氏を支持している代議員が一緒になるかどうか。クルーズ氏はかなり右ですからね。たとえば、クルーズ氏にまとめたとしましょう。そうすると、主流派はたぶん嫌でしょう。トランプ氏に決めた。そうすると、クルーズの人達は怒ります。全然違う人を持ち出したとしましょう。そうしたら皆が怒ります」
反町キャスター
「皆で怒らない人を担ぎ出すのではないのですか?その場合には」
ケント氏
「皆が怒らない人がいるのですか?ポール・ライアンがそれになれるかどうかです」
反町キャスター
「この人は皆が怒る人なのですか?皆が納得する人なのですか?」
ケント氏
「現在のところは非常にうまくいっているんです。下院議長をやっていまして、下院の中で、どうしても共和党がまとまらなかったのを、彼がうまくまとめているんですよ。現在は…なんですけれども、その選挙戦を戦った人達をさておいて、彼を担ぎ出したというのと、それはちょっと違いますね」
長島議員
「下院議長になったばかりでしょう。何年も経っていないですよね」
ケント氏
「下院で重要な人物ですよね。下院でがんばってもらいたいです」
長島議員
「そういう人が大統領選に出るかな。将来的には十分あり得る人だとは思うんだけれどもね。
反町キャスター
「本人が出る、出ないではなくて」
長島議員
「担ぎ出される。下院議長も担ぎ出されたんだよね」
ケント氏
「そうです」
反町キャスター
「この混乱を収拾させるためにというので最終的に」
中山教授
「本人がやりたくなかったのでしょう」
長島昭久民主党衆議院議員
「そうそう」
反町キャスター
「本人が下院議長をやりたくなかったということはもしかしたら大統領だったらと、そういう話?」
中山教授
「大統領を狙っているので、ちょっと、ここで。下院議長というのは、ある種、汚れ役でもありますから」
ケント氏
「選挙に出るかどうか、迷った人ですね」
反町キャスター
「大統領選挙にですね。そういう意味で言うと、現在は、自分の方からやるとは言わずに、それは駆け引きになるんですけれども、ジーッと待っていて、党大会が混乱するのを待っていて、どうにもならないという時に声がかかった時に皆さん、そう言うならと。何かどこかの国の総理大臣がなる経緯みたいなものですけれども、そういう可能性というのはありますか?」
ケント氏
「ですから、この話が出てくるのは日本だけですよ。アメリカのテレビ番組ではこれを言っていないですよ」
反町キャスター
「なぜアメリカで言わないものをここでやらなくてはいけないのですか?」
ケント氏
「それを言い出したら、打倒ポール・ライアン氏になってしまいますからね。ヒラリーのスピーチにも出てきます」
長島議員
「僕らからすると、ここまで混乱をしているのだから見てみたいですね。70年ぶりの決選投票」
ケント氏
「僕も見てみたいね。何で見たいかというと、現在、票を取っている人達に対して僕は全然良い人がいないと思っているんです。全然良いのがいないのだったら、違い人が出てくるのも見てみたい」
中山教授
「ルビオ氏は明らかに期待をしていますよね。煽りに煽って。政治ショーで。ポール・ライアンということではなくて。大統領選がもつれ込むのを」
反町キャスター
「党大会までずれ込むのを期待している?」
林議員
「僕は。1番期待しているのは民主党だと思いますね。決戦投票までやって、たとえば、トランプさんでなくなったとすると、この人はほぼゼロですよ、共和党を応援する確率は。たぶん外に行って、こんなおかしいことはないと散々言うと思います」
反町キャスター
「インディペンデントで、独立系で可能性が?」
ケント氏
「立候補をしないで、ただ」
林議員
「打倒共和党」
ケント氏
「現在のままでいくとでしょう」
長島議員
「だって、トランプ氏って、別に共和党員をずっとやったわけではないので。民主党に鞍替えとか、何度かやって」
ケント氏
「それが予備選挙が始まった頃に、共和党からトランプに誓約をさせたんですよ。もしも共和党の候補にならなかったら、インディペンデントとして出ないということを約束させたんですけども、でも、彼はいくらでも言い訳できるでしょう。だって、党のルールに従ってやってみたのに、自分が」
林議員
「1番(票を)獲っていたのに、自分はならなかったと。おかしいではないかと。それで、たぶん11月ぐらいに、何で私は共和党の大統領公候補になれなかったという本が緊急出版されて、それがミリオンセラーになるわけですよ」
秋元キャスター
「共和党としてはかなり苦しいです。トランプ氏が大統領候補になってもならなくても」
林議員
「すごくイメージは大きいですよ。よほど、先ほど言ったように、日本的なやり方で、皆が納得できるような人が、出れば良いけれども、そういう人がもしいるのだったら、こういうふうになっていないと思いますね。この人は最初から出ていれば別だけれども。だから、かなり厳しい、どうなっても本選は厳しいよね」
長島議員
「本当は8年間、民主党政権が続いたから。共和党としてはチャンスです」
中山教授
「トランプ氏が、仮にその候補になると、今度は共和党の中でこの候補の下ではやっていけないと言われる人も出てくると思うんですね。ですから、厳しいですよね」
反町キャスター
「トランプ氏が立ったとしたら、トランプ氏に不満な人達が、共和党の中で、不協和音をやる?トランプが嫌だという人達が党大会決戦、トランプ外しのような行動。またはトランプ氏が、俺はやっていられないと言って。どういう形にしても共和党が分裂というか」
中山教授
「だから、選挙が終わって、我々が知っている、共和党というのはもしかすると残っていない可能性というのも当然あり得ますよね」
ケント氏
「分裂どころか、空中分解かも知れません」

トランプ氏VSクリントン氏
反町キャスター
「中山さん、最終的に1番最有力候補と見られているクリントン候補とトランプ候補が本選に進んだ場合に、クリントンVSトランプの大統領選挙、どうなると思います?」
中山教授
「一般的にはクリントン候補有利ということだと思うんですけれど、これまでトランプ候補は、相手を潰す時に、自分のリングに相手を引き摺りおとして、そこで叩くわけですよね。もう徹底的にダーティにいくわけですけれども、おそらくトランプ候補の場合はダーティにいっても、自分のイメージは傷つかないと思うんですけど、その場面でクリントン候補が同じことをやると、クリントン候補が相当傷つくと思います。ルビオ氏がまさにそうだったんですよ。ルビオ氏は結局、トランプ氏の手が小さいだとか、手が小さい…」
反町キャスター
「僕、それは見ていなかった。要するに、手が大きい小さいで政治家の度量が決まるのですか?」
中山教授
「度量が決まるというか、人間としての器ですよね。そういう部分で批判をし始めてしまって、それで、結局ルビオ氏がそんなことをやるのかということで、ルビオ氏のイメージがガタッと落ちるわけですね。そのことを見ているので、ヒラリー陣営、安易にそこに踏み出さないとは思うんですけれど、でも、何となく直感ですけれど、トランプ候補は、ヒラリー候補の1番悪い部分をうまく引き出させてしまうのではないかなという、そうなると」
反町キャスター
「中山さんから想像する、トランプが引き出すであろう、ヒラリー候補の悪いところはどういうイメージなのですか?」
中山教授
「ヒラリー・クリントン氏は、トランプ候補ほどではないですけれども、この人だけは大統領にさせたくないというもの、ネガティブな感情をどうしても生んでしまう政治家でもあると思うんですよね。一方で、好かれながらも。とにかく、トランプ氏は前に前に出していくという、ウォールストリートのつながりもすごかったかもしれないですし、ビル・クリントン氏との関係も、いろいろ言うかもしれないですし、メール問題もそうですし。それに対するクリントン氏の逃げ方というのもおそらく非常に嘘っぽかったり、ロボットみたいな反応だったり、あまり彼女はそんなところの逃げ切り方がうまくない政治家ですね」
ケント氏
「一方、女性は女性ですね。初めての女性候補ですから、女性に対して、どこまで押せば反感が起こらないか、これは未知数ですよ、わからないです。だから、あまりトランプ氏が彼女を叩き続けると、もしかして人間の半分ぐらい、つまり、女性達が全部、彼女の味方にまわっていく可能性もありますよね。そのへんはわからないですよ」
中山教授
「でも、それだったら、散々、女性蔑視の発言し続けているではないですか。トランプ氏は。でも、全然、女性は離れないでしょう。不思議ですね」
反町キャスター
「トランプ候補は女性にも人気があるのですか?」
中山教授
「男性の方が多いですよ」
ケント氏
「それは総論であって、1人をそうやって攻撃し始めたって、だって、トランプ氏の支持者は低所得の白人男性でしょう。この人達はどちらかというと、女性を大事にする年齢層ですよ。そういう層ですよ。なので、もしかして、もしかしてなんですけれど、わからないですよ。これ。やったことないですから」
長島議員
「敢えて異論を挟ませていただくとするなら、要は、過激なトランプ氏というイメージで皆見るという話をしているけれども、もしかしたら共和党の大統領候補と指名されたら、意外とリアリストで。と言うか、アメリカの大統領制度というのは、システムというのは結構確立しているから。要するに、トランプの周りにスタッフとか、スピーチライター、あるいは閣僚になる人達が来て、その人達がいろいろ彼のイメージをつくっていけば、強いリーダーの彼のイメージというのがグンと出て、それ以外のいろんな政策は、他のスタッフが考えるというような。そうすると、もしかすると、大統領選挙まで行ってしまうかもしれませんよ」
反町キャスター
「林さん、ヒラリー・クリントン氏とトランプ氏の戦いはどうなりそうだと見ていますか?」
林議員
「常識的に考えるとクリントン有利だと思います、私も。期待も込めてね。ただ、かつてないことが起きていて、この間アメリカの国防関係者が3人ぐらいいらっしゃって、最後にこの課題になって、それで、年長の方から順にどう思うと言ったら、最初のお二人は、クリントン氏が勝つに決まっていると。党は関係ないですよ。3人目の人は1番若い人で、私もそう言いたいんだけれども、お二人ほど楽観的にはなれないと言いました。どうしてかと言うと、最初に共和党の予備選のプロセスが始まった時も皆、同じことを言っていたと。トランプ氏はそのうち、フェードアウトしますと言っていたのに、皆言っていたのに現在こうなっているわけでしょう。だから、同じことが本選でも起こるかもしれないと。と言うのが彼の論拠で、先ほどの若い層の不満とか、それから白人の層の不満とかに近い人ほど、ちょっとそういうコンサーンがあるのかなと思って聞いていて。私は1990年代の頭頃、ワシントンでインターンをやっていた頃、デジャヴがあって、インサイト・ザ・ベルトウェイという言葉があって、環状線があって、日本で言うと、そのベルトウェイの中だから、首都高の中みたいな意味ですけれども、転じて永田町的な響きがあるわけですね。あの中のやつを全部取り代えろみたいなのが、だいたい10年に1回起こるんですね。だから、ちょっとそれもあって、サンダース氏とトランプ氏なら両方ともアウトサイダー的ですけれども、クリントン氏みたいにセンターにずっといた人と、外側の人だと、政策というのはまったくやらずに場外乱闘みたいな、俺はお金を1円も貰っていない、みたいなね。俺はワシントンで仕事なんて1回もやったことがない、だから、変えられるんです、みたいな。そういうことをやるとちょっと反論がなかなか難しいと思うんですよね」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、トランプさんの後ろについている低所得白人層の皆さんみたいな、その人達の怒りというものを、クリントン候補がキチッと受け入れていられるよう、受け止められるような政策がきちんと打ち出せるのかどうかというと、これまでの彼女の言っていることは、どうも逆張りのことを言っているような印象も、僕には感じますけれど。結局、彼女がトランプ陣営まで食いちぎれるような幅を持てるか」
林議員
「結局、白人層で、現在不満があって、それをこちらに出している人というのは、たぶん、いろいろなマイノリティ政策で、それ以外の人が優遇されて、それも不満の1つになっているので。では、今度クリントン氏がこちらのために何か言うということはこれまでずっとクリントン氏を押していたマイノリティの人達が、今度は、えっ、どうしたのというふうになっちゃうわけで。そういうトレードオフがあると思うんですね。だから、なかなかクリントン氏も全部を包み込むようなやつというのは難しいのではないかと」
ケント氏
「難しいですね。だいたいの人達はもともとティーパーティだったりして」
反町キャスター
「ケントさん、もしもクリントンVSトランプという大統領選挙の本選になると、まさにアメリカの分断が、分裂というか、分断ですよ、アメリカが2つに割れているというのがはっきりわかる大統領選挙になってしまうようなそういう感じではないのですか?」
ケント氏
「混乱すると思います。分断するというより混乱するのでまったくわからなくなります、一般の人は」
秋元キャスター
「どう混乱するのですか?」
ケント氏
「だから、どういう政策がいいか。実際に真実を言っているのかどうか。これも全てわからなくなります。自分が期待をしていることをやってくれるかどうか。現在の時点ですと、わからないですよ」

対中国は? アジア外交
秋元キャスター
「ここからはアメリカの大統領が代わることで外交政策にどんな変化が生じるのかということを聞いていきたいと思います。特に、アメリカのアジア外交の変化、日本の安全保障政策に直結する問題でもありますけれども、トランプ氏とクリントン氏が軍事的な脅威が増している中国に対してどういう発言をしているのか見ていきたいと思います。共和党のトランプ氏のお決まりのフレーズ、『貿易でも軍事でも他国に勝利をする』。ただ、具体的なことについては触れていません。一方、民主党のクリントン氏は、南シナ海における中国の軍事拠点化については『中国がつくろうとしている軍事施設はアメリカの同盟国の脅威になっている』と指摘し、中国のサイバー攻撃についても、『中国は、大量の政府情報を盗んでいる』と言い切っているわけです。このトランプ氏、クリントン氏の違いをどう感じますか?」
林議員
「特徴が出ているのは『勝利する』という言葉というのはクリントンさんの言葉に比べると本当に具体性が何もないのだけど、短いフレーズという意味で、わかりやすいですね。CMとか、たくさん集まっている時のスピーチの締めくくりみたいな時に、これを言っちゃうと、クリントンさんみたいに、『中国がつくろうとしている軍事施設は米国の同盟国の脅威になっている』。しらけちゃうわけですよ。そのへんがやはり…。ただ、だけど、こういう言葉というのは、たとえば、脅威という定義があったとか、同盟国とか、軍事施設とか、全部あるわけです。それは、彼女は国務長官もやっておられるので知っていて言っているし、国務長官までやったクリントンさんが言っているのだから、『政府情報を盗んでいる』、かなり意味があるねとなるんだけれど、トランプさんは意味がどれぐらいわかって言っているのかもわからないので、簡単に『勝利する』という言葉はやっつけるとか、何とかに変わっていくと思うんです、その場、その場でね。だから、そのへんが、先ほど、ケントさんがおっしゃったように、わからなくなっていると思うんですね」
長島議員
「これは完全にかみ合っていないですね。ディベートをやって、どうヒラリー氏とトランプ氏が議論するのかというのを。それを見て、アメリカ人がどう判断をするかというのはまったく想像つかないですよ。普通に考えているのはクリントン氏ですよ」
反町キャスター
「この中国に対する発言、トランプさんの発言とか、クリントンさんの発言をこうやって並べていいのか?」
長島議員
「議論すること自体おかしでしょう。これは」
反町キャスター
「比較もできない」
長島議員
「できない」
反町キャスター
「どちらかが大統領になったら、日中関係はどうなりますか?」
長島議員
「想像もつかない」
反町キャスター
「議論もできない」
長島議員
「ヒラリーさんは予測がつきますね、十分。だけど、トランプさんはまったく予測不能ですね」
ケント氏
「アメリカは、実は11ぐらいの国が1つの国になっていると考えていいですよ。それは人種、たとえば、黒人というのは黒人だけの考え方があり、それだけの社会があるわけですね。ヒスパニックがあるわけです。それから、低所得者の白人がいる。そうではなくて、本当に中間層であるとか、大学院を出ている人達、起業家であるとか、それぞれ皆違うんですよ。それを取りまとめなければ選挙に勝てないはずです。それをトランプ氏がその反対のことをやっているんです。分断しようとしているんです。こちらはダメだと。不法移民は還す、外に行った企業は取り戻す、これは全然、具体性がない。うまく皆さんを取りまとめたのはレーガン氏ですよ。これが天才的でした。何が違うかというと、敵対心でやっているかどうかですよ。トランプ氏は、あれが悪い、これが悪いで全部勝ち負けということになっているんです。レーガン氏はそうではなくて、全部受け入れるんです」
林議員
「日本の言葉というか、中国の言葉で、仁があったんですね。人民に対する愛みたいなね。皆を包み込んで、なるべく皆一緒になってがんばっていこうではないか的なね。リーダーシップというのが。レーガンさんにあってね」
長島議員
「レーガンデモクラというか、デモとクラと。要するに、民主党員も仲間に引き入れましたからね。そのレーガンは予備選の時に、中国と断交すべきだ、みたいなね。かなり過激な発言はしていたんですよ」
ケント氏
「言ってはいましたけれどもね」
中山教授
「中国に関していうと、トランプ氏はとにかく中国に対する発言はやたら多いです。彼の中国に関するだけの発言をつないだYouTubeがあって10分ぐらいあるんですよね。ですから、中国に関してはある種の問題だとは思っているんですけれども」
反町キャスター
「一貫性はあるのですか?発言には」
中山教授
「だから、雇用を奪っていると、経済的な脅威としてしか捉えていないということですね。ですから、安全保障上の脅威という観点はほぼゼロですね。トランプ氏は、有権者に対して自分はビジネスマンだからディールメーカー、ディールを取りつけられるのだということを常に主張しているんですけれども、日本として1番怖いのは、習近平氏と向き合ってディールを取りつけてきたと。ある種の勢力圏を確立して、西太平洋は中国に任せるけれども、こちら側は俺らのものだと、一歩も入れさせないと。さらに、雇用は決して流出をさせないと合意を取りつけて、アメリカに帰って、意外に評判が良くなってしまったりすると、日本からしてみると、これは最悪のケースですよ」
反町キャスター
「意外と、それがアメリカでの評判が良くなったりする可能性はあると思っているのですか?」
中山教授
「つまり、強さという観点から中国とディールを取り結ぶかという見込み」
反町キャスター
「それで、現在の話、太平洋の半分を中国に渡したことを…」
中山教授
「これは、いわゆる中国の言う、新しいモデルの大国間関係というやつですよね。それに場合によっては乗っちゃうぐらいなのが、少なくとも現在のトランプ候補ですよ。これからいろんな人が来て、いろんなことを教えれば変わっていくかもしれないですけれども、現在見ていると、ちょっとそういう怖さがあるという感じがしますね」
反町キャスター
「それは、つまり、安全保障の感覚はなく、経済とか、ビジネスだけで。そういうことだとすると、その時、日米安保条約とか、尖閣はどうなっちゃうのですか?」
中山教授
「ですから、トランプ候補は日米同盟に関して日本はフリーライダーだということを何回か言っているわけですよね」

同盟国防衛とアジア情勢
秋元キャスター
「日米安保条約について、トランプ候補は『日米安保条約は不公平だ。もし、日本が攻撃されたら、我々は、直ちに助けに行かなければならないが、我々が攻撃をされても、日本にはそうする必要がない』。日米安保の片務性を指摘しているわけですが、林さん、こうした指摘というのをどう見ていますか?」
林議員
「だから、こういうのが、安全保障のこれまでの歴史とか、成り立ちというのをまったく知らない人にとっては、何だ、そうなのか、となる話ですよね。たぶん」
ケント氏
「それはアメリカの議会の中で、このような発言をするのは左寄りの民主党員ではないですかね」
林議員
「普通はそうですけれど。だから、先ほど言ったピアノのこちら側とこちら側で全然わからない人だから、全部どこにいるかわからないけれど、こういうことを言うわけですね」
反町キャスター
「今日、二人、防衛大臣経験者と防衛副大臣経験者です。実際、内閣にいて、この通りの大統領がアメリカに生まれるとは思いたくないんだけれども、アメリカの大統領が誕生して、こういうことを言われたら、日本政府の防衛大臣や防衛副大臣は、防衛当局は、どういうふうに受け止めることになりますか?」
長島議員
「これはある種の真実を言っているんですよ。だって、それは日米安保というのは」
ケント氏
「日米安保はそうなっているのだから」
長島議員
「なっているのだから。日米安保第5条で、日本の施政下に対するアタックに対して、日米は共同でやっていくと。しかし、アメリカに対して攻撃があっても日本には関係ないという。そういう建てつけになっているわけです。そのことを彼は言っているわけ。こういうことは、先ほど、林さんが言われたように、安保を知っている人はこういうことはわかっているけれど、しかし、それに対して日本がこういう努力をしている。アメリカと日本との同盟関係はこういうふうに発展してきたと全部わかって言っているわけ、言う人はね。ところが、これを大衆レベルで、演説の中で言ったリーダーというのはこれまであまりいなかったですね。しかも、ウケているわけでしょう」
反町キャスター
「アンフェアだという材料として喋っているわけではないですか?」
長島議員
「拍手、喝采を浴びているでしょう。だから、これはどんどん発展していくと、これまでの日米安保を築いてきた人達からすると、相当居心地の悪い状況になると思う」
ケント氏
「彼がわかっていないのは、これはアメリカの都合で、こういうことになったわけですから。アメリカがつくった体制ですからね。アメリカの国益と思って、こういうふうにしたわけですから」
長島議員
「ただ、現在の安保法制とか、限定的とは言え、集団的自衛権の行使というのはそういう不公正な部分を少し手直しをしていこうという方向ですからね。そこは、私達もきちんと捉えてね。もしトランプさんがこういうことを言ってくるのであれば、日本はこういうことをやりますよと。その代わりにアメリカは、平時のコストを減らしていってください。たとえば、地位協定とか、沖縄の基地問題、そういうディールをむしろ積極的に捉えて、やっていく必要があるのではないかと」
林議員
「大統領が候補として言ったことというのは、言葉の重みが、これまではあったんですけれども、この人の場合、あまりないけれども、要するに、ただ、このまま本当に大統領になったとしてもあまり慌てない方がいいと思うんですね。と言うことは、この人がなって、閣僚を任命しますね。国防長官、国務長官。それから、ホワイトハウスの安全保障担当補佐官とか、いろんな人を任命して、その人達がまず議論します、普通であれば。本当にそういうところにまでいくのであれば、議会にも法律を通さなければいけないので、そこまで見ていないと、彼が現在言っているからといって、大統領に当選した瞬間にそうなると、あまり短絡的にリアクションすると、また、この人がそれを使って、日本が困っているのは、俺達が不公平だから困るのだみたいなことになりかねないので、冷静に、大統領にもし選ばれとしても、その後の移行期間もよく見て、実際に11月の選挙のあと1月ですから、就任するのは。そこの移行期間をよく見る必要があると思いますね」

どうなる? TPP
反町キャスター
「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)については?」
ケント氏
「経済のことは誰もわからないですよ、国民は。ただ、企業が外に出て行っているのはわかるんです。自由貿易にすると、外国のものが入ってくるのものわかっている。ケーシック氏はこれまでの貿易協定によって、自分の職が守られた人達も使って宣伝に出していたんですね。そういうのもあるわけですから。貿易協定は皆が損するものではないですね。部分的には損するけれども、大半は得するという。そうでなかったら、誰も貿易協定をしないでしょう。確かに損する人は出てくるけれども、そこに目をつけているわけですよ、選挙中は。それで恩恵を受けている人はいっぱいいますよ」
中山教授
「トランプ氏の国際社会のイメージというのは壁をつくるというのがそうですね。汚れた世界と交わらないという感じがします。たぶんTPPを退けるというのもそんなことだと思います。保護主義とか、孤立主義という言葉は若干強すぎる。内向きにはなりつつある」

米カリフォルニア州弁護士 ケント・ギルバート氏の提言:『クルーズ』
ケント氏
「クルーズ氏、消去法です。他の人達が皆ダメだから。それと、彼は人格者ですよ。非常に人格を買っています。ポール・ラインアン氏?最後に出てくる可能性があると思いますよ」

中山俊宏 慶應義塾大学総合政策学部教授の提言:『クリントン』
中山教授
「クリントン氏、安全なところですが、オバマ政権1期目で、リバランスを率いて、地域情勢をきちんと理解し、なおかつ同盟の機能をきちんとわかってくれている人。確かに日本では一部、クリントン氏は中国との関係を重視するのではないかということを言われていますが、アメリカにとっても中国は圧倒的に重要なので、中国を重視することそのものはそんなに悪いことではないですし、米中関係は安定していてほしいと思いますよね。ただ、その中で、同盟の役割を認識している人ということになるとクリントン氏ではないかという感じですね」

長島昭久 民主党衆議院議員の提言:『クリントン』
長島議員
「私もクリントン氏。1990年代にアメリカに行った者として、アメリカの世論の復元力、現在トランプ氏にかき乱されているけれど、最後はまともな人を選んでくれるだろうという想いも込めて。しかも、女性初ですからね。アメリカ合衆国大統領が女性になるということの世界的な意味は大きいと思うので、期待を込めてヒラリー・クリントン氏」

林芳正 自由民主党参議院議員の提言:『ケーシック ガンバレ』
林議員
「期待も込めてケーシック氏。ガンバレというのは勝てないだろうなという意味もあるんですけど。8年間の民主党政権であって、政権交代をきちんとやって、今度、共和党の議会ですから、議会とホワイトハウスが同じ本流の共和党に揃って、キチッとやってもらう。課題があるので、中身をしっかりと、アメリカそのものにやってもらわなければいけないことがたくさんあると思うんですね。落ち着いた政権ができるという意味でも。それから、民主党と共和党がそれぞれホワイトハウスとアレがあったということで、いろいろ政治不信がある中から、今日議論したみたい状況になっているので、そういうことをなくすためにも敢えてケーシック氏ということで」